JP2764090B2 - セラミックスコーティング金属材料、及びその製造法 - Google Patents

セラミックスコーティング金属材料、及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、セラミックスコーティング金属材料、及び
その製造法に関する。
従来の技術及びその問題点 従来の金属材料は、耐食性付与、装飾性向上等の目的
で、有機樹脂系塗料によるコーティングが施されること
が多い。しかしながら、有機樹脂系塗料は紫外線により
劣化し、黄変して光沢が低下し、さらに進めば塗膜に割
れや剥離が発生し、防食効果が無くなるという欠点があ
り、10年程度以内で塗り替えが必要となる。また、有機
樹脂系塗料のコーティングは表面硬度が鉛筆硬度で4H以
下と低いために傷付き易く、例えば汚れた表面を洗浄す
る際、ブラシ等でこすると塗膜が摩耗したり、傷付いた
りして塗膜の欠損部分が生じ、ここから腐食することが
ある。また有機樹脂は静電気による帯電によって、ごみ
やほこりが付着し易く、除去が困難である。
一方、近年金属材料に対して無機系塗料によるコーテ
ィングが一部で行なわれるようになった。無機塗料とし
て水ガラスのような、アルカリ金属塩をバインダーとし
た塗料が知られているが、これらの塗料を用いる場合に
は、得られる塗膜に気孔やピンホールが多発するために
水が塗膜より浸透し、基材を錆びさせて塗膜の剥離を生
じるという問題点がある。また、ホーローのように高温
で処理してコーティングを行なう方法もあるが適用され
る基材が限定され、しかも処理費用が高くなる。また、
アルカリ金属塩を用いる塗料やホーローでは亜鉛メッキ
を施した金属、アルミニウム、銅等を基材とする場合に
はアルカリ分によって基材表面が腐食して塗膜の密着不
良が生じる。また処理温度が高いために基材が溶けると
いう問題点もある。また、ゾル−ゲル法により金属面に
直接セラミックス層を形成する方法も知られているが使
用する液状組成物が酸性であることら鉄系の基材では表
面が錆び易く、セラミックス層の密着性が低下して剥離
し易くなるという問題点がある。またセラミックス層は
硬くもろいという性質を有するために金属等に直接コー
ティングした場合、曲げ加工等を施すとセラミックス層
にクラックや部分剥離が生じ金属面が直接露出して、金
属が錆び易くなるという問題点がある。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した如き従来技術に鑑みて、金属材
料の各種特性を改善すべく、鋭意研究を重ねてきた。そ
の結果金属材料上に有機樹脂層を設け、その上にゾル−
ゲル法によるセラミックス層を設けることによって、美
感、耐食性、耐候性、耐汚染性、耐傷付性、後加工性、
密着性等の良好な皮膜を形成できることを見出し、ここ
に本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、有機樹脂層からなる下層、及びゾル
−ゲル法により形成されたセラミックス層からなる上層
により構成される複合コーティング層を、金属材料上に
設けてなるセラミックスコーティング金属材料、並びに
有機樹脂層を有する金属材料の有機樹脂層上に、セラミ
ックス形成用原料の液状組成物を塗布し、重合ゲル化さ
せてセラミックス層を形成することを特徴とするセラミ
ックスコーティング金属材料の製造法に係る。
本発明では、金属材料としては、特に限定はなく、例
えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の各種の金属
又は合金を用いることができ、更に、これらに亜鉛メッ
キ、ニッケルメッキ、クロムメッキやその他各種の金属
メッキ又は合金メッキを施した材料も用いることができ
る。また、リン酸亜鉛処理、クロメート処理などの表面
処理を施した金属材料も用いることができる。金属材料
の形状も特に限定はなく、金属板や各種の成形品を対象
とすることができる。
本発明では、有機樹脂層を形成した金属材料上にゾル
−ゲル法によりセラミックス層を設ける。有機樹脂層の
形成方法としては、例えば、有機樹脂塗料を塗布する方
法、樹脂フィルムを貼り付ける方法等でよい。有機樹脂
塗料としては、特に限定はなく、有機溶液型、非水分散
型、水溶(分散)液型、粉体型、ハイソリッド型など任
意の形態のものが使用できる。その塗布方法についても
特に限定はなく、スプレー法、ディップ法、ロールコー
ト法、フローコート法、印刷法、電着塗装法、粉体塗装
法などの各種の常法が適用でき、使用樹脂の種類に応じ
て、適宜塗布方法を選択すればよい。有機樹脂塗料の塗
布後は、常法に従って、常温硬化又は加熱硬化させるこ
とによって有機樹脂層を形成できる。また、樹脂フィル
ムを貼り付ける方法についても、常法に従えばよく、例
えば熱可塑性樹脂フィルムを接着材を用いて貼り付ける
方法やヒートシール法で貼り付ける方法を採用できる。
有機樹脂としては、下地の金属材料との接着性、及び
ゾル−ゲル法により形成されるセラミックス層との接着
性の良好なものから適宜選択すればよく、例えば、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリル
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ゴム、ポリスチレン樹
脂、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、塩化ゴム、またはこれらの変性樹脂、共重合樹
脂等を好ましく使用できる。
有機樹脂層の厚さは、要求される性能、用途等に応じ
て一様ではないが、防食性、割れ防止性等の点から、通
常、1〜100μm程度、好ましくは5〜75μm程度とす
ればよい。また、金属材料を加工する場合や使用時に変
形が生じる場合には、1〜50μm程度の厚さとすること
が好ましい。
ゾル−ゲル法によるセラミックス層形成法としては、
各種の方法が公知であり、また、原料としても各種のも
のが知られているが、本発明では、これらは特に限定的
ではなく、いずれも採用できる。
ゾル−ゲル法によるセラミックスは、通常、セラミッ
クス形成用原料の液状組成物を塗布し、重合、ゲル化さ
せることによって形成することができる。該液状組成物
は、各種の金属アルコキシドや金属ヒドロキシドをセラ
ミックス形成用原料として含有するものであり、この様
なセラミックス形成用原料の好ましい例として、 イ 式(R1)mM1(OR2)n (式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R2は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M1はCa又はBa、mは0又は1、nは1又は
2を示す)で表わされる化合物、 ロ 式(R3)kM2(OR4)l (式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R4は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M2はAl、Y又はLa、kは0又は1、lは2
又は3を示す)で表わされる化合物、 ハ 式(R5)iM3(OR6)j (式中、R5は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R6は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M3はTi、Zr、Mn、Sn、Si又はSr、iは0又
は1、jは3又は4を示す)で表わされる化合物、 等を挙げることができる。これらの化合物は1種又は2
種以上組み合わせて用いることができ、また2種以上が
縮合しているものを用いてもよい。
上記セラミックス形成用原料の具体例としては、 Ca(OCH32、Ca(OC252、 Ca(OC372、Ca(OC492、 Ba(OCH32、Ba(OC252、 Ba(OC372、Ba(OC492、 Al(OCH33、Al(OC253、 Al(OC373、Al(OC493、 CH3Al(OCH32、CH3Al(OC252、 CH3Al(OC372、CH3Al(OC492、 Ti(OCH34、Ti(OC254、 Ti(OC374、Ti(OC494、 CH3Ti(OCH33、CH3Ti(OC253、 CH3Ti(OC373、CH3Ti(OC493、 C25Ti(OCH33、C25Ti(OC253、 C25Ti(OC373、 C25Ti(OC493、 Si(OCH34、Si(OC254、 Si(OC374、Si(OC494、 CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、 CH3Si(OC373、CH3Si(OC493、 C25Si(OCH33、C25Si(OC253、 C25Si(OC373、 C25Si(OC493、Zr(OCH34、 Zr(OC254、Zr(OC374、 Zr(OC494、CH3Zr(OCH33、 CH3Zr(OC253、CH3Zr(OC373、 CH3Zr(OC493、C25Zr(OCH33、 C25Zr(OC253、 C25Zr(OC373、 C25Zr(OC493、Y(OCH33、 Y(OC253、Y(OC373、 Y(OC493、La(OCH33、 La(OC253、La(OC373、 La(OC493、Mn(OCH34、 Mn(OC254、Mn(OC374、 Mn(OC494、Sn(OCH34、 Sn(OC254、Sn(OC374、 Sn(OC494、Sr(OCH34、 Sr(OC254、Sr(OC374、 Sr(OC494、Ca(OH)2、Ba(OH)2、 Al(OH)3、CH3Al(OH)2、Ti(OH)4、 CH3Ti(OH)3、C25Ti(OH)3、 Si(OH)4、CH3Si(OH)3、 C25Si(OH)3、Zr(OH)4、 CH3Zr(OH)3、C25Zr(OH)3、 Y(OH)3、La(OH)3、Mn(OH)4、 Sn(OH)4、Sr(OH)4 等を挙げることができる。また、これらの縮合物は、上
記化合物の任意の組み合わせにより自由に作製でき、分
子量も適宜選択できる。縮合物の一例としては、 ZrOSi(OC256、AlOSi(OC255、 TiOSi(OC256、 (C37O)3ZrOSi(OC253、 (C49O)3ZrOSi(OC253、 (C37O)3TiOSi(OC253、 (C49O)3TiOSi(OC253、 (C37O)2AlOSi(OC253、 (C49O)2AlOSi(OC253、 等を示すことができる。
これらのセラミックス形成用原料は、通常、有機溶
剤、水、これらの混合溶媒等に溶解又は分散して用いら
れるが、セラミックス形成用原料自体で液状のものは、
そのまま用いることも可能である。有機溶剤は、公知の
ゾル−ゲル法の液状組成物において用いられるものをい
ずれも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ
アルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキ
ルエーテル等のアルキル基としてメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル等を有する炭化水素エーテルアルコール
類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセ
テート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート等の上記炭化水素エーテルアルコール類の酢
酸エステル類、エトキシエチルアセテート等のアルコー
ル類の酢酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトン等
を用いることができる。
液状組成物中のセラミックス形成用原料の濃度は、通
常10〜100重量%程度とすればよく、使用する原料の性
質に応じて適宜決定すればよい。
また、上記セラミックス形成用原料の液状組成物に
は、必要に応じてコロイド状物質及び/又は無機微粉末
を添加することができる。コロイド状物質及び/又は無
機微粉末の添加によって、ゾル−ゲル法により形成され
るセラミックス層がより緻密化される。
本発明で用いられるコロイド状物質とは、10〜10000
オングストローム程度の液状又は固体の粒子が分散媒中
に分散しているものをいい、各種の公知のものが使用で
きる。分散媒としては、通常、上記した低級アルコール
類、炭化水素エーテルアルコール類、これらの酢酸エス
テル類等の有機溶剤や水が単独又は混合して用いられて
おり、分散粒子の濃度は10〜60重量%程度のものが一般
的である。本発明では、このようなコロイド状物質をい
ずれも用いることができる。コロイド状物質の具体例と
しては、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロ
イド状酸化チタン、コロイド状酸化ジルコニウム、コロ
イド状硅酸ジルコニウム、コロイド状水酸化アルミニウ
ム、コロイド状水酸化ジルコニウム等を挙げることがで
きる。
無機微粉末は、粒子径5〜150mμ程度のものが適当で
あり、例えばアルミナ微粉末、酸化チタン微粉末、シリ
カ微粉末等を用いることができる。
コロイド状物質及び/又は無機微粉末は、セラミック
ス形成用原料の液状組成物中に70重量%程度まで添加す
ることができ、好ましくは、3〜40重量%程度添加すれ
ばよい。
上記セラミックス形成用原料の液状組成物には、更に
必要に応じて、顔料、被覆補強材等を添加してもよい。
顔料としては、通常の無機系、有機系の顔料を用いるこ
とができ、例えば、酸化マグネシウム、窒化硅素、窒化
硼素、窒化チタン、酸化ニッケル、石英、シリカ、硅酸
ジルコニウム、アルミナ、酸化チタン、チタンイエロ
ー、炭酸マグネシウム、ドロマイト、炭化硅素、炭化タ
ングステン、酸化鉄(赤、黒)、バリウムイエロー、ア
ンチモンイエロー、コバルトブルー、コバルトバイオレ
ット、コバルトグリーン、マンガンブラック、マンガン
ブルー、マンガンバイオレット、ストロンチウムクロメ
ート、タルク、クロムオキサイドハイドレートグリー
ン、クロムオキサイドグリーン、亜鉛グリーン、炭酸バ
リウム、チョーク、沈澱炭酸カルシウム、アルミニウム
ハイドレート、酸化亜鉛、ホタル石、モリブデン赤、モ
リブデンオレンジ、クロムイエロー、鉛クロメート、ウ
ルトラマリーン、朱、塩基性炭酸鉛、アゾ系顔料等を用
いることができる。顔料は、常法に従って顔料用充填
剤、増粘剤等とともに用いることができる。
被覆補強材は、無機質で繊維状のものをいい、この代
表例としてチタン酸カリウム、炭化硅素、窒化硅素、酸
化アルミニウム、ベリリア、炭化硼素、硅酸塩ガラス、
石英などがある。
顔料は、液状組成物中に70重量%程度まで添加するこ
とができ、また被覆補強材は、液状組成物中に70重量%
程度まで、好ましくは1〜65重量%程度添加することが
できる。
上記した液状組成物は、急速なゲル化を防止するため
にpH2.5〜6.0程度に調整することが好ましい。pH調整に
は、例えば、塩酸、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、マレ
イン酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸、グルタル酸、
ジメチルマロン酸、安息香酸等の無機酸又は有機酸を用
いることができる。
また、上記液状組成物には、更に、室温では該液状組
成物をゲル化させることがなく、加熱によって解離して
該液状組成物の重合を加速することのできる緩衝化潜触
媒として、カルボン酸金属塩、アミンカルボキシレー
ト、四級アンモニウムカルボキシレート、硝酸塩等を液
状組成物中に1.5重量%程度まで添加することができ
る。このような緩衝化潜触媒としては、ジメチルアミン
アセテート、エタノールアミンアセテート、ジメチルア
ニリンホルメート、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナト
リウム、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ベンジルトリ
メチルアンモニウムアセテート、硝酸ナトリウム、硝酸
アンモニウム等を例示できる。
また、セラミックス皮膜に柔軟性を付与したい場合、
厚塗りを可能にしたい場合等には、液状組成物中に、樹
脂変性シリコーンレジンに配合することができる。シリ
コーンレジンの配合によって、セラミックス皮膜の柔軟
性が向上し、また樹脂変性したものを用いることによっ
て、プラスチック素材との良好な密着性が保たれる。樹
脂変性の種類としては、例えばエポキシ変性、ポリエス
テル−アルキド変性、フェノール変性、アクリル変性な
どが挙げられる。樹脂変性シリコーンレジンとしては、
セラミックス形成用原料の液状組成物に可溶性のもので
あれば限定なく用いることがてき、配合量は、液状組成
物中に、70重量%程度以下、好ましくは5〜50重量%程
度とすればよい。
本発明では、上記したセラミックス形成用原料の液状
組成物を、有機樹脂層上に、スプレー法、ロールコート
法、ディップ法、カーテンフロー法、印刷法等によって
塗布し、重合ゲル化させることによってセラミックス層
を形成させる。液状組成物の重合、ゲル化は、常温でも
進行するが、加熱することによって、ゲル化時間が短縮
され、また、重合密度が上がって、セラミックス層がよ
り緻密化する。加熱温度は下層の樹脂層が変質しない範
囲であれば特に限定はなく、高温で加熱するほどセラミ
ックス層をより緻密化することができるが、樹脂層の耐
熱性等の点から、50〜200℃程度で10〜30分程度加熱す
ることが適当である。
尚、セラミックス層におけるピンホールの発生を完全
に防止するために、セラミックス形成用原料の液状組成
物の塗布、乾燥後、又は加熱硬化後に、更に、セラミッ
クス形成用原料の液状組成物を一層又は二層以上重ね塗
りし、硬化させて二層以上のゾル−ゲル法によるセラミ
ックス層を形成させることが好ましい。
また、セラミックス形成用原料の液状組成物中に、顔
料を添加して用いる場合には、形成されるセラミックス
層上に、更に、顔料を添加していないセラミックス形成
用原料の液状組成物によるセラミックス層を0.5〜40μ
m程度の厚さで設けることによって、セラミックス層の
表面層を緻密にして、より撥水性を向上させることがで
きる。
ゾル−ゲル法によるセラミックス層は、合計厚さ3〜
150μm程度とすればよい。
上記した方法によって形成されるセラミックス層は、
緻密な皮膜であり、しかも下地の有機樹脂層と極めて優
れた密着性を有し、平滑でピンホールのない良好な皮膜
となる。
発明の効果 本発明のセラミックスコーティング金属材料は、金属
材料、該金属材料上に形成された該金属材料との密着性
が良好であり、かつ伸縮性の優れた平滑でピンホールの
ない有機樹脂層、及び該有機樹脂層上に形成されたセラ
ミックス層からなる複合材料である。このような金属材
料では、上層のセラミックス層で紫外線を遮断できるの
で、紫外線による劣化がほとんど生じることがなく、室
外で用いる場合にも、長期間、変色も光沢の低下が発生
しない。また、該セラミックス層は、優れた撥水性を有
するので汚染され難く、しかも汚染された場合にも、水
洗だけで簡単に汚れを除去できる。また、表面硬度が高
く、傷付き難いので、美感及び防食性を長期間維持でき
る。
本発明金属材料では、プレス加工や曲げ加工を行なう
場合にも、下層の有機樹脂層が、基材である金属の変形
に追随し、基材からの有機樹脂層の剥離やクラックが生
じ難いので、防食性能の低下が非常に少ない。更に、セ
ラミックス層にクラックが生じた場合にも、有機樹脂層
とセラミックス層との密着性が良好であることから、セ
ラミックス層の剥離が生じることがなく、有機樹脂層の
紫外線による劣化防止や保護皮膜として、長期間有効に
作用する。
このように、本発明金属材料では、上層のセラミック
ス層により撥水性、耐汚染性、高硬度、装飾性等が付与
されるとともに、下層の有機樹脂層の紫外線による劣化
が防止され、また下層の有機樹脂層の存在により優れた
防食性が付与される。本発明のセラミックスコーティン
グ金属材料は、このような優れた特徴を有するものであ
り、例えば下記のような用途に用いることができる。
(1) 土木建築関係:波板、平板、床材、壁材、間仕
切、浴槽、洗面台、貯水槽、水泳プール、屋根材、トン
ネル壁材、橋梁、海洋建築物、高架道路、サッシ、手す
り、防音壁材、しゃ光板、パイプ、建設機械。
(2) 船舶関係:船舶用内外装材、天井及び床材、レ
ーダーカバー、マスト、扉類、海上コンテナー、水槽、
油槽。
(3) 自動車関係:自動車ボディ、ルーフパネル、キ
ャンピングトレーラー、ローリータンク、ラジーエータ
ーグリル、エアースポイラー、エンジンカバー、バンパ
ー、フロントグリル、ホイル。
(4) 自動車・バイク関係:ボデー、車輪、フレー
ム、ハンドル。
(5) 鉄道関係:車両ボデー、コンテナー、天井板、
窓枠、屋根外板、橋梁、架線用鉄柱及び付属品、しゃ音
壁。
(6) 航空機:レーダードーム、アンテナカバー、補
助翼、機体、方向舵、プロペラ、燃料タンク、窓枠、床
板、グライダー、通信機パネル、ロケット及びミサイル
機体。
(7) 鉱業化学工業:パイプ、貯蔵タンク、ダクト、
煙突、反応槽、乾燥器。
(8) 電気産業:信号機器、鉄柱、パラボラアンテ
ナ、テレビアンテナ、各種キャビネット、トランス、モ
ーター、トラフ、冷房器の室外機、コンプレーサー、螢
光灯反射板、室外照明機器。
(9) その他:アルミ箔、ステンレス箔、鉄箔、銅
箔、アルミコイル、ステンレスコイル、鉄コイル、銅コ
イル、アルミ線、ステンレス線、鉄線、銅線、上下水道
管等。
実施例 以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明す
る。
実施例1 自動車車体用鋼板の表面をリン酸亜鉛により化成処理
した後、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料(パワートッ
プU500、日本ペイント(株)製)を電着塗装法で塗布
し、180℃で20分間加熱硬化させて、20μmの塗膜を形
成した。
一方、粒径20mμの微粉末アルミナ13gに、イソプロピ
ルアルコール15g、及び水15gを加え、更にトリメトキシ
シラン40gを加えた後、酸化チタン30g、硅酸ジルコニウ
ム30g、チタン酸カリ繊維5g、酢酸0.5gを添加混合し
て、セラミックス形成用原料の液状組成物を調製し、こ
の組成物を静電スプレー法により、上記電着塗膜上に塗
布して、150℃で10分間加熱した。次いで、上記液状組
成物を再度塗布し、150℃で20分加熱して、合計50μm
の白色セラミックス層を形成した。次いで、酸性コロイ
ダルシリカ水溶液35gとイソプロピルアルコール40gを混
合し、これにメチルトリメトキシシラン25gを添加し
て、セラミックス形成用原料の液状組成物を調製し、こ
れを、上記白色セラミックス層上に、スプレー法で塗布
し、150℃で20分間加熱して、5μmの透明セラミック
ス層を形成した。
得られた自動車車体用白色セラミックスコーティング
鋼板について、下記の方法で性能試験を行なった。結果
を第1表に示す。
耐候性:QUV試験5000時間 耐候性:デューサイクル試験5000時間 耐塩水噴霧性:JIS−Z−2371塩水噴霧試験3000時
間 耐水性:25℃、水道水浸漬240時間 耐ガソリン性:25℃、ガソリン浸漬240時間 密着性:JIS−K−5400塗膜の密着性試験 硬度:鉛筆硬度 耐汚染性:泥汚れに対する水洗除去試験 耐汚染性:マジックインキに対するシンナー洗い
除去試験 耐薬品性:5%H2SO4常温浸漬24時間 耐薬品性:5%HCl常温浸漬24時間 耐薬品性:1%NaOH常温浸漬24時間 耐熱性:200℃にて30分間加熱冷却後密着性試験 耐衝撃性:デュポン衝撃試験 耐熱衝撃性:150℃、−50℃各10分冷熱サイクル100
回 耐傷付性:100円硬貨による傷付き試験 傷付耐食性:耐傷付試験後、耐塩水噴霧試験 耐ウォッシャー液性:ウォッシャー液常温浸漬240
時間 耐湿潤性:JIS−K−2246湿潤試験3000時間 以上の結果から本発明のセラミックスコーティングを
行なった自動車の鋼板は、長期間全く変色せず、従来の
自動車のような塗装の塗り替えを必要としないことが判
る。また下地に樹脂層を有しているために鋼板への密着
性及び防食性に優れ又曲げに対しても追随性を有するも
のである。また、表面硬度が高く、傷付きにくく、ワッ
クス、シリコーン等の表面処理を必要とせず、更に撥水
性であり汚染し難い特徴を有しているために、美感不良
や腐食が生じ難いものである。
実施例2 ビル外装材の冷間圧延鋼板の表面をリン酸亜鉛で化成
処理した後、その表面に、エポキシ樹脂(商標:エピコ
ート1001×75、油化シェル(株)製)65g、エポキシ樹
脂用硬化剤(商標:トーマイド215-70−X、富士化成工
業(株)製、ポリアミノアミド)35g及び溶剤としてト
リオール50gを混合して得られた組成物をロールコート
し、150℃で10分間加熱乾燥して20μmのエポキシ樹脂
層を形成した。一方、粒径20mμの微粉末アルミナ13g、
イソプロピルアルコール15g、水15g、メチルトリメトキ
シシラン30gからなる混合組成物に、顔料として酸化チ
タン白10g、コバルトグリーン6g、チタンイエロー2g、
硅酸ジルコニウム15g、及びシリカ15g、被覆補強剤とし
てチタン酸カリウム繊維9g、並びに塩酸0.1gを添加し混
合したセラミックス形成用原料の液状組成物を調製し、
これを上記エポキシ樹脂層にロールコートし、150℃で1
0分間加熱した。次いで再度上記液状組成物を塗布し、1
50℃で20分間加熱することによって、合計30μmのライ
トグリーンのセラミックス層を形成した。
次いで酸性コロイド状シリカ水溶液35gとイソプロピ
ルアルコール40gを混合し、これにメチルトリメトキシ
シラン25gを添加し混合して、セラミックス層形成用塗
料組成物を調製し、これを上記ライトグリーンのゾル−
ゲル法によるセラミックス層上にスプレー法で塗布し15
0℃で20分間加熱して、5μmのゾル−ゲル法による透
明セラミックス層を形成した。得られたセラミックスコ
ーティング鋼板について、性能試験を実施例1と同様の
方法によって行なった。結果を第2表に示す。
尚、耐水性試験は、25℃水道水浸漬を365日間行な
い、耐熱衝撃性試験については、150℃、−40℃各10
分冷熱サイクルを100回行なった。
以上の結果から判るように、本発明のセラミックスコ
ーティング金属材料は、変質が生じ難く、優れた耐久性
を有するものであり、また、下層のエポキシ層の存在に
より、変形が生じた場合にも、優れた防食性を維持でき
るものである。また、セラミックス層の存在により、エ
ポキシ樹脂層の紫外線による劣化を防止することができ
るので、優れた耐候性を有するものとなる。
実施例3 Zr(OC494とCH3Si(OCH33の部分縮合物(C4
9O)3Zr-OSiCH3(OCH3235gにイソプロピルアルコー
ル12g、ブチルセルソルブ3g、酸化チタン35g、コバルト
ブルー5g、チタン酸カリウム繊維9.5g、及び酢酸0.5gを
添加混合して液状組成物を調製した。
一方、コロイド状アルミナのメタノールゾル溶液(濃
度30重量%)40g、イソプロピルアルコール43g、水2g、
及びメチルトリメトキシシラン25gを混合し60℃で1時
間撹拌して、液状組成物を調製し、液状組成物と液
状組成物を1:1(重量比)で混合して、セラミックス
形成用原料の液状組成物を得た。この液状組成物を、厚
さ20μmのアルミ箔と厚さ30μmのポリウレタンフィル
ムとをヒートシールして得たラミネート材のポリウレタ
ン表面に、グラビアコート法で塗布し、120℃で10分間
加熱して、5μmのライトブルーのセラミックス層を設
けた。
得られたアルミ箔をサイジングボードにウレタン系接
着剤で貼り、エンボス加工を行なうことにより、表面に
模様を有する壁材を作製した。得られた壁材について、
性能試験を行なった結果を下記第3表に示す。試験方法
は、下記の通りであり、その他の試験項目については、
実施例1と同様である。
耐候性:デューサイクル試験3000時間 耐塩水噴霧性:JIS−Z−2371塩水噴霧試験1000時
間 耐汚染性:油汚れ除去試験 傷付耐食性:耐傷付試験後耐塩水噴霧試験1000時
間 耐湿潤性:JIS−K−2246湿潤試験1000時間 以上の結果から判るように、本発明のセラミックスコ
ーティング金属材料は、エンボス加工を行なった場合に
も、優れた耐食性を維持することができる。また汚染さ
れ難く、たとえ汚染された場合にも、汚れの除去が簡単
である。更に、表面硬度が高く、非常に傷付き難く、紫
外線等にも強いという特徴も有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−251430(JP,A) 特開 平2−209232(JP,A) 特開 平2−86439(JP,A) 特開 平2−60739(JP,A) 特開 平2−4985(JP,A) 特開 昭49−99309(JP,A) 特公 昭43−8161(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機樹脂層からなる下層、及びゾル−ゲル
    法により形成されたセラミックス層からなる上層により
    構成される複合コーティング層を、金属材料上に設けて
    なるセラミックスコーティング金属材料。
  2. 【請求項2】有機樹脂層を有する金属材料の有機樹脂層
    上に、セラミックス形成用原料の液状組成物を塗布し、
    重合ゲル化させてセラミックス層を形成することを特徴
    とするセラミックスコーティング金属材料の製造法。
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