JP3164082B2 - 熱交換器およびその熱交換器用uベンド管の製造に用いる管曲げ方法 - Google Patents

熱交換器およびその熱交換器用uベンド管の製造に用いる管曲げ方法

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bend
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D7/00Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
    • F28D7/06Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits having a single U-bend

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧水型原子炉の蒸気
発生器等として使用される熱交換器、およびその熱交換
器を構成するUベンド管の製造に好適に使用される管曲
げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子炉の蒸気発生器には、周知
の通り、曲げ半径が異なる多数本のUベンド管を組み合
わせて構成した伝熱管群が使用されている。この伝熱管
群の概略構成を図1に示し、Uベンド管の配列形態を図
2に示す。
【0003】伝熱管群は、図1に示すように、全体とし
て、最上部が半球状になった円柱状をしている。その最
も内側には、曲げ半径が最も小さい複数本のUベンド管
1,11 …が、曲げ平面に直角な方向Zに同一の間隔
をあけて1列に配置されている。これらのUベンド管1
1 ,11 …の外側には、それぞれ曲げ半径が段階的に大
きくされたUベンド管12 ,13 …が、Uベンド管
1 ,11 …の間隔と同じ間隔をあけて配列されてい
る。
【0004】この配列には、図2(A)に示すように、
Uベンド管11 ,11 …と同じ曲げ平面上にUベンド管
2 ,13 …を配列する形態(以後、四角形配列とい
う)と、同図(B)に示すように、Uベンド管11 ,1
1 …と同じ曲げ平面上にUベンド管13 ,15 …を、U
ベンド管11 ,11 …の間隔の中央位置における曲げ平
面上にUベンド管12 ,14 …を配列する形態(以後、
三角形配列という)とがある。いずれの形態において
も、伝熱管の配列本数は、曲げ平面に直角な方向Zの両
端から中央部にかけて徐々に増大している。
【0005】すなわち、伝熱管群の最上部では、曲げ半
径の小さいベンド部が、曲げ中心を同一線上に位置させ
て等間隔配列されると共に、その外側に、曲げ半径が段
階的に大きくなったベンド部が、Z方向中央部ほど多く
同心状に配置されることにより、伝熱管群の最上部が半
球状に形成される。また、半球部以外の部分では、水平
な円形領域内に多数の直管部が所定の間隔で配置され
る。
【0006】このような伝熱管群では、通常曲げ半径が
100種類を超えるUベンド管11,12 …が使用され
る。そのため、曲げ平面に直角な方向Zの中央部では、
曲げ半径が異なる100以上のベンド部が同心状に配置
される。また、Uベンド管の総本数はほぼ7000本に
も達する。
【0007】加圧水型原子炉の蒸気発生器では、このよ
うな多数種、多本数のUベンド管を固定することが、管
損傷を防止する上で極めて重要であるとされている。
【0008】この要求に対し、半球部以外の部分では、
複数段に配置した支持板4により多数の直管部が固定さ
れる。しかし、多数のベンド部が組み合わされた半球部
では、支持板4による固定が不可能なため、曲げ平面に
間に形成されるベンド部間の隙間に、支持板4から張り
出し量が少なく比較的剛性の高い曲げ半径の小さいベン
ド部を除いて、V状の振れ止め金具2が曲げ半径の大き
いベンド部側から挿入される。
【0009】例えば、100以上のベンド部が組み合わ
されるZ方向中央部では、複数の振れ止め金具21 ,2
2 …が曲げ半径の大きい方から約80のベンド部に対し
て複数段に配置される。各振れ止め金具は、断面が四角
形の金属棒からなり、同じ段のもの(例えば21
1 )は、半球部の表面に沿って湾曲した一対の保持金
具(例えば31 ,31 )によって保持される。
【0010】ところで、このような伝熱管群に使用され
る多数種、多本数のUベンド管は、ベンド部にも高寸法
精度が要求されるため、曲げダイスを使用する型曲げに
より製造されることが多い。そして、この型曲げは、引
き曲げとロール曲げとに大別される。それぞれを図3に
示す。
【0011】引き曲げでは、図3(A)に示すように、
曲げダイスとしてのベンドロール5と、ベンドロール5
に材料Wを固定するためのクランプ6とが使用される。
ベンドロール5の外周面には材料Wの外面形状に対応す
るダイス溝が設けられている。クランプ6にも材料Wの
外面形状に対応する凹部が設けられている。
【0012】材料Wは、ベンドロール5とクランプ6と
で挟持され、この状態で、ベンドロール5およびクラン
プ6がベンドロール5の中心回りに同期回転することに
より、ベンドロール5のダイス溝内に押し込まれて湾曲
する。このとき、材料Wはクランプ6に引かれて移動す
る。即ち、材料Wが引き曲げられるわけである。
【0013】これに対してロール曲げでは、図3(B)
に示すように、クランプ6に代わってローラ7が使用さ
れる。ローラ7には材料Wの外面形状に対応する凹部が
全周にわたって設けられている。材料Wは、ベンドロー
ル5とローラ7との間に挟持され、この状態で、ローラ
7のみがベンドロール5の周囲を自転しながら公転する
ことにより、ベンドロール5のダイス溝内に押し込まれ
る。
【0014】管曲げについての提案は多いが(特開昭5
0−29465号公報、特開昭58−159923号公
報、実開昭58−185324号公報等)、曲げダイス
を使用するものについては、引き曲げかロール曲げのい
ずれかに分類される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】曲げダイスを使用する
型曲げは、1つの曲げダイスで1種類の曲げ半径の加工
を行うことが原則であり、これによって高寸法精度を確
保できる。
【0016】しかし、前述した加圧水型原子炉の蒸気発
生器に使用される伝熱管群は、曲げ半径が100種類を
超えるUベンド管を必要とする。そのため、このUベン
ド管の製造に型曲げを用いると、100種類を超える曲
げダイスが必要となり、経済性の著しい低下を招く。
【0017】すなわち、型曲げに使用する曲げダイス
は、その溝加工に極めて精密な加工を必要とするため、
加工コストが高く、これを数多くストックすることは、
工具コストひいては製品コストの高騰を招くのである。
【0018】これに加えて、型曲げ用の曲げダイスは、
個々に製作上の溝形状誤差が生じるのを避け得ない。ま
た、繰り返し使用による摩耗のばらつきが生じる。更
に、曲げ半径が小さいほど、曲げ平面に直角な方向の外
径がダイス溝径より大きくなるという、加工上の本質的
性質もある。
【0019】これらの誤差の相乗により、前記伝熱管群
の半球部では、ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径
が、曲げ半径によってばらつく。この状態を四角形配列
の場合について図4に示すが、問題となるのは、前記外
径のばらつきが大きいことである。
【0020】すなわち、曲げ半径が異なる多数種のUベ
ンド管1n ,1n+1 …のベンド部を支持するために、ベ
ンド部の曲げ平面間に形成されるベンド部間の隙間に振
れ止め金具2が挿入されるが、その厚みTはベンド部の
曲げ平面に直角な方向の外径Dn ,Dn+1 …に規則性が
ないため、その最大値、つまり、ベンド部間の隙間
n ,dn+1 …の最小値によって一義的に決定される。
【0021】そして、前記外径Dn ,Dn+1 …のばらつ
きは、曲げダイスの管理困難により、0.3mm程度に及
び、同程度のばらつきがベンド部の間の隙間dn ,d
n+1 …に存在する。そのため、この隙間に振れ止め金具
2が挿入されていても、前記外径の小さいベンド部につ
いては、ベンド部と振れ止め金具2との間に大きな隙間
ができ、充分な支持が行われないということになる。こ
の現象は、三角形配列の場合も生じる。
【0022】無論、この隙間によるベンド部のがたつき
は、最大でも0.3mm程度と小さく、安全性に直接影響
を与えるようなものではないが、このがたつきをより小
さなレベルに揃えることが、より高い安全を求める上で
重要であることは言うまでもない。
【0023】本発明の目的は、曲げ半径が異なる多数種
のUベンド管の全てのベンド部を従来より格段に高いレ
ベルで確実に支持できる熱交換器を提供することにあ
る。
【0024】本発明の他の目的は、その熱交換器に使用
される多数種のUベンド管を経済的に製造できる管曲げ
方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の熱交換器は、同
一公称外径で曲げ半径が同一のUベンド管が、そのベン
ド部の曲げ平面に直角な方向に配列されると共に、その
外側に、同一公称外径で曲げ半径が段階的に大きくなっ
た多数種のUベンド管が順次配列される一方、曲げ平面
間に形成される隙間の前記ベンド部領域に振れ止め金具
が挿入された熱交換器において、前記曲げ半径が異なる
多数種のUベンド管を製造する全ての曲げ工具の、曲げ
平面に直角な方向の外径を規制する溝寸法M1,M2,
M3・・Mnを、数式1以下、原管外径D0 以上に設定
することにより、前記多数種のUベンド管のベンド部
の、曲げ平面に直角な方向の外径を、その上限値DMAX
以下に抑制して、前記外径のばらつきを抑制したもので
ある。
【0026】
【数1】 M1=DMAX −ΔD1 M2=DMAX −ΔD2 M3=DMAX −ΔD3 ・ Mn=DMAX −ΔDn
【0027】ここで、M1,M2,M3・・Mnは各曲
げ工具の溝寸法を、曲げ半径の小さいものから大きいも
のへ順番に表す。ΔD1,ΔD2,ΔD3・・ΔDnは
各曲げ半径で予め曲げ加工を行って調査した、曲げ平面
に直角な方向の外径増加分を、曲げ半径の小さいものか
ら大きいものへ順番に表す。DMAX は曲げ平面に直角な
方向の外径の上限値である。
【0028】前述した通り、曲げダイスを使用する型曲
げでは、曲げ半径が小さいほど、ベンド部の曲げ平面に
直角な方向の外径がダイス溝径より大きくなるという、
加工上の本質的性質がある。即ち、溝径が同じダイスを
使用して曲げ半径が異なる型曲げを行う場合、曲げ半径
が小さいほど、ベンド部が曲げ平面に直角な方向に大き
く膨らむ傾向がある。ダイス内ではダイスによる拘束の
ため、この現象は生じないが、ダイスから取出すと所謂
スプリングバックによりベンド部の曲げ平面に直角な方
向の外径が、曲げ半径が小さいほどダイス溝径より大き
くなる。
【0029】曲げ半径が小さいほど、曲げ平面に直角な
方向の外径がダイス溝径より大きくなるのは、上述の通
りであるから、ベンド部の曲げ半径が小さく、曲げ平面
に直角な方向の外径が大きくなる曲げ加工では、曲げ平
面に直角な方向の外径を規制する溝寸法を、ベンド部の
曲げ平面に直角な方向の外径から外径増加分だけ減じた
値に設定すれば、ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外
径は、ベンド部の曲げ半径に関係なく、一定に管理され
る。また、その溝寸法の上限を、ベンド部の曲げ平面に
直角な方向の外径から外径増加分だけ減じた値に設定す
れば、ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径は、ベン
ド部の曲げ半径に関係なく、一定値以下に管理される。
【0030】従って、本発明の熱交換器では、曲げ半径
が異なる多数種のUベンド管を製造する全ての曲げ工具
の、曲げ平面に直角な方向の外径を規制する溝寸法M
1,M2,M3・・Mnを、数式1以下に設定すること
とした。後述の実施例1に示される通り、溝寸法M1,
M2・・Mnを数式1以下に設定することにより、全て
のベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径は、その上限
値DMAX 以下に管理されることになる。
【0031】
【数2】 M2=M1+(ΔD1−ΔD2) M3=M1+(ΔD1−ΔD3) ・ Mn=M1+(ΔD1−ΔDn)
【0032】数式2は、数式1において、M2,M3・
・MnをM1で表わしたものである。この数式は、溝寸
法M1で得られるベンド部の曲げ平面に直角な方向の外
径に、他のベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径を同
一に揃えるための溝寸法M2,M3・・Mnを表す。こ
こにおける外径、即ち、M1で得られるベンド部の曲げ
平面に直角な方向の外径が、上記の外径管理値であり、
上限値DMAX である。例えば、溝寸法M1を後述の好ま
しい下限値(D0 +0.02mm)付近に設定した場合、
溝寸法M1で得られるベンド部の曲げ平面に直角な方向
の外径は(D0+0.02+ΔD1)mmとなる。数式2
に従って他の曲げ工具の溝寸法M2,M3・・Mnを設
定することにより、全てのUベンド管のベンド部の曲げ
平面に直角な方向の外径は(D0 +0.02+ΔD1)m
mとなる。他の曲げ工具の溝寸法M2,M3・・Mnを
数式2以下とすれば、全てのUベンド管のベンド部の曲
げ平面に直角な方向の外径は(D0 +0.02+ΔD1)
mm以下に管理される。
【0033】本発明の熱交換器では、このような曲げ半
径に対して秩序立てられた曲げ工具の溝寸法管理によ
り、曲げ半径が異なる複数本のUベンド管のベンド部の
曲げ平面に直角な方向の外径が上限値DMAX 以下に管理
されるので、その外径のばらつきが小さく抑制される。
具体的には、その外径のばらつきは、従来の0.3mm
から大幅に抑制され、従来の半分以下である0.15m
m以下に簡単に抑えられる。更には、0.127mm
(1/2インチ×1/1000)以下も可能であり、
0.1mm以下も可能となる。従って、全長等厚の振れ
止め金具を有効に機能させることが可能となる。
【0034】曲げ工具の寸法管理については、従来は有
効な方法が存在していなかった。このため、溝寸法が無
意味に一定かつ厳しい公差で管理され、その結果、曲げ
工具の製作が非常に困難なものになっていた。また、曲
げ工具の溝寸法を厳しい公差で管理しても、曲げ半径の
小さいベンド部で予期されない大きな外径増大が生じた
り、曲げ半径の大きいベンド部で必要以上に外径が小さ
くなり、その外径のばらつきを効果的に抑制することが
困難であった。更に、各曲げ工具毎にまちまちの摩耗が
生じるため、明確な判断基準もなく曲げ工具が不良品扱
いにされていた。本発明の熱交換器では、曲げ半径に対
して秩序立てられた溝寸法管理により、曲げ半径が異な
る複数本のUベンド管のベンド部の曲げ平面に直角な方
向の外径が、上限値DMAX 以下に簡単に管理され、これ
により、その外径のばらつきが小さく抑制されると共
に、曲げ工具コストが低下する。
【0035】曲げ半径が異なる複数本のUベンド管のベ
ンド部の曲げ平面に直角な方向の外径のばらつきは、全
長等厚の振れ止め金具による支持性を高めるために、小
さいほどよく、従来の半分以下である0.15mm以下
が好ましい。特に、0.127mm(1/2インチ×1
/1000)以下が好ましく、0.1mm以下が更に好
ましい。
【0036】前記外径増加分は予め求めておく。この外
径増加分は、被曲げ管の寸法、強度、曲げ半径等により
異なり、例えば、材質アロイ690(インコ社商標)、
公称外径17.40mm、肉厚1.02mmの被曲げ管を引
き曲げする場合、曲げ半径が520mmのときは0.02
mm程度であり、曲げ半径が886mm以上ではほぼ0
である。
【0037】溝寸法の下限を被曲げ管の公称外径D0
するのは、被曲げ管がリングダイスのダイス溝に変形す
ることなく押し込まれるようにするためであり、押し込
み時のスリ疵防止を考慮すれば、D0 +0.02mm以上
とするのが好ましい。
【0038】また、本発明の管曲げ方法は、基本半径が
異なり、それぞれが半径方向へ弾性変形するように円周
方向の一部が分断されると共に、それぞれの外周面に被
曲げ管の外形に対応する断面形状のダイス溝が設けられ
た複数種の可撓性リングダイスを、それぞれ異なる半径
に保持して、各リングダイスで被曲げ管を異なる半径に
曲げ加工することにより、曲げ半径が段階的に変化した
多数種のUベンド管を製造する際に、使用される全ての
可撓性リングダイスの溝径M1,M2,M3・・Mn
を、数式4以下、原管外径D0 以上に設定するものであ
る。
【0039】
【数3】 M1=DMAX −ΔD1 M2=DMAX −ΔD2 M3=DMAX −ΔD3 ・ Mn=DMAX −ΔDn
【0040】数式3は数式1に対応する。数式3で、M
1,M2,M3・・Mnは各リングダイスの溝径を、曲
げ半径の小さいものから大きいものへ順番に表す。ΔD
1,ΔD2,ΔD3・・ΔDnは各曲げ半径で予め曲げ
加工を行って調査した、曲げ平面に直角な方向の外径増
加分を、曲げ半径の小さいものから大きいものへ順番に
表す。DMAX は曲げ平面に直角な方向の外径の上限値で
ある。
【0041】本発明の管曲げ方法は、本発明の熱交換器
に使用されるUベンド管を経済的に製造することができ
る。
【0042】本発明の管曲げ方法に使用するリングダイ
スを図6に示す。
【0043】本発明の管曲げ方法は、基本半径が異なる
複数種のリングダイス8a,8b…を用いる。それぞれ
のリングダイスは可撓材からなり、且つ半径方向に弾性
変形するように円周方向の一部が分断されている。ま
た、それぞれの外周面には被曲げ管の外形に対応する断
面形状のダイス溝が設けられている。従って、1つのリ
ングダイスにより、曲げ半径が異なる複数種の曲げ加工
を行うことができる。
【0044】そして、基本半径が小さいリングダイス8
aを異なる半径に保持して、曲げ半径が小さい内側のグ
ループAに属する複数種のUベンド管1n ,1n+1 …を
製造する。また、基本半径が中間のリングダイス8bを
異なる半径に保持して、曲げ半径が中間のグループBに
属する複数種のUベンド管1n+4 ,1n+5 …を製造し、
基本半径が大きいリングダイス8cを異なる半径に保持
して、曲げ半径が大きい外径のグループCに属する複数
種のUベンド管1n+8 ,1n+9 …を製造する。
【0045】本発明の管曲げ方法では、曲げ半径の種類
に比して使用するリングダイスの数が大幅に減るので、
ダイス溝径の管理を厳密に行うことができる。そして、
同一グループ内のUベンド管については、同一ダイスを
使用することから、同一グループに属するUベンド管の
曲げ半径の種類の設定数により、ベンド部の曲げ平面に
直角な方向の外径のばらつきを小さく抑えることができ
る。また、グループ間では、リングダイスの種類が減少
しダイス溝径の厳密な管理が可能となるため、ベンド部
の曲げ平面に直角な方向の外径を任意にコントロールで
きる。
【0046】そして、本発明の管曲げ方法では、基本半
径の異なる複数種のリングダイスのダイス溝径を前記の
通り設定することにより、全てのUベンド管のベンド部
の曲げ平面に直角な方向の外径のばらつきが小さく抑制
される。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を説明す
る。
【0048】本発明の熱交換器における伝熱管群の概略
構成を、四角形配列の場合について図5に示す。
【0049】曲げ半径が異なる多数種のUベンド管
1 ,12 …のベンド部が、曲げ平面に直角な方向Zお
よび曲げ半径方向Rに夫々等間隔配置されている。ま
た、曲げ平面間に形成されるベンド部間の隙間に、曲げ
半径の小さい最内周側のベンド部を除いて、外周側から
内周側へ振れ止め金具2が挿入されている。
【0050】そして、振れ止め金具2が挿入された位置
においては、ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径D
n ,Dn+1 …が、曲げ半径の小さなものから曲げ半径の
大きなものまで上限値DMAX 以下とされている。そのた
め、ベンド部間の隙間Gn ,Gn+1 …のばらつきも、内
側から外側まで(上限値DMAX −原管外径D0 )以内に
抑制されている。従って、この隙間に外側から内側へ挿
入された一定厚Tの振れ止め金具2により、全てのベン
ド部が確実に支持される。
【0051】本発明の管曲げ方法に使用する曲げダイス
の具体例を図7〜図11に示す。
【0052】本曲げダイスは、図7および図8に示すよ
うに、C状のリングダイス10と、円盤状の保持体20
とから構成されている。
【0053】リングダイス10は、S45C等の鋼(は
がね)の如き弾力性に富んだ金属材料からなり、真円の
C型に製作されている。リングダイス10の一端部に
は、内側へ突出した凸部11が設けられている。リング
ダイス10の他端部は外面側が切り欠かれた薄肉部12
とされ、該薄肉部12には固定ネジ30が挿通するネジ
孔13が設けられている。そして、リングダイス10の
外周面には、円周方向に延びるダイス溝14が、薄肉部
12を除いて設けられている。ダイス溝14の断面形状
は、被曲げ材(ここでは管)の外形に対応した半円形と
されている。
【0054】該リングダイス10は、鋼(はがね)等の
弾力性に富んだ金属材料からなるので、図9に示すよう
に、弾性限度内で平均半径Rを拡大させることができ
る。また、弾性限度内で、且つリングダイス10の両端
間の隙間により決定される形状上の制約内で、平均半径
Rを縮小することができる。
【0055】平均半径Rを拡大させた場合、有効部の中
心角αは変形前のα1 から変形後のα2 へ小さくなる。
変形前の平均半径をR1 、変形後の平均半径をR2
し、リング厚さを2hとすれば、リング歪εは ε=h(1/R1 −1/R2 ) となる。この歪みよるダイス溝14の断面形状の変化は
僅かである。
【0056】保持体20は、リングダイス10より若干
厚い円盤である。保持体20の外周面の円周方向一部に
は切欠き部21が設けられている。切欠き部21を除く
外周面には、リングダイス10が嵌合する凹溝22が設
けられている。
【0057】凹溝22の底面は、保持体20の中心に対
して同心の真円であり、切欠き部21の外周面に連続し
ている。底面の外径は、リングダイス10の製作内径と
同一もしくはこれより大または小とされ、更に詳しく
は、無変形もしくは変形限界内で拡径または縮径したリ
ングダイス10の内周面が底面に密着するように決めら
れている。
【0058】切欠き部21の一端部外周面には、リング
ダイス10の凸部11が嵌合する凹部23が設けられて
おり、他端部外周面には、ネジ孔13に対応するネジ穴
24が設けられている。凹部23からネジ穴24までの
溝底面の周長は、リングダイス10の凸部11からネジ
孔13までの内周面周長に一致している。また、その中
心角は、曲げ加工における中心角を満足させるようにな
っている。
【0059】そして、凹溝22にリングダイス10を嵌
め、その凸部11を凹部23に嵌合させた状態で、固定
ネジ30をネジ孔13に通してネジ穴24にねじ込むこ
とにより、リングダイス10の内周面が凹溝22の底面
に周方向全長にわたって密着し、該リングダイス10に
必要な半径と必要な中心角αが付与される。
【0060】なお、25は保持体20の中心部に設けた
取り付け用の貫通孔、26は周方向位置決め用のキー
溝、27は貫通孔25の周囲に設けた吊具取り付け用の
ネジ孔である。
【0061】本曲げダイスは、図3(A)(B)のベン
ドロールRと同様に、引き曲げ装置あるいはロール曲げ
装置に使用される。曲げダイスのリングダイス10は、
拡径または縮径が可能で、保持体20の外径によって使
用半径が決まり、外径の異なる保持体20と組み合わせ
ることにより、異なる半径の曲げ加工を行うことができ
る。
【0062】なお、本曲げダイスにおいては、リングダ
イス10の端部止めを省略できる。即ち、リングダイス
10が無変形の状態で使用される場合は、例えば他端部
のネジ止めを省略しても、その内周面は保持体20の外
周面に密着する。リングダイス10が拡径状態あるいは
縮径状態で使用される場合は、例えば他端部のネジ止め
を省略すると、図10に示すように、リングダイス10
が保持体20の外周面から浮き上がる。しかし、曲げ加
工を行えば、その荷重によりリングダイス10が保持体
20の外周面に密着するので、被曲げ材が棒材あるいは
厚肉管のように圧壊され難いものであれば、端部止めを
省略できる。但し、被曲げ材に余分な荷重が付加される
ので、被曲げ材が薄肉管のような圧壊され易いものの場
合は、端部止めによりリングダイス10を予め保持体2
0の外周面に密着させておくことが望まれる。
【0063】図11は保持体の他の外面形状を示す平面
図である。リングダイスは可撓性を有するため、図11
に示すような真円でない保持体20の外周面に沿って変
形させることもできる。従って、円曲げ以外の様々な曲
げ加工が可能になる。
【0064】本発明の第1の管曲げ方法および第2の管
曲げ方法に使用する他の管曲げ装置を図12〜図15に
示す。
【0065】本曲げ装置は、図12および図13に示す
ように、軸を鉛直方向に向けて保持された円錐台状の保
持体41を具備する。保持体41のテーパー状の外周面
には雄ねじ42が軸方向全長にわたって設けられてい
る。保持体41の中心部には、内周面にスプライン溝が
設けられたスリーブ43が鉛直に取り付けられている。
保持体41の寸法としては、例えば、高さが300m
m、上端の最小外径が1880mm、下端の最大外径が
2100mmである。
【0066】保持体41にはリングダイス44が外嵌さ
れている。リングダイス44は、前述したリングダイス
10と同様に、S45C等の鋼(はがね)のような弾性
を有する素材からなるC状の所謂スプリットリングであ
り、ダイス本体45およびダイス台46により構成され
ている。
【0067】ダイス本体45は、湾曲させるべき材料
(管)の外面形状に対応した断面半円形のダイス溝49
を外周面全周に有し、ダイス台46の外周面に設けた凹
溝48内に嵌合保持されている。そして、ダイス台46
の内周面には、保持体41の外周面の雄ねじ42に噛み
合う雌ねじ47が設けられている。従って、保持体41
とリングダイス44が相対回転すれば、リングダイス4
4は保持体41の軸方向に相対移動し、その半径が拡大
または縮小される。
【0068】次に、保持体41の支持機構および回転駆
動機構、並びに材料クランプ機構を説明する。
【0069】固定台50の上に油圧モータ51が配設さ
れている。油圧モータ51は、その上に鉛直に支持され
た駆動軸52を回転させる。駆動軸52の上部はスプラ
イン軸になっている。そして、該スプライン軸が前記ス
リーブ43に挿入され、スリーブ43が固定ネジ53に
よって任意の高さに固定されることにより、保持体41
が支持され、保持体41の高さが調節される。
【0070】固定台50の上には旋回台54が載置され
ている。旋回台54は、駆動軸52からその外周側へ延
出した構成になっており、駆動軸52に外嵌された軸受
55に基部が接続され、下部にローラ56を有すること
により、駆動軸52の回りを旋回できる。そして、軸受
55の上方に設けた電磁クラッチ57が接状態のとき
に、駆動軸52の回転に追従して駆動軸52の回りを旋
回台54が旋回動し、電磁クラッチ57が断状態のとき
には、旋回台54は動作せず、駆動軸52のみが回転す
る。
【0071】軸受55の下方には、駆動軸52および軸
受55の支持体を兼ねる非回転の軸受58が設けられて
いる。軸受58には、シリンダー駆動される固定ピン5
9が取り付けられている。固定ピン59は、旋回台54
が初期位置にあるときにその基部のピン穴60に挿入さ
れて、旋回台54を初期位置に固定する。
【0072】旋回台54の台面上には、材料を拘束する
ヘッド61が設けられている。ヘッド61は引き曲げ装
置に使用されるクランプ(図3(A)のC)で、保持体
41の外周側にあり、クランプ本体62およびクランプ
保持体63により構成されている。クランプ本体62
は、リングダイス44のダイス本体45の円周方向一部
に対向しており、その対向面に、材料(管)の外面形状
に対応した断面半円形の凹部65を有する。クランプ保
持体63はコ字状部材であり、その上辺部と下辺部の間
にクランプ本体62を保持すると共に、上辺部および下
辺部の各先端部が、ダイス台46に設けた上下一対の切
り込み部64に嵌合することにより、リングダイス44
を円周方向および軸方向に固定する。
【0073】ヘッド61は又、旋回台54の台面上を保
持体1の半径方向に自由に移動できるスライドベース6
6に搭載されている。スライドベース66は、旋回台5
4に取り付けたシリンダー67により駆動され、これに
よりヘッド61がリングダイス44から離れた退避位置
と、リングダイス44に押圧されて材料をクランプする
作動位置との間を往復する。また、スライドベース66
に固定されたナット68aにスクリュネジ68bが通さ
れ、これを回転させることにより、ヘッド61がスライ
ドベース66上を保持体41の半径方向に移動して、そ
の作動位置が調節される。
【0074】保持体41の外周側には、ヘッド61と共
にガイドロール69が設けられている。ガイドロール6
9は材料(管)の外面形状に対応する半円形の凹部を全
周にわたって設けた所謂キャリバーロールであり、ヘッ
ド61と同様にリングダイス44に対向し、且つ、スラ
イドベース70、ナット71およびスクリュネジ72に
より、保持体41の半径方向の駆動および位置調節がな
されて材料を拘束する。但し、その架台73は、旋回台
54から独立分離した固定台であり、旋回台54が初期
位置にあるときにその旋回台54に並列する位置に設け
られている。
【0075】なお、ガイドロール69は、スクリュネジ
72の先端に設けたガイドロール保持台74上に取り付
けてあり、保持体41の半径方向に直角な水平方向、即
ち、保持体41の接線方向に固定位置が変更される。こ
れにより、ガイドロール69による材料拘束位置が材料
の長手方向で調節される。74aは、ガイドロール69
を調節位置に固定するピン穴である。
【0076】本曲げ装置においては、曲げ半径の変更お
よび曲げ作業が次のようにして行われる。
【0077】曲げ半径を変更するには、材料Wがない状
態で、固定ピン59により旋回台54を初期位置に固定
する。ヘッド61によりリングダイス44を円周方向お
よび軸方向に固定する。固定ネジ53を緩めて、保持体
41を軸方向にフリーの状態とする。また、電磁クラッ
チ57を断状態にして、駆動軸52から旋回台54を切
り離す。
【0078】この状態でスクリュネジ68bを操作して
リングダイス44を保持体41の外周に適当な圧力で押
圧しつつ油圧モータ51を作動させ、駆動軸52を回転
させる。これにより、保持体41が円周方向に回転す
る。このとき、保持体41は軸方向にフリーの状態とさ
れ、一方、リングダイス44はヘッド61によって円周
方向および軸方向に拘束されているから、保持体41の
回転により該保持体41が軸方向に移動し、保持体41
の外周面上に保持されたリングダイス44の保持位置が
保持体41の軸方向および半径方向において変化する。
その結果、図14に示すように、リングダイス44の平
均半径Rが変化する。
【0079】このとき、リングダイス44は、保持体4
1の上端で最小半径R1 となり、下端で最大半径R2
なる。保持体41の上端でも保持体41にリングダイス
44が保持されるように、リングダイス44は保持体4
1の上端での最小半径R1 より若干小さい半径に製作さ
れ、また、保持体41の下端で弾性限界を超えないよう
に、材質、寸法、構造等が決められる。リングダイス4
4をダイス本体45とダイス台46とに分割した構成
は、それぞれの厚みを薄くでき、弾性変形量を大きくす
るのに有利である。
【0080】また、リングダイス44が保持体41を包
囲する包囲角αは、保持体41の上端で最大(α1 )と
なり、下端で最小(α2 )となる。U曲げの場合、この
包囲角αは最小で(180+γ)度(但し、γはスプリ
ングバックする角度であり、材料の寸法、材質、曲げ半
径等により異なる)あればよく、この条件を満足するよ
うに、リングダイス44の周長が決められる。例えば、
保持体41の高さが300mm、最小外径が1880m
m、最大外径が2100mmの場合、リングダイス44
の内周長を5500mmとすれば、保持体41の上端で
335度の包囲角α1 が確保され、下端でも300度の
包囲角α2 が確保される。
【0081】なお、リングダイス44が保持体41の軸
心方向に移動すると、図15に示すように、保持体41
の上端でのリード角β1 と下端でのリード角β2 とが相
違することから、リングダイス44に傾きが生じる。し
かし、保持体41の高さが300mm、最小外径が18
80mm、最大外径が2100mm、リードlが5mm
の場合、この傾きによる円周方向での高低差は、最大で
0.2mm程度であり、無視することができる。
【0082】以上のようにしてリングダイス44の半径
が目標値に調節されると、固定ネジ53を締めて保持体
41の高さを固定し、曲げ作業に移行する。
【0083】曲げ作業を行うには、固定ピン59を操作
して、旋回台54を回転自在の状態にする。シリンダー
67を操作してヘッド61を退避位置に後退させる。材
料Wをヘッド61とリングダイス44の間に位置させ、
ヘッド61を作動位置に前進させることにより、この間
に材料Wをクランプすると共に、ヘッド61をリングダ
イス44に嵌合させる。また、ガイドロール69により
材料を拘束する。そして、電磁クラッチ57を接続状態
にして油圧モータ51を作動させる。
【0084】これにより、保持体41が円周方向に回転
すると共に、その回転に周期してヘッド61が旋回台4
4と共に保持体41の回転中心の回りを旋回する。この
とき、ガイドロール69は移動せず、材料Wを定位置で
拘束し続ける。その結果、材料Wがヘッド61によって
引かれ、リングダイス44のダイス溝49内に巻き付け
られる。即ち、材料Wが引き曲げされる。
【0085】曲げが終了すると、油圧モータ51を停止
し、ヘッド61を退避位置に後退させ、また、ガイドロ
ール69を材料Wから遠ざけて、材料Wを取り出す。材
料Wの取り出しが終了すると、電磁クラッチ57を接状
態にしたまま、油圧モータ51により駆動軸52を逆方
向に回転させて、保持体41および旋回台54を初期位
置に戻す。
【0086】以上で引き曲げの1サイクルが終了する。
【0087】なお、上記曲げ装置は引き曲げ装置である
が、そのヘッド61をローラとすると共に、ローラを搭
載した旋回台と回転駆動機構とを常時連結し、保持体を
必要時に回転駆動機構と連結する構造とすることによ
り、ローラ曲げ装置とすることもできる。
【0088】また、保持体41を軸方向に可動とする代
わりにヘッド61を保持体41の軸方向に可動とするこ
と、及びヘッド61を保持体41の半径方向に移動させ
る代わりに保持体41をその半径方向に移動させること
も可能である。
【0089】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。
【0090】実施例1 加圧水型原子炉の蒸気発生管に使用されるUベンド管の
製造に、本発明の管曲げ方法を適用した。
【0091】被曲げ管は、アロイ690(インコ社商
標)からなる細管であり、その公称寸法は外径17.4
0mm、肉厚1.02mmである。曲げ半径は520m
mから1453mmまでの80種類とした。そして、こ
の80種類の曲げ半径を表1に示す5つのグループA〜
Eに分け、各グループに図7および図8に示す円盤タイ
プの曲げダイスを用いた。ベンド部の曲げ平面に直角な
方向の外径の上限値DMA X は17.50mm(原管外径
0 +0.1mm)とした。
【0092】グループAは曲げ半径が520mmから6
02mmまでの8種類であり、各曲げを基本半径が45
2.5mm、溝径が17.48mmのリングダイスによ
り実施した。グループBは曲げ半径が614mmから7
09mmまでの9種類であり、各曲げを基本半径が52
7.5mm、溝径が17.45mmのリングダイスによ
り実施した。グループCは曲げ半径が720mmから8
74mmまでの14種類であり、各曲げを基本半径が6
27.5mm、溝径が17.49mmのリングダイスに
より実施した。グループDは曲げ半径が886mmから
1110mmまでの19種類であり、各曲げを基本半径
が742.5mm、溝径が17.42mmのリングダイ
スにより実施した。グループEは曲げ半径が1122m
mから1453mmまでの28種類であり、各曲げを基
本半径が920.0mm、溝径が17.50mmのリン
グダイスにより実施した。
【0093】製造された80種類のUベンド管のベンド
部の曲げ平面に直角な方向の外径を、曲げ部全体につい
て測定した結果を表1に示す。N数は各曲げ半径につき
10とした。
【0094】曲げ半径が異なる80種類の管曲げに対し
て5種類のリングダイスを使用したので、各ダイスの溝
径を厳密に管理することができた。
【0095】加えて、グループA,C,Eでは、リング
ダイスの溝径を、数式1に対応する数式3の上限値に設
定した。即ち、グループAおよびグループCでは、その
溝径を、各グループ内で最も大きな外径増加分を考慮し
た上限値である17.48mmおよび17.49mmと
し、グループEでは、その溝径を、ベンド部の曲げ平面
に直角な方向の外径の上限値DMAX の17.50mmと
した。
【0096】ちなみに、外径増加分は、表1中の「外径
の範囲」の最大値−「リングダイス溝径」から求めるこ
とができ、グループAでは0.02mm、グループCで
は0.01mm、グループEでは0である。他のグルー
プでは、溝径を前記の好ましい下限値以上で、且つ、数
式1に対応する数式4の上限値より小さく設定した。な
お、表1中の「外径の範囲」の最大値は同一グループ内
で最も小さい曲げ半径の曲げ加工を行ったときの値であ
り、同一グループ内で曲げ半径の大きい曲げ加工を行う
ことにより、この外径は曲げ半径の増大に従って小さく
なる。
【0097】このような溝径設定を行った結果、グルー
プA,C,Eにおける前記外径の最大値を、ここでの上
限値DMAX である17.50mm(17.40mm+
0.1mm)にすることができた。また、グループB,
Dにおける前記外径の最大値は、ここでの上限値DMAX
より小さくなった。即ち、リングダイスの溝径を、数式
1に対応する数式4の上限値以下に設定することによ
り、全グループで、ベンド部の曲げ平面に直角な方向の
外径の最大値が、上限値DMAX 以下となった。これによ
り、全てのUベンド管の前記外径のばらつきを0.10
mmに抑えることができた。なお、グループEでばらつ
きが最も大きいのは、曲げ半径が大きく楕円化傾向の小
さいものに対して、溝径が上限のリングダイスを用いた
ため、ダイス溝による楕円化拘束効果の生じないものが
多かったためである。
【0098】これらのUベンド管を使用することによ
り、半球部においてベンド部の間隔が内側から外側まで
揃った伝熱管群を形成できる。ベンド部間の隙間に挿入
する振れ止め金具の厚みは、各ベンド部の前記外径最大
値によって決定される。すなわち、前記外径が最大の部
分でベンド部間の隙間も最も狭くなり、この隙間の寸法
によって振れ止め金具の厚みが決定される。
【0099】製造された80種類のUベンド管は、ベン
ド部の前記外径最大値が17.40mmから17.50
mmまでの範囲に収まっており、前記外径の最大値であ
る17.50mmによって決定される全長にわたって等
厚の振れ止め金具を使用できる。
【0100】
【表1】
【0101】実施例2 被曲げ管、曲げ半径の種類、グループ数、グループ内の
曲げ半径の種類、リングダイスの基本半径は実施例1と
同様とし、リングダイスの溝径を、全てのグループで、
数式1に対応する数式3の上限値とした。また、ベンド
部の曲げ平面に直角な方向の外径の上限値DMAX は、実
施例1より更に小さい17.44mmである。外径増加
分はAグループで0.02mm、Bグループで0.01
5mm、Cグループで0.01mm、Dグループで0、
Eグループで0であることから、溝径はAグループの場
合は17.42mm、Bグループの場合は17.425
mm、Cグループの場合は17.43mm、Dグループ
の場合は17.44mm、Eグループの場合は17.4
4mmとなる。結果を表2に示す。
【0102】グループAにおける溝径が、好ましい下限
値である17.42mmに一致し、他のグループにおけ
る溝径が、曲げ半径の小さいグループから大きいグルー
プへ外径増加分を加味して段階的に大きくなっているの
で、各グループにおける前記外径の最大値を、ここでの
上限値DMAX である17.44mm(17.40mm+
0.04mm)に等しくすることができ、これにより、
全てのUベンド管の前記外径のばらつきを0.04mm
に抑えることができた。
【0103】
【表2】
【0104】比較例 リングダイスの溝径以外は実施例1,2と同じ条件と
し、全てのグループでのリングダイスの溝径を17.5
1mmとした。結果を表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】実施例1と比較して、全てのグループで溝
径が増大し、実施例1での外径の上限値DMAX (17.
50mm)を超えたので、全てのUベンド管の外径ばら
つきが実施例1より大きくなった。また、Uベンド管の
ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径の上限値DMAX
を実施例1より大きい17.51mm(17.40mm
+0.11mm)として、各グループでの溝径の上限値
を数式3により計算すれば、グループAでは17.49
mm、グループBでは17.49mm、グループCでは
17.50mm、グループDでは17.51mm、グル
ープEでは17.51mmとなる。グループA,B,C
では溝径がこの上限値を越えたため、ベンド部の曲げ平
面に直角な方向の外径が上限値DMAX (17.40mm
+0.11mm)を超え、全てのUベンド管の前記外径
のばらつきは0.11mmより大きい0.13mmとな
った。
【0107】
【発明の効果】本発明の熱交換器は、曲げ半径が異なる
多数種のUベンド管を組み合わせた伝熱管群において、
各ベンド部の曲げ平面に直角な方向の外径に、ばらつき
の少ない規則性を与える。これにより、曲げ平面間に形
成される隙間に挿入した振れ止め金具による支持効果を
高めることができる。
【0108】本発明の管曲げ方法は、曲げ半径が異なる
多数種のUベンド管を少数の曲げ工具で製造し、曲げ工
具に要するコストを大幅に低下させることができる。ま
た、Uベンド管の曲げ半径が多岐にわたる場合も、各ベ
ンド部の曲げ平面に直角な方向の外径を厳密に管理でき
る。従って、本発明の熱交換器を構成する伝熱管群に適
した多数種のUベンド管を経済的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧水型原子炉の蒸気発生器に使用される伝熱
管群の概略構成図である。
【図2】伝熱管の配列形態を模式的に示す平面図であ
る。
【図3】型曲げ加工を模式的に示す平面図である。
【図4】従来の熱交換器における伝熱管群の概略構成図
である。
【図5】本発明の熱交換器における伝熱管群の概略構成
図である。
【図6】本発明の管曲げ方法に使用されるリングダイス
の概略構成図である。
【図7】本発明法に使用される曲げダイスの一例を示す
平面図である。
【図8】図7のA−A線断面矢視図である。
【図9】リングダイスの変形状態を模式的に示す平面図
である。
【図10】リングダイスを固定しない場合の状態を示す
平面図である。
【図11】保持体の他の外面形状を示す平面図である。
【図12】本発明法に使用される曲げ装置の一例を示す
縦断面図である。
【図13】曲げ装置の平面図である。
【図14】リングダイスの変形状態を模式的に示す平面
図である。
【図15】リングダイスの水平度を説明するための模式
図である。
【符号の説明】
1 Uベンド管 2 振れ止め金具 8 リングダイス 10 リングダイス 14 ダイス溝 20 保持体 22 凹溝 41 保持体 42 雄ねじ 44 リングダイス 47 雌ねじ 49 ダイス溝 51 油圧モータ 52 駆動軸 54 旋回台 57 電磁クラッチ 61 ヘッド 65 凹部 69 ガイドロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21D 1/00 GDPQ (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 9/013 B21D 7/025 F28F 9/00 G21D 1/00 GDP F28D 7/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一公称外径で曲げ半径が同一のUベン
    ド管が、そのベンド部の曲げ平面に直角な方向に配列さ
    れると共に、その外側に、同一公称外径で曲げ半径が段
    階的に大きくなった多数種のUベンド管が順次配列され
    る一方、曲げ平面間に形成される隙間の前記ベンド部領
    域に振れ止め金具が挿入された熱交換器において、 前記曲げ半径が異なる多数種のUベンド管を製造する全
    ての曲げ工具の、曲げ平面に直角な方向の外径を規制す
    る溝寸法M1,M2,M3・・Mnを、次式以下、原管
    外径D0 以上に設定することにより、前記多数種のUベ
    ンド管のベンド部の、曲げ平面に直角な方向の外径を、
    その上限値DMAX 以下に抑制して、前記外径のばらつき
    を抑制したことを特徴とする熱交換器。 M1=DMAX −ΔD1 M2=DMAX −ΔD2 M3=DMAX −ΔD3 ・ Mn=DMAX −ΔDn ここで、M1,M2,M3・・Mnは各曲げ工具の溝寸
    法を、曲げ半径の小さいものから大きいものへ順番に表
    す。ΔD1,ΔD2,ΔD3・・ΔDnは各曲げ半径で
    予め曲げ加工を行って調査した、曲げ平面に直角な方向
    の外径増加分を、曲げ半径の小さいものから大きいもの
    へ順番に表す。DMAX は曲げ平面に直角な方向の外径の
    上限値である。
  2. 【請求項2】 曲げ半径が段階的に大きくされ、内側か
    ら外側へ配列される多数種のUベンド管の配列本数を、
    半球状のベンド部集合体が形成されるように、曲げ平面
    に直角な方向の両側から中央へ漸増させたことを特徴と
    する請求項1に記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 基本半径が異なり、それぞれが半径方向
    へ弾性変形するように円周方向の一部が分断されると共
    に、それぞれの外周面に被曲げ管の外形に対応する断面
    形状のダイス溝が設けられた複数種の可撓性リングダイ
    スを、それぞれ異なる半径に保持して、各リングダイス
    で被曲げ管を異なる半径に曲げ加工することにより、曲
    げ半径が段階的に変化した多数種のUベンド管を製造
    し、 且つ、その製造の際に、使用される全ての可撓性リング
    ダイスの溝径M1,M2,M3・・Mnを、次式以下、
    原管外径D0 以上に設定することを特徴とする管曲げ方
    法。 M1=DMAX −ΔD1 M2=DMAX −ΔD2 M3=DMAX −ΔD3 ・ Mn=DMAX −ΔDn ここで、M1,M2,M3・・Mnは各リングダイスの
    溝径を、曲げ半径の小さいものから大きいものへ順番に
    表す。ΔD1,ΔD2,ΔD3・・ΔDnは各曲げ半径
    で予め曲げ加工を行って調査した、曲げ平面に直角な方
    向の外径増加分を、曲げ半径の小さいものから大きいも
    のへ順番に表す。DMAX は曲げ平面に直角な方向の外径
    の上限値である。
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