JP2757882B2 - 輝尽性蛍光体 - Google Patents
輝尽性蛍光体Info
- Publication number
- JP2757882B2 JP2757882B2 JP19044290A JP19044290A JP2757882B2 JP 2757882 B2 JP2757882 B2 JP 2757882B2 JP 19044290 A JP19044290 A JP 19044290A JP 19044290 A JP19044290 A JP 19044290A JP 2757882 B2 JP2757882 B2 JP 2757882B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stimulable phosphor
- phosphor
- stimulable
- bacl
- aeu
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
- Luminescent Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔概要〕 輝尽性蛍光体に関し、 670nm付近の短波長での励起効率を向上させることを
目的とし、 組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは0<a≦0.2なる条件を満たす数値であ
る) で表される蛍光体により構成する。
目的とし、 組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは0<a≦0.2なる条件を満たす数値であ
る) で表される蛍光体により構成する。
本発明は、輝尽性蛍光体、その製造および使用に関す
る。
る。
従来の医療用X線写真(蛍光スクリーンフィルム)に
代わって、新しいデジタルラジオグラフィーシステムの
開発が進められ、利用され始めている。そのシステムの
センサ部分には、輝尽性蛍光体を塗布したイメージング
プレートが用いられている。このような方法に関して
は、基本的な方法として、米国特許第3,859,527に詳し
く述べられている。
代わって、新しいデジタルラジオグラフィーシステムの
開発が進められ、利用され始めている。そのシステムの
センサ部分には、輝尽性蛍光体を塗布したイメージング
プレートが用いられている。このような方法に関して
は、基本的な方法として、米国特許第3,859,527に詳し
く述べられている。
X線を照射されたイメージングプレートは、赤または
赤外のレーザで走査される。そのときに得られる輝尽発
光を光電子増倍管で電気信号に変換する。この電気信号
を画像処理してX線写真が得られる。蛍光体の輝尽発光
効率を高くすると、さらに、高い分解能が得られ、しか
も被曝線量を軽減することもできる。
赤外のレーザで走査される。そのときに得られる輝尽発
光を光電子増倍管で電気信号に変換する。この電気信号
を画像処理してX線写真が得られる。蛍光体の輝尽発光
効率を高くすると、さらに、高い分解能が得られ、しか
も被曝線量を軽減することもできる。
輝尽性蛍光体としてBaClBr:Eu2+等が知られている。B
aClBr:Eu2+の発光効率を上げるため、例えば、特開昭61
−120882では、NaCl等の添加物を用いることが提案され
ている。これは、フォトルミネッセンスの効率を上げる
ものである。しかし、670nm付近の励起波長をもって高
い輝尽発光効率を得ることのできる輝尽性蛍光体は知ら
れていない。
aClBr:Eu2+の発光効率を上げるため、例えば、特開昭61
−120882では、NaCl等の添加物を用いることが提案され
ている。これは、フォトルミネッセンスの効率を上げる
ものである。しかし、670nm付近の励起波長をもって高
い輝尽発光効率を得ることのできる輝尽性蛍光体は知ら
れていない。
輝尽発光強度は、輝尽性蛍光体の特性に依存する。輝
尽発光を生じさせるために照射する赤ないし赤外波長の
光には、レーザを使用する。現在入手できるこの波長帯
のレーザとしては、半導体レーザが小型かつ高出力のた
め有利であるが、発振波長670nmが得られる最短波長で
ある。しかして、従来知られている輝尽性蛍光体では、
670nm付近の波長での励起効率は低いという問題があっ
た。
尽発光を生じさせるために照射する赤ないし赤外波長の
光には、レーザを使用する。現在入手できるこの波長帯
のレーザとしては、半導体レーザが小型かつ高出力のた
め有利であるが、発振波長670nmが得られる最短波長で
ある。しかして、従来知られている輝尽性蛍光体では、
670nm付近の波長での励起効率は低いという問題があっ
た。
本発明は、従って、670nm付近の励起波長での発光効
率が高く、医療診断を目的とするX線写真撮影に用いた
場合に人体の被曝線量を低減させることのできる輝尽性
蛍光体を提供しようとするものである。
率が高く、医療診断を目的とするX線写真撮影に用いた
場合に人体の被曝線量を低減させることのできる輝尽性
蛍光体を提供しようとするものである。
本発明によれば、上記課題を解決するため、組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは0<a≦0.2なる条件を満たす数値であ
る) で表される輝尽性蛍光体が提供される。
る) で表される輝尽性蛍光体が提供される。
本発明の蛍光体において、aが大きすぎると感度が低
くなり、実用的ではない。
くなり、実用的ではない。
本発明の輝尽性蛍光体であるBaCl2:aEuは、X線の検
出とメモリの2つの機能をもった蛍光体である。X線ま
たは紫外線が照射されると、発光中心であるEuが励起さ
れ、青色発光する。いわゆるフォトルミネッセンスであ
る。同時に、一部のEu内の電子が励起されるものであ
る。その電子は、色中心に捕獲される。色中心はCl-の
格子欠陥であり、その欠陥はプラスに荷電するようにな
る。電子はマイナスに荷電しているので、色中心に捕獲
される。これが、メモリである。次に、その輝尽性蛍光
体に赤から赤外の光を照射すると、色中心に捕獲されて
いた電子が励起され、元のEuに戻る時に青色発光する。
これが輝尽発光である。この輝尽発光強度はX線の強度
に比例する。
出とメモリの2つの機能をもった蛍光体である。X線ま
たは紫外線が照射されると、発光中心であるEuが励起さ
れ、青色発光する。いわゆるフォトルミネッセンスであ
る。同時に、一部のEu内の電子が励起されるものであ
る。その電子は、色中心に捕獲される。色中心はCl-の
格子欠陥であり、その欠陥はプラスに荷電するようにな
る。電子はマイナスに荷電しているので、色中心に捕獲
される。これが、メモリである。次に、その輝尽性蛍光
体に赤から赤外の光を照射すると、色中心に捕獲されて
いた電子が励起され、元のEuに戻る時に青色発光する。
これが輝尽発光である。この輝尽発光強度はX線の強度
に比例する。
本発明の輝尽性蛍光体は670nm付近で励起した場合
に、高い輝尽発光強度を示す。
に、高い輝尽発光強度を示す。
本発明の輝尽性蛍光体は、組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは前記規定に同一のものを表す) に対応する相対比となるように原料混合物を調製し、前
記混合物を中性または還元性雰囲気中500〜1100℃の温
度で焼成することにより、製造することができる。
記混合物を中性または還元性雰囲気中500〜1100℃の温
度で焼成することにより、製造することができる。
このような原料混合物の成分としては、BaCl2およびE
uCl3を用いることができる。
uCl3を用いることができる。
原料成分を乾燥雰囲気中で乾式にて混合し、得られた
混合物を微粉末にするのがよい。あるいは、原料成分を
湿式にて混合してから乾燥し、得られた混合物を微粉末
にしてもよい。混合物の焼成は、水素を含むHe、Ne、Ar
等の不活性ガスもしくは窒素ガスやCOを含むCO2の如き
還元性雰囲気または不活性ガスや窒素ガスの如き中性雰
囲気中で行うのが好ましい。
混合物を微粉末にするのがよい。あるいは、原料成分を
湿式にて混合してから乾燥し、得られた混合物を微粉末
にしてもよい。混合物の焼成は、水素を含むHe、Ne、Ar
等の不活性ガスもしくは窒素ガスやCOを含むCO2の如き
還元性雰囲気または不活性ガスや窒素ガスの如き中性雰
囲気中で行うのが好ましい。
本発明の輝尽性蛍光体は、X線画像変換シートを製造
するための蛍光体として有利に用いることができる。か
かるシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレートの
フィルム上に輝尽性蛍光体を含む塗料を塗布し、乾燥さ
せた後、その表面に保護膜を形成して構成される。
するための蛍光体として有利に用いることができる。か
かるシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレートの
フィルム上に輝尽性蛍光体を含む塗料を塗布し、乾燥さ
せた後、その表面に保護膜を形成して構成される。
しかして、このようなシートは、医療用X線診断に用
いられる放射線画像記録読取装置の変換パネルに適用す
ることができる。この装置では、輝尽性蛍光体の層を含
む変換パネルにX線を照射した後、例えばレーザビーム
等の励起光により走査すると、変換パネルから輝尽発光
が生じる。この輝尽発光を検出して時系列の信号に変換
し、CRTに表示したり、レーザビームを強度変調して銀
塩フィルム上に焼き付けたりして、目に見える画像にす
ることができるのである。
いられる放射線画像記録読取装置の変換パネルに適用す
ることができる。この装置では、輝尽性蛍光体の層を含
む変換パネルにX線を照射した後、例えばレーザビーム
等の励起光により走査すると、変換パネルから輝尽発光
が生じる。この輝尽発光を検出して時系列の信号に変換
し、CRTに表示したり、レーザビームを強度変調して銀
塩フィルム上に焼き付けたりして、目に見える画像にす
ることができるのである。
以下、実施例により、本発明をさらに説明する。
表1に示す組成の原料をボールミルにより6時間混合
した。そのままミル容器の蓋を開け、100℃で1時間真
空乾燥した。さらに、ボールミル処理を6時間行った。
した。そのままミル容器の蓋を開け、100℃で1時間真
空乾燥した。さらに、ボールミル処理を6時間行った。
混合物を石英ボートに充填し、880℃で2時間還元焼
成を行った。焼成雰囲気として、水素ガスを含むヘリウ
ムガスを使用した。
成を行った。焼成雰囲気として、水素ガスを含むヘリウ
ムガスを使用した。
得られた蛍光体の輝尽発光強度を測定した。その結果
を第1図に示す。670nm付近で輝尽発光強度のピークを
持つことがわかる。
を第1図に示す。670nm付近で輝尽発光強度のピークを
持つことがわかる。
本発明の輝尽性蛍光体は、670nm付近において高い輝
尽発光強度を有するので、デジタルラジオグラフィーシ
ステムのX線写真撮影において、人体の被曝線量を低減
させることができる。
尽発光強度を有するので、デジタルラジオグラフィーシ
ステムのX線写真撮影において、人体の被曝線量を低減
させることができる。
第1図は、輝尽性蛍光体の輝尽発光強度を示すグラフで
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 正巳 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは0<a≦0.2なる条件を満たす数値であ
る) で表される輝尽性蛍光体。 - 【請求項2】請求項1記載の蛍光体を製造するに際し
て、組成式、 BaCl2:aEu (ただし、aは請求項1の規定に同一のものを表す) に対応する相対比となるように原料混合物を調製し、前
記混合物を中性または還元性雰囲気中500〜1100℃の温
度で焼成することを含む輝尽性蛍光体の製造方法。 - 【請求項3】輝尽性蛍光体として請求項1記載の蛍光体
を含むX線画像変換シート。 - 【請求項4】請求項3記載のX線画像変換シートを用い
て変換パネルを構成したことを特徴とする放射線画像記
録読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19044290A JP2757882B2 (ja) | 1990-07-20 | 1990-07-20 | 輝尽性蛍光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19044290A JP2757882B2 (ja) | 1990-07-20 | 1990-07-20 | 輝尽性蛍光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0480287A JPH0480287A (ja) | 1992-03-13 |
JP2757882B2 true JP2757882B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16258204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19044290A Expired - Lifetime JP2757882B2 (ja) | 1990-07-20 | 1990-07-20 | 輝尽性蛍光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757882B2 (ja) |
-
1990
- 1990-07-20 JP JP19044290A patent/JP2757882B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0480287A (ja) | 1992-03-13 |
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