JP2765263B2 - トルク検出装置 - Google Patents
トルク検出装置Info
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- JP2765263B2 JP2765263B2 JP3099000A JP9900091A JP2765263B2 JP 2765263 B2 JP2765263 B2 JP 2765263B2 JP 3099000 A JP3099000 A JP 3099000A JP 9900091 A JP9900091 A JP 9900091A JP 2765263 B2 JP2765263 B2 JP 2765263B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被測定軸に加えられ
るトルクを検出するのに利用されるトルク検出装置に関
するものである。
るトルクを検出するのに利用されるトルク検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のトルク検出装置として
は、例えば、図5に示すような特開昭62−18513
6号公報に示されたものがある。
は、例えば、図5に示すような特開昭62−18513
6号公報に示されたものがある。
【0003】図5に示すトルク検出装置101は、被測
定軸102の表面に軸方向に間隔をおいて左右に傾斜す
る溝103を円周方向に複数形成して、形状磁気異方性
部を設け、前記形状磁気異方性部と対向して被測定軸1
02の外側にコイル104,105を間隙106を介し
て配置させ、コイル104,105の外側にヨーク10
7を設けた構造をなすものである。
定軸102の表面に軸方向に間隔をおいて左右に傾斜す
る溝103を円周方向に複数形成して、形状磁気異方性
部を設け、前記形状磁気異方性部と対向して被測定軸1
02の外側にコイル104,105を間隙106を介し
て配置させ、コイル104,105の外側にヨーク10
7を設けた構造をなすものである。
【0004】このような構造のトルク検出装置101に
おいて、コイル104,105は、図6に例示するよう
に、抵抗器111,112と組み合わされてブリッジ回
路を形成し、ブリッジ回路の接続点A,C間には励磁用
発振器113を接続し、接続点B,B´間には差動増幅
器114を接続して、被測定軸102にトルクTが加え
られた際に、図7に例示するようなトルク−出力特性の
検出出力を取り出すことができるようにしている。
おいて、コイル104,105は、図6に例示するよう
に、抵抗器111,112と組み合わされてブリッジ回
路を形成し、ブリッジ回路の接続点A,C間には励磁用
発振器113を接続し、接続点B,B´間には差動増幅
器114を接続して、被測定軸102にトルクTが加え
られた際に、図7に例示するようなトルク−出力特性の
検出出力を取り出すことができるようにしている。
【0005】このような従来のトルク検出装置101に
おいて、被測定軸102は、検出感度を高くするため磁
歪の比較的大きな高磁歪材料で形成している。
おいて、被測定軸102は、検出感度を高くするため磁
歪の比較的大きな高磁歪材料で形成している。
【0006】このような被測定軸102の磁歪成分を検
出する方式のトルク検出装置101は、被測定軸102
の回転による出力変動がなく、静止トルクから高速回転
トルクまで幅広く安定した出力が得られ、非接触型のト
ルク検出手段として有用なものである。
出する方式のトルク検出装置101は、被測定軸102
の回転による出力変動がなく、静止トルクから高速回転
トルクまで幅広く安定した出力が得られ、非接触型のト
ルク検出手段として有用なものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のトルク検出装置101にあっては、被測定軸
102にFe−Al合金などの高磁歪材料を用いてお
り、低トルク領域では良好な特性を示すが、少しトルク
の大きい領域に入ると、図8に示すように、トルク−出
力特性の出力が飽和してしまい、トルクの大きい領域も
含まれる場合には実用性に乏しいという問題点があり、
このような問題点を解決することが課題として存在して
いた。また、被測定軸にFe−Al合金を用いず、被測
定軸に機械構造用合金鋼やステンレス鋼を用い、この表
面にFe−Al系合金層を溶射法により設けたものもあ
るが(特開昭63−297545号公報)、この溶射法
による合金層は、被測定軸の表面の微細な凹凸部に投錨
効果により機械的な力で密着しているものであるため、
被測定軸の変位が大きくなったときや大きな変位がくり
返し付加されたときには合金層が表面から剥離してしま
うおそれがないとはいえないという問題点があった。さ
らにまた、被測定軸の表面に拡散(固相接合)により磁
歪材料を設ける考えもある(実開昭63−35768号
のマイクロフィルム)が、この場合もトルクが大きくな
った場合には前記と同様の問題を生じるおそれがあっ
た。
うな従来のトルク検出装置101にあっては、被測定軸
102にFe−Al合金などの高磁歪材料を用いてお
り、低トルク領域では良好な特性を示すが、少しトルク
の大きい領域に入ると、図8に示すように、トルク−出
力特性の出力が飽和してしまい、トルクの大きい領域も
含まれる場合には実用性に乏しいという問題点があり、
このような問題点を解決することが課題として存在して
いた。また、被測定軸にFe−Al合金を用いず、被測
定軸に機械構造用合金鋼やステンレス鋼を用い、この表
面にFe−Al系合金層を溶射法により設けたものもあ
るが(特開昭63−297545号公報)、この溶射法
による合金層は、被測定軸の表面の微細な凹凸部に投錨
効果により機械的な力で密着しているものであるため、
被測定軸の変位が大きくなったときや大きな変位がくり
返し付加されたときには合金層が表面から剥離してしま
うおそれがないとはいえないという問題点があった。さ
らにまた、被測定軸の表面に拡散(固相接合)により磁
歪材料を設ける考えもある(実開昭63−35768号
のマイクロフィルム)が、この場合もトルクが大きくな
った場合には前記と同様の問題を生じるおそれがあっ
た。
【0008】
【発明の目的】この発明は、このような従来の課題に鑑
みてなされたもので、低トルク領域から高トルク領域ま
で、安定してトルクの検出が可能であるトルク検出装置
を提供することを目的としている。
みてなされたもので、低トルク領域から高トルク領域ま
で、安定してトルクの検出が可能であるトルク検出装置
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の被測
定軸としてFe−Al合金などの高磁歪材料を用いたト
ルク検出装置の問題点であるトルク−出力特性の飽和現
象の原因は、被測定軸がミクロな塑性変形を起こし、磁
化状態が元に戻らない不可逆状態になっているためであ
ると考え、実際、低トルクで飽和の起こる材料はねじり
比例限も小さいことから、トルク印加に際して磁歪材料
が塑性変形を起こすことなく高トルクまで耐え得るよう
にすれば、トルク−出力特性の出力飽和も起こり難くな
るはずであると考えてこの発明に至った。
定軸としてFe−Al合金などの高磁歪材料を用いたト
ルク検出装置の問題点であるトルク−出力特性の飽和現
象の原因は、被測定軸がミクロな塑性変形を起こし、磁
化状態が元に戻らない不可逆状態になっているためであ
ると考え、実際、低トルクで飽和の起こる材料はねじり
比例限も小さいことから、トルク印加に際して磁歪材料
が塑性変形を起こすことなく高トルクまで耐え得るよう
にすれば、トルク−出力特性の出力飽和も起こり難くな
るはずであると考えてこの発明に至った。
【0010】すなわち、この発明は、動力伝達軸などの
被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路
を形成する励磁手段と、前記被測定軸の磁歪成分を検出
する検出手段を具備してなるトルク検出装置において、
前記被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとな
る材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接
合させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の
部分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をな
す凹状部および/または凸状部を形成した構成としたこ
とを特徴としており、実施態様においては、前記高磁歪
材料を溶融・接合させたことによる合金層の厚さが0.
1〜3.0mmである構成としたことを特徴としてお
り、このようなトルク検出装置に係わる発明の構成を前
述した従来の課題を解決するための手段としている。
被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路
を形成する励磁手段と、前記被測定軸の磁歪成分を検出
する検出手段を具備してなるトルク検出装置において、
前記被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとな
る材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接
合させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の
部分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をな
す凹状部および/または凸状部を形成した構成としたこ
とを特徴としており、実施態様においては、前記高磁歪
材料を溶融・接合させたことによる合金層の厚さが0.
1〜3.0mmである構成としたことを特徴としてお
り、このようなトルク検出装置に係わる発明の構成を前
述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0011】この発明に係わるトルク検出装置におい
て、被測定軸は、熱処理により高降伏点を有するものと
なる材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・
接合させたものとしているが、ここで用いられる熱処理
により高降伏点を有するものとなる材料としては、JI
Sに制定する機械構造用鋼鋼材、例えば、機械構造用炭
素鋼鋼材(SC材,S−CK材など)や、機械構造用合
金鋼鋼材(SCr材,SCM材,SNC材,SNCM材
など)が用いられ、適宜、添加成分や組成を変えること
により、降伏点等を向上させうるものが用いられる。
て、被測定軸は、熱処理により高降伏点を有するものと
なる材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・
接合させたものとしているが、ここで用いられる熱処理
により高降伏点を有するものとなる材料としては、JI
Sに制定する機械構造用鋼鋼材、例えば、機械構造用炭
素鋼鋼材(SC材,S−CK材など)や、機械構造用合
金鋼鋼材(SCr材,SCM材,SNC材,SNCM材
など)が用いられ、適宜、添加成分や組成を変えること
により、降伏点等を向上させうるものが用いられる。
【0012】また、被測定軸の表面において用いられる
高磁歪材料としては、金属Fe,金属Ni,Fe−Ni
合金,Fe−Al合金,Fe−Co合金などが用いら
れ、適宜、添加成分や組成を変えることにより、磁歪等
を向上させたものが用いられる。
高磁歪材料としては、金属Fe,金属Ni,Fe−Ni
合金,Fe−Al合金,Fe−Co合金などが用いら
れ、適宜、添加成分や組成を変えることにより、磁歪等
を向上させたものが用いられる。
【0013】そして、これら熱処理により高降伏点を有
するものとなる基体材料と、高磁歪材料とは互いに溶融
・合金化して接合するものであることが重要であり、こ
の発明において、発明の効果を十分に発揮させるために
は、合金層の厚さが0.1〜3.0mm、さらには0.
8〜1.0mmであるものとすることが望ましい。
するものとなる基体材料と、高磁歪材料とは互いに溶融
・合金化して接合するものであることが重要であり、こ
の発明において、発明の効果を十分に発揮させるために
は、合金層の厚さが0.1〜3.0mm、さらには0.
8〜1.0mmであるものとすることが望ましい。
【0014】この場合の合金層の厚さは、従来の高磁歪
材料を単に機械的に付着させるものとしたNiめっき
(厚さ約20μm),アモルファス(厚さ約20〜40
μm),スパッタリング(厚さ約1μm),プラズマ溶
射(厚さ約0.1mm)に比べて厚いものとなっている
のが特徴であり、単に機械的に付着させた場合のように
被測定軸に大トルクが付加されたり、繰り返しのトルク
が付加されたりした際に高磁歪材料の部分で剥離を生ず
るようなことがなくなる。
材料を単に機械的に付着させるものとしたNiめっき
(厚さ約20μm),アモルファス(厚さ約20〜40
μm),スパッタリング(厚さ約1μm),プラズマ溶
射(厚さ約0.1mm)に比べて厚いものとなっている
のが特徴であり、単に機械的に付着させた場合のように
被測定軸に大トルクが付加されたり、繰り返しのトルク
が付加されたりした際に高磁歪材料の部分で剥離を生ず
るようなことがなくなる。
【0015】そして、熱処理により高降伏点を有するも
のとなる材料を基体とし、その表面に高磁歪材料を溶融
・接合させたものとするに際しては、TIG溶接,プラ
ズマ粉末溶接,レーザ溶接,電子ビーム溶接などの手段
が用いられる。
のとなる材料を基体とし、その表面に高磁歪材料を溶融
・接合させたものとするに際しては、TIG溶接,プラ
ズマ粉末溶接,レーザ溶接,電子ビーム溶接などの手段
が用いられる。
【0016】
【発明の作用】この発明に係わるトルク検出装置におい
て、被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとな
る材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接
合させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の
部分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をな
す凹状部および/または凸状部を形成した構成としてい
るので、被測定軸の表面にある高磁歪材料は熱処理によ
り高降伏点を有するものとなる基体材料と溶融・接合し
て一体化したのものとなっており、被測定軸にトルクが
付加された際にこの被測定軸は軸心方向に対し所定の角
度をなす凹状部および/または凸状部によって形状磁気
異方性をつけた主応力方向に歪むが、このとき、下地と
しての基体材料は熱処理により高降伏点を有するものと
しているため、表面の高磁歪材料は下地に支えられてい
ることとなり、高トルクまで塑性変形することなく弾性
的に歪んでいく結果、高トルクまで飽和しにくいトルク
−出力特性が得られる。
て、被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとな
る材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接
合させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の
部分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をな
す凹状部および/または凸状部を形成した構成としてい
るので、被測定軸の表面にある高磁歪材料は熱処理によ
り高降伏点を有するものとなる基体材料と溶融・接合し
て一体化したのものとなっており、被測定軸にトルクが
付加された際にこの被測定軸は軸心方向に対し所定の角
度をなす凹状部および/または凸状部によって形状磁気
異方性をつけた主応力方向に歪むが、このとき、下地と
しての基体材料は熱処理により高降伏点を有するものと
しているため、表面の高磁歪材料は下地に支えられてい
ることとなり、高トルクまで塑性変形することなく弾性
的に歪んでいく結果、高トルクまで飽和しにくいトルク
−出力特性が得られる。
【0017】
【実施例】次に、この発明に係わるトルク検出装置の実
施例について説明する。
施例について説明する。
【0018】図1は、この発明に係わるトルク検出装置
の一実施例を示すものであって、このトルク検出装置1
は、熱処理により高降伏点を有するものとなる材料を基
体2aとして、その表面に高磁歪材料2bを溶融・接合
させたものとした被測定軸2をそなえ、前記被測定軸2
の少なくとも高磁歪材料2bの部分に、当該被測定軸2
の軸心方向に対し左右対称の所定角度をなす凹状部3
a,3bを円周方向に複数形成することによってこれら
凹状部3a,3bの間で円周方向に複数の凸状部4a,
4bが形成されることにより形状磁気異方性部を設け、
前記形状磁気異方性部に対向させて被測定軸2の外周側
にコイル5a,5bを間隙6を介して配置し、コイル5
a,5bの外側にヨーク7を設けた構造をなすものであ
る。
の一実施例を示すものであって、このトルク検出装置1
は、熱処理により高降伏点を有するものとなる材料を基
体2aとして、その表面に高磁歪材料2bを溶融・接合
させたものとした被測定軸2をそなえ、前記被測定軸2
の少なくとも高磁歪材料2bの部分に、当該被測定軸2
の軸心方向に対し左右対称の所定角度をなす凹状部3
a,3bを円周方向に複数形成することによってこれら
凹状部3a,3bの間で円周方向に複数の凸状部4a,
4bが形成されることにより形状磁気異方性部を設け、
前記形状磁気異方性部に対向させて被測定軸2の外周側
にコイル5a,5bを間隙6を介して配置し、コイル5
a,5bの外側にヨーク7を設けた構造をなすものであ
る。
【0019】この場合、コイル5a,5bは、図6に示
したと同様の回路構成として抵抗(111,112)と
共にブリッジ回路を形成し、被測定軸2を磁路の一部と
する磁気回路を形成する励磁手段と、被測定軸2の磁歪
成分を検出する検出手段とを兼ねたものとなっている。
したと同様の回路構成として抵抗(111,112)と
共にブリッジ回路を形成し、被測定軸2を磁路の一部と
する磁気回路を形成する励磁手段と、被測定軸2の磁歪
成分を検出する検出手段とを兼ねたものとなっている。
【0020】図2は、図1に示した構造のトルク検出装
置1において被測定軸2の形状磁気異方性部が設けられ
た部分を拡大して示すものであって、被測定軸2の基体
2aの素材となる熱処理により高降伏点を有するものと
なる材料として、JIS S25Cに相当する炭素鋼を
使用してこれを直径18.5mmに加工したものを用
い、この表面に設けられる高磁歪材料2bとして、Ni
45重量%を含み残部FeよりなるFe−Ni合金を用
い、この高磁歪材料2bをTIG溶接により基体2aの
表面で溶融・接合させたものとしている。
置1において被測定軸2の形状磁気異方性部が設けられ
た部分を拡大して示すものであって、被測定軸2の基体
2aの素材となる熱処理により高降伏点を有するものと
なる材料として、JIS S25Cに相当する炭素鋼を
使用してこれを直径18.5mmに加工したものを用
い、この表面に設けられる高磁歪材料2bとして、Ni
45重量%を含み残部FeよりなるFe−Ni合金を用
い、この高磁歪材料2bをTIG溶接により基体2aの
表面で溶融・接合させたものとしている。
【0021】その後、外周の切削により直径を20mm
とし、さらに幅2mm,深さ1mmの凹状部3a,3b
を円周方向に等間隔で12個所切削することにより相対
的に凸状部4a,4bを形成させ、これらによって形状
磁気異方性部を設け、焼き入れ,焼き戻しの熱処理をす
ることによって高降伏点を有する被測定軸2とした。
とし、さらに幅2mm,深さ1mmの凹状部3a,3b
を円周方向に等間隔で12個所切削することにより相対
的に凸状部4a,4bを形成させ、これらによって形状
磁気異方性部を設け、焼き入れ,焼き戻しの熱処理をす
ることによって高降伏点を有する被測定軸2とした。
【0022】この実施例におけるトルク検出装置1のト
ルク−出力特性は、図3に示すように、トルクと出力と
が比例する範囲が広いものとなっており、出力飽和トル
クは10kgf・mであった。
ルク−出力特性は、図3に示すように、トルクと出力と
が比例する範囲が広いものとなっており、出力飽和トル
クは10kgf・mであった。
【0023】
【比較例】図5に示した構造のトルク検出装置101に
おいて、被測定軸102の素材として、前記実施例にお
いて被測定軸の表面を形成したものと同じNi45重量
%を含み、残部FeよりなるFe−Ni合金を直径20
mmに加工したものを用いて、形状異方性部も同様に形
成したものを用いた。
おいて、被測定軸102の素材として、前記実施例にお
いて被測定軸の表面を形成したものと同じNi45重量
%を含み、残部FeよりなるFe−Ni合金を直径20
mmに加工したものを用いて、形状異方性部も同様に形
成したものを用いた。
【0024】この比較例におけるトルク検出装置101
のトルク−出力特性は、図4に示すようにトルクと出力
とが比例する範囲が狭いものとなっており、出力飽和ト
ルクは4kgf・mであった。
のトルク−出力特性は、図4に示すようにトルクと出力
とが比例する範囲が狭いものとなっており、出力飽和ト
ルクは4kgf・mであった。
【0025】これらの結果より明らかなように、この発
明に係わるトルク検出装置1は、従来のトルク検出装置
101の2.5倍も計測トルク域を拡大することができ
た。
明に係わるトルク検出装置1は、従来のトルク検出装置
101の2.5倍も計測トルク域を拡大することができ
た。
【0026】また、被測定軸2は、熱処理により高降伏
点を有するものとなる材料を基体2aとし、この基体2
aの表面で高磁歪材料2bが溶融・接合して一体化した
ものとなっているため、疲労試験を実施しても、高磁歪
材料2bの剥離などの問題や出力異常は発生せず、10
万回以上の優れた耐久性を示した。
点を有するものとなる材料を基体2aとし、この基体2
aの表面で高磁歪材料2bが溶融・接合して一体化した
ものとなっているため、疲労試験を実施しても、高磁歪
材料2bの剥離などの問題や出力異常は発生せず、10
万回以上の優れた耐久性を示した。
【0027】
【発明の効果】この発明に係わるトルク検出装置は、被
測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路を
形成する励磁手段と、前記被測定軸の磁歪成分を検出す
る検出手段を具備してなるトルク検出装置において、前
記被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとなる
材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接合
させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の部
分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をなす
凹状部および/または凸状部を形成した構成としたた
め、被測定軸としてFe−Al合金やFe−Ni合金な
どの高磁歪材料を用いた従来のトルク検出装置に比べて
トルク−出力特性の飽和出力トルクが大幅に向上し、低
トルク領域から高トルク領域まで安定してトルクの検出
が可能であり、高トルクを繰り返し受けたときでも高磁
歪材料の剥離が生じがたい耐久性に優れたものとなっ
て、安定したトルク−出力特性を長期にわたって得るこ
とができるという著しく優れた効果がもたらされる。
測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路を
形成する励磁手段と、前記被測定軸の磁歪成分を検出す
る検出手段を具備してなるトルク検出装置において、前
記被測定軸は熱処理により高降伏点を有するものとなる
材料を基体として、その表面に高磁歪材料を溶融・接合
させたものとし、被測定軸の少なくとも高磁歪材料の部
分に、当該被測定軸の軸心方向に対し所定の角度をなす
凹状部および/または凸状部を形成した構成としたた
め、被測定軸としてFe−Al合金やFe−Ni合金な
どの高磁歪材料を用いた従来のトルク検出装置に比べて
トルク−出力特性の飽和出力トルクが大幅に向上し、低
トルク領域から高トルク領域まで安定してトルクの検出
が可能であり、高トルクを繰り返し受けたときでも高磁
歪材料の剥離が生じがたい耐久性に優れたものとなっ
て、安定したトルク−出力特性を長期にわたって得るこ
とができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】この発明に係わるトルク検出装置の一実施例を
示す部分縦断説明図である。
示す部分縦断説明図である。
【図2】図1に示したトルク検出装置において被測定軸
に磁気異方性をもたせた部分を拡大して示すもので、図
(a)は正面説明図,図(b)は断面説明図である。
に磁気異方性をもたせた部分を拡大して示すもので、図
(a)は正面説明図,図(b)は断面説明図である。
【図3】この発明に係わるトルク検出装置のトルク−出
力特性を例示するグラフである。
力特性を例示するグラフである。
【図4】比較例における従来のトルク検出装置のトルク
−出力特性を例示するグラフである。
−出力特性を例示するグラフである。
【図5】従来のトルク検出装置を示す部分縦断説明図で
ある。
ある。
【図6】トルクによる被測定軸の磁歪成分の変化を検出
する方式のトルク検出装置に用いる励磁および検出回路
の構成を例示する説明図である。
する方式のトルク検出装置に用いる励磁および検出回路
の構成を例示する説明図である。
【図7】従来のトルク検出装置の低トルク領域における
トルク−出力特性を例示するグラフである。
トルク−出力特性を例示するグラフである。
【図8】従来のトルク検出装置の高トルク領域での出力
飽和現象を例示するグラフである。
飽和現象を例示するグラフである。
1 トルク検出装置 2 被測定軸 2a 被測定軸の基体 2b 被測定軸の高磁歪材料 3a,3b 凹状部 4a,4b 凸状部 5a,5b コイル(励磁手段兼検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠 原 幹 弥 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 水 野 正 志 愛知県知多郡阿久比町大字板山字西ノ海 道山22−9 (72)発明者 矢 萩 慎一郎 愛知県大府市大府町矢戸46−1 (72)発明者 永 田 雅 愛知県名古屋市緑区鳴海町字伝治山98− 3 (72)発明者 松 井 信 行 愛知県名古屋市西区江向町5丁目5番地 の1 (56)参考文献 特開 平3−87623(JP,A) 特開 平2−107910(JP,A) 特開 平2−90030(JP,A) 特開 平1−117378(JP,A) 特開 昭63−297545(JP,A) 特開 昭63−81993(JP,A) 実開 昭64−35768(JP,U) 特表 平1−503403(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 3/10
Claims (2)
- 【請求項1】 被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部
とする磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸の
磁歪成分を検出する検出手段を具備してなるトルク検出
装置において、前記被測定軸は熱処理により高降伏点を
有するものとなる材料を基体として、その表面に高磁歪
材料を溶融・接合させたものとし、被測定軸の少なくと
も高磁歪材料の部分に、当該被測定軸の軸心方向に対し
所定の角度をなす凹状部および/または凸状部を形成し
たことを特徴とするトルク検出装置。 - 【請求項2】 高磁歪材料を溶融・接合させたことによ
る合金層の厚さが0.1〜3.0mmである請求項1に
記載のトルク検出装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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US07/868,116 US5280729A (en) | 1991-04-30 | 1992-04-14 | Magnetostrictive torque detecting apparatus |
DE4214368A DE4214368C2 (de) | 1991-04-30 | 1992-04-30 | Magnetostriktives Drehmomentmeßgerät |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3099000A JP2765263B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | トルク検出装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2765263B2 true JP2765263B2 (ja) | 1998-06-11 |
Family
ID=14234707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3099000A Expired - Fee Related JP2765263B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | トルク検出装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2765263B2 (ja) |
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Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61193345U (ja) * | 1985-05-23 | 1986-12-02 | ||
JPH0745704B2 (ja) * | 1987-05-28 | 1995-05-17 | 大同特殊鋼株式会社 | トルクセンサ用被測定軸 |
JPS6435768U (ja) * | 1987-08-27 | 1989-03-03 |
-
1991
- 1991-04-30 JP JP3099000A patent/JP2765263B2/ja not_active Expired - Fee Related
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