JP2759853B2 - 水処理用凝集剤及びその製造方法 - Google Patents
水処理用凝集剤及びその製造方法Info
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Description
するための水処理用凝集剤及びその製造方法に関する。
人は、さきに特願昭61-276688号をもって、高重合度の
ケイ酸溶液を用いた安全でかつ不純物除去能力の高い水
処理用凝集剤を提案した。高重合ケイ酸溶液を用いた上
記の水処理用凝集剤は、凝集剤中に含まれる有効成分
(ケイ酸及び水中において水酸化物を形成しうる金属)
の濃度をより高くし、又は極限粘度のより高い高重合ケ
イ酸溶液を用いることによって、水中の不純物凝集能力
をさらに増大させることができる。また、凝集剤は水溶
液の状態で製造、運搬されるので、有効成分濃度を高く
することができれば、製造コスト、輸送コストを低減す
ることができる。これらの事情を考慮すると、実用上凝
集剤の有効成分濃度は、ケイ酸濃度(SiO2換算)におい
て8%程度(重量比)以上、金属塩添加後の全有効成分
濃度(SiO2+金属酸化物換算)において10%程度以上と
することが望ましい。
属の濃度を高くすると、ケイ酸溶液は極めてゲル化し易
くなることが屡々指摘されており、活性ケイ酸又は高重
合ケイ酸溶液の製造に際して、ケイ酸濃度(SiO2換算)
が8%程度以上になるように製造したり、これをそのま
ま保存、運搬したりする事例を見出すことはできない。
すなわち、ケイ酸濃度(SiO2換算)が8%程度以上であ
るような活性ケイ酸や高重合ケイ酸溶液の製造保存は、
実際には不可能であると思われていた。
重合ケイ酸溶液についても、その凝集能力をさらに高め
ようとして単純にケイ酸濃度を高くすると、凝集剤溶液
の保存期間を短縮する結果となる。すなわち、不純物凝
集能力のより一層の増大化やコスト低減と安定性の維持
とが、両立し難い結果となるおそれがあった。
用凝集剤についての上記の問題を解決し、高い極限粘度
と高いケイ酸濃度を有して不純物凝集効果が高いと共
に、高濃度における有効保存期間が極めて長い水処理用
凝集剤及びその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
は、上記の問題点を解決するための手段として、約8%
以上のSiO2濃度と約0.2(100ml/g)以上の極限粘度を
有し、かつアルカリ金属濃度を著しく低減した高重合ケ
イ酸溶液が用いられる。通常、活性ケイ酸や高重合ケイ
酸溶液の製造のためには、原料としてケイ酸ナトリウム
(水ガラス)、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸
塩が用いられ、これに、硫酸や炭酸ガス等を添加するこ
とによって製造される。この場合、添加物質による中和
反応でNa2SO4やNaHCO3等の可溶性の塩が生成し、このた
め、原料中のアルカリ金属(Na.K等)の存在に起因す
るアルカリ度は低下するが、溶液内におけるアルカリ金
属濃度そのものは変らない。
属処理を施してかつそれを高度に重合させ、それによっ
て、アルカリ金属濃度が著しく低減された高重合ケイ酸
溶液は、ケイ酸濃度や有効成分金属濃度が高い場合にお
いてもゲル化し難く、したがって、不純物凝集能力が高
いと共に保存性に富む凝集剤が得られることを知見し
た。
を通過させるとNa量が著しく低減されたケイ酸溶液が得
られる。この溶液にアルカリ剤を加えてpHを中性付近に
調整すると、溶液はいったん急速にゲル化する。しかし
このゲル状物をそのまま放置すると再び高粘度の溶液状
態(すなわち高重合状態のケイ酸溶液)に変化し、この
高粘度溶液は、ケイ酸濃度が高い状態のままで置いても
最早ゲル化することはなく、しかも高度の凝集能力を維
持していることが分った。後記の実施例によっても示さ
れるとおり、Na量を0.08%程度としたケイ酸溶液は、Si
O2濃度が約8.7%である状態のままで約1年6ケ月経過後
においてもゲル化せず、しかも良好な凝集能力を維持し
ている。
中のアルカリ金属の濃度は0.3%程度以下とすることが
望ましい。アルカリ金属濃度が高くなると、ゲル化した
まま凝集剤として用いることができない現象を示す等、
本発明所期の効果を良好に得ることができないからであ
る。また、ケイ酸溶液の重合の程度は、凝集効果の観点
から、前記特願昭61-276688号の発明におけると同じ程
度、すなわち極限粘度数を約0.2(100ml/g)以上(平
均分子量において約200000(g/mol)程度以上)とする
ことが望ましい。さらに、ケイ酸濃度は、前記のとお
り、凝集効果や保存輸送のコスト低減の観点から、SiO2
換算で8%程度以上とすることが望ましく、ロータリー
エバポレータ等の濃縮手段によって15%程度以上に濃縮
することも可能であり、このように高度に濃縮したケイ
酸溶液も、長期間の保存に堪えることができる。
中において水酸化物を形成しうる可溶性の金属塩として
は、特願昭61-276688号の明細書に記載したように各種
の金属の塩を用いることができるが、水中で第二鉄イオ
ンを生じる金属塩、例えば硝酸第二鉄、塩化第二鉄、硫
酸第二鉄等を用いることが望ましい。水中で第二鉄イオ
ンを生じる金属塩をケイ酸溶液に添加すると、凝集能力
を高めると共にケイ酸溶液のゲル化時間をさらに延長し
うることは、すでに本出願人の出願にかかる特願昭63-1
13665号の明細書に記載したとおりであり、このこと
は、本出願にかかるアルカリ金属濃度の低い高重合ケイ
酸溶液についても適用される。また、この目的のために
は、硝酸第二鉄を用いると特に好適であることが分っ
た。
前記のようなアルカリ金属ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム等)の溶液に脱アルカリ金属処理を
施して、アルカリ金属濃度を低減させる。通常、この脱
アルカリ金属処理は、上記のアルカリ金属ケイ酸塩溶液
を、イオン交換樹脂層中を通過させ、又はイオン交換樹
脂を添加攪拌した後にイオン交換樹脂を濾別することに
よって行う。これによって、ケイ酸溶液中のアルカリ金
属、例えば Na.K等が除去され、アルカリ金属濃度が著
しく低減された酸性のケイ酸溶液が得られる。次いで、
この酸性ケイ酸溶液に少量のアルカリ剤を添加してpH値
を中性付近に調整すると、溶液は急激に粘度を増してい
ったんゲル状態又は高粘稠状態のものとなるが、このゲ
ル状物又は高粘稠物は、時間の経過と共に再び流動化し
て液状となるので、その極限粘度数を約0.2(100ml/
g)以上のものに調整する。さらに、SiO2濃度が例えば
約8%以上の高濃度となるように調整し、これに、前記
の金属塩例えば硝酸第二鉄を加えて凝集剤とする。
中に、SiO2濃度を8.6%に調整した水ガラス3号品の水
溶液100gを注入し、マグネチックスターラで5分間攪拌
した。攪拌終了後にイオン交換樹脂を濾別して、濾液60
gを100mlビーカに入れた。濾液のナトリウム濃度は0.02
%であった。これをマグネチックスターラで攪拌しなが
らpH調整のためにlN-NaOHを2ml添加してpHを8.8とし
た。濾液はlN-NaOH添加後に急激に粘度を増して約30秒
後に完全にゲル化したが、このゲルを60℃の恒温槽中に
24時間静置したところ再び液状化した。このようにして
得られたケイ酸溶液のSiO2濃度は7.9%、ナトリウム濃
度は0.10%であった。また、その極限粘度及び平均分子
量を、ウベローデ粘度計及び限外濾過膜による分子量分
画法により測定したところ、極限粘度は0.29(100ml/
g)、平均分子量は約280,000(g/mol)であった。
入れたビーカ中に、ケイ酸濃度を9.0%に調整した水ガ
ラス3号品の水溶液100gを注入し、マグネチックスター
ラで5分間攪拌した。攪拌終了後にイオン交換樹脂をろ
別して、SiO2濃度9.0%、ナトリウム濃度0.01%のケイ
酸溶液90gを得た。これをマグネチックスターラで攪拌
しながらpH調整のためにlN-NaOHを3.0ml添加してpHを8.
8とした。ろ液はlN-NaOH添加後に急激に粘度を増して約
30秒後に完全にゲル化したが、このゲルを60℃の恒温槽
中に24時間静置したところ再び液状化した。このように
して調整した重合ケイ酸溶液を20℃の恒温槽中に18ケ月
間保存した。18ケ月保存後の重合ケイ酸溶液はSiO2濃度
8.7%、ナトリウム濃度0.084%で、極限粘度数は0.27
(100ml/g)、平均分子量は270,000(g/mol)であっ
た。
水ガラス3号品の水溶液2kgとH型陽イオン交換樹脂2k
gとを5リットルビーカに同時に投入し、攪拌機で5分
間攪拌した。攪拌終了後にイオン交換樹脂を濾別し、得
られた濾液1.8kg(ナトリウム濃度0.02%)を2リット
ルビーカに入れ、攪拌しつつlN-NaOHを60ml添加した。
濾液は約30秒後に完全にゲル化したが、これを60℃の恒
温槽中に移して24時間置いたところ再び液状となった。
これをロータリーエバポレータで約2.5倍に濃縮した。
(ロータリーエバポレータは、温度75℃、回転数40rp
m、圧力20〜150mmHgで操作した。)上記のようにして得
られた重合ケイ酸のSiO2濃度は18.8%、ナトリウム濃度
は0.26%であった。また、ウベローデ粘度計による極限
粘度は0.28(100ml/g)、限外濾過膜法による平均分子量
は約280,000(g/mol)であった。
内径5cmのアクリル製ろ過筒に充填した層高32cmの樹脂
層に、SiO2濃度を4.3%に調整した水ガラス3号品の水
溶液1kgをろ過速度2m/hrで通過せしめ、SiO2濃度4.3
%、ナトリウム濃度0.004%のろ液900gを得た。このろ
液をビーカに採り、マグネチックスターラで攪拌しなが
らpH調整のためにlN-NaOHを8ml添加してpHを7.7とし20
℃で放置したところ、徐々に粘度が上昇し13時間後には
ゲル化した。このゲルを60℃の恒温槽中に24時間静置し
たところ再び液状化した。この溶液をロータリーエバポ
レータで約2倍に濃縮した。(ロータリエバポレータ
は、温度75℃、回転数40rpm、圧力20〜150mmHgで操作し
た。)このようにして得られたケイ酸溶液のSiO2濃度は
8.6%、ナトリウム濃度は0.048%であった。また、その
極限粘度数をUbbelohde粘度計により測定した比粘度か
らHuggins式を用いて算出し、平均分子量を限外濾過膜
による分子量分画法により求めたところ、極限粘度は0.
23(100ml/g)、平均分子量は約260,000(g/mol)で
あった。
入れたビーカに、SiO2濃度を8.6%に調整したケイ酸カ
リウム水溶液500gを加え、マグネチックスターラで5分
間攪拌した。攪拌終了後、イオン交換樹脂を濾別し、得
られた濾液420gをビーカに採り、攪拌しながらlN-NaOH
を14ml添加したところ、急激に粘度を増して約30秒後に
完全にゲル化した。このゲルを60℃の恒温槽中に移して
24時間置いたところ再び液状となった。このケイ酸溶液
(SiO2濃度8.4%、カリウム濃度0.076%)の極限粘度は
約0.29(100ml/g)、平均分子量は280,000(g/mol)
であった。(測定方法は前記各実施例と同じである。)
酸溶液に金属塩として塩化第二鉄、硝酸第二鉄及び硫酸
第二鉄の3種を用い、それぞれについて、Si:Feのモル
比が3:1で、有効成分濃度( SiO2+Fe2O3) が 10.0%、
12.5%、15.0%及び17.5%の凝集剤を、次のように調製し
た。まず、実施例3で得られた重合ケイ酸溶液を 36.9
g、46.1g、55.3g及び64.6gづつ分取した4個のビーカの
各々に、塩化第二鉄 6.23g、7.79g、 9.36g及び10.9gを
それぞれ添加し、これらに蒸留水を加えて100gとし、4
つの凝集剤を調製した。
合ケイ酸溶液を分取したこのビーカに、硝酸第二鉄を1
5.5g、19.4g、23.3g及び27.2gをそれぞれ添加し、蒸留
水を加えて100gとした4つの凝集剤と、実施例4で調製
した重合ケイ酸を分取した4個のビーカに硫酸第二鉄を
10.7g、13.4g、16.1g及び 18.8g添加し、蒸留水を加え
て100gとした4つの凝集剤とを、それぞれ調製した。
酸溶液を3個のビーカに82.5gづつ分取し、各々に塩化
第二鉄6.23g、硝酸第二鉄15.5g、硫酸第二鉄10.7gをそ
れぞれ添加し、これに蒸留水を加えて100gとし、Si:Fe
のモル比が3:1で、有効成分濃度( SiO2+Fe2O3)が10.
0%の3種類の凝集剤を調製した。
合ケイ酸溶液を用いて、次のとおり有効成分濃度を10%
とした凝集剤を調製した。すなわち、SiO2濃度を11.0%
(SiO2として)に調整した水ガラス3号品の水溶液640g
を 5.4N−HCl 160ml中に攪拌しながら混入し、pH2.0、S
iO2濃度8.8%のケイ酸溶液800gを得た。このケイ酸溶液
を60℃の恒温槽中で30分間攪拌しながら重合し、極限
粘度0.30(100ml/g)、平均分子量350,000(g/mol)
の重合ケイ酸溶液を得た。この重合ケイ酸溶液を3個の
ビーカに78.8gづつ分取し、各々に塩化第二鉄6.23g、硝
酸第二鉄15.5g、硫酸第二鉄10.7g添加した。これらに蒸
留水を加えて100gとし、Si:Feのモル比が3:1で、有効
成分濃度(SiO2+Fe2O3) が 10.0%の3種類の凝集剤
を調製した。
参考例において調製した18種の凝集剤を、それぞれ60
℃及び20℃の恒温槽中に保存してゲル化時間の測定を行
った。その結果を(表1)に示す。
カリ金属処理を施さない高重合ケイ酸溶液を用いた凝集
剤は、有効成分濃度を10%に高めた場合におけるゲル化
時間が、常温において数時間ないし数十時間程度である
のに対し、脱アルカリ金属処理を施した高重合ケイ酸溶
液を用いた本発明による凝集剤は、有効成分濃度を10%
程度以上とした場合においても極めて良好な保存安定性
を示した。特に、併用する金属塩として塩化第二鉄又は
硝酸第二鉄を用いた場合においては、有効成分濃度が1
5.0〜17.5%という極めて高い領域においても、常温に
おいて約1000時間ないし12000時間もゲル化することな
く、安定した状態で保存することができた。併用金属塩
として硫酸第二鉄を用いたものも、有効成分濃度10%程
度であれば1000時間以上の保存に堪えられることが分か
る。
確認するため、(表1)の試験番号1ないし15の凝集剤
についてジャーテストを実施した。すなわち、蒸留水に
カオリンおよび炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて
濁度100度、アルカリ度60mg/l(CaCO3として)、pH7.5
に調整した濁水を試験対象水とし、これに上記15種の凝
集剤を注入攪拌した。凝集剤注入率はFeとして2.0mg/
lで、攪拌条件は120rpm、3分の後、30rpm、7分とし
た。攪拌開始からフロックが出現するまでの時間と形成
フロック粒径および攪拌終了5分後の上澄水濁度を測定
した。結果を(表2)に示す。
の凝集剤は、フロック出現時間、フロック粒径及び上澄
水濁度のいずれかの観点からしても、極めて良好な凝集
能力を示すことが確認された。
貯蔵後の重合ケイ酸を79.7g分取した100mlビーカーに塩
化第二鉄(FeCl3・6H2O)を10.4g添加し、蒸留水で100g
として、Si:Feのモル比が3:1で、有効成分濃度(SiO2+F
e2O3)が 10%の凝集剤を調製した。この凝集剤の凝集効
果をジャーテストにより検討した。蒸留水にカオリン及
び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて濁度100度、
アルカリ度60mg/1(CaCo3として)とし、pH7.5に調整
した濁水を試験対象水とした。凝集剤注入率はFeとして
2.0mg/lで、攪拌条件は120rpm、3分後、30rpm、7分
とした。攪拌開始からフロックが出現するまでの時間と
形成フロック粒径及び攪拌終了5分後の上澄濁度を測定
した。結果は次のとおりであった。 フロック出現時間・・・・30(sec)、フロック粒径・・・・2.0〜
5.0(mm)、上澄水濁度・・・0.6(度)。 この凝集剤、すなわち18ケ月貯蔵保存したケイ酸溶液を
用いた凝集剤も、フロック出現時間、フロック粒径およ
び上澄水濁度のいずれかの観点からしても、極めて良好
な凝集効果を有することが確認できた。
おいて、pH調整のためにアルカリ剤を添加することな
く、脱アルカリ金属処理を行ったままの状態でゲル化及
び再溶液化を行ったものについての凝集効果を確認する
ため、次の試験を行った。H型陽イオン交換樹脂50gを入
れたビーカ中に、ケイ酸濃度を8.6%に調整した水ガラ
ス3号品の水溶液100gを注入し、マグネチックスターラ
で5分間攪拌した。は0.14%(モル濃度では0.061mol/
l、モル比では0.042)、pH9.3のケイ酸溶液90gを得た。
このケイ酸溶液は20℃の室温で約10分後にゲル化した。
このゲルを60℃の恒温槽中に移して24時間置いたところ
再び液状化した。このようにして調製した重合ケイ酸溶
液の極限粘度は約0.23(100ml/g)、平均分子量は240,
000(g/mol)であった。
カに、塩化第二鉄(FeCl3・6H2O)を10.4g添加し、蒸留
水で100gとして、Si:Feのモル比が3:1で、有効成分濃度
(SiO2+Fe2O3)が 10%の凝集剤を調製した。この凝集剤
の凝集効果をジャーテストにより検討した。蒸留水にカ
オリン及び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて濁度
100度、アルカリ度60mg/1(CaCo3として)とし、pH7.5
に調整した濁水を試験対象水とした。凝集剤注入率はFe
として2.0mg/lで、攪拌条件は120rpm、3分後、30rp
m、7分とした。攪拌開始からフロックが出現するまで
の時間と形成フロック粒径及び攪拌終了5分後の上澄濁
度を測定した。結果は次のとおりであった。 フロック出現時間・・・・30(sec)、フロック粒径・・・・2.0〜
5.0(mm)、上澄水濁度・・・・0.8(度)。 前記のように調製した凝集剤も、フロック出現時間、フ
ロック粒径および上澄水濁度のいずれかの観点からして
も、極めて良好な凝集効果を有することが確認できた。
ルカリ金属濃度の相違による溶液の性状変化を確認する
ため、次の試験を行った。SiO2濃度を9.0%に調整した
水ガラス3号品水溶液2kgをH型陽イオン交換樹脂3kg
を入れた5リットルビーカに注ぎ、攪拌器で5分間攪拌
して脱ナトリウム処理した後、イオン交換樹脂をろ別し
て SiO2 濃度9.0%、ナトリウム 濃度0.01%のケイ酸
溶液1.8Kgを得た。このケイ酸溶液150gずつを11個の200
mlビーカに分取し、それぞれに所定の水酸化ナトリウム
溶液を加えてNa濃度を調整し、そのpH、シリカ濃度及び
ナトリウム濃度を測定した。これを室温(20℃)で放置
し、ゲル化したものをさらに60℃の恒温槽中に移して24
時間保持した。24時間経過後に溶液状になっているもの
の極限粘度数及び分子量を測定した。その結果を(表
3)に示す。
が0.3%程度を超えるものは、上記条件の本発明の実施
に必要な再溶液化を行うことができなかった。
施してアルカリ金属濃度が著しく低減され、かつSiO2
濃度の高い高重合ケイ酸を用いることにより、高重合ケ
イ酸溶液を用いる水処理用凝集剤の凝集能力、保存安定
性をさらに高めることができ、また、製造コストや輸送
コストを低減することができる。また、本発明の製造方
法によれば、上記のように凝集能力と保存安定性の高い
水処理用凝集剤を、通常の水ガラスやケイ酸カリウムを
原料として容易に製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
カリ金属処理を施した後、これをゲル化させてから再び
液状化させることによって得られた、約0.2(100
ml/g)以上の極限粘度と、約8%以上のSiO 2 濃
度と、約0.3%以下のアルカリ金属濃度とを有する高
重合ケイ酸溶液を含むことを特徴とする、水処理用凝集
剤。 - 【請求項2】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
カリ金属処理を施した後、これをゲル化させてから再び
液状化させることによって得られた、約0.2(100
ml/g)以上の極限粘度と、約8%以上のSiO 2 濃
度と、約0.3%以下のアルカリ金属濃度とを有する高
重合ケイ酸溶液と、水中において水酸化物を形成しうる
金属の可溶性塩とを含むことを特徴とする、水処理用凝
集剤。 - 【請求項3】 水中において水酸化物を形成しうる金属
の可溶性塩が、硝酸第二鉄、塩化第二鉄又は硫酸第二鉄
である、請求項2記載の水処理用凝集剤。 - 【請求項4】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
カリ金属処理を施し、これを重合処理によってゲル状態
のものとした後に再び液状化させることによって、約
0.2(100ml/g)以上の極限粘度を有する高重
合ケイ酸溶液とすることを特徴とする、水処理用凝集剤
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の製造方法によって高重合
ケイ酸溶液を得た後、これに、水中において水酸化物を
形成しうる金属の可溶性塩を添加することを特徴とす
る、水処理用凝集剤の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274881A JP2759853B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-09-27 | 水処理用凝集剤及びその製造方法 |
FI924288A FI105181B (fi) | 1991-09-27 | 1992-09-24 | Flokkulantti veden käsittelyä varten ja menetelmä sen valmistamiseksi |
Applications Claiming Priority (3)
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JP26059190 | 1990-10-01 | ||
JP3274881A JP2759853B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-09-27 | 水処理用凝集剤及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04363104A JPH04363104A (ja) | 1992-12-16 |
JP2759853B2 true JP2759853B2 (ja) | 1998-05-28 |
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ID=26544670
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JP3274881A Expired - Lifetime JP2759853B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-09-27 | 水処理用凝集剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2759853B2 (ja) |
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US7666916B2 (en) | 2003-07-25 | 2010-02-23 | Keiichiro Asaoka | Flocculant, manufacturing method therefor, and flocculation method using the flocculant |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1991-09-27 JP JP3274881A patent/JP2759853B2/ja not_active Expired - Lifetime
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