JP2765400B2 - 連続走行体とのギャップ調整が可能な装置 - Google Patents

連続走行体とのギャップ調整が可能な装置

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JP2765400B2 JP26531792A JP26531792A JP2765400B2 JP 2765400 B2 JP2765400 B2 JP 2765400B2 JP 26531792 A JP26531792 A JP 26531792A JP 26531792 A JP26531792 A JP 26531792A JP 2765400 B2 JP2765400 B2 JP 2765400B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続走行体とのギャ
ップが調整可能な装置およびこの装置を利用した連続処
理炉におけるシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップを雰囲気の異なる複数ゾーン
で連続的に処理する連続処理炉では、各ゾーン間での雰
囲気ガスの混合を防止する必要がある。例えば、鋼帯の
脱炭を行う場合、連続処理炉の各ゾーンでは異種の雰囲
気を使用するため、各ゾーン間での雰囲気ガスの混合を
防止しないと鋼帯の酸化等を生じる危険がある。また、
化学気相蒸着法により金属材の連続処理を行う場合、化
学気相蒸着を行うゾーンの雰囲気が成分的にも露点上で
も十分に管理されていないと、反応が正しく行われなか
ったり、被処理材の酸化等を生ずる危険性がある。
【0003】このようなことから、連続処理炉の隣接す
る各ゾーン間の通路は、ガスの流通が極力防止されるよ
うな小さいギャップとする必要がある。一方で、このギ
ャップは隣接するゾーン間での差圧に応じて適宜調整、
管理できることが必要であり、また、スレッディングバ
ーやスレッディングロープの通過時等には通常よりも広
いギャップが必要となる。このため、ギャップは随時調
整可能で且つゾーン間の差圧に応じて高精度に管理され
る必要がある。このようなギャップ調整を行う装置とし
て、通過する被処理材に対して垂直方向に進退可能なダ
ンパを設け、このダンパの進退によりギャップ調整可能
とした装置が知られている。この装置は、そのダンパが
左右1対のスクリュージャッキ等で保持され、被処理材
に対して進退する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このダンパ方
式のギャップ調整装置は、ダンパが左右1対のジャッキ
で保持されているため、ダンパ進退の左右のバランスを
高精度に確保することが難しく、このため被処理材幅方
向でのギャップが不均一になり易いという欠点がある。
また、この方式ではダンパ若しくはその取付部材が炉壁
面を摺動することになるため、その部分で炉壁が削られ
て煉瓦屑等が被処理材面に落下し、被処理材の品質に悪
影響を与えるという問題もある。
【0005】また、連続熱処理炉の各ゾーン間をシール
する装置として、実開昭63−143564号、実開平
2−46850号、実開平2−46849号において、
ダンパが被処理材に弾性的に圧接されるシール材を備え
た装置が提案されている。しかし、この装置はダンパが
被処理材に圧接されるため、被処理材表面にすり疵を生
じ易いという問題がある。
【0006】また、ストリップを雰囲気の異なる複数ゾ
ーンで連続的に処理する連続熱処理炉では、炉内ロー
ル、炉内装置類或いは炉内耐火物の点検修理のために炉
の運転を休止する場合がある。この場合、点検修理を効
率的に行うためには、点検修理すべき処理ゾーンを隣接
する処理ゾーンから完全に遮断し、当該ゾーンだけを開
放状態にして点検修理することが好ましい。しかし、上
記実開昭63−143564号等で提案されている装置
は、シール部材が弾性材であるためシール性が十分では
なく、隣接するゾーンからのガス洩れが避け難いという
問題がある。このため特定のゾーンだけの点検修理が必
要な場合でも、炉全体を開放状態にして作業を行わざる
得ず、炉全体の開放や立上時の炉内パージのために雰囲
気ガスの原単位が高くなり、また、点検修理後の炉立上
りに非常に長い時間を要し、生産機会の損失が大きいと
いう問題がある。
【0007】本発明はこのような従来の問題に鑑みなさ
れたもので、その目的は連続走行体との間隙を高精度に
調整することができる装置を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、連続処理炉のゾーン間等に適
用した場合に、ギャップ調整を自在且つ高精度に行うこ
とができるとともに、炉の点検修理等において隣接する
ゾーン間を完全に遮断することができるシール装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明のギャップ調整装置は、連続走行体の幅
方向に沿って配され、筒芯と平行な回動中心をもつ回動
可能な筒体であって、回動中心と筒体外面までの距離
が、少なくとも周方向の複数箇所において異なるギャッ
プ調整用筒体を備えたことをその特徴とする。このギャ
ップ調整装置において、ギャップ調整用筒体は断面円形
状でその回動中心が筒芯に対して偏芯した筒体、或いは
断面形状が楕円形等の非円形状の筒体により構成するこ
とができる。
【0009】また、本発明のシール装置は、連続走行す
る被処理材の幅方向に沿って配され、筒芯と平行な回動
中心をもつ回動可能な筒体であって、回動中心と筒体外
面までの距離が、少なくとも周方向の複数箇所において
異なるギャップ調整用筒体を備えたことをその特徴とす
る。このシール装置において、ギャップ調整用筒体は断
面円形状でその回動中心が筒芯に対して偏芯した筒体、
或いは断面形状が楕円形等の非円形状の筒体により構成
することができる。ギャップ調整用筒体は、所定の回動
状態において被処理材に接触するよう構成することが好
ましい。
【0010】シール装置の好ましい構成は、被処理材の
幅方向に沿って配され、筒芯と平行な回動中心をもつ回
動可能な筒体であって、回動中心に関して真円である真
円部と、該真円部よりも回動中心からの半径が小さく、
且つ該半径が周方向で変化した非真円部とからなるギャ
ップ調整用筒体と、筒体の必要回動範囲においてその真
円部が常に接触するようにして該筒体の外側に配される
シール受け面とからなり、ギャップ調整用筒体の所定の
回動状態において真円部の一部が被処理材に接触するよ
う構成することである。また、この場合の最も好ましい
構成は、非真円部の回動中心からの半径を、真円部の一
方の端部から他方の端部にかけて無段階または段階的に
小さくすることである。
【0011】このようなシール装置では、ギャップ調整
用筒体を被処理材のパスラインを挾んで対向して設ける
ことができ、また、ギャップ調整用筒体を被処理材のパ
スラインを挾んだ一方の側に設け、その反対側の対向し
た位置に被処理材が接触するロールを設けることができ
る。ギャップ調整用筒体の内部は、筒芯に炉内の高温の
熱を伝達させないようにするために断熱構造とし、或い
は、冷却水等の冷媒または予熱用熱媒等を流すための流
体流路を設けることができる。
【0012】
【作用】本発明のギャップ調整装置は、ギャップ調整用
筒体の回動中心と筒体外面までの距離が、少なくとも周
方向の複数箇所において異なるため、ギャップ調整用筒
体を回動させることにより、連続走行体に対向するギャ
ップ調整用筒体外面と連続走行体との距離が変化する。
したがって、ギャップ調整用筒体を回動させることで連
続走行体とのギャップが調整される。
【0013】また、本発明のシール装置は、連続処理炉
の隣接するゾーン間等に設けられる。シール装置を構成
するギャップ調整用筒体は、その回動中心と筒体外面ま
での距離が、少なくとも周方向の複数箇所において異な
るため、ギャップ調整用筒体を回動させることにより、
連続走行する被処理材に対向するギャップ調整用筒体外
面と被処理材との距離が変化する。したがって、ギャッ
プ調整用筒体を回動させることにより、隣接するゾーン
間での差圧に応じて、或いはスレッディングバーやスレ
ッディングロープを通過させるために、被処理材とのギ
ャップが調整できる。
【0014】シール装置が、回動中心に関して真円であ
る真円部と、該真円部よりも回動中心からの半径が小さ
く、且つ該半径が周方向で変化した非真円部とからなる
ギャップ調整用筒体を有する場合、シール受け面は炉体
側に固定的に設けられる。ギャップ調整用筒体は、必要
される回動範囲においてその真円部が常にシール受け面
に接触し、この接触面がギャップ調整用筒体と炉体側と
間のシール部を構成する。ギャップ調整用筒体の非真円
部の半径は周方向で変化しているため、ギャップ調整用
筒体を回動させることにより被処理材に対向するギャッ
プ調整用筒体外面と被処理材との距離が変化する。した
がって、ギャップ調整用筒体を回動させることで被処理
材とのギャップが調整される。また、非真円部の回動中
心からの半径が、真円部の一方の端部から他方の端部に
かけて無段階または段階的に小さくなるよう構成すれ
ば、ギャップ調整用筒体の回動により、被処理材とのギ
ャップを無段階または段階的に小さくすることができ
る。
【0015】上記のシール装置を連続処理炉の隣接する
ゾーン間に設け、ゾーン間の遮断を行う場合には、被処
理材の走行を停止させた状態で、ギャップ調整用筒体を
その真円部が被処理材に接触するまで回動させる。この
ギャップ調整用筒体は、被処理材パスラインの少なくと
も一方の側に設けられ、被処理材パスラインの他方の側
には同様のギャップ調整用筒体または被処理材に接触す
るロールが配されており、したがって、ギャップ調整用
筒体が被処理材に接触した時点でギャップ調整用筒体ど
うしまたはギャップ調整用筒体とロールとが接触してギ
ャップ0となり、被処理材がギャップ調整用筒体間或い
はギャップ調整用筒体とロールとの間でクランプされた
状態で、ゾーン間が遮断される。
【0016】
【実施例】図1は本発明のギャップ調整用装置の一実施
例を示すもので、1aはギャップ調整用筒体、2は連続
走行体である。ギャップ調整用筒体1aは断面円形状の
回動可能な筒体により構成され、連続走行体2の幅方向
に沿って配されている。ギャップ調整用筒体1aは、筒
芯に対して平行で且つ偏心した回動中心Oを持ってお
り、したがって、この回動中心Oと筒体外面までの距離
が周方向において異なっている。
【0017】このような装置によれば、ギャップ調整用
筒体1aを回動させることにより、連続走行体2に対向
するギャップ調整用筒体外面と連続走行体2との距離が
変化する。したがって、ギャップ調整用筒体1aを図の
1、A2のように回動させることで連続走行体2とのギ
ャップが調整される。ギャップ調整用筒体1aをA2
位置に回動させた状態でギャップは0となる。
【0018】ギャップ調整用筒体は断面円形状に限ら
ず、断面偏円形状、断面楕円形、断面多角形等適宜な非
円形状の筒体により構成できる。図2および図3はその
一例を示すもので、ギャップ調整用筒体1bが、回動中
心Oに関して真円である真円部3(図中、A−Bの範
囲)と、この真円部3よりも回動中心Oからの半径が小
さい非真円部4(図中、B−C、C−D、D−E、E−
Aの範囲)とからなり、非真円部4の回動中心Oからの
半径が、真円部3の一方の端部から他方の端部にかけ
て、すなわち、B−C、C−D、D−E、E−Aの各範
囲の順に段階的に小さくなるよう構成したものである。
また、この例では真円部3が連続走行体2に対向した際
に、これが連続走行体2に接触するよう構成してある。
【0019】したがって、ギャップ調整用筒体1bを回
動させ、図2に示すようにE−Aの範囲の外面を連続走
行体2に対向させた際にギャップδは最大となり、この
状態からギャップ調整用筒体1bを図に向かって時計廻
りに回動させれば、ギャップδは順次小さくなり、最終
的に真円部3が連続走行体2に接触することにより図3
に示すようにギャップは0となる。なお、連続走行体が
帯状体以外のもの、例えば線材、条鋼材等の場合には、
ギャップ調整用筒体1a、1bの表面形状はこれら材料
の形状に合わせた形状とする。
【0020】ギャップ調整用筒体1a、1bは連続走行
体のパスラインを挾んで対向して設けることができ、ま
た、ギャップ調整用筒体1a、1bと連続走行体のパス
ラインを挾んで対向した位置に連続走行体に接触するロ
ールを設けることもできる。図4ないし図8は、本発明
のシール装置を連続処理炉のゾーン間の仕切部に適用し
た場合の一実施例を示すもので、図2および図3に示す
ギャップ調整用筒体と同様のギャップ調整用筒体1bに
よりシール装置を構成してある。図において、5は炉体
である。
【0021】上記したようにギャップ調整用筒体1bは
回動中心Oに関して真円である真円部3(図中、A−B
の範囲)と、この真円部3よりも回動中心Oからの半径
が小さい非真円部4(図中、B−C、C−D、D−E、
E−Aの範囲)とからなり、非真円部4の回動中心Oか
らの半径がB−C、C−D、D−E、E−Aの各範囲の
順に段階的に小さくなるよう構成してある。そして、ギ
ャップ調整用筒体1bの外側の炉体5には、ギャップ調
整用筒体1bの必要回動範囲(最大ギャップ〜ギャップ
0とするための回動範囲)においてその真円部3が常に
接触するようにして円弧状のシール受け面6が設けられ
ている。また、被処理材2´のパスラインを挾んでギャ
ップ調整用筒体1bと対向した位置には、被処理材2´
のサポートロール7が設けられ、ギャップ調整用筒体1
bは、所定の回動状態においてその真円部3がサポート
ロール7に接触するよう構成してある。
【0022】ギャップ調整用筒体1bは、必要される回
動範囲においてその真円部3が常にシール受け面6に接
触し、この接触面がギャップ調整用筒体1bと炉体5側
と間のシール部を構成する。また、ギャップ調整用筒体
1bを回動させることで被処理材2´とのギャップが調
整される。すなわち、図4に示すようにE−Aの範囲の
外面を被処理材2´に対向させた際に最大ギャップδma
xとなり、この状態から図5、図6、図7の順にギャッ
プ調整用筒体1bを回動させれば、ギャップδは順次小
さくなり、図7の状態で最小ギャップδminとなり、さ
らに回動させれば、図8に示すように真円部3が被処理
材2´およびサポートロール7に接触することによりギ
ャップは0となる。このような図4〜図8の回動状態に
おいて、ギャップ調整用筒体1bの真円部3は常にシー
ル受け面6に接触し、この接触面でシール部を構成して
いる。
【0023】したがって、例えば、スレッディングバー
等の通過時には図4に示すように最大ギャップδmaxと
し、また、通常の被処理材通過時には隣接するゾーン間
の差圧等に応じてギャップを調整する。また、ゾーン間
の遮断を行う場合には、被処理材2´の走行を停止させ
た状態で、ギャップ調整用筒体1bを図8に示す状態ま
で回動させれば、ギャップ調整用筒体1bとサポートロ
ール7間のギャップは被処理材2´をクランプした状態
で0となり、ゾーン間が遮断されることになる。
【0024】なお、本実施例は被処理材2´が水平パス
の場合であるが、被処理材が縦パスの場合にも同様の構
成とすることができる。また、1対のギャップ調整用筒
体1bを被処理材2´のパスラインを挾んで対向し、且
つ、所定の回動状態において互いに接触するようにして
設けることができる。図9は、そのような構成を縦パス
に適用した場合の実施例を示している。
【0025】なお、ギャップ調整用筒体1a、1bの内
部には、冷却水等の冷媒或いは予熱用熱媒等を流すため
の流体流路を設けることができる。また、ギャップ調整
用筒体1a、1bの内部を断熱構造とし、筒芯に高温の
熱が伝達されないようにすることができる。図15はそ
の一構造例(断面構造)を示している。この例では、ギ
ャップ調整用筒体は、外殻材28と芯材31との間に2
層の断熱層29、30を有している。これらのうち、芯
材31は通常炭素鋼またはステンレス鋼から構成され、
また、内側の断熱層30はセラミックにより構成され、
さらにその外側の断熱層29はセラミックファイバー、
石綿または空気層から構成される。また、シール面を構
成する外殻材28は、使用温度に応じてその材質を選択
することが好ましく、例えば、使用温度が850℃未満
の場合にはZrO2又はAl23等のセラミックによ
り、また、使用温度が850〜1000℃の場合にはZ
rO2、Al23等のセラミックまたはカーボン等によ
り、さらに、使用温度が1000℃を超える場合にはA
23、SiO2等のセラミックまたはカーボン等によ
り、それぞれ構成される。
【0026】図10は、図4ないし図8に示す本発明の
シール装置イを、ストリップの水平式連続処理炉に適用
した場合の一例を示すもので、9〜12は連続処理炉を
構成する各ゾーン、8は入側スロート部、13は出側ス
ロート部、14は各ゾーンの天蓋、15は雰囲気ガス供
給配管、16a〜16dは各ゾーンの炉圧制御装置であ
る。シール装置イは、入側スロート部7の入側位置、各
ゾーン間の仕切部、および出側スロート部13の出側位
置にそれぞれ配置されている。なお、このシール装置イ
の設置数、設置箇所は各ゾーンの機能に応じて適宜選択
される。このような連続処理炉では、通常の操業時にお
いては、各シール装置イにより隣接する各ゾーン間の差
圧や入側および出側スロート部と炉外との差圧に応じ
て、ギャップ調整用筒体1bとサポートロール7とのギ
ャップが所定の値に設定されている。
【0027】図11は、この連続処理炉において特定の
ゾーン、例えばゾーン10の点検修理を行う場合を示し
てある。ストリップSの走行を停止した状態で、ゾーン
10の出側および入側の仕切部に設けられたシール装置
イについて、図8に示すようにギャップ調整用筒体1b
とサポートロール7のギャップを0にし、ゾーン10を
隣接するゾーン9およびゾーン11から遮断し、しかる
後、ゾーン10の天蓋14を開放し、その点検修理を行
う。ゾーン10以外のゾーンについては、炉圧および露
点保持用の最小限の雰囲気ガスを供給し続けるが、上記
のシール装置イによる遮断により、隣接するゾーン9、
11からのゾーン10への雰囲気ガスのリークがほぼ完
全に防止される。
【0028】図12ないし第14図は、それぞれ本発明
のシール装置イを用い、操業中における隣接するゾーン
間での雰囲気ガスの混合を防止できるようにした連続処
理炉の構造例を示している。このうち図12に示すもの
は、例えば隣接するゾーンX、ゾーンYがある場合、ゾ
ーンXからゾーンYへの雰囲気ガスの流入は許容される
が、その逆は許容されない場合に適用できる構成であ
る。図において、17、18は隣接するゾーン、19は
これらゾーン間に設けられるスロート部、20、21は
各ゾーンに雰囲気ガスを供給するガス供給管であり、前
記スロート部19にシール装置イが設けられている。
【0029】また各ゾーン17、18には、その各炉内
圧力を調整するために、炉圧検出計と、この炉圧検出計
の測定値に基づきガス供給管20、21の制御弁を制御
する制御手段とからなる圧力調整手段22、23が設け
られている。このような装置では、シール装置イのギャ
ップδを調整するとともに、隣接する各ゾーン17、1
8の炉内圧力Pi、Pdを圧力調整手段22、23によ
り調整することにより、隣接するゾーン17、18の炉
内圧力に差圧を生じさせる。図12の下図はこの差圧が
生じた炉内圧力分布を示すもので、ゾーン17、18の
炉内圧力がPi>Pdとなるため、常にゾーン17から
ゾーン18内に炉内雰囲気ガスが流入することになる。
したがって、ゾーン18の炉内雰囲気ガスがゾーン17
に流入することはない。
【0030】一方、図13および図14に示すものは、
隣接するゾーン間相互の雰囲気ガスの流入が防止できる
ようにした構造を有している。図13において、スロー
ト部19の入側および出側の各位置にシール装置イが設
けられている。また、各ゾーン17、18には図12と
同様の圧力調整手段22、23が設けられているととも
に、スロート部19の両シール装置イ間には排気部24
が設けられ、また、この排気部24からの排気量を制御
してスロート部内の圧力調整を行うために、スロート部
内圧力の検出計と、この検出計の測定値に基づき排気部
(排気管)の制御弁を制御する制御手段とからなる圧力
調整手段25が設けられている。
【0031】このような装置では、スロート部入側およ
び出側の両シール装置イ間において、排気部24からス
ロート部内の排気を行ってスロート部19内の圧力を調
整し、さらに、各シール装置イのギャップδを調整する
とともに、隣接する各ゾーン17、18の炉内圧力P
i、Pdを圧力調整手段22、23により調整し、これ
らにより、隣接するゾーン17、18の炉内圧力Pi、
Pdとスロート部19内の圧力Psとの間にPi>Ps
<Pdの関係の差圧を生じさせる。図13の下図はこの
差圧が生じた炉内圧力分布を示すもので、炉内圧力がP
i>Ps<Pdとなるため、常に隣接する両ゾーン1
7、18からスロート部19内に炉内雰囲気ガスが流入
することになる。したがって、ゾーン17の炉内雰囲気
ガスがゾーン18に流入したり、逆にゾーン18の炉内
雰囲気ガスがゾーン17に流入することはない。
【0032】また、図14でもスロート部19の入側お
よび出側の各位置にシール装置イが設けられ、各ゾーン
17、18には図12と同様の圧力調整手段22、23
が設けられている。また、スロート部19の両シール装
置イ間にはガス供給部26が設けられ、さらに、このガ
ス供給部26からのガス供給量を制御してスロート部内
の圧力調整を行うために、スロート部内圧力の検出計
と、この検出計の測定値に基づきガス供給部(供給管)
の制御弁を制御する制御手段とからなる圧力調整手段2
7が設けられている。
【0033】このような装置では、両シール装置イ間に
おいてガス供給部26からスロート部19内にガスを供
給して、スロート部19内の圧力を調整し、さらに、各
シール装置イのギャップδを調整するとともに、隣接す
る各ゾーン17、18の炉内圧力Pi、Pdを圧力調整
手段22、23により調整し、これらにより、隣接する
ゾーン17、18の炉内圧力Pi、Pdとスロート部1
9内の圧力Psとの間にPi<Ps>Pdの関係の差圧
を生じさせる。図14の下図はこの差圧が生じた炉内圧
力分布を示すもので、炉内圧力がPi<Ps>Pdとな
るため、常にスロート部19から隣接する両ゾーン1
7、18内にガスが流入することになる。したがって、
ゾーン17の炉内雰囲気ガスがゾーン18に流入した
り、逆にゾーン18の炉内雰囲気ガスがゾーン17に流
入することはない。なお、ガス供給部26から供給され
るガスは、成分上両ゾーン17、18に流入しても支障
のないガス種(ゾーン17、18のガス成分に応じ、例
えば、N2、H2、不活性ガス等)とする必要がある。
【0034】以上のような連続処理炉の構造は、静圧制
御により隣接するゾーン間での雰囲気ガスの混合を防止
するものであるため、被処理材にガスを吹き付けるガス
シール方式のような被処理材のバタツキやこれによる張
力変動、炉内圧力変動、被処理材の変形等を生じること
がない。なお、このような構造は水平式連続処理炉に限
らず、縦型の連続処理炉にも適用できる。本発明のシー
ル装置は、所謂CVD処理炉、一般の連続焼鈍炉、連続
溶融亜鉛めっき設備、カラー鋼板の焼付炉、電磁鋼板の
絶縁皮膜焼付炉、光輝焼鈍炉等、各種の連続処理炉に適
用できる。
【0035】
【発明の効果】以上述べた本発明のギャップ調整装置に
よれば、ギャップ調整手段が回動可能な筒体であるた
め、従来のダンパ方式の装置のようにダンパ進退の左右
のアンバランスによリギャップの精度が低下することが
なく、連続走行体との間隙を高精度に調整することがで
きる。また、ダンパ方式のようにギャップ調整手段が炉
壁面を摺動することがないため、炉壁が削られて煉瓦屑
等が連続走行体面に落下するようなこともない。
【0036】また、本発明のシール装置も、ギャップ調
整手段が回動可能な筒体であるため、被処理材との間隙
を高精度に調整することができ、このため連続処理炉の
ゾーン間等に適用した場合に、隣接するゾーン間での差
圧に応じて、或いはスレッディングバーやスレッディン
グロープを通過させるために、被処理材とのギャップを
高精度に調整、管理することができる。
【0037】また、ギャップ調整用筒体が、回動中心に
関して真円である真円部と、該真円部よりも回動中心か
らの半径が小さく、且つ該半径が周方向で変化した非真
円部とからなるシール装置では、ギャップ調整用筒体を
回動させることで被処理材とのギャップを高精度に調整
できるだけでなく、被処理材の走行を停止した状態にお
いて、隣接するゾーン間での雰囲気ガスの流出入を確実
に遮断することができる。したがって、連続処理炉の一
部のゾーンの点検修理を行う場合でも、当該ゾーン以外
のゾーンについては、炉圧および露点保持用の最小限の
雰囲気ガスを供給し続けることができ、このため従来に
較べ雰囲気ガス原単位を低減化させることができるとと
もに、点検修理後の炉立上りも短時間で済み、炉の点検
修理による生産機会の損失を最小限に抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のギャップ調整装置の一実施例を示す側
面図
【図2】本発明のギャップ調整装置の他の実施例を示す
側面図
【図3】図2のギャップ調整装置をギャップ0の状態で
示す側面図
【図4】本発明のシール装置の一実施例を示す側面図
【図5】図4のシール装置を異なるギャップ状態で示す
側面図
【図6】図4のシール装置を異なるギャップ状態で示す
側面図
【図7】図4のシール装置を異なるギャップ状態で示す
側面図
【図8】図4のシール装置をギャップ0の状態で示す側
面図
【図9】本発明のシール装置の他の実施例を示す側面図
【図10】図4ないし図8に示す本発明のシール装置
を、ストリップの水平式連続処理炉に適用した場合の一
実施例を示す説明図
【図11】図10に示す連続処理炉の点検修理を行う場
合の状況を示す説明図
【図12】図4ないし図8に示す本発明のシール装置
を、ストリップの水平式連続処理炉に適用した場合の他
の実施例を示す説明図
【図13】図4ないし図8に示す本発明のシール装置
を、ストリップの水平式連続処理炉に適用した場合の他
の実施例を示す説明図
【図14】図4ないし図8に示す本発明のシール装置
を、ストリップの水平式連続処理炉に適用した場合の他
の実施例を示す説明図
【図15】内部断熱構造を有するギャップ調整用筒体の
一例を示す縦断面図
【符号の説明】
1a、1b…ギャップ調整用筒体、2…連続走行体、2
´…被処理材、3…真円部、4…非真円部、5…炉体、
6…シール受け面、7…サポートロール、O…回動中心

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行体の幅方向に沿って配され、筒
    芯と平行な回動中心をもつ回動可能な筒体であって、回
    動中心と筒体外面までの距離が、少なくとも周方向の複
    数箇所において異なるギャップ調整用筒体を備えた、連
    続走行体とのギャップ調整が可能な装置。
  2. 【請求項2】 ギャップ調整用筒体が断面円形状であ
    り、その回動中心が筒芯に対して偏芯している請求項1
    に記載の連続走行体とのギャップ調整が可能な装置。
  3. 【請求項3】 ギャップ調整用筒体の断面形状が非円形
    である請求項1に記載の連続走行体とのギャップ調整が
    可能な装置。
  4. 【請求項4】 連続走行する被処理材の幅方向に沿って
    配され、筒芯と平行な回動中心をもつ回動可能な筒体で
    あって、回動中心と筒体外面までの距離が、少なくとも
    周方向の複数箇所において異なるギャップ調整用筒体を
    備えた、連続処理炉におけるシール装置。
  5. 【請求項5】 ギャップ調整用筒体が断面円形状であ
    り、その回動中心が筒芯に対して偏芯している請求項4
    に記載の連続処理炉におけるシール装置。
  6. 【請求項6】 ギャップ調整用筒体の断面形状が非円形
    である請求項4に記載の連続処理炉におけるシール装
    置。
  7. 【請求項7】 ギャップ調整用筒体が、所定の回動状態
    において被処理材に接触するよう構成された請求項4、
    5または6に記載の連続処理炉におけるシール装置。
  8. 【請求項8】 連続走行体の幅方向に沿って配され、筒
    芯と平行な回動中心をもつ回動可能な筒体であって、回
    動中心に関して真円である真円部と、該真円部よりも回
    動中心からの半径が小さく、且つ該半径が周方向で変化
    した非真円部とからなるギャップ調整用筒体と、筒体の
    必要回動範囲においてその真円部が常に接触するように
    して該筒体の外側に配されるシール受け面とからなり、
    ギャップ調整用筒体の所定の回動状態において真円部の
    一部が被処理材に接触するよう構成された連続処理炉に
    おけるシール装置。
  9. 【請求項9】 非真円部の回動中心からの半径が、真円
    部の一方の端部から他方の端部にかけて無段階または段
    階的に小さくなるよう構成された請求項8に記載の連続
    処理炉におけるシール装置。
  10. 【請求項10】 ギャップ調整用筒体を被処理材のパス
    ラインを挾んで対向して設け、ギャップ調整用筒体が所
    定の回動状態において互いに接触するよう構成された請
    求項4、5、6、8または9に記載の連続処理炉におけ
    るシール装置。
  11. 【請求項11】 ギャップ調整用筒体と被処理材のパス
    ラインを挾んで対向した位置に被処理材が接触するロー
    ルを設け、ギャップ調整用筒体が所定の回動状態におい
    て前記ロールに接触するよう構成された請求項4、5、
    6、8または9に記載の連続処理炉におけるシール装
    置。
  12. 【請求項12】 複数の処理ゾーンを備えた連続処理炉
    における各処理ゾーンの仕切部にギャップ調整用筒体を
    設けた請求項8、9、10または11に記載の連続処理
    炉におけるシール装置。
  13. 【請求項13】ギャップ調整用筒体が、その内部に流体
    流路または断熱構造を有している請求項4、5、6、
    7、8、9、10、11または12に記載の連続処理炉
    におけるシール装置。
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