JP2769284B2 - ナトリウム−硫黄電池およびその陽極容器の製造方法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池およびその陽極容器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はナトリウム−硫黄電池お
よびその陽極容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【技術背景】一般に、ナトリウム−硫黄電池において
は、陽極容器がアルミニウムやアルミニウム合金等の金
属材料により形成され、この陽極容器内にベータアルミ
ナ等のセラミックよりなる固体電解質管が吊り下げ状態
で取付けられている。そして、この固体電解質管の内側
の陰極室内にはナトリウムが収容され、外側の陽極室内
には硫黄が収容されている。
【0003】この種のナトリウム−硫黄電池において
は、運転時に300〜350℃まで加熱されるととも
に、停止時には放熱して冷却される。このとき、金属製
の陽極容器がセラミック製の固体電解質管よりも熱膨張
率が大きいため、運転時には陽極容器と固体電解質管の
下端部との隙間が拡大し、停止時にはこの隙間が減少す
ることになる。
【0004】ところが、運転時に溶融状態にあった多硫
化ナトリウムが240℃付近まで冷却されると固化し
て、陽極容器と固体電解質管の下端部との隙間に固体相
を形成するため、陽極容器が冷却時に原寸まで収縮でき
なくなる。このため、電池の運転−停止を繰り返し行っ
ていると、陽極容器が軸線方向へ次第に伸長して、固体
電解質管を破損させるおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
消するため、本件特許出願人は、陽極容器の外周に1個
または2個以上のくびれ部を設けることで、陽極容器の
熱変化に伴う伸縮を吸収緩和するようにしたナトリウム
−硫黄電池について先に特許出願をしている。さらに、
この先の特許出願に係る発明について本発明者が研究を
重ねた結果、前記くびれ部の最薄肉部分の厚さが一定の
範囲にあるときに熱サイクルによるくびれ部のクラック
発生数が減少すると同時に、熱サイクルの増加によるく
びれ部の極端な変形や破損が確実に防止される範囲を見
出した。
【0006】またこのようなくびれ部分の最薄肉部分の
厚さが所定の範囲にある陽極容器の新たな製造方法を見
出した。すなわち製造工程においてクラックの発生率が
低下し、かつ熱サイクル初期のクラック発生率が大幅に
低減される陽極容器の製造方法を見出したのである。本
発明の目的は、熱サイクルによる陽極容器のクラック発
生率を低減しかつ陽極容器の局部的な変形や破損をする
確率を大幅に減らすことを可能にしたナトリウム−硫黄
電池を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、ナトリウム−硫黄電
池用の前記くびれ部をもつ陽極容器の新たな製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明のナトリウム−硫黄電池は、請求項1では、筒
状の金属製の陽極容器内にセラミック製の固体電解質管
を吊り下げ状態で取付け、この固体電解質管の内側の陰
極室内にナトリウムを収容し、前記固体電解質管の外側
の陽極室内に硫黄を収容してなるナトリウム−硫黄電池
において、前記陽極容器の外周部に環状のくびれ部を形
成し、このくびれ部は、内壁面が直管部の内壁面よりも
筒径方向内側に突出した凸部を有し、前記陽極容器の板
厚について、直管部の板厚をt1 、くびれ部の最薄肉部
分の板厚をt2 とすると、t1 とt2 の関係が、1/2 t
1 ≦t2 <t1 になるように前記くびれ部を形成したこ
とを特徴とする。
【0009】前記目的を達成するための本発明のナトリ
ウム−硫黄電池の陽極容器の製造方法は、請求項2で
は、筒状の金属製の陽極容器内にセラミック製の固体電
解質管を取付け、この固体電解質管の内側の陰極室内に
ナトリウムを収容し、この固体電解質管の外側の陽極室
内に硫黄を収容してなるナトリウム−硫黄電池の前記陽
極容器の製造方法において、金属材料からなる筒体を用
意し、この筒体を加熱処理して加熱後のビッカース硬さ
がHvが40未満になるまで1次加熱処理し、次いで、
1次加熱処理した筒体の外周部に機械加工により環状の
くびれ部を形成し、次いで少なくとも前記くびれ部に2
次加熱処理を行い熱処理後のビッカース硬さHvが40
未満になるまで2次加熱処理をすることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記のように構成されたナトリウム−硫黄電池
において、電池の運転−停止が繰り返し行われて、陽極
容器が熱変化により伸長もしくは収縮される場合、その
陽極容器の伸縮はくびれ部にて吸収緩和される。そし
て、陽極容器の直管部の板厚をt1 、くびれ部の最薄肉
部分の板厚をt2 とすると、 1/2 t1 ≦t2 <t1 になるように前記くびれ部を形成したことで、後述する
実験データに示すように熱サイクル時におけるクラック
の発生率、破損発生率を低減できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第1実
施例(実施例1)を図1および図2に示す。図1および
図2に示すように、陽極容器1はアルミニウムやアルミ
ニウム合金等の金属材料により円筒状に形成され、その
下端開口部には底板2が嵌合固定されている。上下一対
のくびれ部3、4は陽極容器1の外周に環状に形成さ
れ、このくびれ部3、4によって陽極容器1の熱変化に
伴う伸縮が吸収緩和される。なお、下くびれ部4は下端
部に溜まる活物質としての多硫化ナトリウム(Na2
X )を避けて、それより上側に設けられる。耐食皮膜5
は陽極容器1の内周面に溶射形成され、この耐食皮膜5
により陽極容器1の腐蝕が防止される。
【0012】支持金具6は前記陽極容器1の上端開口部
に嵌合固定され、その上面にはアルファアルミナよりな
る絶縁リング7が接合固定されている。ベータアルミナ
等のセラミック材料よりなる有底円筒状の固定電解質管
8は絶縁リング7の下端内周に吊り下げ状態で接合固定
され、この固体電解質管8の内側には陰極室R1が区画
形成されるとともに、外側には陽極室R2が区画形成さ
れている。
【0013】カートリッジ9は前記陰極室R1内に配設
され、このカートリッジ9内には陰極活物質としてのナ
トリウムNaが収容されている。小孔10はカートリッ
ジ9の底部に設けられ、この小孔10を通してカートリ
ッジ9内のナトリウムNaが、カートリッジ9と固体電
解質管8との間の間隙部に供給される。窒素ガスはアル
ゴンガス等の不活性ガスGは前記カートリッジ9の上部
空間に所定の圧力で封入され、この不活性ガスGにより
カートリッジ9内のナトリウムNaが小孔10から流出
する方向へ加圧されている。カーボンマット等よりなる
陽極用導電材11は陽極室R2内に収容され、この陽極
用導電材11には陽極活物質としての硫黄Sが含浸され
ている。
【0014】陽極蓋12は前記絶縁リング7上に接合固
定され、中央の円板部13と、その円板部13の外周に
設けられた円筒部14とを有している。そして、この陰
極蓋12の円筒部14の下端が、カートリッジ9と固体
電解質管8との間の間隙部に供給されたナトリウムNa
に接触して、陰極側の集電が行われる。有底円筒状の安
全管15は前記カートリッジ9と固体電解質管8との間
の間隙部に、そのカートリッジ9および固体電解質管8
からそれぞれ所定間隔をおいて配設され、耐食性を有す
るアルミニウムやステンレス等の金属材料から形成され
ている。そして、放電時に前記カートリッジ9の小孔1
0から供給されるナトリウムNaが、この安全管15と
カートリッジ9との間の間隙内で上方に移動された後、
安全管5の上端を乗り越えて、安全管15と固体電解質
管8との間の間隙内で下方に移動される。さらに、陽極
室R2側へ移動されるようになっている。
【0015】そして、前記陽極容器1は、その板厚が図
1に示されるように、直管部18の板厚t1 と、くびれ
部3の最薄肉部分の板厚t2 との間に次の関係がある。 1/2 t1 ≦t2 <t1 これは、 t2 <t1 としたのは、直管部18の板厚
1 よりもくびれ部3の最薄肉部分の板厚t2 を小さく
することで、固体電解質管等が破損しないよう陽極容器
1の長手方向の伸長と収縮を行いやすくするよう弾性を
もたせるためである。また、 1/2 t1 ≦t2 とした
のは、1/2 t1 >t2 すると、電池の運転と停止の繰り
返しの温度変化にともない発生する陽極容器のクラック
の発生率が増大し、1/2 t1 ≦t2 とすると、電池の運
転と停止の繰り返しの温度変化にともない陽極容器のク
ラックの発生率が低下するからである。
【0016】本実施例では、上くびれ部3のみならず下
くびれ部4についても、くびれ部の最薄肉部分の板厚と
の関係が、1/2 t1 ≦t2 <t1 に保たれている。次
に、本発明の第2実施例の陽極容器のくびれ部を図3に
示す。第2実施例(実施例2)では、くびれ部23の外
壁23aがそのひと周り横断面円弧状凹部になるよう環
状窪部が形成され、くびれ部23の内壁23bが直管1
8の内壁と同様に凹凸のない内壁をもつ陽極容器に形成
した。
【0017】次に、本実施例で使用した陽極容器の製造
方法の一実施例を図4および5に基づいて説明する。図
4は陽極容器の製造工程を示す。まず図5Aに示すよう
に、(1) 陽極容器に使用するアルミニウム合金からなる
円筒状のパイプ1aを用意し、(2) このパイプ1aを1
次加熱処理して加熱後のビッカース硬さHvが40未満
になるまで加熱処理する。これは次のくびれ部の絞り加
工時にクラックが発生し難くするためである。(3) 次い
で、図5Bに示すように、1次加熱処理したパイプ1a
の外周部に機械加工によりくびれ部3aを形成する。
(4) 次いで図5Cに示すように、くびれ部3a付近に局
部的に2次加熱処理(再加熱処理)を行い、2次熱処理
後のビッカース硬さHvが40未満になるまで2次加熱
処理をする。これにより、陽極容器1の全体を均一硬さ
にする。2次加熱処理後のくびれ部3bと直管部の硬さ
はそれぞれほぼ同様にビッカース硬さHvが40未満で
ある。
【0018】前記(3) のくびれ部の機械加工後に(4) の
2次加熱処理(再加熱処理)を行う理由は次の通りであ
る。くびれ加工後の部位は著しい加工硬化が生じてお
り、加工後のくびれ部は直管部に比べかなり硬い。この
ため、この陽極容器を熱サイクル試験した場合、初期の
熱サイクル例えば1〜3回においてそのくびれ加工部位
の表面にヘアークラック、ピット等が発生していると、
その後の熱サイクル時にその位置を起点にクラックが発
生する恐れがある。また初期の熱サイクル段階でクラッ
クが観察されない場合、その後の昇温、保持によりこの
くびれ部位はほぼ直管部と同様の硬さになることが判明
した。この2次加熱処理を行うことにより、電池運転時
と停止時との繰り返しを行う熱サイクル時に発生するク
ラック発生数を大幅に低減できる。
【0019】次に、前記のように構成されたこの実施例
のナトリウム−硫黄電池についての作動を説明する。さ
て、この電池は運転時に300〜350℃に加熱され、
この状態で陰極室R1のナトリウムNaと陽極室R2の
硫黄Sとがイオン化される。そして、このイオン化され
たナトリウムは、放電時に固体電解質管8を透過して陽
極室R2側に移り、硫黄Sと反応して多硫化ナトリウム
を生成する。また、逆に充電時には、多硫化ナトリウム
が分解し、生成したナトリウムイオンが固体電解質管8
を透過して、陰極室R1側にナトリウムNaを生成する
とともに、陽極室R2側に硫黄Sを生成する。
【0020】このように、電池は運転時に300〜35
0℃まで加熱されるとともに、停止時には放熱して冷却
される。このとき、アルミニウムやアルミニウム合金等
の金属材料よりなる陽極容器1が、ベータアルミナ等の
セラミック材料よりなる固体電解質管8よりも熱膨張率
が大きいため、運転時には陽極容器1と固体電解質管8
の下端部との隙間が拡大し、停止時にはこの隙間が減少
する。
【0021】ところが、運転時に溶融状態にあった多硫
化ナトリウムが240℃付近まで冷却されると固化し
て、陽極容器1と固体電解質管8の下端部との隙間に固
体相を形成するため、陽極容器1が冷却時に収縮しよう
とする。そして、電池の運転−停止を繰り返し行ってい
ると、陽極容器1が熱変化により伸長もしくは収縮され
た場合でも、その陽極容器1の伸縮は上下一対のくびれ
部3、4に分担して確実に吸収緩和される。しかも、陽
極容器1の外周のくびれ部3、4や陽極容器1の内面の
耐食被膜でのクラックの発生を低減し、固体電解質管8
の破損発生率を低減する。
【0022】(実験1)実験1では、再加熱処理温度と
パイプ硬さとの関係についてくびれ部の欠陥の発生の有
無について実験した。その結果は図6に示すとおりであ
った。ここで用いたアルミニウムパイプは、外径が60
mm、長さが360mm、肉厚が2.2mm、内径が4
7mmの一対のくびれ部3、4を形成したものを用い
た。
【0023】図6に示すグラフから明らかなように、く
びれ加工をつける時は400℃以上に加熱して材料を完
全に軟化させないと、著しい加工硬化によりくびれ加工
部が破損する。又、再加熱も400℃以上に加熱しない
と材料は完全に軟化しない。すなわち、直管部と同じ硬
さにするには、400℃以上が必要である。 (実験2)実験2では、陽極容器の直管部の肉厚t1
くびれ部の最薄肉部分の肉厚t2との関係をクラック発
生率との関係で実験した。
【0024】実施例1では、前述の図1に示す形状のく
びれ部3を有する陽極容器を用い、実施例2では図3に
示すくびれ部23を有する陽極容器を用い、比較例1と
しては、t2 =0.8mmのものを用いた。直管部の肉
厚はそれぞれt1 =2.0mm、内径は40mm、長さ
420mm、材質がアルミニウム合金のものを用いた。
【0025】この実験2では、実施例1、2および比較
例1の陽極容器を使用した電池を前述のごとく構成し、
この電池の熱サイクル数とくびれ部のクラック発生数と
の関係を実験した。熱サイクルは室温RTと310℃間
で行った。その結果は図7に示すとおりである。図7に
示すように、実施例1および実施例2については熱サイ
クル数が比較的多い段階までクラックは発生しなかっ
た。またクラック発生後の熱サイクル数が増大してもそ
れほどくびれ部のクラック発生数は増加しなかった。こ
れに対し、比較例1では、熱サイクル数が約50回とい
う比較早期の熱サイクル回数においてくびれ部のクラッ
ク発生が認められ、その後熱サイクル数が増大するにつ
れくびれ部のクラック発生数が増大する現象が顕著に認
められた。
【0026】実験結果より考察すると、陽極容器の直管
部の板厚とくびれ部の最薄肉部分の板厚との関係が、 1/2 t1 ≦t2 <t1 の関係にあるときクラック発生率が大幅に小さくなって
いることが判明した。 (実験3)実験3では、直管部の板厚t1 を固定値と
し、くびれ部の最薄肉部位の板厚t 2 の値を変化させ、
熱サイクル数とクラック発生数との関係を実験した。
【0027】前記実験2で判明した直管部の板厚とくび
れ部の最薄肉部分の板厚との関係をさらに究明するため
に実験3を行った。熱サイクルは室温RTと310℃間
で行った。その実験結果は図8に示すとおりであった。
またくびれ部の最薄肉部分の板厚t2 については表1に
示すとおりの 1/2 t1 ≦t2 <t1 を満たす実施例
11、12、13を用い、比較例としてはt2 <1/2 t
1 の関係を満たす比較例11、12を用いた。
【0028】
【表1】
【0029】実験結果は図8に示すように、比較例1
1、12に比べ実施例11、12、13に示すものにつ
いて熱サイクル数が増えてもくびれ部のクラック発生数
は大幅に低減していることが判明した。この実験結果か
ら、実験のくびれ部の板厚が電池運転時の熱サイクルと
クラック発生との関係に前記のとおりの因果関係がある
ことが見出された。
【0030】上述のごとく陽極容器のくびれ部に発生す
るクラックあるいは破損部の発生状況を模式的に図示し
たものが図9および図10である。図9ではくびれ部の
クラック発生状況を示し、図10ではこのクラックの発
生数が増加しさらには破損が発生した状況を模式的に示
している。なお、本発明は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、例えば、くびれ部の個数は1個でも良
く3個以上でも良い。またくびれ部の形状は前記第1実
施例、第2実施例以外の形状でも良く、本発明の趣旨か
ら逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して具体
化することも可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明のナトリウム−硫黄電池によれ
ば、陽極容器の熱変化に伴う伸縮を十分に吸収緩和する
ことができて、電池の運転−停止を繰り返し行った際
に、陽極容器の外周のくびれ部や陽極容器の内面の耐食
皮膜にクラックが生じたり、固体電解質管が破損したり
するおそれを確実に防止することができる。
【0032】本発明のナトリウム−硫黄電池の陽極容器
の製造方法によれば、熱サイクル時にクラック等が発生
し難い陽極容器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第1
実施例の陽極容器のくびれ部を示す模式的断面図であ
る。
【図2】本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第1
実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第2
実施例の陽極容器のくびれ部を示す縦断面図である。
【図4】本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第1
実施例の陽極容器の製造工程を示すブロック図である。
【図5】本発明を適用したナトリウム−硫黄電池の第1
実施例の陽極容器の製造工程を示す模式図である。
【図6】くびれ部の欠陥の有無について陽極容器用の金
属パイプの熱処理温度とパイプ硬さとの関係を示す特性
図である。
【図7】前記運転と停止を繰り返す熱サイクル数とくび
れ部のクラック発生数との関係を示す特性図である。
【図8】実験2で行った熱サイクル数とくびれ部のクラ
ック発生数との関係を示す特性図である。
【図9】電池の熱サイクルを繰り返すときに発生するク
ラックの発生状況を示す模式図である。
【図10】電池の熱サイクルを行ったときに発生するク
ラックおよび破損部との発生状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1 陽極容器 3、4 くびれ部 18 直管部 23 くびれ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 10/39

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の金属製の陽極容器内にセラミック
    製の固体電解質管を取付け、この固体電解質管の内側の
    陰極室内にナトリウムを収容し、前記固体電解質管の外
    側の陽極室内に硫黄を収容してなるナトリウム−硫黄電
    池において、 前記陽極容器の外周部に環状のくびれ部を形成し、このくびれ部は、内壁面が直管部の内壁面よりも筒径方
    向内側に突出した凸部を有し、 前記陽極容器の板厚について、直管部の板厚をt1 、く
    びれ部の最薄肉部分の板厚をt2 とすると、t1 とt2
    の関係が、1/2 t1 ≦t2 <t1 になるように前記くび
    れ部を形成したことを特徴とするナトリウム−硫黄電
    池。
  2. 【請求項2】 筒状の金属製の陽極容器内にセラミック
    製の固体電解質管を取付け、この固体電解質管の内側の
    陰極室内にナトリウムを収容し、この固体電解質管の外
    側の陽極室内に硫黄を収容してなるナトリウム−硫黄電
    池の前記陽極容器の製造方法において、金属材料からな
    る筒体を用意し、この筒体を加熱処理して加熱後のビッ
    カース硬さがHvが40未満になるまで1次加熱処理
    し、次いで、1次加熱処理した筒体の外周部に機械加工
    により環状のくびれ部を形成し、次いで少なくとも前記
    くびれ部に2次加熱処理を行い熱処理後のビッカース硬
    さHvが40未満になるまで2次加熱処理をすることを
    特徴とするナトリウム−硫黄電池の陽極容器の製造方
    法。
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