JP2754738B2 - 燃料噴射時期調整装置 - Google Patents

燃料噴射時期調整装置

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JP2754738B2 JP1144399A JP14439989A JP2754738B2 JP 2754738 B2 JP2754738 B2 JP 2754738B2 JP 1144399 A JP1144399 A JP 1144399A JP 14439989 A JP14439989 A JP 14439989A JP 2754738 B2 JP2754738 B2 JP 2754738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はディーゼルエンジンにおける燃料噴射ポンプ
の噴射時期を調整する燃料噴射時期調整装置に関するも
のである。
[従来の技術] 従来の燃料噴射時期調整装置としては、例えば、実公
昭59−36670号公報に記載のものがある。これを第13〜1
5図により簡単に説明する。尚、第14図は第13図のE−
E線断面図であり、第15図は第14図のF−F線断面図で
ある。この調整装置は燃料噴射ポンプの図示しないカム
軸に固定され、エンジンから回転力を受けてカム軸とと
もに回転しながら前記燃料噴射ポンプを作動させ、回転
速度の増大に伴って一対のウェイト35を互いに強制的に
拡開させて、その拡開量に応じて燃料噴射ポンプの噴射
時期を進角させるようになっている。
さらに、この燃料噴射時期調整装置は、低温時の始動
性を向上させるとともに、同じく低温時のアイドリング
によって生じる白煙を軽減するために、低温時において
は自動的に噴射時期を進角させるようになっている。そ
して、その動作を行なうために、噴射時期調整装置の両
ウェイト35にはロッド33(第15図においては片方のみ図
示)がそれぞれ配設され、両ロッド33の一端には雰囲気
温度に応じて作動するワックスエレメント36がそれぞれ
配設されている。又、両ロッド33の他端にはそれぞれリ
ターンバネ37が設けられ、この両ロッド33を常に前記ワ
ックスエレメント36側へ付勢している。そして、低温時
においてワックスエレメント36がその突出子36aを没入
させると、リターンバネ37の不整力によってロッド33が
第15図中、右方へ移動し、同ロッド33の傾斜面33aがピ
ン34を介してウェイト35を拡開させ、その結果、上記し
たように噴射時期が進角されるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記した燃料噴射時期調整装置において
は、二つのロッド33がカム軸の軸線に対してそれぞれ偏
心位置にあるため、カム軸の回転速度の増大に伴ってロ
ッド33に遠心力が加わり、ワックスエレメント36による
移動が円滑に行なわれないことがある。その結果、低温
時に右方へ移動してウェイト35を拡開させたロッド33
が、温度が上昇しても遠心力によって左方への移動を妨
げられてウェイト35を拡開させたままとなってしまい、
噴射時期を適正な位置まで遅角できないことがある。
又、上記した燃料噴射時期調整装置においては、両ウ
ェイト14の拡開量を等しくする必要があり、拡開量が不
揃いのときには雰囲気温度に応じて進角特性を得ること
ができないという問題が生じる。さらに、両ウェイト14
の拡開量を等しくするためには、各ワックスエレメント
20を位置調整して両ロッド33の移動量を等しくする必要
があり、その調整作業が非常に繁雑であった。
本発明の目的は、雰囲気温度に応じて常に適正な進角
特性を得ることができるとともに、その進角特性の調整
作業が容易な燃料噴射時期調整装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明は、燃料噴射ポ
ンプのドライブシャフトに固定され、エンジンからの回
転力を受けてドライブシャフトとともに回転しながら前
記燃料噴射ポンプを作動させ、回転速度の増大に応じて
複数のウェイトを互いに拡開させて前記燃料噴射ポンプ
の噴射時期を進角させるとともに、低温時にサーモエレ
メントにより前記ウェイトを強制的に拡開させるように
した燃料噴射時期調整装置において、 前記ドライブシャフトの軸線の回りに案内部材を配置
し、前記案内部材にて、単一の移動部材を前記ドライブ
シャフトの軸線上において往復移動自在に支持し、前記
複数のウェイトを、前記移動部材の移動領域内と移動領
域外である移動部材の周囲とを含む領域において、前記
ドライブシャフトの軸線から離間するようにドライブシ
ャフトの径方向へ互いに拡開自在に設け、低温時には、
前記ドライブシャフトの軸線上に沿った前記移動部材の
一方向への移動を許容するとともに、高温時には、前記
移動部材を前記一方向とは反対方向へ移動する、各ウェ
イト共通のサーモエレメントを移動部材に対して作動連
結し、前記移動部材には、前記一方向側に向くととも
に、前記ドライブシャフトの径方向へ向く傾斜面を備え
た係合部を形成し、又、各ウェイトには、前記係合部の
傾斜面に当接可能に対向する傾斜面を形成し、前記移動
部材を前記一方向に常時付勢する付勢部材を設け、高温
時には、前記サーモエレメントは、前記移動部材の傾斜
面と、各ウェイトの傾斜面との当接を不能にするべく、
同移動部材を前記一方向とは反対方向に移動させ、低温
時には、前記サーモエレメントは、移動部材の一方向へ
の移動を許容し、前記付勢部材の付勢により前記移動部
材の斜面と各ウェイトの傾斜面とを当接させて、各ウェ
イトをドライブシャフトの軸線から離間する径方向に移
動することを特徴とする燃料噴射時期調整装置をその要
旨とている。
[作用] 移動部材は燃料噴射ポンプのドライブシャフトの軸線
上を移動され、その移動に伴い移動部材の傾斜面がウェ
イトの傾斜面にそれぞれ当接し、ウェイトを強制的に拡
開させる。
その結果、移動部材は常にドライブシャフトの軸線上
に位置し、同ドライブシャフトの回転による遠心力が加
わらない。又、ウェイトは共通の移動部材によって拡開
されるため、ウェイトの移動量は全て同量となる。
[実施例] 以下、この発明を具体化した一実施例を第1〜6図に
従って説明する。尚、第2図は燃料噴射時期調整装置
(以下、タイマという)の側断面図であり、第1図は第
2図のA−A線断面図である。又、第3図(a)は第1,
2図におけるドライビングフランジ2の正面図、第3図
(b)は第3図(a)のB−B線断面図、第4図(a)
は第1,2図におけるウェイト14の正面図、第4図(b)
は第4図(a)のC−C線断面図、第5図(a)は第1,
2図におけるスライダ21の側面図、第5図(b)は第5
図(a)のD−D線断面図雨である。さらに、第6図は
タイマの進角特性を示すグラフである。
第1図に示すように、本実施例のタイマTはフロント
カバー1に形成された被動ギア1aが図示しないディーゼ
ルエンジンの駆動ギアと噛合し、同駆動ギアの回転に伴
って回転し、その回転をカム軸Cに伝達するようになっ
ている。そして、カム軸Cの回転に基づいて噴射ポンプ
は所定の噴射時期でディーゼルエンジンへ燃料を圧送し
同エンジンを運転させる。又、タイマTは、エンジン側
の駆動ギアに対するカム軸Cの位相(回転の際の角度
差)を変更して、噴射ポンプの噴射時期を調整するよう
になっている。
第1,2図に示すように、前記フロントカバー1はその
後面(第1図中の左方、以下同様)が有底円筒状をなす
タイマTのドライビングフランジ2(第3図(a),
(b)参照)に対してボルト3にて結合し、同フランジ
2とフロントカバー1とでフランジ2の内部にウェイト
室Sを形成している。
又、ドライビングフランジ2の後端面にはリング状の
リアカバー4がボルト5で結合され、同リアカバー4と
ドライビングフランジ2の端面との間に形成される収容
部には連結ブロック6が回動可能に配設されている。こ
の連結ブロック6の一側内側部にはラウンドナット7が
配設され、そのナット7と連結ブロック6の他側内側部
から挿入されたカム軸C先端に形成したネジとで同ブロ
ック6を締結している。従って、タイマT全体はカム軸
Cにて支持されている。
前記ドライビングフランジ2の後端面には、第3図に
示すように中心孔2aを介して相対向する一対のガイド孔
8が貫設され、その両ガイド孔8には円盤状の大カム9
がそれぞれ回動可能に嵌入されている。又、両大カム9
の偏心位置にはそれぞれガイド孔10な貫設され、両ガイ
ド孔10には円盤状の小カム11がそれぞれ回動可能に嵌入
されている。
両小カム11の偏心位置には、前記連結ブロック6に圧
入固定されたドライビングピン12の一端が回動可能に嵌
入されている。又、両大カム9の偏心位置には前記ウェ
イト室Sにのびるウェイトピン13の一端が回動可能に嵌
入支持されている。
前記ウェイト室Sにはカム軸Cの軸線Lを中心として
相対向するように一対のウェイト14(第4図(a),
(b)参照)が配設され、両ウェイト14はそれぞれ前記
両ウェイトピン13が圧入固定されている。そして、前記
ウェイト14の相対向する内側において、カム軸Cとは反
対側に位置する面はそれぞれ半円状をなす傾斜面14aと
されている。そして、同傾斜面14aはカム軸C側に向か
うように、かつカム軸Cの軸線Lに向かうように形成さ
れている。尚、両ウェイト14の前後寸法はウェイト室S
内と同寸法に設定されているため、両ウェイト14はウェ
イト室Sにおいて前後動を規制されるとともに、このウ
ェイト14によって前記大カム9及び小カム11のガイド孔
8,10内からの脱落を防止している。
第2図に示すように、両ウェイト14には一対のガイド
ロッド15が嵌挿され、両ガイドロッド15の両端に固着さ
れたバネ座16とウェイト14に固着されたバネ座17との間
には、それぞれタイマバネ18が介装されている。そし
て、両ウェイト14はタイマバネ18の付勢力によりカム軸
Cの軸線Lを間に挟んで互いに接近する方向へ常に付勢
されている。尚、所望するタイマTの進角特性に応じて
タイマバネ18を二重にしてもよい。
第1図に示すように、前記フロントカバー1の中心部
には前方から筒状のガイドピース19が螺合し、同ガイド
ピース19内には前方からサーモエレメントとしてのワッ
クスエレメント20が螺入している。このワックスエレメ
ント20は突出子20aを備えており、同突出子20aを雰囲気
温度に応じて出没させるようになっている。
ワックスエレメント20の動作特性を述べると、例え
ば、雰囲気温度が−15℃以下の低温時には内部のワック
スが収縮しているため突出子20aが没入し、温度が上昇
して−15℃を越えると内部のワックスが膨張し始めるた
め突出子20aが徐々に突出し始め、温度が5℃以上に達
するとき、最も突出するようになっている。
前記ガイドピース19内におけるワックスエレメント20
の後方には移動部材としてのスライダ21(第5図
(a),(b)参照)が配設され、同スライダ21はガイ
ドピース19の内周面に案内されながら前記カム軸Cの軸
線L上を往復移動可能となっている。前記ガイドピース
19は案内部材を構成する。尚、ワックスエレメント20の
タイマTへの装着は、予めフロントカバー1に螺合した
ガイドピース19内にワックスエレメント20を螺入するこ
とによって簡単に行なうことができる。
前記スライダ21の後部には鍔状のバネ座21bが形成さ
れ、バネ座21bの外周には傾斜面21aが形成されている。
又、前記ウェイト14の傾斜面14aは、常には、スライダ2
1のカム軸Cの軸線L上に沿った移動領域内に配置され
る。従って、前記傾斜面21aは前記両ウェイト14の傾斜
面14aと対向しており、スライダ21の前後動に伴って両
傾斜面14a,21aが互いに当接し得るようになっている。
すなわち、前記傾斜面21aは、スライダ21の移動方向で
あるカム軸Cの軸線L上において一方向側に向くととも
に、前記カム軸Cの径方向へ向く斜面とされている。
又、傾斜面14aは、前記バネ座21bの傾斜面21aに当接可
能に対向する傾斜面とされている。前記バネ座21bは係
合部を構成する。又、スライダ21のバネ座21bと前記ド
ライビングフランジ2の内側面との間には付勢部材とし
てのリターンバネ22が介装され、同リターンバネ22の付
勢力によってスライダ21は常に前記ワックスエレメント
20側へ付勢されている。
そして、ワックスエレメント20の突出子20aが没入す
ると、リターンバネ22の付勢力によってスライダ21がワ
ックスエレメント20側へ移動し、その傾斜面21aによっ
て両ウェイト14が、カム軸Cの軸線から離間する方向へ
各々移動し、互いに強制的に拡開される。一方、ワック
スエレメント20の突出子20aが突出すると、リターンバ
ネ22を押し縮めながらスライダ21が後方へ移動して、そ
の傾斜面21aはウェイト14の傾斜面14aから離間し、前記
タイマバネ18の付勢力によって両ウェイト14が互いに接
近する。尚、前記傾斜面14a,21aは任意の角度に設定す
ることができ、それに応じたリターンバネ22の仕様(バ
ネ係数、バネのセット荷重)を使用すればよい。
次に、上記したように構成したタイマTの作用を説明
する。
まず、エンジン回転数の変化に応じて行なわれる進角
動作について述べると、アイドリング時等のエンジン回
転数が低いときにはタイマTの回転数も低いため、同タ
イマTのウェイト14にはそれほど遠心力は加わらず、両
ウェイト14はタイマバネ18の付勢力によって互いに最も
接近した位置に保たれる。従って、この状態においては
第6図のグラフにおける実線上のポイントa〜b間に対
応し進角は行なわれない。
一方、エンジン回転数がある程度上昇すると、その遠
心力によりタイマTの両ウェイト14はタイマバネ18の付
勢力に抗して拡開し始め、両ウェイト14のウェイトピン
13が離間し始める。このウェイトピン13の移動によって
前記両大カム9はそれぞれ第2図中反時計回りに回動
し、大カム9の回転中心を中心として小カム11が反時計
回りへ位置変更させる。このとき、上記したようにドラ
イビングピン12とドライビングフランジ2の回転中心と
の間の距離は常に一定であるため、両ウェイト14の拡開
に従ってドライビングピン12は、ドライビングフランジ
2の回転中心を中心とした円弧上を第2図中矢印Aに示
す方向へ移動することになる。
その結果、ドライビングフランジ2に対し連結ブロッ
ク6が矢印A方向へ回動し、エンジン側の駆動ギアと燃
料噴射ポンプのカム軸Cとの位相(回転の際の角度差)
が変更れて進角が行なわれる。従って、この状態におい
ては第6図における実線上のポイントb〜c間に対応し
エンジン回転数に比例して燃料噴射時期が変化する。
エンジン回転数がさらに上昇すると、両ウェイト14は
限界まで拡開してその拡開動作を停止する。従って、こ
の場合には第6図における実線上のポイントc〜d間に
対応し最も進角した噴射時期に噴射が行なわれる。
次に、低温時の始動性向上とアイドリングによる白煙
の減少を目的として、タイマT周辺の雰囲気温度に応じ
て行なわれる進角動作について説明する。
雰囲気温度が5℃以上の常温時には、ワックスエレメ
ント20の突出子20aが突出しているため、スライダ21が
リターンバネ22を押し縮めながら後方へ移動している。
そのため、同スライダ21の傾斜面21aはウェイト14の傾
斜面14aに対して常に離間し、両ウェイト14の接近を妨
げることはない。このため、常温時においては第6図に
おける実線上のポイントa〜b〜c〜d間に従って進角
動作が行なわれる。
一方、雰囲気温度が−15℃以下の低温時には、ワック
スエレメント20の突出子20aが没入しているため、リタ
ーンバネ22の付勢力によってスライダ21がワックスエレ
メント20側へ移動し、その傾斜面21aによって両ウェイ
ト14をそれぞれ所定量だけ強制的に拡開させている。こ
のため、低温時においては、エンジン回転数が低いとき
のウェイト14の接近が規制されて、低回転時の噴射時期
が所定量だけ進角される。従って、低温時における進角
動作は第6図における破線上のポイントe〜f〜g〜h
に従って行なわれる。
そして、上記した低温時から雰囲気温度が次第に上昇
すると、ワックスエレメント20の突出子20aが突出して
スライダ21を後方へ移動させ、低回転時の噴射時期の進
角量が次第に少なくなり、5℃を越えて常温時になる
と、第6図に実線で示すように、雰囲気温度に基く進角
動作は全く行なわれなくなる。
このように本実施例のタイマTにおいては、スライダ
21がカム軸Cの軸線L上、即ちタイマTの回転中心に位
置しているため、タイマTの回転速度が高くても遠心力
がスライダ21に加わることがない。従って、遠心力によ
ってスライダ21の移動が妨げられてタイマTが動作不良
を生じる虞がなく、常に確実な噴射時期調整を行なうこ
とができる。
さらに、本実施例のタイマTにおいては、一つのスラ
イダ21によって双方のウェイト14を拡開させるようにな
っているため、スライダ21の移動に対する両ウェイト14
の移動量を上に同量とすることができる。従って、雰囲
気温度に応じた進角特性を得ることができる上に、両ウ
ェイト14の拡開量を均等化するために特に調整を要しな
い。
尚、この発明は上記実施例に限定されるものではなく
下記のように実施してもよい。上記実施例のタイマTに
おいては、前部に被動ギア1aを設けたが、第7図に示す
ように、この被動ギア1aをタイマTの後部に設けてもよ
い。
又、上記実施例のタイマTにおいては、エンジンの回
転力を駆動ギアと被動ギア1aとを介してタイマTに伝達
したが、例えば、第8図に示すように、ラミネートカッ
プリング23にてエンジンの回転力を伝達してもよい。こ
のラミネートカップリング23は、エンジンの駆動軸Dに
装着されたフランジ24、タイマTに装着されたクロス2
5、及び両者を連結するラミネート26によって構成さ
れ、同ラミネート26が駆動軸Dとカム軸Cとの偏心や偏
角を吸収するようになっている。尚、前記フランジ24と
ラミネート26とを接合しているボルト27のボルト孔28は
長孔状をなしており、回転方向取付位置をずらしておお
まかな進角調整を行なうようになっている。又、クロス
25には逃げ孔25aが形成され、この逃げ孔25a内にワック
スエレメント20の前部を位置させることにより、クロス
25をタイマTに接近させて装置全体の軸心方向の外寸を
縮小している。
さらに、上記実施例のタイマTにおいては、ワックス
エレメント20にて直接スライダ21を移動させたが、例え
ば、第9図に示すように、プッシュロッド29を介してス
ライダ21を移動させてもよい。即ち、3本のプッシュロ
ッド29はハブ31のロッド孔31aによって前後動可能に支
持され、各プッシュロッド29の前端は、第10図(a),
(b)に示すスライダプレート30の鍔部30aにそれぞれ
当接している。又、各プッシュロッド29の後端は、第11
図(a),(b)に示すスライダ21にワッシャ29aを介
して当接している。そして、ワックスエレメント20にて
スライダプレート30が前後動すると、プッシュロッド29
を介してスライダ21が前後動してウェイト14を拡開さ
せ、その結果、上記実施例のタイマTと同様に進角動作
が行なわれる。尚、前記ワッシャ29aはスライダ21とプ
ッシュロッド29との間の滑りを良くするためのものであ
る。
さらには、第12図に示すように、ギア駆動の代わりに
オール・ダム式カップリング32を介してタイマTを回転
させるように構成してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の燃料噴射時期調整装置に
よれば、雰囲気温度に応じて常に単一つの移動部材で複
数のウェイトの作動をすることができる。このため、進
角ロック(ウェイト作動が不能になること)がなく、正
確な進角特性を得ることができるとともに、しかもその
進角特性の調整作業が不要であるという優れた効果を発
揮する。又、このため、低温時の始動性向上と白煙の軽
減に有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図は本発明を具体化したタイマの一実施
例を示し、第1図は第2図のA−A線断面図、第2図は
タイマの側断面図、第3図(a)はドライビングフラン
ジの正面図、第3図(b)は第3図(a)のB−B線断
面図、第4図(a)はウェイトの正面図、第4図(b)
は第4図(a)のC−C線断面図、第5図(a)はスラ
イダの側面図、第5図(b)は第5図(a)のD−D線
断面図、第6図はタイマの進角特性を示すグラフ、第7
図から第12図は別実施例のタイマを示し、第7図はギア
の位置を変更したタイマを示す正断面図、第8図はギア
の代わりにラミネートカップリングを使用したタイマを
示す正断面図、第9図はプッシュロッドを介してスライ
ダを移動させるタイマを示す正断面図、第10図(a)は
第9図のタイマのスライダプレートを示す正断面図、第
10図(b)は同じく側面図、第11図(a)は第9図のタ
イマのスライダを示す正断面図、第11図(b)は同じく
側面図、第12図はギアの代わりにオール・ダム式カップ
リングを使用したタイマを示す正断面図、第13図から第
15図は従来のタイマを示し、第13図は側断面図、第14図
は第13図のE−E線断面図、第15図は第14図のF−F線
断面図である。 14はウェイト、14aは傾斜面、20はサーモエレメントと
してのワックスエレメント、21は移動部材としてのスラ
イダ、21aは傾斜面、Cはドライブシャフトとしてのカ
ム軸、Lは軸線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射ポンプのドライブシャフトに固定
    され、エンジンからの回転力を受けてドライブシャフト
    とともに回転しながら前記燃料噴射ポンプを作動させ、
    回転速度の増大に応じて複数のウェイトを互いに拡開さ
    せて前記燃料噴射ポンプの噴射時期を進角させるととも
    に、低温時にサーモエレメントにより前記ウェイトを強
    制的に拡開させるようにした燃料噴射時期調整装置にお
    いて、 前記ドライブシャフトの軸線の回りに案内部材を配置
    し、 前記案内部材にて、単一の移動部材を前記ドライブシャ
    フトの軸線上において往復移動自在に支持し、 前記複数のウェイトを、前記移動部材の移動領域内と移
    動領域外である移動部材の周囲とを含む領域において、
    前記ドライブシャフトの軸線から離間するようにドライ
    ブシャフトの径方向へ互いに拡開自在に設け、 低温時には、前記ドライブシャフトの軸線上に沿った前
    記移動部材の一方向への移動を許容するとともに、高温
    時には、前記移動部材を前記一方向とは反対方向へ移動
    する、各ウェイト共通のサーモエレメントを移動部材に
    対して作動連結し、 前記移動部材には、前記一方向側に向くとともに、前記
    ドライブシャフトの径方向へ向く傾斜面を備えた係合部
    を形成し、又、各ウェイトには、前記係合部の傾斜面に
    当接可能に対向する傾斜面を形成し、 前記移動部材を前記一方向に常時付勢する付勢部材を設
    け、 高温時には、前記サーモエレメントは、前記移動部材の
    傾斜面と、各ウェイトの傾斜面との当接を不能にするべ
    く、同移動部材を前記一方向とは反対方向に移動させ、 低温時には、前記サーモエレメントは、移動部材の一方
    向への移動を許容し、前記付勢部材の付勢により前記移
    動部材の傾斜面と各ウェイトの傾斜面とを当接させて、
    各ウェイトをドライブシャフトの軸線から離間する径方
    向に移動することを特徴とする燃料噴射時期調整装置。
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