JP2761866B2 - プリント回路体及びその製造方法 - Google Patents

プリント回路体及びその製造方法

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JP2761866B2 JP8075280A JP7528096A JP2761866B2 JP 2761866 B2 JP2761866 B2 JP 2761866B2 JP 8075280 A JP8075280 A JP 8075280A JP 7528096 A JP7528096 A JP 7528096A JP 2761866 B2 JP2761866 B2 JP 2761866B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路、導体パ
ッケージ(ICパッケージ)、あるいは導体コネクタ等
に用いられるプリント回路体及びその製造方法に関し、
さらに詳しくはレーザ切断により寸法精度の良い外形輪
郭を備えたプリント回路体を製造する技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に知られるプリント回路体
は、絶縁基板上に導体回路パターンを形成し、その上に
カバーレイフィルムを被着してなるものである。これの
製法としては、いわゆる、(1)ウェットエッチング
法、(2)回路パターン打抜き法、(3)電解メッキ法
が代表的なものとして挙げられる。
【0003】ウェットエッチング法は、ポリイミド樹脂
などの絶縁フィルム上に金属(Cu)箔がラミネートさ
れたものを用い、これの金属箔側にフォトレジスト膜を
形成し、フォトリソグラフィーにより導体回路パターン
形成用のレジストパターンを形成する。そして塩化第二
鉄あるいは塩化第二銅などの水溶液をスプレーして前記
金属箔をエッチングし、前記絶縁フィルム上に導体回路
パターンが形成されるものである。この導体回路パター
ンが形成された後は端子部裏当て用の硬質板及びカバー
レイフィルム等を接着し、外形を金型により打ち抜くこ
とによりコネクタ用のプリント回路体などが製造され
る。
【0004】回路パターン打抜き法は、金属(Cu)箔
(あるいは金属ラミネート箔)を金型プレスにより配線
パターン形状に打ち抜くことにより絶縁フィルム上に形
成される導体回路パターンをまず初めに形成し、これを
ポリイミド樹脂などの絶縁フィルム上に接着する。そし
てこの金型プレスによる配線パターンの打抜き形成及び
絶縁フィルムの接着後は端子部裏当て用の硬質板及びカ
バーレイフィルム等を接着し、外形を金型により打ち抜
くことによりプリント回路体が製造される。
【0005】電解メッキ法は、アルミなどの導電性を有
する金属薄板(箔)の表面に導体回路パターン形成用の
レジストパターンをウェットエッチング法の場合と同様
にフォトリソグラフィー等の方法により形成する。そし
てこのレジストパターンの導体回路パターン形成領域の
レジストを現像除去した後、ピロリン酸銅などの電解メ
ッキ浴に浸漬し、前記導電性金属箔を陰極とする電解メ
ツキにより該金属箔上に導体回路パターンを電析により
形成する。
【0006】次にこの金属箔上の導体回路パターン面に
ポリイミド樹脂などの絶縁フィルム、及び端子部裏当て
用の硬質板を貼り合わせ、金属箔は剥離する。そしてそ
の金属箔の剥離面にカバーレイフィルムを被着し、最後
に金型により外形を切断することによりプリント回路体
が製造される。特開平3−270055号公報、特開昭
63−164295号公報、特開昭63−18693号
公報などはこの電解メッキ技術を開示するものである。
【0007】ところでこのような各種の製造方法におい
てはいずれの場合も、最終的にはプレス金型により外形
を打ち抜いてプリント回路体を製造することが一般的に
行われており、あるいは別な方法としてレーザ切断によ
り外形を切断することも考えられなくはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プレス金型による外形打ち抜きに依る場合は、金型の位
置合わせが難しいために外形寸法精度に限界がある。そ
のために高精度が要求される部品やコネクタ用のフレキ
シブルプリント回路体の小型化や配線パターンの微細化
には適応できなかった。
【0009】たとえば寸法精度の問題から、コネクタ用
のフレキシブルプリント回路体などでは、コネクタハウ
ジングに装着される際に、フレキシブルプリント回路体
のコネクタ部の外形幅を位置合わせの基準として用いる
ので、電極パターンと外形との幅方向の寸法精度に誤差
が生じていると隣接電極との短絡等が生じるといった不
具合があった。
【0010】一方レーザビームによる切断の場合も、寸
法精度は多少向上するがレーザビームの照射条件がロッ
ト間で微妙に変動するためやはり高精度化に限界があっ
た。本発明の解決しようとする課題は、レーザビームに
よる外形切断を行うもその外形寸法精度に優れたプリン
ト回路体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明のプリント回路体は、絶縁基板上にフォトリソ
グラフィーにより導体回路パターン溝及び外形輪郭規定
パターン溝が形成されたフォトレジスト層を有すると共
に、該フォトレジスト層の前記導体回路パターン溝及び
外形輪郭規定パターン溝内には電気メッキにより導体回
路パターン及び外形輪郭規定ガイドがフォトレジスト層
の厚みを越えない範囲でそれぞれ形成され、前記絶縁基
板側からのレーザ切断により前記外形輪郭規定ガイドの
端縁に沿ってレーザ切断されてなることを要旨とするも
のである。
【0012】そしてこのプリント回路体がとくにコネク
タ用のフレキシブル回路体である場合には、そのフレキ
シブル部ではそれ程切断寸法の精度が要求されないが、
前後端のコネクタ部ではその幅寸法の精度が要求される
ためその前後端のコネクタ部に貼着される絶縁性の硬質
板の切断に本発明が適用されるのが好ましい。ここに
「絶縁基板」としては、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹
脂系、フェノール樹脂系などの絶縁性樹脂系材料が一般
的に用いられる。
【0013】本発明に係るプリント回路体の製造方法
は、導電性を有する被除去材の表面にフォトレジスト層
を形成する工程と、該フォトレジスト層にフォトリソグ
ラフィーにより導体回路用パターン溝及び外形輪郭規定
パターン溝を形成する工程と、前記被除去材を一方の電
極として電気メッキにより前記導体回路用パターン溝に
導体回路パターンを形成すると同時に前記外形輪郭規定
パターン溝に外形輪郭規定ガイドを形成する工程と、前
記被除去材表面に形成された導体回路パターン及び外形
輪郭規定ガイド側の面に絶縁基板を貼着する工程と、前
記被除去材を前記フォトレジスト層より除去する工程
と、前記絶縁基板側よりレーザ照射し前記外形輪郭規定
ガイドの外端縁に沿ってレーザ切断する工程とからなる
ことを要旨とするものである。
【0014】この場合に前記レーザ切断工程においては
エキシマレーザが用いられるのが好ましい。このエキシ
マレーザを用いることによって絶縁基板はレーザ切断さ
れるが、外形輪郭規定ガイドはそのまま残る。したがっ
てプリント回路体の外形寸法は外形輪郭規定ガイドの外
端縁によって規定され、寸法精度の良いプリント回路体
が得られる。
【0015】尚、被除去材表面に形成された導体回路パ
ターン及び切断面ガイドパターン面に絶縁基板を貼着す
るには、接着剤を用いて熱圧着する方法が良く用いられ
る。接着剤としては、耐熱性のものが好ましい。エポキ
シ系、フェノール系、あるいはポリエステル−イソシア
ネート系のものが好適である。尚、前記被除去材をフォ
トレジスト層より除去するに際しては、機械的に引き剥
すことの他に、酸やアルカリにて溶解除去してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施の形態に係るプリント回路体が適用されるコネクタ
用フレキシブルプリント回路体の外観を示している。図
示のようにこのプリント回路体10は、フレキシブル部
とその前後端のコネクタ部とからなり、フレキシブル部
は25μm厚の可撓性(フレキシブル性)を有するポリ
イミド樹脂材料による絶縁フィルム12の上にエポキシ
系接着剤層14を介して約70〜80μm厚の厚膜レジ
スト層16が設けられ、該厚膜レジスト層16には銅
(Cu)電析物による導体回路パターン18が形成さ
れ、また幅方向の両側端には同じく銅(Cu)電析物に
よるレーザ切断用の外形輪郭規定ガイド20R、20L
が前後端方向の全長にわたって形成されている。
【0017】そしてこのプリント回路体10の前後端の
コネクタ部(この図1では前端側のコネクタ部のみが図
示されている)では、同じくポリイミド樹脂材料のもの
であるが、0.2mm厚(200μm厚)の硬質の絶縁
性硬質基板22がやはりエポキシ系接着剤層24を介し
て厚膜レジスト層16の導体回路パターン18及び外形
輪郭規定ガイド20R、20Lの下面に貼着されてい
る。そして導体回路パターン18及び外形輪郭規定ガイ
ド20R、20Lの上面にはやはりエポキシ系接着剤層
26を介して25μm厚さのポリイミド樹脂フィルム製
のカバーレイフィルム28が被覆されている。
【0018】図2乃至図4は、このプリント回路体10
の製造工程を示している。この製造工程は、大きく分け
て厚膜レジスト塗布工程、導体回路用パターン溝及び外
形輪郭規定ガイド用パターン溝の形成工程、電気メッキ
工程、絶縁フィルム及び硬質絶縁基板の接着工程、被除
去材除去工程、カバーイレ貼着工程、無電解はんだ付け
工程、ヒュージング工程、レーザ切断工程、及び金型プ
レス打ち抜き工程からなっている。
【0019】初めに厚膜レジスト塗布工程について説明
すると、この工程では被除去材としての厚さ0.08m
m(80μm)の金属(アルミ)箔30の表面に紫外線
硬化型の樹脂レジストを厚膜に塗布することにより行わ
れる。この厚膜レジスト層32の材料は、この実施例で
はシプレイ・ファーイースト社製ネガ型フォトレジスト
「EAGL NT−90」を用いている。その塗布方法
としては、フォトレジストの粘度を80〜90mPa・
sに調節し、ディップコーターにて引き上げ速度15m
m/sで塗布した後、自然乾燥を30分行い、さらに強
制乾燥を130℃×30分行う。そしてこの塗布・乾燥
を3回繰り返すことによりアルミ箔26の表面に厚膜レ
ジスト層32が約70〜80μmの厚さで形成されるも
のである。
【0020】次に導体回路用パターン溝及び外形輪郭規
定ガイド用パターン溝の形成工程について説明すると、
上述のアルミ箔30上に形成された厚膜レジスト層32
に露光・現像により回路パターン溝34を形成するもの
であるが、このときに同時にコネクタ部の外形幅を規定
する外形幅規定ガイドを形成するための外形幅規定ガイ
ド用パターン溝36R、36Lを幅方向の左右両サイド
部に形成する。
【0021】この回路パターン溝34、及び外形幅規定
ガイド用パターン溝36R、36Lを形成するに際して
は、フォトマスク(図示せず)をレジスト塗布面に密着
し、オーク社製紫外線露光機「HMW532」にて紫外
線を露光量1500mJ/cm2 まで照射して露光部分
を硬化させる。次いでスプレー式現像機にてシプレイ・
ファーイースト社製NT−90用専用現像液を35℃で
270秒間吹き付けて未露光部分を除去する。配線パタ
ーン形状は導体幅0.08mm、ランド形状部の形状は
0.12mm×長さ0.4mm、外形幅規定ガイド用パ
ターン溝36R、36Lの溝幅は0.80mmとしてい
る。
【0022】次ぎに電気メッキ工程について説明する
と、このようにしてアルミ箔30上の厚膜レジスト層3
2に回路パターン溝34、34……及び外形幅規定ガイ
ド用パターン溝36R、36Lを形成した後、これらの
回路パターン溝34、34……内及び左右の外形幅規定
ガイド用パターン溝36R、36L内に銅電析により前
述の導体回路パターン18及びレーザ切断用の外形幅規
定ガイド20R、20Lを形成する。
【0023】この導体回路パターン18及び左右の外形
幅規定ガイド20R、20Lの形成に電気銅メッキ法を
採用するものであるが、この電気銅メッキ法は、先ずピ
ロ燐酸銅メッキ浴を用いて1次メッキを5μmの厚みに
なるまで析出させた後、硫酸銅メッキ浴を用いて2次メ
ッキを厚み55μmで行っている。したがってアルミ箔
30上に電析される導体回路パターンの高さは60μm
となり、同時に外形幅規定ガイド20R、20Lの厚み
も60μmになっており、レジスト層の厚みを越えてい
ない。
【0024】次ぎに絶縁フィルム及び絶縁性の硬質基板
の接着工程について説明すると、このようにしてアルミ
箔30上の導体回路パターン溝34、34……及び外形
幅規定ガイド用パターン溝36R、36L内に導体回路
パターン18及び外形幅規定ガイド20R、20Lが形
成されたものを、アルミ箔30上に析出したメッキ配線
パターンの前後端両端末より5mmの長さ分を除いた中
央フレキシブル領域部では25μm厚のポリイミド樹脂
による絶縁フィルム12上にエポキシ系樹脂接着剤によ
り接着している。この絶縁フィルム12の接着は、35
μm厚さ量のエポキシ系接着剤を介して1.3MPaの
圧力で160℃×5分間熱圧着することにより行ってい
る。
【0025】またアルミ箔30上に析出したメッキ配線
パターンの前後端のコネクタ領域部では0.2mm厚
(200μm厚)の同じくポリイミド樹脂材料による硬
質の絶縁性硬質基板22をやはり同様にエポキシ系樹脂
接着剤により接着している。この絶縁性硬質基板22の
接着も35μm厚さ量のエポキシ系接着剤を用いて1.
3MPaの圧力で160℃×5分間圧着することにより
行っている。
【0026】そして次に被除去材除去工程としてアルミ
箔30を前述の厚膜レジスト層16(32)から引き剥
すことにより絶縁フィルム12及び硬質基板22上に厚
膜レジスト層16と該厚膜レジスト層の導体回路パター
ン溝34、34……内及び外形幅規定ガイド用パターン
溝36R、36L内にそれぞれ電気銅メッキによる導体
回路パターン18及び左右の外形幅規定ガイド20R、
20Lが形成されたものが得られる。
【0027】さらに該厚膜レジスト層16(32)に形
成される導体回路パターン18、及び左右の外形幅規定
ガイド20R、20Lを覆うようにその上にカバーレイ
フィルム28が被着される。このカバーレイフィルム2
8の被着は、メッキ配線パターンの前後端両端末より2
mmの長さ分を除いた中央フレキシブル領域の部分に厚
さ25μmの熱硬化性ポリイミドフィルムを厚さ35μ
mのエポキシ系接着剤を介して1.3MPaの圧力で1
60℃×20分間の熱圧着を行うことによりなされる。
【0028】その後無電解はんだメッキ、ヒュージング
が行われるが、この実施例では、無電解はんだメッキ
は、シプレイ・ファーイースト社製無電解はんだメッキ
浴「ソルダーポジット」を用いてメーカー推奨条件に従
ってはんだメッキを行っている。またヒュージングは、
同じくシプレイ・ファーイースト社製無電解はんだメッ
キ浴「ソルダーポジット」のメーカー推奨条件に従って
析出したはんだメッキのヒュージングを行っている。こ
れらの工程については、レーザ切断、プレス打抜き工程
の後に行われても良い。また本発明の説明においてそれ
程重要ではないのでこの程度の説明にとどめる。
【0029】そして次に本発明の構成上重要なレーザ切
断工程について説明すると、このレーザ切断は、三菱電
機製エキシマワークシステムMEX−24−Mを用いて
エキシマレーザのビーム径0.4mmφ、周波数200
Hz、フルエンス1.0mJ/cm2 、ショット数30
00ショット/0.1mmを条件としてそのレーザビー
ムを硬質基板22側より照射し、外形幅規定ガイドに沿
って切断している。
【0030】図5は、そのレーザ切断の状況を拡大して
示している。エキシマレーザのビーム径が0 4mmφ
としてこのレーザビームの照射によって硬質基板22は
樹脂材料によるものであるからビームの照射領域が溶断
されるが、左右の外形幅規定ガイド20R、20Lは導
体回路パターン18と同一材料の銅電析物により構成さ
れているためレーザビームによって溶断されることな
く、結果的にその外形幅規定ガイドの外端縁ラインに沿
った切断状態が得られる。これは、エキシマレーザの特
性として、通常のYAGレーザや炭酸ガスレーザのよう
に熱溶断に依り材料を切断するものではなく、材料の組
成の分子結合を高周波振動により断ち切ることにより材
料の切断を行うものであることに因る。
【0031】最後に打ち抜き工程は、高い寸法精度の切
断を要求されない部位についてレーザ切断の代わりに通
常の金型プレスによる打ち抜きが行われるものであり、
この実施例では製品の長さ方向、及び中央のフレキシブ
ル部の幅方向については金型プレスにより打ち抜いてい
る。以上の方法で作製されたプリント回路体の寸法精度
評価試験を行ったのでその結果を次に説明する。比較例
として次の3種類のサンプルを作成した。
【0032】(比較例1)実施例と同じ配線パターンを
有するフォトマスクを使用し、実施例と同様に各工程を
経た製品を画像処理によってレーザ照射位置を認識させ
てポリイミドシート部分の幅方向の外形切断を行った
後、金型により製品の長さ方向、及び中央フレキシブル
部の幅方向を打ち抜いた。
【0033】(比較例2)実施例と同じ配線パターンを
有するフォトマスクを使用し、実施例と同様各工程を経
た製品を高精度パンチングマシンで画像処理によって打
ち抜き部分を認識させポリイミドシート部分の幅方向の
外形を打ち抜いた後、金型により製品の長さ方向、及び
中央フレキシブル部の幅方向を打ち抜いた。
【0034】(比較例3)厚さ35μmの銅箔を厚さ3
4μmのエポキシ系接着剤を介して厚さ25μmの熱硬
化性ポリイミドフィルムにラミネートされた銅貼りポリ
イミドフィルムの銅箔面にシプレイ・ファーイースト社
製ネガ型フォトレジスト「EAGL NT−90」をデ
ィッピングにより厚さ10μmのレジスト皮膜を形成
し、フォトレジスト法によりレジストパターンを形成し
てスプレー式エッチング装置を用い塩化第二鉄FeCl
3 を吹き付け配線パターンの間隙部を溶解除去し、配線
パターン及びレーザ切断用ガイドパターンを形成した。
この後銅面側に配線パターンの両端末により2mmを除
く中央部分に厚さ25μmの熱硬化性ポリイミドフィル
ムを厚さ35μmのエポキシ系接着剤を介して、またベ
ースフィルム側に配線パターンの両端側より中央に向か
って7mm、外側に向かって2mm、合計9mmの幅を
持つ厚さ0.2mmの熱可撓性ポリイミドシートを厚さ
35μmのエポキシ系接着剤を介して1.3MPaの圧
力で160℃×20分間の熱圧着を行った。このように
して得られたガイドパターン付き銅箔エッチング回路を
前記と同様の方法でレーザ切断と金型打ち抜きを行っ
た。
【0035】以上の方法で作製されたプリント回路体の
寸法精度評価結果を次の表1に示す。この表において、
各寸法W、W、Wの値は図6に示したように、Wに
ついてはこのプリント回路体のコネクタ部における幅寸
法、W及びWについては左右両サイドの導体回路セ
ンター位置からこのコネクタ部の幅方向端縁までの寸法
を採っている。サンプル数としてはそれぞれ20個づつ
としている。
【0036】この表1の結果から判るように、本発明品
の場合にはコネクタ部の外形幅寸法(W)、及び幅方向
端の導体回路センター位置からこのコネクタ部の幅方向
端縁までの寸法(W1 、W2 )のいずれも狙い値に略一
致し、しかもサンプル間のバラツキ度(3σ)の値をみ
ても非常にバラツキが小さいとの結果が得られた。
【0037】これに対して比較例1〜3のいずれかの場
合もコネクタ部の外形幅寸法(W)や両端の導体回路セ
ンター位置からコネクタ部幅方向端縁までの寸法(W
1 、W2 )が狙い値より外れ、そのバラツキも大きいと
の結果となった。
【0038】この表1の結果を考察するに、本発明の場
合にはコネクタ部の幅寸法(W)が外形幅規定ガイド2
0R、20Lの両外端縁間の寸法幅で規定され、この外
形幅規定ガイド20R、20Lそのものはフォトリソグ
ラフィー法と電気メッキ法により形成されたものである
から良好な寸法精度が得られたものである。
【0039】またコネクタ部両端の導体回路センター位
置から幅方向端縁までの寸法(W1、W2 )についても
導体回路パターンそのものがやはりフォトリソグラフィ
ー法電気メッキ法により形成されているので同様の良好
な寸法精度の結果が得られたものと推察される。
【0040】一方、比較例1〜3についてはバラツキ度
(3σ)の値が大きい理由として、1)比較例1、2の
場合にはレーザ切断や金型プレスによる打ち抜きでは寸
法幅が精度良く出ないこと、2)比較例3の場合はガイ
ドパターン幅がサイドエッチングにより精度良くできて
いないこと等が考えられる。
【0041】
【表1】
【0042】次にレーザビームの照射をカバーレイフィ
ルム側から行うか、本発明のように絶縁基板側から行う
かによってコネクタ部の外形寸法精度にどの程度違いが
生じるかについて検討した。図7(a)はレーザビーム
をカバーレイフィルム側から照射したときのレーザ切断
面の断面形状を示したものであり、図7(b)はレーザ
ビームを絶縁基板側から照射したときの同じくレーザ切
断面の断面形状を示したものである。
【0043】両者の比較図から判るように、レーザビー
ムをカバーレイフィルム側から照射したとき(図7
(a))にはレーザビームのビーム径は照射方向の先端
に向けて先細りとなるものであるから、外形幅規定ガイ
ド20R、20Lはその外端縁に沿って切断されるもの
の、絶縁基板22の切断面はその下端縁(底面の端縁)
の幅寸法が上端縁(導体回路パターン側の端縁)の幅寸
法より大きい末広がりのテーパ面形状をなすこととな
る。そしてその結果コネクタ部の外形幅寸法は絶縁基板
22の下端縁の寸法幅によって規定されることになり、
この寸法幅はレーザビーム条件によって微妙に変動する
こととなる。
【0044】これに対してレーザビームを絶縁基板側か
ら照射したとき(図7(b))には絶縁基板の切断面は
テーパ面をなすがその端縁が外形幅規定ガイド20R、
20Lの端縁よりはみ出すことなく、結果的にコネクタ
部の外形幅寸法は外形幅規定ガイド20R、20Lの両
外端縁間の寸法によって規定され、それ以外の部位の寸
法精度(絶縁基板など)の影響を受けることはない。し
たがってレーザビームの条件が多少ばらついてもそれは
絶縁基板の切断面に影響があるのみでコネクタ部の外形
幅寸法の変動には全く影響しない。
【0045】ちなみに次の表2にはレーザビームを本発
明のように絶縁基板側から照射した場合と比較としてカ
バーレイフィルム側から照射した場合との寸法精度の評
価結果を示したものである。
【0046】
【表2】
【0047】この表2の結果からも判るように、レーザ
ビームを絶縁基板側から照射した方がカバーレイフィル
ム側より照射するよりもバラツキ(3σ)が小さく寸法
精度として優れていることは明らかである。
【0048】かくして上記実施例について詳細に説明し
たように本発明のプリント回路体によれば、コネクタ部
の幅寸法が、メッキ回路体に形成される外形幅寸法精度
の良い左右一対の外形幅規定ガイド20R、20L間の
間隔によって規定され、絶縁性硬質基板22の幅寸法の
影響を受けないものであるから、コネクタハウジングに
装着の際の電極パターンの位置ずれによる隣接電極間の
短絡(ショート)等の問題は回避される。
【0049】さらにその外形幅規定ガイド20R、20
Lはフォトリソグラフィー法及び電気メッキ法を利用し
ての導体回路パターン形成時の同時に形成するものであ
るから、あらためて別工程を設ける必要もなく同一工程
で製造され、またレーザ切断にビームの照射条件や位置
合わせ等に神経を使うこともない等製造工程上の有利性
を備えるものである。
【0050】尚、本発明は上記した実施の形態に何ら限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々の改変が可能である。たとえば上記実施例では電
解メッキ法により導体回路パターン及び外形幅規定ガイ
ドを形成するようにしたが、無電解メッキ法あるいは蒸
着法(物理的・化学的の両方を含む)などに依ってもよ
い。また上記実施例ではコネクタ用のプリント回路基板
について示したが、その他の切断加工寸法の精度を要求
される各種のプリント回路体に適用できることは言うま
でもない。
【0051】
【発明の効果】本発明のプリント回路体は、被除去材の
表面にレジストマスクを用いて電気メッキにより導体回
路パターンを形成すると同時にコネクタ部の外形幅規定
ガイドを形成し、このコネクタ部に貼合わせる絶縁性基
板側よりレーザ照射して外形幅規定ガイドの外端縁に沿
ってレーザ切断することによって得られる。したがって
コネクタ部の幅寸法は外形幅規定ガイドの寸法幅によっ
て規定され、硬質基板の寸法幅の影響を受けないのでそ
の寸法精度は極めて高いものである。このことからこの
プリント回路体をコネクタハウジングに装着するに際し
両外形幅規定ガイド間の幅寸法、導体回路パターンの各
導体間の間隔、各外形幅規定ガイドと導体との間の間隔
などは電極パターンに一致し、隣接電極との短絡(ショ
ート)が起こる等の不具合が生じるようなことはなく、
製品としての信頼性はすこぶる高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリント回路体が
適用されるコネクタ用フレキシブルプリント回路体の外
観斜視図である。
【図2】図1に示したプリント回路体の製造工程図であ
る。
【図3】同じく、図1に示したプリント回路体の製造工
程図である。
【図4】図1に示したプリント回路体のレーザ切断工程
の外観を示す図である。
【図5】エキシマレーザにより外形を切断する状態を拡
大して示した図である。
【図6】本発明品と従来品とのプリント回路体の外形切
断寸法精度評価結果を説明するための図である。
【図7】(a)レーザ切断をカバーレイフィルム側から
行う場合と、(b)絶縁基板側から行う場合とでレーザ
切断面の形状の違いを示した図である。
【符号の説明】
10 プリント回路体 12 絶縁フィルム 18 導体回路パターン 20R、20L 外形輪郭規定ガイド(外形幅規定ガイ
ド) 22 絶縁性硬質基板 30 被除去材(アルミ箔) 32 厚膜レジスト層 34 導体回路パターン溝 36R、36L 外形幅規定ガイド用パターン溝
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/00 H05K 3/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上にフォトリソグラフィーによ
    り導体回路パターン溝及び外形輪郭規定パターン溝が形
    成されたフォトレジスト層を有すると共に、該フォトレ
    ジスト層の前記導体回路パターン溝及び外形輪郭規定パ
    ターン溝内には電気メッキにより導体回路パターン及び
    外形輪郭規定ガイドがフォトレジスト層の厚みを越えな
    い範囲でそれぞれ形成され、前記絶縁基板側からのレー
    ザ切断により前記外形輪郭規定ガイドの端縁に沿ってレ
    ーザ切断されてなることを特徴とするプリント回路体。
  2. 【請求項2】 前記絶縁基板は、フレキシブル性を有す
    るプリント回路体の前後端のコネクタ部の少なくとも一
    方の面に貼着される絶縁性の硬質板からなることを特徴
    とする請求項1に記載されるプリント回路体。
  3. 【請求項3】 導電性を有する被除去材の表面にフォト
    レジスト層を形成する工程と、 該フォトレジスト層にフォトリソグラフィーにより導体
    回路用パターン溝及び外形輪郭規定パターン溝を形成す
    る工程と、 前記被除去材を一方の電極として電気メッキにより前記
    導体回路用パターン溝に導体回路パターンを形成すると
    同時に前記外形輪郭規定パターン溝に外形輪郭規定ガイ
    ドを形成する工程と、 前記被除去材表面に形成された導体回路パターン及び外
    形輪郭規定ガイド側の面に絶縁基板を貼着する工程と、 前記被除去材を前記フォトレジスト層より除去する工程
    と、 前記絶縁基板側よりレーザ照射し前記外形輪郭規定ガイ
    ドの外端縁に沿ってレーザ切断する工程と、 からなることを特徴とするプリント回路体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ切断工程においてはエキシマ
    レーザが用いられることを特徴とする請求項3に記載さ
    れるプリント回路体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁基板は、フレキシブル性を有す
    るプリント回路体の前後端のコネクタ部の少なくとも一
    方の面に貼着される絶縁性の硬質板からなることを特徴
    とする請求項3に記載されるプリント回路体の製造方
    法。
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