JP2764168B2 - 熱延線材の気水ミスト冷却装置 - Google Patents

熱延線材の気水ミスト冷却装置

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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/52Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) この発明は熱延線材の冷却装置に関するもので、熱延
線材を能率的に冷却処理せしめると共に高強度でバラツ
キの少ない製品を提供し、しかも強冷を必要としない線
材の冷却に際しても設備の保全やコンベヤ上の空間確保
を図った装置を提供しようとするものである。
(従来の技術) 熱間圧延により製造される線材の強度、延性等の特性
は圧延終了後の冷却速度とその均一性に大きく依存して
いるが、今日広く普及している直接熱処理法としてはス
テルモア法がある。この方法は800から900℃の熱間圧延
鋼線材を巻き取り機によりリング状に形成した後、コン
ベヤ上に落下させ、非同心リング状態で搬送する途中に
おいてコンベヤ下方から20〜50m3/sec.の衝風を吹きつ
けて冷却を施すものであるが、この方法では冷却能力に
限界があり、充分大きな冷却速度が得られない。このた
め製品によってはMn、Cr等の焼き入れ性向上元素、Nb、
V等の析出硬化元素を鋼中に添加して、目的とする強
度、延性ならびに顕微鏡組織とする必要が生ずる。
このようなステルモア法の欠点を解決するために例え
ば塩浴、沸騰水を用いて直接処理を行う方法が提案され
ているが、これらは新たな設備をつくるのに多大な金額
を必要とする。これに対して既設のステルモア法の冷却
能力を高める方法として、ミストを使用する方法が開示
されている。例えば特開昭51−112721、特開昭53−1389
17は水ノズルから水粒子を噴霧して衝風中に混合し、こ
の衝風ミストにより線材を急冷させるものであり、特開
昭62−214133には、スプレー水にて冷却させる方法が開
示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これら改良案は単にミストにより線材
の上面あるいは下面のみからミストを吹きつけているだ
けであり、冷却速度の増大によって大きく問題となって
くる強度のバラツキの解消法についてはなんら方法を提
案していない。
即ち非同心リング状態による搬送中の線材はコンベヤ
端部において中央部より層厚になっており、特に最端部
においては数リングもの線材がほぼ平行な状態で重なり
あっているため、この部分にたいして単に片面から急冷
を加えても、その反対面に位置する線材にはミストがほ
とんど当たらず冷却速度が小さくなって、全体として冷
却速度の大幅な不均一を招き、強度のバラツキが大きく
なる。このためミスト冷却法は実生産ラインに適用され
にくかったのが現在までの実情である。又、これまでの
ミストを得る方法は、いずれも水をノズルから単に噴霧
するだけであり、このような方法では水粒子の大きさに
バラツキを生ずるだけでなく充分微細な粒子を得ること
が困難で、冷却むらを生じやすい。
本発明はこのような現状に鑑み創案されたものであ
り、線材を均一に冷却することが可能で、而も急冷を必
要としない線材の冷却に際しては、コンベヤ上に配設し
た冷却機構を簡単に移動し得る装置を提供することを目
的とする。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 前述の目的を達成するために本発明者等は、非同心リ
ング状態である線材の搬送用コンベヤの下部に、固定さ
れた上向衝風機構を備え、前記コンベヤの上方には送水
管と送気管の対を複数列配置し、これらに接続された気
水ミストノズルの複数個を配設し、而も前記送水管、送
気管および気水ミストノズルを、線材の搬送方向の左右
何れかの側に設けた回転軸を介して回動し得るように設
けたことを特徴とする熱延線材の気水ミスト冷却装置。
を茲に提案する。
(作用) 本発明はステルモア冷却装置を基本としこれに改良を
加えたものである。三つの大きな特徴を備えている。
1番目としては、コンベヤの上方に送水管と送気管の
対の複数列を配置し、これらと複数個の気水ミストノズ
ルを接続して、微細な水の小粒子を短時間に大量発生せ
しめるようにしたことであり、線材の層厚に応じて自在
に冷却せしめることを可能にしたことである。2番目の
特徴は、コンベヤの下部に固定して設けた上向衝風機構
を単に衝風のみに止まらずミストの噴霧も併用しうる冷
却機構としたことによりコンベヤ端部における線材の重
なり状況に応じ、効果的な冷却を可能としたことであ
る。3番目の特徴は、前述のような均一冷却のための理
想的なノズルの配設を行なっても、線材の種類によって
はこのような急冷を必要としないものがある。そのよう
な場合には、ノズル群および水量の調整機構等が搬送さ
れる線材の熱に晒されることになり、又、場合によって
は搬送中の線材の最後端がもつれることがあるが、この
解決のための空間が、前述の噴霧機構群により妨げられ
ることを考慮して、線材の搬送方向の左右何れかの側に
設けた回動軸により、噴霧機構群を回転上昇させてコン
ベヤの上方に自由空間を確保できるようにしたことであ
る。これにより器機の保全を図ると共に、線材のもつれ
等のトラブルの解消に全く支障のないようにしたことで
ある。
又、気水ノズルの水量、気水の混合比等はコンベヤ上
を搬送される線材の大きさ、重なり具合に応じて適宜調
節しうるようにセットする必要があることは云うまでも
ない。
(実施例) 第1図(a)は本発明装置の正面図、(b)は平面
図、(c)は側面図で示す説明図である。第2図には配
管系統図を示す。すなわち水入口1、空気入口2より供
給される水と空気は水ヘッダー管3、空気ヘッダー管4
を経てコンベヤ5の上方の送気管6、送水管7に送り、
これらに取りつけた気水ミストノズル8により、水を高
圧な空気と混合して、水を気水ミスト9として噴霧し、
線材10を上面から冷却するとともに、下面からは衝風11
又はコンベヤロール間に衝風プレートを設けたように構
成によって得られる衝風ミスト11を吹きつける。以上の
如くして線材を上下面から均一に急冷する。又、線材層
厚部は中央部に較べて冷却されにくいので、層厚部にお
けるノズルの数を多くして、線材の進行中の繰り返し冷
却を受ける回数を多くして、結果的にはコンベヤ上の線
材の冷却速度が均一となるように配慮した。
尚、気水ミストノズルを使用しない場合は、コンベヤ
の側方に設けられた回転軸Aを介して電動シリンダー12
により装置全体を回転上昇させてコンベヤ片側に待機さ
せて置くようにした。なお、ミストの飛散防止のため装
置には上部カバー13、側面カバー14が取りつけてある。
下記に本発明装置を利用して線材の冷却を行なった例
をステルモア法、比較法との対比で示す。
(区分の「本発明」は本発明装置を利用した例を示
す。) 第1表は供試材の化学成分を示すもので高炭素鋼SWRH
62Bと77Bである。第2表には試験条件とその結果得ら
れた製品の引張強さを示す。試験条件No.1、6、11(以
下「試験条件」の記載を省略し、No.のみを記載す
る。)は従来のステルモア法であり、得られる強度が低
くまたバラツキも比較的大きい。No.2、7、12は線材下
面から衝風気水ミストのみを吹きつけた場合、No.3、
8、13は線材上面から気水ミストのみを吹きつけた場合
である。いずれも高強度な線材が得られているが、片面
のみの急冷であるので、バラツキがかなり大きい、これ
に対し本発明装置によるNo.4、9、14は上面気水ミスト
+下面衝風冷却を行った場合で、更に本発明装置による
No.5、10、15は上面気水ミスト+下面衝風気水ミストの
両面冷却を行った場合で、いずれも高強度でかつバラツ
キの少ない線材が得られている。第3図には第2表のう
ちのNo.6(a)、7(b)、10(c)について線材半リ
ング内の位置別強度バラツキを示す。(各位置n=5の
最大値と最小値)No.6のステルモア法においては強度が
低いのみならずコンベヤ端部においてややバラツキが大
きくなっている。No.7の下面より衝風ミストのみを当て
たものは強度は増加当するものの、コンベヤ端部のバラ
ツキはステルモア法により増幅されてかなり大きくな
る。これに対してNo.10の衝風ミストに加えるに上面よ
り本発明装置をもちいて両面冷却を行ったものは端部の
バラツキも抑えられて、均一かつ高強度の線材が得られ
ている。
「発明の効果」 以上詳述したように、本発明の装置は微細な均一な水
の小粒子を発生せしめる気水ミストノズルを備え、而も
上向衝風にミストを併用し得る機構を備えているので、
従来のステルモア法、上方向から気水ミストのみを噴霧
する装置、もしくは下方から衝風ミストのみを吹付ける
装置等による場合と同じに能率的な冷却処理を行わし
め、しかも従来装置により冷却された線材に比較して高
強度でバラツキの少ない製品が適切に得られ、加うるに
強冷を必要としない線材の冷却に際しては、上側に設け
た送水管、送気管、気水ミストノズル群を、まとめてコ
ンベヤの側方位置へ回動自在に退避せしめられるように
したので、設備の保全、コンベヤ上の自由空間の確保も
併せて解決したものであり、本発明は、産業界の発展に
寄与するところの大きな発明であると云うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の説明図で、(a)は正面図、
(b)は平面図、(c)は側面図を示し、第2図は本発
明の配管系統図、第3図は線材半リング内の位置別の強
度のバラツキを試験条件を変えて示す図面である。 1……水入口、2……空気入口 3……水ヘッダー管、4……空気ヘッダー管 5……コンベヤ、6……送気管 7……送水管、8……気水ミストノズル 9……気水ミスト、10……線材 11……衝風または衝風ミスト 12……電動シリンダー 13……上部ミスト飛散防止カバー 14……側面ミスト飛散防止カバー 15……衝風箱、16……水留 A……回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−92719(JP,A) 特開 昭52−59015(JP,A) 特開 昭52−15407(JP,A) 実開 昭61−127816(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非同心リング状態である線材の搬送用コン
    ベヤの下部に、固定された上向衝風機構を備え、前記コ
    ンベヤの上方には送水管と送気管の対を複数列配置し、
    これらに接続された気水ミストノズルの複数個を配設
    し、而も、前記送水管、送気管および気水ミストノズル
    を、線材の搬送方向の左右何れかの側に設けた回転軸を
    介して回動し得るように設けたことを特徴とする熱延線
    材の気水ミスト冷却装置。
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