JP2767927B2 - 超電導マグネット装置 - Google Patents
超電導マグネット装置Info
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- JP2767927B2 JP2767927B2 JP26103489A JP26103489A JP2767927B2 JP 2767927 B2 JP2767927 B2 JP 2767927B2 JP 26103489 A JP26103489 A JP 26103489A JP 26103489 A JP26103489 A JP 26103489A JP 2767927 B2 JP2767927 B2 JP 2767927B2
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- superconducting
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- magnet
- superconducting magnet
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、電流供給のためのパワーリードを有する
超電導マグネット装置に関するものであり、特にトロイ
ダル形状のマグネットを備える超電導マグネット装置に
関するものである。
超電導マグネット装置に関するものであり、特にトロイ
ダル形状のマグネットを備える超電導マグネット装置に
関するものである。
[従来の技術] 従来の超電導マグネット装置に用いられる電流供給の
ためのパワーリードは、銅などのような低抵抗体の金属
から作られている。このように従来のパワーリードは常
電導材料のみから形成されているので、電流供給の際に
ジュール熱が発生する。この発熱は冷媒としての液体ヘ
リウムの消費量を増大させるので好ましくないものであ
る。
ためのパワーリードは、銅などのような低抵抗体の金属
から作られている。このように従来のパワーリードは常
電導材料のみから形成されているので、電流供給の際に
ジュール熱が発生する。この発熱は冷媒としての液体ヘ
リウムの消費量を増大させるので好ましくないものであ
る。
このようなジュール熱の発生を少なくするため、特公
昭63−50844号公報には、パワーリードの一部にNb3Snの
常電導材料を使用することが提案されている。
昭63−50844号公報には、パワーリードの一部にNb3Snの
常電導材料を使用することが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、Nb3Snの臨界温度が低いため、パワー
リード全体を臨界温度以下にすることができず、液体ヘ
リウムに近い一部分でしかこのような超電導材料を使用
することができなかった。このため、超電導材料以外の
常電導材料の部分では、従来と同様にジュール熱が発生
し、従来と同様の問題を生じた。
リード全体を臨界温度以下にすることができず、液体ヘ
リウムに近い一部分でしかこのような超電導材料を使用
することができなかった。このため、超電導材料以外の
常電導材料の部分では、従来と同様にジュール熱が発生
し、従来と同様の問題を生じた。
この発明の目的は、特にトロイダル形状のマグネット
を備えた超電導マグネット装置において、ジュール熱に
よる熱損失を少なくすることのできる超電導マグネット
装置を提供することにある。
を備えた超電導マグネット装置において、ジュール熱に
よる熱損失を少なくすることのできる超電導マグネット
装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] この発明の超電導マグネット装置は、パワーリードか
ら電流を供給するトロイダル形状のマグネットを備え、
パワーリードが高温超電導体部を有し、この高温超電導
体部がマグネットのトロイダル形状の中心に設けられて
いることを特徴としている。
ら電流を供給するトロイダル形状のマグネットを備え、
パワーリードが高温超電導体部を有し、この高温超電導
体部がマグネットのトロイダル形状の中心に設けられて
いることを特徴としている。
この発明において、トロイダル形状のマグネットは、
超電導線材をトロイダル状に巻付けた超電導マグネット
であってもよいし、ソレノイドコイルをトロイダル状に
配置させた超電導マグネットであってもよい。
超電導線材をトロイダル状に巻付けた超電導マグネット
であってもよいし、ソレノイドコイルをトロイダル状に
配置させた超電導マグネットであってもよい。
この発明において、高温超電導体部に用いられる高温
超電導体としては、酸化物系超電導体からなる高温超電
導体がある。たとえばYBa2Cu3O7-xなどのイットリウム
−バリウム−銅系酸化物や、BiSrCaCu2Oxのようなビス
マス−ストロンチウム−カルシウム−銅系酸化物があ
る。YBa2Cu3O7-xおよびBiSrCaCu2Oxのような液体窒素の
温度で超電導特性を示す高温超電導体を用いる場合に
は、高温超電導体部の室温部側の部分に、冷凍機の80K
ステージを取付けて冷却してもよい。また、これに代え
て、高温超電導体の室温側の部分に、液体窒素により冷
却するサーマルアンカを取付けて、高温超電導体を冷却
してもよい。
超電導体としては、酸化物系超電導体からなる高温超電
導体がある。たとえばYBa2Cu3O7-xなどのイットリウム
−バリウム−銅系酸化物や、BiSrCaCu2Oxのようなビス
マス−ストロンチウム−カルシウム−銅系酸化物があ
る。YBa2Cu3O7-xおよびBiSrCaCu2Oxのような液体窒素の
温度で超電導特性を示す高温超電導体を用いる場合に
は、高温超電導体部の室温部側の部分に、冷凍機の80K
ステージを取付けて冷却してもよい。また、これに代え
て、高温超電導体の室温側の部分に、液体窒素により冷
却するサーマルアンカを取付けて、高温超電導体を冷却
してもよい。
[作用] この発明の超電導マグネット装置では、パワーリード
の一部に高温超電導体部が設けられているめ、液体ヘリ
ウムから離れた高温超電導体の臨界温度以下の領域にお
いて、超電導状態とすることができ、ジュール熱の低減
を効果的に図ることができる。
の一部に高温超電導体部が設けられているめ、液体ヘリ
ウムから離れた高温超電導体の臨界温度以下の領域にお
いて、超電導状態とすることができ、ジュール熱の低減
を効果的に図ることができる。
第2図は、高温超電導体の磁場特性の一例を示す図で
ある。第2図に示されるように、高温超電導体は強い磁
場中において臨界電流密度が著しく減少する傾向を有し
ている。したがって、高温超電導体部に強い磁場が印加
された場合、パワーリード中を通り供給される電流の量
が減少してしまうおそれがある。
ある。第2図に示されるように、高温超電導体は強い磁
場中において臨界電流密度が著しく減少する傾向を有し
ている。したがって、高温超電導体部に強い磁場が印加
された場合、パワーリード中を通り供給される電流の量
が減少してしまうおそれがある。
第3図は、トロイダル形状マグネットから発生する磁
場の強度分布を示す図である。第3図に示すようにトロ
イダル形状の超電導マグネット1のトロイダル形状中心
においては磁場がキャンセルし合い、ほとんど0Tとな
る。この発明の超電導マグネット装置では、パワーリー
ドの高温超電導体部をマグネットのトロイダル形状の中
心に設けており、マグネットのトロイダル形状の中心で
はほとんど磁場がかからない。このため、この発明に従
う超電導マグネット装置では、パワーリードの高温超電
導体部に磁場をほとんど印加させることがなく、高い臨
界電流密度を確保することができる。
場の強度分布を示す図である。第3図に示すようにトロ
イダル形状の超電導マグネット1のトロイダル形状中心
においては磁場がキャンセルし合い、ほとんど0Tとな
る。この発明の超電導マグネット装置では、パワーリー
ドの高温超電導体部をマグネットのトロイダル形状の中
心に設けており、マグネットのトロイダル形状の中心で
はほとんど磁場がかからない。このため、この発明に従
う超電導マグネット装置では、パワーリードの高温超電
導体部に磁場をほとんど印加させることがなく、高い臨
界電流密度を確保することができる。
[実施例] 第1図は、この発明の一実施例を示す概略断面図であ
る。トロイダル形状のマグネット1は、マグネット収容
容器2内に収容されている。この超電導マグネット1に
は、パワーリード6により外部電源8からの電流が供給
されている。パワーリード6は、金属系超電導線3、高
温超電導線4および常電導線6の3つの部分から構成さ
れており、金属系超電導線3の一端は超電導マグネット
1に接続されている。この金属系超電導線3の配置され
ている部分は常に液体フリウムの温度に冷却されてい
る。金属系超電導線3の他方端には高温超電導線4の一
方端が接続されている。
る。トロイダル形状のマグネット1は、マグネット収容
容器2内に収容されている。この超電導マグネット1に
は、パワーリード6により外部電源8からの電流が供給
されている。パワーリード6は、金属系超電導線3、高
温超電導線4および常電導線6の3つの部分から構成さ
れており、金属系超電導線3の一端は超電導マグネット
1に接続されている。この金属系超電導線3の配置され
ている部分は常に液体フリウムの温度に冷却されてい
る。金属系超電導線3の他方端には高温超電導線4の一
方端が接続されている。
高温超電導線4は超電導マグネット1のトロイダル形
状の中心において垂直方向に設けられている。高温超電
導線4の他方端には常電導線5の一方端が接続されてい
る。高温超電導線4の上方部および常電導線5の部分に
は輻射熱をシールドするための輻射シールド板7が複数
枚設けられている。常電導線5の他方端には外部電源8
からの電線が接続されている。
状の中心において垂直方向に設けられている。高温超電
導線4の他方端には常電導線5の一方端が接続されてい
る。高温超電導線4の上方部および常電導線5の部分に
は輻射熱をシールドするための輻射シールド板7が複数
枚設けられている。常電導線5の他方端には外部電源8
からの電線が接続されている。
この実施例の超電導マグネット装置のパワーリード6
において、金属系超電導線3は常に液体ヘリウム中に浸
漬されており超電導状態が保たれる。また高温超電導線
4は液体ヘリウム中に浸漬されるか、あるいは液体ヘリ
ウムの近傍に位置しているため、臨界温度以下に冷却さ
れており常に超電導状態が保たれている。また高温超電
導線4は超電導マグネット1のトロイダル形状の中心に
設けられているため、高温超電導線4には、ほとんど磁
場がかからず、高温超電導線4の臨界電流密度を低下さ
せることなく電流を超電導マグネット1に供給すること
ができる。
において、金属系超電導線3は常に液体ヘリウム中に浸
漬されており超電導状態が保たれる。また高温超電導線
4は液体ヘリウム中に浸漬されるか、あるいは液体ヘリ
ウムの近傍に位置しているため、臨界温度以下に冷却さ
れており常に超電導状態が保たれている。また高温超電
導線4は超電導マグネット1のトロイダル形状の中心に
設けられているため、高温超電導線4には、ほとんど磁
場がかからず、高温超電導線4の臨界電流密度を低下さ
せることなく電流を超電導マグネット1に供給すること
ができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の超電導マグネット装
置では、パワーリードが高温超電導体部を有し、この高
温超電導体部がマグネットのトロイダル形状の中心に設
けられているため、高温超電導体部の臨界電流密度を低
下させることなくマグネットに電流を供給することがで
きる。
置では、パワーリードが高温超電導体部を有し、この高
温超電導体部がマグネットのトロイダル形状の中心に設
けられているため、高温超電導体部の臨界電流密度を低
下させることなくマグネットに電流を供給することがで
きる。
また、高温超電導体部を有しているため、極低温には
冷却されないがある程度低温になる部分にこの高温超電
導体部を位置させることにより、超電導状態の部分を従
来よりも多くすることができ、従来よりもジュール熱の
発生を低減させることができる。
冷却されないがある程度低温になる部分にこの高温超電
導体部を位置させることにより、超電導状態の部分を従
来よりも多くすることができ、従来よりもジュール熱の
発生を低減させることができる。
第1図は、この発明の一実施例を示す概略断面図であ
る。 第2図は、高温超電導体の磁場特性を示す図である。 第3図は、トロイダル形状のマグネットから発生する磁
場の強度分布を示す図である。 図において、1は超電導マグネット、2はマグネット収
容容器、3は金属系超電導線、4は高温超電導線、5は
常電導線、6はパワーリード、7は輻射シールド板、8
は外部電極を示す。
る。 第2図は、高温超電導体の磁場特性を示す図である。 第3図は、トロイダル形状のマグネットから発生する磁
場の強度分布を示す図である。 図において、1は超電導マグネット、2はマグネット収
容容器、3は金属系超電導線、4は高温超電導線、5は
常電導線、6はパワーリード、7は輻射シールド板、8
は外部電極を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】パワーリードから電流が供給されるトロイ
ダル形状のマグネットを備える超電導マグネット装置に
おいて、 前記パワーリードが高温超電導体部を有し、この高温超
電導体部が前記マグネットのトロイダル形状の中心に設
けられていることを特徴とする、超電導マグネット装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26103489A JP2767927B2 (ja) | 1989-10-04 | 1989-10-04 | 超電導マグネット装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26103489A JP2767927B2 (ja) | 1989-10-04 | 1989-10-04 | 超電導マグネット装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03123005A JPH03123005A (ja) | 1991-05-24 |
JP2767927B2 true JP2767927B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=17356136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26103489A Expired - Lifetime JP2767927B2 (ja) | 1989-10-04 | 1989-10-04 | 超電導マグネット装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767927B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2701157B1 (fr) * | 1993-02-04 | 1995-03-31 | Alsthom Cge Alcatel | Liaison d'alimentation pour bobine supraconductrice. |
WO2005026488A1 (ja) | 2003-09-08 | 2005-03-24 | Sony Corporation | 制御装置および制御方法、記録媒体、プログラム、並びに建造物 |
CN103035353B (zh) * | 2012-12-17 | 2015-03-25 | 中国科学院电工研究所 | 一种应用Bi系和Y系高温超导带材绕制的组合绕组 |
JP6628391B2 (ja) * | 2015-03-18 | 2020-01-08 | 昭和電線ケーブルシステム株式会社 | 電流リード固定用フランジユニット及び電流リード付きフランジユニット |
-
1989
- 1989-10-04 JP JP26103489A patent/JP2767927B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03123005A (ja) | 1991-05-24 |
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Legal Events
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