JP2772267B2 - グラウンドアンカー工法およびその受圧板 - Google Patents

グラウンドアンカー工法およびその受圧板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラウンドアンカー
工法およびその受圧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラウンドアンカーを利用した法面安定
化工法においては、図10に示すような受圧板20を介
してアンカー21の反力をとる工法が多く施工されてい
る。
【0003】この工法においては逆巻き工法を採用する
ことにより、法面土工の施工が安全となって工期の大幅
な短縮できるという利点があった。この施工において使
用される受圧板20の重量は1〜5トンであり、トラッ
ククレーンの作業半径以内であれば十分に迅速な作業が
できる重さであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、急峻な斜面や
長大法面の作業においてはトラッククレーンが極めて大
型となり、また作業半径を越えて作業してしまい、さら
にはトラッククレーンが浸入・設置できない等によって
受圧板の設置が困難となっていた。
【0005】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、法面補強等に使用するグラ
ウンドアンカー工法における受圧板の軽量化を図ること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、グラウンドアンカー工法が、引張材の先端
部を地盤内のアンカー定着体に定着するとともに、アン
カー孔の開口部から導出した後端部を、FRP製の上板
と下板とからなる受圧板の貫通孔に貫入して定着具で定
着した後、前記上板と下板とからなるコンクリート打設
用の空隙部とその周辺にコンクリートを打設したことで
ある。また、グラウンドアンカー工法用受圧板が、FR
P製の上板から突出した内筒が、FRP製の下板から突
出した外筒内に嵌入されて前記上板と下板とに渡って貫
通孔が形成されるとともに、前記上板と下板とによりコ
ンクリート打設用の空隙部が形成されたことであり、前
記上板と下板とが取外自在であることである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1は受圧板の断面
図、図2は上板と下板とを分離した受圧板の断面図、図
3は上板の平面図、図4は下板の平面図、図5はグラウ
ンドアンカー工法の断面図である。
【0008】本発明のグラウンドアンカー工法は図1に
示す受圧板1を使用して施工されるものであり、前記受
圧板1はFRP製の上板2とFRP製の下板3とから構
成されている。
【0009】前記上板2の中央部から突出した内筒4
が、前記下板3の中央部から突出した外筒5に嵌入され
て上板2から下板3に渡って貫通孔6が形成されるとと
もに、前記上板2と下板3とによりコンクリート打設用
の空隙部7が形成されている。
【0010】この上板2と下板3とはいずれもFRP製
であるため非常に軽量であるとともに、分離が簡単にで
きる。したがって、この受圧板1は工場で形成する他、
現場においても簡単に組み立てられる。なお、この受圧
板1は上板2と下板3とを接合して組み立てるばかりで
はなくて、これらが初めから一体的に形成されているも
のであってもよい。
【0011】次に、この受圧板1を使用したグラウンド
アンカー工法について説明する。図5及び図6はこのグ
ラウンドアンカー工法を法面補強に使用した断面図であ
り、初めに法面8の地山9に適宜間隔ごとにアンカー孔
10を削孔する。
【0012】そして、これらのアンカー孔10にグラウ
トを充填してアンカー定着体11を形成し、各アンカー
定着体11にPC鋼線等の引張材12の先端部を差込む
とともに、その後端部をアンカー孔10の開口部13か
ら導出する。
【0013】次に、前記アンカー定着体11が硬化した
ら、受圧板1を各アンカー孔10に設置して引張材12
の後端部を貫通孔6に差し通して定着具14で仮止めす
ることにより法面8が安定した状態になる。
【0014】前記受圧板1は、上板2の内筒4を下板3
の外筒5に嵌入して現場で組み立てるものである。しか
し、この受圧板1は現場で組み立てるものに限られず、
上板2と下板3とが一体となったものを使用するように
してもよい。
【0015】次に、各引張材12を緊張して定着具14
で本定着した後に、受圧板1の上板2と下板3とで形成
されたコンクリート打設用の空隙部7及びその周辺にコ
ンクリート15を打設して隣接する各受圧板1同士を接
続する。
【0016】このことにより、図6に示すような格子状
のコンクリートの枠体16が形成されて法面8が保護さ
れる。このように受圧板1をFRPで形成して軽量化し
たことにより、法面8の安定作業を容易に行うことがで
きる。
【0017】図8は他の実施例の受圧板1を示したもの
であり、上板2と内筒4、及び下板3と外筒5とがそれ
ぞれ別体に形成されている。また図9は他の実施例の受
圧板1を使用したグラウンドアンカー工法を示したもの
であり、基本的には前記のグラウンドアンカー工法と同
一である。
【0018】
【発明の効果】引張材の先端部を地盤内のアンカー定着
体に定着するとともに、アンカー孔から導出した後端部
を、FRP製の上板と下板とからなる受圧板の貫通孔を
貫入して定着具で定着した後、前記上板と下板とからな
るコンクリート打設用の空隙部及びその周辺に現場打ち
コンクリートを打設したことにより、受圧板の設置が容
易に行えるので、迅速な作業ができる。
【0019】FRP製の上板から突出した内筒が、FR
P製の下板から突出した外筒内に嵌入されて前記上板と
下板とに渡って貫通孔が形成されるとともに、前記上板
と下板とによりコンクリート打設用の空隙部が形成され
たことにより受圧板の軽量化が図れる。
【0020】上板と下板とが取外自在であることによ
り、現場において容易に組立形成できる。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】受圧板の断面図である。
【図2】上板と下板とを分離した受圧板の断面図であ
る。
【図3】上板の平面図である。
【図4】下板の平面図である。
【図5】グラウンドアンカー工法の断面図である。
【図6】グラウンドアンカー工法を法面補強に使用した
断面図である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】(1)は他の実施例の受圧板の断面図、(2)
は同受圧板の上板と下板とを分離した断面図である。
【図9】他の実施例の受圧板を使用したグラウンドアン
カー工法の断面図である。
【図10】(1)は従来のグラウンドアンカー工法を法
面補強に使用した断面図、(2)は同正面図である。
【符号の説明】 1 受圧板 2 上板 3 下板 4 内筒 5 外筒 6 貫通孔 7 空隙部 8 法面 9 地山 10 アンカー孔 11 アンカー定着体 12 引張材 13 開口部 14 定着具 15 コンクリート

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張材の先端部を地盤内のアンカー定着
    体に定着するとともに、アンカー孔の開口部から導出し
    た後端部を、FRP製の上板と下板とからなる受圧板の
    貫通孔に貫入して定着具で定着した後、前記上板と下板
    とからなるコンクリート打設用の空隙部とその周辺にコ
    ンクリートを打設したことを特徴とするグラウンドアン
    カー工法。
  2. 【請求項2】 FRP製の上板から突出した内筒が、F
    RP製の下板から突出した外筒内に嵌入されて前記上板
    と下板とに渡って貫通孔が形成されるとともに、前記上
    板と下板とによりコンクリート打設用の空隙部が形成さ
    れたことを特徴とするグラウンドアンカー工法用受圧
    板。
  3. 【請求項3】 前記上板と下板とが取外自在であること
    を特徴とする請求項2に記載のグラウンドアンカー工法
    用受圧板。
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