JP2761177B2 - 貨幣集積状態判定装置 - Google Patents

貨幣集積状態判定装置

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JP2761177B2
JP2761177B2 JP5257351A JP25735193A JP2761177B2 JP 2761177 B2 JP2761177 B2 JP 2761177B2 JP 5257351 A JP5257351 A JP 5257351A JP 25735193 A JP25735193 A JP 25735193A JP 2761177 B2 JP2761177 B2 JP 2761177B2
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晃久 千葉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単体または束状の貨幣
を集積収納させる際に、その集積状態を判定する貨幣集
積状態判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単体または束状の貨幣(硬貨、紙幣ある
いは他の紙葉類等)を集積収納させる際にその集積状態
を判定する貨幣集積状態判定装置のうち、収納部に集積
される紙幣の集積状態を検出するものが、特開昭50−
130497号公報に開示されている。これは、入金さ
れた紙幣を一枚ずつ取り込むとともに、紙幣の搬送途中
に設けられた計数手段によって紙幣の枚数を計数し、収
納部の大きさに応じてあらかじめ設定された収納限度枚
数だけ紙幣が収納部に収納されたことが、前記計数手段
の計数値から割り出されると、収納部内がフル状態であ
ると判定するようになっている。しかし、紙幣には新券
および流通券があり、実際には、皺のある流通券を多く
収納した場合等に、収納された紙幣の計数値が収納限度
枚数に達していなくとも、紙幣の集積最上面の高さ位置
が収納部の限度高さ位置を越えてしまい、この限度高さ
位置を越えて集積された紙幣と後から来た紙幣とが衝突
することがあり、これによりジャムが発生してしまう等
の問題があった。
【0003】また、他の貨幣集積状態判定装置として、
特開平4−149792号公報に開示されたものがあ
る。これは、紙幣を収納する収納部の上部位置に、発光
素子と受光素子とを有する光学センサからなるフル検知
手段が設けられており、その所定量下方位置にも同様に
構成されたニアフル検知手段が設けられている。そし
て、これらフル検知手段およびニアフル検知手段が、遮
光されることにより、収納部に集積される紙幣を検知し
て、収納部内の紙幣の集積状態を判定するようになって
いる。具体的には、集積される紙幣が前記フル検知手段
よりも下方に位置するニアフル検知手段に検知される
と、装置の表示部に収納部内に集積される紙幣の集積状
態がフル状態に近いことを表示させ、さらに紙幣が集積
されてフル検知手段に検知されると収納部内がフル状態
であると判定し、表示部にフル状態であることを表示さ
せるとともに、フル状態にあるその収納部にそれ以上紙
幣が収納されないよう収納動作を停止させるようになっ
ている。この装置は、紙幣位置を直接検知する構成であ
るため、上述したような、収納部の限度高さ位置を越え
て紙幣が集積されてしまうという問題は防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置は、何等かの理由により、収納部内で紙幣が不要に立
った状態等で集積されることがあっても、フル検知手段
およびニアフル検知手段が遮光されると、フル状態と判
定してしまう、すなわち、紙幣が正常に集積されてフル
状態と判定される場合と、紙幣が不要に立ってしまうこ
とによりフル状態と誤判定される場合との区別がつかな
くなってしまう。これにより、紙幣が不要に立つことに
よりフル状態と誤判定された場合にはこれを除くことに
よりさらに紙幣の集積が可能であるにもかかわらず、こ
れを行うことができず、この状態で例えば収納部を空の
収納部に交換すること等になるため、集積効率が悪くな
ってしまうという問題があった。
【0005】したがって、本発明は、収納部内の集積状
況の判定を確実に行うことができ、集積効率を向上でき
る貨幣集積状態判定装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の貨幣集積状態判定装置は、
貨幣を収納する収納部内の貨幣の集積状態を判定するも
のであって、前記収納部に収納される貨幣を計数する計
数手段と、前記収納部の上部所定位置に集積された貨幣
を検知してフル検知信号を出力するフル検知手段と、前
記収納部内に集積される貨幣の計数値の基準数を設定す
る基準設定手段と、前記フル検知手段によりフル検知信
号が出力されかつ前記計数手段による計数値が前記基準
設定手段で設定された基準数より小さい場合に収納部内
の貨幣が集積異常であると判定し、前記フル検知手段に
よりフル検知信号が出力されかつ前記計数手段による計
数値が前記基準数以上である場合に、収納部内の貨幣が
フル状態にあると判定する判定手段と、を具備すること
を特徴としている。
【0007】本発明の請求項2記載の貨幣集積状態判定
装置は、貨幣を収納する収納部内の貨幣の集積状態を判
定するものであって、前記収納部に収納される貨幣を計
数する計数手段と、前記収納部の上部所定位置に集積さ
れた貨幣を検知してフル検知信号を出力するフル検知手
段と、前記収納部内に集積される貨幣の計数値の第1基
準数および該第1基準数より小さい第2基準数を設定す
る基準設定手段と、前記フル検知手段によりフル検知信
号が出力されかつ前記計数手段による計数値が前記基準
設定手段で設定された第2基準数より小さい場合に収納
部内の貨幣が集積異常であると判定し、また、前記フル
検知手段によりフル検知信号が出力されずかつ前記計数
手段による計数値が前記第2基準数以上で前記基準設定
手段で設定された第1基準数より小さい場合に、収納部
内の貨幣がニアフル状態にあると判定して、さらに、前
記フル検知手段によりフル検知信号が出力されずかつ前
記計数手段による計数値が前記第1基準数に達した場合
および前記フル検知手段によりフル検知信号が出力され
かつ前記計数手段による計数値が前記第2基準数以上で
ある場合に、収納部内の貨幣がフル状態にあると判定す
る判定手段と、を具備することを特徴としている。
【0008】本発明の請求項3記載の貨幣集積状態判定
装置は、請求項2記載のものに加えて、前記基準設定手
段は、貨幣の厚さを多段階のレベルに分割し、収納する
貨幣の厚さに応じたレベルに設定するとレベル信号を出
力する第1基準設定手段と、前記収納部内の底面から前
記フル検知手段の検知高さ位置にかからない範囲の中で
前記第1基準設定手段の各レベルにおける最大集積数で
ある第1基準数を記憶する集積数記憶手段と、前記第1
基準設定手段から出力されるレベル信号に基づいて前記
集積数記憶手段が記憶する第1基準数を設定する設定手
段と、該設定手段で設定された第1基準数の所定の集積
数目を第2基準数として設定する第2基準設定手段とを
有することを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明の請求項1記載の貨幣集積状態判定装置
によれば、判定手段が、フル検知手段によりフル検知信
号が出力されかつ計数手段による計数値が基準設定手段
で設定された基準数より小さい場合に収納部内の貨幣が
集積異常であると判定し、フル検知手段によりフル検知
信号が出力されかつ計数手段による計数値が基準数以上
である場合に、収納部内の貨幣がフル状態にあると判定
することになる。よって、フル検知手段による検知とと
もに、計数値による確認を行うため、収納部内の集積状
況の判定がより確実となる。
【0010】本発明の請求項2記載の貨幣集積状態判定
装置によれば、判定手段が、フル検知手段によりフル検
知信号が出力されかつ計数手段による計数値が基準設定
手段で設定された第2基準数より小さい場合に収納部内
の貨幣が集積異常であると判定し、フル検知手段により
フル検知信号が出力されずかつ計数手段による計数値
が、第2基準数より大きい第1基準数に達した場合およ
びフル検知手段によりフル検知信号が出力されかつ計数
手段による計数値が第2基準数以上である場合に、収納
部内の貨幣がフル状態にあると判定することになる。よ
って、フル検知手段による検知とともに、計数値による
確認を行うため、収納部内の集積状況の判定がより確実
となる。さらに、フル検知手段によりフル検知信号が出
力されずかつ計数手段による計数値が、第2基準数以上
で第1基準数より小さい場合に、収納部内の貨幣がニア
フル状態にあると判定するため、フル状態の判定ととも
にニアフル状態の判定を、検知手段を増やすことなく行
うことができる。
【0011】本発明の請求項3記載の貨幣集積状態判定
装置によれば、請求項2記載のものに加えて、第1基準
数設定手段で収納する貨幣の厚さに応じたレベルに設定
すると、設定手段が、第1基準数設定手段からのレベル
信号に基づいて、収納部内の底面からフル検知手段の検
知高さ位置にかからない範囲の中で第1基準設定手段の
各レベルにおける最大集積数である第1基準数を集積数
記憶手段から読み出すとともに、第2基準設定手段が、
設定手段で設定された第1基準数の所定の集積数目を第
2基準数として設定することになる。したがって、上記
に加えて、第1基準数および第2基準数の設定を容易か
つ確実に行うことができる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装
置を図面を参照して以下に説明すする。なお、本実施例
においては、集積状態が判定される貨幣として紙幣の小
束を例にとり説明するが、他の貨幣(硬貨、紙幣、ある
いは他の紙葉類の、単体またはこれを束状としたもの
等)にも適用可能である。
【0013】本実施例において、貨幣集積状態判定装置
は、図1に示すブロック図で示されるように、計数手段
11、フル検知手段12、基準設定手段13および判定
手段14を有しており、さらに、基準設定手段13は、
第1基準設定手段16、集積数記憶手段17、設定手段
18および第2基準設定手段19を有する構成となって
いる。以下にこのブロック図をブロック毎に説明する。
【0014】計数手段11は、小束21を、図2に示す
収納部22に投入する以前の搬送経路上に設けられてい
る。そして、該計数手段11は、通過する紙幣の小束2
1を検出する毎にその数を加算計数し、その計数値を計
数データとして、判定手段14に出力する。ここで、上
記収納部22は、略箱型形状をなしており、その上部が
開口されていて、該開口部から紙幣の小束21が投入さ
れるとともに、水平方向に沿わせた状態を正常な状態と
して小束21を、下方から上方へ順に集積させるように
なっている。
【0015】フル検知手段12は、図2に示すように収
納部22の上部所定位置に、水平方向に沿って対向配置
された一対の発光素子および受光素子を有する光学セン
サ23を具備するものである。そして、このフル検知手
段12は、光学センサ23の光路が遮断されると、フル
検知信号を、判定手段14に出力するようになってい
る。
【0016】第1基準設定手段16は、図示せぬ設定部
(例えば、ディップスイッチ、またはキーボードおよび
入力データを記憶する手段)によって予め紙幣の小束2
1の厚さの最大値から最小値までが多段階に設定されて
おり、また、それぞれの段階レベルが設定部を用いた外
部入力により選択されると、該選択されたレベルに応じ
たレベル信号を、設定手段18に出力するようになって
いる。
【0017】集積数記憶手段17は、収納部22の、底
面22aからフル検知手段12の光学センサ23の検知
高さ位置にかからない収納限度高さ位置までの範囲にお
いて、第1基準設定手段16で選択されるレベルの小束
21の厚さに対する、該小束21の最大集積数が、各レ
ベルについてすべて記憶されている。
【0018】設定手段18は、上記第1基準設定手段1
6から出力されるレベル信号から、選択された小束21
の厚さのレベルを割り出し、該レベルに対応する小束2
1の最大集積数を、集積数記憶手段17から読み出し
て、これを第1基準数データとして判定手段14および
第2基準設定手段19に出力する。
【0019】第2基準設定手段19は、前記設定手段1
8から出力された第1基準数データから、該第1基準数
より少ない範囲で所定の第2基準数を設定し、これを第
2基準数データとして判定手段14に出力する。なお、
この設定は、例えば、第1基準数に対する、該第1基準
数と第2基準数との差をあらかじめ設定しておき、この
差から第2基準数を自動的に演算する等の方法、あるい
は、任意の第2基準数をディップスイッチによる設定ま
たはキーボード入力により入力設定する等の方法が採用
できる。
【0020】ここで、第1基準数と第2基準数との差
は、本実施例においては、例えば図2(b)に示すよう
に収納部22内で小束21が立った場合に、該立った小
束21の上端がフル検知手段12の光学センサ23に検
知されない該光学センサ23よりやや下方となる位置に
位置するとき、この立った小束21の下端に接する小束
21までの集積値より1つ多い集積値が第2基準数とな
るように、設定される(理由は後述する)。
【0021】判定手段14は、計数手段11から出力さ
れる計数データと設定手段18から出力され記憶された
第1基準数データおよび第2基準数データとを比較した
結果と、フル検知手段12からのフル検知信号の出力の
有無とに基づいて、収納部22内への小束21の収納動
作を駆動制御する図示せぬ制御部にフル信号、ニアフル
信号、および収納部22内の異常を知らせる異常信号を
出力する。
【0022】ここで、本実施例において、判定手段14
の各信号の出力条件は、図4に示す図表で表わされる。
すなわち、判定手段14がフル信号を出力する条件は、
フル検知手段12からフル検知信号が出力されずかつ計
数手段11による計数値Bが第1基準数Dに達した場
合、およびフル検知手段12によりフル検知信号が出力
されかつ計数手段11による計数値Bが第2基準数C以
上である場合となっている。
【0023】また判定手段14がニアフル信号を出力す
る条件は、フル検知手段12からフル検知信号が出力さ
れずかつ計数手段11による計数値Bが第2基準数C以
上で第1基準数Dより小さい場合となっている。
【0024】さらに判定手段14が異常信号を出力する
条件は、フル検知手段によりフル検知信号が出力されか
つ計数手段による計数値Bが第2基準数Cより小さい場
合である。
【0025】そして、図示せぬ制御部は、計数手段11
による計数値Bが第1基準数Dに達した時またはフル検
知手段12が収納部22内に収納された小束21を検知
した時、言い換えれば、前記フル信号が出力された時ま
たは異常信号が出力された時に、必ず収納動作を停止さ
せるようになっている。また判定手段14から、フル信
号が出力された場合には、フル状態にあることを図示せ
ぬ表示部に表示させ、ニアフル信号が出力された場合に
は、ニアフル状態にあることを表示部に表示させ、異常
信号が出力された場合には、異常状態にあることを表示
部に表示させる。
【0026】次に、上記貨幣集積状態判定装置の作動を
図2(a)〜(c)および図3(d),(e)の状態図
および図5のフローチャートを主に参照して以下に説明
する。なお、図2(a)〜(c)および図3(d),
(e)において、計数値Bに相当する小束を符号21B
で、第1基準数Dに相当する小束を符号21Dで、第2
基準数Cに相当する小束を符号21Cで、それぞれ示し
ている。
【0027】まず、収納する小束21の状態(厚さ)に
応じたレベルが選択されると、第1基準設定手段16
は、選択されたレベルに応じたレベル信号を、設定手段
18に出力する。すると、設定手段18は、このレベル
信号から、該レベルに対応する小束の最大集積数を、集
積数記憶手段17から読み出し、これを第1基準数Dと
して、該第1基準数データを判定手段14および第2基
準設定手段19に出力する。そして、これを受けた第2
基準設定手段19は、該第1基準数Dより少ない範囲で
所定の第2基準数Cを設定し、これを第2基準数データ
として判定手段14に出力する。
【0028】〔ステップSP1〕収納部22内に集積さ
れる小束21を検知するごとに、計数手段11は、その
数を加算して計数し、その計数値Bを計数データとし
て、判定手段14に出力する。
【0029】〔ステップSP2〕判定手段14により、
計数手段11が加算計数した計数値Bと、予め第2基準
設定手段19により設定された第2基準数Cとの比較を
行い、計数値Bが第2基準数Cより小さければ〔ステッ
プSP7〕に進み、計数値Bが第2基準数Cと等しいか
それより大きければ〔ステップSP3〕に進む。
【0030】〔ステップSP3〕判定手段14により、
計数値Bと第1基準数Dとの比較を行い、計数値Bが第
1基準数Dより小さければ次の〔ステップSP4〕に進
み、計数値Bが第1基準数Dと等しいかそれより大きけ
れば〔ステップSP5〕に進む。
【0031】〔ステップSP4〕次に収納部22に集積
される小束21がフル検知手段12の光学センサ23に
より検知されているか否かが、判定手段14により判定
され、光学センサ23で検知されていれば〔ステップS
P5〕に進み、検知していなければ〔ステップSP6〕
に進む。 〔ステップSP5〕判定手段14では、小束21の集積
がフル状態にあると判定して、フル信号を図示せぬ制御
部に出力する。
【0032】上記〔ステップSP2〕,〔ステップSP
3〕,〔ステップSP5〕の流れは、計数値Bと第2基
準数Cと第1基準数Dとの関係が、C≦BであってB<
Dでない場合すなわちB≧Dとなった場合に、図3
(e)に例示する状態であると判定することができ(図
3(e)においては、B=Dの状態を示している)、よ
って、〔ステップSP4〕による、フル検知手段12の
光学センサ23の検知有無の確認を行うことなく、直ち
に、収納部22内がフル状態であると判定する。
【0033】また、〔ステップSP2〕,〔ステップS
P3〕,〔ステップSP4〕,〔ステップSP5〕の流
れは、計数値Bと第2基準数Cと第1基準数Dとの関係
がC≦B<Dであって、光学センサ23が小束21を検
知していれば、図2(c)に例示する状態であると判定
することができるため、収納部22内はフル状態である
と判定する。
【0034】よって、計数値Bが第1基準数Dに達しな
くても、計数値Bが第2基準数Cを越えている場合には
フル検知手段12が小束21を検知ればフル状態と判定
し、制御部で、収納動作を停止させることになり、よっ
て、ジャムの発生を防止できる。これにより、第1基準
設定手段16で設定されたレベルよりも実際には厚い小
束21が集積された場合にも、ジャムの発生を防止でき
る。そして、判定手段14からのフル信号の出力によ
り、制御部では、収納動作を停止させるとともに、図示
せぬ表示部にフル状態にあることを表示させる。
【0035】〔ステップSP6〕判定手段14では、小
束21の集積がニアフル状態にあると判定して、ニアフ
ル信号を図示せぬ制御部に出力する。これにより、制御
部では、収納動作を停止させることなく、図示せぬ表示
部にニアフル状態にあることを表示させる。そして、
〔ステップSP1〕に戻る。これは、〔ステップSP
2〕,〔ステップSP3〕,〔ステップSP4〕,〔ス
テップSP6〕において、C≦B<Dであり、かつ光学
センサ23で小束21が検知されていないので、図3
(d)に例示する状態、すなわちニアフル状態であると
判定するのである。
【0036】〔ステップSP7〕判定手段14により、
計数値Bが第2基準数Cより小さければ、次にフル検知
手段12が収納部22内に集積される小束21の有無を
確認し、検知されていなければ〔ステップSP1〕に戻
り、検知していれば、〔ステップSP8〕に進む。
【0037】〔ステップSP8〕判定手段14では、異
常信号を図示せぬ制御部に出力する。
【0038】これは、〔ステップSP2〕において計数
値Bが第2集積数Cよりも小さいと判定された場合に
は、正常集積状態にあるか、あるいは図2(a)に例示
するように収納部22内に収納される小束21が異常集
積状態にあるかのいずれかである。よって〔ステップS
P7〕において、収納部22の上部に設けられたフル検
知手段12の光学センサ23により小束21が検知され
たか否かを判定し、検知された場合には図2(a)に例
示するように小束21が不要に立った状態で集積されて
いると判定できるため、〔ステップSP8〕で異常信号
を出力するのである。この異常信号の出力により、制御
部では、収納動作を停止させるとともに、図示せぬ表示
部に集積が異常状態にあることを表示させる。
【0039】このような構成の貨幣集積状態判定装置に
よれば、判定手段14が、フル検知手段12によりフル
検知信号が出力されかつ計数手段11による計数値Bが
第2基準数Cより小さい場合に、収納部22内で小束2
1が集積異常状態であると判定し、フル検知手段12に
よりフル検知信号が出力されかつ計数手段11による計
数値Bが第2基準数C以上である場合に、正常に集積さ
れた状態で収納部22内の小束21がフル状態にあると
判定することになる。よって、フル検知手段12による
検知とともに、計数値Bによる確認を行うため、収納部
22内の集積状況の判定がより確実となる。これによ
り、例えば、小束21が不要に立つことによりフル状態
となった場合には異常と判定され表示されることになる
ため、不要に立った小束21を除くことなく収納部22
を空の収納部22に交換してしまう等がなくなり、さら
なる小束21の集積が可能となって、集積効率を向上で
きる。
【0040】また、判定手段14が、フル検知手段12
によりフル検知信号が出力されずかつ計数手段11によ
る計数値Bが、第2基準数C以上で第1基準数Dより小
さい場合に、収納部22内の小束21がニアフル状態に
あると判定するため、フル状態の判定とともにニアフル
状態の判定を、検知手段を増やすことなく行うことがで
きる。
【0041】さらに、上述したように、第1基準数設定
手段16で収納する小束21の厚さに応じたレベルに設
定すると、設定手段18が、第1基準数設定手段16か
らのレベル信号に基づいて、収納部22内の底面22a
からフル検知手段12の光学センサ23の検知高さ位置
にかからない範囲の中で第1基準設定手段16の各レベ
ルにおける最大集積数である第1基準数Dを集積数記憶
手段17から読み出すとともに、第2基準設定手段19
が、設定手段18で設定された第1基準数Dの所定の集
積数目を第2基準数Cとして設定することになるため、
第1基準数Dおよび第2基準数Cの設定を容易かつ確実
に行うことができる。
【0042】なお、第1基準数Dと第2基準数Cとの差
を、例えば図2(b)に例示するように収納部22内で
小束21が立った場合に、該立った小束21の上端がフ
ル検知手段12の光学センサ23に検知されないやや下
方となる位置するとき、この立った小束21の下端に接
する小束21までの集積値より1つ多い集積値が第2基
準数Cとなるように、設定している。つまり、これは、
図2(a),(b)に例示するように、収納部22内で
小束21が立った状態で収納された場合、集積される小
束21の計数値Bが第2基準数Cより少ない状態では不
要に小束21が立った異常状態と判定し(図(a))、
計数値Bが第2基準数C以上であれば、正常状態に戻し
ても、図(b)に二点鎖線で示す位置まで既にある程度
多数の小束が集積されているため(この場合計数値Bが
第2基準数Cに等しい状態を小束21B,21Bで示
す)、フル状態(図(b))であると判定するように、
第2基準数Cが設定されることになり、これにより、効
率の高い収納動作を行うことができる。もちろん、小束
21が立った場合にはすべて異常と判定するように第2
基準数Cを上記に比して大きくしてもよい。
【0043】ここで、上記実施例に限定されることな
く、例えば、ニアフル状態を判定せずに、異常状態とフ
ル状態とを判定させるように構成することも可能であ
る。この場合は、判定手段14が、フル検知手段12に
よりフル検知信号が出力されかつ計数手段11による計
数値Bが所定の基準数より小さい場合に、収納部22内
で小束21が不要に立った状態で集積されたとして、収
納部22内の小束21が集積異常であると判定し、フル
検知手段12によりフル検知信号が出力されかつ計数手
段11による計数値Bが基準数以上である場合に、正常
に集積された状態で収納部22内の小束21がフル状態
にあると判定し、それ以外の場合は集積を続けるように
構成すればよい。
【0044】また、以上の実施例においては、貨幣とし
て紙幣の小束の集積状態を判定するものを例にとり説明
したが、これに限定されることなく、例えば従来から硬
貨入出金機、硬貨入金機等で用いられる円筒形をなす収
納筒に硬貨を収納する場合等、他の貨幣(硬貨、紙幣、
あるいは他の紙葉類の、単体またはこれを束状としたも
の等)に適用可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の貨幣集積状態判
定装置によれば、判定手段が、フル検知手段によりフル
検知信号が出力されかつ計数手段による計数値が基準設
定手段で設定された基準数より小さい場合に収納部内の
貨幣が集積異常であると判定し、フル検知手段によりフ
ル検知信号が出力されかつ計数手段による計数値が基準
数以上である場合に、収納部内の貨幣がフル状態にある
と判定することになる。よって、フル検知手段による検
知とともに、計数値による確認を行うため、収納部内の
集積状況の判定がより確実となる。これにより、例え
ば、貨幣が不要に立つことによりフル状態となった場合
には異常と判定されることになるため、貨幣を除くこと
なく収納部を空の収納部に交換してしまう等がなくな
り、さらなる貨幣の集積が可能となって、集積効率を向
上できる。
【0046】本発明の請求項2記載の貨幣集積状態判定
装置によれば、判定手段が、フル検知手段によりフル検
知信号が出力されかつ計数手段による計数値が基準設定
手段で設定された第2基準数より小さい場合に収納部内
の貨幣が集積異常であると判定し、フル検知手段により
フル検知信号が出力されずかつ計数手段による計数値
が、第2基準数より大きい第1基準数に達した場合およ
びフル検知手段によりフル検知信号が出力されかつ計数
手段による計数値が第2基準数以上である場合に、収納
部内の貨幣がフル状態にあると判定することになる。よ
って、フル検知手段による検知とともに、計数値による
確認を行うため、収納部内の集積状況の判定がより確実
となる。これにより、例えば、貨幣が不要に立つことに
よりフル状態となった場合には異常と判定されることに
なるため、貨幣を除くことなく収納部を空の収納部に交
換してしまう等がなくなり、さらなる貨幣の集積が可能
となって、集積効率を向上できる。さらに、フル検知手
段によりフル検知信号が出力されずかつ計数手段による
計数値が、第2基準数以上で第1基準数より小さい場合
に、収納部内の貨幣がニアフル状態にあると判定するた
め、フル状態の判定とともにニアフル状態の判定を、検
知手段を増やすことなく行うことができる。
【0047】本発明の請求項3記載の貨幣集積状態判定
装置によれば、請求項2記載のものに加えて、第1基準
数設定手段で収納する貨幣の厚さに応じたレベルに設定
すると、設定手段が、第1基準数設定手段からのレベル
信号に基づいて、収納部内の底面からフル検知手段の検
知高さ位置にかからない範囲の中で第1基準設定手段の
各レベルにおける最大集積数である第1基準数を集積数
記憶手段から読み出すとともに、第2基準設定手段が、
設定手段で設定された第1基準数の所定の集積数目を第
2基準数として設定することになる。したがって、上記
に加えて、第1基準数および第2基準数の設定を容易か
つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装置
の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装置
の種々の判定時の集積状態を示す状態図である。
【図3】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装置
の他の種々の判定時の集積状態を示す状態図である。
【図4】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装置
の集積状態判定条件を一覧にした図表である。
【図5】本発明の一実施例による貨幣集積状態判定装置
の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 計数手段 12 フル検知手段 13 基準設定手段 14 判定手段 16 第1基準設定手段 17 集積数記憶手段 18 設定手段 19 第2基準設定手段 21 小束 22 収納部 B 計数値 C 第2基準数 D 第1基準数

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貨幣を収納する収納部内の貨幣の集積状
    態を判定する貨幣集積状態判定装置において、 前記収納部に収納される貨幣を計数する計数手段と、 前記収納部の上部所定位置まで集積された貨幣を検知し
    てフル検知信号を出力するフル検知手段と、 前記収納部内に集積される貨幣の計数値の基準数を設定
    する基準設定手段と、 前記フル検知手段によりフル検知信号が出力されかつ前
    記計数手段による計数値が前記基準設定手段で設定され
    た基準数より小さい場合に収納部内の貨幣が集積異常で
    あると判定し、前記フル検知手段によりフル検知信号が
    出力されかつ前記計数手段による計数値が前記基準数以
    上である場合に、収納部内の貨幣がフル状態にあると判
    定する判定手段と、を具備することを特徴とする貨幣集
    積状態判定装置。
  2. 【請求項2】 貨幣を収納する収納部内の貨幣の集積状
    態を判定する貨幣集積状態判定装置において、 前記収納部に収納される貨幣を計数する計数手段と、 前記収納部の上部所定位置まで集積された貨幣を検知し
    てフル検知信号を出力するフル検知手段と、 前記収納部内に集積される貨幣の計数値の第1基準数お
    よび該第1基準数より小さい第2基準数を設定する基準
    設定手段と、 前記フル検知手段によりフル検知信号が出力されかつ前
    記計数手段による計数値が前記基準設定手段で設定され
    た第2基準数より小さい場合に収納部内の貨幣が集積異
    常であると判定し、また、前記フル検知手段によりフル
    検知信号が出力されずかつ前記計数手段による計数値が
    前記第2基準数以上で前記基準設定手段で設定された第
    1基準数より小さい場合に、収納部内の貨幣がニアフル
    状態にあると判定して、さらに、前記フル検知手段によ
    りフル検知信号が出力されずかつ前記計数手段による計
    数値が前記第1基準数に達した場合および前記フル検知
    手段によりフル検知信号が出力されかつ前記計数手段に
    よる計数値が前記第2基準数以上である場合に、収納部
    内の貨幣がフル状態にあると判定する判定手段と、を具
    備することを特徴とする貨幣集積状態判定装置。
  3. 【請求項3】 前記基準設定手段は、 貨幣の厚さを多段階のレベルに分割し、収納する貨幣の
    厚さに応じたレベルに設定するとレベル信号を出力する
    第1基準設定手段と、 前記収納部内の底面から前記フル検知手段の検知高さ位
    置にかからない範囲の中で前記第1基準設定手段の各レ
    ベルにおける最大集積数である第1基準数を記憶する集
    積数記憶手段と、 前記第1基準設定手段から出力されるレベル信号に基づ
    いて前記集積数記憶手段が記憶する第1基準数を設定す
    る設定手段と、 該設定手段で設定された第1基準数の所定の集積数目を
    第2基準数として設定する第2基準設定手段とを有する
    ことを特徴とする請求項2記載の貨幣集積状態判定装
    置。
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