JP2761194B2 - 狭開先ティグ溶接装置 - Google Patents

狭開先ティグ溶接装置

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JP2761194B2
JP2761194B2 JP7033503A JP3350395A JP2761194B2 JP 2761194 B2 JP2761194 B2 JP 2761194B2 JP 7033503 A JP7033503 A JP 7033503A JP 3350395 A JP3350395 A JP 3350395A JP 2761194 B2 JP2761194 B2 JP 2761194B2
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narrow groove
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藤田  憲
彰司 櫛本
孝夫 池田
幸雄 道下
光昭 山本
勝治 段林
康人 西宇
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭角度をもって接触す
る2つの部材の開先部の溶接を行う狭開先ティグ溶接装
置に関し、例えば、原子炉容器の上蓋と管台とを溶接す
る装置として好適である。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子炉(PWR)の炉心は格子
状に配列した燃料集合体と軽水とから構成され、これら
は原子炉容器内に収容されている。そして、この炉心の
反応度を制御するための制御棒クラスタは燃料集合体内
に上方から挿入または上方へ引き抜かれる。この制御棒
クラスタは、原子炉容器の上蓋に設けられた制御棒駆動
装置(CRDM)によって駆動されるようになってい
る。
【0003】この加圧水型原子炉容器は上部が開口した
円筒形状をなし、この開口を上蓋によって開閉自在とな
っており、この上蓋には制御棒駆動装置の駆動軸を支持
する管台が複数貫通して取付られている。この場合、上
蓋に形成された貫通孔に円筒形状の管台を挿通し、上下
を反転させた状態で上蓋の内面の開先を溶接し、管台を
固着していた。ところが、上蓋は半球形状をなす一方、
複数の管台は原子炉容器と平行をなすように上蓋に垂直
に取付けられるものであり、上蓋と管台との取付(開
先)角度10〜45度となる。そのため、狭開先とな
って溶接が困難であるため、大きな開先角度として被覆
アーク溶接を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に、上蓋と管台との開先角度を大きくして被覆アーク溶
接を行うと、溶着量が増加してしまい、溶接効率が悪く
なってしまう。そして、上蓋と管台との開先角度大き
くなることで、管台に対して溶接部が非対称となり、管
台の突出し部が変形しやすいという問題がある。また、
被覆アーク溶接のため、作業者によって溶接品質が左右
され、溶接の品質が一定しないなどの問題があった。
【0005】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、狭開先角度の溶接部を容易に溶接可能として溶
接品質の向上を図った狭開先ティグ溶接装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の狭開先ティグ溶接装置は、所定の狭角度を
もって接触して二部材の取付角度が0〜45度となる
先部の溶接を行う狭開先ティグ溶接装置において、前記
開先部に沿って移動自在に支持された装置本体と、該装
置本体に回転自在に装着された電極ホルダと、該電極ホ
ルダの先端部に該電極ホルダの軸線に対して30〜50
度の傾斜角度をもって取付けられたタングステン電極
と、前記電極ホルダを回転駆動することで該タングステ
ン電極を回転させる回転手段と、内部に溶接ワイヤを保
持して基端部が前記装置本体に取付けられ先端部が前記
タングステン電極の近傍に延設されたワイヤガイドと、
該ワイヤガイド内に保持された溶接ワイヤを前記タング
ステン電極側に送出するワイヤ送給手段とを具えたこと
を特徴とするものである。
【0007】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置は
記ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給角度を60度に
設定したことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置は、
前記ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給部及び前記タン
グステン電極によるアーク発生部を反射ミラーを介して
監視可能な監視手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置は、
前記タングステン電極を前記開先部に対して接近離反で
きるように前記装置本体を移動手段によって移動自在に
支持すると共に、前記タングステン電極により発生する
アーク電圧を検出するアーク電圧検出器を設け、該アー
ク電圧検出器の検出結果に基づいて前記タングステン電
極と開先部との距離を一定に保持するようにしたことを
特徴とするものである。
【0010】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置は、
前記溶接ワイヤを保持するワイヤガイドを、装置本体に
電極ホルダを介して回転自在に支持されたタングステン
電極に対して対称に複数設けたことを特徴とするもので
ある。
【0011】
【作用】装置本体を取付角度が0〜45度となる開先部
に沿って移動させると、この装置本体に回転自在に装着
された電極ホルダを介して取付けられたタングステン電
極と内部に溶接ワイヤを保持したワイヤガイドとが同様
に移動し、このとき、ワイヤ送給手段によって溶接ワイ
ヤをタングステン電極側に送出し、タングステン電極か
らアークを発生させることで、溶接ワイヤが溶融して開
先部が溶接されていくこととなり、この場合、タングス
テン電極が電極ホルダの軸線に対して30〜50度の
斜角度をもって取付けられたことで、開先角度が狭くて
も溶接作業が容易に、且つ、確実に行え、回転手段によ
って電極ホルダを回転駆動することで、開先部の溶接方
向に対して正確に変更が可能となる。
【0012】この場合、ワイヤガイドからの溶接ワイヤ
送給角度は60度が最適である。
【0013】また、開先部の溶接作業中に、ワイヤガイ
ドからの溶接ワイヤ送給状況及びタングステン電極によ
るアーク発生状況を監視手段によって反射ミラーを介し
て監視しており、溶接品質を一定に保つことができる。
【0014】アーク電圧検出器はタングステン電極に
発生するアーク電圧を常時検出しており、このアーク
電圧検出器の検出結果に基づいて移動手段によりタング
ステン電極を開先部に対して接近離反し、タングステン
電極と開先部との距離を一定に保持するようにしたこと
で、開先部の高さが随時変化しても溶接品質を一定に保
つことができる。
【0015】装置本体のタングステン電極に対してワイ
ヤガイドを対称に複数設けたことで、回転手段により電
極ホルダを回転して開先部の溶接方向を変更しても、対
応するワイヤガイドから溶接ワイヤを送給して連続溶接
が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図1に本発明の一実施例に係る狭開先ティ
グ溶接装置の正面視、図2に本実施例の狭開先ティグ溶
接装置の上面視、図3に図1のIII−III断面、図4に本
実施例の狭開先ティグ溶接装置における電極部の断面、
図5にその電極部の下面視、図6に電極の支持構造を表
す断面、図7に溶接ワイヤ送給部及び電極アーク発生部
の監視機構を表す断面、図8に開先角度と電極の傾斜角
度との関係の説明、図9に本実施例の狭開先ティグ溶接
装置による溶接作業を表す概略を示す。
【0018】以下に説明する実施例では、本発明の狭開
先ティグ溶接装置を、図1に示すように、加圧水型原子
炉容器において、上蓋101とこの上蓋101に貫通し
て取付られた管台102との開先部103を溶接する溶
接装置に適用して説明する。なお、この開先部103の
周辺には補助シールドボックス104が取付けられてい
る。
【0019】本実施例の狭開先ティグ溶接装置におい
て、図1乃至図3に示すように、原子炉容器の上蓋10
1には管台102が挿嵌されており、この管台102の
上部には遊嵌する連結筒11によって支持筒12がその
フランジを介して装着できるようになっている。この連
結筒11の内側には管台102内を下方に延びる内筒1
3が固定され、この内筒13内には芯出しロッド14が
軸方向移動自在に支持されている。そして、この芯出し
ロッド14の下端部には管台102の内周面に嵌合した
芯出し筒15にテーパ嵌合するテーパ部16が一体に形
成され一方、芯出しロッド14の上端部にはこの芯出し
ロッド14を軸方向に移動させるナット17が螺合して
いる。従って、ナット17を回転すると、芯出しロッド
14が上方に移動し、テーパ部16が芯出し筒15にテ
ーパ嵌合することとなり、管台102に対してテーパ部
16の芯出しロッド14及び内筒13、連結筒11を介
して支持筒12の中心を一致させることができる。
【0020】この支持筒12の上部には上下一対の軸受
18を介して旋回筒19が回転自在に取付けられ、この
旋回筒19には旋回台20が固定されており、この旋回
台20は連結筒11と連結アーム21を介して連結され
ている。また、旋回筒19には旋回歯車22が固結され
ており、この旋回歯車22には図示しない旋回用モータ
の駆動歯車が噛み合っている。従って、旋回用モータに
よって旋回歯車22が回転することで、この旋回歯車2
2と一体の旋回筒19が回転し、旋回台20が支持筒1
2に対して旋回することができる。
【0021】この旋回台20の上方には昇降台23が位
置しており、この昇降台23から垂下した左右一対のガ
イドロッド24が旋回台20の両側に固定された上下一
対のガイド25に挿通しており、この昇降台23は旋回
台20に対して昇降自在となっている。また、昇降台2
3にはねじ軸26が回転自在で、且つ、軸方向移動不能
に支持されており、このねじ軸26の上端部には従動歯
車27が固結され、この従動歯車27には昇降用モータ
28の駆動歯車29が噛み合っている。一方、ねじ軸2
6の下部は旋回台20に固定されためねじ筒30に螺合
している。そして、この昇降台23には左右一対のブラ
ケット31を介して溶接ワイヤWが巻かれたワイヤリー
ル32が回転自在に取付けられると共に、ワイヤリール
32の近傍にこの溶接ワイヤWを送出するワイヤ送給装
置33が設けられている。従って、昇降用モータ28が
駆動して駆動歯車29が回転すると、駆動歯車29と噛
み合う従動歯車27を介してねじ軸26が回転し、ねじ
軸26はこのねじ軸26が螺合するめねじ筒30に対し
て軸方向に移動し、昇降台23が旋回台20に対して昇
降することができる。
【0022】溶接装置本体34は、上端部が昇降台23
に連結された一対のガイドロッド24の下端部に連結さ
れた支持台35に取付けられている。この溶接装置本体
34は昇降台23が昇降することで昇降し、昇降台23
(旋回台20)が旋回することで回転して開先部103
に沿って移動することができるようになっている。
【0023】この溶接装置本体34において、図4乃至
図7に示すように、電極ホルダ36は上部がモータケー
ス37に軸受38によって回転自在に支持される一方、
下端部にこの電極ホルダ36の軸線に対して所定の傾斜
角度θ=45度をもってタングステン電極39が取付け
られており、外周部が絶縁材40によって被覆されてい
る。また、モータケース37にはタングステン電極39
の回転手段としての電極揺動モータ41が装着されてお
り、電極揺動モータ41の出力軸42には駆動プーリ4
3に固結され、この駆動プーリ43は電極ホルダ36に
固結された従動プーリ44と駆動伝達ベルト45を介し
て駆動連結されている。そして、電極揺動モータ41の
出力軸42には回転角センサ46が装着されている。な
お、本実施例において、タングステン電極39の取付傾
斜角度θは45度としたが、開先角度の変化に合わせて
θ=30〜50度の範囲に設定すればよいものである。
【0024】従って、電極揺動モータ41を駆動する
と、出力軸42及び駆動プーリ43が回転し、この駆動
プーリ43と駆動伝達ベルト45を介して駆動連結され
た従動プーリ44が回転し、電極ホルダ36を回転させ
ることで、電極ホルダ36の下端部にを取付けられたタ
ングステン電極39を回転してその向きを変えることが
できる。このとき、回転角センサ46は電極揺動モータ
41の出力軸42の回転角度を検出することで、タング
ステン電極39の揺動位置(溶接方向)を検出すること
ができる。
【0025】また、電極ホルダ36の上端部には、この
電極ホルダ36の先端部まで冷却水を循環させるための
冷却水供給孔47及び冷却水排出孔48がろう付けによ
って固定されており、この冷却水排出孔48はタングス
テン電極39への通電部を兼ねている。一方、モータケ
ース37の下部にはハウジング49が固定され、このハ
ウジング49内には一端が図示しないシールドガス供給
源に連通する一対の連通孔50が電極ホルダ36の両側
に位置して形成されている。この各連通孔50の下端部
には銅管に多数の小穴が形成されたシールドガス噴射ノ
ズル51が連結されている。そして、ハウジング49の
下部には電極ホルダ36及びシールドガス噴射ノズル5
1の外周辺に位置し、タングステン電極39の近傍まで
延設するように筒状のシールドノズル52が取付けられ
ている。
【0026】更に、ハウジング49の両側部には取付ブ
ラケット53を介してそれぞれワイヤガイド54の基端
部が取付けられている。この一対のワイヤガイド54は
内部に溶接ワイヤWを移動自在に保持して先端部が鉛直
面に対して所定の傾斜角度φ=60度に湾曲し、タング
ステン電極39の近傍まで延設されている。即ち、溶接
ワイヤWを保持する一対のワイヤガイド54は電極ホル
ダ36(タングステン電極39)に対して左右対称に、
即ち、図5に示すように、下面視がヘ字形状となるよう
に設けられており、このワイヤガイド54からの溶接ワ
イヤWの送給角度が60度となっている。
【0027】従って、タングステン電極39に冷却水排
出孔48から電極ホルダ36を介して通電し、シールド
ガス噴射ノズル51の小穴からシールドガスを噴射して
シールドノズル52によって電極ホルダ36の先端部に
このシールドガスを供給することで、アークを発生させ
ることができ、このとき、一方のワイヤガイド54から
の溶接ワイヤWの送出することで、発生したアークによ
って溶接ワイヤWを溶融し、開先部の溶接を行うことが
できる。この場合、溶接の進行方向によって電極ホルダ
36を介してタングステン電極39を180度反転させ
るのに対応し、このタングステン電極39と対向する側
のワイヤガイド54からのみ溶接ワイヤWを送出する。
【0028】また、本実施例にあっては、ワイヤガイド
54からの溶接ワイヤWの送給状況及びタングステン電
極39によるアーク発生状況を外部から監視可能となっ
ている。即ち、ハウジング49には連通孔50の両側に
位置して取付孔55が形成され、この各取付孔55には
ハーフミラー型プリズム56がそれぞれ取付孔55の軸
方向に対して45度の反射角度をもって固定されてい
る。一方、このハウジング49にはモータケース37の
両側に位置してレンズケース57が固定され、このレン
ズケース57には各取付孔55と直交するように連通す
る連通孔58が形成されている。そして、この各連通孔
58にはハーフミラー型プリズム59がそれぞれ連通孔
58の軸方向に対して45度の反射角度をもって固定さ
れている。更に、各プリズム59の反射方向上方にはそ
れぞれCCDカメラ60が取付けられている。この各C
CDカメラ60は切換モータ61によってフィルタ62
を切換可能となっている。また、レンズケース57の各
取付孔55の端部にはそれぞ照明ランプ63が取付けら
れている。
【0029】従って、ワイヤガイド54から送出された
溶接ワイヤW及びタングステン電極39の先端部の映像
は各取付孔55からプリズム56によってレンズケース
57内の各連通孔58に反射され、更に、プリズム59
によって反射されて各CCDカメラ60に入力され、こ
のとき、照明ランプ63によって溶接ワイヤW及びタン
グステン電極39の先端部を照射することで、溶接ワイ
ヤWの送給状況やアーク発生状況を外部から監視するこ
とができる。この場合、このCCDカメラ60によって
タングステン電極39によるアーク発生状況を監視する
にはフィルタ62を通して行い、ワイヤガイド54から
の溶接ワイヤWの送給状況やアークが発生していないタ
ングステン電極39を監視するには、切換モータ61に
よってフィルタ62を外して行う。
【0030】なお、本実施例にあっては、電極ホルダ3
6の先端部に固定されたタングステン電極39にはこの
タングステン電極39による発生するアーク電圧を検出
する図示しないアーク電圧検出器が設けられており、こ
のアーク電圧検出器の検出結果に基づいて昇降用モータ
28を駆動することで昇降台23を昇降し、タングステ
ン電極39を上下して開先部103との距離を一定に保
持することができるようになっている。
【0031】ここで、本実施例の狭開先ティグ溶接装置
によって上蓋101に貫通して取付られた管台102と
の開先部103を溶接する溶接作業について説明する。
【0032】本実施例では、上蓋101と管台102と
の開先部103の壁面融合不良を防止するため、タング
ステン電極39は電極ホルダ36の軸線に対して傾斜角
度θをもって取付けられている。図8に示すように、こ
のタングステン電極39の傾斜角度θと管台102
付角度αによって開先部103に対してタングステン電
極39が前進角βをもっているかどうかを求めてみる。
即ち、図8(a)において、開先部103が点C1 に対し
て点C3 が上方にほぼ45度傾斜していた場合、溶接開
始位置点C1 と溶接終了位置点C3 では前進角β1 =4
5度となり、溶接中間位置点C2 と溶接中間位置点C4
では前進角β 2 =90度(0度)となり、いずれの場合
であっても十分な溶込みが得られる。
【0033】従って、本実施例の狭開先ティグ溶接装置
によって実際に開先部103を溶接を行うには、まず、
タングステン電極39(電極ホルダ36)及びワイヤガ
イド54を溶接開始位置点C1 から図8(a)において反
時計回り方向に回動し、溶接中間位置点C2 を通って溶
接終了位置点C3 に移動していく。即ち、図9(a)に示
すように、溶接開始位置点C1 にて、前方側のワイヤガ
イド54からの溶接ワイヤWの送出する一方、タングス
テン電極39に通電すると共にシールドガス噴射ノズル
51からシールドガスを噴射することでアークAを発生
させ、発生したアークAによって溶接ワイヤWを溶融
し、開先部103に沿って移動させることでこの開先部
103にビードBを形成して溶接を行う。そして、溶接
終了位置点C3 にて溶接を中断し、開先部103の半周
の溶接が完了する。
【0034】次に、タングステン電極39(電極ホルダ
36)及びワイヤガイド54を溶接開始位置点C1 に戻
してタングステン電極39(電極ホルダ36)を180
度反転し、ここから図8(a)において時計回り方向に回
動し、溶接中間位置点C4 を通って溶接終了位置点C3
に移動していく。即ち、図9(b)に示すように、溶接開
始位置点C1 にて、前方側のワイヤガイド54からの溶
接ワイヤWの送出する一方、タングステン電極39に通
電すると共にシールドガス噴射ノズル51からシールド
ガスを噴射することでアークAを発生させ、発生したア
ークAによって溶接ワイヤWを溶融し、開先部103に
沿って移動させることでこの開先部103にビードBを
形成して溶接を行う。そして、溶接終了位置点C3 にて
溶接を終了し、開先部103の全周の溶接が完了する。
【0035】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の狭開先ティグ溶接装置によれば、取付角度
が0〜45度となる開先部に沿って移動自在な装置本体
に電極ホルダを回転手段によって回転自在に装着してこ
の電極ホルダの先端部に30〜50度の傾斜角度をもっ
てタングステン電極を取付けると共に装置本体に溶接ワ
イヤを保持して先端部がタングステン電極の近傍に延設
されたワイヤガイドを取付けて溶接ワイヤをワイヤ送給
手段によってタングステン電極側に送出できるようにし
たので、開先角度が狭くてもタングステン電極及びワイ
ヤガイド先端部が開先部に接近して溶接作業を容易に、
且つ、確実に行うことができ、溶接進行角度に対してタ
ングステン電極を揺動することで、開先部の溶接方向に
対して良好な溶接を行うことができ、狭開先角度の溶接
部の溶接品質の向上を図ることができる。
【0036】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置によ
れば、ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給角度を60度
に設定したので、狭開先角度の溶接部に対して最適とな
り、溶接品質の向上を図ることができる。
【0037】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置によ
れば、ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給部及びタング
ステン電極によるアーク発生部を反射ミラーを介して監
視可能な監視手段を設けたので、開先部の溶接作業中に
溶接ワイヤ送給状況及びアーク発生状況を常時監視する
ことができ、溶接品質を一定に保つことができる。
【0038】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置によ
れば、タングステン電極により発生するアーク電圧を検
出するアーク電圧検出器を設けてこのアーク電圧検出器
の検出結果に基づいてタングステン電極を移動して開先
部との距離を一定に保持するようにしたので、開先部の
位置が随時変化してもその変化に応じてタングステン電
極を移動して良好な溶接状態を維持して溶接品質を一定
に保つことができる。
【0039】また、本発明の狭開先ティグ溶接装置によ
れば、溶接ワイヤを保持するワイヤガイドをタングステ
ン電極に対して対称に複数設けたので、開先部の溶接方
向が変更するのに応じて電極ホルダの向きを開先部の溶
接方向に合わせて変更しても、対応するワイヤガイドか
ら溶接ワイヤを送給することで連続溶接が可能となり、
作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る狭開先ティグ溶接装置
の正面図である。
【図2】本実施例の狭開先ティグ溶接装置の上面図であ
る。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】本実施例の狭開先ティグ溶接装置における電極
部の断面図である。
【図5】本実施例の狭開先ティグ溶接装置における電極
部の下面図である。
【図6】電極の支持構造を表す断面図である。
【図7】溶接ワイヤ送給部及び電極アーク発生部の監視
機構を表す断面図である。
【図8】開先角度と電極の傾斜角度との関係の説明図で
ある。
【図9】本実施例の狭開先ティグ溶接装置による溶接作
業を表す概略図である。
【符号の説明】
12 支持筒 19 旋回筒 20 旋回台 23 昇降台 28 昇降用モータ 32 ワイヤリール 33 ワイヤ送給装置 34 溶接装置本体 36 電極ホルダ 39 タングステン電極 41 電極揺動モータ 51 シールドガス噴射ノズル 52 シールドノズル 54 ワイヤガイドノズル 56,59 反射ミラー型プリズム 60 CCDカメラ 101 上蓋 102 管台 103 開先部 A アーク B ビード W 溶接ワイヤ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/133 502 B23K 9/133 502D 9/167 9/167 D 9/30 9/30 31/00 31/00 N G21C 19/02 G21C 19/02 J (72)発明者 池田 孝夫 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (72)発明者 道下 幸雄 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (72)発明者 山本 光昭 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 段林 勝治 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 西宇 康人 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (56)参考文献 特開 平7−276050(JP,A) 実開 昭57−52273(JP,U) 実開 平2−59871(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/29 B23K 9/00 501 B23K 9/095 515 B23K 9/127 510 B23K 9/133 502 B23K 9/167 B23K 9/30 B23K 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の狭角度をもって接触して二部材の
    取付角度が0〜45度となる開先部の溶接を行う狭開先
    ティグ溶接装置において、前記開先部に沿って移動自在
    に支持された装置本体と、該装置本体に回転自在に装着
    された電極ホルダと、該電極ホルダの先端部に該電極ホ
    ルダの軸線に対して30〜50度の傾斜角度をもって取
    付けられたタングステン電極と、前記電極ホルダを回転
    駆動することで該タングステン電極を回転させる回転手
    段と、内部に溶接ワイヤを保持して基端部が前記装置本
    体に取付けられ先端部が前記タングステン電極の近傍に
    延設されたワイヤガイドと、該ワイヤガイド内に保持さ
    れた溶接ワイヤを前記タングステン電極側に送出するワ
    イヤ送給手段とを具えたことを特徴とする狭開先ティグ
    溶接装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の狭開先ティグ溶接装置に
    おいて、前記ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給角度を
    60度に設定したことを特徴とする狭開先ティグ溶接装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の狭開先ティグ溶接装置に
    おいて、前記ワイヤガイドからの溶接ワイヤ送給部及び
    前記タングステン電極によるアーク発生部を反射ミラー
    を介して監視可能な監視手段を設けたことを特徴とする
    狭開先ティグ溶接装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の狭開先ティグ溶接装置に
    おいて、前記タングステン電極を前記開先部に対して接
    近離反できるように前記装置本体を移動手段によって移
    動自在に支持すると共に、前記タングステン電極により
    発生するアーク電圧を検出するアーク電圧検出器を設
    け、該アーク電圧検出器の検出結果に基づいて前記タン
    グステン電極と開先部との距離を一定に保持するように
    したことを特徴とする狭開先ティグ溶接装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の狭開先ティグ溶接装置に
    おいて、前記溶接ワイヤを保持するワイヤガイドを、装
    置本体に電極ホルダを介して回転自在に支持されたタン
    グステン電極に対して対称に複数設けたことを特徴とす
    る狭開先ティグ溶接装置。
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