JP2773321B2 - 取引処理システムおよびクレジット端末装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ）産業上の利用分野 この発明は、クレジット取引処理を利用した取引処理
システムおよびそのシステムに用いられるクレジット端
末装置に関する。

（ｂ）発明の概要 この発明に係る取引処理システムは、センタとの間で
クレジットカードの認証なしで使用することのできる与
信額（但し、クレジットカードの与信限度額の範囲内の
金額である。）を予め与えたカード（本発明においてこ
のカードを「プレ与信カード」という。）を最初にクレ
ジットカードを用いて発行し、その後は、プレ与信カー
ドに付与されている与信額の限度内でプリペイドカード
と略同様に使用できるようにした。

これによって、クレジット取引毎のクレジットカード
の認証が不要となり、取引処理の簡略化および取引処理
のための手数料の軽減を図ったものである。

また、この発明にかかるクレジット端末装置は、上記
の取引処理システムに用いられる。

（ｃ）従来の技術 一般に、カードによる取引としてクレジットカードに
よる取引とプリペイドカードによる取引とがある。

クレジット取引では、使用の都度クレジットセンタに
クレジットカードの有効性および使用限度額などのチェ
ックを依頼し与信を得ることによって取引が行われる。
例えばオンラインによるクレジット取引では、各店舗な
どに設置されている端末装置（CAT端末、クレジット取
引可能なPOS端末またはカード取引可能な自動販売機な
ど）からセンタに対し電話回線を通して与信を依頼し、
センタでは各顧客の登録データを検索して、そのクレジ
ットカードが有効で、且つ使用金額が限度内であれば端
末に対し与信を与える。その後必要な時点で該当の顧客
の預金口座から取引金額を引き落として（口座振替）取
引が成立する。

また、プリペイド取引では、先ず顧客が予め価値のあ
るカード（プリペイドカード）を購入し、使用の都度そ
のプリペイドカードから価値を減算するものである。

（ｄ）発明が解決しようとする課題 ところが、このような従来の取引処理システムにあっ
ては以下に述べる解決すべき課題があった。

クレジット処理の場合、 取引の都度オンラインまたは電話により与信を得る必
要があるため、通信コストおよび手続きに手間が掛か
る。

引き落としのための銀行手数料はその引き落とし金額
に関わらず一定であるため、小口取引では売上金額に対
して引き落とし手数料の占める比率が高くなり、売上に
対する経費率が上昇する。

一方、プリペイド処理の場合、 退蔵カードが発生する。

使用の有無に関わらずプリペイドカード購入用金額が
前もって必要である。

高額のプリペイドカードでは利用者の負担が大きい。

このようにクレジット処理では処理を行う側、プリペ
イド処理では利用者側にとってそれぞれ問題があった。

この発明は、このような従来の問題点に着目してなさ
れたもので、クレジット処理により予め与信を与えたカ
ード（以下「プレ与信カード」という。）を発行し、プ
レ与信カードが使われた後決済処理をする。また、予め
与信の与えられたプレ与信カードを用いることから使用
ごとの与信手続を不要とすることにより、上記各種問題
点を解消した取引処理システムおよびこの取引処理シス
テムに用いられるクレジット端末装置を提供することを
目的とする。

（ｅ）課題を解決するための手段 この発明の請求項（１）に係る取引処理システムは、
顧客との信頼取引を行うクレジット端末装置と、クレジ
ット端末装置から信用取引の取引データを受信して決済
を行うセンタと、を有する取引処理システムにおいて、 クレジットカードでのクレジット決済に必要な情報と
このクレジットカードの与信限度額の範囲内の与信額と
を与えたプレ与信カードを決済処理をせず発行するプレ
与信カード発行手段を備えるとともに、 上記プレ与信カードの使用時にプレ与信カードの与信
額から使用額を減じる手段と、上記使用額を含む取引デ
ータをセンタへ送信して決済を依頼する手段とをクレジ
ット端末装置に設けた。

この発明の請求項（２）にかかるクレジット端末装置
は、クレジットカードでのクレジット決済に必要な情報
と、クレジットカードの与信限度額の範囲内の与信額と
を与えた未決済のプレ与信カードを受け入れてセンタに
おける認証なしで顧客との信用取引を行うクレジット端
末装置であって、 上記プレ与信カードの使用時にプレ与信カードの与信
額から使用額を減じる手段と、上記使用額を含む取引デ
ータをセンタへ送信して決済を依頼する手段とを設け
た。

（ｆ）作用 請求項（１）に係る取引処理システムでは、クレジッ
トカードでのクレジット決済に必要な情報と、センタと
の間でクレジットカードの認証なしで使用できるクレジ
ットカードの与信限度額の範囲内の与信額とを予め与え
たカード（プレ与信カード）が発行される。このプレ与
信カードの発行時には決済処理を行わない。このプレ与
信カードはクレジットカード端末装置によってその与信
額から使用額が減じられる。従って上記プレ与信カード
は言わば与信額を価値とするプリペイドカードとして利
用することができる。プレ与信カードはクレジットカー
ド処理により発行され、プレ与信カードの使用時には与
信手続きが不要であり、プレ与信カードの内部情報によ
り有効性の判断ができる。しかも、プレ与信カード発行
時には決済処理をせず、プレ与信カードが使われた後、
その使用額だけ決済処理するので、 プレ与信カードを発行しても金銭としての退蔵はな
い。

プレ与信カードの使用ごとに与信手続きを行わないた
め、通信コストおよび手間を省くことができる。

クレジット取引と同様に「利用後に決済」という利点
がある。

クレジット端末装置が、その使用額を含む取引データ
を送信して決済を依頼するタイミングをプレ与信カード
の使用時とすれば、センタではプレ与信カードの使用毎
に決済処理を行うことができる。

また、この発明の請求項（２）に係るクレジット端末
装置は、上記の取引処理システムに用いられる。

（ｇ）実施例 第１図はこの発明の実施例である取引処理システムの
概略構成を示す図である。クレジットセンタ６はホスト
コンピュータから構成され、各顧客の取引データや信用
データなどを記憶するファイルを有しており、公衆回線
を介して複数の端末装置1,2・・・３と接続されてい
る。端末装置1,2・・・はそれぞれCAT端末装置、３はカ
ードリーダ／ライタ付きCAT端末装置である。この端末
装置３はクレジットカード４のデータを読み取り公衆回
線を介してクレジットセンタ６へ与信依頼を行い、プレ
与信カード５を発行する。すべてのCAT端末1,2・・・３
はクレジットカードによる従来の処理以外にプレ与信カ
ード５による取引を行い、公衆回線を介してクレジット
センタ６に対しクレジットカード会員コードや使用額な
どを伝送する。

第２図は上記取引処理システムのシステムフローチャ
ートである。先ず販売店に設置されているプレ与信カー
ド発行機またはその機能を有するカードリーダ／ライタ
付きCAT端末（第１図に示した端末装置３）に対しクレ
ジットカードを挿入し、所定の操作を行うことによりク
レジットセンタに対してクレジットカードの与信依頼お
よびプレ与信カードの発行依頼を行う。クレジットセン
タでは受け取ったクレジットカード会員コードと暗証番
号および有効期限などから有効性をチェックしさらに与
信額が与信限度額を超えないか否かのチェックを行い、
これらの条件が満足されればプレ与信カード発行許可を
与える。これによりカード発行機またはカードリーダ／
ライタ付きCAT端末はプレ与信カードに対し必要な情報
を書き込み伝票を発行する。顧客は発行されたプレ与信
カードを用いてCAT端末を利用することによって、そのC
AT端末装置がプレ与信カードから使用額を減算し伝票を
発行する。その後CAT端末装置により直接またはオフラ
イン処理によってクレジットセンタに対して決済依頼が
行われる。クレジットセンタではクレジットカードの口
座から使用額を引き落とすことによって決済処理を行
う。

第３図はプレ与信カード発行機能を有するカードリー
ダ／ライタ付きCAT端末装置の外観図である。同図に示
すように、装置上面には表示部10、操作パネル11、カー
ド挿入口17およびプリンタ18が設けられている。操作パ
ネル11は業務キー12、数字キー13およびファンクション
キー14からなり、このファンクションキー14の１つにカ
ード発行キー15が設けられている。また装置本体からケ
ーブルを介して本人確認用暗証パッド16が接続されてい
る。

第４図は第１図のブロック３および第３図に示した端
末装置の制御部のブロック図である。マイクロコンピュ
ータであるCPU20には公衆回線を介してクレジットセン
タのホストコンピュータと交信するためのシリアルイン
タフェース25が接続されるとともに、LCDディスプレイ
からなる表示部10を制御するLCDコントローラ21、プリ
ンタ18を制御するプリントコントローラ22、キーボード
11、キーパッド16、ROM23、RAM24、クレジットカード，
プレ与信カードのリーダ／ライタ27を制御するカードイ
ンタフェース26およびフロッピーディスクドライブ装置
29を制御するフロッピーディスクインタフェース28が接
続されている。

第５図は前記プレ与信カードに記録されるデータの構
成図である。ここでクレジットカード会員コード、有効
期限およびセキュリティコードはクレジットカードに書
き込まれていた「クレジット決済に必要な情報」、与信
額はクレジットセンタから与えられた情報、さらにその
他は使用額など使用の都度書き込まれる情報である。

次に、前記カードリーダ／ライタ付きCAT端末装置の
処理手順およびこれに伴うセンタ側のホストコンピュー
タの処理手順について説明する。

第６図はカードリーダ／ライタ付きCAT端末装置の行
うプレ与信カードの発行手順である。先ずクレジットカ
ードが挿入されるのを待ち、挿入されたなら、そのカー
ドデータを読み込む（n0→n1）。続いてカード発行キー
の押下を待つ（n2）。カード発行キー以外のファンクシ
ョンキーが操作されたなら従来のクレジットカードによ
る処理を行う（n3）。カード発行キーが押下されたな
ら、本人確認用暗証パッドから入力される暗証番号を読
み込み、数字キーの操作により入力される発行金額を読
み込む（n4）。その後、クレジットカードのカードデー
タと発行金額をCAFIS（端末とクレジットセンタ間など
のデータ伝送のリレーを行うNTTの提供する電話回線サ
ービスの１つ）へ伝送する（n5）。センタからプレ与信
カードの発行許可があったなら、挿入されているクレジ
ットカードをプレ与信カード発行用のカード媒体に交換
する旨の案内表示を行い、そのカード媒体が挿入される
のを待つ（n6→n8→n9→n8）。なお、センタからプレ与
信カード発行許可が下りなければクレジットカードをそ
のまま返却する（n6→n7）。カード挿入口に発行用カー
ド媒体が挿入されたなら、そのカードに第５図に示した
各種情報を書き込む（n10）。その後、発行した与信
額、日付およびクレジットカード会員コードなどを表し
た伝票を複写式で２枚発行し、１枚をレシートとしてプ
レ与信カードとともに顧客に与え、他の１枚をジャーナ
ルとして保存する（n11→n12）。

第７図は上記端末装置またはその他のCAT端末装置に
おけるプレ与信カードによる処理手順である。先ずプレ
与信カードの挿入を待ち、挿入されたならそのカードデ
ータを読み込む（n20→n21）。続いて商品の購入代金な
ど使用金額のキー入力を読み込む（n22）。そして、ス
テップn21で読み込んだカードデータから有効期限、有
効カード（ブラックカードチェックや取り扱いカードチ
ェックなど）および使用金額が与信額以内であるか否か
のチェックを行う（n23→n24→n25）。これらの何れか
が満足されなければプレ与信カードをそのまま返却する
（n30）。全ての条件が満足されたなら、カードの与信
額（第５図参照）から使用金額を減算し、センタに取引
データなどを送信する（n26→n27）。これによりセンタ
では使用金額の決済処理が行われる。その後、クレジッ
トカード会員コード、使用金額および日付などを表した
伝票を発行しプレ与信カードを返却する（n28→n29）。

さて、第８図はセンタ側のホストコンピュータの処理
手順であり、先ず端末から呼び出しがあれば、端末から
データを受信する（n40→n41）。受信したデータが決済
をすべき旨の電文であれば、クレジットカード会員コー
ドおよび使用金額などに基づいて決済処理を行う（n42
→n43）。クレジットカードの与信依頼またはプレ与信
カード発行依頼であれば、先ずカード所有者ファイルを
検索し、該当の有無および暗証番号の一致検出を行う
（n44→n45→n47）。この何れかが満足されなければ端
末装置へエラー送信を行う（n46）。条件が満足され、
且つ与信カード発行依頼であれば、要求与信額がその顧
客に与えられている与信額の残額未満であるか否か判定
する（n48→49）。この条件も満足されれば与信額残高
から要求与信額を減算するとともにプレ与信カードの発
行許可を端末へ送信する（n50→n51）。

クレジットカードによる従来の取引であれば、取引金
額が与信額残額以内であるか否かの判定を行い、この条
件が満足されれば与信額残高から取引金額を減算し、ク
レジット取引の許可を端末へ送信する（n52→n54→n5
5）。なお、プレ与信カードまたはクレジットカードに
よるいずれの取引においても与信額残高がマイナスにな
るような場合にはエラー送信を行う（n46,n53）。

以上に示した実施例ではCAT端末装置を用いてプレ与
信カードによる取引が行われるごとにセンタに対して決
済依頼が行われる例であったが、端末装置が各顧客の使
用金額が一定値に達したときまたは使用回数が一定回数
に達したときセンタに対して一括して決済依頼を行う例
を次に示す。

第９図はCAT端末装置のフロッピーディスクに構成さ
れる取引データファイルの部分構成図である。この図に
は一顧客に対して設定される取引データファイルを示
す。各顧客に関するデータはそのクレジットカード会員
コード（エリアM1）で識別される。データ内容は複数の
取引データ（１）〜（ｎ）（エリアM4）、これらの取引
による合計取引金額（エリアM2）および取引件数（ｎ）
（エリアM3）である。

第10図（Ａ）および（Ｂ）はCAT端末装置の処理手順
であり、先ずプレ与信カードの挿入を待ち、挿入された
ならそのカードデータを読み込む（n60→n61）。続いて
使用金額のキー入力を読み取り、有効期限、有効カード
および使用金額に対する判定を行う（n62→n63→n64→n
65）。これらの条件が満足されれば、カードから使用金
額を減算し、伝票を発行しカードを返却する（n66→n67
→n68）。なおこの時点ではセンタに対し取引データな
どの送信（決済依頼）を行わない。

つづいて取引データファイル（第９図参照）を検索し
クレジットカード会員コードで識別される顧客のファイ
ルが存在するか否かを判定する（n70）。ファイルが存
在しなければ新しくファイルを作成する（n71→n72）。
続いて、取引データを一旦取引データファイルに記憶
し、取引データファイルに記憶されている全取引データ
の売上金額を合計する（n73）。この結果合計金額が一
定金額（例えば３万円）を超えたか否か（n74）、また
取引件数が一定件数（例えば10件）を超えたか否かを判
定し（n75）、その何れかであれば取引データなどをセ
ンタへ送信する（n76）。（これによりセンタでは一括
して決済処理を行う。）その後決済を完了した取引デー
タを消去する（n77）。

また、その他に例えば１か月毎に全顧客の取引データ
を一括してセンタへ送信して一括決済処理を依頼するこ
とも可能である。

なお、以上に示した実施例では、CAT端末を用いて店
の窓口で処理する例であったが、自動販売機にプレ与信
カードを挿入して物品を購入することも可能である。そ
の場合には使用金額として購入物品金額が自動的に入力
される。

本発明の実施例では、プレ与信カードに使用額等が記
録されるため、必要に応じてその記録内容を確認する装
置を利用できるようにすれば、使用額の個人通知が不要
になるという利点がある。

（ｈ）発明の効果 この発明によれば、クレジット処理によって言わばク
レジット決済予約額として与信額の付与されたプレ与信
カードが発行され、しかもこのプレ与信カードの発行時
には決済処理がなされずプレ与信カードが使われた後、
その使用額だけ決済処理がなされるので、プレ与信カー
ドを発行しても金銭としての退蔵がなく、従来のクレジ
ットカードと同様の「利用後に決済」という利点があ
る。またプレ与信カードの使用時には与信手続きを必要
としないため、使用時の通信コストを省き手間を著しく
簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である取引処理システムのシ
ステム構成図、第２図は上記取引処理システムのシステ
ムフローチャート、第３図は上記取引処理システムに用
いられるプレ与信カード発行機能を有するカードリーダ
／ライタ付きCAT端末装置の外観図である。第４図は上
記システムに用いられる端末装置の制御部のブロック図
である。第５図はプレ与信カードに書き込まれるデータ
の構成図である。第６図および第７図はカードリーダ／
ライタ付きCAT端末装置の処理手順を表すフローチャー
ト、第８図はセンタ側のホストコンピュータの処理手順
を表すフローチャートである。第９図および第10図
（Ａ），（Ｂ）は他の実施例に係るCAT端末装置に設け
られる取引データファイルの部分構成図およびCAT端末
装置の処理手順を表すフローチャートである。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】顧客との信用取引を行うクレジット端末装
   置と、クレジット端末装置から信用取引の取引データを
   受信して決済を行うセンタと、を有する取引処理システ
   ムにおいて、 クレジットカードでのクレジット決済に必要な情報とこ
   のクレジットカードの与信限度額の範囲内の与信額とを
   与えたプレ与信カードを決済処理をせず発行するプレ与
   信カード発行手段を備えるとともに、 上記プレ与信カードの使用時にプレ与信カードの与信額
   から使用額を減じる手段と、上記使用額を含む取引デー
   タをセンタへ送信して決済を依頼する手段とをクレジッ
   ト端末装置に設けた取引処理システム。
2. 【請求項２】クレジットカードでのクレジット決済に必
   要な情報とこのクレジットカードの与信限度額の範囲内
   の与信額とを与えた未決済のプレ与信カードを受け入れ
   てセンタにおける認証なしで顧客との信用取引を行うク
   レジット端末装置であって、 上記プレ与信カードの使用時にプレ与信カードの与信額
   から使用額を減じる手段と、上記使用額を含む取引デー
   タをセンタへ送信して決済を依頼する手段とを設けたク
   レジット端末装置。