JP2771032B2 - エレベータ装置 - Google Patents

エレベータ装置

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JP2771032B2
JP2771032B2 JP32504390A JP32504390A JP2771032B2 JP 2771032 B2 JP2771032 B2 JP 2771032B2 JP 32504390 A JP32504390 A JP 32504390A JP 32504390 A JP32504390 A JP 32504390A JP 2771032 B2 JP2771032 B2 JP 2771032B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベータ装置に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、ビルディング等に取り付けられるエレベータ装
置は、ビルディングの鉛直方向に沿って設けられたエレ
ベータシャフトと、利用者を収容するケージと、を備え
ている。ケージはワイヤケーブルによってエレベータシ
ャフト内に吊り下げられており、ワイヤケーブルの取り
巻き及び引き出しによってエレベータシャフト内を上昇
及び下降し、利用者からの呼出があったフロアへ移動し
て利用者を運搬する。
しかしながら、従来のエレベータ装置では1本のエレ
ベータシャフト内に複数のケージを収容することができ
ない。このため、利用者の単位時間及び建物単位面積当
たりの運搬量を増加させるには、ケージの移動速度を上
げる、またはエレベータシャフトの本数を増加させる必
要がある。しかし、ケージの移動速度には限界があり、
またエレベータシャフトの本数を増加させるとビルディ
ングの各フロアの利用面積が減るのでビルディング内の
空間を有効に利用することができないという問題点があ
った。
そこで、本件出願人により、昇降通路及び横行通路を
備え、複数のケージが昇降及び横行可能なエレベータ装
置が既に案出されている。この構造によれば、利用者の
単位時間及び建物単位面積当たりの運搬量を増加させる
ことができ、またビルディング内の空間を有効に利用す
ることができる。
しかしながら、この構造では、昇降通路内に敷設され
る昇降用ガイドレールと横行通路内に敷設される横行用
ガイドレールとが交差する単位の昇降用ガイドレールに
回転レールを配設し、昇降時には回転レールを移動させ
ず、横行時には回転レールを回転させ横行用ガイドレー
ルと同一軌道にさせるように制御することによりケージ
を横行させていた。このため、ガイドレールに沿ったケ
ージの移動を阻害しないようにするため、回転レールの
寸法交差、並びに回転レールと昇降用ガイドレール及び
横行用ガイドレールとの組付誤差をシビアにすることで
昇降時並びに横行時の軌道に段差が生じないようにする
必要がある。
本発明は上記事実を考慮し、ケージの昇降時及び横行
時の軌道の切り換えを行う部材に要求される寸法交差及
び組付誤差を緩和することができるエレベータ装置を得
ることが目的である。
〔課題を解決するための手段〕
請求項(1)記載の本発明に係るエレベータ装置は、
複数本設けられた昇降用通路と、任意フロアにおいて昇
降用通路間を連絡する横行用通路と、昇降用通路内に昇
降用通路に沿って敷設され、レール長手方向に沿って第
1の溝部を有する断面略コ字状の昇降用ガイドレール
と、横行用通路内に横行用通路に沿って敷設され、レー
ル長手方向に沿いかつ昇降用通路と横行用通路との交差
部にて第1の溝部と連通された第2の溝部を有する断面
略コ字状の横行用ガイドレールと、昇降時には昇降用ガ
イドレールの第1の溝部の両側壁面上を転動すると共に
横行時には横行用ガイドレールの第2の溝部の底壁面上
を転動する転動手段を備え、昇降用ガイドレール及び横
行用ガイドレールに沿って移動可能とされた複数のケー
ジと、各ケージの移動を制御する第1の制御手段と、昇
降用ガイドレールと横行用ガイドレールとの交差部にス
ライド可能に設けられ、昇降時には横行用ガイドレール
の第2の溝部内へ進入して当該第2の溝部を閉塞すると
共に当該交差部における第1の溝部の両側壁面を構成す
ることで昇降時の運転手段の転動面を連続的に形成し、
横行時には昇降用ガイドレールの第1の溝部内へ進入し
て当該第1の溝部を閉塞すると共に当該交差部における
第2の溝部の底壁面を構成することで横行時の転動手段
の転動面を連続的に形成する複数のスライド部と、各ス
ライド部の移動を制御する第2の制御手段と、から構成
されていることを特徴としている。
〔作用〕
請求項(1)記載の本発明によれば、昇降用ガイドレ
ールの第1の溝部と横行用ガイドレールの第2の溝部と
が両者の交差部にて相互に連通されていると共に当該交
差部には第2の制御手段によってその移動が制御される
複数のスライド部がスライド可能に設けられているた
め、昇降時にはスライド部が第2の溝部内へ進入して当
該第2の溝部が閉塞される。このスライド部は交差部に
おける第1の溝部の両側壁面を構成し、これにより昇降
時の転動手段の転動面が連続的に形成される。よって、
ケージが昇降するに際しては、転動手段が昇降用ガイド
レールの第1の溝部の両側壁面及び前記スライド部の両
側面を転動しながら昇降していくことになる。なお、各
ケージの移動は、第1の制御手段によってそれぞれ制御
される。
逆に、横行時には別のスライド部が第1の溝部内へ進
入して当該第1の溝部が閉塞されると共に、当該スライ
ド部によって交差部における第2の溝部の底壁面が構成
される。これにより、横行時の転動手段の転動面が連続
的に形成される。よって、ケージが横行するに際して
は、転動手段が横行用ガイドレールの第2の溝部の底壁
面及び前記スライド部の上面を転動しながら横行してい
くことになる。
このように本発明では、昇降用ガイドレールと横行用
ガイドレールとの交差部に第1の溝部又は第2の溝部内
へ進退可能な複数のスライド部を設置し、これらのスラ
イド部をスライドさせることにより、ケージが備える転
動手段の転動面を確保する構成であるので、従来技術で
述べたような昇降用ガイドレール及横行用ガイドレール
自体の一部を回転等させて昇降路と横行路との交互切換
えを行う構造に比し、転動面に段差や隙間ができにくく
なる。このため、従来のように、回転部材の寸法交差や
回転部材と昇降用ガイドレール及び横行用ガイドレール
との組付誤差をシビアに管理する必要がなくなる。換言
すれば、本発明の場合には、スライド部に要求される寸
法交差が緩和されると共にスライド部のガイドレールへ
の組付精度も緩和される。
さらに、本発明のようなエレベータ装置では、物を載
せることも可能であるが、基本的には人を載せて昇降及
び横行することになるため、ケージの移動時にケージに
載っている人に振動等を与えないということが極めて重
要になる。この観点からすれば、本発明では、軌道切換
えのために構造として回転構造ではなくスライド構造を
採用しており、交差部に段差や隙間ができにくい構造と
なっているため、人を載せたケージの転動手段が交差部
を転動しても、載っている人には振動等を極力与えない
ことになる。その結果、本発明によれば、乗り心地の良
いエレベータ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、以下に列挙する作用も得られ
る。
まず、ケージは複数本の昇降用通路内を上昇及び下降
方向へ移動可能であり、又横行用通路を介して昇降用通
路間を移動可能であるので、昇降用通路と横行用通路と
から構成されるエレベータ通路内に複数のケージを収容
することができる。このため、単位時間当たりの利用者
の運搬量を向上させることができる。なお、例えば、横
行用通路を隣接する建設間に設けることにより、横行用
通路を介して隣接する建物間の移動も可能となる。
また、昇降用通路と横行用通路とから構成されるエレ
ベータ通路内を複数のケージが移動可能であるので、ビ
ルディング内の空間を有効に利用することができる。
さらに、本発明によれば、ケージの昇降時にはその際
に使用されるスライド部がケージの転動面を構成し、ケ
ージの横行時にはその際に使用される別のスライド部が
ケージの転動面を構成するため、ケージの交差部を移動
する際の支持強度が向上される。従って、昇降時及び横
行時の何れにおいても、確実かつ安定的にケージを支持
することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係るエレベータ装置は、
ケージの昇降時及び横行時の軌道の切り換えを行う部材
に要求される寸法交差及び組付誤差を緩和することがで
きるという優れた効果を有する。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第5図には、本発明に係るエレベータ装置を備えたビ
ルディング10が示されている。ビルディング10には、エ
レベータ装置の後述するケージ34が移動するためのエレ
ベータシャフト12が設けられている。エレベータシャフ
ト12は、ビルディング10の鉛直方向に伸びる4本の昇降
用通路14と、ビルディング10の所定階に設けられ各昇降
用通路14間を連絡する横行用通路16と、で構成されてい
る。ケージ34は昇降用通路14内を上昇及び下降方向へ移
動可能とされていると共に横行用通路16内を水平方向、
所謂横行方向に移動可能とされている。
第4図に示されるように、昇降用通路14内には昇降用
通路14に沿って2本の昇降用支持レール20が敷設されて
いる。昇降用支持レール20はI型鋼とされている。ま
た、横行用通路16には横行用通路16に沿って2本の横行
用支持レール22が敷設されている。横行用支持レール22
は昇降用支持レール20に対して直交するようにボルト接
合されている。
また、昇降用通路14内には昇降用通路14に沿って2本
の昇降用ガイドレール24が敷設されている。各昇降用ガ
イドレール24の長手直角断面は、コ字形の両端部が互い
に近接する方向へ屈曲されたチャンネル形状とされてお
り(第2図参照)、長尺かつ直方体形状の昇降用溝部26
を有している。また、横行用通路16内には横行用通路16
に沿って2本の横行用ガイドレール28が敷設されてい
る。各横行用ガイドレール28の長手直角断面は、昇降用
ガイドレール24と同一形状とされており(第2図参
照)、長尺かつ直方体形状の横行用溝部30を有してい
る。この横行用ガイドレール28は昇降用ガイドレール24
に対して直交し、かつこれらの接続部32では横行用溝部
30と昇降用溝部26とが互いに連通されている。
第3図及び第4図に示されるように、これらの昇降用
ガイドレール24及び昇降用支持レール20、横行用ガイド
レール28及び横行用支持レール22に沿って昇降及び横行
可能にケージ34が配置される。
第3図に示されるようにケージ34には、その正面側に
直方体形状の支持部36が形成されており、この支持部36
から支軸38が突出している。支軸38には、一対の矩形状
の平行支持板40、42が固着されている。平行支持板40、
42間には、支軸38を挟んで一対のローラ44が軸支されて
いる。個々のローラ44の半径方向外端部は、昇降用ガイ
ドレール24の内壁に当接している。一対の平行支持板4
0、42の外側には、個々のローラ44と同軸上に合計4個
のボールベアリング46が固着されており、一対のローラ
44と昇降用ガイドレール24の内壁との間隔を所定距離に
維持している。
また、2本の昇降用支持レール20の間には、昇降用リ
ニアモータの1次側部分48が取り付けられており、この
昇降用リニアモータの1次側部分48は昇降用通路14の全
長に亘って複数個配設されている。ケージ34にもこの昇
降用リニアモータの1次側部分48に対応して昇降用リニ
アモータの2次側部分50が取付けられている。なお、昇
降用リニアモータの1次側部分48と昇降用リニアモータ
の昇降用リニアモータの2次側部分50とを、逆に配設し
てもよい。
また、ケージ34の背面には、昇降用支持レール20と対
向する位置にボールベアリング52が配設されている。ボ
ールベアリング52は、昇降支持レール20に当接すること
により、昇降用リニアモータの1次側部分48と昇降用リ
ニアモータの2次側部分50との間を所定間隔に保持して
いる。これにより、昇降用リニアモータの1次側部分48
と昇降用リニアモータの2次側部分50とは、昇降用リニ
アモータ54(第8図参照)を構成し、昇降用リニアモー
タの1次側部分48に電圧が印加されることにより同期型
リニアモータとして作動すると共に、制御装置56により
その作動が制御される。制御装置56により昇降用リニア
モータの1次側部分48への印加する電圧の大きさ及び周
波数が制御されることによって、ケージ34は昇降用通路
14内を上昇及び下降方向へ移動し、またその移動が停止
される。なお、ケージ34の下降時(及び移動停止時)に
は、昇降用リニアモータ54を発電機として作用させケー
ジ34の運動エネルギーを電力に変換して電力供給系に返
す回生制御が行われる。
また、第4図に示されるように、2本の横行用支持レ
ール22の間には、横行用リニアモータの1次側部分58が
取り付けられており、この横行用リニアモータの1次側
部分58は横行用通路16の全長に亘って複数個配設されて
いる。ケージ34には、図示しない横行用リニアモータの
2次側部分が配設されている。これにより、横行用リニ
アモータの1次側部分58と横行用リニアモータの2次側
部分とは、横行用リニアモータ60(第8図参照)を構成
し、横行用リニアモータの1次側部分58に電圧が印加さ
れることにより同期型リニアモータとして作動すると共
に、制御装置56によりその作動が制御される。制御装置
56により横行用リニアモータの1次側部分58へ印加する
電圧の大きさ及び周波数が制御されることによって、ケ
ージ34は横行用通路16内を横行方向へ移動し、またその
移動が停止される。なお、接続部32における昇降用の昇
降用リニアモータの1次側部分48は、ケージ34が昇降及
び横行の何れにも移動することができるように細分化さ
れている。
また、第4図に示されるように、ケージ34にはケージ
34から突出するブレーキ装置62が取り付けられている。
ブレーキ装置62はケージ34の移動を停止させる役目を有
しており、昇降用ガイドレール24または横行用ガイドレ
ール28を図示しないブレーキシューで挟み込んで停止さ
せる。
第3図に示されるように、昇降用リニアモータの1次
側部分48の近傍には昇降用通路14に沿って給電線64が配
設されている。ケージ34にはこの給電線64に対応して給
電線64に接触する集電シュー66が取付けられている(第
3図参照)。ケージ34には集電シュー66を介して給電線
64から電力が供給され、ケージ34内の照明、ドア67(第
4図参照)の開閉用の図示しないモータ等の作動に使用
している。
また、昇降用リニアモータの1次側部分48の近傍には
昇降用通路14に沿って情報ケーブル68が配設されてい
る。情報ケーブル68は漏れ同軸ケーブルで構成され、伝
送中の信号を漏れ電流として周囲に放射すると共に、ケ
ージ34からの後述する信号を受信する。ケージ34にはこ
の情報ケーブル68に対応して情報ケーブル68から漏れた
信号を受信するアンテナ70が取り付けられており、これ
により、ケージ34内部と外部との通信が可能になると共
に、ケージ34の位置が検出される。
第8図に示されるように、情報ケーブル68は制御装置
56に接続されている。制御装置56には、情報ケーブル68
を介して検出される各ケージ34の位置情報が入力され
る。また、ケージ34内には、乗員によって操作される操
作パネル72と、ケージ34内の乗員の有無を検出するセン
サ74と、図示しない発信装置と、が取付けられている。
センサ74は、例えば赤外線を放射して乗員の有無を検出
する赤外線センサ等から構成されている。乗員が操作パ
ネルを操作することによって行先フロアが指定される
と、この行先フロアは前述の発信装置から信号として発
信され情報ケーブル68を介して制御装置56に入力され
る。また、センサ74の出力信号も発信装置から情報ケー
ブル68を介して制御装置56に入力される。
また、各フロアの待合スペースにはエレベータ装置の
利用者がケージ34を呼び出すための呼出ボタン76が取付
けられている。各呼出ボタン76は制御装置58に接続され
ている。制御装置56は呼出ボタン76が操作されることに
より利用者からのケージ34の呼出を検知する。
さて、第1図に示されるように、昇降用ガイドレール
24と横行用ガイドレール28との接続部32には、各昇降用
ガイドレール24の両側壁24Aの延長線上に昇降用スリッ
ト78,79が形成されている。また、接続部32には、これ
らの昇降用スリット78,79内をスライドする矩形平板状
の昇降用ガイド板80、82が配置されている。接続部32の
背面には、昇降用ガイド板81、82の長手方向(昇降用通
路14に沿う方向)両端部を支持する図示しない支持レー
ルが、昇降用ガイド板80、82の幅方向(昇降用通路14と
直交する方向)に沿って設けられ、昇降用ガイド板80、
82はこの支持レールに沿って昇降用ガイド板可能モータ
84(第8図参照)の駆動力によってワイヤ(図示省略)
により牽引されてスライドする。昇降用ガイド板可能モ
ータ84は、制御装置56によってその駆動が制御されてい
る。
同様にして、昇降用ガイドレール24と横行用ガイドレ
ール28との接続部32には、各横行用ガイドレール28の下
方側の側壁28Aの延長線上に横行用スリット88が形成さ
れている。また、接続部32には、横行用スリット88内を
スライドする矩形状の横行用ガイド板90が配置されてい
る。横行用ガイド板90も図示しない支持レールに支持さ
れ、横行用ガイド板可動モータ92(第8図参照)の駆動
力によってスライドする。
各昇降用ガイド板80、82の移動ストロークは、横行用
ガイドレール28を閉塞する第1の位置から横行用ガイド
レール28を開放する第2の位置(第1図に示される位
置)までとされている。また、横行用ガイド板90の移動
ストロークは、昇降用ガイドレール24を開放する第1の
位置から昇降用ガイドレール24を閉塞する第2の位置
(第1図に示される位置)までとされている。なお、通
常は昇降用ガイド板80、82及び横行用ガイド板90は第1
の位置に位置しており、昇降用ガイドレール24のみをケ
ージ34が移動できるようになっている。
また、昇降用ガイド板80、82には第1の赤外線センサ
94、95は、昇降用スリット78、79の近傍に各々位置して
いる。第1の赤外線センサ94、95の投光面は、昇降用ガ
イド板80、82の互いに離間する側の面に露出しており、
互いに離反する方向へ赤外線を投光している。これらの
第1の赤外線センサ94、95によってケージ34が横行位置
にあるか否かが検出されている。
また、第1図に示される状態において、個々の昇降用
ガイド板80、82には、昇降用溝部26に面して第2の赤外
線センサ96、98が埋設されている。第2の赤外線センサ
96、98は、昇降用ガイド板80、82の第2の位置から第1
の位置へのスライド方向へ向けて投光している。これら
の第2の赤外線センサ96、98によって、ケージ34が通過
してたか否かが検出されている。
以下に、本実施例の作用を説明する。
本実施例に係るエレベータ装置では、例えば、地上1
階から他の階へ移動する利用者が最も集中する出勤時に
は、4本の昇降用通路14の内2本の昇降用通路14を低層
用とし、他の2本の昇降用通路14を高層用としている。
低層用として用いられた複数のケージ34は、地上1階
で利用者を乗せて上昇し、各フロアで利用者を降ろし、
所定階に到着すると全ての利用者を降ろして、横行用通
路16を介して隣接する昇降用通路14へ横行した後下降し
て1回の横行用通路16を介して再び元の昇降用通路14へ
横行して循環する。
高層用として用いられた複数のケージ34は、前記所定
階以上の階で降りる利用者を地上1階で乗せて上昇し、
同様にして所定階以上の各階で利用者を降ろした後循環
する。
なお、制御装置56は情報ケーブル68を介して入力され
る各ケージ34の位置情報に基づいて、各ケージ34間の距
離が所定距離以下とならないように各ケージ34の移動を
制御している。
これにより、単位時間当たり及び建物単位面積当たり
の利用者の運搬量は従来よりも向上する。
次に、各ケージ34の目的フロアまで移動させる場合の
制御について、第9図のフローチャートを参照して説明
する。
ステップ100では、ケージ34を目的フロアまで移動さ
せる移動経路中に、ケージ34の横行方向への移動が有る
か否かを判定する。横行方向への移動が無いと判定され
た場合には、ステップ120で昇降用リニアモータ54を作
動させ、ケージ34を上昇方向または下降方向へ移動させ
て目的フロアで停止させる。なお、ケージ34が昇降して
いる状態では、一対のローラ44が昇降用ガイドレール24
の両側壁24Aを押圧しながら転動する(第6図参照)。
一方、ステップ100で横行方向への移動が有ると判定
された場合には、ステップ102で横行可能なフロアまで
ケージ34を移動させ、昇降用リニアモータ54及びブレー
キ装置62によってケージ34を昇降用通路14と横行用通路
16との接続部32で停止させる。これにより、昇降用ガイ
ド板80の第1の赤外線センサ94または昇降用ガイド板82
の第1の赤外線センサ95によってケージ34が接続部32に
停止していることが確認される。
次に、ステップ104で横行用ガイドレール28が開放さ
れる。すなわち、一対の昇降用ガイド板80、82が第1の
位置から第2の位置へとスライドする(第1図参照)。
この際、一対の昇降用ガイド板80、82が移動することに
より、これに連動して他の昇降用ガイド板80、82が同様
にスライドする。これにより、横行用ガイドレール28が
開放される。
昇降用ガイドレール24のスライドとほぼ同時にステッ
プ106で昇降用ガイドレール24が閉塞される。すなわ
ち、横行用ガイド板90が第1の位置から第2の位置へと
スライドする(第1図参照)。この際、横行用ガイド板
90が移動することにより、これに連動して他の横行用ガ
イド板90が同様にスライドする。これにより、横行用ガ
イドレール24が閉塞される。
その後、ステップ108で、横行用リニアモータ60を作
動させ、ケージ34を横行させる。なお、ケージ34が横行
している状態では、一対のローラ44は横行用ガイドレー
ル28の下方側の側壁28A上を転動する(第7図参照)。
ステップ110では、ケージ34が一対の昇降用ガイド板8
0、82上を通過したか否かが判定される。この判定は、
個々の昇降用ガイド板80、82に設けられた第2の赤外線
センサ96、98が共にケージ34の通過を検出したか否かに
よってなされている。
ステップ110でケージ34が一対の昇降用ガイド板80、8
2上を通過していない場合には、判定が繰り返される。
ステップ110でケージ34が一対の昇降用ガイド板80、82
上を通過したと判定された場合には、ステップ112で直
ちに横行用ガイドレール28が閉塞される。すなわち、一
対の昇降用ガイド板80、82が第2の位置から第1の位置
へとスライドして元の状態に復帰する。これとほぼ同時
に、ステップ114で昇降用ガイドレール24が開放され
る。すなわち、横行用ガイド板90が第2の位置から第1
の位置へスライドして元の位置に復帰する。
なお、ケージ34が横行する際には、センサ74でケージ
34内の利用者の有無が判定され、ケージ34内に利用者が
居る場合にはケージ34に加わる加速度の最大値が小さく
なるように減速して隣接する昇降用通路14で停止するよ
うに制御する。これにより、ケージ34内の利用者に不快
感が生じるのを防止することができる。また、ケージ34
内に利用者が居ない場合には、ケージ34が大きい加速度
で加速し、隣接する昇降用通路14まで移動して大きい減
速度で停止するように制御する。これにより、ケージ34
内に利用者が居ない場合のケージ34の移動時間を短縮す
ることができる。
ステップ116では、ケージ34が目的の昇降用通路14ま
で到達したか否かが判定される。ステップ116でケージ3
4が目的の昇降用通路14まで到達していないと判定され
た場合には、ステップ108へ戻りケージ34が横行する。
また、ステップ116でケージ34が目的の昇降用通路14ま
で到達したと判定された場合には、ステップ118でケー
ジ34が目的フロアまで昇降する。
このように本実施例では、昇降用ガイドレール24と横
行用ガイドレール28との接続部32にスライド可能な昇降
用ガイド板80、82及び横行用ガイド板90を設け、これら
のスライド移動により、昇降時及び横行時のケージ34の
一対のローラ44の支持面を構成したので、接続部32での
軌道の切り換えをガイドレール自体を回転させて行う必
要がなくなる。また、上記効果に加え、一対の昇降用ガ
イド板80,82及び横行用ガイド板90は、矩形状の昇降用
スリット78及び横行用スリット88内を直線的にスライド
するのみであるので、軌道の切り換え用の一対の昇降用
ガイド板80、82及び横行用ガイド板90の寸法公差を緩和
することができる。
また、一対のローラ44は昇降用ガイド板80,82及び横
行用ガイド板90の面上を転動して移動する構成であるの
で、これらの昇降用ガイド板80,82と昇降用ガイドレー
ル24の両側壁24A及び横行用ガイド板90と横行用ガイド
レール28の下側の側壁26Aとの間に僅かな段差が生じた
としても、ケージ34の昇降及び横行には影響がない。こ
のため、一対の昇降用ガイド板80、82の昇降用ガイドレ
ール24への組付及び及び横行用ガイド板90の横行用ガイ
ドレール28への組付等の組付誤差を緩和することができ
る。さらに、本実施例に係るエレベータ装置をある程度
の期間使用し続けることによって、昇降用ガイド板80、
82と昇降用ガイドレール24との間に、または横行用ガイ
ド板90と横行用ガイドレール28との間に、組付誤差が生
じたとしても、ケージ34の昇降及び横行に支障はなく、
エレベータ装置の耐久性の向上を図ることができる。
また、昇降用ガイド板80、82が第1の位置にある状態
では、昇降用ガイド板80、82と昇降用ガイドレール24の
両側壁24Aとはほぼ緊密かつ連続的に軌道を構成してい
るので、昇降時のケージ34の支持力を向上させることが
できる。この効果は、横行時のケージ34の支持力につい
ても同様である。
さらに、昇降時のケージ34の支持力の向上という観点
からすれば、ケージ34の一対のローラ44が一対の昇降用
ガイド板80、82を押圧する方向が、一対の昇降用ガイド
板80、82のスライド方向と直交していることから、ケー
ジ34の支持力の向上に寄与している。
また、ケージ34に取付けられた一対のローラ44は、そ
の回転軸が支軸38とされ、支軸38はケージ34の支持部36
に固着されているので、一対のローラが回転する構成に
比し、ケージ34を安定して移動させることができる。
また、4本の昇降用通路14と昇降用通路14を連絡する
横行用通路16とから構成されるエレベータシャフト12内
に複数のケージ34を収容したので、単位時間当たり及び
建物単位面積当たりの利用者の運搬量を向上させること
ができると共にビルディング10内の空間を有効に利用す
ることができる。
また、ケージ34を昇降用リニアモータ54及び横行用リ
ニアモータ60を用いて移動させるようにしたので、ケー
ジ34を高速で移動させることができ、高層ビルディング
等のエレベータ装置として有効に機能させることができ
る。
さらに、ケージ34内の利用者の有無によって、横行時
の加速度を調節しているので、利用者に不快感を与える
ことなくケージ34を横行させることができると共に、ケ
ージ34内に利用者が無い場合に短時間で横行が終了する
ので、単位時間当たりの利用者の運搬量を向上させるこ
とができる。
なお、本実施例では、一対の昇降用ガイド板80、82及
び横行用ガイド板90を昇降用溝部26及び横行用溝部30へ
進入及び退出する方向へスライドさせているが、これに
限らず、昇降用ガイド板80、82は昇降用ガイドレール24
の両側壁24Aに沿ってスライドさせ、横行用ガイド板90
は横行用ガイドレール28の下方側の側壁28Aに沿ってス
ライドさせてもよい。この場合、昇降用ガイド板80、82
と横行用ガイド板90とが互いに干渉しないようにスライ
ドさせる必要がある。
また、本実施例では、昇降用ガイドレール24及び横行
用ガイドレール28の何れも長手直角断面がチャンネル形
状とされているが、横行用ガイドレール28については下
方側のみ、すなわちコ字形状のガイドレールにしてもよ
い。
さらに、本実施例では、一対の昇降用ガイド板80、82
及び横行用ガイド板90を通常のモータ(昇降用ガイド板
可動モータ84、横行用ガイド板可動モータ92)によって
駆動させているが、これに限らずリニアモータまたは油
圧装置等の駆動装置を使用してもよい。
また、本実施例では、一対の昇降用ガイド板80、82及
び横行用ガイド板90のスライドは、横行用通路16内で一
斉に行われるが、これに限らず、順次スライドさせても
よい。
さらに、本実施例では、ケージ34には一対のローラ44
を取り付けたが、これに限らず、方向性のないボールベ
アリング等であってもよい。
なお、本実施例のエレベータ装置では、昇降用リニア
モータ54を昇降用リニアモータの1次側部分48と昇降用
リニアモータの2次側部分50との一対で構成する所謂片
側式の同期型リニアモータを採用しているが、これに限
らず、所謂両側式のリニアモータとしてもよい。
また、本実施例では、昇降用ガイドレール24と昇降用
支持レール20とを、また横行用ガイドレール28と横行用
支持レール22とを、分けたが、これに限らず、昇降用通
路14内はすべて昇降用ガイドレール24にすると共に横行
用通路16内はすべて横行用ガイドレール28にしてもよ
い。
さらに、本実施例では、昇降用リニアモータ54を同期
形とし、昇降用リニアモータの1次側部分48と昇降用リ
ニアモータの2次側部分50とで構成したが、これに限ら
ず、例えば誘導型のリニアモータとし、昇降用リニアモ
ータの2次側部分50の代わりにアルミニウムで被覆され
た鉄板を用いることができ、また電磁石を用いてもよ
い。これについては、横行用リニアモータ60についても
同様である。
なお、上述した実施例において、昇降用溝部26が本発
明の「第1の溝部」に相当し、横行用溝部30が本発明の
「第2の溝部」に相当し、ローラ44が本発明の「転動手
段」に相当し、制御装置56が本発明の「第1の制御手段
及び第2制御手段」に相当し、昇降用ガイド板80、82及
び横行用ガイド板90が本発明の「スライド部」に相当す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係る昇降用ガイドレールと横行用ガ
イドレールとが交差する接続部における昇降用ガイドレ
ールと横行用ガイドレールとを示す要部拡大斜視図、第
2図は第1図の昇降用ガイドレールと横行用ガイドレー
ルとが交差している状態を示す斜視図、第3図はケージ
をビルディング上部から見た状態を示す平面図、第4図
は第3図のケージが昇降用通路と横行用通路とが交差す
る部分に位置している状態を示す斜視図、第5図は第4
図の昇降用通路及び横行用通路を備えているビルディン
グを示す概略斜視図、第6図はケージが昇降用通路内を
上昇している状態における一対の昇降用ガイド板及びロ
ーラを示す断面図、第7図はケージが横行用通路内を横
行している状態における横行用ガイド板及び一対のロー
ラを示す断面図、第8図はエレベータ装置の概略ブロッ
ク図、第9図は第4図のケージを移動させる場合の制御
を説明するフローチャートである。 14……昇降用通路、16……横行用通路、24……昇降用ガ
イドレール、26……昇降用溝部、28……横行用ガイドレ
ール、30……横行用溝部、34……ケージ、44……ローラ
(転動手段)、54……昇降用リニアモータ、56……制御
装置(第1の制御手段、第2の制御手段)、60……横行
用リニアモータ、80,82……昇降用ガイド板(スライド
部)、90……横行用ガイド板(スライド部)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本設けられた昇降用通路と、 任意フロアにおいて昇降用通路間を連絡する横行用通路
    と、 昇降用通路内に昇降用通路に沿って敷設され、レール長
    手方向に沿って第1の溝部を有する断面略コ字状の昇降
    用ガイドレールと、 横行用通路内に横行用通路に沿って敷設され、レール長
    手方向に沿いかつ昇降用通路と横行用通路との交差部に
    て第1の溝部と連通された第2の溝部を有する断面略コ
    字状の横行用ガイドレールと、 昇降時には昇降用ガイドレールの第1の溝部の両側壁面
    上を転動すると共に横行時には横行用ガイドレールの第
    2の溝部の底壁面上を転動する転動手段を備え、昇降用
    ガイドレール及び横行用ガイドレールに沿って移動可能
    とされた複数のケージと、 各ケージの移動を制御する第1の制御手段と、 昇降用ガイドレールと横行用ガイドレールとの交差部に
    スライド可能に設けられ、昇降時には横行用ガイドレー
    ルの第2の溝部内へ進入して当該第2の溝部を閉塞する
    と共に当該交差部における第1の溝部の両側壁面を構成
    することで昇降時の転動手段の転動面を連続的に形成
    し、横行時には昇降用ガイドレールの第1の溝部内へ進
    入して当該第1の溝部を閉塞すると共に当該交差部にお
    ける第2の溝部の底壁面を構成することで横行時の転動
    手段の転動面を連続的に形成する複数のスライド部と、 各スライド部の移動を制御する第2の制御手段と、 から構成されていることを特徴とするエレベータ装置。
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