JP2755820B2 - 超配向結晶質フィラメントの溶融紡糸 - Google Patents

超配向結晶質フィラメントの溶融紡糸

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JP2755820B2 JP3510824A JP51082491A JP2755820B2 JP 2755820 B2 JP2755820 B2 JP 2755820B2 JP 3510824 A JP3510824 A JP 3510824A JP 51082491 A JP51082491 A JP 51082491A JP 2755820 B2 JP2755820 B2 JP 2755820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 本発明は、高い機械的特性を有する十分に配向した結
晶質合成フィラメントの溶融紡糸方法に関するものであ
る。特に、本発明は、極めて高度の配向性、高い結晶
性、低い収縮率および高い強靭性を有するフィラメント
を生成することができる繊維形成性合成重合体を溶融紡
糸する改善された方法を提供する。
繊維形成性合成重合体からフィラメントまたは繊維を
製造する際に商業的に使用される代表的な溶融紡糸方法
の例は、二工程法として特徴付けることができる。溶融
重合体は紡糸口金の孔から押し出されてフィラメントを
形成し、ついで押出工程とインライン連結されて行われ
るかあるいは別個の次の操作として行われる別個の工程
において、フィラメントを伸長または延伸して配向性を
増大させ、かつ所望の物理的特性を付与する。例えば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)のような商業用ポ
リエステルは多年にわたって二工程法によって製造さ
れ、この方法では重合体溶融物を紡糸口金から押し出し
てフィラメントを形成し、凝固後にフィラメントを1000
〜1500m/分程度の速度で巻き取る。次いで、紡糸したま
まの繊維を400〜1000m/分程度の速度で延伸し、アニー
ルする。このような二工程法における取扱い、エネルギ
ーおよび資本設備の要件は全生産費に有意に寄与する。
生産費を低減しかつ生産速度を増大するには、従来の
二工程法によって製造したものと同等またはより良好な
特性を有する十分に配向した結晶質PET繊維を一工程で
製造する方法を開発するのが望ましい。このために、従
来多くの研究者が高速紡糸に基づく技術を探究してき
た。1979年、デュポン社(アール.イー.フランクフォ
ートおよびビー.エッチ.ノックス,米国特許第4,134,
822号)は、約7000m/分までの速度の高速紡糸技術を開
示しており、この技術では良好な熱安定性および良好な
染色性を有する配向した結晶質PETフィラメントを一工
程で製造している。しかし、生成した繊維の機械的特性
は従来の二工程法によって製造した十分に延伸された延
伸糸よりなお劣っている。
上述の研究と平行して、高速紡糸の研究に関する報告
を1970年後期以降の文献に見い出すことができる。高速
紡糸PET繊維の特性および構造は適切にその特徴が決定
されている。高速紡糸繊維の代表的な特性は、従来の十
分に配向した配向糸より低い強靭性、低いヤングモジュ
ラスおよび大きい伸びを有することである〔ティー.カ
ワグチ「高速繊維紡糸(High Speed Fiber Spinnin
g)」中、エー.ジアビッキおよびエッチ.カワイ編、
ジョン.ウイリイ.アンド.ソンス社、ニューヨーク、
1985,第8頁〕。最近、PETを紡糸するために12,000m/分
までの巻取速度(take-up speed)が報告されている。
しかし、従来の二工程紡糸繊維と同等な特性を有する紡
糸したままのPET繊維を超高速紡糸によって製造するこ
とは、従来不可能であった。しかも、紡糸したままの繊
維の配向性および結晶性はそれぞれある臨界速度におい
て最大値に達し、これより速い速度では高度の半径方向
の不均一性および微小空隙のような重大な構造上の欠陥
が現れ始め、これらの欠陥は高性能繊維の達成を著しく
制約する。
本発明における目的は上述の研究者の目的と類似して
いる:すなわち、従来の二工程法によって製造したもの
と同等またはより優れた特性を有する十分に配向した結
晶質繊維を一工程で製造する方法を提供することにあ
る。しかし、この目的を追求する際に、本発明者等は上
述の研究者の進んだ進路を変更した。本発明では、高速
紡糸の研究を継続する代わりに、紡糸操作の糸条(thre
adline)動力学を変更して一工程法で高性能繊維を製造
する。
本発明者等が先に行った研究〔ククロ等、米国特許第
4,909,976号、1990年3月20日〕において、紡糸糸条に
沿った繊維構造(配向および晶出)の発現は糸条の温度
分布を最適にすることにより有意に改善されることが明
らかになった。これは帯域冷却・帯域加熱技術を導入す
ることにより紡糸糸条の温度分布を変えて繊維構造の形
成を改善することにより達成される。巻取応力は従来の
紡糸法と比較してほとんど変わらないままであった。
発明の概要 本発明者等が先に行った研究とは異なり、本発明方法
では紡糸糸条の応力分布および温度分布の両方を同時に
変える。フィラメント構造の発現が進行している区域に
おいて、糸条に応力を加えてフィラメントに高レベルの
配向を達成する。また、この区域において糸条を最適な
結晶化および半径方向均一性が得られるように選定した
温度に維持する。このようにして製造されたフィラメン
トは2種の代表的な特性、すなわち高レベルの分子配向
を示す高い複屈折および半径方向に均一な微細構造を有
する。これらの特性を有するフィラメントは高い強靭性
の値、低い破断点伸びおよび低いボイルオフ(boil-of
f)収縮率を有する。
本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のよ
うな繊維形成性熱可塑性重合体から超配向高強靭性繊維
を製造する一工程法を提供する。特に、溶融した繊維形
成性熱可塑性重合体をフィラメントの形態に押出し、こ
れらのフィラメントを前記熱可塑性重合体のガラス転移
温度より30℃以上高い温度に維持されている液浴中に導
入して液浴中のフィラメントに等温結晶化条件を提供す
る。これらのフィラメントを液浴から引き取って、次い
で3000〜7000m/分程度の速度で巻き取る。生成フィラメ
ントは、紡出したままの状態で、結晶質構造および0.20
〜0.22程度の複屈折を有すると共に、6.3〜8.1g/d tex
(グラム/デシテックス(7〜9g/d(グラム/デニー
ル))の高い強靭性、14〜30%の破断点伸びおよび5〜
10%のボイルオフ収縮率を有する。また、生成フィラメ
ントは、高レベルの半径方向の均一性、特に高度の複屈
折の半径方向の均一性を有するという特徴を有する。
溶融紡糸操作に関連する他の従来技術の方法では、液
体急冷浴を使用しているが、本発明における液体急冷浴
の作用および本発明によって達成される結果は、従来技
術の方法における結果とは有意に異なる。例えば、バシ
ラトス、米国特許第4,425,293号(1984)では、常温水
を使用する液体急冷浴を使用して重合体の結晶化を抑制
するために急冷を行っている。これに対し、本発明では
急冷を避けるのに適合する条件に液浴を維持して、糸条
における結晶化を最大にする等温条件を保証する。
コシネック等、米国特許第4,446,299号(1984)は、
先ずフィラメントを接着限界より低い温度(通常Tg
等しい温度)に冷却し、次いで集めて束とし、その後に
吹込み空気または静止空気を使用するいわゆる「摩擦張
力増大装置」に導入する方法を開示している。ついで、
生成フィラメントを別個の高温調整圏で処理することが
できる。本発明では、溶融フィラメントを液浴中に導入
する前に接着限界より低い温度に冷却する必要がなく、
その代わりにフィラメントがまだ溶融状態(すなわち、
gより30℃以上高い温度)にあるうちにフィラメント
を高温の液体媒体中に浸漬する。本発明では追加の調整
圏を使用しない。その上、コシネック等の米国特許で達
成される紡糸応力は本発明において達成される応力の数
パーセントにすぎず、さらに重要なことには、本発明に
おいて達成される優れた物理的特性はこの従来技術の方
法によっては達成されない。
ジェイ.ジェイ.キリアンは、米国特許第3,002,804
号において、新たに紡糸したフィラメントを均一な配向
フィラメントに延伸するために、80〜93℃の温度に維持
した水浴を使用している。フィラメントは常温延伸作用
により配向状態になることがあるが、フィラメントの結
晶化は所定の温度範囲の液体によって抑制される。結晶
性を有していない配向フィラメントは高いボイルオフ収
縮率のような低い熱安定性を有しており、その上使用で
きるようになる前に後処理を必要とする。上述のキリア
ンの米国特許では88℃の極めて深い水深(10フィート
(305cm)の水深)で6.9g/d tex(7.7g/d)という最大
強靭性を得ているが、その生成物の大部分の機械的特性
は従来の十分に延伸された糸より劣っている。他方、本
発明はPET結晶の固有値に近い複屈折を有する結晶質PET
フィラメントを提供する。本発明のフィラメントは、熱
安定性であって低レベルのボイルオフ収縮率を有し、後
処理の不必要な高強靭性繊維を必要とするテキスタイル
用途に直接使用することができる。
図面の説明 本発明の特徴および利点のいくつかを説明する。この
特徴および利点は次の詳細な説明および添付図面から明
らかである。添付図面において: 図1は本発明の方法を実施し、本発明の生成物を製造
することができる装置の概略図であり;また 図2〜6は本発明方法によって製造したフィラメント
の屈折率、複屈折およびローレンツ密度の半径方向の均
一性を示すグラフである。
発明の詳細な説明 本発明は従来の溶融紡糸とは異なるプロセスを含んで
いる。従来の溶融紡糸では、紡糸口金孔を通して重合体
溶融物を押出し、押出物を急冷空気により室温に冷却
し、後処理のために凝固したフィラメントを巻き取り、
所望の機械的性質を得ている。本発明は紡糸口金面の下
の位置の紡糸ラインに液体恒温浴を用いる。
押出物はまだ溶融状態すなわち重合体のガラス転移温
度より30℃以上高いうちに液体恒温浴に導入する。浴温
度は重合体ガラス転移温度(Tg)より30℃以上高い温
度に維持し、結晶化を進めるのに十分な分子の移動度を
保証する必要がある。浴中のフィラメントは高度に等温
配向される。浴中の液体媒体は、等温結晶化条件を提供
してフィラメント構造の半径方向の均一性に寄与するほ
かに、摩擦抵抗を与えるので走行するフィラメントに巻
取応力を加えて高度な分子配向に寄与する。糸条におけ
る巻取応力のレベルは種々の因子、例えば液体の温度、
粘度、深さおよびフィラメントと液体媒体との間の相対
速度に依存する。本発明方法においては、巻取応力を0.
54〜5.4g/d tex(0.6〜6g/d)の範囲内に維持するのが
好ましく、0.9〜4.5g/d tex(1〜5g/d)の範囲内が最
も好ましい。
表Iは異なる速度および液体の深さにおける巻取応力
を示す1組のデータを示す。液体浴を用いた紡糸におけ
る巻取応力のレベルは空気媒体のみを用いた紡糸(液体
の深さ0)における巻取応力より著しく大きい。3000m/
分の巻取応力(フィラメント直径に対する引張力の比、
すなわち線密度)は、40cmの液体浴長さにおいて2.88g/
d tex(3.2g/d)に達するのに対し、液体浴を用いない
で、すなわち摩擦媒体として空気だけを用いて紡糸した
場合には0.198g/d tex(0.22g/d)の値に達する。これ
は液体浴紡糸ラインにおける巻取応力が主として液体抵
抗により生じることを意味する。空気媒体と比べてその
摩擦作用が大きく、かつその密度が大きく、熱容量が大
きく、熱伝導率が大きいため、液体媒体は迅速な急冷も
しくは加熱に有効な手段、または溶融紡糸もしくは延伸
プロセスにおける走行フィラメントに大きな摩擦力を働
かせるのに有効な手段として用いられることが多い。
本発明方法を実施するのに使用する実験装置の一種の
代表的配置を図1に示す。PETのような熱可塑性重合体
を溶融し、1個または多数の孔を有する紡糸口金1を通
して押出す。押出物2を、なお溶融状態、すなわちTg
より30℃以上高い温度であるうちに空気間隙に通した
後、液体恒温浴3に導入する。液体浴を重合体のガラス
転移温度(Tg)より30℃高い温度に保つ必要がある。P
ETにとって好ましい範囲は120〜180℃である。次いで、
液体恒温浴の底面における滑り弁4を有する開孔を通し
て結晶化固体フィラメントを引き出し、密閉液体捕集装
置5を通し、ガイド6,7を通し、ゴデット8の回りを通
し、最後に巻取装置9を用いて3000m/分以上の巻取速度
で巻取る。滑り弁4は液体を液体恒温浴3から貯蔵容器
10に迅速に排出するため、およびフィラメントを巻取装
置9に供給する前に液体恒温浴を通るフィラメントの自
由な通過を容易にするために、開放できるように設計す
る。フィラメントを導糸し、巻取装置9により巻き取っ
た後に、フィラメント束が自由に通り抜けることができ
るのにまさに十分な大きさの中央オリフスィスを残して
弁4を閉じる。次いで、液体恒温浴3を貯蔵容器10中で
予熱した選定した液体で充たす。この液体を液体恒温浴
3中で所望の一定レベルおよび一定温度に維持する。液
体恒温浴の下に直接装着した液体捕集装置5はフィラメ
ントの導糸が容易になるように、容易に前後に動かすこ
とができ、底面オリフィスを通るフィラメント束により
運ばれる恒温液体の小さな流れおよび飛散する液滴を捕
集するために閉じることができる。上述と同じ条件下に
得られた紡糸したままのPET繊維は0.20〜0.22の複屈折
値、6.3〜8.1g/d tex(7.0〜9.0g/d)の強靭性、14〜30
%の破断点伸び、68〜81g/d tex(75〜90g/d)の初期モ
ジュラス、および5〜10%のボイルオフ収縮率を示し
た。
特性決定法 後述の例では、報告した物理的特性を測定するため
に、次の特性決定法を使用した。
(a) 複屈折。繊維の複屈折はニコン製偏光顕微鏡に
装着した20段階(order)傾斜補正器を用いて測定し
た。5回の個々の測定値の平均値を各試料について報告
した。
(b) 引張試験。引張試験は、インストロン試験機モ
デル1123において25.4mmのゲージ長および1分当たり約
100%の伸びの伸長速度を用いて、1本のフィラメント
について行った。5回の個々の試験の強靭性、モジュラ
スおよび破断点伸びの平均値は試験方法ASTM D3822-82
に記載されている方法を用いて測定した。
(c) ボイルオフ収縮率(BOS)。ボイルオフ収縮率
は、引張力を加えずに繊維試料を5分間沸騰水中に浸漬
することにより測定した。約10本のフィラメントの平均
BOSは試験方法ASTM D2102-79に記載されている方法によ
り計算した。
(d) X線回折。相互に平行に整列させた繊維の束の
赤道面スキャンを、シーメンス タイプFのX線回折計
システムを用いて得た。結晶質PET繊維は分離した回折
ピークを示した。これはアモルファス試料でないからで
ある。
(e) 巻取張力。巻取力は50グラムフルスケールで検
量したロートシルト(Rothschild)張力計を用いて巻取
装置近くの点で測定した。
さらに、本発明を次の例について説明する。
例1〜5 高い固有粘度(IV)の工業用ポリエチレン テレフタ
レート重合体(IV0.95)を、0.6mmの出口直径を有する
双曲線形ダイに通して、295℃で溶融押出しした。重合
体処理量を巻取速度によって変えてフィラメント当たり
約5.0デニールの一定の線密度を得た。
実施例1および2では図面に示すタイプの装置配置を
用いて製造を行った。1,2−プロパンジオールを液体恒
温浴用液体媒体として用い、これを紡糸の実施例1およ
び2において、それぞれ110℃および136℃の温度に維持
した。実施例1では3000m/分の速度で巻き取り、実施例
2では4000m/分の速度で巻き取った。
比較例3は、液体媒体として室温の水を用いた点を除
いて、実施例1および2と同じ条件を用いて行った。比
較例4および5は、液体浴を用いなかった、すなわちフ
ィラメント表面を取り囲む空気の普通すなわち通常の抵
抗によって紡糸張力を加えた点を除き、同じ装置を用い
て行った。
上述の例における特性を表IIにまとめた。実施例1お
よび2は、前述の本発明の必須要件を満たす。比較例3
は、水の大きな抵抗効果による比較的高い複屈折を示し
た;しかし生成した繊維は、X線回折により示されかつ
高いボイルオフ収縮率の値により確認されたように、本
質的にアモルファスであった。この試料の引張特性はこ
こに記載した本発明の必須要件の範囲内に入らない。空
気媒体中で3000m/分において紡糸を行った比較例4は、
典型的なアモルファスX線回折パターン、低レベルの分
子配向および低い機械的性能を示した。空気中で6000m/
分において製造を行った比較例5は、X線回折により結
晶質パターンを示したが、低い複屈折値を有していた。
引張特性は本発明の生成物の必須要件に適合しなかっ
た。
例6〜10 これらの一連の例において、より低い分子量のテキス
タイル用PET(IV0.57)を、例1〜5において用いたと
同様な条件下にフィラメントに紡糸した。その結果を表
IIIに示す。実施例6および7は、Tg(76℃)より約44
℃高い温度である120℃の液体恒温浴において2−プロ
パンジオールを用いて実施し、結晶質構造および高い複
屈折、高い強靭性並びに低い伸びおよび低いボイルオフ
収縮率という特性を有する本発明のフィラメントを得
た。比較例8は、(Tg+30)℃より低い温度である90
℃の水浴を用いて実施した。この比較例では、所定温度
における摩擦延伸のために高度に配向されていたが、本
発明のフィラメントより劣る熱不安定性および機械的特
性を有するアモルファス構造を示した。液体浴を用いず
に空気中で実施した比較例9および10は、本発明の生成
物の必須要件を満たさない特性を示した。
半径方向の均一性の測定 実施例7のフィラメントの半径方向の複屈折をエナ干
渉顕微鏡を用いて測定した。それぞれ繊維の軸線に平行
および垂直である局部の屈折率nおよびnを、半径
方向の複屈折分布の測定に用いられる殻模型(shell-mo
del)を用いて計算した。また、コード(chord)平均屈
折率および複屈折を報告した。ローレンツ光学密度Kp
を次式により求めた: 上式において、 である。干渉縞の分析は完全に自動化された方法により
実施した。
図2は、120℃の液体恒温浴を用いて3500m/分で固有
粘度0.57のPETから紡糸を行った実施例7の繊維の軸線
にそれぞれ平行および垂直である2種の屈折率nおよ
びnの半径方向の分布を示す。繊維のnおよびn
の半径方向の分布は本質的に平坦であった。複屈折の半
径方向の分布を図3に示す。黒丸はコード平均複屈折で
あり、白丸は殻模型を用いて計算した「真の」局部の複
屈折である。図4は紡糸したフィラメントにおけるロー
レンツ(光学)密度の半径方向の分布を示す。ローレン
ツ密度は通常の密度すなわち結晶性に比例するので、平
坦な分布は、フィラメントの断面に均一な密度すなわち
結晶性が存在することを示す。
図5は、2種の温度の異なる液体等温流を用いて紡糸
した2種の繊維の半径方向の複屈折の分布を示す。用い
た巻取速度は3000m/分であった。ローレンツ光学密度の
半径方向の分布を図6に示す。両試料において複屈折お
よび光学密度が半径方向において均一であることが示さ
れている。通常の密度の測定と同様に、より高い液体等
温浴の温度において紡糸したフィラメントは、より低い
浴温度において紡糸した試料より高い光学密度を示した
が、これらの2種の試料の複屈折はほぼ同一であった。
この場合にも、これらの観察結果は、液体等温浴を用い
る紡糸により、高レベルの分子配向のほか高度に均一な
半径方向の構造を有するフィラメントを生成することが
できることを示す。
これらのデータは、繊維構造発現圏において半径方向
の温度勾配が存在しないために、通常の高速紡糸おいて
遭遇するのが普通であるスキン・コア(skin-core)効
果が除去されることを確認するものである。フィラメン
トが液体等温浴中に導入される前に、ある程度の半径方
向の温度勾配が糸条の上側領域に存在しているが、紡糸
応力レベルが低いため、実際上この領域では構造がほと
んど発現しない。フィラメントは液体中に導入された後
に極めて迅速に液体温度に到達することができ、また液
体浴中で繊維構造を発現しながら等温条件に置かれる。
構造発現圏には半径方向の温度勾配が存在していない結
果、半径方向に均一な繊維構造が得られる。
本発明は上述の特定の例によって限定されるものでは
ない。また本発明の実施例は、高い張力の糸条における
同様な重合体結晶化原理に基づくPET以外の合成重合体
からの繊維の紡糸に適用される。ナイロンおよびポリオ
レフィンは2種の代表的な例であり、これらの例は当業
者には明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タッカー ポール エイ アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27695―8302 ローリー ノース カロ ライナ ステイト ユニバーシティ カ レッジ オブ テクスタイルズ ボック ス 8302 (72)発明者 チェン ガオ―ユアン アメリカ合衆国バージニア州 23831 チェスター アパートメント 201 ウ ォータービュー ドライブ 11703 (72)発明者 ルンドバーグ フェルディナンド アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27695―8302 ローリー ノース カロ ライナ ステイト ユニバーシティ カ レッジ オブ テクスタイルズ ボック ス 8302 (56)参考文献 特開 昭59−100711(JP,A) 特開 昭61−132618(JP,A) 特公 昭46−28979(JP,B1) 特公 昭38−2016(JP,B1) 特公 昭35−2721(JP,B1)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高い配向性および強靭性を有する溶融紡糸
    した熱可塑性重合体フィラメントを製造するに当り、 溶融した繊維形成性熱可塑性重合体をフィラメントの形
    態に押し出し、 前記フィラメントを該フィラメントがまだ前記熱可塑性
    重合体のガラス転移温度より30℃以上高い温度にあるう
    ちに液浴中に導入し、 前記液浴を前記熱可塑性重合体のガラス転移温度より30
    ℃以上高い温度に維持して前記液浴中の前記フィラメン
    トに等温結晶化条件を与え、 前記液浴から前記フィラメントを3000m/分以上の速度で
    引き取って、前記フィラメントが前記液浴中を通過する
    際に前記フィラメントに応力を加える ことを特徴とする熱可塑性重合体フィラメントの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記フィラメントを、該フィラメントに0.
    54〜5.4g/d tex(0.6〜6g/d)の巻取応力を与える速度
    で引き取ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記繊維形成性重合体がポリエチレンテレ
    フタレートであり、前記維持工程では前記液浴を110℃
    以上の温度に維持することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】前記液浴を約130℃の温度に維持すること
    を特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記液浴の条件および前記フィラメントを
    前記液浴から引取り速度を制御して、前記フィラメント
    に、結晶質のX線回折パターンおよび0.20以上の複屈折
    を達成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】前記液浴の条件および前記フィラメントを
    前記液浴から取り出す速度を制御する工程では、前記液
    浴を110℃以上の温度に維持し、前記液浴から前記フィ
    ラメントを3000〜7000m/分の速度で引き取って前記フィ
    ラメントが前記液浴を通過する際に前記フィラメントに
    巻取応力を作用させることを特徴とする請求項5記載の
    方法。
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