JP2765403B2 - 管棒材の曲げ装置 - Google Patents

管棒材の曲げ装置

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JP2765403B2
JP2765403B2 JP27362792A JP27362792A JP2765403B2 JP 2765403 B2 JP2765403 B2 JP 2765403B2 JP 27362792 A JP27362792 A JP 27362792A JP 27362792 A JP27362792 A JP 27362792A JP 2765403 B2 JP2765403 B2 JP 2765403B2
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昌幸 永井
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型を使用する管棒材の
曲げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】管棒材の曲げ装置は、型ありと型なしに
大別され、高寸法精度が要求される場合は、型ありの装
置が採用される。型を使用する曲げ装置は、更に引き曲
げ式とロール曲げ式に分けられる。
【0003】引き曲げ装置は、図5(A)に示すよう
に、型としてのベンドロールRと、ベンドロールRに材
料Wを固定するためのクランプCとを有する。ベンドロ
ールRの外周面には材料Wの外面形状に対応するダイス
溝が設けられている。クランプCにも材料Wの外面形状
に対応する凹部が設けられている。
【0004】材料Wは、ベンドロールRとクランプCと
で挟持され、この状態で、ベンドロールRおよびクラン
プCがベンドロールRの中心回りに同期回転することに
より、ベンドロールRのダイス溝内に押し込まれて湾曲
する。このとき、材料WはクランプCに引かれて移動す
る。即ち、材料Wが引き曲げられるわけである。
【0005】これに対してロール曲げ装置は、図5
(B)に示すように、クランプCに代わってローラrを
有する。ローラrには材料Wの外面形状に対応する凹部
が全周にわたって設けられている。材料Wは、ベンドロ
ールRとローラrとの間に挟持され、この状態で、ロー
ラrのみがベンドロールRの周囲を自転しながら公転す
ることにより、ベンドロールRのダイス溝内に押し込ま
れる。
【0006】管棒材の曲げ装置についての提案は多いが
(特開昭50−29465号公報、特開昭58−159
923号公報、実開昭58−185324号公報等)、
型を使用するものについては、引き曲げ式かロール曲げ
式のいずれかに分類される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、型を使
用する従来の管棒材の曲げ装置は、1つの型で1種類の
曲げ半径の加工しかできない。曲げ半径が異なる加工を
行う必要がある場合は、たとえそれが僅かな違いであっ
ても、全ての曲げ半径に対応した種類の型を準備する必
要があり、工具コストが嵩む。
【0008】本発明の目的は、1つの型で異なる曲げ半
径の加工を行うことができ、しかも、その曲げ半径を連
続的に変えることができる管棒材の曲げ装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の管棒材の曲げ装
置は、軸方向に外径が漸次変化するテーパー形状の外周
面を有し、該外周面に雄ねじが設けられると共に、円周
方向および軸方向に可動とされた保持体と、該保持体に
弾性的に外嵌保持されるC状の可撓体からなり、その外
周面周方向にダイス溝が設けられると共に、内周面に前
記雄ねじに螺合する雌ねじが設けられ、保持体に対して
円周方向に相対回転することにより、拡径または縮径を
伴いつつ保持体の軸方向に相対移動し、且つ、保持体の
軸方向移動により定位置に保持されるリングダイスと、
該リングダイスのダイス溝の円周方向一部に対向したダ
イス溝に対応する凹部を有し、該凹部とダイス溝との間
に材料を挟むべく、保持体の半径方向に可動とされると
共に、凹部とダイス溝との間に材料を挟んだ状態で、円
周方向に移動して材料をリングダイスのダイス溝内に巻
き付けるヘッドとを具備することを特徴とする。
【0010】
【作用】C状の可撓体からなるリングダイスが、保持体
のテーパー状の外周面に所謂ねじ嵌合しているので、リ
ングダイスと保持体が相対回転すると、リングダイスが
保持体の外周面に保持されたまま保持体の軸方向に移動
し、リングダイスの半径が変わる。リングダイスが保持
体の軸方向に移動しても、保持体が軸方向に移動できる
ために、リングダイスは定位置に保持される。つまり、
リングダイスは定位置で拡径または縮径される。また、
ヘッドが保持体の半径方向に移動できるため、リングダ
イスの拡径または縮径に追従できる。従って、1つのリ
ングダイスで異なる曲げ半径の加工が行われ、しかも曲
げ半径の連続的な調節が可能となる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例を示す曲げ装置の縦断面
図、図2は曲げ装置の平面図、図3はリングダイスの変
形状態を模式的に示す平面図、図4はリングダイスの水
平度を説明するための模式図である。
【0012】本曲げ装置は、図1および図2に示すよう
に、軸を鉛直方向に向けて保持された円錐台状の保持体
1を具備する。保持体1のテーパー状の外周面には雄ね
じ2が軸方向全長にわたって設けられている。保持体1
の中心部には、内周面にスプライン溝が設けられたスリ
ーブ3が鉛直に取り付けられている。保持体1の寸法と
しては、例えば、高さが300mm、上端の最小外径が
1880mm、下端の最大外径が2100mmである。
【0013】保持体1にはリングダイス4が外嵌されて
いる。リングダイス4は、S45C等の鋼(はがね)の
ような弾性を有する素材からなるC状の所謂スプリット
リングであり、ダイス本体5およびダイス台6により構
成されている。ダイス本体5は、湾曲させるべき材料
(管)の外面形状に対応した断面半円形のダイス溝9を
外周面全周に有し、ダイス台6の外周面に設けた凹溝8
内に嵌合保持されている。そして、ダイス台6の内周面
には、保持体1の外周面の雄ねじ2に噛み合う雌ねじ7
が設けられている。従って、保持体1とリングダイス4
が相対回転すれば、リングダイス4は保持体1の軸方向
に相対移動し、その半径が拡大または縮小される。
【0014】次に、保持体1の支持機構および回転駆動
機構、並びに材料クランプ機構を説明する。
【0015】固定台10の上に油圧モータ11が配設さ
れている。油圧モータ11は、その上に鉛直に支持され
た駆動軸12を回転させる。駆動軸12の上部はスプラ
イン軸になっている。そして、該スプライン軸が前記ス
リーブ3に挿入され、スリーブ3が固定ネジ13によっ
て任意の高さに固定されることにより、保持体1が支持
され、保持体1の高さが調節される。
【0016】固定台10の上には旋回台14が載置され
ている。旋回台14は、駆動軸12からその外周側へ延
出した構成になっており、駆動軸12に外嵌された軸受
15に基部が接続され、下部にローラ16を有すること
により、駆動軸12の回りを旋回できる。そして、軸受
15の上方に設けた電磁クラッチ17が接状態のとき
に、駆動軸12の回転に追従して駆動軸12の回りを旋
回台14が旋回動し、電磁クラッチ17が断状態のとき
には、旋回台14は動作せず、駆動軸12のみが回転す
る。
【0017】軸受15の下方には、駆動軸12および軸
受15の支持体を兼ねる非回転の軸受18が設けられて
いる。軸受18には、シリンダー駆動される固定ピン1
9が取り付けられている。固定ピン19は、旋回台14
が初期位置にあるときにその基部のピン穴20に挿入さ
れて、旋回台14を初期位置に固定する。
【0018】旋回台14の台面上には、材料を拘束する
ヘッド21が設けられている。ヘッド21は引き曲げ装
置に使用されるクランプ(図5(A)のC)で、保持体
1の外周側にあり、クランプ本体22およびクランプ保
持体23により構成されている。クランプ本体22は、
リングダイス4のダイス本体5の円周方向一部に対向し
ており、その対向面に、材料(管)の外面形状に対応し
た断面半円形の凹部25を有する。クランプ保持体23
はコ字状部材であり、その上辺部と下辺部の間にクラン
プ本体22を保持すると共に、上辺部および下辺部の各
先端部が、ダイス台6に設けた上下一対の切り込み部2
4に嵌合することにより、リングダイス4を円周方向お
よび軸方向に固定する。
【0019】ヘッド21は又、旋回台14の台面上を保
持体1の半径方向に自由に移動できるスライドベース2
6に搭載されている。スライドベース26は、旋回台1
4に取り付けたシリンダー27により駆動され、これに
よりヘッド21がリングダイス4から離れた退避位置
と、リングダイス4に押圧されて材料をクランプする作
動位置との間を往復する。また、スライドベース26に
固定されたナット28aにスクリュネジ28bが通さ
れ、これを回転させることにより、ヘッド21がスライ
ドベース26上を保持体1の半径方向に移動して、その
作動位置が調節される。
【0020】保持体1の外周側には、ヘッド21と共に
ガイドロール29が設けられている。ガイドロール29
は材料(管)の外面形状に対応する半円形の凹部を全周
にわたって設けた所謂キャリバーロールであり、ヘッド
21と同様にリングダイス4に対向し、且つ、スライド
ベース30、ナット31およびスクリュネジ32によ
り、保持体1の半径方向の駆動および位置調節がなされ
て材料を拘束する。但し、その架台33は、旋回台14
から独立分離した固定台であり、旋回台14が初期位置
にあるときにその旋回台14に並列する位置に設けられ
ている。
【0021】なお、ガイドロール29は、スクリュネジ
32の先端に設けたガイドロール保持台34上に取り付
けてあり、保持体1の半径方向に直角な水平方向、即
ち、保持体1の接線方向に固定位置が変更される。これ
により、ガイドロール29による材料拘束位置が材料の
長手方向で調節される。34aは、ガイドロール29を
調節位置に固定するピン穴である。
【0022】本曲げ装置においては、曲げ半径の変更お
よび曲げ作業が次のようにして行われる。
【0023】曲げ半径を変更するには、材料Wがない状
態で、固定ピン19により旋回台14を初期位置に固定
する。ヘッド21によりリングダイス4を円周方向およ
び軸方向に固定する。固定ネジ13を緩めて、保持体1
を軸方向にフリーの状態とする。また、電磁クラッチ1
7を断状態にして、駆動軸12から旋回台14を切り離
す。
【0024】この状態でスクリュネジ28bを操作して
リングダイス4を保持体1の外周に適当な圧力で押圧し
つつ油圧モータ11を作動させ、駆動軸12を回転させ
る。これにより、保持体1が円周方向に回転する。この
とき、保持体1は軸方向にフリーの状態とされ、一方、
リングダイス4はヘッド21によって円周方向および軸
方向に拘束されているから、保持体1の回転により該保
持体1が軸方向に移動し、保持体1の外周面上に保持さ
れたリングダイス4の保持位置が保持体1の軸方向およ
び半径方向において変化する。その結果、図3に示すよ
うに、リングダイス4の平均半径Rが変化する。
【0025】このとき、リングダイス4は、保持体1の
上端で最小半径R1 となり、下端で最大半径R2 とな
る。保持体1の上端でも保持体1にリングダイス4が保
持されるように、リングダイス4は保持体1の上端での
最小半径R1 より若干小さい半径に製作され、また、保
持体1の下端で弾性限界を超えないように、材質、寸
法、構造等が決められる。リングダイス4をダイス本体
5とダイス台6とに分割した構成は、それぞれの厚みを
薄くでき、弾性変形量を大きくするのに有利である。
【0026】また、リングダイス4が保持体1を包囲す
る包囲角αは、保持体1の上端で最大(α1 )となり、
下端で最小(α2 )となる。U曲げの場合、この包囲角
αは最小で(180+γ)度(但し、γはスプリングバ
ックする角度であり、材料の寸法、材質、曲げ半径等に
より異なる。)あればよく、この条件を満足するよう
に、リングダイス4の周長が決められる。例えば、保持
体1の高さが300mm、最小外径が1880mm、最
大外径が2100mmの場合、リングダイス4の内周長
を5500mmとすれば、保持体1の上端で335度の
包囲角α1 が確保され、下端でも300度の包囲角α2
が確保される。
【0027】なお、リングダイス4が保持体1の軸心方
向に移動すると、図4に示すように、保持体1の上端で
のリード角β1 と下端でのリード角β2 とが相違するこ
とから、リングダイス4に傾きが生じる。しかし、保持
体1の高さが300mm、最小外径が1880mm、最
大外径が2100mm、リードlが5mmの場合、この
傾きによる円周方向での高低差は、最大で0.2mm程度
であり、無視することができる。
【0028】以上のようにしてリングダイス4の半径が
目標値に調節されると、固定ネジ13を締めて保持体1
の高さを固定し、曲げ作業に移行する。
【0029】曲げ作業を行うには、固定ピン19を操作
して、旋回台14を回転自在の状態にする。シリンダー
27を操作してヘッド21を退避位置に後退させる。材
料Wをヘッド21とリングダイス4の間に位置させ、ヘ
ッド21を作動位置に前進させることにより、この間に
材料Wをクランプすると共に、ヘッド21をリングダイ
ス4に嵌合させる。また、ガイドロール29により材料
を拘束する。そして、電磁クラッチ17を接続状態にし
て油圧モータ11を作動させる。
【0030】これにより、保持体1が円周方向に回転す
ると共に、その回転に周期してヘッド21が旋回台14
と共に保持体1の回転中心の回りを旋回する。このと
き、ガイドロール29は移動せず、材料Wを定位置で拘
束し続ける。その結果、材料Wがヘッド21によって引
かれ、リングダイス4のダイス溝9内に巻き付けられ
る。即ち、材料Wが引き曲げされる。
【0031】曲げが終了すると、油圧モータ11を停止
し、ヘッド21を退避位置に後退させ、また、ガイドロ
ール29を材料Wから遠ざけて、材料Wを取り出す。材
料Wの取り出しが終了すると、電磁クラッチ17を接状
態にしたまま、油圧モータ11により駆動軸12を逆方
向に回転させて、保持体1および旋回台14を初期位置
に戻す。
【0032】以上で引き曲げの1サイクルが終了する。
【0033】沸騰水型原子炉の冷却管に使用する外径1
9.05mm、肉厚1.09mmのインコネルアロイ690
管は、曲げ半径が445.5mmから1512mmまでの
80種類のU曲げ加工を必要とする。この加工を従来は
80種類のベンドロールを使用して行っていたが、本発
明の曲げ装置の導入により8種の保持体と10種のリン
グダイスで行うことができるようになり、工具数の大幅
節減および工具取替工数の大幅節減を達成できた。
【0034】なお、上記実施例は引き曲げ装置である
が、そのヘッド21をローラとすると共に、ローラを搭
載した旋回台と回転駆動機構とを常時連結し、保持体を
必要時に回転駆動機構と連結する構造とすることによ
り、ローラ曲げ装置とすることもできる。
【0035】また、保持体1を軸方向に可動とする代わ
りにヘッド21を保持体1の軸方向に可動とすること、
及びヘッド21を保持体1の半径方向に移動させる代わ
りに保持体1をその半径方向に移動させることも、本発
明の範疇である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の管棒材の曲げ装置は、リングダイスの半径を変更する
ことにより、1つのリングダイスで異なる曲げ半径の加
工を行うことでき、曲げ半径の連続的な調節も可能であ
る。従って、工具数を大幅に少なくでき、工具コストの
節減を可能にする。また、工具の取替に要する手間を省
略でき、曲げ作業における作業性の向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す曲げ装置の縦断面図で
ある。
【図2】曲げ装置の平面図である。
【図3】リングダイスの変形状態を模式的に示す平面図
である。
【図4】リングダイスの水平度を説明するための模式図
である。
【図5】従来装置による曲げ加工を模式的に示す平面図
である。
【符号の説明】
1 保持体 2 雄ねじ 4 リングダイス 7 雌ねじ 9 ダイス溝 11 油圧モータ 12 駆動軸 14 旋回台 17 電磁クラッチ 21 ヘッド 25 凹部 29 ガイドロール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に外径が漸次変化するテーパー形
    状の外周面を有し、該外周面に雄ねじが設けられると共
    に、円周方向および軸方向に可動とされた保持体と、 該保持体に弾性的に外嵌保持されるC状の可撓体からな
    り、その外周面周方向にダイス溝が設けられると共に、
    内周面に前記雄ねじに螺合する雌ねじが設けられ、保持
    体に対して円周方向に相対回転することにより、拡径ま
    たは縮径を伴いつつ保持体の軸方向に相対移動し、且
    つ、保持体の軸方向移動により定位置に保持されるリン
    グダイスと、 該リングダイスのダイス溝の円周方向一部に対向したダ
    イス溝に対応する凹部を有し、該凹部とダイス溝との間
    に材料を挟むべく、保持体の半径方向に可動とされると
    共に、凹部とダイス溝との間に材料を挟んだ状態で、円
    周方向に移動して材料をリングダイスのダイス溝内に巻
    き付けるヘッドとを具備することを特徴とする管棒材の
    曲げ装置。
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JP2991027B2 (ja) * 1994-02-15 1999-12-20 住友金属工業株式会社 熱交換器およびその熱交換器用uベンド管の製造に用いる管曲げ方法
DE4442185C2 (de) * 1994-11-26 2003-06-18 Wolf Gmbh Richard Führung

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