JP2755882B2 - オートトラッキング装置 - Google Patents

オートトラッキング装置

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JP2755882B2 JP4292731A JP29273192A JP2755882B2 JP 2755882 B2 JP2755882 B2 JP 2755882B2 JP 4292731 A JP4292731 A JP 4292731A JP 29273192 A JP29273192 A JP 29273192A JP 2755882 B2 JP2755882 B2 JP 2755882B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はオートトラッキング装
置に関し、特にたとえば再生エンベロープ量に基づいて
トラッキング制御する、オートトラッキング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のオートトラッキング装置
では、再生エンベロープ検波信号を所定時間間隔でサン
プリングし、サンプリング値を単純加算することによっ
て再生エンベロープ量(サンプリング値の総和)を求
め、この再生エンベロープ量が最大となるようにトラッ
キングを調整していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のオートトラッキ
ング装置では、図13(A)および(B)に示すよう
に、回転ヘッド1がトレースするテープトラック2のリ
ニアリティのずれなどによって、再生エンベロープ検波
信号が大きく落ち込んだときには、低下した部分で垂直
同期乱れや音声バズが発生する恐れがあるという問題点
があった。すなわち、サンプリング値の単純総和から求
めた再生エンベロープ量が最大になるトラッキング値を
最良としていたため、サンプリング値各々の情報はトラ
ッキング値算出の過程には全く反映されず、これによっ
てトラッキングが必ずしも最適に調整されないという問
題点があった。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、最
適トラッキング可能な、オートトラッキング装置を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、再生エンベ
ロープ検波信号を所定時間間隔でサンプリングしたサン
プリング値から再生エンベロープ量を求め、再生エンベ
ロープ量が最大となるようにトラッキングを調整するオ
ートトラッキング装置において、サンプリング値の平均
値を求める平均値算出手段、平均値に基づいて基準値を
算出する基準値算出手段、および基準値より小さいサン
プリング値および基準値より大きいサンプリング値のそ
れぞれに所定の重み付けして再生エンベロープ量を算
出する再生エンベロープ量算出手段を備えることを特徴
とする、オートトラッキング装置である。
【0006】
【作用】平均値から求めた基準値を基準にしてサンプリ
ング値に重み付けすることによって、各サンプリング値
が再生エンベロープ量に反映されることになり、再生エ
ンベロープ検波信号の落ち込みの程度に応じた再生エン
ベロープ量が得られる。したがって、この再生エンベロ
ープ量が最大値となるトラッキング値を設定すれば、再
生エンベロープ信号の落ち込みの程度に応じたトラッキ
ングが行える。
【0007】
【発明の効果】この発明によれば、再生エンベロープ検
波信号の落ち込みの程度に応じて最適なトラッキングが
実現できる。この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【実施例】図1を参照して、このオートトラッキング装
置10はマイクロコンピュータ(以下「マイコン」)1
2を含む。このマイコン12からはトラッキング量を示
すトラッキングデータが出力され、サーボ回路14に入
力される。また、サーボ回路14にはトラッキングデー
タのほかコントロール信号CTLも入力される。これに
基づいて、サーボ回路14がキャプスタンモータ16を
駆動する。また、サーボ回路14からは、図2(A)に
示すような回転ヘッド18の切り換え信号(以下「RF
SW」)が出力され、プリアンプ20およびマイコン1
2に入力される。RFSWがプリアンプ20のほかマイ
コン12にも入力されるのは、マイコン12で後述する
サンプリングをする際のタイミングをとるためである。
【0009】プリアンプ20では、回転ヘッド18によ
ってトレースされた図2(B)に示すような再生エンベ
ロープが増幅され、増幅後の再生エンベロープがエンベ
ロープ検波回路22によって検波される。そして、図2
(C)に示すような再生エンベロープ検波信号がマイコ
ン12に入力される。なお、増幅後の再生エンベロープ
はエンベロープ検波回路22へ入力されるほか、端子2
4を経て他のメカニズム(図示せず)に入力される。マ
イコン12から出力されるトラッキングデータは、この
再生エンベロープ検波信号に基づいて決定される。
【0010】オートトラッキング動作において、図3の
ステップS1においてマイコン12はトラッキングセン
タ値を設定し、次のステップS3において、回転ヘッド
18のトレース位置が予め設定されたトラッキングの可
変範囲内であるか否か判断される。そして、トレース位
置がトラッキングの可変範囲内であれば、ステップS5
において、マイコン12によって、再生エンベロープ検
波信号が信号RFSWに応じてサンプリングされ、ステ
ップS7において再生エンベロープ量Tが算出される。
なお、この再生エンベロープ量算出ステップについては
後にで詳述する。
【0011】続いて、ステップS9においてトラッキン
グの可変範囲全てにわたり再生エンベロープ検波信号を
サンプリングしたか否か判断される。なお、ステップS
3において回転ヘッド18のトレース位置がトラッキン
グの可変範囲外と判断されたときにはそのままステップ
S9に至る。そして、全ての範囲にわたってサンプリン
グされていなければ、ステップS11においてトラッキ
ングデータが変更され、これによってキャプスタンモー
タ16の回転速度が変更された後、ステップS3,S5
およびS7の動作が繰り返される。
【0012】一方、トラッキングの可能な全ての範囲に
わたってサンプリングしていれば、ステップS13にお
いて再生エンベロープ量が最大であったトラッキングデ
ータに設定され、このトラッキングデータがマイコン1
2から出力される。再生エンベロープ量Tは図4に示す
ような方法で算出される。すなわち、まずステップS1
5において再生エンベロープ検波信号のサンプリング値
がRAM26に格納され、次にステップS17において
各サンプリング値の総和T1が算出される。続いて、ス
テップS19においてこの総和T1から各サンプリング
値の平均値が算出され、ステップS21において数1に
基づいて平均値のA%の値が算出される。なお、定数A
については任意に設定するものとする。
【0013】
【数1】
【0014】その後、ステップS23において各サンプ
リング値と平均値のA%の値とが比較され、平均値のA
%の値以下のサンプリング値の数mが求められる。続い
て、ステップS25において各サンプリング値が値の大
きい順に並び換えられ、ステップS27において数2に
示すように総和T1にサンプリング値の最小値Xmin
m倍した値が加算され、加算値T2が求められる。
【0015】
【数2】T2=T1+m・Xmin そして、ステップS29において各サンプリング値の中
で値の大きい方からm個選ばれ、数3に示すようにこの
m個の値がT2から減算され、これによって再生エンベ
ロープ量Tが算出される。
【0016】
【数3】T=T2−(Xmax +・・・) トラッキング可変範囲を−8〜+4と設定し、再生エン
ベロープ量Tを算出した場合の動作例について説明す
る。なお、トラッキング可変範囲とは、再生エンベロー
プ検波信号をサンプリングするために回転ヘッド18を
上下に移動させる範囲のことである。
【0017】図5,図6および図7は再生エンベロープ
の前半が落ち込んでいる場合に、各トラッキングデータ
に対し回転ヘッド18がテープトラック28をヘッドト
レースする位置およびサンプリング値を示す図である。
これからわかるように、従来の再生エンベロープ量の算
出方法では、図5(A)のとき再生エンベロープ量が最
大となるのに対し、この実施例による算出方法では、図
6(B)のとき再生エンベロープ量が最大となる。
【0018】また、図8,図9および図10は再生エン
ベロープの前半および後半が落ち込んでいる場合の各ト
ラッキングデータに対するヘッドトレースの位置および
サンプリング値を示す図である。これより、従来の算出
方法では図9(B)および(C)のとき再生エンベロー
プ量が最大となるのに対しこの実施例による算出方法で
は図9(C)のとき再生エンベロープ量が最大となるこ
とがわかる。
【0019】これらの結果および再生エンベロープ量の
平坦度(=サンプリング値の最大値Xmax と最小値X
min との差)をグラフに表したものが図11および図1
2である。ただし、図11および図12において、実線
Aは従来の方法による再生エンベロープ量を示し、点線
Bはこの実施例に基づいて求めた再生エンベロープ量を
示し、1点鎖線Cは再生エンベロープの平坦度を示す。
これより、点線Bの再生エンベロープ量を用いた方が実
線Aで示す従来の再生エンベロープ量を用いる場合に比
べて、平坦度を一層改善できることが理解されよう。
【0020】なお、上述の実施例では、サンプリング値
の平均値のA%の値と各サンプリング値とを比較して重
み付けをするデータの数mを決定しているが、この理由
については、m=2とm=3に固定して再生エンベロー
プ量を算出した、表1および表2を参照して説明する。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】再生エンベロープの前半が低下している場
合、m=2とすると表1のように重み付けの効果が少な
くなり、再生エンベロープの前半および後半が低下して
いる場合、m=3とすると表2のように重み付けが効き
すぎるからである。なお、重み付けが効きすぎるとは、
図10に示すように再生エンベロープの中央のサンプリ
ング値が低下し、S/Nが劣化するような場合である。
【0024】なお、各サンプリング値の重み付けの具体
的な方法は、実施例において説明した以外の方法が考え
られ、要は、各サンプリング値の平均値に対して一定以
下のサンプリング値を検出した場合、各サンプリング値
に重み付けして再生エンベロープ量を算出すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1実施例の各部における波形を示す波形図で
ある。
【図3】図1実施例のマイコンの動作を示すフロー図で
ある。
【図4】図3のフロー図の再生エンベロープ量を算出す
るための処理を示すフロー図である。
【図5】各トラッキングデータに対するヘッドトレース
の位置およびサンプリング値を示す図解図である。
【図6】各トラッキングデータに対するヘッドトレース
の位置およびサンプリング値を示す他の図解図である。
【図7】各トラッキングデータに対するヘッドトレース
の位置およびサンプリング値を示すさらに他の図解図で
ある。
【図8】各トラッキングデータに対するヘッドトレース
の位置およびサンプリング値を示すさらにその他の図解
図である。
【図9】各トラッキングデータに対するヘッドトレース
の位置およびサンプリング値を示す他の図解図である。
【図10】各トラッキングデータに対するヘッドトレー
スの位置およびサンプリング値を示すその他の図解図で
ある。
【図11】前半が低下した再生エンベロープの各トラッ
キングデータに対する再生エンベロープ量および再生エ
ンベロープ量の平坦度を示すグラフである。
【図12】前半および後半が低下した再生エンベロープ
の各トラッキングデータに対する再生エンベロープ量お
よび再生エンベロープ量の平坦度を示すグラフである。
【図13】(A)および(B)は、それぞれ、ヘッドト
レースの位置およびサンプリング値を示す図解図であ
る。
【符号の説明】
10 …オートトラッキング装置 12 …マイコン 16 …キャプスタンモータ 18 …回転ヘッド 22 …エンベロープ検波回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生エンベロープ検波信号を所定時間間隔
    でサンプリングしたサンプリング値から再生エンベロー
    プ量を求め、前記再生エンベロープ量が最大となるよう
    にトラッキングを調整するオートトラッキング装置にお
    いて、 前記サンプリング値の平均値を求める平均値算出手段、 前記平均値に基づいて基準値を算出する基準値算出手
    段、および 前記基準値より小さいサンプリング値および前記基準値
    より大きいサンプリング値のそれぞれに所定の重み付け
    して前記再生エンベロープ量を算出する再生エンベロ
    ープ量算出手段を備えることを特徴とする、オートトラ
    ッキング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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