JP2765191B2 - 光学式ヘッド装置 - Google Patents

光学式ヘッド装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、光学式ヘッド装置に関し、特に光学的に
情報の記録再生を行なう光ディスク装置におけるトラッ
キングセンサに関するものである。
[従来の技術] 光ディスク装置は、非接触で情報記録媒体に同心円
状、あるいは渦巻状に信号を記録もしくは再生するた
め、トラッキングサーボセンサ方式を必要とする。この
トラッキングサーボセンサ方式については種々の方式が
提案されているが、信号ピットまたは案内溝からの回折
光を利用した方式としてプッシュプル法とよばれる方法
が、また副ビームを利用した方式として3ビーム法があ
る。各々の方式について簡単に説明する。
プッシュプル法は、情報記録媒体上に形成された案内
溝による回折光分布を二分割光検知器に投影し、二分割
光検知器の差動出力よりトラッキングサーボセンサ信号
を得る方式である。
3ビーム法は、回折格子等の分波手段により光束を分
割し、記録再生用の主ビームの両側に位置する副ビーム
の差動出力によりトラッキングサーボセンサ信号を得る
方式である。
次に、各々の方式の問題点について説明する。プッシ
ュプル法は、案内溝による回折を利用しているので、案
内溝の深さの影響を受ける。第4図に溝深さに対するト
ラッキングサーボセンサ信号(プッシュプル信号)の振
幅を示す。図から解るように、溝深さがλ/8の時に最大
となりλ/4の時に最少となる。一方、3ビーム法は副ビ
ームが存在するので、記録時に副ビームにより記録信号
が乱されたり、オフセットが発生する。オフセットにつ
いて第5図で説明する。
図において、(17)は記録トラックであり仮に案内溝
の部分とする。(18)はランド部である。(19)、(2
0)は情報記録媒体上に集光されたスポットであり、(1
9)は主ビーム、(20a)、(20b)が副ビームである。
(21)は主ビーム(19)で記録された部分である。図に
おいて、(a),(b)共主ビームが案内溝上にトラッ
キングされた状態を示している。この時、副ビーム(20
a),(20b)の差動出力を見ると、図(b)の場合は
(20a),(20b)共同じ信号出力が得られるので差動出
力はゼロでありオフセットは生じない。ところが、図
(a)の場合は先行している(20a)のビームは無記録
部を通っているのに対し、後行ビーム(20b)は記録部
を通っているので双方のビームからの信号出力が異な
り、オフセットが生じてしまう。
以上のように、双方の方式にも問題点があり、約λ/4
の深さで形成されたビット列を持つコンパクトディスク
(以後CDと記す)と約λ/8の案内溝を持つライトワンス
ディスク(以後W/Oと記す)を記録再生する光学式ヘッ
ド装置では、ディスクの種類に応じて回折格子等の分波
手段を挿入したり抜いたりする必要がある。
これについて図で説明する。
第6図は従来の光学式ヘッド装置の光学系を示す図で
ある。図において、(1)は光源である半導体レーザ、
(2)は回折格子、(3)はコリメータレンズ、(4)
は光束分離の為のビームスプリッタである。(5)は対
物レンズ、(6)は情報記録媒体である。(7)は情報
記録媒体(6)で反射され、ビームスプリッタ(4)で
分離された光束を光検知器(8)に集光するための凸レ
ンズである。
次に、動作について説明する。
回折格子(2)は図中に矢印で示されたように移動す
ることにより、半導体レーザ(1)から出射された光束
(9)中に出し入れすることができる。従って、W/Oデ
ィスクに記録するときには光束より外し、トラッキング
サーボセンサ信号はプッシュプル法で得る。一方W/Oデ
ィスクあるいはCDディスクを再生するときには光束中に
挿入し、トラッキングサーボセンサ信号は3ビーム法で
得る。つまり、回折格子(2)を出し入れすることによ
り最適のトラッキングサーボセンサ方式を採用すること
が出来る。
[発明が解決しようとする課題] 従来の光学式ヘッド装置は以上のように構成されてい
るので、回折格子を移動させなければならず、回折格子
の角度がずれて情報記録媒体上の副ビームの並ぶ方向と
トラックの方向が変化し、トラッキングサーボセンサ信
号の信頼性が減少する等の問題点があった。この発明
は、上記のような問題点を解決するためになされたもの
で、回折格子等の分波手段(即ち、回折手段)を機械的
に動かすことなく、プッシュプル法と3ビーム法の切り
替えといったようなトラッキングサーボセンサ方式の切
り替えが出来る光学式ヘッド装置を得ることを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] この発明に係わる光学式ヘッド装置は、光源と対物レ
ンズとの間にストライプ状の電極を有する液晶パネルと
液晶パネルの対物レンズ側に配置された偏光板とを設
け、ストライプ状の電極への電圧印加を制御することに
より偏光板から対物レンズ側への出射光束が回折する第
1の状態と偏光板から対物レンズ側への出射光束が回折
しない第2の状態を選択できるよう構成したものであ
る。
[作用] この発明によれば、液晶パネルのストライプ状の電極
への電圧印加を制御することにより、機械的な動きを伴
うことなく光源と対物レンズの間に回折格子を入れた状
態である第1の状態と光源と対物レンズの間から回折格
子を出した状態である第2の状態を選択できる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。ま
ず液晶パネルについて、第3図により簡単に説明する。
液晶(14)は2枚のガラス板(16)に挟まれ、さらに両
側に偏光板(10),(15)を配している。電圧無印加時
V=0(第3図(a))においては、入射側偏光板(1
5)を透過した直線偏光(9)は、液晶(14)を透過す
る際に液晶の旋光性によって偏光方向が90゜回転し、入
射側偏光板(15)と偏光軸が直交するように配された出
射側偏光板(10)を透過する。
一方、しきい値電圧Vth以上の電圧Vを印加する(第
3図(b))と、液晶(14)の旋光性が小さくなって、
出射側偏光板(10)を透過する光量が電圧の増加に伴っ
て減少する。このような透過率の制御作用を利用し、1
次元アレイ状に電極を構成することにより、1次元のく
し状の透過制御素子が形成できる。尚、上記液晶(14)
は旋光角が90゜のTN(Twisted Nematic)液晶をノーマ
リーホワイトモードで使用した例について説明した。液
晶相の種類、旋光角の大きさ等については公知のごと
く、上記の他にも変形例が知られている。
次に、実施例の装置について第1図及び第2図で説明
する。
第1図はこの発明の一実施例による光学式ヘッド装置
の光学系の構成図である。分波手段(即ち回折手段)の
構成要素(2)、(10)以外は従来例と同じであるので
説明を省略する。図において、(2)は液晶パネル、
(10)は偏光板である。液晶パネルの構成について第2
図で説明する。図において、液晶(14)は2枚のガラス
基板(16)に挟まれ、ガラス基板(16)との間にストラ
イプ状の透明電極(12)が配されており、その幅は数十
μmのオーダであり、一本おきに電圧が印加出来る構造
になっている。
次に、動作について説明する。
ストライプ状透明電極(12)に電圧無印加時は、第3
図で説明したように液晶パネルを透過した光束が透過す
るように偏光板(10)の方向を設定しているので、液晶
パネル(2)に入射した光束(9)はすべて偏光板(1
0)を透過する。即ち、液晶パネル(2)と偏光板(1
0)とからなる分波手段(回折手段)による分波(回
折)作用を受けない。一方、しきい値以上の電圧Vが印
加されると、ストライプ状の透明電極(12)の一本おき
に電圧が印加されるので、ストライプ状の透明電極(1
2)の幅で偏光方向が回転される部分と回転されない部
分が交互にでき、偏光板(10)を透過する光と透過しな
い光が交互に存在する状態となる。つまり回折格子が存
在した状態となり、液晶パネル(2)に入射した光束
(9)は分波(回折)される。従って、本発明の光学式
ヘッド装置が搭載されたシステムにおいて、記録時には
透明電極(12)には電圧を印加せず、再生時には電圧を
印加するという電気上の切り替えを行うことにより、ト
ラッキングサーボセンサ方式を記録時にはプッシュプル
方式で、再生時には3ビーム方式でという選択を行うこ
とができる。尚、第3図では液晶パネルの光源側にも偏
光板(15)が配してあったが、一般に半導体レーザ
(1)から出射される光束(9)は直線偏光であるの
で、光束を直線偏光にするための入射側偏光板(15)は
不要である。
上記実施例では、一本の透明電極(12)の幅を数十μ
mのオーダとして一本おきにオン/オフして回折格子を
形成したが、透明電極(12)の幅をもっと狭くして一本
づつ制御出来る構造にすることにより回折格子のピッ
チ、デューティを制御することができる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、光源と対物レンズ
との間にストライプ状の電極を有する液晶パネルと液晶
パネルの対物レンズ側に配置された偏光板とを設け、ス
トライプ状の電極への電圧印加を制御することにより偏
光板から対物レンズ側への出射光束が回折する第1の状
態と偏光板から対物レンズ側への出射光束が回折しない
第2の状態を選択できるよう構成したので、機械的な動
きを伴うことなくあたかも回折格子を光束中に出し入れ
したような状態を実現でき、回折格子の角度がずれるな
どの問題が改善される。よって、プッシュプル法と3ビ
ーム法の切り替えといったようなトラッキングサーボセ
ンサ方式の切り替えを高い信頼性をもって行うことが可
能となり、トラッキングサーボセンサ信号の信頼性が大
きく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による光学式ヘッド装置の
光学系の構成図、第2図は液晶パネルの斜視図、第3図
は液晶パネルの動作を説明するための斜視図、第4図は
プッシュプル法での案内溝深さとプッシュプル信号の関
係を示す図、第5図は3ビーム法の問題点を説明するた
めの情報記録媒体上のスポットの様子を示した図、第6
図は従来の光学式ヘッド装置の光学系の構成図である。 図において、(1)は半導体レーザ、(2)は液晶パネ
ル、(4)はビームスプリッタ、(5)は対物レンズ、
(8)は光検知器、(9)は光束、(10)は偏光板であ
る。 尚、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−241735(JP,A) 特開 昭62−54223(JP,A) 特開 平1−128236(JP,A) 特開 平2−266331(JP,A) 特開 昭61−77145(JP,A) 実開 昭59−60743(JP,U) 実開 昭63−58322(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光束を集光して情報記録媒体に
    出射し、該情報記録媒体からの反射光束を入射する対物
    レンズと、前記光源からの出射光束と前記反射光束を分
    離するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタで分
    離された光束を受光するトラッキングサーボセンサ信号
    検出用の光検知器を有する光学式ヘッド装置において、 前記光源と前記対物レンズとの間にストライプ状の電極
    を有する液晶パネルと前記液晶パネルの前記対物レンズ
    側に配置された偏光板とを設け、前記ストライプ状の電
    極への電圧印加を制御することにより前記偏光板から前
    記対物レンズ側への出射光束が回折する第1の状態と前
    記偏光板から前記対物レンズ側への出射光束が回折しな
    い第2の状態を選択できるよう構成したことを特徴とす
    る光学式ヘッド装置。
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