JP2766482B2 - アルミニウム基合金圧延板の製造方法 - Google Patents

アルミニウム基合金圧延板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はAl基合金を圧延加工してキャンボディーやク
ロージャーを製造する際に熱延コイル焼鈍に起因して冷
間圧延時に発生する周期的な板厚変動を防止するAl基合
金圧延板の製造方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
通常Al−Mn−Mg系の合金はMn系微細析出物と固溶Mgに
よる再結晶阻止効果が大きいため一般に再結晶し難い。
またこれら合金に熱間圧延を施した板は熱間圧延時の動
的回復によって歪の蓄積が小さくなっている。
従ってAl−Mn−Mg系合金を熱間圧延してコイル状に巻
き取ったもの(以下これを熱延コイルという)は次工程
の焼鈍時に再結晶し難いため通常比較的高温(350〜400
℃)で焼鈍されることが多かった。このような条件で焼
鈍する場合でも従来から多く用いられていたサイズの熱
延コイルであれば、コイル内での温度分布が小さいので
さらに次工程の冷間圧延において板厚変動という問題は
発生しなかった。
ところが歩留りや生産性の向上を目的とした鋳塊の大
型化によって最近熱延コイルの径は大きいものとなって
きた。そしてこのようにサイズの大きいコイルに対して
は従来の焼鈍条件ではコイル内の温度差が大きくなって
しまい上記板厚変動が発生してしまう。例えばJIS 3004
合金(1.0〜1.5wt%Mn−0.8〜1.3wt%Mg−Al)やJIS 31
05合金(0.30〜0.8wt%Mn−0.20〜0.8wt%Mg−Al)等の
Al−Mn−Mg系合金を熱間圧延して熱延コイルとした後、
冷間圧延することなく、バッチタイプの雰囲気調整炉
(CA炉)で焼鈍する工程を取り、次工程で冷間圧延を行
なう場合はその冷間圧延の時に、周期的な板厚変動が発
生することがある。これは鋳塊を大型化し、大直径のコ
イルになるほど発生し易く、板厚精度等の製品品質の低
下を招き、鋳塊大型化の妨げとなっていた。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者は上記板厚変動の発生原因を調査・研
究したところ、以下に示すメカニズムであることが判明
した。
(1)熱間圧延時にクーラントの中の水分が熱延コイル
表面に残存する。
(2)該熱延コイルの焼鈍時に材料の表面が残存水分と
反応し、酸化膜を形成する。
(3)焼鈍時のコイル内の温度差によって、酸化膜の厚
さが変化する。
(4)酸化膜厚の差によって、冷延時の摩擦係数が変化
し、板厚の変動となる。
さらにAl−Mn−Mg系合金においては熱間圧延板は加工
度が小さく、Mn系微細析出物、固溶Mgによる再結晶遅延
力が大きいので、安定して再結晶を完了させるために焼
鈍温度を高めに設定してあることが多く、従って組成中
のMgが酸化されやすいこともあって、Al−Mn−Mg系熱間
圧延板は焼鈍時の表面酸化が進む傾向がある。
そしてコイルが大型化すると一般的な流気炉の中では
炉気の流れが変化し、コイル内の温度差は大きくなる傾
向がある。例えば、380℃で2時間焼鈍した場合、従来
の通常の条件で、重量5tonのコイルではコイル内の最高
到達温度の差は5〜10℃であるのに対し、重量10tonの
コイルでは10〜30℃にも達する。
そのため、従来のサイズのコイルでは問題とならなか
った焼鈍時の温度分布のバラツキに起因する板厚変動が
大型コイルの場合発生する頻度が極めて高くなり、生産
性、歩留りを低下させていることが明らかになった。
そしてさらに検討した結果本発明は大型の鋳塊を用い
てもAl基合金において冷間圧延時に熱延コイル焼鈍に起
因する周期的板厚変動の発生を防止したAl基合金圧延板
の製造方法を開発したものである。
即ち本発明はMnおよびMgをそれぞれ0.3wt%以上含有
するアルミニウム合金鋳塊を均熱処理後熱間圧延に行な
ってコイルとした後焼鈍し、その後冷間圧延を施す製造
方法において、バッチタイプの雰囲気調整炉を用いて次
式で示す温度範囲で焼鈍することを特徴とするものであ
る。
−0.4TH+530≦Tmin≦400 …(1) Tmax−Tmin≦200−0.5Tmin …(2) 但しTH :均熱処理温度(℃) Tmax:焼鈍の際コイルの最高温度到達時における
コイル内最高温度の値(℃) Tmin:焼鈍の際コイルの最高温度到達時における
コイル内最低温度の値(℃) 〔作 用〕 上記Al−Mn−Mg系合金においてMnまたはMgが0.3wt%
未満の合金については表面酸化に伴なう板厚変動は発生
し難く、また工程上焼鈍の前に冷間圧延を行なうものに
ついては材料表面の水分が冷間圧延油で置き換えられる
と共に加工度が上り、再結晶温度が下るため板厚変動は
発生し難いので、これらの場合は板厚精度上の品質の低
下は問題にならない。
次に上記第(1)式及び第(2)式のように冷間圧延
の前に行なう焼鈍の温度範囲を限定したのは次の理由に
よるものである。
即ち先ず第(1)式においてTminが−0.4TH+530未満
の場合は再結晶が完了しない場合があり焼鈍の目的が達
せられないからである。またTminが400度を超えると酸
化膜が極めて厚くなり変色等の問題も生じる。
なお鋳塊に施す均熱処理はMn系析出物の形態や分布の
密度を制御するために重要であって、その温度THが高温
ほど析出物が粗大で粗な分布となり、焼鈍時の再結晶温
度が低下する。そして第(1)式ではTHを上げるとTmin
が低くても再結晶することを示しており、逆にTHが低い
とTminを上げる必要が生じてくることを示している。
次に第(2)式で示すTmax−Tminはコイル内の温度分
布であり、これが大きいと酸化膜厚の差が生じ、冷間圧
延での板厚変動の原因となる。しかし、コイル全体の温
度が低いと、酸化膜の成長が少なく、比較的大きな温度
差でも板厚変動は生じにくくなる。そこで第(2)式の
条件が必要となる。
これらの条件から次のことがわかる。即ち焼鈍時、雰
囲気温度とコイル温度の差を小さくするとTmax−Tmin
小さくすることができるが、この場合、きわめて焼鈍時
間が長くなる。そこで、Tmax−Tminが大きくなりやすい
大型コイルでは、そのコイルの大きさに見合った高温均
熱処理をおこない、Tminを下げた方が操業上有利とな
る。一方、Tmax−Tminが小さいが小形コイルでは均熱温
度および焼鈍時の雰囲気制御も厳密にする必要はない。
このように本発明条件にもとづいて、どのようなサイズ
のコイルでもそれぞれ最も操業しやすい条件を選択で
き、コスト低減、生産性の向上を図りつつ、板厚変動を
おさえることができる。
〔実施例〕
第1表に示す組成のAl基合金鋳塊を常法により造った
後第2表に示す温度で均熱処理及び熱間圧延を行ない、
板厚2.4mmでコイル重量が6tonまたは10tonの熱延コイル
を製造し、その後それぞれの熱延コイルについて第2表
に示す条件で焼鈍を施してから冷間圧延を行ない最終板
厚0.35mmの薄板を得た。
これら焼鈍後の熱延コイルについて、冷間圧延1パス
後の板厚変動幅を調べ、その値を次のように分類し、そ
れぞれ次のような記号で評価して第2表に併記した。
○……±10μm未満のもの △……±10〜±15μm間のもの ×……±15μmを超えるもの またこれら薄板について製品としての性能を調べ、そ
の結果を第2表に併記した。
なお第2表のそれぞれの製造方法のうちTH=600℃の
ときに第(1)式及び第(2)式で表わされる本発明法
の焼鈍条件の範囲を第1図に斜線で示した。第1図によ
れば本発明法A及びBは本発明法の条件範囲内にあり、
比較法F及びGは範囲外であることがわかる。
また同様にT=550℃のときに第(1)式及び第
(2)式で表わされる本発明法の焼鈍条件の範囲を第2
図に斜線で示した。第2図によれば本発明法C,D及びE
は本発明法の範囲内にあり、比較法Hは範囲外であるこ
とがわかる。
第2表に示す各製造方法とそのときの板厚変動及び製
品性能の結果について以下に述べる。
先ず本発明法Aは大型コイルを600℃で均熱し、焼鈍
時の雰囲気と該コイルの温度差を小さくして板厚変動を
抑えたものであり、焼鈍時間が若干長いが板厚変動幅は
小さく、最終製品は良好な強度及び耳率を有することが
わかる。
次に本発明法Bは大型超を600℃で均熱し、この高温
均熱(TH=600℃)を利用して焼鈍時のTminを低く設定
し、焼鈍所要時間も短くしたものであり、コイル内温度
差は大きいが板厚変動及び製品性能は良好である。
また本発明法Cは大型コイルを550℃で均熱し、この
温度(TH=550℃)に対応したできるだけ低いTminを設
定し、焼鈍所要時間は若干長くなったものであるが、板
厚変動、製品性能共に優れている。
また本発明法Dは比較的小型のコイルを550℃で均熱
したものであり比較的小型コイルであるため焼鈍時のコ
イル内温度差が小さいので板厚変動と製品性能は優れて
いる。
さらに本発明法Eも比較的小型のコイルを550℃で均
熱し、焼鈍時に比較的小型であることの特性を生かして
雰囲気温度を上げたものであり、焼鈍所要時間を大きく
短縮でき、板厚変動を良好に保ち、製品性能も優れたも
のである。
一方比較法Fは大型コイルを600℃で均熱したもので
あるが、大型コイルであるため焼鈍時コイル内の温度差
が大きくなり、板厚変動が生じた。
また比較法Gは大型コイルを600℃で均熱し、焼鈍時
雰囲気とコイルとの温度差を小さくしたが焼鈍温度その
ものの設定が高いため板厚変動が大きくなった。
さらに比較法Hは大型コイルを550℃で均熱したもの
であるが、焼鈍時にTminが均熱温度(TH=550℃)に対
して低すぎたため再結晶が完了せずに強度が過大とな
り、耳率が大きくなって性能不良となった。
〔発明の効果〕
このように本発明によればAl基合金の圧延板を板厚変
動等の品質不良を発生させずに、コイルサイズに応じた
製造条件で製造でき、優れた生産性やコスト低減を実現
できる等工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はTH=600℃のときの本発明法による焼鈍条件の
範囲を斜線で示した線図、第2図はTH=550℃のときの
本発明法による焼鈍条件の範囲を斜線で示した線図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 博幸 福井県坂井郡三国町黒目21号1番地 古 河アルミニウム工業株式会社福井工場内 (56)参考文献 特開 平1−208438(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MnおよびMgをそれぞれ0.3wt%以上含有す
    るアルミニウム合金鋳塊を均熱処理後熱間圧延を行なっ
    てコイルとした後焼鈍し、その後冷間圧延を施す製造方
    法において、バッチタイプの雰囲気調整炉を用いて次式
    で示す温度範囲で焼鈍することを特徴とするアルミニウ
    ム基合金圧延板の製造方法。 −0.4TH+530≦Tmin≦400 Tmax−Tmin≦200−0.5Tmin 但し、TH:均熱処理温度(℃) Tmax:焼鈍の際コイルの最高温度到達時におけるコイル
    内最高温度の値(℃) Tmin:焼鈍の際コイルの最高温度到達時におけるコイル
    内最低温度の値(℃)
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US7666267B2 (en) 2003-04-10 2010-02-23 Aleris Aluminum Koblenz Gmbh Al-Zn-Mg-Cu alloy with improved damage tolerance-strength combination properties
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