JP2758436B2

JP2758436B2 - ヘッド支持装置

Info

Publication number: JP2758436B2
Application number: JP1113220A
Authority: JP
Inventors: 幹男松崎
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1989-05-03
Filing date: 1989-05-03
Publication date: 1998-05-28
Anticipated expiration: 2013-05-28
Also published as: US5124864A; JPH02292784A

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は、磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置に関
し、可撓体、ヘッド支持腕及びヘッド押え腕を含んでい
て、可撓体は高分子樹脂を用いて形成し、ヘッド支持腕
は一対備えられていて互いに間隔を隔てて可撓体に取付
け、ヘッド押え腕は一端部がヘッド支持腕間に位置する
ように可撓体に取付けることにより、磁気ヘッドを小型
化して、高密度記録及びアクセス運動の高速化を達成す
る場合に、簡単な構成で、動圧と支持バネ圧との間の適
正なバランスを保ち、フライト姿勢を良好に保ち、安定
な浮上特性が得られるヘッド支持装置を提供できるよう
にしたものである。

〈従来の技術〉この種のヘッド支持装置において、薄膜磁気ヘッドが
磁気ディスク面を一定の間隔をおいて近接して追従し得
るようにするためには、磁気ヘッドが第１軸に関してピ
ッチ運動を行ない、第１軸と直交する第２軸に関してロ
ール運動を行なうようにすること、偏揺れを除去するこ
と等が要求される。このようなヘッド支持装置は、特公
昭58-22827号公報や特開昭61-93868号公報等で公知であ
る。

これらの先行技術で開示されたヘッド支持体の一般的
な構造は、弾性バネ部及びこの弾性バネ部に連続する剛
性ビーム部を有する支持体を、ステンレス等の弾性金属
板で形成すると共に、この支持体の自由端に、同じくス
テンレスの弾性金属板でなる可撓体を取付け、可撓体の
上面または支持体の自由端付近の下面の何れか一方に設
けられた荷重用突起により、支持体の自由端から可撓体
へ荷重力を伝えるようにし、スライダに読み書き素子を
担持させた薄膜磁気ヘッドを、可撓体の下面に取付けた
構造となっていた。

〈発明が解決しようとする課題〉この種のヘッド支持装置において、磁気記録の高密度
化及び高速化に対応するため、磁気ヘッドが、益々、小
型化される傾向にある。小型化は、高密度記録を達成す
るのに必要な浮上量減少及びスペーシングロス低下に有
効である上に、ヘッド支持体との組合せにおいて、共振
周波数を高め、クラッシュ防止及び耐久性向上に効果が
あり、しかも、動圧と支持バネ圧との間の適正なバラン
スを保ち、フライト姿勢を良好に保ち、安定な浮上特性
が得られるからである。更に、小型化によるヘッドの質
量減少は、アクセス運動の高速化をもたらす。

しかしながら、従来のヘッド支持装置には、次のよう
な問題点があった。

（イ）低浮上量を達成する場合、磁気ヘッドを構成する
スライダの浮上面の面積を狭くして、揚力動圧を減少さ
せる必要がある。ところが、従来は、可撓体をステンレ
ス等の弾性金属板で構成していたため、低浮上量を実現
しようとすると、スライダに発生する揚力動圧に比し
て、可撓体のバネ性が強すぎ、両者のバランスをとるこ
とが困難で、安定した姿勢制御作用が得られにくくな
る。

（ロ）可撓体のバネ性と揚力動圧とのバランスをとるた
めには、上記各公報に開示されているように、可撓体を
複雑な形状、構造にする必要がある。ところが、可撓体
はステンレス等の弾性金属板で構成されており、複雑な
構造に加工することが困難である。特に、低浮上量を達
成するため、磁気ヘッドを構成するスライダを小型化し
た場合、可撓体も小さくしなければならず、加工が益々
困難になる。

そこで、本発明の課題は、上述する従来の問題を解決
し、磁気ヘッドを小型化して、高密度記録及びアクセス
運動の高速化を達成する場合に、簡単な構成で、動圧と
支持バネ圧との間の適正なバランスを保ち、フライト姿
勢を良好に保ち、安定な浮上特性が得られるヘッド支持
装置を提供することである。

〈課題を解決するための手段〉上述する従来の問題点を解決するため、本発明は、磁
気ヘッドを支持するヘッド支持装置であって、可撓体、
ヘッド支持腕及びヘッド押え腕を含み、前記可撓体は、高分子樹脂を用いて板状に形成されて
おり、前記ヘッド支持腕は、一対備えられていて、それぞれ
は、互いに間隔を隔てて前記可撓体に取付けられてお
り、前記ヘッド押え腕は、一端部が前記ヘッド支持腕間に
位置するように、前記可撓体に取付けられていることを特徴とする。

〈作用〉一対のヘッド支持腕は、互いに間隔を隔てて可撓体に
取付けられているから、ヘッド支持腕間に磁気ヘッドを
配置して支持し、磁気ヘッドにとって必要なピッチ運動
及びロール運動を確保できる。しかも、ヘッド押え腕
は、一端部がヘッド支持腕間に位置するように、可撓体
に取付けられているから、ヘッド支持腕間に配置された
磁気ヘッドに対して、押え片により荷重を加えることが
できる。従って、磁気ディスクとの間での磁気記録再生
に必要なピッチ運動、ロール運動及び荷重を確保し得る
ヘッド支持装置を簡単な構成で実現できる。

また、可撓体は、高分子樹脂で構成されているから、
ステンレス等の弾性金属板に比較して、バネ性が弱く、
ひねり、伸びの自由度が高くなる。このため、磁気ヘッ
ドを小型化して浮上量を低減させ、磁気記録の高密度
化、高速化を図った場合にも、スライダに発生する揚力
動圧と可撓体のバネ性とのバランスをとり、安定した姿
勢制御作用が得られるようになる。

更に、可撓体を高分子樹脂で構成することにより、加
工が容易になる。しかも、高分子樹脂のひねり及び伸び
の自由度が高いことを利用して、可撓体の形状、構造を
簡単化し、加工及び組立を容易化できるようになる。

〈実施例〉第１図は本発明に係るヘッド支持装置の斜視図であ
る。図において、１は可撓体、２、３はヘッド支持腕、
４はヘッド押え腕、５は取付片である。

可撓体１は、絶縁材料である高分子樹脂によって板状
に形成してある。可撓体１を構成する高分子樹脂として
は、繰返し曲げ性に耐え得る機械的強度を有し、適度の
バネ性、ひねり及び伸びを示す高分子材料、例えばポリ
イミド樹脂等が適している。可撓体１の一端側には磁気
ヘッドを配置する孔101が設けられている。

可撓体１は、ポリイミド樹脂等の高分子樹脂で構成さ
れているので、従来のステンレス等の弾性金属板に比較
して、バネ性が弱く、ひねり、伸びの自由度の高い可撓
体１が得られる。従って、磁気ヘッドを小型化して浮上
量を低減させ、磁気記録の高密度化を図った場合にも、
スライダに発生する揚力動圧と可撓体１のバネ性とのバ
ランスをとり、安定した姿勢制御作用が得られるように
なる。また、可撓体１を高分子樹脂で構成したので、加
工が容易になる。

ヘッド支持腕２、３は、第３図に示すように、可撓体
１の内部に一体的に埋設してあって、孔101内において
互いに間隔を隔てて対向するように、両端部が可撓体１
に取付けられている。実施例において、ヘッド支持腕
２、３は、導体によって構成されている。従って、磁気
ヘッドのためのリード線として兼用され、他端部21、31
側は、磁気ディスク装置へ接続できるよう、可撓体１の
外部に導出されている。

可撓体１の他端部側には、金属等の剛性部材でなる取
付片５が接着等の手段によって一体的に取付けられてい
る。ヘッド押え腕４は、この取付片５から可撓体１の表
面上を通って孔101内まで伸び、その端部41が孔101内に
位置するヘッド支持腕２−３間に位置している。実施例
とは異なって、ヘッド押え腕４を取付片５から独立させ
て、可撓体１に単独に取付けてもよい。また、ヘッド押
え腕４の先端部41は、第４図に示すように、突起を有す
る構造、第５図に示すように、断面円形状とした構造、
更には図示はしていないけれども、断面矩形状等の構造
とすることができる。

第２図は本発明に係るヘッド支持装置の別の実施例を
示している。この実施例では、ヘッド支持腕２、３を、
可撓体１の長さ方向と直交する幅方向に配置してある。
他の構成は第１図の実施例と同様である。

本発明に係るヘッド支持装置によって支持されるべき
磁気ヘッドには特別の制限はない。これまで知られ、こ
れから提案される磁気ヘッドについて、広く適用でき
る。その具体例を以下に説明する。第６図は、第１図に
示したヘッド支持装置に薄膜磁気ヘッドを組合せた例を
示し、第７図は第２図に示したヘッド支持装置に同様の
薄膜磁気ヘッドを組合せた例を示している。図におい
て、６は薄膜磁気ヘッドである。薄膜磁気ヘッド６は、
スライダ61の端面に薄膜でなる読み書き素子62を付着さ
せた構造となっている。ヘッド支持装置と磁気ヘッド６
との組合せにおいて、スライダ61の両側面611、612にヘ
ッド支持腕２、３を接着等の手段によって取付けると共
に、スライダ61の上面613に、ヘッド押え腕４の先端部4
1を接触させてある。ヘッド押え腕４の先端部41はスラ
イダ61の上面613にバネ接触しており、薄膜磁気ヘッド
６はヘッド押え腕４から下向きの荷重を受けている。薄
膜磁気ヘッド６の向きは、第６図の場合は、可撓体１の
長さ方向となり、第７図の場合には、可撓体１の長さ方
向と直交する幅方向となる。614は浮上面である。

また、ヘッド押え腕４の先端部41が、第４図に示した
ような突起を有する場合には、第８図に示すように、突
起41が薄膜磁気ヘッド６のスライダ61の上面613に点状
に接触し、第５図に示したような断面円形状をした場合
には、第９図に示すように、線状接触となる。

第10図は第１図に示した本発明に係るヘッド支持装置
と磁気ディスクとの関係を示す平面図で、７は磁気ディ
スク、８は本発明に係るヘッド支持装置、９は位置決め
機構である。磁気ディスク７は、図示しない回転駆動機
構により、矢印ａの方向に回転駆動される。ヘッド支持
装置８は、位置決め機構９により、薄膜磁気ヘッド６が
磁気ディスク７の回転直径O₁上で、矢印b₁またはb₂の方
向に円運動するように、回転駆動さる。これにより、所
定のトラックにおいて、磁気ディスク７への書き込み及
び磁気ディスク７からの読み出しが行なわれる。

第11図は第２図に示したヘッド支持装置と磁気ディス
クとの関係を示す図で、薄膜磁気ヘッド６が磁気ディス
ク７の回転直径O₁上で、回転直径O₁と平行する矢印b₁ま
たはb₂の方向に直線的に移動するように駆動される。

次に、本発明に係るヘッド支持装置との組合せに適し
た薄膜磁気ヘッドの具体例について説明する。第12図は
薄膜磁気ヘッドの拡大斜視図で、スライダ61は磁気記録
媒体と対向する浮上面614が、レール部及び揚力発生用
テーパ面を持たない平面状となっている。空気流出及び
流入端となる端縁（イ）、（ロ）は、コンタクト．スタ
ート時における磁気ディスクの表面との引掛りをなくす
ため、弧状に形成するのが望ましい。他の端縁（ハ）、
（ニ）も弧状に形成できる。スライダ61は、Al₂O₃・TiC
である基体上にアルミナ等でなる絶縁膜を被着させてあ
り、絶縁膜の上に読み書き素子62を形成してある。

読み書き素子62は、磁気記録媒体との組合せにおい
て、空気流出端部側となる端面に付着させてある。実施
例において、読み書き素子62は１個であり、幅方向の略
中間部に配置されている。そして、読み書き素子62の取
出電極621、622を、スライダ61の相対する両側端面61
1、612に導出してある。スライダ61の両側端面611、612
には、取出電極621、622上を通る凹溝63、64を、その全
長にわたって条状に設けてある。

第13図は読み書き素子62の構成を示す斜視図である。
図において、623は下部磁性膜、624はアルミナ等でなる
ギャップ膜、625は上部磁性膜、626は導体コイル膜、62
7はノボラック樹脂等の有機樹脂で構成された絶縁膜、6
28、629はリード電極である。

下部磁性膜623及び上部磁性膜625の先端部は、微小厚
みのギャップ膜624を隔てて対向するポール部となって
おり、ポール部において読み書きを行なう。下部磁性膜
623及び上部磁性膜625は、ポール部とは反対側を互いに
結合させてあり、この結合部の回りを渦巻状にまわるよ
うに、導体コイル膜626を形成してある。

リード電極628、629は、一端側が導体コイル膜626の
両端にそれぞれ導通接続されており、他端側に取出電極
621、622が形成されている。

取出電極621、622は、スライダ61の両側端面611、612
に露出させてある。この取出電極621、622は、両側端面
611、612に露出する端面の面積がヘッド支持腕接続に必
要な面積となるように、メッキ膜として形成する。具体
的には、幅d₁が100〜250μｍ程度、高さh₁が50μｍ程度
である。

取出電極621、622は、保護膜630によって覆われてい
る。従来、リード線ボンディングのために保護膜630の
表面を研磨して取出電極の電極表面を露出させる必要が
あったが、このような研磨工程が不要であり、工程が簡
略化できる。

ヘッド支持装置との組合せにおいては、孔101内にお
いてヘッド支持腕２−３間に磁気ヘッド６を配置し、ヘ
ッド支持腕２、３のそれぞれを、磁気ヘッド６の両側端
面に露出させた取出電極621、622のそれぞれに、半田付
け等の手段によって接続する。実施例において、スライ
ダ61の両側端面611、612に、取出電極621、622上を通る
凹溝63、64を、その全長にわたって条状に設けてあるの
で、ヘッド支持腕２、３は凹溝63、64内に位置決めさ
れ、取出電極621、622に接続される。このため、薄膜磁
気ヘッド６に対するヘッド支持腕２、３の位置決め及び
電気的、機械的接続の信頼性が高くなる。

また、読み書き素子62の取出電極621、622を、スライ
ダ61の両側端面611、612に導出してあるので、取出電極
621、622を読み書き素子62の付着されている端面に設け
る従来技術と異なって、読み書き素子62を付着させる端
面の幅を縮小して、面積を小さくし、薄膜磁気ヘッド全
体を小型化できる。具体的には、スライダ61の大きさ
を、浮上面614から反対側の対向面までの厚みが0.66mm
以下、空気流出方向の長さが0.6mm〜2mm、空気流出方向
と直交する方向の幅が0.6mm〜2mm程度となるように小型
化できる。

上述のように小型化した場合でも、凹溝63、64を設け
てあるので、リード線として兼用されているヘッド支持
腕２、３を凹溝63、64内に嵌め込み、取出電極621、622
に対して確実に、かつ、安定に接続することができる。

更に、取出電極621、622を導出した側端面611、612
は、製造工程において、ウエハーから薄膜磁気ヘッド単
体を切断して取り出す時の切断面となるので、切断加工
と同時に、取出電極621、622を、両側端面611、621に露
出させることができる。

上記実施例では、面内記録再生用の磁気ヘッドを示し
たが、垂直磁気記録再生用の磁気ヘッドにも、本発明は
適用できる。また、浮上面にレール部や揚力発生用テー
パ部を有する磁気ヘッドであってもよい。

〈発明の効果〉以上述べたように、本発明によれば、次のような効果
が得られる。

（ａ）可撓体は、高分子樹脂で構成したから、可撓体の
ひねり、伸びの自由度が高く、磁気ヘッドを小型化して
浮上量を低減させ、磁気記録の高密度化を図った場合に
も、スライダに発生する揚力動圧と可撓体のバネ性との
バランスをとり、安定した姿勢制御作用が得られるヘッ
ド支持装置を提供できる。

（ｂ）可撓体を高分子樹脂で構成したから、可撓体の加
工及び組立の容易なヘッド支持装置を提供できる。

（ｃ）ヘッド支持腕は一対備えられていて、それぞれ
は、互いに間隔を隔てて可撓体に取付けられており、ヘ
ッド押え腕は一端部がヘッド支持腕間に位置するよう
に、可撓体に取付けられているから、磁気ディスクとの
間での磁気記録再生に必要なピッチ運動、ロール運動及
び荷重作用を確保し得るヘッド支持装置を簡単な構成で
実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るヘッド支持装置の斜視図、第２図
は本発明に係るヘッド支持装置の別の実施例における斜
視図、第３図は第１図A₁-A₁線上における断面図、第４
図は第１図A₂-A₂線上における断面図、第５図は同じく
別の実施例における第１図A₂-A₂線上における断面図、
第６図は第１図に示したヘッド支持装置に薄膜磁気ヘッ
ドを組合せた斜視図、第７図は第２図に示したヘッド支
持装置に薄膜磁気ヘッドを組合せた斜視図、第８図は第
６図における要部の部分断面図、第９図は第７図におけ
る要部の部分断面図、第10図は第１図に示した本発明に
係るヘッド支持装置と磁気ディスクとの関係を示す平面
図、第11図は第２図に示したヘッド支持装置と磁気ディ
スクとの関係を示す平面図、第12図は本発明に係るヘッ
ド支持装置に組合せるのに適した薄膜磁気ヘッドの斜視
図、第13図は同じくその読み書き素子部分の斜視図であ
る。１……可撓体２、３……ヘッド支持腕４……ヘッド押え腕

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置であ
って、可撓体、ヘッド支持腕及びヘッド押え腕を含み、前記可撓体は、高分子樹脂を用いて板状に形成されてお
り、前記ヘッド支持腕は、一対備えられていて、それぞれ
は、互いに間隔を隔てて前記可撓体に取付けられてお
り、前記ヘッド押え腕は、一端部が前記ヘッド支持腕間に位
置するように、前記可撓体に取付けられていることを特徴とするヘッド支持装置。