JP2771180B2 - 高炭素鋼の直接軟化熱処理方法 - Google Patents

高炭素鋼の直接軟化熱処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、熱間圧延ままで冷間伸線および切断性に優
れた高炭素鋼の直接軟化熱処理方法に関する。
〈従来の技術〉 Cが0.6%(重量%、以下同じ)以上を含有する機械
構造用炭素鋼や合金鋼は、一般に圧延ままでは極めて硬
度が高く、切断または冷間伸線が極めて困難である。こ
のため、これら冷間加工に先立って軟質化焼鈍が施され
るのが通例である。
しかしながら、この熱処理は温度600℃から900℃まで
の加熱と十数時間に及ぶ冷却を必要とし、高価な熱処理
設備を必要とするほか、熱エイルギーの多大な消費と煩
雑な作業およびスケール・ロスによる歩留り低下は不可
避である。
このような問題を解決する手段として、たとえば特開
昭56−133445号公報に開示されているように、C:0.03〜
1.20%を含む炭素鋼および合金鋼を、650〜850℃に加熱
し、オーステナイトと未溶解炭化物との混合組織とし、
これを950℃以下の温度域において、前記炭化物の溶解
を生じないように熱間圧延した後、750〜650℃の温度域
を冷却速度40℃/分以下で冷却する方法が提案されてい
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記の特開昭56−133445号の技術は、
本発明者らの検討によれば、650〜850℃の温度域より熱
間圧延を開始することは、0.6wt%C以上の高炭素鋼の
場合には、圧下荷重が極めて高くなるため、通常の能力
の線棒ミルでは実際上不可能である。また、圧延中に炭
化物の溶解を生じさせないためには、単なる圧延温度の
制御のみでは困難であって、未溶解炭化物の組成の改変
が必要である。
すなわち、上記特開昭56−133445号の技術では、0.6
%C以上の炭素鋼や合金鋼への適用は、実際上極めて困
難であると言わざるを得ない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされ
たものであって、高炭素鋼の加熱履歴や熱間圧延条件,
冷却条件を制御することにより、圧延ままで軟質化を達
成し得る熱処理方法を提供することを目的とするもので
ある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは、高炭素鋼の直接軟化を達成すべく鋭意
検討を行った結果、以下のような知見を得るに至った。
すなわち、高炭素鋼のミクロ組織は、通常の熱間圧延
を施すとパーライトおよび微量な初析セメンタイトより
なる混合組織となる。このような組織の硬度は、パーラ
イト・ラメラー間隔により支配され、パーライト・ラメ
ラー間隔が狭い程硬度は大となる。
このようなパーライト・ラメラー間隔を設定するの
は、オーステナイトからパーライトへの変態温度であ
り、この変態温度は冷却速度および合金成分に極めて強
く依存される。
焼入性向上成分として多量に含有されるCr,Mn等の合
金成分は、変態温度の低下に極めて強い影響を及ぼすの
である。これは、オーステナイト中に固溶している合金
成分が変態中にCの拡散速度を著しく低下させることに
起因している。
一方、Mn,Cr等は、炭化物中に濃縮しやすい元素であ
り、これらに濃化処理を施すと炭化物は安定化し、Acm
(またはAc3)温度以上に加熱しても容易に溶解しなく
なる。このため、オーステナイト中の固溶合金成分は著
しく減少し、変態時のCの拡散速度への影響も著しく減
少する。すなわち、同一冷却速度で冷却した場合には前
記安定化処理を施さない場合に比較し、変態温度は上昇
する。この結果、パーライト・ラメラー間隔は増加し、
硬度は低下する。
本発明は、上記のような知見に基づいてなされたもの
であって、その骨子とするところは以下による。
すなわち、C:0.60〜1.5%(重量%、以下同じ),Si:
0.01〜0.27%,Mn:0.3〜1.5%,P:0.030%未満,S:0.020%
未満,Cr:0.2%以上の成分を有する鋼材を、熱間圧延に
より鋼線材,棒鋼とするに際し、 (A)Ac1点以上〜Acm点またはAc3点以下に加熱し、こ
の温度域に30分以上〜5時間未満保持して合金元素を炭
化物中に濃縮させる工程、 (B)上記(A)工程に引き続き850℃以上〜950℃以下
に加熱して未溶解炭化物とオーステナイトの混合組織と
する工程、 (C)950℃以下の温度域において熱間圧延により鋼線
材,棒鋼とする工程、 (D)熱間圧延後、720〜500℃の温度域を冷却速度0.5
℃/s以下にて冷却する工程、 の各工程を連続的に行うことによって、高炭素鋼を直接
軟化熱処理するものである。
〈作用〉 以下に、化学成分の限定理由を説明する。
C: Cは、焼入性の向上に極めて有用な元素であるが、0.
60%未満ではその効果が小さく、また、1.5%を超える
と変形抵抗が大きく圧延が困難となるので0.60〜1.5%
の範囲とする。
Si: Siは、脱酸に有用な元素であるので積極的に利用する
が、0.27%を超えて含有すると熱処理時に表面部の粒界
酸化が顕著となり材質上悪影響を生じるので0.27%未満
とする。
Mn: Mnは、焼入性向上元素であるとともに、Cとの親和力
が強くセメンタイト中に固溶し、セメンタイトを安定化
するので積極的に使用するが、0.3%未満ではその効率
が小さく、また1.5%を超えて含有すると圧延が困難と
なるので、この範囲に限定する。
P: Pは、熱間加工性を害するのでなるべく低減すること
が望ましいが、0.025%未満で許容される。
S: Sは、鍛造性を害するので、その意味からは低減する
ことが望ましいが、0.020%未満で許容される。
Cr: Crは、焼入性を向上させる元素であるとともに、Cと
の親和力が強くセメンタイト中に固溶し、セメンタイト
を安定化するので積極的に使用するが、0.2%未満では
その効果が小さく、したがって0.2%以上とする。
つぎに、各工程における制約条件の限定理由について
説明する。
まず、(A)工程において、Ac1点以上〜AcmまたはAc
3点以下に加熱するのは、この温度域において鋼中の合
金成分が著しく容易に炭化物中に濃化するためである。
ここで、Ac1点以上とするのは、これ未満の場合には
合金成分の炭化物中への濃化に著しく長い時間が必要と
されるからであり、他方、AcmまたはAc3点以下とするの
は、これを上回る温度域においては炭化物がオーステナ
イト中に溶解し、目的とする合金元素の炭化物中への濃
化処理が達成されないものである。
また、この温度域における保持時間を30分以上〜5時
間未満とするのは、30分未満では目的とする合金元素の
セメンタイト中への濃化処理が充分に行われないためで
あり、一方、5時間未満とするのはこれ以上では生産性
が著しく低下するからである。
つぎに、(B)工程において、加熱温度を850℃以上
〜950℃以下とするのは、850℃未満の温度では圧延荷重
が大となり圧延が困難となるためであり、一方、950℃
以下とするのはこれを上回る温度ではセメンタイトがオ
ーステナイト中に完全固溶し、軟質化に効果がないため
である。
さらに、(C)工程において、熱間圧延により鋼線
材,棒鋼とするに際し、950℃以下の温度域とするの
は、これを上回る温度ではセメンタイトがオーステナイ
ト中に完全固溶し、軟質化に効果がないためである。
さらにまた、(D)工程において、720〜500℃の温度
域を冷却速度0.5℃/s以下にて冷却するのは、この温度
域がパーライトの変態温度に当たり、この温度域の冷却
速度が軟質化に大きな影響を及ぼすからである。すなわ
ち、徐冷温度域の上限を720℃とするのは、これ超の温
度域において徐冷を開始しても軟質化に効果がないため
である。他方、徐冷温度域の下限を500℃とするのは、
これを上回る温度域で冷却を終了させた場合には、未変
態部分が残留している恐れがあり、この部分が低温変態
組織となり高硬度部分が発生する恐れがあるためであ
る。また、これを下回る温度域まで徐冷を継続しても、
いたずらに処理時間が長くなるのみであって、軟質化に
影響をほとんど及ぼさないので500℃とする。
C:0.60〜1.5%を含む炭素鋼または合金鋼の鋼材に対
して、上記の条件で連続処理を施すことにより、軟質化
を図ることができる。
〈実施例〉 以下に、実施例について説明する。
供試材として、第1表に示す成分組成を有する高炭素
鋼の代表的鋼種であるSUP9,SUJ2,SUJ4ビレットの3種を
用い、第2表に示す圧延条件により、65mmφ棒鋼とし
た。このビレットは、180t転炉により溶製されたのち真
空脱ガス処理を施され、連続鋳造によりブルームとされ
た後分塊圧延により150mm角ビレットとされたものであ
る。
なお、各成分でのAc1,AcmまたはAc3点は、供試材A
は723℃,765℃、供試材Bは735℃,837℃、供試材Cは74
2℃,843℃である。
各供試材の圧延結果を、圧延まま材の硬さとして第2
表に併せて示した。
本発明例のNo.1〜15は、いずれも低硬度となってお
り、そのまま冷間切断,伸線工程で使用できるレベルで
ある。
一方、比較例において、No.16〜21は(A)工程の加
熱温度が本発明の範囲外であり、No.22〜24は(B)工
程の加熱温度が、またNo.25〜27は(D)工程の冷却速
度がいずれも本発明の範囲外である。これら、比較例の
硬度はいずれも高く冷間切断,伸線前に軟化焼鈍が必要
である。
〈発明の効果〉 以上説明したことから明らかなように、線材,棒鋼を
本発明に示した加熱履歴,圧延・冷却条件により製造す
ることにより、圧延ままで軟化焼鈍材並みの硬度を得る
ことができ、熱処理工程の省略が可能となり、省力,省
エネルギーへの寄与は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安本 聡 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 上田 修三 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭57−19325(JP,A) 特開 昭56−133445(JP,A) 特開 昭60−155621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.60〜1.5%(重量%、以下同じ),Si:
    0.01〜0.27%,Mn:0.3〜1.5%,P:0.030%未満,S:0.020%
    未満,Cr:0.2%以上の成分を有する鋼材を、熱間圧延に
    より線材・棒鋼とするに際し、Ac1点からAcmまたはAc3
    点の間で加熱し、この温度域に30分ないし5時間未満保
    持して合金元素を炭化物中に濃縮させ、引き続き850℃
    から950℃の間で加熱して未溶解炭化物とオーステナイ
    トの混合組織となし、950℃以下の温度域で熱間圧延を
    行い、その後、720℃から500℃の温度域で0.5℃/s以下
    の冷却速度で冷却を施すことを特徴とする高炭素鋼の直
    接軟化熱処理方法。
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