JP2774801B2 - ロッカーアーム及びその製造方法 - Google Patents

ロッカーアーム及びその製造方法

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JP2774801B2 JP63213305A JP21330588A JP2774801B2 JP 2774801 B2 JP2774801 B2 JP 2774801B2 JP 63213305 A JP63213305 A JP 63213305A JP 21330588 A JP21330588 A JP 21330588A JP 2774801 B2 JP2774801 B2 JP 2774801B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋳造により得られ、エンジンの動弁系の構
成部品とされるロッカーアーム及びそのロッカーアーム
を鋳造によって得るロッカーアームの製造法に関する。
(従来の技術) オーバーヘッドカムシャフト型エンジンにおいて、動
弁系の摩擦抵抗を低減させ、それにより燃費の向上を図
るべく、カムシャフトに設けられたカム部の動作を、ロ
ーラを伴うものとされたスイング式のロッカーアーム装
置、即ち、ローラロッカーアーム装置を介して吸気バル
ブもしくは排気バルブに伝達するようになすことが知ら
れている。斯かるローラロッカーアーム装置にあって
は、通常、ローラが組み付けられてローラロッカーアー
ム装置を構成するものとされるロッカーアームの一端部
が、シリンダヘッドに配設された支持部、例えば、ハイ
ドロリック・ラッシュ・アジャスタ(HLA)の頂部に形
成された球面受座により支持されるとともに、他端部が
吸気バルブもしくは排気バルブにおけるバルブステムの
頂部に当接せしめられた状態で、ロッカーアームに組み
付けられたローラがカムシャフトに設けられたカム部に
当接するものとされ、エンジンの作動時にはカムシャフ
トの回転に伴ってローラがカム部によって押圧されつつ
回転し、それによってロッカーアームがシリンダヘッド
に配設された支持部を支点として揺動せしめられ、斯か
るロッカーアームの揺動によりカム部の動作が吸気バル
ブもしくは排気バルブに伝達される。
このように用いられるローラロッカーアーム装置を構
成するロッカーアームが具備すべき機械的特性として
は、その全体が疲労強度に優れること、HLAの頂部に形
成された球面受座等の支持部によって支持される一端
部、及び、バルブステムの頂部に当接する他端部が耐摩
耗性に優れること、さらには、比較的高い寸法精度を有
すること等が挙げられる。それ故、従来、ローラロッカ
ーアーム装置を構成するロッカーアームは、浸炭鋼によ
りロストワックス鋳造法が用いられて鍛造されるものと
なされることが知られており、また、JIS(日本工業規
格)−G4404においてSKD61として規格化されている耐摩
耗性を有した合金工具鋼により、ロストワックス鋳造法
が用いられて鋳造されるものとなされることも考えられ
ている。
なお、耐摩耗性を有した合金工具鋼としては、例え
ば、特開昭61−213349号公報に開示されている如くのも
のも提案されているが、斯かる合金工具鋼は、鋳造品を
得るための合金材料であって、鋳造品を得るための合金
材料とはされていない。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如くに、ロッカーアームが浸炭鋼によりロスト
ワックス鋳造法が用いられて鋳造される場合、溶融され
た浸炭鋼はロストワックス法によって得られた鋳型内で
の湯流れが良好とならず、その結果、鋳造されたロッカ
ーアームの内部に引け巣が発生して、得られるロッカー
アームが機械的強度に劣るものとなる虞がある。このよ
うな引け巣の発生を防止する対策としては、押湯を行う
ことが考えられるが、一般に、ロッカーアームの如くの
比較的小型の鋳造品は、多数の鋳型が配されてそれらに
共通の湯口からの溶湯が供給され、多数の鋳型に対する
鋳込みが同時に行われて得られるものとされるので、実
際にあたり、多数の鋳型の夫々について押湯による効果
を期待できるようにすることは困難である。
また、ロッカーアームがSKD61として規格化されてい
る合金工具鋼によりロクトワックス鋳造法が用いられて
鋳造される場合には、鋳造されたロッカーアームの表示
部近傍における金属組織中の結晶粒界に、珪素の介在物
や酸素の介在物等が生じることになり、斯かる介在物が
表面部近傍に生じたロッカーアームは、それに外部応力
が作用した場合、表面部近傍の介在物を起点としての疲
労破壊を生じるに至る虞がある。
斯かる点に鑑み、本発明は、耐摩耗性を有した合金材
料によりロストワックス鋳造法が用いられて鋳造され、
その内部における引け巣の発生、及び、表面部近傍での
金属組織の結晶粒界における珪素の介在物や酸素の介在
物等の発生が効果的に抑制されて、耐摩耗性及び疲労強
度に優れたものとされるロッカーアーム及び、その製造
方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成すべく、本発明に係るロッカーアー
ムは、0.3〜0.45重量%の炭素,1.2〜2.0重量%の珪素,
5.0〜6.0重量%のクロム,1.0〜1.5重量%のモリブテン,
0.8〜1.2重量%のバナジウム、及び、0.5重量%以下の
マンガンを含み、主要残部が鉄とされた合金材料により
鋳造されたロッカーアーム素材によって形成される。ま
た、本発明に係るロッカーアームの製造方法は、0.3〜
0.45重量%の炭素,1.2〜2.0重量%の珪素,5.0〜6.0重量
%のクロム,1.0〜1.5重量%のモリブテン,0.8〜1.2重量
%のバナジウム、及び、0.5重量%以下のマンガンを含
み、主要残部が鉄とされた合金材料により、ロストワッ
クス法により得られた鋳型を用いてロッカーアーム素材
を鋳造し、鋳造されたロッカーアーム素材に対する焼鈍
処理を行い、焼鈍処理がなされたロッカーアーム素材に
機械粗加工を施し、さらに、加工が施されたロッカーア
ーム素材に対する焼入及び焼戻処理を行った後、焼入及
び焼戻処理がなされたロッカーアーム素材に仕上加工を
施して、ロッカーアームを得るものとされる。
このように本発明に係るロッカーアーム及びその製造
方法において、ロッカーアーム素材を鋳造品として得る
に使用される合金材料が、炭素を0.3〜0.45重量%,珪
素を1.2〜2.0重量%,クロムを5.0〜6.0重量%,モリブ
テンを1.0〜1.5重量%、バナジウムを0.8〜1.2重量%、
及び、マンガンを0.5重量%以下、夫々、含有するもの
とされるのは以下の理由に基づく。
先ず、炭素は、鋳造時における湯流れを良好にし、ま
た、鋳造品を熱処理して硬度を確保するに必要な元素で
ある。このような事柄を踏まえて炭素の含有量を規定す
る実験を行った結果、炭素の含有量が0.3重量%未満で
は、湯流れが悪くなり、そのため、鋳造品が、その内部
に引け巣が発生して機械的強度が低下したものとなり、
しかも、鋳造品に対する焼入れ処理及び焼戻し処理がな
された後における硬度が低く、耐摩耗性が低下したもの
となってしまい、一方、炭素の含有量が0.45重量%を越
える場合には、鋳造時に生成する炭化物の結晶粒が粗大
化して鋳造品の靭性が低下し、鋳造品の疲労強度が不十
分なものとなってしまうことが確認された。従って、炭
素の含有量は、0.3〜0.45重量%の範囲とされる。
珪素は、溶湯に対する脱酸作用を果たすとともに、溶
湯の流動性の向上に寄与し、また、鋳造品における基地
を強化することにもなる元素である。このような事柄を
踏まえて珪素の含有量を規定する実験を行った結果、珪
素の含有量が、1.2重量%未満では、溶湯に対する脱酸
効果が低下し、もしくは、溶湯の流動性が低下して、凝
固過程において溶湯中の酸素と反応して生成される介在
物が鋳肌部近傍の金属組織における結晶粒界に発生し、
斯かる介在物が鋳造品の疲労強度の低下をまねくことに
なり、一方、珪素の含有量が2.0重量%を越える場合に
は、鋳造品の金属組織中における結晶粒が粗大化して、
鋳造品の靭性低下及び硬度低下が生じることが確認され
た。従って、珪素の含有量は,1.2〜2.0重量%の範囲と
される。
クロムは、鋳造品の焼入性の向上に寄与し、さらに、
炭素と反応して炭化物を生成して鋳造品の耐摩耗性を向
上させる。斯かる事柄を踏まえてクロムの含有量を規定
する実験を行った結果、クロムの含有量が5.0重量%未
満では、鋳造品の硬度が充分に確保されず、一方、クロ
ムの含有量が、6.0重量%を越える場合には、炭素物の
生成量が増加して、鋳造品の靭性が低下してしまうこと
が確認された。従って、クロムの含有量は、5.0〜6.0重
量%の範囲とされる。
モリブテンは、鋳造品の耐摩耗性の向上に寄与する炭
化物を生成するとともに、鋳造品の焼戻軟化抵抗を高め
て、高温下での機械強度を向上させる。斯かる事柄を踏
まえてモリブテンの含有量を規定する実験を行った結
果、モリブテンの含有量が1.0重量%未満では、鋳造品
の析出硬化性及び焼戻軟化抵抗が低下し、しかも、炭化
物の生成量も少となって鋳造品の耐摩耗性も低下してし
まい、一方、モリブテンの含有量が1.5重量%を越える
と、鋳造品の被切削性及び靭性が低下してしまうことが
確認された。従って、モリブテンの含有量は、1.0〜1.5
重量%の範囲とされる。
バナジウムは、鋳造品の焼戻軟化抵抗を高め、また、
炭化物を生成するとともに結晶粒を微細化して、鋳造品
の靭性の向上を寄与する。このような事柄を踏まえてバ
ナジウムの含有量を規定する実験を行った結果、バナジ
ウムの含有量が0.8重量%未満では、鋳造品の焼戻軟化
抵抗を高め、また、靭性を向上させる効果が殆ど得られ
ず、一方、バナジウムの含有量が1.2重量%を越える場
合には、鋳造品の金属組織中に粗大な炭化物が生成され
て、鋳造品の靭性が低下してしまうことが確認された。
従って、バナジウムの含有量は、0.8〜1.2重量%の範囲
とされる。
マンガンは、不純物として混入せしめられることによ
り、鋳造品の耐摩耗性及び機械的強度の向上に寄与す
る。斯かる事柄を踏まえてマンガンの含有量を規定する
実験を行った結果、不純物としてのマンガンの含有量が
0.5重量%を越える場合は、鍛造品の靭性の低下をまね
くことが確認された。従って、マンガンの含有量は、0.
5重量%以下の範囲とされる。
(作 用) 本発明に係るロッカーアームの製造方法によれば、上
述の如く、選定され、特に、珪素の含有量が1.2〜2.0重
量%とされた成分組成を有する合金材料による、ロスト
ワックス法により形成された鋳型が用いられての鋳造が
行われ、ロッカーアーム素材が鋳造品として得られる。
斯かる鋳造品は、その内部における引け巣の発生、及
び、鋳肌部近傍での金属組織の結晶粒界における珪素の
介在物や酸素の介在物等の発生が抑制されたものとなさ
れる。そして、得られた鋳造品に、焼鈍処理,機械粗加
工,焼入及び焼戻処理、及び、仕上加工が順次行われ
て、本発明に係るロッカーアームが得られる。
このようにして得られる本発明に係るロッカーアーム
は、その内部に引け巣を伴わず、かつ、表面部近傍の金
属組織における結晶粒界に珪素の介在物や酸素の介在物
等を伴わないものとされて、耐摩耗性及び疲労強度に優
れたものとなる。
(実施例) 以下、本発明に係るロッカーアームの製造方法の一例
及びそれにより得られる本発明に係るロッカーアームの
一例について述べる。
本発明に係るロッカーアームの製造方法の一例におい
ては、先ず、炭素(C)を0.3〜0.45重量%,珪素(S
i)を1.2〜2.0重量%,クロム(Cr)を5.0〜6.0重量
%,モリブテン(Mo)を1.0〜1.5重量%,バナジウム
(V)を0.8〜1.2重量%、及び、マンガン(Mn)を0.5
重量%以下含み、主要残部が鉄(Fe)とされた合金材料
を用意する。
斯かる合金材料は、具体的には、例えば、下記の表−
1に示される如くの成分組成を有するX1,X2及びX3の如
くのものとされる。
また、ロストワックス法によって得られた鋳型を用意
する。ロストワックス法によって鋳型を得るに際して
は、作成すべきロッカーアームと同一形状のものとされ
るろう型を、金型に溶融されたろうを注入して形成し、
形成されたろう型を微細な耐火物粉末と粘結材とを混合
したインベスト溶液中に浸漬した後、その表面に耐火砂
粒を振り掛け、乾燥炉で乾燥させる。斯かるインベスト
溶液中への浸漬から乾燥までの作業を複数回繰り返し
て、ろう型の外面上に積層されたシェルを形成する。そ
して、シェルが形成されたろう型を所定の温度に加熱し
て脱ろうを行い、それにより得られたシェルの外周を耐
火物で覆った後、耐火物の焼成を行って鋳型を得る。
続いて、用意された合金材料を溶融して、例えば、シ
リコンマグネシウム等の脱酸剤を添加して脱酸処理を行
い、脱酸処理がなされた溶湯を得る。そして、得られた
溶湯を、例えば、1,620〜1,690℃に保持する状態とした
もとで、用意されたロストワックス法により得られた鋳
型に注湯する。その際、鋳型を、例えば、900〜1,000℃
の温度範囲に保たれるようにする。このようにして鋳型
内に注湯された溶湯を凝固させ、ロッカーアーム素材と
して形成された鋳造品を鋳型から取り出す。そして、鋳
型から取り出した鋳造品、即ち、ロッカーアーム素材
に、その外周面に形成された“ばり”を除去するばり取
りを施し、アルカリ水溶液に浸漬して、所謂、苛性処理
を行う。
次に、苛性処理が行われたロッカーアーム素材に、シ
ョットブラストによる不要付着物の除去を施した後、例
えば、860℃での加熱を3.5時間継続して、焼鈍処理を行
う。この後、焼鈍処理が行われたロッカーアーム素材
に、例えば、ローラ軸が挿入される透孔の形成等の機械
粗加工を施し、さらに、機械粗加工が施されたロッカー
アーム素材を、窒素ガスが充填された炉中、例えば、1,
020℃で40分間加熱し、焼入処理を行う。続いて、焼入
処理が行われたロッカーアーム素材を、窒素ガスが充填
された炉中で、例えば、560℃で100分間保持し、窒素ガ
ス中で冷却する焼戻処理を行う。
このようにして焼戻処理が行われたロッカーアーム素
材に、その外面、及び、ローラ軸が挿入される透孔等に
対する仕上加工を施して、ロッカーアームを得る。第1
図は、上述の如くにして、本発明に係るロッカーアーム
の製造方法の一例により得られた本発明に係るロッカー
アームの一例を示し、このロッカーアームは、HLAの頂
部に形成された球面受座等の支持部により支持される係
合端部11,吸気バルブもしくは排気バルブにおけるバル
ブステムの頂部に当接せしめられる当接端部12、及び、
ローラ軸が挿入される透孔13a及び13bを有するものとさ
れている。
斯かるロッカーアームには、透孔13a及び13bに両端が
夫々挿入されるローラ軸を伴ったローラが、第1図にお
いて一点鎖線により示される如くに組み込まれ、それに
より、ローラロッカーアーム装置が構成される。
上述の如くにしてロッカーアームが形成される過程に
おいて得られる鋳造品であるロッカーアーム素材は、こ
の内部における引け巣の発生が無く、かつ、その鋳肌部
近傍での金属組織の結晶粒界における珪素の介在物や酸
素の介在物等の発生が無いものとなる。
第2図及び第3図,第4図及び第5図、及び、第6図
及び第7図は、夫々、合金材料が表−1に示されるX1,X
2及びX3とされた場合における、上述の焼鈍処理が施さ
れたロッカーアーム素材における無作為選択された部分
から切り出された試料の、ロッカーアーム素材の内部に
おける部分と鋳肌部近傍の部分とにおける金属組織を、
倍率が400倍とされた顕微鏡写真をもって示す。第2
図,第4図及び第6図な写真には、夫々、合金材料がX
1,X2及びX3とされた場合における各ロッカーアーム素材
の内部な金属組織が示されているが、いずれの場合にも
引け巣の発生は認められず、また、第3図,第5図及び
第7図の写真には、夫々、合金材料がX1,X2及びX3とさ
れた場合における各ロッカーアーム素材の鋳肌部近傍に
おける金属組織が示されているが、いずれの場合にも結
晶粒界における珪素の介在物や酸素の介在物等の発生は
認められない。
そして、斯かるロッカーアーム素材に基づいて得られ
る第1図に示される如くのロッカーアームも、勿論、そ
の内部に引け巣を伴わず、かつ、表面部近傍の金属組織
における結晶粒界に珪素の介在物や酸素の介在物等を伴
わないものとされ、耐摩耗性と疲労強度との両面に優れ
たものとされる。因みに、合金材料がX1,X2及びX3とさ
れた場合において得られたロッカーアームは、夫々、そ
の断面硬さがHV=542,HV=530及びHV=530であった。
次に、合金材料がX2とされたもとで本発明に係るロッ
カーアームの製造方法に従って得られた、本発明に係る
ロッカーアームの一例(以下、ロッカーアームA2とい
う)と、本発明に係るロッカーアームの製造方法とは異
なる製造方法に従って得られた、ロッカーアームA2と同
様な形状に形成されたロッカーアーム(以下、比較例Sa
という)との比較について述べる。
比較例Saは、炭素を0.36重量%、珪素を0.53重量%、
クロムを5.11重量%、モリブテンを1.21重量%、バナジ
ウムを0.96重量%、マンガン0.31重量%、燐を0.002重
量%、及び、硫黄を0.009重量%含むとともに、残部が
鉄とされた合金材料が用いられたものとで、上述の本発
明に係るロッカーアームの製造方法における各工程での
処理に対応する処理がなされることにより得られたロッ
カーアームである。そして、第8図及び第9図は、夫
々、比較例Saが形成される過程で得られる焼鈍処理が施
されたロッカーアーム素材における無作為選択された部
分から切り出された試料の、ロッカーアーム素材の内部
における部分と鋳肌部近傍の部分とにおける金属組織
を、倍率400倍とされた顕微鏡写真をもって示す。ロッ
カーアーム素材の内部の金属組織が示されている第8図
の写真には、引け巣の発生は認められない。しかしなが
ら、ロッカーアーム素材の鋳肌部近傍における金属組織
が示されている第9図の写真には、その左側(鋳肌部外
側)から右側(鋳肌部内側)に伸びる、結晶粒界におけ
る珪素の介在物あるいは酸素の介在物の発生が明瞭に認
められる。
上述のロッカーアームA2及び比較例Saにローラ軸を伴
うローラが組み込まれて構成されたローラロッカーアー
ム装置RA2及びローラロッカーアーム装置RSaを用いて、
ロッカーアームA2及び比較例Saの夫々についての疲労試
験を行った。斯かる疲労試験は、第10図に示される如く
に、ローラロッカーアーム装置RA2及びローラロッカー
アーム装置RSaの各々が、そのHLAの頂部に形成された球
面受座等の支持部により支持される係合端部、及び、吸
気バルブもしくは排気バルブにおけるバルブステムの頂
部に当接せしめられる当接端部が、夫々、基台20上に固
定された球面受座部材21及び傾斜面支持部材22によって
支持され、さらに、そのローラに上方から可動押圧手段
23が当接せしめられる状態とされたもとで、可動押圧手
段23が、ローラに、所定の押圧荷重Pを1秒間に15回の
割合で継続的に加えるように往復動するものとされて行
われ、押圧荷重Pは、ローラロッカーアーム装置RA2あ
るいはローラロッカーアーム装置RSaが、実際に使用さ
れると仮定したときのそのローラに加えられるであろう
と推測される押圧荷重の2倍に相当する値に選定され
た。
斯かる疲労試験の結果、ローラロッカーアーム装置RS
aを構成するものとされた比較例Saは、可動押圧手段23
が2.4x106回の往復動を行った時点で破損を生じたが、
ローラロッカーアーム装置RA2を構成するものとされた
ロッカーアームA2の場合には、可動押圧手段23が1x107
回の往復動を行っても異常を生じることがなく、疲労強
度の点で、ロッカーアームA2が明らかに比較例Saより優
れていることが確認された。
(発明の効果) 以上の説明から明らかな如く、本発明に係るロッカー
アーム及びその製造方法にあっては、ロッカーアーム素
材が、耐摩耗性を有した合金材料によりロストワックス
法によって得られた鋳型が用いられて鋳造され、その内
部における引け巣の発生、及び、表面部近傍での金属組
織の結晶粒界における珪素の介在物や酸素の介在物等の
発生を伴わないものとされる。従って、斯かるロッカー
アーム素材を得るとともにその得られたロッカーアーム
素材に各種の処理を施す本発明に係るロッカーアームの
製造方法に従って得られる、本発明に係るロッカーアー
ムは、耐摩耗性及び疲労強度に優れたものとされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るロッカーアームの製造方法の一例
に従って得られる、本発明に係るロッカーアームの一例
の斜視図、第2図〜第7図は本発明に係るロッカーアー
ムの製造方法の一例の過程において得られるロッカーア
ーム素材の金属組織を示す顕微鏡写真、第8図及び第9
図は本発明に係るロッカーアームの製造方法とは異なる
ロッカーアームの製造方法の過程において得られるロッ
カーアーム素材の金属組織を示す顕微鏡写真、第10図は
ロッカーアームの疲労試験の説明に供される図である。 図中、11は係合端部、12は当接端部、13a及び13bは透孔
である。
フロントページの続き (72)発明者 山本 眞也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−70050(JP,A) 特公 昭49−9936(JP,B2) 日本機械学会編「機械工学便覧 改訂 第6版分冊5」(昭52−11−20)P.30 堤信久「鋳造」(昭54−12−25) (株)コロナ社 P.239−244,P250 −270 日本金属学会編「金属便覧」(昭42− 3−20)丸善 P.590 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/18 C22C 38/28 C22C 38/00 302 C21D 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.3〜0.45重量%の炭素,1.2〜2.0重量%の
    珪素,5.0〜6.0重量%のクロム,1.0〜1.5重量%のモリブ
    テン,0.8〜1.2重量%のバナジウム、及び、0.5重量%以
    下のマンガンを含み、主要残部が鉄とされた合金材料に
    より鋳造されたロッカーアーム素材によって形成された
    ロッカーアーム。
  2. 【請求項2】0.3〜0.45重量%の炭素,1.2〜2.0重量%の
    珪素,5.0〜6.0重量%のクロム,1.0〜1.5重量%のモリブ
    テン,0.8〜1.2重量%のバナジウム、及び、0.5%重量以
    下のマンガンを含み、主要残部が鉄とされた合金材料に
    より、ロストワックス法により得られた鋳型を用いてロ
    ッカーアーム素材を鋳造する工程と、 鋳造されたロッカーアーム素材に対する焼鈍処理を行う
    工程と、 上記焼鈍処理がなされたロッカーアーム素材に機械粗加
    工を施す工程と、 上記機械粗加工が施されたロッカーアーム素材に対する
    焼入及び焼戻処理を行う工程と、 上記焼入及び焼戻処理がなされたロッカーアーム素材に
    仕上加工を施してロッカーアームを得る工程と、 を含むことを特徴とするロッカーアームの製造方法。
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