JP2773982B2 - 可溶性芯部により位置決めされる内部挿入部材を含む、プラスチックの射出成形によるゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はゴルフクラブの改良ヘッドの製造方法に関す
る。本発明はまた、このように改良されたヘッドに関す
る。

ゴルフプレイの際、プレイヤーは、ボールを移動させ
るために、ゴルフクラブと呼ばれる道具でボールを打
つ。このゴルフクラブは下端部にヘッドを含み、これに
対して上端部に英語の用語で「グリップ」としばしば呼
ばれる把手を具えた、一般に英語の用語で「シャフト」
と呼ばれる柄で構成される。

プレイヤーは、ゴルフプレイのために、通常、ウッド
とアイアンとパターの３種に分類され、いずれも互に異
なる多数のクラブを使用する。

現在、ティーグラウンド（すなわち、スタート区域）
からのスタートに際してボールを遠くに飛ばすために使
用されるクラブは「ウッド」と呼ばれ、各製造業者は、
競技における均質化のために必要な多くの規則を尊重し
て、その製品に特殊な構造を付与する。したがって、諸
々の寸法や傾斜度や重量が義務的に課される一方で、他
の数多くのパラメーターは完全に自由である。異なる着
想の多種多様な製品が存在するのはこのような理由によ
る。プレイヤーは、同じ規則に従う、「アイアン」と呼
ばれる別のクラブをプレイ中に利用する。

ゴルフプレイにおいて、ショットの正確さは多くのパ
ラメーター、とりわけ人的パラメーターだけではなく、
クラブの構造そのものに連関するパラメーター、殊にそ
の質量の配分と構造によって決まる。打撃のためのスイ
ング運動は大体正確であり、またボールに対する打撃時
のクラブヘッドの位置も大体良好である。そして、ボー
ルの打撃時の僅かな不正確さの影響が重大であることを
ゴルフプレイヤーは良く知っている。実際、打撃の瞬間
に、クラブの打撃面に対する打球点は、ボールの重心と
クラブヘッドの重心とを繋ぐ右方に完全に位置しなけれ
ばならない。この条件が衝撃時に守られないと、クラブ
ヘッドは衝撃の作用で枢動して、打撃面は外向きになる
か内向きになるかして、ボールの軌道は所望の軌道にな
らない。打撃面が大きく外向きになれば、ボールは右方
に行き、また内向きになれば、ボールは左方に行く。現
在あるクラブヘッドはこのことに関して許容度が非常に
低いので、ボールを非常に正確に打つ必要がある。

ホールからのスタート時のゴルフクラブは、通常、厚
みが薄く、中空で、かつ互に溶接された複数の金属部材
を組み付けて構成され、かつ閉鎖した内凹部を画定す
る、金属製ヘッドを含む。アメリカ合衆国特許第4,438,
931号および第5,024,437号明細書、または日本国特許出
願第61−33973号明細書に記載のこの種の構造では、ヘ
ッドの限界質量と材料の等方性に鑑み、或る閾値を越え
て許容度を改善できないクラブが得られる。実際、通
常、限界質量を越えることなしにはバランスウエイトの
付加を行うことができず、この限界を越えるとクラブの
均衡が最早正しく取れなくなり、また質量の配分はヘッ
ドの形状そのものに密接に関連している。この種のヘッ
ドの別の欠点は衝撃面の材質に関するものであり、情報
をプレイヤーに直接伝達し得る代わりに、衝撃時に不愉
快な音と感触を与える。

底部（ソール）を除いて、全体が複合材料製のヘッド
が数年前から出現している。このように提示されている
構造は、一般に質量の配分を特に気にすことなく圧縮鋳
造成形法で単一部材に作り上げられるので、プロゴルフ
ァーによって使用されることは殆どない。更に、この種
の構造は、強度を保証するために必要な、前部壁に用い
るグラファイトの厚みが大であるために、衝撃時の感触
がプレイヤーにとって良好ではない。

プラスチック材料でできているヘッドがイギリス特許
第Ａ−2,128,539号明細書に開示されている。このヘッ
ドは、可溶性芯部を中心として鋳型内に射出成形される
熱可塑性の単一部材からなる。得られるヘッドは、クラ
ブの均衡という問題が解決されていないので、ボールの
軌道をうまく調節することができない。

アメリカ合衆国特許第5,000,454号明細書は、打撃面
の補強と同時に均衡用錘の働きをする部材を含む強化プ
ラスチック材料製のヘッドを開示している。しかしなが
ら、この種の構造では、未だクラブの良好な均衡が得ら
れない。

本発明は、クラブヘッドの従来の構造に係わる欠点を
解決することを望み、ヘッドの新しい設計および該ヘッ
ドの新しい製造方法を提案する。

したがって、本発明の目的の一つは、より性能の良い
ヘッドの新しい構造（特に、質量の配分と耐久性と仕上
げの質に関して新しい構造を得ることができる製造方
法）を提案することにある。本発明による方法は、量産
品を最小限の作業で製造するのに特に適している。

したがって、本発明によれば、壁部の組立体から成る
周囲シェルを含むゴルフクラブヘッドの製造方法は、該
シェル用のプラスチック材料を部分的に覆うことによっ
て固定され、保持される少なくとも１の内部挿入部材を
閉じ込める内凹部を形成するプラスチック材料を注入し
て実施され、シェルの射出成形工程に先行して、該プラ
スチック材料の融点よりも低い融点を有する第二の材料
で製作した可溶性芯部と該可溶性芯部と一体の挿入部材
とを含むユニットを鋳型の中に配置、固定し；次にこの
ユニットと鋳型の壁面との間に残してある自由空間内に
プラスチック材料を注入して可溶性芯部と該挿入部材の
自由な部分の全部または一部を覆うようにし；最後に、
該可溶性芯部の全部または一部の除去を行って内凹部を
形成するために内部空間を自由にすることを特徴とす
る。

補足的な一特徴によれば、該挿入部材の自由部分は、
シェル用の射出成形したプラスチック材料により、挿入
部材の一体連結を促進できるようにする肩部または突起
部を含む。

本発明の一特徴によれば、挿入部材は、射出成形作業
後、主としてシェルの前部壁を補強するよう、射出成形
作業前に可溶性芯部の前面に一体連結される強度壁を含
む強度部材である。

本発明の別の一特徴によれば、挿入部材は、射出成形
作業後にシェルの壁部の１と一体にされるよう、射出成
形作業前に可溶性芯部の面の１に一体連結されるバラン
スウエイトである。

二次的特徴によれば、可溶性芯部は、該バランスウエ
イトを保持する少なくとも１の凹部を含み、該凹部は、
射出成形工程時に、第一のプラスチック材料を充填する
ため、凹部の壁部と該バランスウエイトとの間に空間が
存在するよう、場合により、少なくとも該バランスウエ
イトより大きな寸法を有する。

付加的な一特徴によれば、補足的工程において、低密
度の充填材を自由状態に残してある内凹部に流し込む。

本方法の別の面によれは、予備段階において強度部材
を製作し、それを射出成形工程前に鋳型内に配置する。
該部材は金属製または例えばガラス繊維等で強化したプ
ラスチック製である。

別の一特徴によれば、可溶性芯部は、例えば錫、鉛、
またはビスマスの合金で作成するのに対し、シェルは、
ガラス繊維または炭素繊維で強化した、または強化しな
いABS（アクリロニトリル／ブタジエン／スチレン）、
ポリプロピレン、またはポリアミドのような、射出成形
に使用できる材料でできている。

本発明はまた、周囲シェルと側方に伸び出るネック
（首部）を含む、好ましくはウッド型のゴルフクラブヘ
ッドに関し、その特徴とするところは、シェルが射出成
形した低弾性率のプラスチック材料からなる壁部の集合
体（すなわち、上部壁、下部壁、周囲壁、およびヘッド
の打撃面になる前部壁の集合体）からなり、この前部壁
の内面が高弾性率の材料からなる内部強度壁の前面に支
承されることである。

補足的な特徴によれば、該強度壁は、少なくとも部分
的にヘッドのネックを形成する管状部分を介して側方へ
伸び出る強度部材の一部である。

好ましい一配置構成によれば、シェルは壁部の集合体
（すなわち、上部壁、下部壁、周囲壁、およびヘッドの
打撃面になる前壁部の集合体）からなる。この前部壁の
内面は内部強度壁の前面に支承される。

別の補足的な一特徴によれば、高密度材料でできた慣
性錘は、１の壁部（とりわけ、この錘を少なくとも部分
的に包む保持用突起を含む周囲壁）を介して内凹部に保
持される。

本発明のその他の特徴と利点は、非限定的な例として
のみ示す添付図を参照して、以下に述べる説明より明ら
かとなろう。

第１図から第４図は、本発明によるゴルフクラブのヘ
ッドを示す。

第１図は、ヘッドの正面図である。

第２図は、II−II線に沿って見た断面側面図である。

第３図は、一部断面上面図である。

第４図は斜視図である。

第５図から第19図は、本発明による製造方法を示す。

第５図、第６図、第７図および第８図は、可溶性挿入
部材の作成からなる予備段階を表す。

第５図は正面図である。

第６図は、VI−VI線に沿って見た断面図である。

第７図および第８図は、それぞれ、前方斜視図および
後方斜視図である。

第９図および第10図は、中間段階を概略的に示す図で
ある。

第11図は、別の予備段階を示す図である。

第12図は、第13図および第14図は、いわゆる射出成形
段階を示す図である。

第12図は、第13図のXII−XII線に沿って見た断面図で
ある。

第13図は、第12図のXIII−XIII線に沿って見た断面図
である。

第14図は、第13図のXIV−XIV線に沿って見た断面図で
ある。

第15図および第16図は、補足的第１段階を表す。

第17図および第18図は、補足的第２段階を示す図であ
る。

第19図および第20図は、発泡樹脂を射出成形するため
の補足的第３段階を示す図である。

第21図、第22図および第23図は、強度部材の２変形実
施態様を示す図である。

第21図は第一変形態様を示す後方斜視図である。

第22図および第23図は第二変形態様を示し、第22図は
第21図と同様の図であるのに対し、第23図は第２図と同
様の図である。

第24図は、一変形態様を示す。第10図と同様の図であ
る。

第25図は、別の一実施態様を示す後方斜視図である。

第26図は、別の一実施態様の一部断面図上面図を表
す。

第27図は、本発明による別の型式のヘッドを示す、第
２図と同様の図である。

第28図は、一変形態様を示す、第25図と同様の図であ
る。

第29図は、第28図の変形態様を示す一部断面上面図で
ある。

第１図から第３図までは、本発明の製法で製作したゴ
ルフクラブのヘッドを示す。ヘッドはウッド型で、クラ
ブの柄（図示されていない）を公知の方法で受け入れる
ためのネック２を介して側方および上方へ伸び出てい
る、いわゆる「ヘッド本体」を含む。いわゆる「ヘッド
本体」は、２ないし5mmの薄い厚みの壁部の集合体（す
なわち、上部壁５、下部壁６、周囲壁７、およびショッ
トの時にその前面80がボールを打つための打撃面となる
前部壁８）で形成するシェル３からなる。他方では、前
部壁８の内面81は、強度壁部９の前面900に支承され
る。図示のような本発明によれば、シェル３は、例えば
ポリアミドかポリプロピレンまたはABS（アクリロニト
リル／ブタジエン／スチレン）のような射出成形用熱可
塑性プラスチック型の強化したまたは強化しないプラス
チックで製作される。外周被覆となり、かつ閉鎖内凹部
11を構成するシェル３は、低密度の発泡樹脂、例えばポ
リウレタンフォームのような充填材12で充填すると有利
である。

他方、このヘッドは、強度壁部９とこの壁部９の側方
に取り付けられる、好ましくは鋼製の側方管状部分94と
で構成した、例えば高弾性率アルミニウム製の強度部材
200を含む。この管状部分94は、少なくとも部分的に、
クラブの柄を嵌め込むためのネック２の硬質構造体とな
る。強度壁部９は全体的に打撃面の形状を有し、かつ肩
部（すなわち、周囲縁取り部）90を含む。

有利な一配置構成によれば、いわゆる「ヘッド」の後
部分は、後方周囲壁７となる材料70内に付加成形される
バランスウエイト10を含む。このバランスウエイト10
は、全体として、頚部24を含む円筒形部材の形をしてお
り、黄銅、青銅、または鋼のような高密度の材料で製作
される。

本発明は、一連の異なる段階を含む、前述のようなヘ
ッドの製造方法に関する。したがって、予備工程におい
ては、低融点の材料M2で芯部13（例えば、錫や鉛やビス
マスの合金のような金属製芯部）を作成する（第５図、
第６図、第７図、第８図）。該芯部13は、例えば型込め
によって製造し、かつ、全体として、内凹部11の形状を
有する。したがって、該芯部は、前面14と上面15、下面
16と側方周囲面17を含む。該芯部は３の垂直長手方向く
り抜き部18、19、20を含むのが有利であり、また一補足
的特徴によれば、黄銅または青銅のような高密度材料で
製作する、例えば全体として円筒形のバランスウエイト
10を保持するための保持用孔22を介して伸び出る後方収
納部21を含むのが有利である。この収納部21の壁面とバ
ランスウエイト10の壁面との間に空間e1を創り出すよ
う、該収納部がバランスウエイト10の寸法（とりわけ、
その直径よりも大きな寸法）を有することを指摘してお
く。もっとあとで説明するように、この空間e1は、シェ
ルの射出成形時に、材料を充填するためのものである。

中間工程において、該バランスウエイトは後方収納部
21に挿入され（第８図）、保持用孔22（第９図）内で該
収納部に保持される。しかしながら、第27図に示すよう
に、このバランスウエイトは他の場所（とりわけ、下
方）に配置してもよいことはもちろんである。

別の予備工程（第11図）では、例えばアルミニウムを
鋳造成形することにより、部材200の強度壁９を製作す
る。この強度壁９は前面900と周囲縁取り部90を有す
る。該強度壁９の厚みは、例えば４ないし6mmである。
強度壁は、第21図に示されるように、補強用内側リブ92
a、92bを備えてもよい。もちろん、該壁部は、複合材料
製のような他の適宜な材料で製作できる。強度部材は、
壁部９に付加されて、溶接または埋込まれる鋼製の管状
部分94を含むのが好ましい。更に、この管状部分は、ヘ
ッドの「ライ角」または「ロフト角」を容易に調節でき
るように該管状部分の折り曲げ加工を容易にするくびれ
部940を含む。

シェルの射出成形の予備工程（第12図と第13図）にお
いて、一方では、強度部材200、他方ではバランスウエ
イト10を加えた可溶性芯部13を射出成形用鋳型25内に配
置する。鋳型25内における強度部材200の保持は、ネッ
ク２の孔27内に挿入される保持用ロッド26により確保さ
れるのに対して、該鋳型内における芯部13の保持は、横
断方向ピン28により確保される。強度部材200と可溶性
芯部13を加えて鋳型の準備ができた後、主要工程におい
てシェル３の射出成形を実施する（第14図）。シェルを
形成し、かつ挿入部材13と強度壁９を覆うための射出成
形用材料M1を、注入孔29から注入する。そのとき、射出
成形用材料M1は、鋳型の壁部とその内部を占める要素
（すなわち、芯部13と強度壁９）との間で自由になって
いる周囲空間ｅ内に入り込む。他方、該射出成形用材料
M1は、バランスウエイト10と収納部21の壁部間で自由状
態になっている空間e1内に入り込むとともに、頚部24に
も入り込み、このようにして該バランスウエイトの保持
を確実にする。したがって、該バランスウエイトは、シ
ェルの材料M1、より詳しくは周囲壁７の突起70により保
持される。注入の際、注入した材料M1はまた、シェルの
壁部と共に補強用リブを形成するため、芯部の長手方向
くり抜き部18、19内にも入り込む。また、可溶性芯部13
はシェルが作られる材料M1の融点よりも低い融点の材料
M2で作られることをも指摘しておく。錫や鉛やビスマス
の合金をベースにした合金であるのが好ましい。一例と
して、重量組成を次のようにする：砒素（微量）、錫＝
15ないし20％、ビスマス＝40ないし45％、鉛＝残余。こ
の合金の溶融温度は100℃よりも低い。充填材を添加し
た「Zytel（ジテル）」形ポリアミドの場合、材料M1の
注入温度は約280℃である。

シェルの前部壁８が強度壁９と接触していること、お
よび周囲縁取り部90が該シェルと該強度部材200との間
の良好な連結を確保することも認められる。

補足的な第１工程においては、以上のようにして形成
したクラブヘッド（第15図）を取り出すために鋳型を開
く（第15図）。これに対し、補足的な第２工程（第17図
と第18図）においては、可溶性挿入部材13を溶解させる
ために、したがって溶解した材料を除去することによっ
て内方凹部11を創り出すために該ヘッドを加熱する。

補足的な第３工程（第19図と第20図）においては、凹
部の充填12を行うために、ポリウレタンフォームのよう
な低密度の材料M3を内方凹部に流し込む。この注入は、
例えば横断方向ピン28で周囲壁７内に残した孔30を介し
て行う。

第21図は、第一の変形態様を示す斜視図で、これによ
ると、強度壁９の後面は、該壁部の厚みを減少させて、
部材の重量を実質的に軽減可能にする補強用リブを含
む。この壁部は、例えば周囲リブ91と２の垂直リブ92
a、92bを含む。

第22図と第23図は第二の変形態様を示し、これによる
と、強度壁９の後方下部分がシェル３の下部壁６の外
で、少なくとも部分的に突出するため後方へ平行に延在
する２の突起93a、93bを含む 第24図は、バランスウエイト10が固定軸130により芯
部13と一体にされる一変形態様を示す、第10図に類似の
図である。

本方法の一変形態様では、可溶性芯部を成形する際
に、バランスウエイトをこの可溶性芯部に一体連結する
ことを考えてもよいであろう。

第25図に示すように、一体的なサブユニットを構成す
るため、芯部13を鋳型25内に配置する前に、この芯部と
バランスウエイト10を強度壁９と一体にするのは言うま
でもない。この挿入部材13を強度部材に一体連結するに
は、適宜などのような手段（例えば、とりわけ嵌合、接
着、溶接、またはねじ留め）によってでも実施すること
ができる。

もちろん、バランスウエイト10は、本発明の範囲を逸
脱することなく、適宜などのような形状および位置をと
ることも可能である。第26図は、一変形態様を表す一部
断面上面図である。この変形態様では、バランスウエイ
ト10は、被覆用の射出成形材料が侵入し、かつ該バラン
スウエイトの保持を確保可能にする一連の孔240を含む
金属製周囲壁100からなる。

もちろん、本発明は「ウッド」型のゴルフクラブヘッ
ドに限定されるものではなく、他のどのような型式、と
りわけ第27図に示すような「アイアン」型のヘッドにも
適用される。この図を理解し易くするために、上記の実
施態様に類似する構成要素には同一の参照番号を付し、
かつ対応する記載を参照すればよい。

前部壁８の厚みe2が変化できること、とりわけ下方BA
から上方HAへ向けて減少して打撃面80が所望の全体的傾
斜度Ａを有することができることを指摘しておこう。し
たがって、共通の強度部材200を基にして、打撃面が異
なる傾斜度を有する一連のクラブヘッドを鋳造すること
が全く可能である。厚みe2はもちろん水平方向に変化す
ることができる（第２図）。

一変形態様において、バランスウエイトが強度壁内に
設けられる１または複数の収納部内に保持されるよう案
出することもできるだろう。該１または複数個のバラン
スウエイトは、例えばねじ留めまたは接着のような他の
手段で壁部に固定してもよい。

第28図は、開始時の可溶性芯部が複数の別々の部分13
0、131、132からなる一変形態様を示す。

例えば、芯部の幾つかの部分だけを注入作業後に除去
することができる。他の部分は、所定の有利な場所に局
在させるバランスウエイトの役目をすることができる。

第29図は、例として、中央部分だけを除去した本発明
によるヘッドを示す。２の側方部分130、132は、それ自
体公知の、ヘッドの重量を側方配分する範囲内でバラン
スウエイトの役割を果たす。

もちろん、本発明は、例として記載し、かつ図示した
諸実施態様に限定されるものではなく、同等の技術なら
びにそれらの組み合わせをもすべて含む。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−82873（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−82677（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−164969（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−191476（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−63482（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−97474（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−82574（ＪＰ，Ａ) 実開 昭64−6973（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−172468（ＪＰ，Ｕ) 特公 平３−29421（ＪＰ，Ｂ２) 特公 平３−32382（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭53−51253（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (18)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】壁部（５、６、７、８）の集合体からなる
   周囲シェル（３）を含むゴルフクラブヘッドであって、
   前記シェルは第一のプラスチック材料（M1）を射出成形
   して作られ、前記シェル（３）を構成するプラスチック
   材料を部分的に覆うことにより固定、保持される少なく
   とも１の内部挿入部材（10、100、200）を閉じ込める内
   凹部（11）を形成する、ゴルフクラブヘッドの製造方法
   において、 ｉ）前記シェル（３）の射出成形工程に先立って、前記
   第一のプラスチック材料（M1）の融点より低い融点を有
   する第二の材料（M2）で製作した可溶性芯部（13）と，
   前記可溶性芯部（13）に一体連結した前記挿入部材とを
   含むユニットを鋳型内に配置、固定し； ii）次いで、前記鋳型の壁部と前記ユニットとの間に残
   される自由空間内に前記第一のプラスチック材料（M1）
   を注入して、前記可溶性芯部（13）と前記内部挿入部材
   （10、100、200）の自由な部分の全部または一部を覆う
   ようにし； iii）最後に、前記可溶性芯部の全部または一部を除去
   して、前記内凹部（11）を形成するため内部空間を解放
   可能にすることを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造
   方法。
2. 【請求項２】前記挿入部材（10、200）の自由な部分
   が、シェル（３）を射出成形するためのプラスチック材
   料（M1）により、前記挿入部材をヘッド本体を構成する
   シェルに対して一体連結可能にする肩部（90）または突
   起部（24）を含むことを特徴とする請求項１によるゴル
   フクラブヘッドの製造方法。
3. 【請求項３】前記挿入部材が、射出成形作業後に主とし
   て前記シェル（３）の前部壁（８）を補強するよう、射
   出成形作業前に可溶性芯部（13）の前面上に一体連結さ
   れる強度壁（９）を含む強度部材（200）であることを
   特徴とする請求項１または２によるゴルフクラブヘッド
   の製造方法。
4. 【請求項４】前記挿入部材が、射出成形操作後に前記シ
   ェル（３）の壁部（５、６、７、８）の１と一体になる
   よう、射出成形操作前に可溶性芯部（13）の面（14、1
   5、16、17）の１に一体連結されるバランスウエイト（1
   0、100）であることを特徴とする請求項１または２によ
   るゴルフクラブヘッドの製造方法。
5. 【請求項５】前記可溶性芯部（13）が、前記バランスウ
   エイト（10）を保持する少なくとも１の凹部（21、22）
   を含み、前記凹部は、射出成形工程の際、第一のプラス
   チック材料（M1）で充填されるために、前記バランスウ
   エイト（10）と前記凹部の壁との間に空間（ｅ）が存在
   するよう、場所により、少なくとも前記バランスウエイ
   ト（10）の寸法より大きくすることを特徴とする請求項
   ４によるゴルフクラブヘッドの製造方法。
6. 【請求項６】さらに、前記可溶性芯部を溶解、除去する
   ことにより自由空間を形成する内凹部（11）に、低密度
   の充填材料（M3、12）を流し込んで充填することを特徴
   とする請求項１ないし５のいずれか１によるゴルフクラ
   ブヘッドの製造方法。
7. 【請求項７】前記可溶性芯部が錫、鉛、あるいはビスマ
   スの合金で作られることを特徴とする請求項１ないし６
   のいずれか１によるゴルフクラブヘッドの製造方法。
8. 【請求項８】前記シェル（３）がポリアミド、ポリプロ
   ピレン、およびABS（アクリロニトリル／ブタジエン／
   スチレン）から選んだシェル射出成形用材料（M1）で作
   られることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１
   によるゴルフクラブヘッドの製造方法。
9. 【請求項９】前記バランスウエイト（10）が黄銅、青
   銅、あるいは鋼で作られることを特徴とする請求項４ま
   たは５によるゴルフクラブヘッドの製造方法。
10. 【請求項１０】前記強度部材（200）が強度壁（９）
    と、側方へ伸び出てヘッドの首部を少なくとも部分的に
    形成する管状部分（94）とを含むことを特徴とする請求
    項１ないし９のいずれか１によるゴルフクラブヘッドの
    製造方法。
11. 【請求項１１】前記強度壁（９）がアルミニウムを鋳造
    成形して作られ、また前記ヘッドの首部を少なくとも部
    分的に形成する部分（94）が鋼製であって、前記強度壁
    （９）に取り付けられて溶接されるか、あるいは埋め込
    まれることを特徴とする請求項10によるゴルフクラブヘ
    ッドの製造方法。
12. 【請求項１２】周囲シェル（３）と側方に延在する首部
    （２）とを含む、「ウッド」型のゴルフクラブヘッドに
    おいて、 前記シェル（３）が、射出成形した低弾性率のプラスチ
    ック材料からなる壁部（５、６、７、８）の集合体、す
    なわち、上部壁（５）、下部壁（６）、周囲壁（７）、
    およびヘッドの打撃面（80）を成す前部壁（８）の集合
    体で形成され、前記前部壁（８）の内面が高弾性率の材
    料からなる内部強度壁（９）の１の前面（900）に支承
    され、前記強度壁は、少なくとも前記ヘッドの首部
    （２）を形成する管状部分（94）を介して側方へ伸び出
    る強度部材（200）の一部であることを特徴とするゴル
    フクラブヘッド。
13. 【請求項１３】前記強度部材（200）が金属製、あるい
    はガラス繊維などを充填した樹脂製であることを特徴と
    する請求項12によるゴルフクラブヘッド。
14. 【請求項１４】前記強度壁（９）がアルミニウム製であ
    り、かつ前記管状部分（94）が鋼製であることを特徴と
    する請求項13によるゴルフクラブヘッド。
15. 【請求項１５】周囲シェル（３）と側方に延在する首部
    （２）とを含む、「ウッド」型のゴルフクラブヘッドに
    おいて、 前記シェル（３）が、射出成形した低弾性率のプラスチ
    ック材料からなる壁部（５、６、７、８）の集合体、す
    なわち上部壁（５）、下部壁（６）、周囲壁（７）、お
    よびヘッドの打撃面（80）を成す前部壁（８）の集合体
    で形成され、前記前部壁（８）の内面が高弾性率の材料
    からなる内部強度壁（９）の１の前面（900）に支承さ
    れ、かつ高密度材料製のバランスウエイト（10）が壁部
    （５、６、７、８）の１によって内凹部（11）に保持さ
    れることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
16. 【請求項１６】前記バランスウエイト（10）が、該バラ
    ンスウエイトを少なくとも部分的に囲む保持用突起（7
    0）を含む周囲壁（７）によって保持されることを特徴
    とする請求項15によるゴルフクラブヘッド。
17. 【請求項１７】前記強度壁（９）が、前記シェル（３）
    の下部壁（６）以外で、少なくとも部分的に突出する少
    なくとも１の突起部（93a、93b）を含むことを特徴とす
    る請求項12ないし16のいずれか１によるゴルフクラブヘ
    ッド。
18. 【請求項１８】前記シェル（３）がポリアミド、ポリプ
    ロピレン、あるいはABS（アクリロニトリル／ブタジエ
    ン／スチレン）製であることを特徴とする請求項12ない
    し17のいずれか１によるゴルフクラブヘッド。