JP2773842B2 - 水発色性シート - Google Patents

水発色性シート

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JP2773842B2 JP2078519A JP7851990A JP2773842B2 JP 2773842 B2 JP2773842 B2 JP 2773842B2 JP 2078519 A JP2078519 A JP 2078519A JP 7851990 A JP7851990 A JP 7851990A JP 2773842 B2 JP2773842 B2 JP 2773842B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水で濡らすだけで該部分が発色する水発色
性シートに関するものであり、さらに詳しくは、書道等
の練習に有用な水筆用シート、有価証券、紙幣、クレジ
ットカード、商品券、入場券、商品ラベル等の偽造防止
に有用な偽造防止用シート、手型、足型、魚拓等の型取
りに有用な型取り用シート等に使用できる水発色性シー
トに関するものである。
〔従来の技術〕
従来から知られている水発色性シートは、カーボンブ
ラック等を塗被して着色した基材上に、低屈折率の白色
顔料層等を設けて着色層を隠蔽し、この隠蔽部を水等の
液体で濡らして下部の着色層を透視し得るようにした可
逆性の水筆用シートがある。しかし、このシートは、支
持体にカーボンブラック等の着色剤層と、この着色剤層
を隠蔽するために更に白色顔料層を設ける構成のもので
あるから、当然少なくとも最低二度の塗工が必要である
こと、及び着色剤層を完全に隠蔽するには白色顔料層15
〜25g/m2程度塗布しなければならずコスト的にも問題が
ある。
また、pH指示薬を含んだシートを、pH調製した水溶液
で発色させる不可逆性の発色性シートもあるが、単なる
水だけで発色させることはできない。
近年、複写機の発達、特にカラー複写機の発達によ
り、印刷物の偽造が比較的容易に行えるようになってい
る。従来から偽造を防止のために、ザンメル凸版印刷
法、透かし法、表面に凹凸を付ける触覚法等が行われて
いるが、これらの方法は偽造防止の効果を確実にしよう
とすればする程費用がかさみ、あるいは真偽の判定に用
いる装置が大がかりとなったり判別するのに時間がかか
ったりするという問題がある。
又、ロイコ染料とルイス酸を用い、どちらか一方を隠
し印刷し、他方をフェルトペン等の形で使用し、真偽の
判定を瞬間に行う方法が提案されているが、常に薬品を
用意しておく必要がある。
一方、手型、足型は医学的に手、足の成長過程を簡便
に知る方法として用いられている。特に足型は扁平足の
スクリーニング法や、オーバーによる靴型採型のために
は簡便な方法として多用されている。一般に手型又は足
型等の型取りをする場合、型取りする手又は足に朱肉や
墨を付着させ、紙等に接触して写し取る方法が一般に良
く知られている。しかし、これらの方法は型取りした
後、手又は足に付着した朱肉等を取り除く際に容易に除
去し難いという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、水で塗らすだけで該部分が発色する水発色
性シートを提供するものである。また、特殊な薬品を使
用することなく、単に水を付与するだけで瞬時に真偽の
判定を行うことができ偽造防止用シートを提供するもの
である。更に、本発明は、手、足、その他型取りをする
物を朱肉や墨等で汚すことなく、手形、足型、その他の
物の型取りを簡便に行うことができる型取り用シートを
提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、流下長さが55mm以上の支持体上の少なくと
も一部分に、無色ないし淡色の塩基性染料、該染料と接
触して呈色し得る呈色剤、減感剤及び接着剤を主成分と
する水発色層を設けたことを特徴とする水発色性シート
である。
〔作用〕
本発明の水発色性シートは、水の付着によって可視像
が得られるという化学的反応を利用した水発色性シート
である。使用する無色ないし淡色の塩基性染料として
は、各種のものが公知であり、例えば下記が例示され
る。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミ
ノフェニル)フタリド、3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)
−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメ
チルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−
フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノ
フタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1
−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフ
タリド等のトリアリルメタン系染料、4,4′−ビス−ジ
メチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハ
ロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロ
ロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系染
料、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベン
ゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系染料、3−
メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ
−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メ
チル−ナフト(6′−メトキシベンゾ)スピロピラン、
3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染
料、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン
(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−ク
ロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系染料、3−ジメ
チルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ク
ロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメ
チルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)
−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(N−アセチル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(N−メチルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−メチル−N−ベ
ンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(N−クロロエチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ジエチルアミノフルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオ
ラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピ
ロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(2,4−ジメチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
(p−ブチルフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−
メチル−N−n−アミルアミノ)−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−
アミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N
−メチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−
n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミ
ノフルオラン、3−(N−エチル−N−β−エチルヘキ
シルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ラン等のフルオラン系染料等が挙げられる。勿論、これ
らの染料に限定されるものではなく、二種以上の染料の
併用も可能である。
本発明において、上記の塩基性染料と組合せて用いる
呈色剤については、例えば感圧複写紙や感熱紙の分野で
公知となっている下記の如き物質が例示される。
4−tert−ブチルフェノール、α−ナフトール、β−
ナフトール、4−アセチルフェノール、4−tert−オク
チルフェノール、4,4′−sec−ブチリデンフェノール、
4−フェニルフェノール、4,4′−ジヒドロキシ−ジフ
ェニルメタン、4,4′−イソプロピリデンジフェノー
ル、ハイドロキノン、4,4′−シクロヘキシリデンジフ
ェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイ
ド、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチル
フェノール)、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキ
シベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,
4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロ
キシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安
息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸ペンチル、4−ヒドロキシ
安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香
酸クロロフェニル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニルプ
ロピル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、4−ヒド
ロキシ安息香酸p−クロロベンジル、4−ヒドロキシ安
息香酸p−メトキシベンジル、ノボラックス型フェノー
ル樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物;安
息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香
酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチ
ル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチル
サリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリ
チル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリ
チル酸等の芳香族カルボン酸;これらの芳香族カルボン
酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシ
ウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属
との塩等の有機酸性物質等が挙げられる。勿論、これら
の呈色剤も必要に応じて二種以上を併用することも可能
である。
塩基性染料と呈色剤は、所望の発色が得られるように
適宜選択して使用される。また、塩基性染料と呈色剤の
混合比率は、染料100重量部に対して呈色剤が50〜600重
量部、好ましくは100〜400重量部程度に調節するとよ
い。
減感剤としては、公知のもの中で水に易溶性であれば
何れでも利用でき、具体的にはグリセリン;ドデシルア
ミン;2,4,4−トリメチル−2−オキサゾリン;N,N−ジ
(ポリオキシエチレン)エチルアミン;ポリオキシプロ
ピレン・ジエチルアミン付加物;ポリエチレンイミン;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合物
等のポリオレフィングリコール;ドデシルートリメチル
アンモニウムクロライド、ステアリルアミンアセテート
等の陽イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の陰
イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール
モノステアレート等の非イオン性界面活性剤等が挙げら
れる。
これらのうちでも、ポリエチレンイミン、平均分子量
が300〜2000程度のポリオレフィングリコール、陰イオ
ン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤は消色性お
よび水発色性において特に優れるため好ましく用いられ
る。勿論、これらの減感剤は二種以上を併用することも
可能である。
減感剤の使用量については、用いる支持体、塩基性染
料、呈色剤の種類により一概に言えないが、呈色剤100
重量部に対し50〜2000重量部程度範囲であればよい。
本発明に水発色性シートにおいて、支持体上に設けた
塩基性染料、呈色剤、減感剤の三成分を必須とする層
が、特に重要な構成をなすものである。該層が、水の付
着によって発色するメカニズムは、以下のような現象が
生じるためではないかと考えられる。即ち、水を付与す
ると混在している減感剤は水に易容性であることから水
に溶け出すため、層中の濃度が希釈され、塩基性染料と
呈色剤の間での発色反応を阻止する機能が低下する。そ
の結果、該染料と呈色剤との間で発色反応が生じ可視像
が現れる。このように本発明の水発色性シートは、三成
分の組成のバランスを利用したものである。
支持体としては紙、板紙、ダンボール、合成紙、不織
布、織布、樹脂フィルム、金属蒸着紙、金属箔、金属
板、木板、ガラス等が使用できる。このなかで、多孔質
性の基材を用いた場合、水に溶解した減感剤は多孔質基
材中へ浸透していき、三成分中の減感剤の比率が小さく
なり、水が蒸発乾燥後は発色部が残存する。即ち、この
ようなシートを用いると不可逆の水発色が行える。一
方、非多孔質性の基材を用いた場合、水に溶解した減感
剤が基材中へ浸透しない為、水が蒸発乾燥篭も三成分の
比率は不変であり、発色部は消色する。即ち、このよう
なシートを用いると、可逆の水発色が行え、繰り返し使
用することができる。
紙が多孔質性か否かは、下記の方法で測定した“流下
長”を判断の目安とすればよい。即ち、20℃±2℃、60
±5%RHの雰囲気で75度傾斜した平坦な平面上に貼り付
けた紙上に、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート(商品名:レオードールTW−L120,花王(株)製)
を1重量%含んだ液を1cmの高さから10μ滴下し、該
液が乾燥するまでに流下した長さを測定し、この値を流
下長とする。この流下長が50mm以下、好ましくは40mm以
下の紙を用いた場合には不可逆性の水発色性シートとな
る。一方、流下長さが55mm以上、好ましくは60mm以上の
紙では可逆性の水発色性シートとなる。
接着剤としては、例えば塗布方法で水発色層を形成す
る場合、具体的には穀物澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、ゼラチン、
アルブミン、カゼイン等のプロティン類、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース類、寒天、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴム等の
多糖類の如き水溶性天然高分子化合物、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ
アクリルアミド、マレイン酸共重合体等のような水溶性
合成高分子化合物;スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステル系重合体ラテックス、酢酸
ビニル系重合体ラテックス、塩化ビニル系重合体等の水
分散性高分子化合物;エチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート、ニトロセルロース等の半合成樹
脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂メラミン
樹脂、ケトン樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油樹
脂、テルペン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルブチラール(ブチラール樹脂)、ポリビニルピ
ロリドン、塩素化ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン等の合成樹脂が挙げられる。
一方、印刷方式で水発色層を形成する場合、例えばフ
レキソ型又はグラビア型インキ組成物を調製する場合の
接着剤としては、前記の材料が使用できる。なかでもポ
リ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、変
性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルピロリドン、エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
等が好ましい。
又、ホットメルト型インキの接着剤としては主にワッ
クス類が用いられる。このワックス類としては、みつろ
う、鯨ろう、ラノリン等の動物系ワックス、キャンデリ
ラワックス、カルナウバワックス、木ろう、ライスワッ
クス、サトウキビろう等の植物系ワックス、モンタンワ
ックス、オゾケライト、リグナイトワックス等の鉱物系
ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス等の石油系ワックス、モンタンワックス誘導
体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリン
ワックス誘導体等の変性ワックス、カスターワックス、
オパールワックス等の水素化ワックス、低分子量ポリエ
チレン及びその誘導体、アクラワックス、ジステアリル
ケトン等の合成ワックス、カプロン酸アマイド、カプリ
ル酸アマイド、ペラルゴン酸アマイド、カプリン酸アマ
イド、ラウリン酸アマイド、トリデシル酸アマイド、ミ
リスチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸
アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、カプロ
レイン酸アマイド、オレイン酸アマイド、リノール酸ア
マイド、リシノール酸アマイド、リノレン酸アマイド等
の脂肪酸アマイド系ワックス、ステアリン酸、ベヘン酸
等の脂肪酸系ワックス、ステアリルアルコール等のアル
コール系ワックス、ジステアリルリン酸エステル等のリ
ン酸エステル系ワックス等が単独或いは組み合わせて使
用される。
更に、電子線または紫外線硬化型インキの接着剤とし
ては、ビニル又はビニリデン基を一個以上、好ましくは
複数個有する化合物が挙げられ、例えばアクリロイル
基、メタクリロイル基、アリル基、不飽和ポリエステ
ル、ビニルオキシ、アクリルアミド基などを有するポリ
オール、ポリアミン又はアミノアルコール等と不飽和カ
ルボン酸との反応物、ヒドロキシル基をもつアクリレー
ト又はメタクリルレートとポリイソシアネートとの反応
物が挙げられる。代表的な化合物としては、例えばポリ
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ヘキサンジオールジアク
リレート、1,2−ブタンジオールジアクリレート、エポ
キシ樹脂とアクリル酸との反応物、メタクリル酸とペン
タエリスリトールとアクリル酸との反応物、マレイン酸
とジエチレングリコールとアクリル酸の縮合物、メチル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、スチレン等が
ある。
紫外線によって硬化する場合は、上記の接着剤に光重
合開始剤を添加するのが好ましく、例えば芳香族ケト
ン、キノン化合物、エーテル化合物、ニトロ化合物等の
光重合開始剤が用いられる。具体的にはベンゾキノン、
フェナンスレンキノン、ナフトキノン、ジイソプロピル
フェナンスレンキノン、ベンゾインブチルエーテル、ベ
ンゾイン、フロインブチルエーテル、モヒラーケトン、
ミヒラーチオケトン、フルオレノン、トリニトロフルオ
レノン、β−ベンゾイルアミノナフタレン等の光重合開
始剤が例示される。
これらの接着剤は、水発色層の全固形分の5〜75重量
%、好ましくは10〜65重量%程度用いられる。
更に、塗液或いはインキ組成物中には、発色感度を向
上させるために増感剤を、耐老化性を付与するために紫
外線吸収剤や酸化防止剤を、撥水性を改良し、白さや筆
記性を付与するためにカオリン、クレー、タルク、炭酸
カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土、シリカ
活性白土等の無機顔料等を添加することもできる。ま
た、用いた染料の発色色相と異なる有色色素や着色顔料
を含有することも可能である。更に必要に応じて分散
剤、防腐剤、消泡剤、蛍光染料等を添加してもよい。
本発明の水発色層を形成するには、前記塩基性染料、
呈色剤、減感剤、接着剤を含む塗液ないしはインキ組成
物を支持体に塗布または印刷し、乾燥することにより行
う。これらを含む塗液の調製は、水を分散媒体とし、ボ
ールミル、アトライター、サンドグラインダー等の撹
拌、粉砕機により、染料と呈色剤とを一緒に、又は別々
に分散して塗液とする、染料及び/又は呈色剤をエマル
ジョン化して塗液とする。更には両者を有機溶剤に溶解
して塗液とするなどして調製される。
水発色層の形成方法については特に限定されるもので
はなく、従来から周知慣用の技術に従って形成すること
ができる。例えばバーコーター、エアナイフコーター、
ブレードコーター、カーテンコーター等適当な塗布装置
が用いられる。印刷方式の場合は、凸版、平版、凹版、
フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト印刷等
の各種印刷機が使用できる。勿論、刷毛やスプレー等で
設けてもよい。
塗液又はインクの塗布量についても特に限定されるも
のではなく、乾燥重量で0.3〜15g/m2程度、好ましくは
1〜12g/m2範囲で調製するとよい。因みに、0.3g/m2
満たないと水発色性シートとしての充分な機能が得られ
ず、また15g/m2を越えての塗布は機能的にもより一層の
効果上の向上が認められず、コスト高となる。
塗布後の塗液は、風乾させてもよいが、一般には50〜
120℃程度の温度下にて乾燥される。勿論、電子線又は
紫外線硬化型インキ組成物を用いて水発色層を形成する
場合には、電子線又は紫外線を照射して塗被層を硬化せ
しめる必要がある。また、乾燥後に必要に応じカレンダ
ー処理を施してもよい。
このようにして得られた水発色性シートは、例えば書
道の練習用として使用することができる。即ち、筆に水
を付与して書くだけで発色する。水のみ用いるので手な
ど汚すことはない。可逆性の水発色性シートを用いた場
合、該発色部分が乾燥すると消色するので、何回でも使
用することができ、省資源に寄与できる。
本発明の水発色性シートは、偽造防止用シートとして
特に有用であるので、これについて以下に説明する。
流下長さが55mm以上の支持体上の少なくとも一部分
に、塩基性染料、呈色剤、減感剤及び接着剤よりなる水
発色層を設けたシートは、無色ないし淡色であり、写真
に撮ったり複写機でコピーしたりできないので偽造を防
止できる。真偽を確認する場合には、水を付着させる
と、該部分が発色するため容易に確認できる。
該水発色層は、必ずしも隠し印刷のごとき不可視にす
る必要がなく、例えば塩基性染料の発色と異なる色相の
有色色素を含有させることができる。この場合、有色色
素が発現しており、真偽を確認するために水を付着させ
ると塩基性染料の色相が表われ、その結果混色として呈
色される。該用紙をカラー複写機で複写すると有色色素
の色相部は複写されるが、真偽を確認するために水を付
着させても混色は発現せず、偽造が防止できる。
使用される有色染料としては、塩基性染料の発色と異
なる色相を有し、混色性を有する化合物であればよく、
具体例としてはメタニルイエロー、オレンジII、メチル
レッド、アシッドレッド、ビクトリアバイオレット、ブ
リリアントブルー等の酸性染料;ナフトールAS、ファー
ストレッドTR、ファーストブルーBBサルト、α−ナフチ
ルアミン等のアゾイック染料、ローダミン6G、クリスタ
ルバイオレット、メチレンブルー、マラカイトグリー
ン、アクリジンイエロー等の塩基性染料;ハーマネント
オレンジ、ディープレッド、フタロシアニンブルー等の
ピグメント染料;コバルトグリーン、セルシアンブル
ー、コバルトバイオレット、クロム酸バリウム、カドミ
ウムレッド等の無機化合物が挙げられる。
該有色色素は、水発色性材料中に混合しても良く、有
色色素層を水発色層の下層或いは上層に設けても良い。
さらに各層は、基材上に全面にわたって設けても良
く、文字、記号、もしくは模様またはこれらの組合せを
印刷しても良い。
このようにして得られた偽造防止用シートは、低コス
トで製造でき、然も薬品等を用いることなく容易に真偽
を確認することができるので、有価証券、紙幣、クレジ
ットカード、商品券、入場券、商品ラベル等に極めて有
用なものである。
また本発明の水発色性シートは、型取り用シートとし
ても有用である。本発明の水発色性シートの水発色層
に、水を付着させた型取りを行う物を接触させることに
より、該接触部分が発色して記録が得られる。このよう
に、型取りを行う物を朱肉や墨で汚すことなく行うこと
ができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論これらに限定されるものではない。又特に断ら
ない限り例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を
示す。また、支持体の流下長とは、20℃±2℃、60±5
%RHの雰囲気で75度傾斜した平坦な平面上に貼り付けた
基材上に、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト(品名;レオードールTW−L120,花王(株)製)を1
重量%含んだ液を1cmの高さから10μ滴下し、該液が
乾燥するまでに流下した長さである。
実施例1 A液の調製 3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン 10部 メチルセルロース5%水溶液 5部 水 40部 この組成物をサンドグラインダーで平均粒径が3μm
となるまで粉砕した。
B液の調製 4,4′−イソプロピリデンジフェノール 20部 メチルセルロース5%水溶液 5部 水 55部 この組成物をサンドグラインダーで平均粒径が3μm
となるまで粉砕した。
A液55部、B液80部、減感剤としてポリエチレングリ
コール#600(平均分子量600)を55部、酸化珪素顔料
(吸油量:180ml/100g)15部、20%酸化澱粉水溶液50
部、水10部を混合し、撹拌して塗液とした。得られた塗
液を127.9g/m2の両面コート紙(流下長:80mm)上に乾燥
後の塗布量が60g/m2となるようにワイヤーバーで塗布
し、120℃で1分間乾燥して白色の水発色性シートを得
た。
このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な黒に
発色した。そのまま、放置して水分を蒸発乾燥させると
元の白色に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例2 ポリエチレングリコール#600の代わりにポリエチレ
ングリコール#1000(平均分子量1000)を使用した以外
は実施例1と同様にして、白色の水発色性シートを得
た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な黒
に発色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰り
返し使用ができた。
実施例3 ポリエチレングリコール#600 55部の代わりに、ポ
リエチレングリコール#300(平均分子量300)を35部と
ポリエチレングリコール#2000(平均分子量2000)を20
部を使用した以外は実施例1と同様にして白色の水発色
性シートを得た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記す
ると鮮明な黒に発色した。水分を蒸発させると元の白色
に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例4 A液の3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの代わりに
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランを使用した
以外は実施例1と同様にして白色の水発色性シートを得
た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な橙
色に発色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰
り返し使用ができた。
実施例5 A液の3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの代わりに
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリドを使用した以外は実施例1と同様に
して白色の水発色性シートを得た。このシートに水を含
んだ毛筆で筆記すると鮮明な青色に発色した。水分を蒸
発させると元の白色に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例6 実施例1のB液4,4′−イソプロピリデンジフェノー
ル20部の代わりに3,5−ジ−(α−メチルベンジル)サ
リチル酸亜鉛20部を用い以外は実施例1と同様にしてA
液、B液を調製した。
A液55部、B液80部、減感剤としてエマルジョン935
(花王(株)製;ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル)を55部、酸化珪素顔料(吸油量:180ml/100g)1
5部、48%スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス150
部、水100部を混合し、撹拌して塗液を調製した。得ら
れた塗液を127.9g/m2の両面コート紙(流下長:80mm)上
に乾燥後の塗布量が6g/m2となるようにワイヤーバーで
塗布し、110℃で1分間乾燥して白色の水発色性シート
を得た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明
な黒に発色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、
繰り返し使用ができた。
実施例7 エマルゲン935の代わりにエマルゲン147(花王(株)
製;ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を使用した
以外は実施例6と同様にして、白色の水発色性シートを
得た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な
黒に発色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰
り返し使用ができた。
実施例8 エマルゲン935の代わりに、レオドールTW−L120(花
王(株)製;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート)を使用した以外は実施例6と同様にして白色の水
発色性シートを得た。このシートに水を含んだ毛筆で筆
記すると黒く発色した。水分を蒸発させると元の白色に
戻り、繰り返し使用ができた。
実施例9 エマルゲン935の代わりにトラックスN−300(日本油
脂(株)製;陰イオン界面活性剤)を使用した以外は、
実施例6と同様にして白色の水発色性シートを得た。こ
のシートに水を含んだ毛筆で筆記すると黒く発色した。
水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰り返し使用がで
きた。
実施例10 エマルゲン935の代わりにエポミンP−1000(日本触
媒化学工業(株)性;ポリエチレンイミン)を使用した
以外は、実施例6と同様にして白色の水発色性シートを
得た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると黒く発
色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰り返し
使用できた。
実施例11 A液の3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの代わりに
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランを使用した
以外は実施例6と同様にして白色の水発色性シートを得
た。このシートは水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な橙
色に発色した。水分を蒸発させると元の白色に戻り、繰
り返し使用ができた。
実施例12 A液の3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの代わりに
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリドを使用した以外は実施例6と同様に
して白色の水発色性シートを得た。このシートは水を含
んだ毛筆で筆記すると鮮明な青色に発色した。水分を蒸
発させると元の白色に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例13 A液の調製 3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン5部をアルキルナ
フタレン100部に溶解した。この溶液をポリビニルアル
コールの3%水溶液100部に加え、ホモミキサーで回転
数8500rpm、3分間撹拌し、エマルジョンを作成した。
B液の調製 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛10
部、メチルセルロース5%水溶液5部、水55部からなる
組成物をサンドグラインダーで平均粒径が3μmとなる
まで粉砕した。
次いで、A液205部、B液70部、ポリエチレングリコ
ール#1000(平均分子量1000)を25部、酸化珪素顔料
(吸油量180ml/100g)100部、スチレン・ブタジエン共
重合体エマルジョン48%液を150部及び水300部を混合撹
拌し、塗被液を得た。
一方、米坪104.7g/m2の上質紙にスチレン・ブタジエ
ン共重合体エマルジョン48%液100部、炭酸カルシウム2
0部、水100部からなる塗被液をワイヤーバーで、予め塗
被、乾燥し固形分5g/m2の塗被層を設けた(流下長:160m
m)。このようにして塗被液の浸透性を抑制した後、そ
の表面に前記の塗被液をワイヤーバーで塗被し、室温で
乾燥し、白色の水発色性シートを得た。乾燥後の塗被量
は7g/m2であった。このシートに水を含んだ毛筆で筆記
すると、水を付与された部分が鮮明な黒に発色した。そ
のまま、放置して水分を蒸発乾燥させると、元の白色に
戻り、繰り返し使用ができた。
実施例14 ポリエチレングリコール#1000の代わりに、エマルゲ
ン935(ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル,花王(株)製)を使用した以外は実施例13と同様に
して白色の水発色性シートを得た。このシートに水を含
んだ毛筆で筆記すると、水を付与された部分が鮮明な黒
に発色した。そのまま、放置して水分を蒸発乾燥させる
と、元の白色に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例15 A液の3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの代わりに
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリドを使用した以外は実施例13と同様に
して白色の水発色性シートを得た。このシートは水を含
んだ毛筆で筆記すると、水を付与された部分が鮮明な青
に発色した。そのまま、配置して水分を蒸発乾燥させる
と、元の白色に戻り、繰り返し使用ができた。
実施例16 C液の調製 3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン5部、3,5−ジ−
(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛10部をアルキル
ナフタレン100部に溶解した。この溶液をポリビニルア
ルコールの3%水溶液100部に加え、ホモミキサーで回
転数8500rpm、3分間撹拌し、エマルジョンを作成し
た。
A液205部、B液70部の代わりにC液215部を使用した
以外は実施例13と同様にして白色の水発色性シートを得
た。このシートに水を含んだ毛筆で筆記すると、水を付
与された部分が鮮明な黒に発色した。そのまま、放置し
て水分を蒸発乾燥させると、元の白色に戻り、繰り返し
使用ができた。
比較例17 下記のように液を調製した。
A液の調製 サンドミルによって微粒化処理した3,3−ビス(p−
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ドの35%水分散液 30部サンドミルによって微粒化処理
した3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛の3
0%水分散液 70部 48%スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 100部 B液の調製 ポリエチレングリコール#1000(平均分子量1000)10
0部 水 100部 A液を撹拌しながらB液を徐々に添加し、A:B=100:5
0の割合に混合し塗液を調成した。この塗液を坪量64g/m
2(サイズ度:30秒,流下長:10mm)の原紙にブレードで
塗被し、100℃1分間乾燥し、白色の水発色性シートを
得た。塗被量は乾燥重量で3.5g/m2であった。
この水発色性シートに水を含んだ毛筆で筆記すると水
が付着した部分が鮮明な青色に発色した。そのまま放置
しても発色部は残存したままであった。
比較例18 坪量64g/m2(サイド度:30秒,流下長:10mm)原紙の代
わりに坪量64g/m2(サイズ度:70秒,流下長:20mm)の原
紙を使用した以外は、実施例17と同様にして白色の水発
色性シートを得た。このシートに水スプレーを掛ける
と、水滴の付着した部分は不可逆的に残存した。
比較例19 A液とB液の混合比率をA:B=100:75に、又、坪量64g
/m2(サイズ度:1秒以下,流下長:10mm)原紙を使用した
以外は、実施例17と同様にして白色の水発色性シートを
得た。このシート上に水で濡らした手を押し当てると、
青色に発色した手型が得られ発色部は不可逆的に残存し
た。
比較例20 A液の3,3ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリドの代わりに3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオランを使用した以外は実施例17と
同様にして白色の水発色性シートを得た。このシートに
水を含んだ毛筆で筆記すると鮮明な橙色に発色し、発色
部は不可逆的に残存した。
実施例21 オリゴエステルアクリレート(東亜合成化学工業社
製;アロニックスM−8030)80部、単官能アクリレート
(合成化学工業社製;アロニックスM101)80部に3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド10部、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
リチル酸亜鉛25部、ポリエチレングリコール#1000(平
均分子量1000)65部を加え60℃で1時間加熱溶融して、
電離放射線硬化型の塗液を得た。
この塗液は両面コート紙(流下長:80mm)に凸板印刷
装置を使用して花柄の模様を印刷し、引き続いてエレク
トロカーテン型電子線照射装置(ESI社製;CB−150型)
により2Mradの照射線量で樹脂を硬化させ白色のシート
を得た。該シートを複写機でコピーすると花柄が発現し
ない白紙のコピーしかとれなかった。一方、該シートに
水で湿らせたガーゼをあてると、花柄模様が青く発色し
た。そのまま放置し、水を蒸発させると、消色し、可逆
性を示した。
比較例22 基材の両面コート紙(流下長:80mm)の代わりに64g/m
2の上質紙(流下長:10mm)を使用した以外は実施例21と
同様にして淡青色の花柄模様のシートを得た。
該シートの一部に水で湿らせたガーゼで水を付着させ
ると、水が付着した部分の花柄模様は一段と濃く発色
し、そのまま放置し水を蒸発乾燥させても不可逆性を示
し、発色部は濃く残存したままであり、発色部、未発色
部は明瞭に区別できた。
一方、該シートを市販のカラー複写機でコピーすると
淡青色の花柄模様はコピーできたが、当然ながら水を付
着させても何ら変化しなかった。
実施例23 A液の調製 ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製;BCS)
100部 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド 10部 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛 20部 ポリエチレングリコール#1000(分子量100) 40部 エチルアルコール 400部 メチルエチレンケトン 200部 を混合撹拌して塗液を得た。この塗液を合成紙(王子油
化合成紙(株)製 商品名;「ユポ」坪量110g/m2)に
乾燥時の塗布量が3.0g/m2となるようにワイヤーバーで
塗布し、80℃の中で30秒間乾燥して白色のシートを得
た。該シートの塗布面にフレキソ印刷機で黒色の文字を
印刷した。この印刷シートの白地部分に毛筆で水を付着
させると青色に発色した。そのまま放置して水を蒸発さ
せると消色し、可逆性を示した。一方、該印刷シートを
複写機でコピーすると、黒色の文字はコピーできた。当
然ながら水を付着させても何ら変化しなかった。
実施例24 A液に有色染料ローダミン6G(キシダ化学(株)製)
0.8部を添加して以外は実施例23と同様にして赤色のシ
ートを得た。該シートの塗布面にフレキソ印刷機で黒色
の文字を印刷した。この印刷シートの地色部分に毛筆で
水を付着させると混色(紫)に発色した。そのまま放置
して水を蒸発させると消色し、可逆性を示した。一方、
該印刷シートを市販のカラー複写機でコピーすると該印
刷シートと同様の色相をもったコピーはできたが水を付
着しても何ら変化しなかった。
実施例25 サンドミルによって微粉化処理した3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオランの35%水分散液30部、サンド
ミルによって微粉化処理した3,5−ジ(α−メチルベン
ジル)サリチル酸亜鉛の38%水分散液55部、エマルゲン
935(花王(株)製,ポリオキシエチレンノニムフェノ
ールエーテル)55部、炭酸カルシウム(吸油量95ml/100
g)40部、48%スチレン・ブダジエン共重合体ラテック
ス150部、水100を混合撹拌し水発色性塗液を得た。
一方、米坪104.7g/m2の上質紙上に、スチレン・ブタ
ジエン共重合体ラテックス:48%液100部、炭酸カルシウ
ム(吸油量:95ml/10g)20部、水100部からなる塗液をブ
レードで予め塗布乾燥し、固形量3g/m2の下塗層を設け
た。塗布層の流下長は128mmであった。
この下塗層表面に前記水発色性染料を乾燥後の塗布量
が5g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、100℃で30
秒間乾燥して白色のシートを得た。このシートに市販の
熱転写装置で文字を含むカラーの図柄を転写した。該シ
ートに毛筆で水を付着させると白地の部分は赤色に発色
し、カラーの文字及び図柄部分は混色に変化し、そのま
ま放置して水の蒸発させると消色し、可逆性を示した。
一方、該転写シートを市販のカラー複写機でコピーする
と該シートと同様の色相をもったコピーはできたが水付
着による色相変化は何らおこらなかった。
〔効果〕
このように本発明の水発色性シートは、塩基性染料
を選択することで、発色色調が容易に変えることができ
る、支持体を選択することで可逆性或いは不可逆性の
発色を得ることができる、塗工機や印刷機で製造でき
るので、大量生産ができる、2〜12g/m2という少量塗
布で得られる、支持体として非多孔質の材料を用いれ
ば水で発色し、繰り返し使用できるので、省資源に寄与
できる、書道用として、墨を擦る必要がなく、又、汚
れを心配する必要もない、偽造防止用として、特殊な
薬品や装置を用いることなく、水を付与するだけで瞬時
に真偽を確認できる、型取り用として、手型、足型、
魚拓、拓木、その他型取りする物を朱肉や、墨で汚すこ
となく鮮明に型取りできる、水で発色するので、水漏
れ検知機、水鉄砲を用いてのサバイバルゲーム(生き残
りゲーム)等実用性の極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−334272 (32)優先日 平1(1989)12月22日 (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭62−85985(JP,A) 特開 昭55−113592(JP,A) 特開 昭60−124284(JP,A) 実開 昭59−157849(JP,U) 特公 昭55−1919(JP,B2) 実公 昭62−939(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/124 - 5/165 G09B 11/00,11/04 B41M 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流下長さが55mm以上の支持体上の少なくと
    も一部分に、無色ないし淡色の塩基性染料、該染料と接
    触して呈色し得る呈色剤、減感剤及び接着剤を主成分と
    する水発色層を設けたことを特徴とする水発色性シー
    ト。
  2. 【請求項2】減感剤が、ポリオレフィングリコール、界
    面活性剤、ポリエチレンイミンから選ばれる少なくとも
    一種である請求項(1)記載の水発色性シート。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の構成を有する偽造防止
    用シート。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載の構成を有する型取り用
    シート。
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