JP2765546B2 - 記録方式 - Google Patents

記録方式

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JP2765546B2
JP2765546B2 JP7340717A JP34071795A JP2765546B2 JP 2765546 B2 JP2765546 B2 JP 2765546B2 JP 7340717 A JP7340717 A JP 7340717A JP 34071795 A JP34071795 A JP 34071795A JP 2765546 B2 JP2765546 B2 JP 2765546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サーマル転写プ
リンタ、光プリンタ等のプリンタに関し、特に中間調イ
メージを再現する中間調記録方式に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマル転写プリンタやレーザプリンタ
等は、本来二値的な記録画像に適した記録方式であるの
で、これらのプリンタで中間調画像を記録するためには
特別な工夫が必要とされる。これらの二値的なプリンタ
を用いて疑似中間調を記録するときには、ディザ法や固
定パターン法等が知られている。中でもディザ法は、比
較的濃度変化の急峻な部分でも解像度を低下させること
なく、濃度変化の滑らかな部分ではきめ細かい階調を再
現することが可能であるので、疑似中間調を記録する方
式として広く用いられている。
【0003】図4は、従来のディザ法における中間調記
録を説明する図であり、図4(a)は、0レベル(印字
を行わないビット)を含めて5階調の表現が可能なディ
ザ法に用いられる2×2=4ドットのしきい値マトリク
スであり、図4(b)は、このマトリクスを用いて5階
調の濃度を表現した例を示している。
【0004】ディザ法では、入力濃度レベルとしきい値
マトリクスの各しきい値とを比較して、入力濃度レベル
がしきい値よりも大きいときにはドットが形成され、小
さいときにはドットは形成されない。このため、濃度変
化がなめらかな画像に対しては、ディザマトリクス内の
ドット数が調整されて階調が表現され、濃度変化の急峻
な画像のエッジ部分に対しては各ドットレベルできめ細
かい解像度が再現される。
【0005】しかし、図4に示したディザ法では、なめ
らかな濃度変化をよりきめ細かに再現するため、階調数
を増加させようとした場合には、ディザマトリクスの大
きさが大きくなり、その分、解像度が低下する。また逆
にマトリクスを小さくすることによって解像度を上げた
場合には、表現できる階調数が減ってしまうという欠点
があった。
【0006】そこで、小さいマトリクスを使用してより
多くの階調表現ができるように、各しきい値を多値化し
た多値のしきい値マトリクスを用いた方法(多値ディザ
法)がある。
【0007】図5は、従来のドット集中型の多値ディザ
法における中間調記録を説明する図であり、図5(a)
は、1ドットの大きさを0レベルを含めて4レベルに変
えられる多値ディザ法に用いられる2×2=4ドットの
しきい値マトリクスであり、図5(b)は、このマトリ
クスを用いて13階調の濃度を表現した例を示してい
る。
【0008】図5に示したドット集中型の方法において
は、記録に使用されているマトリクス内のドットのう
ち、特定のドットのドットレベルでの大きさを増減し、
ドットレベルが最下位レベルあるいは最上位レベルに達
したならば、大きさを増減させるドットを他のドットに
順次移行させる。
【0009】図6は、従来のドット分散型の多値ディザ
法における中間調記録を説明する図であり、図6(a)
は、1ドットの大きさを0レベルを含めて4レベルに変
えられる多値ディザ法に用いられる2×2=4ドットの
しきい値マトリクスであり、図6(b)は、このマトリ
クスを用いて13階調の濃度を表現した例を示してい
る。
【0010】図6に示したドット分散型の方法において
は、記録に使用されているマトリクス内の全ドットのド
ットレベルでの大きさを均等に増減していく。
【0011】しかし、図5および図6に示すような工夫
によっても、従来の多値ディザ法では、いわゆる階調の
飛び(以下、階調ジャンプと記述する)、高濃度領域で
の階調のつぶれ等が発生し、期待するほどのきめ細かい
階調の表現や解像度の向上が図れないという問題があっ
た。
【0012】ここで、サーマル転写記録を例にとってこ
の問題点を説明する。図7は、従来のサーマル転写記録
におけるインク量とドットの大きさとの関係を示す図で
ある。図8は、図7においてドットが隣接して形成され
ている場合を示す図である。
【0013】図7に示すように、1ドットからなる孤立
パターンに対して注入エネルギを徐々に変化させていく
と、図7(a),(b),(c)に示すように、記録紙
に転写されるインクの量は、ほぼ単調に増加して印字さ
れるドットの大きさが大きくなっていく。1つの孤立ド
ットが形成されるときはこのような単調な増加が得られ
る。
【0014】しかし、図8(a),(b),(c)に示
すように、ドットが隣接して形成される場合には、両ド
ットがつながったり離れたりすることによって、ドット
の大きさが不安定になり、結果として階調が不安定にな
る傾向がある。この原因としては、隣接するドットが同
時に発熱しているために生じる熱のドット間への流入、
サーマル転写記録に用いるインクリボン上でのインクの
つながり等が挙げられる。この問題を記録濃度によって
説明する。
【0015】図9は、従来のサーマル転写記録における
しきい値マトリクスの階調値を示す図である。図10
は、図9におけるドットレベルの階調値と記録体に印加
する印字エネルギを決定するパルス列とを示す図であ
る。図11は、ドットレベルの階調値と図10のパルス
列で制御される印字エネルギとの関係を示す図である。
図12は、図9におけるドットレベルの階調値と記録濃
度との関係を示す図である。
【0016】図9に示すように、従来のサーマル転写記
録においては、1ドットの大きさを0レベルを含めて6
レベルに可変できる2×2=4のディザマトリクスを用
いた21階調の記録を行う。
【0017】図9に示した21階調の記録を実現する際
には、図10に示すように、ドットのそれぞれの大きさ
に応じて基本パルスT1*のパルス数を変えることによ
って印字エネルギを可変して、0レベルも含めて6レベ
ルのドットを形成する。
【0018】このようにすることによって、図11に示
すように、各ドットレベルの階調値と印字エネルギとの
関係は、ドットレベルの階調値の増加に比例して印字エ
ネルギが直線的に増加する。
【0019】ところが、図8に示すように、ドットが隣
接して形成される場合には、実際には階調が不安定にな
る。このため、図12に示すように、各階調値と記録濃
度との関係は、低濃度領域から高濃度領域にかけていく
つかの不安定領域が存在する。このような領域が階調ジ
ャンプや高濃度領域のつぶれを発生させ、画質劣化の要
因となっていた。
【0020】この問題点を解決するために、特開昭64
−47546号公報に記載されている中間調再現方式の
発明がある。上記公報に開示されている発明は、いわゆ
る多値ディザ法で疑似中間調を表現するときに、階調ジ
ャンプのない滑らかな階調表現が可能で高解像度の記録
画像を得ることを目的として、再現すべき濃度範囲を複
数の濃度範囲に部分分割して、各部分濃度範囲ごとに異
なる階調レベル増減規則を適用している。すなわち、し
きい値を多値化した多値のしきい値マトリクスを部分濃
度範囲ごとに変更することによって、階調レベル増減規
則を適用する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されている中間調再現方式を採用した場合に
は、入力濃度レベルとしきい値ディザマトリクスを比較
する時点で、どこの部分濃度範囲かを判断する必要が生
じるので、階調計算のアルゴリズムが複雑になり、計算
に膨大な処理時間が掛かってしまい、印字の速度を低下
させてしまうという新たな問題点が発生してしまう。
【0022】このような点に鑑み本発明は、疑似中間調
記録を行う際に、低濃度領域から高濃度領域にかけて滑
らかに印字を行い、階調ジャンプや高濃度領域のつぶれ
を防止して、画質の劣化を防止することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録方式は、いわゆる多値ディザ法すなわち
ドットレベルの階調値とディザマトリクスとを併用して
多階調を表現する中間調記録方式であって、前記ドット
レベルの階調値と記録体に印加する第1の印字エネルギ
との関係を、該階調値が低い程、最大印字エネルギを階
調数で等分割した第2の印字エネルギよりも低く設定す
る。
【0024】上記本発明の記録方式は、前記記録体に印
加する第1の印字エネルギを前記階調値が低い程低く設
定するときには、該階調値に応じて、幅が互いに異なる
複数個のパルスを組み合せたパルス列を記録体に印加し
て、該第1の印字エネルギの制御を行う。
【0025】
【発明の実施の形態】このように本発明は、ドットレベ
ルの階調値と記録体に印加する印字エネルギとの関係
を、階調値が低い程、最大印字エネルギを階調数で等分
割した印字エネルギよりも低く設定するので、ドットレ
ベルの階調値が大きくなるにつれて、印字エネルギの増
加の度合が大きくなり、印字エネルギが非直線的に増加
する。このため、ドットが隣接して形成されるときであ
っても、隣接するドットがつながったり離れたりするこ
とでドットの大きさが不安定になったり、階調が不安定
になることを防止することが可能となる。
【0026】また、記録体に印加する印字エネルギを階
調値が低い程低く設定するときには、階調値に応じて、
幅が互いに異なる複数個のパルスを組み合せたパルス列
を記録体に印加して印字エネルギの制御を行うので、容
易に印字エネルギを非直線的に増加させることが可能と
なる。
【0027】このようにすることによって、低濃度領域
から高濃度領域にかけて滑らかに印字を行い、記録濃度
に不安定領域が発生することを防止することが可能とな
り、画像劣化の要因となっていた階調ジャンプや高濃度
領域の画像のつぶれを防止することが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0029】図1は、本発明の一実施例におけるドット
レベルの階調値と記録体に印加する印字エネルギを決定
するパルス列とを示す図である。図2は、ドットレベル
の階調値と図1のパルス列で制御される印字エネルギと
の関係を示す図である。図3は、図1におけるドットレ
ベルの階調値と記録濃度との関係を示す図である。
【0030】図1に示すように、本実施例においては、
ドットレベルの可変が5段階であって、0レベル(印字
がないドット)を含めて6階調の表現が可能な、幅が互
いに異なる複数個のパルスT1,T2,T3,T4,T
5を組み合せた印加パルス列によって、各ドットレベル
の記録を行う。具体的には、0レベルではパルスを発生
させない。1レベルではパルスT1を発生させる。2レ
ベルではパルスT1,T2を発生させる。以下、同様に
して、5レベルではパルスT1,T2,‥‥‥,T5を
発生させる。ここで各印加パルスは、例えばサーマル転
写プリンタにおいては、サーマルヘッドの発熱体に印加
する通電時間を変更することによって、印字エネルギの
制御を行う。またレーザプリンタにおいては、レーザビ
ームによる記録体への露光時間を変更することによっ
て、印字エネルギの制御を行う。
【0031】図1において、複数の印加パルスT1〜T
5の関係を、T1<T2<T3<T4<T5となるよう
に設定することによって、図2に示すように、各ドット
レベルの階調値と印字エネルギとの関係は、印字エネル
ギが直線的に増加するのではなく、ドットレベルが大き
くなるにつれて増加の度合が大きくなる。
【0032】ここでは、ドットレベルの階調値と記録体
に印加する印字エネルギとの関係を、図11に示すよう
な従来の最大印字エネルギを階調数で等分割した印字エ
ネルギと比較して、階調値が低い程、印字エネルギを低
く設定することができる。
【0033】このようにすることによって、図8
(a),(b),(c)に示すようにドットが隣接して
形成されるときにも、ドットレベルの階調値が低いとき
の印字エネルギを低く設定することができるので、両ド
ットがつながったり離れたりすることによって、ドット
の大きさが不安定になったり、階調が不安定になるとい
う問題が解決される。これは階調値が低いときの印字エ
ネルギを低く設定することによって、隣接するドットが
同時に発熱することによって生じる熱のドット間への流
入をより少なくすることができるということ、およびサ
ーマル転写記録に用いるインクリボン上のインクのつな
がりをより防止できるということによるものである。
【0034】このときの記録濃度は、図9に示すような
1ドットの大きさを0レベルを含めて6レベルに変えら
れる2×2=4のディザマトリクスを用いて21階調の
記録を行った場合には、図3に示すように、低濃度領域
から高濃度領域にかけて滑らかな印字が行われ、階調ジ
ャンプや高濃度領域のつぶれを防止し、画像劣化の発生
を防止する。
【0035】また、本実施例では印字エネルギを低くす
る手段として、階調値に応じて幅が互いに異なる複数個
のパルスを組み合せたパルス列によって、記録体に印加
する印字エネルギの制御を行う方法を説明したが、パル
スの幅を変更する代わりに、パルスの強度、例えばサー
マル転写プリンタの場合には、サーマルヘッドの発熱体
に通電する電圧値を変化させても、同等の効果が得られ
ることは明白である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、いわゆる
多値ディザ法すなわちドットレベルの階調値とディザマ
トリクスとを併用して複数の階調を表現する中間調記録
方式において、ドットレベルの階調値と記録体に印加す
る印字エネルギとの関係を、階調値が低い程、最大印字
エネルギを階調数で等分割した印字エネルギよりも低く
設定することによって、ドットレベルの階調値が大きく
なるにつれて、印字エネルギの増加の度合が大きくな
り、印字エネルギが非直線的に増加するという効果を有
する。このため、ドットが隣接して形成されるときであ
っても、隣接するドットがつながったり離れたりするこ
とでドットの大きさが不安定になったり、階調が不安定
になることを防止することができるという効果を有す
る。
【0037】また、記録体に印加する印字エネルギを階
調値が低い程低く設定するときには、階調値に応じて、
幅が互いに異なる複数個のパルスを組み合せたパルス列
を記録体に印加して印字エネルギの制御を行うことによ
って、容易に印字エネルギを非直線的に増加させること
ができるという効果を有する。
【0038】このようにすることによって、低濃度領域
から高濃度領域にかけて滑らかに印字を行い、記録濃度
に不安定領域が発生することを防止することができ、画
像劣化の要因となっていた階調ジャンプや高濃度領域の
画像のつぶれを防止することができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるドットレベルの階調
値と記録体に印加する印字エネルギを決定するパルス列
とを示す図
【図2】ドットレベルの階調値と図1のパルス列で制御
される印字エネルギとの関係を示す図
【図3】図1におけるドットレベルの階調値と記録濃度
との関係を示す図
【図4】従来のディザ法における中間調記録を説明する
【図5】従来のドット集中型の多値ディザ法における中
間調記録を説明する図
【図6】従来のドット分散型の多値ディザ法における中
間調記録を説明する図
【図7】従来のサーマル転写記録におけるインク量とド
ットの大きさとの関係を示す図
【図8】図7においてドットが隣接して形成されている
場合を示す図
【図9】従来のサーマル転写記録におけるしきい値マト
リクスの階調値を示す図
【図10】図9におけるドットレベルの階調値と記録体
に印加する印字エネルギを決定するパルス列とを示す図
【図11】ドットレベルの階調値と図10のパルス列で
制御される印字エネルギとの関係を示す図
【図12】図9におけるドットレベルの階調値と記録濃
度との関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/52 B41J 2/36 H04N 1/405

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録を行うドットレベルの階調値とディ
    ザマトリクスとを併用して複数の階調を表現する中間調
    記録方式において、 前記ドットレベルの階調値と記録体に印加する第1の印
    字エネルギとの関係が、該階調値が低い程、最大印字エ
    ネルギを階調数で等分割した第2の印字エネルギよりも
    低く設定されていることを特徴とする、記録方式。
  2. 【請求項2】 前記記録体に印加する第1の印字エネル
    ギを前記階調値が低い程低く設定するときには、該階調
    値に応じて、幅が互いに異なる複数個のパルスを組み合
    せたパルス列を記録体に印加して、該第1の印字エネル
    ギの制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の記
    録方式。
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JP5002717B2 (ja) * 2011-05-06 2012-08-15 キヤノン株式会社 画像記録装置およびデータ生成方法
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