JP2763136B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング核形成方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング核形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の
エッチング核形成方法、特に中高圧用コンデンサに用い
られるトンネル状のエッチング孔を形成するのに好適な
エッチング核形成方法に関する。
従来の技術 電解コンデンサ用のアルミニウム電極箔は、その実効
表面積を拡大して単位面積当りの静電容量を増大するた
め、一般に電気的あるいは化学的エッチング処理が施さ
れる。かかるエッチング処理において、エッチング孔を
より多く、深く、太くするために、エッチング処理前に
エッチング孔の発生部位となるエッチング核を予め形成
しておき、該エッチング核の部分でアルミニウム箔を集
中的に侵食せしめることにより拡面率の可及的増大を図
る試みが従来よりなされている 従来のこのようなエッチング核形成方法としては、多
数の微細孔を有する耐性皮膜をアルミニウム箔の表面に
被覆することにより前記微細孔をエッチング核とする方
法とか(例えば特開昭61−51817号公報)、アルミニウ
ム箔表面の酸化皮膜に人為的に部分的な疵をつけること
によりエッチング核を形成する方法(例えば特公昭62−
19044号公報)が知られている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の方法では、微細孔の形成作
業や耐性皮膜の被覆作業、あるいは酸化皮膜表面に疵を
つける作業等が煩雑で手間がかかり、効率が良くなかっ
た。しかも、形成するエッチング核の密度に限界があ
り、従ってその後のエッチング処理によって生ずるエッ
チング孔の密度ひいては静電容量の増大化にも限界があ
った。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたもの
であって、高密度のエッチング核の形成を可能としてエ
ッチング孔を高密度に生成せしめ、ひいては拡面率に優
れ静電容量を増大したアルミニウム箔を得ることができ
る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング核
形成方法を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、発明者は鋭意研究の結
果、アルミニウム箔を過塩素酸(HClO4)を含む非水電
解浴中で陽極電解処理した場合、アルミニウム箔表面の
酸化皮膜が部分的かつ高密度に溶解されて多数の均一な
ピットが形成され、このピットがエッチング核となって
エッチング処理時にエッチング孔を成長させることを見
出し、かかる知見に基いてこの発明を完成しえたもので
ある。
即ち、この発明に係るエッチング核形成方法は、少な
くとも一方の表面に酸化皮膜が形成されたアルミニウム
箔に、過塩素酸を含む非水電解浴中で陽極電解処理を行
うことを特徴とするものである。
アルミニウム箔は純度99.9%以上の高純度のものが好
ましいが、これに限定されることはなく、電解コンデン
サに使用される範囲のものであれば良い。
アルミニウム箔表面の酸化皮膜は、一般的には焼鈍工
程などにおいて自然的に形成されたものである。この酸
化皮膜はアルミニウム箔の両面に形成されているのが通
常であるが、アルミニウム箔の少なくとも一方の表面に
形成されていれば良い。
アルミニウム箔に施す電解浴中での陽極電解処理は、
電解浴中に浸漬したアルミニウム箔を陽極として電解処
理を行う方法である。電解浴は過塩素酸を含む無水溶液
からなるものでなければならない。かかる電解浴を用い
て陽極電解処理を行うことにより、アルミニウム箔表面
の酸化皮膜が部分的かつ高密度に溶解されて多数の均一
なピットが形成される。ここに、電解浴に過塩素酸を含
ませるのは、過塩素酸中のCl-の存在によって酸化皮膜
の溶解が可能となるからである。過塩素酸の濃度即ちCl
-の濃度は0.2〜2.0Nに設定するのが望ましい。0.2N未満
では酸化皮膜の溶解が不十分で多数のピットを形成でき
ない虞れがあり、逆に2.0Nを超えるとピットどうしが連
通して酸化皮膜表面の全面的な溶解を生じる虞れがあ
る。特に0.5〜1.5Nが好適である。また、電解浴を無水
とするのは、過塩素酸に対する溶媒として水を使用する
と酸化皮膜の全面的な溶解につながるからである。溶媒
は無水であれば特に限定されないが、安価なメチルアル
コール、エチルアルコール等のアルコール類や無水酢酸
を使用するのが簡便性の点から望ましい。また、電解浴
中に0.1〜1.0N程度の少量の塩酸を加えるのが、ピット
の数をより多くできることから推奨される。陽極電解処
理は浴温:2〜30℃、電流密度:1〜50mA/cm2、時間:3分以
内の条件で行うのが望ましい。浴温が2℃未満あるいは
電流密度が1mA/cm2未満では酸化皮膜表面の部分的溶解
が進行せずピットの数が少ないものとなる虞れがある。
逆に浴温が30℃を超えあるいは電流密度が50mA/cm2を超
えあるいは処理時間が3分を超えると、溶解が進行しす
ぎてピットどうしが連通し結果的に多数のピットを高密
度に得ることができない虞れがある。特に好ましくは浴
温:5〜10℃、電流密度:5〜40mA/cm2、処理時間:5〜60秒
に設定するのが良い。
上記の陽極処理によりアルミニウム箔の酸化皮膜表面
に多数のピットが高密度に形成された状態となる。その
後アルミニウム箔に通常の電気的あるいは化学的エッチ
ング処理を実施する。このエッチング処理において、酸
化皮膜に生じたピット部分が集中的に侵食され、アルミ
ニウム箔に深くて太いトンネル状のエッチング孔が高密
度に形成される。而して、上記エッチング処理時に、ピ
ット部分以外の酸化皮膜の溶解を防止してエッチング孔
を確実にピット部分へ成長させるため、陰極処理後エッ
チング前にピット部分を除く酸化皮膜の表面にエッチン
グ液に対して侵食されない耐性皮膜を被覆形成すること
も推奨される。このような皮膜の形成は、例えばクロメ
ート処理液等に浸漬することにより、容易に行うことが
できる。クロメート処理液は例えば6価のクロムイオン
と無機酸(主として硫酸)を主成分とする処理液で、該
処理液に陽極電解処理済みのアルミニウム箔を浸漬する
ことによりピットを除く酸化皮膜表面にクロム酸塩皮膜
からなる耐性皮膜が形成される。なお、耐性皮膜の他の
形成法として、アルマイト処理や加熱酸化処理を用いて
も良い。
発明の効果 この発明は上述の次第で、エッチング核の形成を陽極
電解処理という電気化学的処理によって行うものである
から、従来のようにエッチング核となる微細孔を形成し
た耐性皮膜をアルミニウム箔の表面に被覆したり、酸化
皮膜表面に人為的に疵をつける方法に較べて、作業や処
理を容易となしえ効率を向上できる。しかも、この陽極
電解処理において酸化皮膜表面が部分的に溶解されるこ
とにより形成されるエッチング核としての多数のピット
は、従来方法により形成されるエッチング核に較べてこ
れを均一高密度に分布させることができる。従って、か
かるアルミニウム箔に拡面率向上のためのエッチングを
実施すると、前記ピット部分において集中してエッチン
グが進行し、アルミニウム箔に深くて太いエッチング孔
を高密度に形成でき、拡面率が高くひいては静電容量を
増大した電解コンデンサ電極用アルミニウム箔となしう
る。
また、過塩素酸濃度が0.2〜2.0Nである電解浴を用い
た場合には、高密度のピットを確実に形成できる。
また、溶媒としてアルコールや無水酢酸を用いた場合
には、電解浴の調製を簡易に行うことができる。
また、電解浴に0.1〜1.0Nの塩酸が含まれている場合
には、一層高密度のピットを形成しえて静電容量を増大
できる。
また、陽極電解処理を浴温:2〜30℃、電流密度:1〜50
mA/cm2、時間:3分以内の条件で行うことにより、高密度
のピットを確実にかつ安定して形成することができ、優
れた静電容量を有するアルミニウム箔の安定供給が可能
となる。
また、陽極電解処理後、ピットを除く酸化皮膜表面に
耐性皮膜を形成した場合には、ピット部分以外の酸化皮
膜の溶解を防止しつつピット部分において集中してエッ
チングを行わせることができ、より大きな静電容量を実
現できる。
実施例 表面に酸化皮膜が形成された純度99.99%、厚さ100μ
mの軟質アルミニウム箔を用意し、電解浴中で該箔を陽
極として定電流電解処理を行った。処理は、電解浴の種
類、電流密度、時間を後掲の第1表のように各種に変え
て行った。浴温はいずれも10℃とした。
次に上記電解処理を経たアルミニウム箔を、5%HCl
と10%H2SO4の混合浴中(液温80℃)で、電流密度100mA
/cm2、処理時間7分の条件にて直流陽極エッチングを行
った。その後、硼酸水溶液中で380Vに化成し、各試料に
ついて静電容量を測定した。その結果を第1表に併せて
示す。なお、静電容量は、エッチング核形成のための陽
極電解処理を行うことなく陽極エッチングのみを行った
比較例の静電容量を100としたときの相対比較にて示し
た。
上記の結果から、本発明実施品は比較品に較べて静電
容量が大きいことがわかる。従って、本発明によれば表
面の酸化皮膜に多数のピットつまりエッチング核を形成
することができ、その後のエッチングにより高密度のエ
ッチング孔を形成できることを当然に予想しうるもので
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒山 永三 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−76100(JP,A) 特開 昭61−288411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/04 304

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の表面に酸化皮膜が形成さ
    れたアルミニウム箔に、過塩素酸を含む非水電解浴中で
    陽極電解処理を行うことを特徴とする電解コンデンサ電
    極用アルミニウム箔のエッチング核形成方法。
  2. 【請求項2】電解浴の過塩素酸濃度が0.2〜2.0Nである
    請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
    のエッチング核形成方法。
  3. 【請求項3】電解浴は、アルコールまたは無水酢酸を溶
    媒としてこれに過塩素酸が含まれたものである請求項1
    または2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
    のエッチング核形成方法。
  4. 【請求項4】電解浴に0.1〜1.0Nの塩酸が含まれている
    請求項1ないし3のいずれか1に記載の電解コンデンサ
    電極用アルミニウム箔のエッチング核形成方法。
  5. 【請求項5】陽極電解処理を浴温:2〜30℃、電流密度:1
    〜50mA/cm2、時間:3分以内の条件で行う請求項1ないし
    4のいずれか1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニ
    ウム箔のエッチング核形成方法。
  6. 【請求項6】陽極電解処理したのち、該処理によって形
    成されたピットを除く酸化皮膜表面に耐性皮膜を被覆形
    成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
    に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチ
    ング核形成方法。
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CN102543478B (zh) * 2012-01-13 2013-11-06 西安交通大学 一种提高低压阳极铝箔比容的方法

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