JP2765829B2 - 集束イオンビーム加工装置 - Google Patents

集束イオンビーム加工装置

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JP2765829B2 JP61228134A JP22813486A JP2765829B2 JP 2765829 B2 JP2765829 B2 JP 2765829B2 JP 61228134 A JP61228134 A JP 61228134A JP 22813486 A JP22813486 A JP 22813486A JP 2765829 B2 JP2765829 B2 JP 2765829B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は集束イオンビーム加工装置に係わり、特に加
工能率を向上することが可能なイオンビーム加工装置に
関する。 〔従来の技術〕 従来の集束イオンビーム加工装置および加工方法につ
いては、特開昭60−5524号において論じられている。そ
の装置の概要を第4図に示す。イオン光学カラムは液体
金属イオン源201、引出し電極213、開口214、静電集束
レンズ215、及びディフレクタ205から成る。これが試料
206、例えばマスク上を希望通りに走査できる集束ビー
ム215を提供する。加工は、試料上の所望の位置にイオ
ンビームを照射することにより、物理スパッタリングを
引起し、不必要物質を原子レベルで除去することにより
行なわれる。このイオン光学系におけるビーム径、イオ
ン電流、イオン電流密度については、ソリッド・ステー
ト・テクノロジィ 5月(1983年)第97頁から第103頁
(Solid State Technology,May(1983)pp97〜103)に
おいて論じられている。 この場合、集束ビーム径Dは、 で与えられる。ここで、Cはレンズの色収差係数、αは
ビームの開度、ΔEはイオンのエネルギー幅、Zはビー
ムエネルギーである。ただし、ビーム径は色収差が支配
的に影響している領域である。又、このビームのイオン
電流Iおよびイオン電流密度はそれぞれ次式で与えられ
る。 ここで、(dI/dΩ)はイオン源のイオン放射角電流密
度である。式(1)〜(3)から、Eが固定の時、イオ
ン源の動力条件を変えなければΔEおよびdI/dΩが一定
であり、ビーム径Dおよびイオン電流Iは開角αを変え
ない限り、変化することができない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、開口214は真空チャンバ(図示されていな
い)内にあり、かつ高電位であるので、開角αを変える
のは加工作業中においては容易ではない。しかし、加工
作業においては、加工面積の大小によりビーム径Dやビ
ーム電流Iを可変にすることが加工能率向上の点から要
求される。 開角αを変えるためには、図4に示す例の場合、イオ
ン放射角電流密度を変えることが考えられる。具体的に
は引き出し電極213に印可する電圧を変えればイオン放
射角電流密度をも変化させることができるが、この方法
では広範囲にイオンビーム電流を変えることができず、
しかもイオン源の動作条件を変えることになるのでイオ
ン源の不安定性、イオン源特性のドリフトが出やすい等
の欠点があった。 更に従来技術はイオンビームの加工装置におけるビー
ム電流の選択範囲が狭いが故に加工能率向上において問
題があった。 本発明の目的は、イオンビーム加工装置において加工
作業中においてもレンズ強度を変えることによりビーム
径Dやビーム電流Iを真空外から容易に調節可能とし、
加工能率を向上させることを目的としたものである。 〔問題を解決するための手段〕 本発明は上記目的を達成するために、イオン源からの
放出イオンを集束レンズと、該集束レンズより試料側に
位置する対物レンズにより集束して、集束イオンビーム
を形成し、該イオンビームを用いて試料を加工する集束
イオンビーム加工装置において、前記集束レンズより試
料側にのみ配置される絞りと、前記集束レンズ及び前記
対物レンズのレンズ強度を制御する制御手段を備え、前
記絞りは前記集束レンズのレンズ強度に応じて、通過す
る放出イオンを制限する機能を有し、前記制御手段は予
め定められた複数の集束イオンビームのビーム径及びビ
ーム電流の組み合わせに基づいて、前記集束レンズ及び
前記対物レンズのレンズ強度を制御する機能を備えたこ
とを特徴とする集束イオンビーム加工装置を提供するも
のである。 〔作用〕 本発明ではレンズ強度を変えることにより、イオン源
側でのビーム開き角度αを変えることが可能になる。つ
まり、本発明ではイオン源と集束レンズ間にビームの開
き角を制限する絞りが存在しないので、イオンが一義に
制限されることがなく、集束レンズと絞りの存在によ
り、イオンビームのイオン源でのビームの開き角を広範
囲に亘って調節することが可能になる。 即ち、集束レンズの強弱によって、絞りで制限される
ビームの通過量が変化し、それによって実効的にイオン
の開き角の制限の程度が変化するため、広い範囲に亘っ
てビーム電流を変化させることが可能になる。 また、試料に照射される集束イオンビームのビーム電
流及びビーム径に基づいて集束レンズ及び対物レンズの
レンズ強度が設定されているので、加工の種類(例えば
粗加工や微細加工など)に応じて適当なビームを選択す
ることが容易になる。イオン打ち込み装置等と異なり、
加工の種類に応じてビーム径及びビーム電流をそれぞれ
選択する必要のあるイオンビーム加工装置では上記構成
は特に有効である。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例を用いて説明する。 〔実施例1〕 第1図は本発明の一実施例を示すものである。イオン
源201から放出されたイオンは集束レンズ202および対物
レンズ203により試料206上に集束される。開口204はビ
ーム径を決めるものである。本実施例では集束と対物レ
ンズのレンズ強度の組み合せにより3つのモード、つま
りA,BおよびCモードを設定し、その時のそれぞれのレ
ンズ電圧をレンズ制御部208にメモリした。モードA
は、集束および対物レンズ間でビームがほぼ平行である
場合、Bは集束レンズのみでビームを試料206上に集束
する場合、Cはビームが集束および対物レンズ間の特定
の位置に集束点を持つ場合である。 試料206上を照射する集束ビーム、A、BおよびCは
いずれもそのビーム径を開口204が決めているが、イオ
ン源201側での実効ビーム開度(2α)は第1図からわ
かるようにそれぞれ2αA,2αB、および2αCと異な
っている。試料上でのビーム電流Iは式(2)で与えら
れるから、本実施例では3種類のビーム電流が得られ
る。ビーム径は、レンズ電圧、イオン引出し電圧、イオ
ン加速電圧、およびイオン源の実効的大きさの関数とし
て決まる。 集束イオンビーム径が数ミクロン以下の領域では、イ
オン光学系の軸ずれやレンズの光軸に対する非対称性が
無視できず、これらを補正するためのビーム・プライナ
ーおよび非点補正器(いずれも図示されておらず)を用
いている。ビーム・プライナーおよび非点補正器に印加
する電圧はビーム・プライナーおよび非点補正器制御部
(図示されておらず)から印加されるが、この制御部に
も集束ビーム・モードA、BおよびCに対応した最適電
圧のメモリ機能があり、ビーム・モード選択により、自
動的にこれらの補正が行なわれる。 デイフレクタ205に印加する電圧を与えるデイフレク
タ制御部(図示されておらず)にも、集束ビーム、A、
BおよびCの試料206上での照射位置ずれを補正する補
正量のメモリ機能があり、ビーム・モード選択により自
動的に位置ずれ補正が行なわれる。 本実施例におけるガリウム・液体金属イオン源からの
ビーム・モード、A、BおよびCにおけるビーム径およ
びビーム電流は、それぞれ、〔0.2μm、0.4nA〕、〔0.
5μm、1nA〕、および〔2μm、8nA〕であった。 加工作業時に、このビーム・モード、A、B、および
Cの内、いずれかを加工仕様に応じて順次、電気的にレ
ンズ強度を切り変えて選択することにより、ビーム電流
やビーム径を容易に変えることができ、加工能率を向上
させることができた。 〔実施例2〕 第2図は本発明の一実施例を示すものである。本発明
は静電レンズが丸い開口をもつ4つの電極からなる一段
のレンズ209であり、それぞれの電極に印可する電圧を
制御することにより、レンズ強度を変えて、イオン源20
1からの放出イオンを試料206上に集束することができ
る。本実施例では、第3図に示したように、2つのビー
ム・モード、AおよびBがあり、それぞれに対応したレ
ンズ印加電圧をレンズ制御部208でメモリしてある。実
施例1と同様、非点補正器(図示されておらず)やデイ
フレクタ205への印加電圧を与えるそれぞれの制御部
(図示されておらず)にも同様なメモリ機能があり、ビ
ーム形状の非対称性やビーム照射位置ずれが、それぞれ
のビーム・モードで補正されている。本実施例では、ガ
リウム液体金属イオン源から得られたモード、Aおよび
Bの集束ビームのビーム径およびビーム電流はそれぞれ
〔0.2μm、0.3nA〕、および〔0.4μm、1nA〕であっ
た。加工作業時に、このビーム・モードAおよびBの
内、いずれかを加工仕様に応じて順次、切り変えて選択
することによりビーム電流やビーム径を電気的に真空外
から変えることができ、加工能率を向上させることがで
きた。 〔実施例3〕 第3図は本発明の一実施例を示すものである。本イオ
ン光学系の静電レンズは3段、210〜212、で構成されて
いる。ここでのビームモード、AおよびBは、それぞれ
2つのレンズ、つまり、210と212、および210と211を作
用させて集束ビームを作るものである。レンズ間のビー
ムは、ほぼ平行ビームになるようにレンズ210を作用さ
せてあり、ビーム・モードAとBの切り変えは、単純
に、レンズ212と211のいずれかを動作させることに対応
している。このため、レンズ制御部208でのモード・切
り変えの制御が簡単にできる。 本実施例では、レンズを動作させないことは、レンズ
強度が0である特殊な場合と考えることができる。 本実施例においても、実施例1と同様、ビームアライ
ナー、非点補正器、およびデイフレクター205の印加電
圧を与えるそれぞれの制御部(図示されておらず)にも
ビーム・モード切り換えに対するビーム形状やビーム照
射位置ずれの補正用のメモリ機能が設けられている。 本実施例で得られたモード、AおよびBの集束ビーム
のビーム径およびビーム電流は、それぞれ、〔0.2μ
m、0.4nA〕、および〔0.6μm、3nA〕である。 加工作業時に、このビーム・モード、AおよびBの
内、いずれかを加工仕様に応じて順次、電気的にレンズ
強度を切り変えて選択することにより、ビーム径やビー
ム電流を真空外から容易に変えることができ、加工能率
を向上させることができた。 本実施例1〜3において開口204は対物レンズ203の直
後に置いてあるが、直前においても同様な効果が得られ
る。一方、ビーム径決定用の開口が複数である場合は、
更に種々ビーム径とビーム電流との集束ビームが用意さ
れることになる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、荷電粒子線を用いた装置の中でもイ
オンビーム加工装置特有の広いビーム電流の設定に対応
でき、更に加工の種類(粗加工や微細加工など)に応じ
たビーム径とビーム電流を選択的に設定でき、この設定
を真空外から電気的に容易に行うことができるので、ビ
ーム加工の能率向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図、第2図および第3図は本発明の一実施例を示す
集束イオンビーム加工装置の概略図であり、第4図は、
従来の集束イオンビーム加工装置の概略図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.イオン源からの放出イオンを集束レンズと、該集束
    レンズより試料側に位置する対物レンズにより集束し
    て、集束イオンビームを形成し、該イオンビームを用い
    て試料を加工する集束イオンビーム加工装置において、
    前記集束レンズより試料側にのみ配置される絞りと、前
    記集束レンズ及び前記対物レンズのレンズ強度を制御す
    る制御手段を備え、前記絞りは前記集束レンズのレンズ
    強度に応じて、通過する放出イオンを制限する機能を有
    し、前記制御手段は予め定められた複数の集束イオンビ
    ームのビーム径及びビーム電流の組み合わせに基づい
    て、前記集束レンズ及び前記対物レンズのレンズ強度を
    制御する機能を備えたことを特徴とする集束イオンビー
    ム加工装置
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