JP2775796B2 - 送風機 - Google Patents

送風機

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JP2775796B2
JP2775796B2 JP1005520A JP552089A JP2775796B2 JP 2775796 B2 JP2775796 B2 JP 2775796B2 JP 1005520 A JP1005520 A JP 1005520A JP 552089 A JP552089 A JP 552089A JP 2775796 B2 JP2775796 B2 JP 2775796B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は送風機に関し、特にシュラウドを備えた送風
機に用いて有効である。
〔発明の背景〕
従来より、第6図に示す様に自動車用エンジン冷却系
に用いられている送風機100は、空気流れに対してラジ
エータ200の下流側に設けられ、駆動源であるモータ101
と、このモータ101によって回転する軸流ファン110(取
付スペース等によりラジエータ200の略中心より左側あ
るいは右側に取付けられている。)と、効率よくラジエ
ータ200に風を通過させるための、シュラウド120より構
成される。軸流ファン110は、径方向に複数の翼111を有
し、ファンシュラウド120は縦断面が円弧状をなし、シ
ュラウド120の空気導通部(ベルマウス部)123と開放部
124とを連続的に接続する接続部121を有する。図中、矢
印は空気の流れを示す。
このようなファンシュラウド120を有する自動車用送
風機100では、車室外に放散される騒音の方が問題とな
っており、特に高圧損時であるアイドリング時に発生す
る騒音が問題となっている。また、車両の高級化に伴
い、軸流ファンによる騒音を低減させようとする動きが
強い。
軸流ファン110によって発生する騒音の特徴は、軸流
ファン110の回転、すなわち翼111の回転によって発生す
る音の影響が大きい。そして、この回転音は、単一周波
数で発生し、遠心ファン等によって発生するホワイトノ
イズ的な騒音とは異なるため、非常に耳ざわりな音とな
っている。
以下、回転音の発生機構について述べる。
回転音には次の2つがある。
(1)翼の回転によって、空気流れに対して翼の上流側
には正圧、翼の下流側には負圧が発生し、正圧領域と負
圧領域とが翼によって仕切られている。この圧力差によ
って圧力脈動が生じ、この圧力脈動が空気中を伝わるこ
とによって回転音が発生したり、圧力脈動が障害物(モ
ータステー)等と干渉することによって、回転音が発生
したりする。
(2)翼周りでは、航空機光学において周知のように、
揚力を発生させる循環が存在し、この循環に伴い、翼端
では翼端渦が発生する。この翼端渦は翼毎に発生するた
め、周期性を有しており、回転音の原因となる。
上記(1)に示した正圧と負圧との圧力差によって生
じる圧力脈動は、軸流ファンを構成する上で必ず発生
し、これを低減するのは難しい。しかし、実際は圧力脈
動により生じる回転音の影響によって、耳ざわりな音と
なる場合は少ない。
従って、騒音となる回転音を低減させるためには
(2)によって発生する回転音を低減させる必要があ
る。
ここで、航空機翼と違い、一般的に自動車用のエンジ
ン冷却系に用いられる送風機100にはシュラウド120が存
在している。このシュラウド120が設けられていること
により、効率よくラジエータ200に空気を通過させるこ
とができる。
シュラウド120内壁面に沿って流れる空気は比較的速
度が遅く、また、層流となっている。そして、この層流
によって形成される層流境界層は乱流境界層に比べ壁面
から剥離しやすく、シュラウド120のベルマウス部121を
通過する時の遠心力により、境界層厚さが厚くなる。
本発明者等の実験・検討によると、シュラウド120の
ベルマウス部121の径は、特に第6図中、シュラウド120
の一端122からベルマウス部121までの距離が比較的短い
所では、ベルマウス部121の曲率半径(R)が比較的小
さくとられているため、層流はベルマウス部121に沿っ
て流れず、大きく弧を描くように軸流ファン110に向か
って流れる。このため、翼111の翼端111a付近では、層
流境界層から乱流境界層W(負の速度を有する逆流域が
存在する。)となり、翼端111aにおいて、図が発生する
ということが分かった。
尚、空気流れに対し、上流側から下流側に向かう空気
の速度を正の速度とし、逆を負の速度とする。
つまり、シュラウド120を設けることによって、ラジ
エータ200を通過する空気の流れは良好になるが、反
面、ベルマウス部121の曲率半径に起因する遠心力によ
り、シュラウド120から空気が剥離するという現象が生
じる。そのため、厚い層流境界層は厚い乱流境界層Wと
なり、さらに翼との干渉により翼端渦を発生させている
という面で、悪影響を及ぼしているということが分かっ
た。層流境界層から乱流境界層(正の速度を有する)に
遷移させることにより、空気の剥離現象は小さくなり、
境界層厚さも薄くなるということは知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記点に着目し、接続部(ベルマウス部)に
おいて、層流境界層を乱流境界層(正の速度を有する)
に遷移させることによって、回転音を低減することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
空気の案内をなすシュラウドの接続部の内壁面に、空
気の流れを乱流にする突部、もしくは窪み部を設けると
いう構成を採用する。
〔作用〕
軸流ファンによって吸い込まれ、開放部内壁面に沿っ
て流れてきた層流空気は、接続部に形成された突部もし
くは窪み部によって乱流空気となり、層流境界層から乱
流巨魁層(正の速度を有する)となる。そして、シュラ
ウド内壁面に沿って、下流側へと放出される。
〔発明の効果〕
以上により、接続部の層流境界層を乱流境界層(正の
速度を有する)とすることによって境界層厚さを低減
し、境界層剥離を低減することができる。
従って、軸流ファンと乱流(負の速度を有する)によ
って発生する渦及び境界層との干渉を低減することがで
きるため、軸流ファンの回転音を低減することができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明送風機の一実施例を図面に基づき説明す
る。
第1、2図に示すように、ラジエータ1の後側面側に
はその全体を覆うようにしてシュラウド2が設けられて
いる。このシュラウド2は管状の空気導通部2aを備え、
その前側には前方の広範囲の空気、即ちラジエータ1の
後側全面からの空気を導入するために開放される開放部
2bがベルマウス部2c(接続部)によって空気導通部2aに
連続して形成されている。又、シュラウド2の開放部2b
は空気導通部2aへ収束するように斜状に形成され、ベル
マウス部2cの内側は緩やかな斜面になっている。そし
て、このベルマウス部2cの内壁に沿って、後述するリブ
(突部)2dが環状に設けられている。
又、駆動源としてのモータ3により回転される軸流フ
ァン4は、空気導通部2aに内包されるように配設されて
いる。この軸流ファン4はボス部4aを備え、その外周に
は複数枚(この実施例では合計4枚)のブレード4bが設
けられている。ブレード4bと空気導通部2aとのクリアラ
ンスは3mm程度である。
次に、リブ2dについて詳述する。
まず、リブ2dの大きさについては第3図に示す様に、
幅bと高さhによって決定される。幅bについては、あ
まり大きくするとベルマウス部2dのR(径)の寸法を変
化させたことと同じになるため、高さhとの兼ね合いで
決定される。ここで、シャープエッジを有する平板上で
発生する層流境界厚さは、平板の流れ方向長さで1mにつ
き1cm程度である。
従って、上記寸法及びR寸法による遠心力の影響を考
慮し、高さhは1mm程度が望ましい。また、幅bについ
ては1〜2mm程度が望ましい。
高さh=1mm,幅b=2mmのリブについて、オイルフロ
ーによる翼型表面の流れの可視化実験によると、層流境
界層剥離が低減された。
形状については第4図に示す様に、シュラウド2が樹
脂によって成形されていることにより、一体型抜き可能
な断面が三角形状で、上流側に鋭角を有するものが望ま
しい(図中、矢印は空気の流れを示す)。
取付位置については、基本的にはブレード4bより上流
側である必要があり、ベルマウス部2dの寸法Rの影響
(遠心力)及び層流境界層の境界層厚さを考慮し、ベル
マウス部2dの上流部が望ましい。
本発明では、環状にリブを設けたが、環状溝(窪み
部)、複数の突起、あるいはディンプル(窪み部)等を
環状に設けても良い。
次に、上記構成による送風機の作用について説明す
る。
モータ3によって、軸流ファン4が回転し、ラジエー
タ1の図(第4図)中、左方向から空気が吸い込まれ、
ラジエータ1を通過する。シュラウド2の開放部2bに位
置するラジエータ1の外周部1aを通過した空気は、開放
部2bに沿ってベルマウス部2cに導かれる。開放部2bに沿
って流れる空気は比較的乱れが少なく層流であるが、ベ
ルマウス部2cに形成されたリブ2dによって空気は乱さ
れ、リブ2dを通過した空気は乱流(正の速度を有する)
となる。そして、乱流となった空気はベルマウス部2cを
通過する際、ベルマウス部2cに沿って流れる。そして、
ブレード4bの先端部を流れる空気は、乱流境界層X(正
の速度を有する)となる。この乱流境界層Xの乱れは比
較的小さく、負の速度を有する逆流域は存在せず、ま
た、境界層厚さも薄くなっている。これは、層流から乱
流になることによって空気の乱れは発生するが、この乱
れは比較的小さく正の速度を有しており、壁面からの剥
離も小さいからである。
従って、ブレード4bの先端部において発生する渦が減
少し、また、境界層厚さも減少するため、ブレード4bと
渦あるいは境界層との干渉が減少されるため、回転音を
防止することができる。本発明では、直進翼の軸流ファ
ンを用い、ラジエータからの距離を約60mmとしている。
尚、前進翼の軸流ファンを用いてもよく、さらに回転
音は小さくなる。
第5図に実験データを示す。
回転音が騒音となる周波数域は約0.15〜1KHzの間であ
り、この間で従来(図中、符号Aで示す)の回転騒音の
一次成分A,二次成分A2,三次成分A3が発生しているが、
それぞれについて騒音は減少している。ピーク値は三次
成分A3であり、約0.8KHzの時、約62dB(A)であったも
のが、本発明(図中、符号Bで示す)では約59dB(A)
で、3dB(A)も低下している。
また、オーバーオール値についても従来Aでは68.3dB
(A)であったものが、本発明Bでは約66.5dB(A)と
なり、約1.8dB(A)も低下している。
尚、軸流ファンの回転数は約2200rpm,風量は約1000m3
/hである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は本発明送風機の一実施例を示す図
で、第1図は正面図、第2図は側断面図、第3図は要部
模式図、第4図は要部拡大断面図、第5図は1/3オクタ
ーブバンド中心周波数と騒音との関係を示す特性図、第
6図は従来の一例を示す側断面図である。 2……シュラウド,2a……空気導通部,2b……開放部,2c
……接続部,2d……リブ(突起部),4……軸流ファン,4b
……ブレード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 29/00 F01P 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のブレードを有し、駆動力を受けて回
    転すると共に、空気を送る軸流ファンと、 空気の案内をなすためのものであって、前記軸流ファン
    の外周囲に設けられ、空気の流れ軸方向に沿って径が漸
    次減少する開放部と、 空気を前記軸流ファンの下流側に導く空気導通部、及び
    前記開放部と前記空気導通部とを連続的に接続する接続
    部とを有するシュラウドと、 前記接続部の内壁面に設けられ、この接続部を通過する
    空気を乱流とする突部あるいは窪み部と を備えることを特徴とする送風機。
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