JP2012086232A - 双ロール式連続鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により鋳造作業中に鋳造ロールの温度を変更してロール形状を調整できるようにする。
【解決手段】一対の鋳造ロール間に湯溜り部を形成し鋳造ロールの相互間から薄板鋳片を引き出して製造する鋳造ロールが周方向に複数の冷却流路を備えたスリーブによって構成されており、冷却流路に冷却流体を供給して鋳造ロールを冷却する冷却装置を備えている双ロール式連続鋳造装置であって、スリーブ7に設けられた冷却流路8の径方向内側位置に、周方向に複数の温度調節流路9を形成し、温度調節流路9の一端の導入口19から他端の導出口14に向けて温度調節した温度調節媒体26を供給する温度調節媒体供給装置29を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、簡単な構成により鋳造作業中に鋳造ロールの温度を変更してロール形状を調整できるようにした双ロール式連続鋳造装置に関するものである。
双ロール式連続鋳造装置は、一対の鋳造ロール(冷却ロール)間に形成される湯溜り部の溶湯を冷却し固化した薄板鋳片を鋳造ロールの間隙から連続的に引き出して製造している。鋳造ロールには例えば1600℃の溶湯が接することになるため、鋳造ロールの内部には冷却水を通して、前記溶湯と接するロール表面の温度が約400℃以下になるように調節することによって鋳造ロールを保護している。
前記鋳造ロールは温度によって軸方向及び半径方向に形状が変化する問題があり、特に半径方向の形状の変化は製造される薄板鋳片に鋳片板厚プロファイルとして現われることになる。このため、従来では、熱間での運転中における鋳造ロールの変形量を予測し、その予測変形量を考慮して所望の鋳片板厚プロファイルが得られるように、冷間において事前に例えば負のクラウン加工を鋳造ロールに施し、これによって、平坦な薄板鋳片或いは僅かにクラウンを備えた薄板鋳片を製造するようにしている。
しかし、前記鋳造ロールは、ロール胴部と軸部との間に段部が形成された構造を有しているために、鋳造ロールの軸方向中間部と軸方向端部とを均一温度に冷却することは難しく、鋳造ロールの軸方向端部には軸方向と半径方向の形状の変化による複雑でしかも大きな変形量の変形が発生し、このために、鋳造ロールによって賦形される薄板鋳片の板厚は、幅端部において所望の鋳片板厚プロファイルに対してずれた不安定なものになり易いという問題があった。
このように薄板鋳片の幅端部の板厚が不安定になると、そのこと自体が品質上の欠点になることに加え、鋳造後に実施される圧延プロセスでの不具合に繋がる場合がある。即ち、圧延時に板が左右へ蛇行するのを抑えるためのピンチロールの機能不全を生じたり、或いは、圧延後の板にしわや亀裂が発生する原因となる。
又、従来の双ロール式連続鋳造装置において、操業の最中に何らかの原因で板形状が変化することが考えられるが、板形状が変化した場合には、通常の双ロール式連続鋳造装置では鋳造ロールの形状を変化させることはできないために、例えば鋳造速度又は溶湯量を変えるといった運転条件の変更で対処することが考えられる。しかし、鋳造速度又は溶湯量を変えても板形状の変化には対応できない場合が殆んどであり、しかも、前記鋳造速度、溶湯量は他の制御因子も担っている(例えば板厚制御等)ために、安易にこれらを変更することはできない。
一方、双ロール式連続鋳造装置の鋳造ロールの熱変形形状は、鋳造ロールの温度によって決定されることから、鋳造ロールの温度を外部からの作用により変化させて鋳造ロールの形状を調整するようにしたものがある。例えば、ロール形状測定器或いは鋳片形状測定器を用いてロールクラウン量或いは鋳片クラウン量を検知し、その検知結果に基づいてロール加熱・冷却装置の出力を調整して、鋳造ロールの表面を加熱或いは冷却するようにしたものがある(特許文献1等参照)。
更に、一対の水冷構造ロール間に形成された湯溜まり部を1種または2種以上を混合した不活性ガスでシールし、このシールガスの供給温度とガスの混合比率の一方又は両方を調整することにより、溶湯から鋳造ロールへの熱流束を変化させて、鋳造中に鋳片クラウン・板厚を制御するものがある(特許文献2等参照)。
又、流体圧により鋳造ロールの形状を変化させるようにしたものとしては、冷却ロールのシャフト部を構成する筒状の胴体スリーブを水密構造にするとともに、ロール主軸を通じて胴体スリーブ内部に加圧管を接続し、この水密構造とした胴体スリーブの外周には冷却管を内蔵した銅スリーブを嵌着し、予め冷却ロール中央部を凹形にする逆クラウンを付与して、胴体スリーブを液圧により膨出、縮退可能な構造としたものがある(特許文献3等参照)。
特開平07−088599号公報 特開平07−276004号公報 特開平07−256401号公報
従来より、熱間圧延用の仕上げ圧延ロール等では、圧延ロールに外部から冷却水を直接噴射することで温度・変形量をコントロールする手法がとられているが、前記特許文献1に示す双ロール式連続鋳造装置において、鋳造ロールに冷却水を噴射して冷却した場合には、例えば1600℃の溶鋼と水との接触によって水蒸気爆発を起こす可能性があること等の観点から、冷却水噴射による冷却方式を採用することは困難である。又、冷却水を鋳造ロールの外周面に噴射して冷却する方式では、冷却が安定せず、よって、冷却水の噴射と鋳造ロールの変形との間に再現性を確立することが難しいという問題がある。
又、上記特許文献2は、ガスの供給温度とガスの混合比率の一方又は両方を調整したシールガスを用いて、湯溜まり部の溶湯から鋳造ロールへの熱流束を変化させることで鋳造中に鋳片クラウン・板厚を制御するようにしているが、熱伝導率の低いガスを用いて鋳造ロールの形状を変化させるためには、大量のシールガスを温度を調節して供給する必要があり、よって装置が非常に大掛かりになるという問題があり、更に、シールガスの供給と鋳造ロールの変形との間に再現性を確立することが難しいという問題がある。
又、特許文献3は、冷却ロールの膨張量(逆クラウン量)が最適になるように鋳造ロールに供給する液圧を調整するものであるが、このように、液圧によってクラウン制御を行うには高圧で大掛かりな液圧装置が必要となり、装置が大型になるという問題がある。更に、液圧によって鋳造ロールの形状を制御しているために、液圧が何らかの原因で低下した場合には鋳造ロールの形状が大きく変化してしまう問題がある。
上記したように、従来の双ロール式連続鋳造装置においては、鋳造作業中に、鋳造ロールの温度を任意に調整し、且つその調整した温度に安定して保持しておくことが難しいために、鋳造作業中に薄板鋳片の形状を調整するようなことは困難であった。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなしたもので、簡単な構成により鋳造作業中に鋳造ロールの温度を変更してロール形状を調整できるようにした双ロール式連続鋳造装置を提供しようとするものである。
本発明は、一対の鋳造ロール間に湯溜り部を形成し鋳造ロールの相互間から薄板鋳片を引き出して製造する前記鋳造ロールが周方向に複数の冷却流路を備えたスリーブによって構成されており、前記冷却流路に冷却流体を供給して鋳造ロールを冷却する冷却装置を備えている双ロール式連続鋳造装置であって、
前記スリーブに設けられた前記冷却流路の径方向内側位置に、周方向に複数の温度調節流路を形成し、該温度調節流路の一端の導入口から他端の導出口に向けて温度調節した温度調節媒体を供給する温度調節媒体供給装置を備えたことを特徴とする双ロール式連続鋳造装置、に係るものである。
上記双ロール式連続鋳造装置において、前記温度調節媒体供給装置が、温度調節媒体の温度を調節する温度調節器を有することは好ましい。
又、上記双ロール式連続鋳造装置において、前記温度調節器が冷水塔であることは好ましい。
又、上記双ロール式連続鋳造装置において、前記温度調節流路から導出される温度調節媒体の温度を検出する温度計からの検出温度と、薄板鋳片の形状を検出する形状検出装置からの形状検出値と、薄板鋳片の目標形状値とを入力して、前記温度調節器の温度を調節する制御器を有することは好ましい。
又、上記双ロール式連続鋳造装置において、前記温度調節媒体供給装置が、前記温度調節流路により加熱されて導出口から導出された温度調節媒体を冷却装置に導いて冷却し、冷却した温度調節媒体を前記温度調節流路の導入口に導くようにした第1循環流路と、
前記導出口から取り出された昇温流体をそのまま前記導入口へ導く第2循環流路と、
前記第1循環流路と第2循環流路に流れる流体の流量配分を調整することにより鋳造ロールの温度を調節する流量調節手段と
を有することは好ましい。
又、上記双ロール式連続鋳造装置において、前記冷却装置が冷水塔であることは好ましい。
又、上記双ロール式連続鋳造装置において、前記温度調節流路から導出される温度調節媒体の温度を検出する温度計からの検出温度と、薄板鋳片の形状を検出する形状検出装置からの形状検出値と、薄板鋳片の目標形状値とを入力して、前記流量調節手段により温度調節流路に供給する温度調節媒体の温度を調節する制御器を有することは好ましい。
本発明の双ロール式連続鋳造装置によれば、鋳造ロールが周方向に複数の冷却流路を備えたスリーブによって構成され、前記冷却流路には冷却流体を供給して鋳造ロールを冷却しており、前記スリーブに設けられた冷却流路の径方向内側位置に、周方向に複数の温度調節流路を形成し、該温度調節流路の一端の導入口から他端の導出口に向けて温度調節した温度調節媒体を供給する温度調節媒体供給装置を備え、温度を調節した温度調節媒体を温度調節流路へ供給することにより、鋳造ロールの大きな変形量を可能にし、よって、予め求めておいた温度調節流路に供給する温度調節媒体の温度と鋳造ロールの形状との関係から、鋳造作業中において、薄板鋳片の形状に応じて鋳造ロールの形状を調節することにより、鋳造ロールを鋳型として形成される薄板鋳片の形状品質、歩留まりを向上できるという優れた効果を奏し得る。
本発明の双ロール式連続鋳造装置の一実施例の概略を示すブロック図である。 本発明を適用する双ロール式連続鋳造装置の切断側面図である。 本発明の双ロール式連続鋳造装置に備えられる鋳造ロールの構造の一例を示す切断正面図である。 本発明の双ロール式連続鋳造装置に備えられる鋳造ロールの構造の他の例を示す切断正面図である。 (a)は板厚の形状検出値の一例を示す線図、(b)は板厚の目標形状値の一例を示す線図である。 冷却流路により冷却した鋳造ロールの変形量を示す線図である。 温度調節流路により冷却した鋳造ロールの変形量を示す線図である。 スリーブの内径を変化させた時の鋳造ロールの変形量を示す線図である。 本発明の双ロール式連続鋳造装置の他の実施例の概略を示すブロック図である。 図9の実施例による形状制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図2は本発明を適用する双ロール式連続鋳造装置の切断側面図であり、この双ロール式連続鋳造装置1は、水平に近接配置されて矢印方向に回転する一対の鋳造ロール2,2間に湯溜り部3が形成されており、湯溜り部3の溶湯は鋳造ロール2,2により冷却されて固化しながら鋳造ロール2,2相互の間隙から連続的に引き出されることで薄板鋳片4が製造されるようになっている。
図3は、前記双ロール式連続鋳造装置1に備えられる鋳造ロール2の構造の一例を示す切断正面図であり、同一軸線上に間隔を有して対向配置される軸5,6の大径端部5',6'間にスリーブ7が嵌合しており、従って、スリーブ7の両端には段部7a,7bが形成されている。前記スリーブ7には、図2、図3に示すように、軸方向に延びる冷却流路8が周方向に等間隔で複数設けられている。
又、前記スリーブ7の前記冷却流路8が設けられた位置よりも径方向内側位置には、周方向に等間隔を有する複数の温度調節流路9が形成されている。
図3に示す鋳造ロール2の一方の軸5には、前記冷却流路8と温度調節流路9に連通する軸側流路10,11が区画して設けてあり、更に、回転継手12を介して前記軸側流路10,11に連通する導入口13と導出口14が設けられている。又、他方の軸6には、前記冷却流路8と温度調節流路9に連通する軸側流路15,16が区画して設けてあり、更に、回転継手17を介して前記軸側流路15,16に連通する導出口18と導入口19が設けられている。図3中、20は軸受21を介して前記鋳造ロール2を支持し、軸方向に走行して鋳造ロール2の交換を行うための台車である。
図1は本発明の双ロール式連続鋳造装置の一実施例の概略を示すブロック図であり、前記導入口13から冷却流路8に冷却流体22を供給することにより鋳造ロール2を冷却し、鋳造ロール2の冷却によって加熱された冷却流体22は、導出口18からポンプ23によって外部へ取り出され、冷水塔24からなる冷却装置25に供給されて冷却された後、再び前記導入口13へ導入されるようになっている。従って、例えば約1600℃の溶湯に接している鋳造ロール2の表面の温度が約400℃以下になるように前記冷水塔24からの冷却流体22によって冷却されることで鋳造ロール2は保護されている。
一方、前記鋳造ロール2の導入口19から温度調節流路9に温度調節媒体26を供給することによりスリーブ7の内側の温度を調節するようにしており、温度調節流路9を流動した温度調節媒体26は、導出口14からポンプ27によって外部へ取り出され、温度調節器28に供給して温度を調節した後、再び前記導入口19へ導くようにした温度調節媒体供給装置29を構成している。
図1中、30は制御器であり、該制御器30には、前記鋳造ロール2の導出口14から導出される温度調節媒体26の温度を検出する温度計31からの検出温度32が入力されていると共に、双ロール式連続鋳造装置1によって製造される薄板鋳片4の板厚、クラウン値を検出(X線検出)する形状検出装置33からの、図5(a)に示す形状検出値34(実測板厚プロファイル34a、実測クラウン値34b)が入力されている。図5(a)中、34cは実側近似プロファイルである。又、前記制御器30には、図5(b)に示す目標形状値35(目標板厚プロファイル35a、目標クラウン値35b)が入力されている。
そして、制御器30は、前記温度計31からの検出温度32と、前記形状検出装置33からの薄板鋳片4の形状検出値34と、前記目標形状値35とに基づいて、温度調節器28を調節して前記導入口19へ供給する温度調節媒体26の温度を調節することにより、鋳造ロール2,2の形状を変形させて、目標クラウン値の薄板鋳片4を製造するようになっている。
尚、図3の形態では、鋳造ロール2の冷却流路8を流動する冷却流体22と温度調節流路9を流動する温度調節媒体26とが互いに対向する流れとなる場合について説明したが、図1に示すように、冷却流体22と温度調節媒体26が互いに同一の方向へ並行して流れるようにしてもよい。
又、前記鋳造ロール2には種々の構成のものが採用でき、図4に示す構成のものも使用することができる。図4の鋳造ロール2は、一方の軸5が外軸5aと内軸5bの二重軸となっており、他方の軸6も外軸6aと内軸6bの二重軸となっており、各軸5a,5b、6a,6bには回転継手12,12'、17,17'が設けられている。回転継手12の導入口13から軸側流路10の区画された一部に供給された冷却流体22は、1本置きの冷却流路8を流動した後、軸側流路15の区画された一部を通って回転継手17の導出口18から排出されるようになっている。又、回転継手17の導入口13'から軸側流路15の区画された他部に供給された冷却流体22'は、前記とは異なる1本置きの冷却流路8'を流動した後、軸側流路10の区画された他部を通って回転継手12の導出口18'から排出されるようになっている。従って、前記冷却流路8を流動する冷却流体22と冷却流路8'を流動する冷却流体22'は、対向した流れを形成するようになっている。
一方、回転継手17'の導入口19から軸側流路16の区画された一部に供給された温度調節媒体26は、1本置きの温度調節流路9を流動した後、軸側流路11の区画された一部を通って回転継手12'の導出口14から排出されるようになっている。又、回転継手12'の導入口19'から軸側流路11の区画された他部に供給された温度調節媒体26'は、前記とは異なる1本置きの温度調節流路9'を流動した後、軸側流路16の区画された他部を通って回転継手17'の導出口14'から排出されるようになっている。従って、前記温度調節流路9を流動する温度調節媒体26と温度調節流路9'を流動する温度調節媒体26'は、対向した流れを形成するようになっており、よって、鋳造ロール2は長手方向の温度勾配が生じないようになっている。
次に、上記実施例の作動を説明する。
本発明者らは、図6に示すように、鋳造ロール2の冷却流路8に供給する冷却流体22の温度を30℃とした場合Xと、80℃とした場合Yとの、ロールエッジからの距離における鋳造ロール2の半径方向への変形量を求める試験を実施した。その結果、図6に示すように、鋳造ロール2のロールエッジの近傍において、温度に応じて径が複雑に変化していることが認められた。
又、本発明者らは、図7に示すように、鋳造ロール2に有する冷却流路8よりも半径方向内側位置に備えた温度調節流路9に供給する温度調節媒体26の温度を、30℃とした場合X'と、80℃とした場合Y'とにおける、ロールエッジからの距離における鋳造ロール2の半径方向への変形量を求める試験を実施した。その結果、図7に示すように温度調節流路9によって鋳造ロール2を冷却すると、図6に示したように冷却流路8によって鋳造ロール2を冷却する場合に比して、鋳造ロール2の変化量が大きくなり、しかも、温度が低い(30℃)場合X'は、温度が高い(80℃)の場合Y'よりも鋳造ロール2の端部径が大きくなる(即ち、クラウン量が増加する)ことが判明した。
更に、本発明者らは、図8に示すように、外径が500mmで内部に前記温度調節流路9を備えたスリーブ7の内径を350mm、370mm、390mmとしたとき、即ち、前記温度調節流路9とスリーブ7の内面との間の肉厚を変化させたときの鋳造ロール2の半径方向への変形量を求める試験を実施した。その結果、図8に示すように、スリーブ7の内径が大きくよって前記肉厚が小さいと、鋳造ロール2のロールクラウンは小さく、スリーブ7の内径が小さくよって前記肉厚が大きいと鋳造ロール2のロールクラウンは大きいことが判明した。従って、鋳造ロール2の大きな変化量を必要とする場合には前記肉厚を大きく取ることが有効であることが認められた。
従って、スリーブ7の厚さ方向中間部に位置する冷却流路8に対して、スリーブ7の内側近傍でしかも所定の肉厚を保持するように温度調節流路9を形成することにより、大きな変化量によって鋳造ロール2の形状を効果的に制御できることが判明した。
図1に示す双ロール式連続鋳造装置1によって薄板鋳片4を製造するには、先ず、常温(例えば30℃)において、鋳造ロール2の外周面の加工を行う。この時、製造する薄板鋳片4に要求される形状に応じて、鋳造ロール2の外周面が例えば所要の負のクラウンになるように加工してもよい。
一方、前記制御器30には、図7に示したように、温度調節流路9に供給する温度調節媒体26の温度と鋳造ロール2の変形量との関係を予め求めて入力しておく。
双ロール式連続鋳造装置1によって薄板鋳片4を鋳造するには、冷水塔24で冷却した冷却流体22を冷却流路8に循環供給して鋳造ロール2を安全な温度に保持する。
薄板鋳片4の鋳造が開始されると、薄板鋳片4の形状を検出する形状検出装置33からの薄板鋳片4の形状検出値34と、温度計31からの検出温度32と、目標形状値35が制御器30に入力され、制御器30は、目標クラウン値35bと実測クラウン値34bとを比較し、その差が無くなるように、図7に示した温度調節媒体26の温度(温度調節流路9の温度)と鋳造ロール2の変形量との関係に基づいて、温度調節器28により温度調節媒体26の温度を制御する。
上記したように、鋳造ロール2の形状に大きな影響を及ぼす温度調節流路9に供給する温度調節媒体26の温度を調節するようにしたので、鋳造ロール2の形状を図7に示した鋳造ロール2の温度と変形との関係から、鋳造ロール2の形状を再現性良く制御することができる。
図9は、本発明の双ロール式連続鋳造装置の他の実施例の概略を示すブロック図であり、冷却流路8の導出口18から外部に導出した冷却流体22は冷水塔24からなる冷却装置25に供給して冷却し、冷却した冷却流体22は導入口13から前記冷却流路8に循環供給して、鋳造ロール2を安全な温度に冷却するようにしている。
又、前記ポンプ27によって温度調節流路9の導出口14から導出した温度調節媒体26の一部は、第1循環流路36によって前記冷水塔24からなる冷却装置25に導いて冷却するようにしており、冷水塔24で冷却した温度調節媒体26は前記温度調節流路9の導入口19へ導くようにしている。又、前記ポンプ27からの温度調節媒体26の他部は第2循環流路37へ導くようにしており、第2循環流路37の温度調節媒体26は、前記第1循環流路36の冷水塔24で冷却された後の温度調節媒体26と混合されることにより、温度調整された温度調節媒体26aとなって前記導入口19へ循環するようになっている。
更に、前記第1循環流路36と第2循環流路37には、第1循環流路36を流動する高温の温度調節媒体26と第2循環流路37を流動する温度調節媒体26の流量配分を調整するようにした流量調節バルブ38,39が備えてあり、前記制御器30と同様に構成された制御器30aによって、前記流量調節バルブ38,39の開度を制御すようにしている。
前記制御器30aには、形状検出装置33からの薄板鋳片4の形状検出値34と、温度計31からの検出温度32と、目標形状値35が入力されているので、制御器30aは、形状検出値34と、目標形状値35とに基づいて、図7に示した温度調節媒体26の温度(温度調節流路9の温度)と鋳造ロール2の変形量との関係に基づいて、図10に示すフローチャートによる制御を行う。
即ち、図10において、目標クラウン値35bと実測クラウン値34bとを比較した結果、実測クラウン値34bが目標クラウン値35bより大きい場合(YES)には、流量調節バルブ38を開とし、流量調節バルブ39を閉又は開度調整することにより、温度調節流路9に供給する温度調節媒体26の温度を低下させる。すると、図7に示すように鋳造ロール2のロールクラウンは減少増加し、よって薄板鋳片4の板クラウンは減少する。
又、実測クラウン値34bが目標クラウン値35bより小さい場合には、流量調節バルブ39を開とし、流量調節バルブ38を閉又は開度調整することにより、温度調節流路9に供給する温度調節媒体26の温度を上昇させる。これにより、図7に示すように鋳造ロール2のロールクラウンは減少し、よって薄板鋳片4の板クラウンは増加する。
上記したように、スリーブ7の冷却流路8より半径方向内側位置に設けた温度調節流路9に温度調節媒体26を供給することによって鋳造ロール2の形状を変化させる制御を行うようにしたもので、鋳造ロール2の形状を大きな変化量で再現性良く制御することができ、製造される薄板鋳片4の形状品質、歩留まりの向上を図ることができる。
尚、本発明の双ロール式連続鋳造装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 双ロール式連続鋳造装置
2 鋳造ロール
3 湯溜まり部
4 薄板鋳片
7 スリーブ
8 冷却流路
8' 冷却流路
9 温度調節流路
9' 温度調節流路
13 導入口
13' 導入口
14 導出口
14' 導出口
18 導出口
18' 導出口
19 導入口
19' 導入口
22 冷却流体
22' 冷却流体
24 冷水塔
25 冷却装置
26 温度調節媒体
26' 温度調節媒体
28 温度調節器
29 温度調節媒体供給装置
30 制御器
30a 制御器
31 温度計
32 検出温度
33 形状検出装置
34 形状検出値
35 目標形状値
36 第1循環流路
37 第2循環流路
38,39 流量調節バルブ

Claims (7)

  1. 一対の鋳造ロール間に湯溜り部を形成し鋳造ロールの相互間から薄板鋳片を引き出して製造する前記鋳造ロールが周方向に複数の冷却流路を備えたスリーブによって構成されており、前記冷却流路に冷却流体を供給して鋳造ロールを冷却する冷却装置を備えている双ロール式連続鋳造装置であって、
    前記スリーブに設けられた前記冷却流路の径方向内側位置に、周方向に複数の温度調節流路を形成し、該温度調節流路の一端の導入口から他端の導出口に向けて温度調節した温度調節媒体を供給する温度調節媒体供給装置を備えたことを特徴とする双ロール式連続鋳造装置。
  2. 前記温度調節媒体供給装置が、温度調節媒体の温度を調節する温度調節器を有することを特徴とする請求項1に記載の双ロール式連続鋳造装置。
  3. 前記温度調節器が冷水塔であることを特徴とする請求項2に記載の双ロール式連続鋳造装置。
  4. 前記温度調節流路から導出される温度調節媒体の温度を検出する温度計からの検出温度と、薄板鋳片の形状を検出する形状検出装置からの形状検出値と、薄板鋳片の目標形状値とを入力して、前記温度調節器の温度を調節する制御器を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の双ロール式連続鋳造装置。
  5. 前記温度調節媒体供給装置が、前記温度調節流路により加熱されて導出口から導出された温度調節媒体を冷却装置に導いて冷却し、冷却した温度調節媒体を前記温度調節流路の導入口に導くようにした第1循環流路と、
    前記導出口から取り出された昇温流体をそのまま前記導入口へ導く第2循環流路と、
    前記第1循環流路と第2循環流路に流れる流体の流量配分を調整することにより鋳造ロールの温度を調節する流量調節手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の双ロール式連続鋳造装置。
  6. 前記冷却装置が冷水塔であることを特徴とする請求項5に記載の双ロール式連続鋳造装置。
  7. 前記温度調節流路から導出される温度調節媒体の温度を検出する温度計からの検出温度と、薄板鋳片の形状を検出する形状検出装置からの形状検出値と、薄板鋳片の目標形状値とを入力して、前記流量調節手段により温度調節流路に供給する温度調節媒体の温度を調節する制御器を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の双ロール式連続鋳造装置。
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