JP2770703B2 - 可変バルブタイミング機構付きエンジン - Google Patents

可変バルブタイミング機構付きエンジン

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JP2770703B2
JP2770703B2 JP5109206A JP10920693A JP2770703B2 JP 2770703 B2 JP2770703 B2 JP 2770703B2 JP 5109206 A JP5109206 A JP 5109206A JP 10920693 A JP10920693 A JP 10920693A JP 2770703 B2 JP2770703 B2 JP 2770703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランクシャフトの回
転に対応して吸気弁を開閉駆動する動弁系をそなえたエ
ンジンに関し、特に、2つの吸気弁をそなえてエンジン
の回転速度状態に応じてこれらの2つの吸気弁の作動状
態を切り換えうる、可変バルブタイミング機構付きエン
ジンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等のエンジンの燃量消費率
(燃費)の改善は、エネルギ資源の有効活用という観点
ばかりでなく、エンジンからの有害な排気ガスの低減に
よる地球環境の保護という観点からも強く要求されてい
る。しかし一方で、例えば自動車用のエンジンには、低
速回転域のみならず低速回転域から高速回転域まで実用
車として十分な出力特性をそなえて、一定の加速性能や
高速性能を有することも要求されている。
【0003】ところで、燃費の改善を推進するには、低
速回転域のトルクを十分に確保して低速回転域でも十分
に実用可能なものにする必要がある。一方、十分な加速
性能や高速性能を確保するには、高速回転域のトルクを
十分に確保する必要がある。しかし、一般には、低速回
転域のトルク確保と高速回転域のトルク確保は、相反す
るものがあり、これらを同時に実現するのは、困難であ
った。
【0004】そこで、自動車等に用いられるOHC(オ
ーバーヘッドカムシャフト)式エンジンにおいて、吸気
バルブや排気バルブを開閉する動弁系を操作して、これ
らの吸排バルブの開閉タイミングや開放時のリフト量等
をエンジンの回転状態に応じて変更することで、低速回
転域のトルクも高速回転域のトルクも十分に確保できる
ようにした装置が開発されている。
【0005】このような装置(即ち、可変バルブタイミ
ング機構)では、例えばカムシャフトに高速用カムと低
速用カムとを装備して、これらの高速用カムと低速用カ
ムとのうちのいずれかを選択して使用することで、運転
状態に対応した吸排バルブの開閉タイミングを得られる
ようになっている。なお、低速用カムは、例えば図17
に符号3a′の曲線で示すように、低速運転に対応した
開閉タイミングを得ることのできるカムプロフィルをそ
なえ、高速用カムは、例えば図17に符号3b′の曲線
で示すように、高速運転に対応した開閉タイミングを得
ることのできるカムプロフィルをそなえている。つま
り、高速用カムは低速用カムに比べて、開弁時間が長く
且つバルブリフト量が大きく設定されている。
【0006】このような高速用カムと低速用カムとの選
択機構として、ロッカアーム式カム装置では、ロッカア
ームを相互に連結したり、連結を解除したりすることに
より、高速用カムによりバルブを駆動したり、低速用カ
ムによりバルブを駆動したりして、運転状態に対応した
吸排バルブの開閉タイミングを得ることが行なわれてい
る。
【0007】この結果、低速用カムによって、例えば図
18に符号3a′の曲線で示すようなトルク特性が得ら
れ、高速用カムによって、例えば図18に符号3b′の
曲線で示すようなトルク特性が得られる。そして、これ
らの特性曲線が交差するエンジン回転数Ne0 を切換点
として、これよりも低速回転域では低速用カムを選択
し、これよりも高速回転域では高速用カムを選択するこ
とで、広いエンジン回転数域で高トルクで且つ変動の少
ないトルク特性を得られる。
【0008】しかし、上述のような可変バルブタイミン
グ機構では、符号3a′で示すような低速ステージと符
号3b′で示すような高速ステージとの2つのステージ
しか切り換えられないので、十分に広いエンジン回転数
域で高トルクであって且つ変動の少ないフラットなトル
ク特性を得るには、限度がある。つまり、低速と高速と
の2つのステージだけだと、広いエンジン回転数域で高
トルクを得るには、低速ステージの最高トルクをエンジ
ン回転速度がより低速な側へシフトさせ、高速ステージ
の最高トルクをエンジン回転速度がより高速な側へシフ
トさせることが考えられる。しかしこの場合には、エン
ジンの切換点回転数Ne0 の付近の領域で、トルクが低
下しやすく、フラットなトルク特性を得にくくなる。
【0009】そこで、低速ステージと中速ステージと高
速ステージとの3つのステージに切り換えることのでき
るものも提案されている。例えば図19〜22は、特開
平3−229906号公報に開示された可変バルブタイ
ミング機構を示すものである。これらの図19〜22に
示すように、低速運転用のカムプロフィルをそなえた低
速カム3a′と、高速運転用のカムプロフィルをそなえ
た駆動部材としての高速カム3b′とが並列に配設され
ている。なお、低速運転用及び高速運転用の各カムプロ
フィルの特性は、例えば図17に曲線3a′,3b′で
示すものと同様に設定されている。
【0010】一方、カムシャフトと並行に配設されたロ
ッカシャフト(アームシャフト)9′には、低速カム3
a′に駆動されるプライマリロッカアーム4′と高速カ
ム3b′に駆動されるセカンダリロッカアーム13′と
が並列に配設されている。プライマリロッカアーム4′
は、アームシャフト9′に対して自由に回転しうるよう
に枢着されているが、ロック機構R′によってアームシ
ャフト9′と一体回転しうるようにもなっている。
【0011】また、プライマリロッカアーム4′のアー
ム部分には、ローラベアリング(ベアリング付きロー
ラ)5′を装着されたシャフト6′がそなえられてお
り、このローラベアリング5′の上部が低速カム3a′
に係合している。つまり、プライマリロッカアーム4′
は、ローラベアリング5′及びシャフト6′を介して低
速カム3a′から駆動力を受けるようになっている。
【0012】プライマリロッカアーム4′の先端部に
は、適当に位置調整されてナット8′により固定された
アジャストスクリュー7′が装着されており、このアジ
ャストスクリュー7′の下端面には、被駆動体としての
バルブ1′のバルブステム上端1a′が係合している。
このバルブステム上端1a′はバルブスプリング2′に
より図22中における右斜め上方へ付勢されている。
【0013】したがって、低速カム3a′の回転によっ
てプライマリロッカアーム4′の先端部が図22中の上
下方向に揺動され、アジャストスクリュー7′を通じて
バルブ1′が上下に駆動されるようになっている。一
方、セカンダリロッカアーム13′のアーム部分には、
ローラベアリング(ベアリング付きローラ)15′を装
着されたシャフト14′がそなえられており、このロー
ラベアリング15′の上部が高速カム3b′に係合して
いる。つまり、セカンダリロッカアーム13′は、ロー
ラベアリング15′及びシャフト14′を介して高速カ
ム3b′から駆動力を受けるようになっている。
【0014】このセカンダリロッカアーム13′もロッ
カシャフト9′に枢支されているが、両者間に介装され
た半月型キー12′によって、セカンダリロッカアーム
13′がロッカシャフト9′と常に一体回転するように
固定されている。また、セカンダリロッカアーム13′
の揺動端側下端面(つまり、ローラベアリング15の下
面)は、支持ばね(ロストモーションスプリング)16
a′付きのピストン16′を介しシリンダヘッド17′
に支承されており、支持ばね16a′の付勢力がセカン
ダリロッカアーム13′の揺動時の復帰力として作用す
るようになっている。
【0015】したがって、高速カム3b′が回転する
と、セカンダリロッカアーム13′の揺動と同時に常に
ロッカシャフト9′が反復回転するようになっている。
ところで、前述のロック機構R′は次のように構成され
ている。つまり、図19に示すように、ロッカシャフト
9′のプライマリロッカアーム4′の枢支部には、シャ
フト9′の半径方向に延在するピン孔9b′が形成され
ており、このピン孔9b′にロックピン10′が遊挿さ
れている。
【0016】ロックピン10′は、ピン駆動機構Pによ
りロッカシャフト9′から外方へ突出可能になってお
り、ロッカアーム4′のロッカシャフト9′への枢支部
内周には、ロックピン10′の突出時にこのロックピン
10′が嵌合しうるピンロック孔4a′が形成されてい
る。ところで、ロックピン10′のピン駆動機構Pは次
のように構成される。すなわち、ロッカシャフト9′の
中央部にその軸心線に沿い延在する油圧通路9a′が設
けられるとともに、ロックピン10′の中央部外周には
油溝10a′が形成され、油溝10a′からロックピン
10′の後端へ連通する油圧供給孔10b′がロックピ
ン10′の外周面から軸心部に設けられており、油圧通
路9a′の油圧が、油溝10a′,油圧供給孔10b′
を介してロックピン10′の後端側へ供給されるように
なっている。
【0017】また、ロックピン10′の後端部外周には
大径部10c′が形成され、ピン孔9b′には大径部1
0c′が摺動する大径孔部とロックピン10′上部が摺
動する小径孔部とが形成されている。そして、ピン孔9
b′の小径孔部から大径孔部へ至る段部とロックピン1
0′の大径部10c′の段部との間には、スプリング1
1′が介装されており、ロックピン10′を後端側へ付
勢している。
【0018】これにより、油圧通路9a′から油圧が供
給されないときは、ロックピン10′はその後端側へ駆
動され、その後端の曲面状端面がプライマリロッカアー
ム4′のロッカシャフト挿通孔4b′内周面に係合する
か又は極めて接近する状態となり、ロックピン10′は
その先端がロッカシャフト9′の外周面から内方へ引っ
込んだ状態となって、プライマリロッカアーム4′がロ
ッカシャフト9′に固定されない状態になる。
【0019】一方、油圧通路9a′から油圧が供給され
ると、油圧はロックピン10′の後端側へ供給され、ロ
ックピン10′における大径部10c′の先端側と後端
側との受圧面積の差による差圧に起因してロックピン1
0′の駆動力が作用し、この駆動力がスプリング11′
の付勢力を超えるようになって、ロックピン10′はプ
ライマリロッカアーム4′のピンロック孔4a′へ進入
する。
【0020】これにより、ロックピン10′とピンロッ
ク孔4a′とが嵌合し、プライマリロッカアーム4′と
ロッカシャフト9′とが固定され、プライマリロッカア
ーム4′はロッカシャフト9′と一体的に揺動する。な
お、プライマリロッカアーム4′のロッカシャフト9′
の軸方向位置は、スナップリング19′及びスラストス
プリング18′により保持される。
【0021】このような機構では、例えば図21に曲線
dで示すように、エンジン回転数に応じて出力圧が増加
するエンジンポンプを用いて、曲線eで示すようにステ
ップ変化する油圧を上記の動弁系に与えながら、以下の
ように作動させることができる。つまり、エンジン回転
数が第1の切り替え回転数N1 以下の範囲aでは両吸気
弁ともに低速用開閉する。エンジン回転数が第1の切り
替え回転数N1 を上回ると第2の切り替え回転数N2
下の範囲bでは、一方の吸気弁は高速用開閉し他方の吸
気弁が低速用開閉する。さらにエンジン回転数が第2の
切り替え回転数N2 以上の範になると、両吸気弁とも
に高速用開閉する。
【0022】これにより、低速ステージと中速ステージ
と高速ステージとの3つのステージの各回転数域のトル
ク特性はt1 ,t2 ,t3 で示すようになり、エンジン
の広い回転数域で大トルクで且つ滑らかでフラットなト
ルク特性が得られる。ところで、上述のように、低速カ
ムと高速カムとにより、吸気弁の開閉タイミングや開放
時間やバルブリフト量を切り換えることで、エンジンの
低速回転域を使用しながら加速性能や高速性能を確保し
つつ低燃費を実現できるが、このような手段では、燃費
の向上や有害な排気ガスの低減にも限度がある。
【0023】そこで、エンジンの燃費を大幅に向上させ
つつ有害な排気ガスを低減させる手段として、近年、希
薄燃焼エンジンが提案されている。かかる希薄燃焼エン
ジンは、混合気の空燃比A/Fを大きくして、僅かな燃
料で十分な燃焼エネルギを得るようにするものである。
しかし、このような混合気の希薄化を促進すると、一定
条件以上の領域になると燃焼速度の低下や着火性の悪化
を招き、結果として燃焼が不安定になるという側面をも
つ。
【0024】ところで、エンジンの急速燃焼を実現する
には、燃料と空気との混合を促進するとともに、着火後
の火炎伝播の速度を上げることが必要である。このため
に最も有効な手段として、スワール(渦流)を生成させ
てシリンダ内の混合気の流速を速めることが考えられ
る。しかし、強いスワールを発生させるためには、吸入
ポートの断面積を小さくせざるを得なくなり、結果とし
て、吸入抵抗が増加してエンジンの出力低下を招いてし
まう。また、吸気2弁で排気2弁の4弁エンジンでは、
エンジン出力を維持しながらスワールを発生させること
は困難である。逆に、シリンダ軸心線に対して偏心した
一本の吸気ポートから吸気を流入させるようにすると、
スワールを発生させ易い。
【0025】そこで、低速ステージと高速ステージとの
2つのステージをもった可変バルブタイミング機構付き
動弁系で、低速ステージとして、2つの吸気弁のうちの
一方を休止させて、1弁のみで吸気を行なうようにした
ものが開発されている。つまり、カムシャフトに、図1
7の3a′又は3bで示すような特性で吸気弁を駆動す
る持ったカム(バルブ駆動カム)とベース円に近いカム
(バルブ休止カム)とを設けて、2つの吸気弁のうち一
方は、切換機構によってバルブ駆動カムに応じて駆動さ
れる状態とバルブ休止カムに応じて休止する状態とに切
り換えられるようになっている。また、2つの吸気弁の
うち他方は、切換機構がなく常にバルブ駆動カムに応じ
て駆動される。
【0026】このような構成で、高速ステージでは2つ
の吸気弁ともバルブ駆動カムで駆動し、低速ステージで
は2つの吸気弁のうち一方はバルブ休止カムに応じて休
止させ他方はバルブ駆動カムで駆動することができる。
これによれば、低速ステージでは、スワールを発生させ
ながら、燃料と空気の混合を促進するとともに、混合気
を層状分布させて、スパークプラグの近傍に、燃料の濃
い混合気を偏在させることができる。そして、着火後の
火炎伝播の速度を上げることができ、希薄燃焼が実現す
る。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な2ステージの可変バルブタイミング機構であって低速
ステージでは1弁のみで吸気を行なう構成の場合には、
バルブを駆動する場合には、1つのバルブ駆動カムによ
って行なわれるので、吸気弁を開閉駆動する場合のバル
ブ開閉特性は1種類しかない。
【0028】したがって、このバルブ開閉特性を例えば
図17に示す曲線3a′のように低速用に設定すると、
高速回転時には、2つの吸気弁がいずれも低速用開閉特
性で開閉するので、高速回転域で十分なトルク特性が得
られず、例えば自動車に搭載した場合、実用に十分な程
度のエンジンの高速回転性能が得られない。逆に、この
バルブ開閉特性を例えば図17に示す曲線3b′のよう
に高速用に設定すると、低速回転時には、2つの吸気弁
のうち一方は休弁状態となり他方はこの高速用開閉特性
で開閉する。この高速用開閉特性では、バルブ開放時間
が長く且つバルブリフト量も大きいので、燃焼室への供
給燃料を節約すると、燃料濃度が希薄になり過ぎて適切
な燃焼を行ないにくい。
【0029】そこで、前述の3ステージの可変バルブタ
イミング機構(図19〜23参照)とこの低速時1弁駆
動式とを組み合わせることが考えられる。つまり、図2
0に示す低速用カム3a′,3a′の一方をベース円に
近いバルブ休止カムに形成して、低速ステージでは、吸
気弁のうちの一方をこのバルブ休止カムに応じて休止さ
せ、他方を低速用カム3a′に応じて駆動させる。ま
た、中速ステージでは、一方の吸気弁の駆動系を切り換
えて、高速駆動カムに応じて駆動させ、他方を低速用カ
ム3a′に応じて駆動させる。また、高速ステージで
は、他方の吸気弁の駆動系も切り換えて、両吸気弁とも
高速駆動カムに応じて駆動させる。
【0030】これにより、高速回転時には、2つの吸気
弁がいずれも高速用開閉特性で開閉するので、実用に十
分なエンジンの高速回転性能が得られ、低速回転時に
は、1つの吸気弁のみを、低速用開閉特性で開閉駆動す
るので、スワール流を利用して、燃焼室への供給燃料を
節約しながら、燃料濃度を希薄になり過ぎない程度に保
って適切な燃焼を行なうことができる。
【0031】ところが、このような3ステージ構成の場
合、中速回転時には、一方の吸気弁が高速用開閉特性
で、他方の吸気弁が低速用開閉特性で、それぞれ互いに
異なる特性で開閉する。このように2つの弁が互いに異
なるモードで開閉することは、燃料供給のタイミングを
含めた制御等を難しいものとし、又、燃焼の安定性を損
なうおそれも考えられる。
【0032】発明はこのような課題に鑑みて提案され
たもので、エンジンの制御を容易に行なえまた燃焼の安
定性も確保できるようにしながら、エンジンの最大出力
を十分に確保しつつ燃費の大幅な改善を実現できるよう
にした、可変バルブタイミング機構付きエンジンを提供
することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の可変バルブタイミング機構付きエンジンは、
第1の吸気弁と第2の吸気弁との2つの吸気弁と、低速
時バルブタイミング用のカムプロフィルをそなえエンジ
ンのクランクシャフトの回転に対応して回動する低速用
カムと、該低速時バルブタイミング用のカムプロフィル
を包含する高速時バルブタイミング用のカムプロフィル
をそなえ該クランクシャフトの回転に対応して回動する
高速用カムと、該エンジンの所要部分に枢支されたロッ
カシャフトと、該低速用カム及び該高速用カムには直接
当接しないが、該ロッカシャフトを中心に回転するよう
に設けられるとともに、該第1の吸気弁に当接して該第
1の吸気弁を開閉駆動する第1のロッカアームと、該低
速用カムに当接し該低速用カムのカムプロフィルに対応
して揺動しうるとともに、該第2の吸気弁に当接して該
第2の吸気弁を開閉駆動する第2のロッカアームと、該
高速用カムに当接し該高速用カムのカムプロフィルに対
応して揺動する第3のロッカアームと、該第1のロッカ
アームと該第2のロッカアームとを連係させない非連係
モードと、該第3のロッカアームと連係させることなく
該第1のロッカアームと該第2のロッカアームとを連係
させうる連係モードと、を切り換えうる第1モード切換
手段と、該第3のロッカアームと該第1のロッカアーム
及び該第2のロッカアームとを連係させない非連係モー
ドと、該第3のロッカアームと該第1のロッカアーム及
び/又は該第2のロッカアームとを連係させる連係モー
ドと、を切り換えうる第2モード切換手段とを有し、該
第3のロッカアームが、該第1のロッカアームと該第2
のロッカアームとの間に介設されるとともに、上記の第
1,第2及び第3のロッカアームを全て連係させない第
1モードと、上記の第1及び第2のロッカアームを連係
させ該第3のロッカアームを連係させない第2モード
と、上記の第1,第2及び第3のロッカアームを連係さ
せる第3モードとを切換制御する制御手段が設けられて
いることを特徴としている。
【0034】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該第2のロッカアーム及び該第3のロッカアー
ムが、いずれも該ロッカシャフトに対して回転可能に装
着され、該第1のモード切換手段が、該ロッカシャフト
に形成され、該ロッカシャフトの外周面に露出した開口
を有する第1のピストン室と、該第2のロッカアームの
側に形成され該第2のロッカアームと該ロッカシャフト
との相対位相が所定状態のときに該第1のピストン室の
開口と整合する第1の凹所と、該第1のピストン室内に
該ロッカシャフトの軸心線と直交する向きに移動しうる
ように内挿されその一端を該ロッカシャフトの外周面か
ら突出させて該第1の凹所内に嵌入させた突出位置と該
一端を該ロッカシャフトの外周面から突出させない格納
位置とをとりうる第1のピストンと、該第1のピストン
を該突出位置と該格納位置との間で駆動する第1の駆動
機構とをそなえて構成されるとともに、該第2のモード
切換手段が、該ロッカシャフトに形成され該ロッカシャ
フトの外周面に露出した開口を有する第2のピストン室
と、該第3のロッカアームの側に形成され該第3のロッ
カアームと該ロッカシャフトとの相対位相が所定状態の
ときに該第2のピストン室の開口と整合する第2の凹所
と、該第2のピストン室内に該ロッカシャフトの軸心線
と直交する向きに移動しうるように内挿されその一端を
該ロッカシャフトの外周面から突出させて該第2の凹所
内に嵌入させた突出位置と該一端を該ロッカシャフトの
外周面から突出させない格納位置とをとりうる第2のピ
ストンと、該第2のピストンを該突出位置と該格納位置
との間で駆動する第2の駆動機構とをそなえて構成され
ていることを特徴としている。
【0035】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該第1の駆動機構が、該第1のピストンを該格
納位置側又は該突出位置側へ付勢する第1の付勢手段
と、該第1のピストンを該第1の付勢手段に抗して該突
出位置側又は該格納位置側へ油圧により駆動すべく形成
された第1の油室と、該エンジンが所要の回転状態のと
きに該第1の油室内に所要の油圧を供給しうる第1の油
圧供給手段とをそなえて構成されるとともに、該第2の
駆動機構が、該第2のピストンを該格納位置側又は該突
出位置側へ付勢する第2の付勢手段と、該第2のピスト
ンを該第2の付勢手段に抗して該突出位置側又は該格納
位置側へ油圧により駆動すべく形成された第2の油室
と、該エンジンが所要の回転状態のときに該第2の油室
内に所要の油圧を供給しうる第2の油圧供給手段とをそ
なえて構成されていることを特徴としている。
【0036】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該第1の付勢手段及び該第2の付勢手段が、該
第1のピストン及び該第2のピストンをいずれも該格納
位置側へ付勢し、該第1の油圧供給手段が、該エンジン
が中速及び高速回転状態のときに該第1の油室内に所要
の油圧を供給するように設定されるとともに、該第2の
油圧供給手段が、該エンジンが高速回転状態のときに該
第2の油室内に所要の油圧を供給するように設定されて
いることを特徴としている。
【0037】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該第1の油圧供給手段及び該第2の油圧供給手
段が、いずれも該エンジンにより駆動されるエンジンポ
ンプを油圧源としていることを特徴としている。また、
請求項記載の本発明の可変バルブタイミング機構付き
エンジンは、請求項記載の構成において、該制御手段
が、該エンジンの回転速度域が低速域にあるか中速域に
あるか高速域にあるかに応じて、該第1のモード切換手
段及び該第2のモード切換手段の状態を制御するように
設定されて、該エンジンが低速回転速度域のときには、
該第1のモード切換手段及び該第2のモード切換手段を
通じて、該第2のロッカアームを該第1のロッカアーム
に連係させない非連係モードとするとともに、該第3の
ロッカアームを上記の第1及び第2のロッカアームに連
係させない非連係モードとすることで、該第1の吸気弁
を休弁させ該第2の吸気弁を該低速用カムのカムプロフ
ィルに対応して開閉させる1弁低速用作動状態とし、該
エンジンが中速回転速度域のときには、該第1のモード
切換手段及び該第2のモード切換手段を通じて、該第2
のロッカアームを該第1及のロッカアームに連係させる
連係モードとするとともに、該第3のロッカアームを上
記の第1及び第2のロッカアームに連係させない非連係
モードとすることで、該第1の吸気弁及び該第2の吸気
弁をともに該低速用カムのカムプロフィルに対応して開
閉させる2弁低速用作動状態とし、該エンジンが高速回
転速度域のときには、該第1のモード切換手段及び該第
2のモード切換手段を通じて、該第2のロッカアームを
該第1のロッカアームに連係させる連係モードとすると
ともに、該第3のロッカアームを上記の第1及び第2の
ロッカアームに連係させる連係モードとすることで、該
第1の吸気弁及び該第2の吸気弁をともに該高速用カム
のカムプロフィルに対応して開閉させる2弁高速用作動
状態とするように設定されていることを特徴としてい
る。
【0038】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該エンジンの吸気通路の下流部分に該第1の吸
気弁及び該第2の吸気弁の双方の側へ向けて燃料を噴射
する燃料噴射手段がそなえられ、該燃料噴射手段の噴射
孔からの噴射燃料を該第2の吸気弁の側へ偏向させる燃
料噴射案内手段と、該第1の吸気弁の休弁時には該燃料
噴射案内手段を作動させて該第1の吸気弁の作動時には
該燃料噴射案内手段を停止させる燃料噴射案内切換手段
とが設けられていることを特徴としている。
【0039】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、請求項記載の構成に
おいて、該吸気通路に、該吸気通路の上流部分から下流
部分に亘って設けられた吸気バイパス路と、該吸気バイ
パス路を開閉する開閉弁とをそなえてなるアイドル回転
速度調整手段が付設されて、該吸気バイパス路の下流端
部が該燃料噴射案内手段に接続され、該燃料噴射案内手
段が該吸気バイパス路で導かれた吸気を所要の方向へ噴
射することで該噴射孔からの噴射燃料を該第2の吸気弁
の側へ偏向させるように構成され、該燃料噴射案内切換
手段として該開閉弁が用いられていることを特徴として
いる。
【0040】
【0041】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンでは、制御手段が、エンジンの
運転状態に応じて第1モード切換手段及び第2モード切
換手段を制御する。これにより、該第1モード切換手段
及び該第2モード切換手段を共に非連係モードとするこ
とで、上記の第1,第2及び第3のロッカアームを全て
連係させない第1モードが設定されると、高速用カムで
駆動される該第3のロッカアームの動きが、上記の第1
及び第2のロッカアームに伝達されなくなり、また、低
速用カムで駆動される該第2のロッカアームの動きが、
該第1のロッカアームに伝達されなくなる。したがっ
て、該第1のロッカアームには低速用カムの動きも高速
用カムの動きも伝達されないが、該第2のロッカアーム
は、低速用カムに駆動されながら、該低速用カムの低速
時バルブタイミング用のカムプロフィルにしたがって揺
動して、対応する第2の吸気弁を低速時バルブタイミン
グで開閉駆動する。また、該第1モード切換手段連係モ
ードとして該第2モード切換手段を共に非連係モードと
することで、上記の第1及び第2のロッカアームを連係
させ該第3のロッカアームを連係させない第2モードが
設定されると、該第2のロッカアームの動きが該第1の
ロッカアームに伝達され、該第1のロッカアームと該第
2のロッカアームとが一体に揺動するようになり、これ
らの第1,第2の各ロッカアームは、該低速時バルブタ
イミング用のカムプロフィルをそなえた低速用カムの動
きを受けて、低速時バルブタイミング用のカムプロフィ
ルにしたがって一体に揺動し、対応する第1及び第2の
各吸気弁を低速時バルブタイミングで開閉駆動する。ま
た、該第1モード切換手段及び該第2モード切換手段を
共に連係モードとすることで、上記の第1,第2及び第
3のロッカアームを連係させる第3モードが設定される
と、該第3のロッカアームの動きが上記の第1及び第2
のロッカアームに伝達され、該第3のロッカアームと該
第1のロッカアームと該第2のロッカアームとが一体に
揺動するようになり、これらの第3,第1,第2の各ロ
ッカアームは、該低速時バルブタイミング用のカムプロ
フィルを包含する高速時バルブタイミング用のカムプロ
フィルをそなえた高速用カムの動きを受けて、高速時バ
ルブタイミング用のカムプロフィルにしたがって一体に
揺動し、対応する各吸気弁を高速時バルブタイミングで
開閉駆動する。また、該第3のロッカアームが、該第1
のロッカアームと該第2のロッカアームとの間に介設さ
れているため、該第3のロッカアームと該第1のロッカ
アームとの間、及び、該第3のロッカアームと該第2の
ロッカアームとの間での、捩じり変形等を抑制すること
ができる。このため、該第3のロッカアームを通じて高
速回転で該高速用カムを作動させる該第3モード時に、
精度良く該高速用カムを作動させることができる。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、該第1のモード切換
手段を連係モードの状態にするには、第1の駆動機構を
通じて、第1のピストン室内の第1のピストンの一端
を、該ロッカシャフトの外周面から突出させて、該第2
のロッカアームの第1の凹所内に嵌入させた突出位置に
する。これにより、該第2のロッカアームが、該第1の
ピストンと該第1の凹所との係合を通じて、該ロッカシ
ャフトを中心に回転するようになる。
【0047】該第1のモード切換手段を非連係モードの
状態にするには、第1の駆動機構を通じて、第1のピス
トン室内の第1のピストンの一端を、該ロッカシャフト
の外周面から突出させない格納位置にする。これによ
り、該第1のピストンが該第1の凹所と係合しなくな
り、該第2のロッカアームが、該ロッカシャフトに対し
て回転自在になる。
【0048】また、該第2のモード切換手段を連係モー
ドの状態にするには、第2の駆動機構を通じて、第2の
ピストン室内の第2のピストンの一端を、該ロッカシャ
フトの外周面から突出させて、該第3のロッカアームの
第2の凹所内に嵌入させた突出位置にする。これによ
り、該第3のロッカアームが、該第2のピストンと該第
2の凹所との係合を通じて、該ロッカシャフトを中心に
回転するようになる。該第2のモード切換手段を非連係
モードの状態にするには、第2の駆動機構を通じて、第
2のピストン室内の第2のピストンの一端を、該ロッカ
シャフトの外周面から突出させない格納位置にする。こ
れにより、該第2のピストンが該第2の凹所と係合しな
くなり、該第3のロッカアームが、該ロッカシャフトに
対して回転自在になる。
【0049】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、該第1の駆動機構及
び該第2の駆動機構が以下のように作動する。該第1の
駆動機構では、第1の油圧供給手段が、第1の油室内に
所要の油圧を供給しない場合には、該第1のピストンが
第1の付勢手段によって該格納位置側又は該突出位置側
へ付勢される。
【0050】また、該エンジンが所要の回転状態のとき
には、該第1の油圧供給手段が、第1の油室内に所要の
油圧を供給する。すると、該第1のピストンが第1の付
勢手段の付勢力に抗して該突出位置側又は該格納位置側
へ油圧により駆動される。したがって、該第1のピスト
ンが該格納位置にあれば該突出位置へ駆動され、該第1
のピストンが該突出位置にあれば該格納位置へ駆動され
る。
【0051】該第2の駆動機構では、第2の油圧供給手
段が、第2の油室内に所要の油圧を供給しない場合に
は、該第2のピストンが第2の付勢手段によって該格納
位置側又は該突出位置側へ付勢される。また、該エンジ
ンが所要の回転状態のときには、該第2の油圧供給手段
が、第2の油室内に所要の油圧を供給する。すると、該
第2のピストンが第2の付勢手段の付勢力に抗して該突
出位置側又は該格納位置側へ油圧により駆動される。し
たがって、該第2のピストンが該格納位置にあれば該突
出位置へ駆動され、該第2のピストンが該突出位置にあ
れば該格納位置へ駆動される。
【0052】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、該エンジンが低速回
転状態のときには、該第1の油圧供給手段及び該第2の
油圧供給手段から該第1の油室内及び該第2の油室内に
所要の油圧の供給が行なわれない。したがって、該第1
のピストン及び該第2のピストンが、該第1の付勢手段
及び該第2の付勢手段の付勢力によりいずれも格納位置
になる。
【0053】これにより、該第1のピストンが該第1の
凹所と係合しなくなって、該第2のロッカアームが、該
第1のロッカアームに対して回転自在の、非連係モード
の状態になり、該第2のピストンが該第2の凹所と係合
しなくなって、該第3のロッカアームが、上記の第1及
び第2のロッカアームに対して回転自在の、非連係モー
ドの状態になる。
【0054】また、該エンジンが中速回転状態のときに
は、該第2の油圧供給手段から該第2の油室内には所要
の油圧の供給が行なわれないが、該第1の油圧供給手段
から該第1の油室内へは所要の油圧の供給が行なわる。
したがって、該第2のピストンは該第2の付勢手段の付
勢力により格納位置になるが、該第1のピストンは該第
1の油室内の油圧により突出位置になる。
【0055】これにより、該第1のピストンが該第1の
凹所と係合して、該第2のロッカアームは、該第1のロ
ッカアームと連係する連係モードの状態になり、該第2
のピストンが該第2の凹所と係合しなくなって、該第3
のロッカアームは、上記の第1及び第2のロッカアーム
に対して回転自在の、非連係モードの状態になる。ま
た、該エンジンが高速回転状態のときには、該第1の油
圧供給手段及び該第2の油圧供給手段から該第1の油室
内及び該第2の油室内へ所要の油圧の供給が行なわる。
【0056】したがって、該第1のピストン及び該第2
のピストンはそれぞれ該第1の油室内の油圧及び該第2
の油室内の油圧により突出位置になる。これにより、該
第1のピストンが該第1の凹所と係合して、該第2のロ
ッカアームは、該第1のロッカアームと連係する連係モ
ードの状態になり、該第2のピストンが該第2の凹所と
係合して、該第3のロッカアームも、上記の第1及び第
2のロッカアームと連係する連係モードの状態になる。
【0057】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、該第1の油圧供給手
段及び該第2の油圧供給手段が、いずれも該エンジンに
より駆動されるエンジンポンプを油圧源として油圧供給
を行なう。上述の請求項記載の本発明の可変バルブタ
イミング機構付きエンジンでは、該制御手段が、該エン
ジンの回転速度域が低速域にあるか中速域にあるか高速
域にあるかに応じて、該第1のモード切換手段及び該第
2のモード切換手段の状態を制御する。
【0058】そして、該エンジンが低速回転速度域のと
きには、該第1のモード切換手段及び該第2のモード切
換手段を通じて、該第2のロッカアームを第1のロッカ
アームに連係させない非連係モードとするとともに、該
第3のロッカアームを上記の第1及び第2のロッカアー
ムに連係させない非連係モードとする。これにより、該
第1の吸気弁を休弁させ該第2の吸気弁を該低速用カム
のカムプロフィルに対応して開閉させる1弁低速用作動
状態となる。
【0059】該エンジンが中速回転速度域のときには、
該第1のモード切換手段及び該第2のモード切換手段を
通じて、該第2のロッカアームを該第1のロッカアーム
に連係させる連係モードとするとともに、該第3のロッ
カアームを上記の第1及び第2のロッカアームに連係さ
せない非連係モードとする。これにより、該第1の吸気
弁及び該第2の吸気弁をともに該低速用カムのカムプロ
フィルに対応して開閉させる2弁低速用作動状態とな
る。
【0060】該エンジンが高速回転速度域のときには、
該第1のモード切換手段及び該第2のモード切換手段を
通じて、該第2のロッカアームを該第1のロッカアーム
に連係させる連係モードとするとともに、該第3のロッ
カアームを上記の第1及び第2のロッカアームに連係さ
せる連係モードとする。これにより、該第1の吸気弁及
び該第2の吸気弁をともに該高速用カムのカムプロフィ
ルに対応して開閉させる2弁高速用作動状態となる。
【0061】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、該第1の吸気弁の休
弁時には、燃料噴射案内切換手段により、該燃料噴射案
内手段が作動するように切り換えられる。このため、燃
料噴射手段が、該エンジンの吸気通路の下流部分で、そ
の噴射孔から該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁の双方
の側へ向けて燃料を噴射すると、該燃料噴射案内手段に
より、該噴射孔からの噴射燃料が該第2の吸気弁の側へ
偏向される。
【0062】したがって、休弁している該第1の吸気弁
へは燃料が噴射されなくなる。また、該第1の吸気弁の
作動時には、燃料噴射案内切換手段により、該燃料噴射
案内手段が停止するように切り換えられる。このため、
燃料噴射手段が、該エンジンの吸気通路の下流部分で、
その噴射孔から該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁の双
方の側へ向けて燃料を噴射すると、そのまま、該噴射孔
からの噴射燃料が該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁の
双方の側へ供給される。
【0063】上述の請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンでは、アイドル回転速度調
整手段が、開閉弁を通じて吸気バイパス路を開閉しなが
ら、該エンジンのアイドル回転速度を調整するが、該第
1の吸気弁の休弁時には、該開閉弁が開放されて、該吸
気通路の上流部分から下流部分に亘って設けられた吸気
バイパス路に吸気の一部が導かれる。
【0064】そして、吸気バイパス路に導かれた吸気
が、該吸気バイパス路の下流端部から該燃料噴射案内手
段を通じて噴射されて、該噴射孔からの噴射燃料を該第
2の吸気弁の側へ偏向される
【0065】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜12は本発明の第1実施例としての
可変バルブタイミング機構付きエンジンを示すもので、
図1はその動弁系の斜視図、図2はその可変バルブタイ
ミング機構を示す断面図、図3はその可変バルブタイミ
ング機構を示す断面図、図4はその吸気通路部分の模式
的な断面図、図5はその吸気通路部分の要部断面図、図
6はその吸気通路部分にそなえられる空気噴射口部材を
示す図、図7はその空気噴射口部材の変形例を示す図、
図8は本エンジンの出力特性を示す図、図9はそのバル
ブリフト状態を示す図、図10〜12はその可変バルブ
タイミング機構の動作を示す図である。また、図13〜
16は本発明の第2実施例としての可変バルブタイミン
グ機構付きエンジンを示すもので、図13はその可変バ
ルブタイミング機構を示す断面図、図14〜16はその
可変バルブタイミング機構の動作を示す図である。
【0066】まず、第1実施例について説明すると、こ
の実施例の動弁系には、図1に示すように、第1の吸気
弁3と第2の吸気弁2とが対になってそなえられてお
り、これらの吸気弁2,3を開閉駆動すべく、動弁系が
構成される。この動弁系は、エンジンのクランクシャフ
トの回転に対応して回動するベース円状カム(以下、ベ
ース円という)10及びカム12,13と、これらのカ
ム12,13によって直接的に駆動されるロッカアーム
14,15と、ロッカアーム14又は15を介して間接
的に駆動されるロッカアーム6とをそなえている。
【0067】ベース円10及びカム12,13は、いず
れもエンジンのクランクシャフトの回転に連動して回転
するカムシャフト11に設けられている。そして、カム
12は、低速時バルブタイミング用のカムプロフィルを
そなえた低速用カムであり、カム13は、高速時バルブ
タイミング用のカムプロフィルをそなえた高速用カムで
あり、何れもベース円10と同一のベース円径を有して
いる。なお、低速用カム12及び高速用カム13のカム
プロフィルは、図9に示すようなバルブリフト特性を有
するようになっており、高速用カム13のカムプロフィ
ルが、低速用カム12のカムプロフィルを包含するよう
に設定されている。
【0068】第1のロッカアーム6は、吸気弁3に当接
してこの吸気弁3の開閉駆動に直接係わるメインロッカ
アームである。また、第2及び第3のロッカアーム1
4,15は、いずれもローラ付きロッカアームである。
そして、第2のロッカアーム14は、吸気弁2に当接し
てこの吸気弁2の開閉駆動に直接係わるメインロッカア
ームであり、第3のロッカアーム15は、吸気弁2,3
には当接せずにこの吸気弁2,3の開閉駆動に間接的に
係わるサブロッカアームである。
【0069】メインロッカアーム6は、図2に示すよう
に、ロッカシャフト16と一体に設けられている。この
ロッカシャフト16はエンジンのシリンダヘッド等(図
示省略)に設けられた軸受部1Aに枢支されており、メ
インロッカアーム14は、ロッカシャフト16とともに
揺動できるようになっている。このメインロッカアーム
6には、その揺動端部6Aにスクリュー装着部6Bが設
けられており、この装着部6Bに、吸気弁3のステム端
部に当接するアジャストスクリュー22が螺合装着され
ている。なお、22Aは調整ナットである。
【0070】また、メインロッカアーム6の中間部に
は、図1に示すように、ベース円10と当接しうる当接
面6Cが設けられ、後述する第2のモード切換手段とし
ての油圧ピストン機構17又は第1のモード切換手段と
しての油圧ピストン機構27が連係モードに設定される
と、当接面6Cがベース円10から離隔して、メインロ
ッカアーム14又はサブロッカアーム15と連動して揺
動するようになっている。
【0071】また、メインロッカアーム14は、図2に
示すように、ロッカシャフト16に対して回転できるよ
うに軸支されており、その揺動端部14Aに、スクリュ
ー装着部14Bが設けられている。そして、この装着部
14Bに、吸気弁2のステム端部に当接するアジャスト
スクリュー21が螺合装着されている。なお、21Aは
調整ナットである。
【0072】メインロッカアーム14の中間部には、図
1,2に示すように、低速用カム12に当接しうる低速
用ローラ18がそなえられている。この低速ローラ18
は、メインロッカアーム14の中間部に軸支された軸1
8Aにローラベアリング18Bを介して滑らかに回動し
うるように枢支されている。このメインロッカアーム1
4とロッカシャフト16との間には、前述の油圧ピスト
ン機構27が設けられている。この油圧ピストン機構2
7は、メインロッカアーム14がロッカシャフト16に
対して回転自在であってロッカシャフト16(即ち、メ
インロッカアーム6)と連係動作しないモード(非連係
モード)と、メインロッカアーム14がロッカシャフト
16と一体回転してメインロッカアーム14と連係動作
するモード(連係モード)とのいずれかに設定できる。
【0073】一方、サブロッカアーム15は、図2に示
すように、その筒状基部15Bにおいて、ロッカシャフ
ト16に対して回転できるように軸支されており、その
揺動端部15Aに、高速用カム13に当接しうる高速用
ローラ19をそなえている。この高速ローラ19も、図
1〜3に示すように、サブロッカアーム15の揺動端部
15Aに軸支された軸19Aにローラベアリング19B
を介して滑らかに回動しうるように枢支されている。
【0074】また、このサブロッカアーム15とロッカ
シャフト16との間には、前述の油圧ピストン機構17
が設けられている。この油圧ピストン機構17は、サブ
ロッカアーム15がロッカシャフト16に対して回転自
在であってメインロッカアーム14と連係動作しないモ
ード(非連係モード)と、サブロッカアーム15がロッ
カシャフト16と一体回転してメインロッカアーム14
と連係動作するモード(連係モード)とのいずれかに設
定できる。
【0075】そして、この実施例の油圧ピストン機構1
7,27は、図2,3に示すように互いに同様な構造に
なっている。つまり、油圧ピストン機構17,27は、
ロッカシャフト16に形成されたピストン室17F,2
7F内にいずれもロッカシャフト16の直径方向に可動
に配設されたピストン17A,27Aと、このピストン
17A,27Aをそれぞれロッカシャフト16内に格納
された位置とロッカシャフト16から突出した位置とに
それぞれ駆動する駆動機構17J,27Jとをそなえて
いる。
【0076】駆動機構17J,27Jは、ピストン17
A,27Aを格納位置側へ付勢する付勢手段としてのス
プリング17B,27Bと、ピストン17A,27Aを
突出位置側へ油圧により駆動するための油室17G,2
7Gと、この油室17G,27Gへ油圧を供給する手段
とをそなえている。つまり、サブロッカアーム15の筒
状基部15Bの所要の位置には、ピストン17Aの他端
(図2,3中の上方側端部であり、以下、この端部を先
端部という)が進入しうる凹所17Cが形成され、メイ
ンロッカアーム14の筒状基部14Cの所要の位置に
は、ピストン27Aの他端(図2中の上方側端部であ
り、以下、この端部を先端部という)が進入しうる凹所
27Cが形成されている。なお、17E,27Eは凹所
17Cを形成する蓋部材である。
【0077】そして、ピストン17A,27Aの基端部
の外周には、鍔状部17H,27Hが形成され、ピスト
ン室の内壁には段部17I,27Iが設けられており、
これらの鍔状部17H,27Hと段部17I,27Iと
の間に、スプリング17B,27Bが圧縮状態で介装さ
れている。したがって、これらのピストン17A,27
Aは、いずれもスプリング17B,27Bにより基端部
側の格納位置へ付勢されているのである。
【0078】また、ピストン17A,27Aの一端(図
2,3中の下方側端部であり、以下、この端部を基端部
という)とサブロッカアーム15又はメインロッカアー
ム14の筒状基部15B,14Cの内周面との間に、油
室17G,27Gが形成されている。ピストン17A,
27Aの内部には、ロッカシャフト16の軸心部分に形
成された油路16A,16Bと油室17G,27Gとを
連通する油孔17D,27Dが形成されている。
【0079】そして、上記の油室17Gへは、ロッカシ
ャフト16の油路16A及びピストン17Aの油孔17
Dから作動油が導かれ、上記の油室27Gへは、ロッカ
シャフト16の油路16B及びピストン27Aの油孔2
7Dから作動油が導かれるようになっている。これによ
り、油室17Gへ作動油が供給されると、図10に示す
ように、スプリング17Bの付勢力に抗してピストン1
7Aが先端部側へ駆動されて、ピストン17Aの先端部
が凹所17Cに嵌入する突出位置になる。一方、油室1
7Gへの作動油供給が絶たれると、図11,12に示す
ように、スプリング17Bの付勢力によってピストン1
7Aが基端部側へ駆動されて、ピストン17Aの先端部
が凹所17Cから脱する格納位置になるようになってい
る。
【0080】つまり、油圧ピストン機構17では、油室
17Gへ作動油が供給されると、ピストン17Aの先端
部の凹所17Cへの嵌入により、サブロッカアーム15
がロッカシャフト16と一体回転してメインロッカアー
ム6と連係動作するモード(連係モード)となり、油室
17Gへの作動油供給が絶たれると、ピストン17Aの
先端部の凹所17Cからの離脱により、サブロッカアー
ム15がロッカシャフト16に対して回転自在であって
メインロッカアーム6と連係動作しないモード(非連係
モード)となるように設定されている。
【0081】また、油室27Gへ作動油が供給される
と、図10,11に示すように、スプリング27Bの付
勢力に抗してピストン27Aが先端部側へ駆動されて、
ピストン27Aの先端部が凹所27Cに嵌入するように
なっている。一方、油室27Gへの作動油供給が絶たれ
ると、図12に示すように、スプリング27Bの付勢力
によってピストン27Aが基端部側へ駆動されて、ピス
トン27Aの先端部が凹所27Cから脱するようになっ
ている。
【0082】つまり、油圧ピストン機構27では、油室
27Gへ作動油が供給されると、ピストン27Aの先端
部の凹所27Cへの嵌入により、メインロッカアーム1
4がロッカシャフト16と一体回転してメインロッカア
ーム14とメインロッカアーム6とが連係動作するモー
ド(連係モード)となり、油室27Gへの作動油供給が
絶たれると、ピストン27Aの先端部の凹所27Cから
の離脱により、メインロッカアーム14がロッカシャフ
ト16に対して回転自在であってメインロッカアーム1
4とメインロッカアーム6とが連係動作しないモード
(非連係モード)となるように設定されている。そし
て、第1のモード切換手段としての油圧ピストン機構2
7及び第2のモード切換手段としての油圧ピストン機構
17がいずれも非連係モードとされると、メインロッカ
アーム6とメインロッカアーム14とサブロッカアーム
15とが全て連係動作しない第1モードとなり、第1の
モード切換手段としての油圧ピストン機構27が連係モ
ードとされ、第2のモード切換手段としての油圧ピスト
ン機構17が非連係モードとされると、メインロッカア
ーム6とメインロッカアーム14とが連係動作するがサ
ブロッカアーム15はこれらと連係動作しない第2モー
ドとなり、第1のモード切換手段としての油圧ピストン
機構27及び第2のモード切換手段としての油圧ピスト
ン機構17がいずれも連係モードとされると、メインロ
ッカアーム6とメインロッカアーム14とサブロッカア
ーム15とが全て連係動作する第3モードとなるように
なっている。
【0083】なお、サブロッカアーム15は、図1,2
に示すように、2つのメインロッカアーム6,14の間
に配置されており、両メインロッカアーム6,14との
距離が短いものになっている。これにより、サブロッカ
アーム15を介して両メインロッカアーム6,14を高
速駆動する場合にも、僅かな捩じり変形等が生じ難くな
っている。
【0084】また、上述の油室17G,27Gへの作動
油の供給は、図2に模式的に示すような作動油供給系5
1を通じて行なわれるようになっている。この作動油供
給系51は、エンジンによって駆動される油圧ポンプ
(エンジンポンプ)52と、この油圧ポンプ52で加圧
された作動油を所要の油圧に調整する調圧手段53と、
この調圧手段53で調圧された作動油を上記の油路16
A,16Bを通じて油室17G,27Gへ供給する供給
状態と供給しない供給停止状態とを切り換えうる切換弁
54とをそなえている。
【0085】切換弁54は例えばソレノイドバルブで構
成され、制御手段としての電子制御ユニット(ECU)
50によって、この切換弁54を電子制御できるように
構成されている。これにより、例えば図8に示すよう
に、エンジン回転数や出力トルク等に応じた切換点C
1,C2を設定して、エンジン回転数及び出力トルクに
応じて各油圧ピストン機構17,27のモードを切り換
えることができる。
【0086】つまり、図8において、エンジン回転数や
出力トルクが切換点C1よりも小さい領域(図中の切換
点C1の直線よりも左方及び下方の領域)では、両油圧
ピストン機構17,27が共に非連係モードの状態(第
1モード)となるように、切換弁54を、各油圧ピスト
ン機構17,27に油圧を供給しない状態にする。これ
により、1弁低速用作動状態(低速ステージ)が実現す
る。
【0087】また、エンジン回転数や出力トルクが切換
点C1と切換点C2との間の領域(図中では切換点C
1,C2の各直線間の領域)では、油圧ピストン機構2
7が連係モードで油圧ピストン機構17が非連係モード
の状態(第2モード)となるように、切換弁54を、油
圧ピストン機構17に油圧を供給しないが状態油圧ピス
トン機構27には油圧を供給する状態にする。これによ
り、2弁低速用作動状態(中速ステージ)が実現する。
【0088】そして、エンジン回転数や出力トルクが切
換点C2よりも大きい領域(図中の切換点C2の直線よ
りも右方及び上方の領域)では、両油圧ピストン機構1
7,27が共に連係モードの状態(第3モード)となる
ように、切換弁54を、両油圧ピストン機構17,27
に油圧を供給する状態にする。これにより、2弁高速用
作動状態(高速ステージ)が実現する。
【0089】なお、図3に示すように、吸気弁3のバル
ブステム3A上端にはスプリングリテーナ5Aが設けら
れ、シリンダヘッド1側にはスプリングリテーナ5Bが
設けられており、これらのスプリングリテーナ5A,5
Bの間に、バルブスプリング4が介装されている。これ
により、吸気弁3は閉鎖方向つまりバルブステム3Aの
上端側へ付勢されている。したがって、メインロッカア
ーム6も、このバルブスプリング4を通じてベース円1
0側へ付勢されており、バルブスプリング4の付勢力が
メインロッカアーム6の揺動時の復帰力として作用する
ようになっている。
【0090】また、図示しないが、吸気弁2についても
吸気弁3と全く同様に構成されており、メインロッカア
ーム14も、図示しないバルブスプリングを通じてカム
12側へ付勢され、バルブスプリングの付勢力がメイン
ロッカアーム14の揺動時の復帰力として作用するよう
になっている。これに対して、サブロッカアーム15
は、連係モード時にはメインロッカアーム14と一体化
してバルブスプリング4の付勢力を受けるが、非連係モ
ード時には、これを受けないので、カム13側へ付勢す
る手段を設けて、サブロッカアーム15を、カム13に
追従できるようにする必要がある。そこで、サブロッカ
アーム15には、アームスプリング機構20が設けられ
ている。
【0091】このアームスプリング機構20は、図3に
示すように、シリンダヘッド等に設置された図示しな
ルダに固定されたアウタケース20Aと、このアウタ
ケース20A内に進退自在で且つアウタケース20Aか
ら離脱しないように設けられたインナケース20Bと、
これらのアウタケース20Aとインナケース20Bとの
間に介装されたスプリング20Cと、インナケース20
Bの端部に形成された当接部20Dとからなっている。
そして、この当接部20Dに、サブロッカアーム15に
設けられたレバー部15Cが当接しており、アームスプ
リング機構20のスプリング20Cの付勢力によって、
サブロッカアーム15がカム13側に押し付けられて、
カム13に応じて所定の動きを行なうようになってい
る。
【0092】ところで、このエンジンの吸気系40は、
図4,5に示すように構成される。つまり、エアクリー
ナ41の下流側の吸気通路42には、スロットル弁43
が設けられ、スロットル弁43の下流側には、各気筒毎
には分岐した吸気マニホルド44が設けられている。さ
らに、吸気マニホルド44の下流部には、各吸気弁2,
3に向けて二股状に分岐した吸気ポート44A,44B
が形成されている。
【0093】この吸気ポート44A,44Bの上流側に
は、吸気ポート44A,44Bの燃焼室45への開口へ
向けて、インジェクタ(燃料噴射手段)46が設置され
ている。そして、このインジェクタ46は、各吸気ポー
ト44A,44Bの開口部へ均等に燃料噴射できるよう
に、その燃料噴射孔46Bの方向を設定されて、シリン
ダヘッドのインジェクタ取付部1Cに取り付けられる。
【0094】このインジェクタ46の先端部46Aの外
側には、燃料噴射案内手段としてのインジェクタガイド
49が設けられている。このインジェクタガイド49
は、図6の(A),(B),(C)に示すように、イン
ジェクタ46の先端部46Aとインジェクタ取付部1C
との間に介装され、パイプ部分49Aとベース部分49
Cとをそなえ、パイプ部分49A及びベース部分49C
の内部には空気流路49Bと空気噴射口49Dとが形成
されている。そして、空気噴射口49Dから空気を噴射
することで、噴射孔46Bからの噴射燃料を一方の吸気
弁2の側へ偏向させるようになっている。したがって、
空気流路49B及び空気噴射口49Dの方向は、吸気弁
2の方向へ設定されている。
【0095】なお、この実施例では、図6の(C)に示
すように、空気噴射口49Dが3つの穴で形成されてい
るが、空気噴射口はこれに限定されるものではなく、図
7に示すように、円弧状のスリット49Eによる空気噴
射口も考えられる。ただし、この図7中では、パイプ部
分49Aの記載は省略している。また、この実施例で
は、インジェクタガイド49への空気を供給する手段と
して、アイドル回転速度調整手段(アイドルスピードコ
ントローラ;以下、ISCと略す)が兼用されている。
このISC47は、吸気バイパス通路48Aと、この吸
気バイパス通路48Aを開閉する開閉弁47Aとをそな
えている。吸気バイパス通路48Aは、吸気通路42の
スロットル弁43よりも上流部分から各吸気マニホルド
44に亘って形成され、上流側開口部48Bに開閉弁4
7Aがそなえている。そして、吸気バイパス通路48A
の下流側開口部48Cはインジェクタガイド49に向け
られており、吸気バイパス通路48Aを通った空気がイ
ンジェクタガイド49から噴射されるようになってい
る。
【0096】そして、開閉弁47Aが、インジェクタガ
イド49の作動状態、即ち、インジェクタガイド49の
空気噴射口49Dから空気を噴射する状態と噴射しない
状態とを切り換える燃料噴射案内切換手段を兼ねてい
る。つまり、この開閉弁47Aは、吸気弁3の休弁時に
は開放してインジェクタガイド49からの空気噴射を行
なわせ、吸気弁3の作動時には閉鎖してインジェクタガ
イド49からの空気噴射を停止するように動作する。
【0097】なお、開閉弁47Aは、ソレノイド47B
で駆動される電磁弁であって、ECU50によって作動
を制御されるようになっている。つまり、ECU50
は、エンジンのアイドル時に所定のアイドルスピード状
態になるように開閉弁47Aの開度を制御するほか、吸
気弁3の休弁時(1弁低速用作動時)には、開閉弁47
Aを開放させて、吸気バイパス通路48A及びインジェ
クタガイド49から空気を噴射させるように制御を行な
うようになっている。
【0098】また、1弁低速用作動時には、吸気が燃焼
室45内でスワールを形成して混合気を層状分布させる
ことで、スパークプラグの近傍に燃料の濃い混合気を偏
在させながら、全体としては少ない燃料による希薄燃料
が行なわれるようになっている。したがって、この1弁
作動時には、インジェクタ46からは、相応の少ない燃
料が噴射される。
【0099】なお、図示しないが、このエンジンでは、
排気弁も吸気弁と同様に2弁対になって設けられてお
り、これらの2つの排気弁も、図9に示すように、低速
時には低速用カムによって低速用モードで開閉し、高速
時には高速用カムによって高速用モードで開閉するよう
になっている。本発明の第1実施例としての可変バルブ
タイミング機構付きエンジンは、上述のように構成され
ているので、吸気弁又は排気弁2,3はエンジン回転数
や出力トルクに応じて以下のように作動する。
【0100】つまり、図8に示すように、エンジン回転
数や出力トルクが切換点C1よりも小さい低速回転領域
では、切換弁54によって各油圧ピストン機構17,2
7に油圧を供給しない状態(第1モード)とされる。こ
れにより、図12に示すように、ピストン17A,27
Aはそれぞれスプリング17B,27Bによってその基
端部側へ付勢されて、ピストン17A,27Aはいずれ
もその先端部が凹所17C,27Cから脱した状態に保
持される。
【0101】したがって、サブロッカアーム15もメイ
ンロッカアーム14もロッカシャフト16に対して回転
自在であってメインロッカアーム6と連係動作しない非
連係モードとなる。この結果、メインロッカアーム14
は低速カム12に応じて開閉し、一方、メインロッカア
ーム6はベース円10と当接しながら閉鎖状態に保持さ
れて、メインロッカアーム14のみが低速用のバルブタ
イミングで開閉する1弁低速用作動状態(低速ステー
ジ)が実現する。
【0102】また、この時には、開閉弁47Aが開放し
て、吸気バイパス通路48A及びインジェクタガイド4
9の空気噴射口49Dから空気が噴射される。そして、
抗して噴射された空気により、噴射孔46Bから噴射さ
れた燃料が一方の開閉する吸気弁2の側へ偏向される。
これにより、休止している吸気弁3の側へは燃料が噴射
されなくなって、休止弁側での燃料溜りによる燃焼変動
が防止されて、正常な燃焼が確保され、排気ガスの悪化
も防止される利点がある。
【0103】特に、この実施例では、ISC47を利用
して燃料の噴射方向を偏向させているので、低コストで
このような燃料溜りの防止を行なえる利点がある。この
1弁低速用作動状態では、吸気が燃焼室45内で強いス
ワールを形成することができ、吸気を層状化させて、ス
パークプラグの近傍に部分的に燃料の濃い混合気を偏在
させることができる。これにより、燃焼速度の低下や着
火性の悪化を招くことなく燃焼を安定させながら希薄燃
焼を実現できて、エンジンの燃費を大幅に向上させつつ
有害な排気ガスを低減させることができる。
【0104】この結果、1弁低速用作動状態では、少な
い燃料消費で、曲線aで示すように、エンジンの低速回
転域でピークとしたエンジンの出力トルクを得られる。
また、一般に、油圧ポンプ52がエンジンで駆動される
ものの場合には始動時に油圧出力が発生しないが、この
実施例では、低速ステージが、各油圧ピストン機構1
7,27に油圧を供給しない状態で実現するので、油圧
を要することなく、1弁低速用作動の低速ステージでエ
ンジンを始動できる。
【0105】したがって、エンジンの始動時には、1弁
のみを作動させればよく、スタータのクランキング力も
1弁のみのバルブスプリング力に対応したもので十分に
なる。この結果、スタータを小型化できる利点がある。
また、図8に示すように、エンジン回転数や出力トルク
が切換点C1よりも大きく切換点C2よりも小さい中速
回転領域では、切換弁54によって油圧ピストン機構1
7には油圧を供給しないが、油圧ピストン機構27には
油圧を供給する状態(第2モード)とされる。
【0106】これにより、図11に示すように、ピスト
ン17Aは、スプリング17Bによってその基端部側へ
付勢されて、その先端部が凹所17Cから脱した状態に
保持される。一方、油室27Gへ供給された作動油圧に
より、ピストン27Aはスプリング27Bの付勢力に抗
して先端部側へ駆動されてその先端部が凹所27Cに嵌
入する。
【0107】したがって、メインロッカアーム14はロ
ッカシャフト16と一体に回転してメインロッカアーム
6と連係動作する連係モードとなり、サブロッカアーム
15はロッカシャフト16に対して回転自在であってメ
インロッカアーム6と連係動作しない非連係モードとな
る。この結果、メインロッカアーム14,6はともに低
速カム12に応じて開閉して、メインロッカアーム1
4,6が低速用のバルブタイミングで開閉する2弁低速
用作動状態(中速ステージ)が実現する。
【0108】この2弁低速用作動状態では、エンジンの
出力トルクは曲線bで示すように、エンジンの中速回転
域でピークとなる。さらに、図8に示すように、エンジ
ン回転数や出力トルクが切換点C2よりも大きい高速回
転領域では、切換弁54によって油圧ピストン機構17
及び油圧ピストン機構27に油圧を供給する状態(第3
モード)とされる。
【0109】これにより、図10に示すように、ピスト
ン27A,27Aは、いずれも油室17G,27G内の
作動油圧により、スプリング17B,27Bの付勢力に
抗して先端部側へ駆動されてその先端部が凹所17C,
27Cに嵌入する。したがって、メインロッカアーム1
4とサブロッカアーム15とはロッカシャフト16と一
体に回転してメインロッカアーム6と連係動作する連係
モードとなる。
【0110】高速カム13のカムプロフィルは低速カム
12のカムプロフィルを包含するように大きいので、メ
インロッカアーム14,6はともに高速カム13に応じ
て開閉して、メインロッカアーム14,6が高速用のバ
ルブタイミングで開閉する2弁高速用作動状態(高速ス
テージ)が実現する。この2弁高速用作動状態では、エ
ンジンの出力トルクは曲線cで示すように、エンジンの
高速回転域でピークとなる。
【0111】このようにして、吸気弁2,3を低速ステ
ージと中速ステージと高速ステージとの3つのステージ
で切り換えながら、エンジンの広い回転領域で、効率よ
い燃焼を実現でき、特に低速回転時には希薄燃焼による
大幅な燃費の節約を実現でき、中高速回転域では十分な
出力を得ることができるようになる。特に、エンジンの
中速回転時には、両吸気弁2,3が共に低速用開閉特性
で開閉するので、燃料供給のタイミングを含めた制御等
を適切に行なえ、燃焼の安定性を確保できる。
【0112】さらに、低速ステージと中速ステージとの
切換で、一方の吸気弁が休止から低速用開閉に切り換わ
るので、この切換点付近で吸気の変化が緩やかに行なえ
て、滑らかなエンジン出力特性を得やすい。また、この
実施例では、油圧ピストン機構17,27が同様に構成
されているので、部品の共用化により製造コストを削減
できる利点もある。
【0113】さらに、サブロッカアーム15が、2つの
メインロッカアーム6,14の間に配置されているの
で、高速ステージにおいて、サブロッカアーム15を介
して両メインロッカアーム6,14を高速駆動する場合
に、精度良く適切にバルブ駆動が行なわれる利点もあ
る。次に、第2実施例について説明すると、この実施例
では、メインロッカアーム14側の油圧ピストン機構3
7の構成が第1実施例のものと異なっている。
【0114】つまり、図13に示すように、油圧ピスト
ン機構37は、ロッカシャフト16に形成されたピスト
ン室37F内にロッカシャフト16の直径方向に可動に
配設されたピストン37Aをそなえるが、このピストン
37Aの一端(図2,3中の上方側端部であり、以下、
この端部を先端部といい、他端を基端部という)とメイ
ンロッカアーム14の筒状基部15B,14Cの内周面
との間に形成された凹所37Cが、油室になっている。
【0115】また、ピストン37Aの内部には、ロッカ
シャフト16の軸心部分に形成された油路16Bと油室
37Cとを連通する油孔37Dが形成されている。さら
に、ピストン37Aの基端部には、スプリング37Bが
圧縮状態で介装されている。なお、37Eはスプリング
リテーナである。これにより、油室(凹所)37Cへ作
動油が供給されると、図16に示すように、スプリング
37Bの付勢力に抗してピストン37Aが後端部側へ駆
動されて、ピストン37Aの先端部が凹所37Cから脱
するようになっている。一方、油室37Gへの作動油供
給が絶たれると、図14,15に示すように、スプリン
グ37Bの付勢力によってピストン37Aが先端部側へ
駆動されて、ピストン37Aの先端部が凹所37Cに嵌
入するようになっている。
【0116】つまり、油圧ピストン機構37では、油室
(凹所)37Cへ作動油が供給されると、ピストン37
Aの先端部の凹所37Cからの離脱により、メインロッ
カアーム14がロッカシャフト16に対して回転自在で
あってメインロッカアーム14とメインロッカアーム6
とが連係動作しないモード(非連係モード)となり、油
室(凹所)37Cへの作動油供給が絶たれると、ピスト
ン37Aの先端部の凹所37Cへの嵌入により、メイン
ロッカアーム14がロッカシャフト16と一体回転して
メインロッカアーム14とメインロッカアーム6とが連
係動作するモード(連係モード)となるように設定され
ている。
【0117】このように構成された本発明の第2実施例
としての可変バルブタイミング機構付きエンジンにおい
ても、油圧ピストン機構37の油圧制御のみは異なる
が、第1実施例のものとほぼ同様に動作しながらほぼ同
様の作用及び効果を得ることができる。なお、上記の各
実施例では、第1のロッカアーム(メインロッカアー
ム)6がロッカシャフト16と一体に形成しているが、
ロッカアーム6はロッカシャフト16を中心に回転でき
ればよく、ロッカアーム6をロッカシャフト16と別体
に構成した場合、このロッカアーム6と、ロッカアーム
14,15の間に、それぞれモード切換手段17,27
を介設すればよい。なお、上述の各実施例では、低速ス
テージと中速ステージと高速ステージとの3つのステー
ジが設けられているが、例えば中速ステージを廃止して
低速ステージと高速ステージとの2つのステージのみを
設ける構成でも、低速ステージでの1弁低速用作動によ
る燃料消費の節約と、高速ステージでの2弁高速用作動
によるエンジンの出力確保とを実現できる。勿論、エン
ジンの出力特性は、3ステージを切り替えられるもの程
はフラットにはならないが、低燃費と出力確保という相
反する課題を同時に解決しうるものである。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の可変バルブタイミング機構付きエンジンによれ
ば、第1の吸気弁と第2の吸気弁との2つの吸気弁と、
低速時バルブタイミング用のカムプロフィルをそなえエ
ンジンのクランクシャフトの回転に対応して回動する低
速用カムと、該低速時バルブタイミング用のカムプロフ
ィルを包含する高速時バルブタイミング用のカムプロフ
ィルをそなえ該クランクシャフトの回転に対応して回動
する高速用カムと、該エンジンの所要部分に枢支された
ロッカシャフトと、該低速用カム及び該高速用カムには
直接当接しないが、該ロッカシャフトを中心に回転する
ように設けられるとともに、該第1の吸気弁に当接して
該第1の吸気弁を開閉駆動する第1のロッカアームと、
該低速用カムに当接し該低速用カムのカムプロフィルに
対応して揺動しうるとともに、該第2の吸気弁に当接し
て該第2の吸気弁を開閉駆動する第2のロッカアーム
と、該高速用カムに当接し該高速用カムのカムプロフィ
ルに対応して揺動する第3のロッカアームと、該第1の
ロッカアームと該第2のロッカアームとを連係させない
非連係モードと、該第3のロッカアームと連係させるこ
となく該第1のロッカアームと該第2のロッカアームと
を連係させうる連係モードと、を切り換えうる第1モー
ド切換手段と、該第3のロッカアームと該第1のロッカ
アーム及び該第2のロッカアームとを連係させない非連
係モードと、該第3のロッカアームと該第1のロッカア
ーム及び/又は該第2のロッカアームとを連係させる連
係モードと、を切り換えうる第2モード切換手段とを有
し、該第3のロッカアームが、該第1のロッカアームと
該第2のロッカアームとの間に介設されるとともに、上
記の第1,第2及び第3のロッカアームを全て連係させ
ない第1モードと、上記の第1及び第2のロッカアーム
を連係させ該第3のロッカアームを連係させない第2モ
ードと、上記の第1,第2及び第3のロッカアームを連
係させる第3モードとが設けられるという構成により、
吸気弁を例えば低速ステージと中速ステージと高速ステ
ージとの3つのステージで切り換えながら、エンジンの
広い回転領域で、効率よい燃焼を実現でき、低速回転時
には燃費の節約を実現でき、高速回転域では十分な出力
を得ることができるようになる。特に、第1モード切換
手段と第2モード切換手段との作動を組み合わせなが
ら、シンプルな構成で容易で且つ確実に、上記の吸気弁
の作動切り換え、即ち、低速ステージと中速ステージと
高速ステージとの3つのステージでの切り換えを行なう
ことができる。 また、該第3のロッカアームが、該第1
のロッカアームと該第2のロッカアームとの間に介設さ
れ各ロッカアームの相互間を接近させることができるた
め、該第3のロッカアームから該第1のロッカアームと
該第2のロッカアームを通じて高速回転で該高速用カム
を作動させる該第3モードの際に、精度良く適切に該高
速用カムを作動させることができる利点もある。
【0119】
【0120】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該第2のロッカ
アーム及び該第3のロッカアームが、いずれも該ロッカ
シャフトに対して回転可能に装着され、該第1のモード
切換手段が、該ロッカシャフトに形成され、該ロッカシ
ャフトの外周面に露出した開口を有する第1のピストン
室と、該第2のロッカアームの側に形成され該第2のロ
ッカアームと該ロッカシャフトとの相対位相が所定状態
のときに該第1のピストン室の開口と整合する第1の凹
所と、該第1のピストン室内に該ロッカシャフトの軸心
線と直交する向きに移動しうるように内挿されその一端
を該ロッカシャフトの外周面から突出させて該第1の凹
所内に嵌入させた突出位置と該一端を該ロッカシャフト
の外周面から突出させない格納位置とをとりうる第1の
ピストンと、該第1のピストンを該突出位置と該格納位
置との間で駆動する第1の駆動機構とをそなえて構成さ
れるとともに、該第2のモード切換手段が、該ロッカシ
ャフトに形成され該ロッカシャフトの外周面に露出した
開口を有する第2のピストン室と、該第3のロッカアー
ムの側に形成され該第3のロッカアームと該ロッカシャ
フトとの相対位相が所定状態のときに該第2のピストン
室の開口と整合する第2の凹所と、該第2のピストン室
内に該ロッカシャフトの軸心線と直交する向きに移動し
うるように内挿されその一端を該ロッカシャフトの外周
面から突出させて該第2の凹所内に嵌入させた突出位置
と該一端を該ロッカシャフトの外周面から突出させない
格納位置とをとりうる第2のピストンと、該第2のピス
トンを該突出位置と該格納位置との間で駆動する第2の
駆動機構とをそなえて構成されることにより、上述の3
つのステージの相互の切り換えを確実に行なえて、広い
回転領域で、効率よい燃焼を確実に実現できる。
【0121】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該第1の駆動機
構が、該第1のピストンを該格納位置側又は該突出位置
側へ付勢する第1の付勢手段と、該第1のピストンを該
第1の付勢手段に抗して該突出位置側又は該格納位置側
へ駆動すべく形成された第1の油室と、該エンジンが所
要の回転状態のときに該第1の油室内に所要の油圧を供
給しうる第1の油圧供給手段とをそなえて構成されると
ともに、該第2の駆動機構が、該第2のピストンを該格
納位置側又は該突出位置側へ付勢する第2の付勢手段
と、該第2のピストンを該第2の付勢手段に抗して該突
出位置側又は該格納位置側へ駆動すべく形成された第2
の油室と、該エンジンが所要の回転状態のときに該第2
の油室内に所要の油圧を供給しうる第2の油圧供給手段
とをそなえて構成されることにより、例えばエンジン駆
動式の油圧ポンプを利用しながら油圧供給を行なうよう
にして、上述の可変バルブタイミング機構を容易に実現
できる。
【0122】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該第1の付勢手
段及び該第2の付勢手段が、該第1のピストン及び該第
2のピストンをいずれも該格納位置側へ付勢し、該第1
の油圧供給手段が、該エンジンが中速及び高速回転状態
のときに該第1の油室内に所要の油圧を供給するように
設定されるとともに、該第2の油圧供給手段が、該エン
ジンが高速回転状態のときに該第2の油室内に所要の油
圧を供給するように設定されるという構成により、例え
ばエンジン駆動式の油圧ポンプを利用して油圧供給を行
なう場合、エンジンの始動時に、一方の吸気弁のみを作
動させるモードを実現できる。これにより、スタータの
クランキング力も1弁のみのバルブスプリング力に対応
したもので十分になり、スタータを小型化できる利点が
ある。また、2つの油圧ピストン機構の部品を共用化す
ることにより製造コストを削減できる利点もある。
【0123】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該第1の油圧供
給手段及び該第2の油圧供給手段が、いずれも該エンジ
ンにより駆動されるエンジンポンプを油圧源としている
という構成により、上述の可変バルブタイミング機構を
容易に実現できる。また、請求項記載の本発明の可変
バルブタイミング機構付きエンジンによれば、該制御手
段が、該エンジンの回転速度域が低速域にあるか中速域
にあるか高速域にあるかに応じて、該第1のモード切換
手段及び該第2のモード切換手段の状態を制御するよう
に設定されて、該エンジンが低速回転速度域のときに
は、該第1のモード切換手段及び該第2のモード切換手
段を通じて、該第2のロッカアームを該第1のロッカア
ームに連係させない非連係モードとするとともに、該第
3のロッカアームを上記の第1及び第2のロッカアーム
に連係させない非連係モードとすることで、該第1の吸
気弁を休弁させ該第2の吸気弁を該低速用カムのカムプ
ロフィルに対応して開閉させる1弁低速用作動状態と
し、該エンジンが中速回転速度域のときには、該第1の
モード切換手段及び該第2のモード切換手段を通じて、
該第2のロッカアームを該第1及のロッカアームに連係
させる連係モードとするとともに、該第3のロッカアー
ムを上記の第1及び第2のロッカアームに連係させない
非連係モードとすることで、該第1の吸気弁及び該第2
の吸気弁をともに該低速用カムのカムプロフィルに対応
して開閉させる2弁低速用作動状態とし、該エンジンが
高速回転速度域のときには、該第1のモード切換手段及
び該第2のモード切換手段を通じて、該第2のロッカア
ームを該第1のロッカアームに連係させる連係モードと
するとともに、該第3のロッカアームを上記の第1及び
第2のロッカアームに連係させる連係モードとすること
で、該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁をともに該高速
用カムのカムプロフィルに対応して開閉させる2弁高速
用作動状態とするように設定されるという構成により、
エンジンの広い回転領域で、効率よい燃焼を実現でき、
特に低速回転時には希薄燃焼による大幅な燃費の節約を
実現でき、中高速回転域では十分な出力を得ることがで
きるようになる。
【0124】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該エンジンの吸
気通路の下流部分に該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁
の双方の側へ向けて燃料を噴射する燃料噴射手段がそな
えられ、該燃料噴射手段の噴射孔からの噴射燃料を該第
2の吸気弁の側へ偏向させる燃料噴射案内手段と、該第
1の吸気弁の休弁時には該燃料噴射案内手段を作動させ
て該第1の吸気弁の作動時には該燃料噴射案内手段を停
止させる燃料噴射案内切換手段とが設けられるという構
成により、休止している吸気弁の側へは燃料が噴射され
なくなって、休止弁側での燃料溜りによる燃焼変動が防
止されて、正常な燃焼が確保され、排気ガスの悪化も防
止される利点がある。
【0125】また、請求項記載の本発明の可変バルブ
タイミング機構付きエンジンによれば、該吸気通路に、
該吸気通路の上流部分から下流部分に亘って設けられた
吸気バイパス路と、該吸気バイパス路を開閉する開閉弁
とをそなえてなるアイドル回転速度調整手段が付設され
て、該吸気バイパス路の下流端部が該燃料噴射案内手段
に接続され、該燃料噴射案内手段が該吸気バイパス路で
導かれた吸気を所要の方向へ噴射することで該噴射孔か
らの噴射燃料を該第2の吸気弁の側へ偏向させるように
構成され、該燃料噴射案内切換手段として該開閉弁が用
いられるという構成により、低コストで燃料溜りの防止
を行なえる利点がある。
【0126】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの動弁系の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構を示
す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構を示
す断面図である。
【図4】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの吸気通路部分の模式的な断面図
である。
【図5】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの吸気通路部分の要部断面図であ
る。
【図6】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの吸気通路部分にそなえられる空
気噴射口部材を示す図であり、(A)は(B)及び図5
のA矢視図、(C)は(B)のB矢視図である。
【図7】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの空気噴射口部材の変形例を示す
図である。
【図8】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンの出力特性を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例としての可変バルブタイミ
ング機構付きエンジンのバルブリフト状態を示す図であ
る。
【図10】本発明の第1実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図12】本発明の第1実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構を
示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図15】本発明の第2実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図16】本発明の第2実施例としての可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの可変バルブタイミング機構の
動作を示す図である。
【図17】従来の可変バルブタイミング機構付きエンジ
ンのカムプロフィルを示す図である。
【図18】従来例の可変バルブタイミング機構付きエン
ジンの出力特性を示す図である。
【図19】他の従来例の可変バルブタイミング機構付き
エンジンの動弁系を示す断面図である。
【図20】他の従来例の可変バルブタイミング機構付き
エンジンの動弁系のカムを示す側面図である。
【図21】従来例の可変バルブタイミング機構付きエン
ジンの出力特性及び動弁系の油圧制御特性を示す図であ
る。
【図22】他の従来例の可変バルブタイミング機構付き
エンジンの動弁系を示す断面図である。
【図23】他の従来例の可変バルブタイミング機構付き
エンジンの動弁系を示す断面図である。
【符号の説明】
1A 軸受部 1C インジェクタ取付部 2 第2の吸気弁 3 第1の吸気弁 3A バルブステム 4 バルブスプリング 5A,5B スプリングリテーナ 6 第1のロッカアーム(メインロッカアーム) 6A 揺動端部 6B スクリュー装着部 6C 当接面 10 ベース円状カム(ベース円) 11 カムシャフト 12 低速用カム 13 高速用カム 14 第2のロッカアーム(メインロッカアーム) 14A 揺動端部 14B スクリュー装着部 14C 筒状基部 15 第3のロッカアーム(サブロッカアーム) 15A 揺動端部 15B 筒状基部 15C レバー部 16 ロッカシャフト 16A,16B 油路 17 第2のモード切換手段としての油圧ピストン機構 17A ピストン 17B スプリング 17C 凹所 17D 油孔 17E 蓋部材 17F ピストン室 17G 油室 17H 鍔状部 17I 段部 18 低速用ローラ 18A 軸 18B ローラベアリング 19 高速用ローラ 19A 軸 19B ローラベアリング 20 アームスプリング機構 20A アウタケース 20B インナケース 20C スプリング 20D 当接部 21,22 アジャストスクリュー 21A,22A 調整ナット 27 第1のモード切換手段としての油圧ピストン機構 27A ピストン 27B スプリング 27C 凹所 27D 油孔 27E 蓋部材 27F ピストン室 27G 油室 27H 鍔状部 27I 段部 37 油圧ピストン機構 37A ピストン 37B スプリング 37C 凹所 37D 油孔 37E スプリングリテーナ 37F ピストン室 37G 油室 40 吸気系 41 エアクリーナ 42 吸気通路 43 スロットル弁 44 吸気マニホルド 44A,44B 吸気ポート 45 燃焼室 46 インジェクタ(燃料噴射手段) 46A インジェクタ先端部 46B 燃料噴射孔 47 アイドル回転速度調整手段(ISC) 47A 燃料噴射案内切換手段としての開閉弁 47B ソレノイド 48A 吸気バイパス通路 48B 上流側開口部 48C 下流側開口部 49 燃料噴射案内手段としてのインジェクタガイド 49A パイプ部分 49C ベース部分 49B 空気流路 49D 空気噴射口 49E 空気噴射口としての円弧状のスリット 50 制御手段としての電子制御ユニット(ECU) 51 作動油供給系 52 油圧ポンプ(エンジンポンプ) 53 調圧手段 54 切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 雅彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 宮村 紀行 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 鎌田 寛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−229906(JP,A) 特開 昭62−223456(JP,A) 実開 昭64−4855(JP,U) 特公 平3−18002(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 13/00 301 F01L 13/00 302

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の吸気弁と第2の吸気弁との2つの
    吸気弁と、 低速時バルブタイミング用のカムプロフィルをそなえエ
    ンジンのクランクシャフトの回転に対応して回動する低
    速用カムと、 該低速時バルブタイミング用のカムプロフィルを包含す
    る高速時バルブタイミング用のカムプロフィルをそなえ
    該クランクシャフトの回転に対応して回動する高速用カ
    ムと、 該エンジンの所要部分に枢支されたロッカシャフトと、 該低速用カム及び該高速用カムには直接当接しないが、
    該ロッカシャフトを中心に回転するように設けられると
    ともに、該第1の吸気弁に当接して該第1の吸気弁を開
    閉駆動する第1のロッカアームと、 該低速用カムに当接し該低速用カムのカムプロフィルに
    対応して揺動しうるとともに、該第2の吸気弁に当接し
    て該第2の吸気弁を開閉駆動する第2のロッカアーム
    と、 該高速用カムに当接し該高速用カムのカムプロフィルに
    対応して揺動する第3のロッカアームと、該第1のロッカアームと該第2のロッカアームとを連係
    させない非連係モードと、該第3のロッカアームと連係
    させることなく該第1のロッカアームと該第2のロッカ
    アームとを連係させうる連係モードと、を切り換えうる
    第1モード切換手段と、 該第3のロッカアームと該第1のロッカアーム及び該第
    2のロッカアームとを連係させない非連係モードと、該
    第3のロッカアームと該第1のロッカアーム及び/又は
    該第2のロッカアームとを連係させる連係モードと、を
    切り換えうる第2モード切換手段とを有し、 該第3のロッカアームが、該第1のロッカアームと該第
    2のロッカアームとの間に介設されるとともに、 上記の第1,第2及び第3のロッカアームを全て連係さ
    せない第1モードと、上記の第1及び第2のロッカアー
    ムを連係させ該第3のロッカアームを連係させない第2
    モードと、上記の第1,第2及び第3のロッカアームを
    連係させる第3 モードとを切換制御する制御手段が設け
    られている ことを特徴とする、可変バルブタイミング機
    構付きエンジン。
  2. 【請求項2】 該第2のロッカアーム及び該第3のロッ
    カアームが、いずれも該ロッカシャフトに対して回転可
    能に装着され、 該第1のモード切換手段が、 該ロッカシャフトに形成され、該ロッカシャフトの外周
    面に露出した開口を有する第1のピストン室と、 該第2のロッカアームの側に形成され、該第2のロッカ
    アームと該ロッカシャフトとの相対位相が所定状態のと
    きに該第1のピストン室の開口と整合する第1の凹所
    と、 該第1のピストン室内に該ロッカシャフトの軸心線と直
    交する向きに移動しうるように内挿され、その一端を該
    ロッカシャフトの外周面から突出させて該第1の凹所内
    に嵌入させた突出位置と、該一端を該ロッカシャフトの
    外周面から突出させない格納位置とをとりうる第1のピ
    ストンと、 該第1のピストンを該突出位置と該格納位置との間で駆
    動する第1の駆動機構とをそなえて構成されるととも
    に、 該第2のモード切換手段が、 該ロッカシャフトに形成され、該ロッカシャフトの外周
    面に露出した開口を有する第2のピストン室と、 該第3のロッカアームの側に形成され、該第3のロッカ
    アームと該ロッカシャフトとの相対位相が所定状態のと
    きに該第2のピストン室の開口と整合する第2の凹所
    と、 該第2のピストン室内に該ロッカシャフトの軸心線と直
    交する向きに移動しうるように内挿され、その一端を該
    ロッカシャフトの外周面から突出させて該第2の凹所内
    に嵌入させた突出位置と、該一端を該ロッカシャフトの
    外周面から突出させない格納位置とをとりうる第2のピ
    ストンと、 該第2のピストンを該突出位置と該格納位置との間で駆
    動する第2の駆動機構とをそなえて構成されている ことを特徴とする、請求項1記載の 可変バルブタイミン
    グ機構付きエンジン。
  3. 【請求項3】 該第1の駆動機構が、 該第1のピストンを該格納位置側又は該突出位置側へ付
    勢する第1の付勢手段と、 該第1のピストンを該第1の付勢手段に抗して該突出位
    置側又は該格納位置側へ油圧により駆動すべく形成され
    た第1の油室と、 該エンジンが所要の回転状態のときに、該第1の油室内
    に所要の油圧を供給しうる第1の油圧供給手段とをそな
    えて構成されるとともに、 該第2の駆動機構が、 該第2のピストンを該格納位置側又は該突出位置側へ付
    勢する第2の付勢手段と、 該第2のピストンを該第2の付勢手段に抗して該突出位
    置側又は該格納位置側へ油圧により駆動すべく形成され
    た第2の油室と、 該エンジンが所要の回転状態のときに、該第2の油室内
    に所要の油圧を供給しうる第2の油圧供給手段とをそな
    えて構成されていることを特徴とする、請求項2記載の
    可変バルブタイミング機構付きエンジン。
  4. 【請求項4】 該第1の付勢手段及び該第2の付勢手段
    が、該第1のピストン及び該第2のピストンをいずれも
    該格納位置側へ付勢し、 該第1の油圧供給手段が、該エンジンが中速及び高速回
    転状態のときに該第1の油室内に所要の油圧を供給する
    ように設定されるとともに、 該第2の油圧供給手段が、該エンジンが高速回転状態の
    ときに該第2の油室内に所要の油圧を供給するように設
    定されていることを特徴とする、請求項3記載の 可変バ
    ルブタイミング機構付きエンジン。
  5. 【請求項5】 該第1の油圧供給手段及び該第2の油圧
    供給手段が、いずれも該エンジンにより駆動されるエン
    ジンポンプを油圧源としていることを特徴とする、請求
    項4記載の可変バルブタイミング機構付きエンジン。
  6. 【請求項6】 該制御手段が、該エンジンの回転速度域
    が低速域にあるか中速域にあるか高速域にあるかに応じ
    て、該第1のモード切換手段及び該第2のモード切換手
    段の状態を制御するように設定されて、 該エンジンが低速回転速度域のときには、該第1のモー
    ド切換手段及び該第2 のモード切換手段を通じて、該第
    2のロッカアームを該第1のロッカアームに連係させな
    い非連係モードとするとともに、該第3のロッカアーム
    を上記の第1及び第2のロッカアームに連係させない非
    連係モードとすることで、該第1の吸気弁を休弁させ該
    第2の吸気弁を該低速用カムのカムプロフィルに対応し
    て開閉させる1弁低速用作動状態とし、 該エンジンが中速回転速度域のときには、該第1のモー
    ド切換手段及び該第2のモード切換手段を通じて、該第
    2のロッカアームを該第1のロッカアームに連係させる
    連係モードとするとともに、該第3のロッカアームを上
    記の第1及び第2のロッカアームに連係させない非連係
    モードとすることで、該第1の吸気弁及び該第2の吸気
    弁をともに該低速用カムのカムプロフィルに対応して開
    閉させる2弁低速用作動状態とし、 該エンジンが高速回転速度域のときには、該第1のモー
    ド切換手段及び該第2のモード切換手段を通じて、該第
    2のロッカアームを該第1のロッカアームに連係させる
    連係モードとするとともに、該第3のロッカアームを上
    記の第1及び第2のロッカアームに連係させる連係モー
    ドとすることで、該第1の吸気弁及び該第2の吸気弁を
    ともに該高速用カムのカムプロフィルに対応して開閉さ
    せる2弁高速用作動状態とするように設定されているこ
    とを特徴とする、請求項1記載の 可変バルブタイミング
    機構付きエンジン。
  7. 【請求項7】 該エンジンの吸気通路の下流部分に、該
    第1の吸気弁及び該第2の吸気弁の双方の側へ向けて燃
    料を噴射する燃料噴射手段がそなえられ、 該燃料噴射手
    段の噴射孔からの噴射燃料を該第2の吸気弁の側へ偏向
    させる燃料噴射案内手段と、 該第1の吸気弁の休弁時には該燃料噴射案内手段を作動
    させて、該第1の吸気弁の作動時には該燃料噴射案内手
    段を停止させる燃料噴射案内切換手段とが設けられてい
    ることを特徴とする、請求項6記載の 可変バルブタイミ
    ング機構付きエンジン。
  8. 【請求項8】 該吸気通路に、該吸気通路の上流部分か
    ら下流部分に亘って設けられた吸気バイパス路と、該吸
    気バイパス路を開閉する開閉弁とをそなえてなるアイド
    ル回転速度調整手段が付設されて、 該吸気バイパス路の下流端部が該燃料噴射案内手段に接
    続され、該燃料噴射案内手段が、該吸気バイパス路で導
    かれた吸気を所要の方向へ噴射することで該噴射孔から
    の噴射燃料を該第2の吸気弁の側へ偏向させるように構
    成され、 該燃料噴射案内切換手段として該開閉弁が用い
    られていることを特徴とする、請求項7記載の 可変バル
    ブタイミング機構付きエンジン。
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