JP2775047B2 - 塩酸デオキシスパガリンのα型結晶及びその製造方法 - Google Patents
塩酸デオキシスパガリンのα型結晶及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、制癌作用及び免疫抑制作用を有するN−
〔4−(3−アミノプロピル)アミノブチル〕−2−
(7−グアニジノヘプタンアミド)−2−ヒドロキシエ
タンアミド3塩酸塩(以下塩酸デオキシスパガリンと称
す)のα型結晶及びその製造方法に関する。
〔4−(3−アミノプロピル)アミノブチル〕−2−
(7−グアニジノヘプタンアミド)−2−ヒドロキシエ
タンアミド3塩酸塩(以下塩酸デオキシスパガリンと称
す)のα型結晶及びその製造方法に関する。
塩酸デオキシスパガリンは、各種の動物移植癌に対し
て、優れた制癌効果を有し、更に免疫抑制作用をも有す
るため、医薬品として有用な化合物である。
て、優れた制癌効果を有し、更に免疫抑制作用をも有す
るため、医薬品として有用な化合物である。
塩酸デオキシスパガリンの製法としては、7−グアニ
ジノヘプタンアミドとグリオキシリルスペルミジンとの
酸触媒−脱水縮合反応による合成法〔特公昭61−23183
号〕等が知られている。
ジノヘプタンアミドとグリオキシリルスペルミジンとの
酸触媒−脱水縮合反応による合成法〔特公昭61−23183
号〕等が知られている。
上記の合成法等により得られる塩酸デオキシスパガリ
ンの粉末は、吸湿性を有していた。また、熱安定性も良
好でなかった。
ンの粉末は、吸湿性を有していた。また、熱安定性も良
好でなかった。
本発明は、塩酸デオキシスパガリンの吸湿性及び熱安
定性を改善することを目的とするものである。
定性を改善することを目的とするものである。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、塩酸デ
オキシスパガリンのα型結晶に関する。
オキシスパガリンのα型結晶に関する。
また、本発明の第2の発明は、第1の発明の塩酸デオ
キシスパガリンのα型結晶の製造方法に関し、塩酸デオ
キシスパガリンの粉末又は含水シロップを、相対湿度52
%以下、温度0〜30℃の条件下で放置及び/又はかくは
ん練合することを特徴とする。
キシスパガリンのα型結晶の製造方法に関し、塩酸デオ
キシスパガリンの粉末又は含水シロップを、相対湿度52
%以下、温度0〜30℃の条件下で放置及び/又はかくは
ん練合することを特徴とする。
本発明者らは塩酸デオキシスパガリンの粉末又は含水
シロップを低湿度、適温条件下で放置すると、特定のX
線回折パターンを有する安定な結晶が得られることを見
出し、当該結晶を塩酸デオキシスパガリンのα型結晶と
命名した。
シロップを低湿度、適温条件下で放置すると、特定のX
線回折パターンを有する安定な結晶が得られることを見
出し、当該結晶を塩酸デオキシスパガリンのα型結晶と
命名した。
本α型結晶が、従来の粉末若しくは凍結乾燥粉末に比
べて吸湿性が著しく減弱し、取扱いが容易になっている
こと及び熱安定性においても著しく改善されていること
を見出し、本発明を完成した。
べて吸湿性が著しく減弱し、取扱いが容易になっている
こと及び熱安定性においても著しく改善されていること
を見出し、本発明を完成した。
なお、本発明における塩酸デオキシスパガリンの粉末
とは、含水シロップを真空乾燥し得られる粉末自体でも
良いが、その凍結乾燥粉末であっても良い。
とは、含水シロップを真空乾燥し得られる粉末自体でも
良いが、その凍結乾燥粉末であっても良い。
また、塩酸デオキシスパガリンの含水シロップとは、
塩酸デオキシスパガリンの水溶液を減圧濃縮して得たシ
ロップ状残渣のことであり、通常は含水率30%以下であ
る。
塩酸デオキシスパガリンの水溶液を減圧濃縮して得たシ
ロップ状残渣のことであり、通常は含水率30%以下であ
る。
以下、本発明の塩酸デオキシスパガリンのα型結晶に
ついて説明する。
ついて説明する。
1.X線回折パターン グラファイトモノクロメータを使用したCu放射装置及
びシンチレーションカウンター検出器を備えた島津製作
所X線回折装置(XD−610)によって測定したX線回折
パターンを第1表及び第1図に示す。
びシンチレーションカウンター検出器を備えた島津製作
所X線回折装置(XD−610)によって測定したX線回折
パターンを第1表及び第1図に示す。
すなわち第1図は、本発明の塩酸デオキシスパガリン
のα型結晶のX線回折図であり、回折角(度,横軸)と
回折強度(Kcps,縦軸)との関係で示した図である。
のα型結晶のX線回折図であり、回折角(度,横軸)と
回折強度(Kcps,縦軸)との関係で示した図である。
2.熱分析 理学電機熱分析装置(TAS−100)によって測定した示
差熱分析(DTA)及び熱重量分析(TG)の結果を第2図
に示す。
差熱分析(DTA)及び熱重量分析(TG)の結果を第2図
に示す。
すなわち第2図は、本発明の塩酸デオキシスパガリン
のα型結晶の示差熱分析及び熱重量分析の結果を示す図
であり、温度(℃,横軸)と重量(mg,縦軸)及び電気
量(μV,縦軸)との関係で示した図である。
のα型結晶の示差熱分析及び熱重量分析の結果を示す図
であり、温度(℃,横軸)と重量(mg,縦軸)及び電気
量(μV,縦軸)との関係で示した図である。
3.吸湿性 塩酸デオキシスパガリンの粉末と塩酸デオキシスパガ
リンのα型結晶の吸湿性を測定するため、各種相対湿度
中に24時間放置し、その重量増加%を求めた。結果を第
2表に示す。
リンのα型結晶の吸湿性を測定するため、各種相対湿度
中に24時間放置し、その重量増加%を求めた。結果を第
2表に示す。
第2表より、本発明の塩酸デオキシスパガリンのα型
結晶は相対湿度52%以下で吸湿性を示さず、粉末と比較
して吸湿性が改善された。
結晶は相対湿度52%以下で吸湿性を示さず、粉末と比較
して吸湿性が改善された。
4.熱安定性 塩酸デオキシスパガリンの粉末と塩酸デオキシスパガ
リンのα型結晶の熱安定性を測定するため、50℃,6日間
放置後の未変化体をHPLCで定量した。結果を第3表に示
す。
リンのα型結晶の熱安定性を測定するため、50℃,6日間
放置後の未変化体をHPLCで定量した。結果を第3表に示
す。
第3表に示す通り、本発明の塩酸デオキシスパガリン
のα型結晶は粉末と比較して熱安定性が改善された。
のα型結晶は粉末と比較して熱安定性が改善された。
5.元素分析 α型結晶をデシケーター中シリカゲルで24時間乾燥
後、元素分析を行ったところ、塩酸デオキシスパガリン
の一水和物(C17H37N7O3・3HCl・H2O)に一致した。
後、元素分析を行ったところ、塩酸デオキシスパガリン
の一水和物(C17H37N7O3・3HCl・H2O)に一致した。
C H N Cl 理論値(%) 39.65 8.22 19.04 20.66 実験値(%) 39.43 8.31 18.86 20.50 本発明の塩酸デオキシスパガリンのα型結晶は次の方
法により製造することができる。
法により製造することができる。
まず、本発明で用いる塩酸デオキシスパガリンの粉末
の製造方法は特に限定はなく、例えば、特公昭61−2318
3号公報、実施例3記載の方法により製造される。
の製造方法は特に限定はなく、例えば、特公昭61−2318
3号公報、実施例3記載の方法により製造される。
次いで得られた粉末を低湿度、好ましくは相対湿度52
%以下で、適温下に放置することにより本発明の塩酸デ
オキシスパガリンのα型結晶が得られる。
%以下で、適温下に放置することにより本発明の塩酸デ
オキシスパガリンのα型結晶が得られる。
放置温度は、塩酸デオキシスパガリンが分解しない温
度なら特に制限とないが、0℃〜30℃が実用的である。
放置時間は、粉末の量及び放置湿度により異なるが、5
日〜20日であり、通常は約10日で結晶となる。また、塩
酸デオキシスパガリンの含水シロップより、α型結晶を
得ることもできる。塩酸デオキシスパガリンの水溶液を
減圧濃縮して得た含水シロップを低湿度、好ましくは相
対湿度52%以下に放置することによりα型結晶が得られ
る。放置温度と放置時間は、上記とほぼ同様にあるが、
この時、含水シロップをかくはんすることにより、ま
た、塩酸デオキシスパガリンのα型結晶を適量接種する
ことにより時間を短縮することができる。
度なら特に制限とないが、0℃〜30℃が実用的である。
放置時間は、粉末の量及び放置湿度により異なるが、5
日〜20日であり、通常は約10日で結晶となる。また、塩
酸デオキシスパガリンの含水シロップより、α型結晶を
得ることもできる。塩酸デオキシスパガリンの水溶液を
減圧濃縮して得た含水シロップを低湿度、好ましくは相
対湿度52%以下に放置することによりα型結晶が得られ
る。放置温度と放置時間は、上記とほぼ同様にあるが、
この時、含水シロップをかくはんすることにより、ま
た、塩酸デオキシスパガリンのα型結晶を適量接種する
ことにより時間を短縮することができる。
最も実用的な方法として、含水率20%以下の含水シロ
ップにあらかじめ得たα型結晶を適量接種し、相対湿度
30%以下でかくはんし、数時間で固化させ、これを、シ
リカゲル存在下のデシケーター中に放置し、完全に結晶
化させる方法を挙げることができる。
ップにあらかじめ得たα型結晶を適量接種し、相対湿度
30%以下でかくはんし、数時間で固化させ、これを、シ
リカゲル存在下のデシケーター中に放置し、完全に結晶
化させる方法を挙げることができる。
次に本発明の塩酸デオキシスパガリンのα型結晶の製
造方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものでない。
造方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものでない。
実施例1 塩酸デオキシスパガリンの粉末500mgを25℃、相対湿
度52%中に11日間放置し、結晶を得た。得られた結晶
は、第1図に示されるα型結晶特有のX線回折パターン
を示した。
度52%中に11日間放置し、結晶を得た。得られた結晶
は、第1図に示されるα型結晶特有のX線回折パターン
を示した。
実施例2 塩酸デオキシスパガリンの凍結乾燥粉末500mgを25
℃、相対湿度43%中に11日間放置し、α型結晶を得た。
℃、相対湿度43%中に11日間放置し、α型結晶を得た。
実施例3 塩酸デオキシスパガリンの凍結乾燥粉末500mgを25
℃、相対湿度31%中に11日間放置し、α型結晶を得た。
℃、相対湿度31%中に11日間放置し、α型結晶を得た。
実施例4 塩酸デオキシスパガリン40gを含有する水溶液100mlを
減圧濃縮し、シロップ状残渣46gを得た。α型結晶を20m
g接種し、相対湿度15%の恒湿室でかくはんした。2時
間後、固化した残渣をシリカゲル存在下のデシケーター
中に3日間放置し、α型結晶を得た。
減圧濃縮し、シロップ状残渣46gを得た。α型結晶を20m
g接種し、相対湿度15%の恒湿室でかくはんした。2時
間後、固化した残渣をシリカゲル存在下のデシケーター
中に3日間放置し、α型結晶を得た。
本発明の塩酸デオキシスパガリンα型結晶は、相対湿
度52%以下では吸湿性を有せず、デオキシスパガリンの
製剤化するに当り、極めて取扱いやすいものであり、更
に熱安定性も改善された。
度52%以下では吸湿性を有せず、デオキシスパガリンの
製剤化するに当り、極めて取扱いやすいものであり、更
に熱安定性も改善された。
第1図は、本発明の塩酸デオキシスパガリンのα型結晶
のX線回折図である。第2図は、本発明の塩酸デオキシ
スパガリンのα型結晶の示差熱分析及び熱重量分析の結
果を示す図である。
のX線回折図である。第2図は、本発明の塩酸デオキシ
スパガリンのα型結晶の示差熱分析及び熱重量分析の結
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 芳久 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寶酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寶酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 才野 哲之 埼玉県与野市八王子5―11―14―101 (56)参考文献 特開 平3−72454(JP,A) 特開 昭63−45247(JP,A) 特開 昭59−76047(JP,A) 特開 平2−15055(JP,A) 特開 昭58−62152(JP,A) 特開 昭60−178852(JP,A) 特開 昭60−178853(JP,A) 特開 昭58−198455(JP,A) 米国特許4525299(US,A) The Journal of Au tibiotics,1982.Vol. 35,No.12,1665−1669 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 279/14 C07C 277/08 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】塩酸デオキシスパガリンのα型結晶。
- 【請求項2】塩酸デオキシスパガリンの粉末又は含水シ
ロップを、相対湿度52%以下、温度0〜30℃の条件下で
放置及び/又はかくはん練合することを特徴とする塩酸
デオキシスパガリンのα型結晶の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13287889 | 1989-05-29 | ||
JP1-132878 | 1989-05-29 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03128351A JPH03128351A (ja) | 1991-05-31 |
JP2775047B2 true JP2775047B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=15091672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13401690A Expired - Fee Related JP2775047B2 (ja) | 1989-05-29 | 1990-05-25 | 塩酸デオキシスパガリンのα型結晶及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775047B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011136905A2 (en) * | 2010-04-07 | 2011-11-03 | Onyx Therapeutics, Inc. | Crystalline peptide epoxyketone immunoproteasome inhibitor |
-
1990
- 1990-05-25 JP JP13401690A patent/JP2775047B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
The Journal of Autibiotics,1982.Vol.35,No.12,1665−1669 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03128351A (ja) | 1991-05-31 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |