JP2766953B2 - 部品の組立・接合方法及びその装置 - Google Patents

部品の組立・接合方法及びその装置

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JP2766953B2
JP2766953B2 JP7312599A JP31259995A JP2766953B2 JP 2766953 B2 JP2766953 B2 JP 2766953B2 JP 7312599 A JP7312599 A JP 7312599A JP 31259995 A JP31259995 A JP 31259995A JP 2766953 B2 JP2766953 B2 JP 2766953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品、半導体
装置、各種センサ(圧力センサ、力覚センサ)、エレク
トロメカニックス部品(マイクロポンプ、マイクロバル
ブ、マイクロアクチュエータ)などの部品を熱的、機械
的な損傷を与えないで組立・接合するための方法及び装
置に係り、特に、一回の加熱・加圧処理で多数の接合部
材を組立・接合する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】接合面にイオンビームを照射して固相接
合し、接合部品を組立・接合する方法およびその装置
は、例えば特開昭54ー124853号公報、特開昭6
0ー187485号公報、特開昭62ー282789号
公報、特開昭63ー183787号公報などに記載され
ている。これらはいずれも超高真空中での接合であり、
また対向する2つの部品を接合するための方法及び装置
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
電子部品、各種センサ、エレクトロメカニックス部品な
どのマイクロ部品は3つ以上の複数の部品から構成され
ており、上記接合方法及び装置では、接合雰囲気が超高
真空であること及び3つ以上の複数の部品を一回の接合
処理では組み立てられないという欠点を有している。な
お、ここでいう超高真空とは圧力が1/108torr以下
の場合をいい、1/104〜1/106torr程度の圧力を
高真空という。
【0004】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたものであり、本発明の目的は、超高真空下
でなくとも接合可能で、かつ一回の接合処理で3つ以上
の部品を組立・接合できる方法及び装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般材料は、通常の高真
空中では、イオンあるいは原子ビームの照射により接合
面を活性化しても、活性化された接合面は、雰囲気中の
残留ガス(酸素、水分、ハイドロカーボンなど)による
酸化、吸着で汚染される。したがって、超高真空中での
接合でないと活性化された接合面の活性状態が維持でき
ず、接合性は低下する。超高真空下では、イオンあるい
はアトムビームで接合面を活性化した後は、酸素や水分
あるいはハイドロカーボンなどでの接合面の再汚染は少
なく接合性がよい。しかし、超高真空を維持したまま接
合することは困難であり、接合プロセス及びその装置は
実用的でない。
【0006】しかし、1/104〜1/106torrの高真
空中でも、接合面に金の膜を予め形成しておけば接合面
の再汚染は抑制され、超高真空下での接合でなくとも容
易に接合できる。また、金の軟質性から、低い温度でか
つ低圧力で接合可能となる。接合温度は熱による寸法精
度の低下及び材料の劣化の点から、複数の接合部材の材
料のうち最も融点の低い材料の固相線温度以下とする。
一方、発明者等は、3つ以上の接合部材を一回の加熱・
加圧処理で接合・組立するため、接合部材はすべて装置
内に搬入し、各接合部材の接合面を活性化した後、高真
空雰囲気内で順次搬送、及び反転等を行って接合部材を
積み重ね合わせて積層部材を構成し、その後該積層部材
を加熱・加圧して一括接合する方法及び装置を考案し
た。
【0007】上記の目的は、複数の部品を真空または不
活性雰囲気下で組立・接合する方法において、予め必要
形状の加工が施された複数の接合部材それぞれの接合面
には金膜を形成し、かつ、所定の箇所にはんだ薄膜ある
いはバンプを形成し、接合部材に必要な構成部材を組み
込み、該複数の接合部材をすべて真空容器中に搬入し
て、各接合部材の接合面にイオンあるいはアトムビーム
を照射し、その後、該接合部材を接合面同士を対向させ
て順次重ね合わせ、該重ね合わせ部材を加圧して各金膜
面間を一体化接合することにより達成される。
【0008】重ね合わせた複数の接合部材をはんだ薄膜
あるいはバンプを利用して仮接合して積層部材とし、こ
の仮接合した積層部材を改めて加圧して接合してもよ
い。加圧の際、同時に加熱してもよいが、そのときの接
合温度は熱による寸法精度の低下及び材料の劣化の点か
ら、複数の接合部材の材料のうち最も融点の低い材料の
固相線温度以下とするのがよい。また、重ね合わせの際
の位置決めに、はんだ薄膜あるいはバンプを用いるとよ
い。
【0009】本発明では、予め接合面に金膜を形成して
おく。金膜は化学的に安定なことから酸化せず、また残
留ガスの吸着がほとんどないため、高真空中の残留ガス
によっては顕著に汚染されない。その結果、低い温度で
も接合できる。また、金は軟質であり塑性変形能が大き
いことから低い接合圧力で接合面同士を密着・接合でき
る。一方、予め接合面の所定の場所に形成されたはんだ
薄膜あるいはバンプは位置決めのマーカとして利用され
る。また、真空中でイオンあるいはアトムビームで照射
されて活性化された状態ではんだ薄膜あるいはバンプ同
士を重ね合わせることで両者は接合され、結果として2
つの接合部材を仮接合できる。仮接合は位置決め後の搬
送で位置ずれさせないために必要である。
【0010】3つ以上の部品の接合・組立を実現するた
め、予め最終形状に加工された部材をすべて本装置内に
搬入し、順次重ね合わせて積層し、その後加圧して一括
接合する。加圧に際し、構成材料のうち最も融点の低い
材料の固相線以下の温度にまで加熱するようにしてもよ
い。
【0011】上記の目的はまた、真空あるいは不活性雰
囲気下で部品を組立・接合する装置を、接合部材を搬
入、搬出、搬送及び上下面を反転する機構を備えたロボ
ット室と、該ロボット室と連接し前記複数の接合部材を
加熱する機構及び真空排気系を備えるとともに接合部材
を外部から搬入するための開閉可能な搬入口を備えたロ
ードロック室と、前記ロボット室と連接し真空中でイオ
ンあるいはアトムビームを発生するエネルギ源及び真空
排気系を備えた活性化室と、前記ロボット室から搬送さ
れてきた複数の前記接合部材を高精度に位置決めする機
構を備え、かつ、該接合部材を加熱・加圧する機構及び
真空排気系を備えた接合室とを含んでなり、前記ロボッ
ト室が中心に位置し、該ロボット室の周りに前記ロード
ロック室、前記活性化室、前記接合室、前記組立室がそ
れぞれ前記ロボット室と連接して配置されている構成と
することによっても達成される
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1によ
り説明する。図1は本発明に係る装置の鳥瞰図を示す。
本装置はマルチチャンバ方式とし、接合部材を搬送、ハ
ンドリングするための真空ロボット及び接合部材を反転
するための反転機構を備えたロボット室1が装置の中央
に位置し、その周りに該ロボット室1と連接して接合品
を搬入、搬出するためのロードロック室2と、真空中で
イオンあるいはアトムビームを発生するエネルギ源3を
備えた活性化室4と、前記ロボット室から搬送されてき
た複数の接合部材を高精度に位置決めして組み立てる機
構を備えた組立室5と、組立後の部材を加熱・加圧する
機構6を備えた接合室7と、を含んで構成されている。
なお、各室は放出ガスの少ない材料(ステンレス鋼及び
アルミニウム合金)で製作されており、各室には十分な
排気速度を有する真空排気系(ロータリーポンプ+ター
ボ分子ポンプ)8を設置してある。また、接合プロセス
上、ロボット室とは雰囲気圧力を異ならせる必要がある
ロードロック室2及び活性化室4には、ロボット室1と
の間に、それぞれゲートバルブ9A,9Bが設けられて
いる。以下、各室の詳細を記述する。
【0013】(1)ロボット室 ロボット室1の内部構成を図2に示す。ロボット室内に
は、アーム11により各室間における接合部材の搬送を
行う真空ロボット10が設置されており、該真空ロボッ
ト10により接合部材を各室へ搬送するため、ロボット
室は装置の中心に位置している。また、ロボット室1に
は、接合時に接合部材の活性化した接合面を相対向させ
るため、あるいは接合部材両面を活性化するために、接
合部材を上下反転させる反転機構12を設けている。真
空ロボット10の構成や、反転機構12の詳細は、従来
公知の技術であるので詳細説明は省略する。
【0014】(2)ロードロック室 ロードロック室内部の外観を図3に示す。ロードロック
室2はロボット室1内部(高真空)と装置外部(大気
圧)との間の接合部材13の搬入、搬出口に当たる。ロ
ードロック室2は、ロボット室1との間にゲートバルブ
9Aを、外部との間に図示されていない搬入扉を、それ
ぞれ有して他室から独立した真空排気系8を持ち、単独
での高真空排気又は大気圧開放を可能となっている。室
内には接合部材13を保持して上下できるリフター機構
14があり、一度に3つの接合部材13を保持できる。
また、接合部材13を搬入するときに接合雰囲気を汚染
しないために、真空雰囲気中で備え付けのランプヒータ
15を用いて接合部材13を最大150℃まで加熱で
き、加熱により接合部材13表面に付着している水分、
油脂分を脱離するようにしてある。ランプヒータ15に
より接合部材13を予備加熱して脱気することで、接合
室7内へ搬送後の排気時間も大幅に短縮できる。なお、
短縮時間は挿入する接合部材13の管理状態、及び数に
依存する。
【0015】(3)活性化室 接合部材13は、ロボット室1に設置されている真空ロ
ボット10により、ロードロック室2から活性化室4へ
搬送される。活性化室4内部の外観を図4に示す。活性
化室4ではECR(Electoron Cyclotron Resonanc
e)イオン源16にて発生させたArイオンビーム17を
照射して、接合部材13の接合表面を清浄化・活性化す
る。そのため、イオンビーム照射口を室内上面に配置
し、室内下面に接合部材保持用の活性化ステージ18を
設けている。なお、より均一な活性面を得るために、活
性化ステージ18は回転できる(1〜120rpm)ようにな
っている。また、活性化室4にも独立した真空排気系8
が備え付けられている。これは、活性化のときに室内に
Arガスを導入するので、他室と切り離して排気しなけ
ればならないからである。
【0016】ここで、活性化条件を定量的に把握するこ
とは重要であり、ECRイオン源16のビームにより接
合部材13に形成された金膜(Au膜)のエッチングレ
ート分布を測定した。厚さ1000nmのAu膜をスパッ
タリングにより形成した4インチSUS板材(厚さ0.
8mm)を活性化ステージ18に設置し、Arガス圧
力:5/104torr、マイクロ波電力:500W、バイ
アス電圧:−100V、活性化ステージ回転数:3rpm
の条件でビームを60min照射した。その結果、4イン
チ板表面内のエッチングレートは6.7〜13.5nm/
minであった。
【0017】一方、活性化前に本板状部材表面上に形成
したAuスパッタ膜上をオージェ電子分光分析した結
果、Au膜状には汚染物として、水分などの吸着ガスは
検出できないが、カーボンが検出され、その厚さは4〜
5nmであった。したがって、Au膜表面上の汚染層をす
べて除去するのに必要な時間は、エッチングレートを
6.7nm(最小値)として計算すると、45秒以上であ
れば十分であることがわかる。なお、接合面の活性化の
ために用いるECRイオン源16の代わりにアルゴン原
子を発生させるアトムソースを用いてもよい。
【0018】(4)組立室 図に組立室内部の構成部品を示す。接合面が活性化さ
れた接合部材13は、位置決めのため、順次、活性化室
4から組立室5に、真空ロボット10により搬送され
る。組立室5には2つの接合部材を相対向させて位置決
めするため、1つの接合部材13を置くX−Y−θステ
ージ19及び他方の接合部材13を把持する治具20が
設けてある。なお、下側の接合部材13を置くステージ
19はX,Y及びθ方向に移動できるようになってお
り、治具20は加圧軸28を介して加圧機構27に結合
されており、Z方向に移動できるようになっている。ま
た、組立室5の壁面には透明な観察窓32が設けられ、
この観察窓32を通して内部を観察するCCDカメラ2
4が組立室5の外に配置されている。CCDカメラ24
にはテレビモニタ25が接続され、CCDカメラ24で
撮影された画像が表示されるようになっている。組立室
5内には、X−Y−θステージ19と治具20を結ぶ線
に平行に、かつ、前記CCDカメラ24の正面になる位
置にミラー26が配置され、ミラー26と前記CCDカ
メラ24を結ぶ線とX−Y−θステージ19と治具20
を結ぶ線の交わる位置にハーフミラー23が配置されて
いる。ミラー26とハーフミラー23は、ミラー26と
前記CCDカメラ24を結ぶ線に沿って進退可能になっ
ている。さらに、組立室5の壁面21を通して2本の光
ファイバ22が組立室内部に導かれ、一方の光ファイバ
22を通った光がX−Y−θステージ19上の接合部材
13を、他方の光ファイバ22を通った光が治具20に
保持された接合部材13を、それぞれ照明するようにし
てある。ミラー26とハーフミラー23、CCDカメラ
24とテレビモニタ25、及び光ファイバ22が位置認
識機構を構成する。
【0019】真空ロボット10により搬送されてきた接
合部材13は先ずX−Y−θステージ19上に置かれ
る。次に搬送されてきた接合部材13は先に搬送された
部材に相対向した位置で治具20に保持される。そし
て、組立室の壁面21を通して外部から導入された光フ
ァイバ22で上部に位置する接合部材13(治具20に
保持された接合部材13)が照明され、接合部材13の
所定の位置に予め付けられたマーク(はんだ薄膜あるい
はバンプ)をハーフミラー23を介してCCDカメラ2
4で観察し、テレビモニタ25のカーソルを合わせる。
その後、X−Y−θステージ19上の接合部材13を光
ファイバ22で照明し、同様にハーフミラー23を介し
てCCDカメラ24で観察して予め付けられたマークを
認識し、X−Y−θステージ19を駆動してすでに位置
決めしたテレビモニタ25上のカーソルにそのマークを
合わせる。次いで、ミラー26及びハーフミラー23を
退避させ、治具20に把持された上部の接合部材13を
下降(Z方向に移動)させ、X−Y−θステージ19上
の接合部材13の上に重ね合わせる。そして、上部に設
置された加圧機構27で加圧軸28を下降させて重ねら
れた接合部材13を加圧し、仮接合する。なお、仮接合
は予め接合面に形成された仮接合パッドを介して行う。
この仮接合パッドについては後述する。以上のような操
作で順次搬送されてきた接合部材13を繰り返し仮接合
し、多層に仮接合・組立する。発明者等が、以上のよう
な機構を用いて3つの接合部材を積層接合した結果、そ
の位置決め精度は±5ミクロンメータであった。
【0020】(5)接合室 高精度に位置決め組立・仮接合された接合部材13は、
真空ロボット10により、組立室5から接合室7に搬送
される。接合室内部の外観を図6に示す。ここでは、積
層・仮接合された接合部材13の接合面同士を、加熱・
加圧により接合する。そのため、接合室上方外部に加圧
シリンダ29が設けられ、接合室内に該加圧シリンダ2
9と結合した加圧ヘッド30が設置されている。また、
室内下部に、接合部材の加熱用ヒータを組み込んだ加圧
・加熱テーブル31を設けている。前記組立後の部材を
加熱・加圧する機構6は、加圧シリンダ29、加圧ヘッ
ド30、及び加圧・加熱テーブル31を含んで構成され
ている。
【0021】本接合室での加圧方式は、クリーンルーム
内に設置するため、オイルミストがでないよう空気圧を
作動圧力源とし、コンバータにより油圧に変換し、加圧
ロッドを介して一軸加圧とした。
【0022】次に、上記接合装置を用いてマイクロ部品
を組立・接合した例を示す。図7、8はマイクロポンプ
を組立・接合する時のプロセスの概略を示し、図9は作
業の手順を示す。
【0023】まず、図7の(a)に示すように、予め複
数個の穴が形成された鋼製板状蓋40及び鋼製板状中間
材41、予め複数の流路が形成された鋼製板状流路部材
42、前記穴と同じ数の鋼製のアウタロータ43及びイ
ンナロータ44を準備した。なお、鋼製板状蓋40及び
鋼製板状流路部材42の片面(接合面)には予め金メッ
キが施され、また、鋼製板状中間材41は両面が接合面
となるため両面に予め金メッキが施されている(手順9
1)。各金メッキ面には、所定の場所3か所に、インジ
ウム−錫はんだ合金薄膜(以下、はんだ膜という)が形
成されている(手順92)。なお、このはんだ膜は、鋼
製板状蓋40、鋼製板状流路部材42、及び鋼製板状中
間材41の、最終的に切り落される部分に形成される。
鋼製板状蓋40、鋼製板状中間材41、及び鋼製板状流
路部材42がマイクロポンプのケーシングとなる。
【0024】以下、接合手順を説明する。先ず、ゲート
バルブ9Aが閉じられ、ロードロック室2以外の各室は
1/105torr以下の高真空にまで排気される。そし
て、接合装置の外で予め前記鋼製板状中間材41のそれ
ぞれの穴にそれぞれ一個づつのアウタロータ43及びイ
ンナロータ44を組み込んだ(手順93)組み込み部材
45、前記鋼製板状蓋40及び前記鋼製板状流路部材4
2を搬入扉からロードロック室に搬入され、リフター機
構14に載置される。次に搬入扉が閉じられ、ロードロ
ック室2は大気圧から1/105torrの高真空まで排気
される。ロードロック室内のリフター機構14に載置さ
れたこれら3つの接合部材は、ロードロック室2が所要
の真空度まで排気された後、ランプヒータ15により1
20℃まで加熱される(手順94)。
【0025】その後、ロボット室との間にあるゲートバ
ルブ9Aを開き、真空ロボット10により組み込み部材
45及び板状部材42を順次活性化室4へ搬送して、活
性化ステージ18に載置する。このとき組み込み部材4
5と板状部材42が接合される面が上面になるような姿
勢で、ロードロック室への搬入が行われる。活性化室4
へ搬送がすむと、ロボット室と活性化室との間にあるゲ
ートバルブ9Bを閉じる。次いで、活性化室4へアルゴ
ンガスを導入して、エネルギ源3を動作させ、アルゴン
イオンビーム17を組み込み部材45及び板状流路部材
42の金メッキ面に照射する(手順95,図7の(b)
の状態)。この照射により接合面上の汚染層は除去さ
れ、接合面は活性化される。
【0026】その後、ロボット室1と活性化室4との間
にあるゲートバルブ9Bを開いて真空ロボット10によ
り組み込み部材45を組立室5へ搬送し、X−Y−θス
テージ19上に載置する。さらに板状流路部材42を反
転機構12により上下反転して組立室5へ搬送し、治具
20に両部材の接合面同士、すなわち金メッキ面同士が
相対向するよう把持させる。組み込み部材45は、両接
合面に予め3カ所の所定の場所に形成されているはんだ
薄膜をマーカーとして、X−Y−θステージ19及び位
置認識機構を用いて、先に述べた手順で、板状流路部材
42に対して位置決めされる(手順96、図7の(c)
の状態)。
【0027】その後加圧機構27で治具20を下降さ
せ、両者の接合面同士を重ね合わせて常温で加圧し仮接
合する(手順97、図7の(d)の状態)。この仮接合
は組み込み部材45及び板状流路部材42の接合面上の
所定の場所に予め形成され位置決めに使用された前記は
んだ薄膜を介して行われる。すなわち、両接合面上のは
んだ薄膜は金メッキ面の活性化時に同時に活性化されて
いるので、両薄膜同士を重ね合わせて加圧すると容易に
圧接できる。なお、本実施例では常温で圧接したが10
0℃程度に加熱して圧接すればより接合性は向上する。
しかし、そのためには加熱のためのヒータを備えなけれ
ばならない。また、上記位置決めと仮接合には、はんだ
薄膜でなく、はんだバンプを予め接合面の所定に場所に
形成しておいて用いてもよい。
【0028】次に、組み込み部材45と板状流路部材4
2との仮接合体47を、真空ロボット10により、組立
室5から活性化室4に搬送し、またロードロック室2に
残されている前記鋼製板状蓋40も活性化室4に搬送す
る。そして、ゲートバルブ9Bを閉じ、アルゴンガスを
導入したのち、これらにアルゴンイオンビーム17を照
射して活性化を行う(図8の(e)の状態)。活性化終
了後ゲートバルブ9Bを開き、鋼製板状蓋40を上下反
転して組立室5へ搬送して治具20に保持させる。ま
た、前記仮接合体47も組立室5へ搬送して、X−Y−
θステージ19に載置する。この状態で、鋼製板状蓋4
0の接合面と仮接合体47の接合面は互いに対向してい
る。両接合面が相対向した状態で、両接合面に予め3カ
所の所定の場所に形成されているはんだ薄膜をマーカー
として、X−Y−θステージ19及び位置認識機構を用
いて、先に述べた手順で、仮接合体47が鋼製板状蓋4
0に対して位置決めされる(図8の(f)の状態)。
【0029】位置決め終了後、両者を重ね合わせて、前
記同様はんだ薄膜を介して仮接合する。以上のような工
程で組み込み部材45、板状流路部材42及び板状蓋4
0が3層積層状態で仮接合されたことになる。これを3
層仮接合体48という(図8の(g)の状態)。しかし
ながら、この3層仮接合体48の接合部は、それぞれ3
カ所の薄膜を介した点接合なのでその接合強度は低い。
この3層仮接合体48を接合室7へ搬送し、150℃の
温度に加熱し、5MPaの圧力で加圧する(手順9
9)。この加圧により、各接合面の金膜が互いに密着し
て接合され、本接合体49となる(図8の(h)の状
態)。この加熱温度は、3層仮接合体48を構成してい
る各材料の固相線以下の温度としてある。
【0030】金は展性、延性がよいので、接合面に微小
な凹凸があっても、低い温度(常温)、低い圧力で容易
に変形し、接合面は互いに隙間なく密着して強い接合力
で接合される。また、金膜は化学的に安定で酸化せず、
また残留ガスの吸着がほとんどないので、一旦、表面を
活性化すると、高真空内に保持していても、その活性に
影響が出るほど雰囲気内の残留ガスに汚染されることが
なく、接合作業を超高真空内でなくて高真空内で行うこ
とができる。
【0031】本接合後、ロードロック室2より本接合体
49を搬出する。この本接合体49は後に所定の箇所で
切断され(手順100)、一度の接合処理で非常に数多
くのマイクロポンプが製作できる。
【0032】本実施例によれば、接合面の活性化や、接
合作業を高真空雰囲気で行うことことが可能になるとと
もに、接合面活性化後の接合部材の移動、ハンドリング
を接合面の汚染の恐れ無しに行うことができるので、複
数の部品からなる構造体を、熱的、機械的、電気的損傷
なしに、一回の接合処理で接合・組立することが可能で
あった。本実施例によれば、また、常温で、かつ低い圧
力で加圧することで接合できるので、部材の熱的、機械
的、電気的損傷のない接合作業を実現できる。
【0033】なお、上記実施例においては、各接合部材
を一旦、仮接合したのち、本接合したが、仮接合を行う
ことなく、位置決め後直ちに本接合を行い、本接合を行
ったものにさらに他の部材を接合するようにしてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、複数の部品からなる構
造体を、熱的、機械的、電気的損傷なしに、かつ、超高
真空下でなくとも、一回の接合処理で接合・組立可能と
なる。また、板状の接合部材に同じものを数多く形成し
ておけば、一回の接合処理で同じ物が数多く製作でき量
産性に優れた接合・組立方法及び装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である部品組立・接合装置の全
体を示す斜視図である。
【図2】図1に示すロボット室内部内部の斜視図であ
る。
【図3】図1に示すロードロック室内部の斜視図であ
る。
【図4】図1に示す活性化室内部の斜視図である。
【図5】図1に示す組立室内部の構成部品を示す斜視図
である。
【図6】図1に示す接合室内部の斜視図である。
【図7】本発明による接合プロセスを示す部材の状態で
示す概略図である。
【図8】図7に続いて本発明による接合プロセスを示す
概略図である。
【図9】本発明による接合プロセスを示す手順図であ
る。
【符号の説明】
1 ロボット室 2 ロードロック室 3 エネルギ源 4 活性化室 5 組立室 6 加熱・加圧機構 7 接合室 8 真空排気系 9A,9B ゲートバルブ 10 真空ロボット 11 アーム 12 反転機構 13 接合部材 14 リフター機構 15 ランプヒータ 16 ECRイオン源 17 Arイオンビーム 18 活性化ステージ 19 X−Y−θステージ 20 治具 21 壁面 22 光ファイバ 23 ハーフミラー 24 CCDカメラ 25 テレビモニタ 26 ミラー 27 加圧機構 28 加圧軸 29 加圧シリンダ 30 加圧ヘッド 31 加圧・加熱テーブル 32 透明窓 40 鋼製板状蓋 41 鋼製板状中間材 42 鋼製板状流路部材 43 アウタロータ 44 インナロータ 45 組み込み部材 47 仮接合体 48 3層仮接合体 49 本接合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−82280(JP,A) 特開 昭51−16261(JP,A) 特開 平7−100667(JP,A) 特開 昭56−66390(JP,A) 特開 平3−81077(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 20/00 B23K 20/14 B23K 20/16 B23K 1/005 B01J 19/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部品を真空または不活性雰囲気下
    で組立・接合する方法において、予め必要形状の加工が
    施された複数の接合部材それぞれの接合面に金膜を形成
    し、かつ、接合面の所定の箇所にはんだ薄膜あるいはバ
    ンプを形成し、次いで接合部材に必要な構成部材を組み
    込み、該複数の接合部材をすべて真空容器中に搬入し
    て、各接合部材の接合面にイオンあるいはアトムビーム
    を照射し、その後、該接合面同士を互いに対向させて接
    合部材を順次重ね合わせ、該重ね合わせ部材を加圧して
    各金膜面間を一体化接合することを特徴とした部品の組
    立・接合方法。
  2. 【請求項2】 複数の部品を真空または不活性雰囲気下
    で組立・接合する方法において、予め必要形状の加工が
    施された複数の接合部材それぞれの接合面に金膜を形成
    し、かつ、接合面の所定の箇所にはんだ薄膜あるいはバ
    ンプを形成し、次いで接合部材に必要な構成部材を組み
    込み、該複数の接合部材をすべて真空容器中に搬入し
    て、各接合部材の接合面にイオンあるいはアトムビーム
    を照射し、その後、該接合面同士を互いに対向させて接
    合部材を順次重ね合わせて加圧して前記はんだ薄膜ある
    いはバンプを介して各接合部材を仮接合し、該仮接合積
    層部材を加圧して各金膜面間を一体化接合することを特
    徴とした部品の組立・接合方法。
  3. 【請求項3】 重ね合わせ部材を加圧すると同時に、該
    重ね合わせ部材の構成材料のうち最も融点の低い材料の
    固相線以下の温度にまで加熱して、各金膜面間を一体化
    接合することを特徴とした請求項1に記載の部品の組立
    ・接合方法。
  4. 【請求項4】 仮接合積層部材を加圧すると同時に、該
    積層部材の構成材料のうち最も融点の低い材料の固相線
    以下の温度にまで加熱して、各金膜面間を一体化接合す
    ることを特徴とした請求項2に記載の部品の組立・接合
    方法。
  5. 【請求項5】 接合部材の接合面同士を順次重ね合わせ
    る際に、接合面に形成されたはんだ薄膜あるいはバンプ
    を用いて接合部材の位置決めを行うことを特徴とする請
    求項1乃至4に記載の部品の組立・接合方法。
  6. 【請求項6】 真空あるいは不活性雰囲気下で部品を組
    立・接合する装置において、接合部品を搬入、搬出、搬
    送及び上下面を反転する機構を備えたロボット室と、該
    ロボット室と連接し前記複数の接合部材を加熱する機構
    及び真空排気系を備えるとともに接合部材を外部から搬
    入するための開閉可能な搬入口を備えたロードロック室
    と、前記ロボット室と連接し真空中でイオンあるいはア
    トムビームを発生するエネルギ源及び真空排気系を備え
    た活性化室と、前記ロボット室から搬送されてきた複数
    の前記接合部材を高精度に位置決めする機構を備え、位
    置決め後、接合部材を加圧して仮接合する機構を備えた
    組立室と、仮接合後該該仮接合部材をさらに加熱・加圧
    する機構及び真空排気系を備えた接合室と含んでな
    り、前記ロボット室が中心に位置し、該ロボット室の周
    りに前記ロードロック室、前記活性化室、前記接合室、
    前記組立室がそれぞれ前記ロボット室と連接して配置さ
    れていることを特徴とする部品組立・接合装置。
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