JP2770754B2 - 磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断器 - Google Patents

磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断器

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JP2770754B2
JP2770754B2 JP6275102A JP27510294A JP2770754B2 JP 2770754 B2 JP2770754 B2 JP 2770754B2 JP 6275102 A JP6275102 A JP 6275102A JP 27510294 A JP27510294 A JP 27510294A JP 2770754 B2 JP2770754 B2 JP 2770754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用ガス遮断器であ
る磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮
断器の構成を図2により説明する。なお、以下の説明に
おいては、磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断器を単に
ガス遮断器ということがある。図2はガス遮断器の投入
状態を示している。ガス遮断器の電流遮断時には、可動
主コンタクト10及び可動アークコンタクト9が、図示
しない操作機構により下方へ移動させられる。
【0003】遮断動作途中において、可動アークコンタ
クト9とアークランナ7との間に発生したアークは、コ
イル6により発生した磁界により回転駆動されて昇圧室
4内のガス空間を高速で移動する。これにより、アーク
に相対的にガスが吹き付けられることとなり消弧が行わ
れる。また、昇圧室4内のガス空間を高速で移動するア
ークは、昇圧室4内のガスの圧力を上昇させる。昇圧さ
れたガスは、可動アークコンタクト9が更に下方に移動
してその先端がノズル2から外れるとき、ノズル2を通
して昇圧室4外へ噴出してアークを吹き消し、熱パッフ
ァによる消弧が行われる。
【0004】上記従来のガス遮断器においては、投入時
の通電路である固定主コンタクト8と可動主コンタクト
10は昇圧室4外に設けられ、固定主コンタクト8は昇
圧室壁11に取り付けられていた。このため、昇圧室壁
11は金属で構成される。この金属製の昇圧室壁11は
コイル6の外周に近接して配置されることとなるため、
コイル6が発生する磁界により昇圧室壁11の周方向に
電流12が流れる。これを防止するため、昇圧室壁11
に、磁界と平行の方向(上下方向)に割り込みを設け、
この割り込み部に絶縁物を充填することが行われてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のガス遮断器
においては、導電材料の昇圧室壁に割り込みを設け、そ
の割り込みに絶縁物を充填する必要があるため、昇圧室
の製作が困難であった。また、可動アークコンタクト
は、その先端が突出した構造であるため、電界が高くな
り、ガス遮断器を高電圧化する場合に不利であった。
【0006】本発明は、磁気駆動併用熱パッファ型ガス
遮断器において、昇圧室を簡単な構造のものとすること
を目的とするものである。また、本発明は、磁気駆動併
用熱パッファ型ガス遮断器において、可動アークコンタ
クトの電界を緩和し、ガス遮断器の高電圧化に容易に対
応できるようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、昇圧室内に固定アークコンタクトと磁気
駆動用のコイルを設け、前記昇圧室外に固定主コンタク
トを配置し、前記固定アークコンタクトに接触する可動
アークコンタクトと前記固定主コンタクトに接触する可
動主コンタクトを具備する磁気駆動併用熱パッファ型ガ
ス遮断器において、前記昇圧室を形成する壁が、互いに
固着され固定コンタクト側に位置する導電材料部分と可
動コンタクト側に位置する絶縁材料部分とで形成され、
前記絶縁材料部分は、前記コイルの外周部分に位置する
ように配置され、前記固定主コンタクトは、前記絶縁材
料部分の外周に位置するように前記導電材料部分に取付
けられ、前記可動主コンタクトは、遮断器の遮断時及び
投入時の移動の際に、前記絶縁材料部分の外周と常に間
隙を有するように構成される。
【0008】
【作用】磁気駆動用のコイルの外周の昇圧室壁は絶縁材
料で構成されるため、ガス遮断器の電流遮断時にコイル
による磁界が発生しても、昇圧室壁に電流が流れること
がなくなる。したがって、昇圧室壁に割り込みを設けた
り、その中に絶縁物を充填する必要がなくなり、昇圧室
の構造を簡単なものとすることができる。
【0009】また、固定主コンタクトは可動コンタクト
側から固定コンタクト側に移動した位置に取り付けられ
ることとなるため、可動主コンタクトの先端も固定コン
タクト側に延びた構造となる。したがって、可動アーク
コンタクトの先端の周辺に可動主コンタクトが配置され
ることとなるため、可動アークコンタクトの電界が緩和
される。
【0010】
【実施例】本発明の磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断
器の実施例について、図を用いて説明する。図1は、ガ
ス遮断器の投入状態を示している。1は導電材料である
金属製の昇圧室壁で、2はノズル、3は絶縁物の昇圧室
壁である。金属製の昇圧室壁1は固定コンタクト側に配
置され、ノズル2と絶縁物の昇圧室壁3は可動コンタク
ト側に配置されて、昇圧室4を構成する。
【0011】ノズル2と絶縁物の昇圧室壁3は、エポキ
シ樹脂、フッ化樹脂等の絶縁材料で作られる。なお、絶
縁物の昇圧室壁3とノズル2とは一体構造にすることも
できる。5は昇圧室4内に配置された固定アークコンタ
クトである。6は昇圧室4内に配置されたコイルであ
り、一端が昇圧室壁1と電気的に接続され、他端がアー
クランナ7と接続される。また、コイル6は、その上端
が、金属製の昇圧室壁1と絶縁物の昇圧室壁3との接合
部より下方に配置され、コイル6の側面に近接した位置
には、絶縁物の昇圧室壁3が配置されるようになる。
【0012】固定主コンタクト8は金属製の昇圧室壁1
に取り付けられる。この固定主コンタクト8は、昇圧室
壁1にチューリップ型コンタクトを取り付けたものであ
っても良いし、昇圧室壁1の先端に割り込みを入れて、
複数のコンタクトに分割することにより、各コンタクト
に弾力性を与えたものであっても良い。9は可動アーク
コンタクトで、ガス遮断器の投入時には、ノズル2の開
口を通して昇圧室4内に入り、固定アークコンタクト5
と接触する。10は円筒形に形成された可動主コンタク
トで、ガス遮断器の投入時には、その外周が固定主コン
タクト8と接触する。
【0013】電流遮断時には、可動主コンタクト9及び
可動アークコンタクト10が、図示しない操作機構によ
り下方へ移動させられる。始めに、固定主コンタクト8
と可動主コンタクト10の間が無アークで開く。次いで
固定アークコンタクト5と可動アークコンタクト9の間
が開き、両コンタクト5,9間にアークが発生する。可
動アークコンタクト9が更に下方に移動すると、アーク
は固定アークコンタクト5からアークランナ7に移り、
アークは可動アークコンタクト9とアークランナ7間に
発生する。アークがアークランナ7に移ることにより、
コイル6に電流が流れ、アークと交差する磁界が発生す
る。
【0014】アークはこの磁界により回転駆動され、昇
圧室4内のガス空間内を高速で回転移動する。これによ
り、アークは相対的にガスが吹き付けられ、消弧が行わ
れる。この磁気駆動により電流が遮断されない場合はア
ークが更に継続し、昇圧室4内のガスはアークにより加
熱されガス圧力が上昇する。可動アークコンタクト9が
更に下方に移動し、その先端がノズル2の開口から外れ
ると、昇圧室4内で昇圧されたガスはノズル2の開口か
ら高速で昇圧室4外へ放出される。このガスはアークに
吹き付けられて熱パッファ作用による電流遮断が行われ
る。
【0015】以上説明したガス遮断器の遮断動作中、コ
イル6による磁界は昇圧室壁側にも発生するが、コイル
6の近傍には絶縁物の昇圧室壁3が配置されているの
で、昇圧室壁には電流は流れない。つまり、前述の従来
のガス遮断器のように、割り込みを設けたり、割り込み
に絶縁物を充填する必要がなくなる。また、固定主コン
タクト8が可動コンタクト側から固定コンタクト側に移
動した位置に取り付けられるため、可動主コンタクト1
0は、その先端が固定コンタクト側に延びた構造とな
る。
【0016】これにより、可動アークコンタクト9の先
端に近い部分に、円筒形の可動主コンタクト10の先端
が配置されることとなるので、可動アークコンタクト9
の先端の電界が緩和がされる。したがって、ガス遮断器
の高電圧化に容易に対応することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、磁気駆動併用熱パッフ
ァ型ガス遮断器において、昇圧室を簡単な構造のものと
することができる。また、可動アークコンタクトの電界
を緩和し、ガス遮断器の高電圧化に容易に対応すること
ができる。さらに、本発明によれば、電流遮断途中、投
入途中のどの状態においても、常に可動主コンタクトの
金属と昇圧室壁の絶縁物がある距離を保持した構造とな
っているため、誘電率の異なる絶縁物と金属とによる3
重点構造を構成することがなく、安定した絶縁性能が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス遮断器の実施例の構成を示す断面
図。
【図2】従来のガス遮断器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…金属製の昇圧室壁 2…ノズル 3…絶縁物の昇圧室壁 4…昇圧室 5…固定アークコンタクト 6…コイル 7…アークランナ 8…固定主コンタクト 9…可動アークコンタクト 10…可動主コンタクト
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 33/91 H01H 33/70 H01H 33/915

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇圧室内に固定アークコンタクトと磁気
    駆動用のコイルを設け、前記昇圧室外に固定主コンタク
    トを配置し、前記固定アークコンタクトに接触する可動
    アークコンタクトと前記固定主コンタクトに接触する可
    動主コンタクトを具備する磁気駆動併用熱パッファ型ガ
    ス遮断器において、前記昇圧室を形成する壁が、互いに固着され固定コンタ
    クト側に位置する導電材料部分と可動コンタクト側に位
    置する絶縁材料部分とで形成され、 前記絶縁材料部分は、前記コイルの外周部分に位置する
    ように配置され、 前記固定主コンタクトは、前記絶縁材料部分の外周に位
    置するように前記導電材料部分に取付けられ、 前記可動主コンタクトは、遮断器の遮断時及び投入時の
    移動の際に、前記絶縁材料部分の外周と常に間隙を有す
    るように構成されたこと を特徴とする磁気駆動併用熱パ
    ッファ型ガス遮断器。
JP6275102A 1994-11-09 1994-11-09 磁気駆動併用熱パッファ型ガス遮断器 Expired - Fee Related JP2770754B2 (ja)

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