JP2776720B2 - 電動絞り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は絞り羽根をモータで駆動
する電動絞り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】モータで絞り羽根を駆動する電動絞り装
置はビデオカメラ等において既に使用されており、本出
願人は該絞り装置を製造し、且つ該装置に関する技術開
発を行ない、提案を行なってきた。

【０００３】以下には図３乃至図５を参照して従来公知
の電動絞り装置のモータ部分について説明する。

【０００４】図３及び図４は従来例の第一の絞り装置の
モータ部分を示したものである。同図において、１２は
絞り装置の地板、６は該地板１２に装着されたモータの
ロータ、８はビス８ａにより該地板１２に固着されると
ともに該ロータ６の外周面に対向して配置されたヨー
ク、９は該ヨーク８に取付けられたステータコイル、７
は該地板１２にビス７ａ及び７ｂにより取付られたヨー
ク、２は該ロータ６の外周面に対して所定間隔をおいて
対向するように硬質プリント配線板４に固定されたホー
ル素子等の磁気感応型検出素子、５は該絞り装置のカバ
ー板、１３は該ロータ６の軸６ａに固着された絞り羽根
駆動レバー、１４及び１５は該駆動レバー１３に枢着さ
れた絞り羽根、１０はコイル９の巻線が巻かれているボ
ビン、１１ａ及び１１ｂはコイル９の巻線の端末、であ
る。

【０００５】図５は他の従来例の電動絞り装置のモータ
部分を示したものである。同図において、６は永久磁石
から成るロータ、６ａは該ロータ６と一体になった軸、
１６及び１７はステータコイル、１８は該ロータ６とス
テータコイル１７及び１６を包囲する円筒形のヨーク、
１３は軸６ａに固着された絞り羽根駆動レバー、２０は
該ロータ６の外周面に対向するように該ヨーク内に配置
された磁気感応型検出素子、１９は該駆動レバー１３に
枢着された絞り羽根、である。

【０００６】前述の絞り装置用モータにおいて、ロータ
６は図に示されるように、その表面がＮ極領域とＳ極領
域とに着磁されており、該ロータ６が回転された時に該
ロータの回転位置を検出するためのセンサーとして該磁
気感応型検出素子が設けられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図３及び図４に示され
た従来の電動絞り装置においては、磁気感応型検出素子
２がヨーク７及び８の外側に露出して配置されているた
め、該モータのスイッチング装置から出るスイッチチン
グノイズやコイルの励磁ノイズや電波ノイズ、及び強電
界ノイズ等が該素子に入り、該素子の出力にノイズが含
まれるようになるため、該ロータの位置検出精度が狂
い、従って絞りを正確に制御することが困難になるとい
う欠点があった。

【０００８】本発明の目的は、このような欠点を排除
し、ロータの回転位置を正確に検出できるように改良し
た電動絞り装置を提供することである。

【０００９】上記の目的を達成するために、本願発明で
は、表面に磁極が形成されているロータと、通電するこ
とで前記ロータを回転させるコイルと、前記ロータの表
面に対向して磁極の変化を検出する磁気検出素子と、前
記ロータの回転に応じて移動する絞り羽根とを有する電
動絞り装置において、磁気検出素子を、前記ロータの表
面に対向する部分に前記ロータの表面からの磁束を通過
させる穴が形成されたカバーに収容している。すなわ
ち、磁気検出素子の出力信号にノイズが含まれないよう
にするため、該素子をノイズ侵入防止カバーの仲に収容
するとともに、該カバーの正面に該ロータからの発生磁
束のみを通過させる穴を設けて該素子に該ロータからの
発生磁束が入るようにしている。なお、カバーを、少な
くとも磁性体層および導電体層を有する複数の層により
構成してノイズを確実に防止できるようにするのが望ま
しい。また、本発明における磁気検出素子は、ホール素
子でもよいし、ＭＲ素子（磁気抵抗素子）でもよい。

【００１０】

【００１１】

【実施例】以下に図１を参照して本発明の実施例につい
て説明する。なお、本実施例の電動絞り装置の主要部分
の構成は前述した従来装置の構成と同じであるから図示
を省略する。

【００１２】図１において、２は前述の磁気感応型検出
素子、３は該素子２を搭載且つ固定している硬質プリン
ト配線板、１は該素子２を外部から遮蔽して該プリント
配線板３に固着されるノイズ侵入防止カバー、である。
該カバー１は同図に示されるように、長方体形状の該素
子２と同じ長方体形状の本体部１ａを有し、該本体部１
ａの正面板部分の中央には該ロータの発生磁束のみを通
過させるための穴１ｂがあけられている。該本体部１ａ
は該配線板３の素子搭載部（図において幅の狭い部分）
に固着されるようになっている。

【００１３】ノイズ侵入防止カバー１の箱状の本体部１
ａの各部の寸法Ｘ及びＹ並びにＺと、該素子２の各部の
寸法ｘ及びｙ並びにｚとプリント配線板３の素子搭載部
の寸法Ｗ及びＲとの関係は次の通りである。

【００１４】Ｘ＝Ｗ， Ｙ＝Ｒ， Ｘ＝ｘ＋， Ｙ＝ｙ
＋， Ｚ＝ｚ＋ ． なお、１ｃは該本体部１ａの一方の端板部分の下縁部に
形成された切欠き部であって、該切欠き部１ｃはプリン
ト配線板３上のプリント配線３ａ〜３ｂを通過させるた
めのギャップを形成している。

【００１５】該カバー１は該素子２に侵入する各種のノ
イズを防止するための材料で構成されており、その構成
素材はたとえば、磁性体、導電体、シリコン、パーマロ
イ、等であってもよい。

【００１６】図２は４層で構成されたノイズ侵入防止カ
バー３０を示した本発明の第二の実施例である。本実施
例のノイズ侵入防止カバー３０は、本体部３０ａが磁性
体層３０ｃ、導電体層３０ｄ、シリコン層３０ｅ、パー
マロイ層３０ｆで構成されており、磁性体層３０ｃで電
波ノイズの侵入を防止し、導電体層３０ｄで強電界ノイ
ズの侵入を防止し、シリコン層３０ｅでモータのスイッ
チングノイズの侵入を防止し、パーマロイ層３０ｆでコ
イルの励磁ノイズの侵入を防止するように構成されてい
る。

【００１７】なお、本実施例のノイズ侵入防止カバー３
０にも本体部３０ａの中央にロータ６の磁束のみを通過
させるための穴３０ｂが貫設されている。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載し
た発明によれば、表面に磁極が形成されているロ−タ
と、通電することで前記ロ−タを回転させるコイルと、
前記ロ−タの表面に対向して磁極の変化を検出する磁気
検出素子と、前記ロ−タの回転に応じて移動する絞り羽
根とを有する電動絞り装置において、前記磁気感応素子
を、前記ロ−タの表面に対向する部分に前記ロ−タの表
面からの磁束を通過させる穴が形成されたカバ−に収容
することにより、外部からの磁気ノイズの影響を少なく
して磁気検出素子の検出精度を向上させることができる
ので、高精度な電動絞り装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による改良された電動絞り装置に装備さ
れる磁気感応型検出器の分解斜視図。

【図２】本発明の電動絞り装置に装備される磁気感応型
検出器のノイズ侵入防止カバーの第二の実施例の一部拡
大断面図。

【図３】本発明が適用される電動絞り装置の第一の例の
概略構造を示した図。

【図４】図３に示した電動絞り装置の絞り羽根駆動レバ
ー及びカバー板を除去して図３の右側から見た正面図。

【図５】従来公知の他の型式の電動絞り装置のモータ部
分の正面図（ａ）と駆動レバー及び絞り羽根を含む電動
絞り装置の一部の縦断面図。

【符号の説明】

１…ノイズ侵入防止カバー １ａ…本体部 １ｂ…穴 ３０…ノイズ侵入防
止カバー ３０ａ…本体部 ３０ｂ…穴 ２…磁気感応型検出素子 ３…硬質プリント配
線板 ５…カバー板 ６…ロータ ６ａ…軸 ７，８…ヨーク ９…コイル １０…ボビン １２…電動絞り装置の地板 １３…絞り羽根駆動
レバー １４，１５，１９…絞り羽根 １６，１７…コイル １８…ヨーク ２０…磁気感応型検
出素子 １１ａ，１１ｂ…コイル線端末

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に磁極が形成されているロータと、
   通電することで前記ロータを回転させるコイルと、前記
   ロータの表面に対向して磁極の変化を検出する磁気検出
   素子と、前記ロータの回転に応じて移動する絞り羽根と
   を有する電動絞り装置において、前記磁気検出素子は、前記ロータの表面に対向する部分
   に前記ロータの表面からの磁束を通過させる穴が形成さ
   れたカバーに収容され ることを特徴とする電動絞り装
   置。
2. 【請求項２】 前記カバーは、少なくとも磁性体層およ
   び導電体層を有する複数の層により構成されることで、
   ノイズを防止することを特徴とする請求項１に記載の電
   動絞り装置。
3. 【請求項３】 前記磁気検出素子はホール素子であるこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載の電動絞り装置。
4. 【請求項４】 前記磁気検出素子はＭＲ素子（磁気抵抗
   素子）であることを特徴とする請求項１又は２に記載の
   電動絞り装置。