JP2760052B2 - マイクロ波・ミリ波用磁性体組成物 - Google Patents
マイクロ波・ミリ波用磁性体組成物Info
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- JP2760052B2 JP2760052B2 JP1123565A JP12356589A JP2760052B2 JP 2760052 B2 JP2760052 B2 JP 2760052B2 JP 1123565 A JP1123565 A JP 1123565A JP 12356589 A JP12356589 A JP 12356589A JP 2760052 B2 JP2760052 B2 JP 2760052B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域に
おいて使用される磁性体組成物に関するものである。
おいて使用される磁性体組成物に関するものである。
<従来の技術> 従来、高周波用磁性体材料としては、Mn−Mgフェライ
ト、Ni−Znフェライト、YIGフェライト、リチウムフェ
ライトなどが用いられている。
ト、Ni−Znフェライト、YIGフェライト、リチウムフェ
ライトなどが用いられている。
これらは、飽和磁化(4πMs)の値が500〜4000ガウ
スを有する優れた材料である。
スを有する優れた材料である。
これらの中でも特にリチウムフェライトは4πMsが37
00ガウス程度と大きく、かつキュリー点(Tc)が650℃
付近の高い温度にあるため、4πMsの室温付近における
温度変化率が小さいので、高安定なアイソレータやサー
キュレータなどの回路素子に応用可能な材料である。
00ガウス程度と大きく、かつキュリー点(Tc)が650℃
付近の高い温度にあるため、4πMsの室温付近における
温度変化率が小さいので、高安定なアイソレータやサー
キュレータなどの回路素子に応用可能な材料である。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、リチウムフェライトは、強磁性共鳴吸
収半値幅(ΔH)や誘電損失(tan δe)等の損失が他
のマイクロ波・ミリ波用フェライトに比べて大きいとい
う欠点を有している。
収半値幅(ΔH)や誘電損失(tan δe)等の損失が他
のマイクロ波・ミリ波用フェライトに比べて大きいとい
う欠点を有している。
例えば、純粋なリチウムフェライトLi0.5Fe2.5O4はΔ
Hとtan δeが周波数10GH2で、それぞれ500エルステッ
ド以上、0.01以上と大きく、実際のマイクロ波・ミリ波
用回路素子には使用できない場合が多い。
Hとtan δeが周波数10GH2で、それぞれ500エルステッ
ド以上、0.01以上と大きく、実際のマイクロ波・ミリ波
用回路素子には使用できない場合が多い。
この発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもの
で、Li0.5Fe2.5O4の一部をTiで置換して4πMsを任意の
値に設定できるようにすると共に、V2O5を添加含有させ
てΔHとtan δeについて改善されたマイクロ波・ミリ
波用磁性体材料を提供することを目的としている。
で、Li0.5Fe2.5O4の一部をTiで置換して4πMsを任意の
値に設定できるようにすると共に、V2O5を添加含有させ
てΔHとtan δeについて改善されたマイクロ波・ミリ
波用磁性体材料を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために、この発明のマイクロ波・
ミリ波用磁性体組成物はLixFeyTizO0.5+y+1.5z(但
し、x+y+z=1)で表わされる組成において、x、
y、zがそれぞれ0.15≦x≦0.30、0.55≦y≦0.85、0
≦z≦0.30の範囲にある組成を主成分とし、これにV2O5
の形で表わした酸化バナジウムを0.01モル%以上、1.0
モル%以下添加したことを特徴としている。
ミリ波用磁性体組成物はLixFeyTizO0.5+y+1.5z(但
し、x+y+z=1)で表わされる組成において、x、
y、zがそれぞれ0.15≦x≦0.30、0.55≦y≦0.85、0
≦z≦0.30の範囲にある組成を主成分とし、これにV2O5
の形で表わした酸化バナジウムを0.01モル%以上、1.0
モル%以下添加したことを特徴としている。
<作用> この発明によれば、4πMsを700〜3700ガウスの範囲
で任意に設定でき、従って、その使用する周波数に最も
適した4πMsの値を有する材料を選択でき、Tcが高いゆ
えに室温付近での4πMsの温度変化率が小さく、さら
に、ΔHおよびtan δeが十分に小さい、マイクロ波・
ミリ波特性の良好な磁性体を得ることができる。
で任意に設定でき、従って、その使用する周波数に最も
適した4πMsの値を有する材料を選択でき、Tcが高いゆ
えに室温付近での4πMsの温度変化率が小さく、さら
に、ΔHおよびtan δeが十分に小さい、マイクロ波・
ミリ波特性の良好な磁性体を得ることができる。
上述したこの発明の目的、特徴、および利点につい
て、以下図面を参照して実施例により説明する。
て、以下図面を参照して実施例により説明する。
<実施例> まず、原料として、高純度のLi2CO3、Fe2O3、TiO2、
およびV2O5を準備した。これらの原料を第1表に示す組
成が得られるように秤量し、エチルアルコールの分散媒
に用いてボールミルで16時間湿式混合した。この混合物
を乾燥した後、850℃で2時間仮焼し、仮焼物を得た。
この仮焼物をエチルアルコールおよび有機バインダーと
共に、ボールミルに入れ、16時間湿式粉砕した。この粉
砕物を乾燥した後、50メッシュの網を通して造粒し、得
られた粉末を2000kg/cm2の圧力で3mm×3mm×20mmの角柱
に成形した。この成形物を1050〜1200℃で2時間焼成し
た後、機械加工により直径1.3mmの球および直径1.3mm、
長さ16mmの円柱のサンプルを得た。
およびV2O5を準備した。これらの原料を第1表に示す組
成が得られるように秤量し、エチルアルコールの分散媒
に用いてボールミルで16時間湿式混合した。この混合物
を乾燥した後、850℃で2時間仮焼し、仮焼物を得た。
この仮焼物をエチルアルコールおよび有機バインダーと
共に、ボールミルに入れ、16時間湿式粉砕した。この粉
砕物を乾燥した後、50メッシュの網を通して造粒し、得
られた粉末を2000kg/cm2の圧力で3mm×3mm×20mmの角柱
に成形した。この成形物を1050〜1200℃で2時間焼成し
た後、機械加工により直径1.3mmの球および直径1.3mm、
長さ16mmの円柱のサンプルを得た。
得られた球形サンプルについて、振動形磁力計を用い
て4πMsおよびTcを測定し、TE106空胴共振器中で10GHz
におけるΔHを測定した。
て4πMsおよびTcを測定し、TE106空胴共振器中で10GHz
におけるΔHを測定した。
また、円柱形サンプルについて、TMO10空胴共振器中
で攝動法を用いて10GHzにおけるε、tan δeを測定し
た。それらの結果を第1表に示す。
で攝動法を用いて10GHzにおけるε、tan δeを測定し
た。それらの結果を第1表に示す。
なお、第1表中※印はこの発明の範囲外であり、それ
以外はすべてこの発明の範囲内のものである。
以外はすべてこの発明の範囲内のものである。
さらに、第1表に示した実施例の結果を、LixFeyTizO
0.5+y+1.5zの組成比を表わす3成分組成図中に示し
た。この図面中の番号は、各試料番号を表わす。なお、
この図面において、発明の範囲内にある組成比を示す領
域は、頂点A、B、CおよびDを有する四角形で示され
ている。
0.5+y+1.5zの組成比を表わす3成分組成図中に示し
た。この図面中の番号は、各試料番号を表わす。なお、
この図面において、発明の範囲内にある組成比を示す領
域は、頂点A、B、CおよびDを有する四角形で示され
ている。
次に、この発明の組成範囲を限定した理由について説
明する。
明する。
試料番号1、6、11、16、21および26のように、V2O5
の添加量が0.1モル%以下のものは、ΔHおよびtan δ
eが大きくなり、実用に適さない。
の添加量が0.1モル%以下のものは、ΔHおよびtan δ
eが大きくなり、実用に適さない。
また、試料番号5、10、20、25および30のようにV2O5
の添加量が1.0モル%を越えるものはtan δeが大きく
なり好ましくない。
の添加量が1.0モル%を越えるものはtan δeが大きく
なり好ましくない。
試料番号31および32のように、xが0.15以下になる
と、ΔHおよびtan δeが大きくなり好ましくない。
と、ΔHおよびtan δeが大きくなり好ましくない。
試料番号33および34のように、yが0.55以下になると
ΔHおよびtan δeが大きく、かつTcが低くなり、従っ
て4πMsの温度変化率が大きくなり好ましくない。
ΔHおよびtan δeが大きく、かつTcが低くなり、従っ
て4πMsの温度変化率が大きくなり好ましくない。
試料番号35および36のように、xが0.3を越えると、
ΔHおよびtan δeが大きくなり好ましくない。
ΔHおよびtan δeが大きくなり好ましくない。
これに対して、この発明の磁性体組成物では十分に小
さいΔHとtan δeを有し、かつ高いTcを有している。
さらに、LixFeyTizO0.5+y+1.5zの化学式で表わされ
るx、y、およびzをこの発明の範囲内で適宜変化させ
ることによって、4πMsの値を700〜3700ガウスの間で
自由に選択することができ、従って、使用する周波数に
最も適した4πMsの値を得ることができるのである。
さいΔHとtan δeを有し、かつ高いTcを有している。
さらに、LixFeyTizO0.5+y+1.5zの化学式で表わされ
るx、y、およびzをこの発明の範囲内で適宜変化させ
ることによって、4πMsの値を700〜3700ガウスの間で
自由に選択することができ、従って、使用する周波数に
最も適した4πMsの値を得ることができるのである。
図面はこの発明にかかるマイクロ波・ミリ波用磁性体組
成物の、LixFeyTizO0.5+y+1.5zの組成比を表わす3
成分組成図である。
成物の、LixFeyTizO0.5+y+1.5zの組成比を表わす3
成分組成図である。
Claims (1)
- 【請求項1】LixFeyTizO0.5+y+1.5z(但し、
x+y+z=1)で表わされる組成において、x、y、
zがそれぞれ0.15≦x≦0.30、0.55≦y≦0.85、0≦z
≦0.30の範囲にある組成を主成分とし、これにV2O5の形
で表わした酸化バナジウムを0.01モル%以上、1.0モル
%以下添加含有してなるマイクロ波・ミリ波用磁性体組
成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1123565A JP2760052B2 (ja) | 1989-05-16 | 1989-05-16 | マイクロ波・ミリ波用磁性体組成物 |
US07/452,704 US5028348A (en) | 1988-12-19 | 1989-12-19 | Magnetic material for high frequencies |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1123565A JP2760052B2 (ja) | 1989-05-16 | 1989-05-16 | マイクロ波・ミリ波用磁性体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02302008A JPH02302008A (ja) | 1990-12-14 |
JP2760052B2 true JP2760052B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=14863731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1123565A Expired - Fee Related JP2760052B2 (ja) | 1988-12-19 | 1989-05-16 | マイクロ波・ミリ波用磁性体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2760052B2 (ja) |
-
1989
- 1989-05-16 JP JP1123565A patent/JP2760052B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02302008A (ja) | 1990-12-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |