JP2754507B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2754507B2
JP2754507B2 JP3350240A JP35024091A JP2754507B2 JP 2754507 B2 JP2754507 B2 JP 2754507B2 JP 3350240 A JP3350240 A JP 3350240A JP 35024091 A JP35024091 A JP 35024091A JP 2754507 B2 JP2754507 B2 JP 2754507B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P17/00Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
    • F02P17/12Testing characteristics of the spark, ignition voltage or current
    • F02P2017/125Measuring ionisation of combustion gas, e.g. by using ignition circuits

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火検出装
置に関し、特に燃料系の原因に係る失火の検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の気筒に吸入された燃料混合気
を点火するため該各気筒毎に点火プラグが設けられてい
る。通常、内燃機関の点火コイルにおいて発生された高
電圧は配電器を介して各気筒の点火プラグへ順次分配さ
れ、前記燃料混合気を点火する。この場合、点火プラグ
での点火が正常に行なわれない、すなわち失火が生ずる
と、種々の弊害が発生する。例えば、運転性能を悪化さ
せ、燃費を悪化させ、さらには未燃焼ガスの排気系路で
の後燃えにより排気ガス浄化装置における触媒温度の上
昇をまねく等の弊害である。従って、このような弊害を
もたらす失火は絶対に防止しなければならない。この失
火の原因を大別すると、燃料系に係るものと点火系に係
るものとがある。前者の燃料系に係るものは燃料混合気
のリーンまたはリッチに起因するものであり、後者の点
火系に係るものはいわゆるミス・スパークに起因するも
のである。ミス・スパークとは点火プラグに正常な火花
放電が生じないことを意味する。例えば未燃燃料の付着
による点火プラグのくすぶり等により、あるいは点火回
路の異常により正常な火花放電が行われない場合であ
る。
【0003】本願出願人は、上記失火のうち燃料系の原
因に係るものを検出する失火検出装置として、点火電圧
を検出し、この点火電圧の値が所定電圧値を越える期間
及び/又は点火電圧の値が所定電圧値を越える部分の面
積が基準値を越えるとき、機関の失火と判定するように
したものを、既に提案している(平成3年11月14日
付特許願、整理番号JP2793)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
失火検出装置では失火判定のための基準値の設定手法が
具体的に示されていないため、例えば正常に燃焼してい
るにも拘らず燃焼室内におけるイオンの生成が少ない場
合、あるいは点火プラグの温度によってイオンの検出が
困難な場合等には、失火でないのに失火と誤判定すると
いう問題が未解決であった。
【0005】また、例えば燃料供給遮断状態から燃料供
給を開始した直後のように、機関運転状態によっては誤
って失火と判定する可能性が高い場合があるにも拘ら
ず、従来の装置ではこの点が考慮されていなかった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みなされたもので
あり、燃料系の原因に係る失火をより正確に検出するこ
とができる失火検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、機関運転パラメータの値を検
出する機関運転状態検出手段と、前記機関運転パラメー
タの値に基づいて点火時期を決定して点火指令信号を発
生する信号発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、
機関に備えられた点火プラグを放電させる為の高電圧を
発生させる点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生さ
れる時の電圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火
指令信号発生後の点火電圧値が所定電圧値を越える期間
及び前記点火電圧値が所定電圧値を越える部分の面積の
少なくとも一方が基準値を越えるとき、機関の失火状態
と判定する失火判定手段とを有する内燃機関の失火検出
装置において、前記失火判定手段は、前記基準値を前記
機関運転パラメータの値に応じて設定する基準値設定手
段を備え、前記基準値設定手段は、機関回転数及び機関
負荷に応じて基本値を設定するとともに、吸気温、機関
温度、空燃比、排気還流率及び大気の湿度の少なく1つ
に応じて前記基本値を補正することにより、前記基準値
を算出するようにしたものである。
【0008】
【0009】請求項2に記載の発明は、機関運転パラメ
ータの値を検出する機関運転状態検出手段と、前記機関
運転パラメータの値に基づいて点火時期を決定して点火
指令信号を発生する信号発生手段と、前記点火指令信号
に基づいて、機関に備えられた点火プラグを放電させる
為の高電圧を発生させる点火手段と、前記点火手段に高
電圧が発生される時の電圧値を検出する電圧値検出手段
と、前記点火指令信号発生後の点火電圧値が所定電圧値
を越える期間及び前記点火電圧値が所定電圧値を越える
部分の面積の少なくとも一方が基準値を越えるとき、機
関の失火状態と判定する失火判定手段とを有する内燃機
関の失火検出装置において、前記機関が所定運転状態に
あるときには、前記失火判定手段による判定を禁止する
禁止手段を設け、前記所定運転状態は、機関負荷、吸気
温及びバッテリ電圧の少なくとも1つが所定範囲外にあ
る第1の条件、駆動輪スリップ制御、空燃比リーン化制
御及び燃料供給遮断制御のいずれかが実行中である第2
の条件及び燃料供給遮断制御終了後所定時間内である第
3の条件のうち少なくとも1つの条件が成立する運転状
態とするようにしたものである。
【0010】
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、点火電圧値が
所定電圧値を越える期間及び/又は点火電圧値が所定電
圧値を越える部分の面積が、失火判定用の基準値を越え
るとき失火状態と判定され、前記基準値は、機関回転数
及び機関負荷に応じて設定される基本値を、吸気温、機
関温度、空燃比、排気還流率及び大気の湿度の少なく1
つに応じて補正することにより算出される。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、点火電圧
値が所定電圧値を越える期間及び/又は点火電圧値が所
定電圧値を越える部分の面積が、失火判定用の基準値を
越えるとき失火状態と判定され、機関負荷、吸気温及び
バッテリ電圧の少なくとも1つが所定範囲外にある第1
の条件、駆動輪スリップ制御、空燃比リーン化制御及び
燃料供給遮断制御のいずれかが実行中である第2の条件
及び燃料供給遮断制御終了後所定時間内である第3の条
件のうち少なくとも1つの条件が成立する所定運転状態
において、前記失火判定が禁止される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0014】図1は、本発明の一実施例に係る排気還流
機構を装備した内燃機関(以下単に「エンジン」とい
う)及びその制御装置の全体構成図であり、例えば4気
筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が
設けられている。スロットル弁3にはスロットル弁開度
(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル
弁3の開度に応じた電気信号を出力してエンジン制御用
電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5
に供給する。
【0015】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3との間且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側
に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃
料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接
続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁
時間が制御される。
【0016】エンジン1の各気筒の点火プラグ16はデ
ィストリビュータ15を介してECU5に電気的に接続
されており、ECU5により点火時期θIGが制御され
る。ディストリビュータ15と点火プラグ16とを接続
する接続線の途中には、その接続線と静電的に結合され
た(接続線と数pFのコンデンサを形成する)点火電圧
センサ17が設けられており、その検出信号はECU5
に供給される。
【0017】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気
管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この
絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号
は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気
温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを
検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給す
る。
【0018】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン
水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出
力してECU5に供給する。エンジン回転数(NE)セ
ンサ10及び気筒判別(CYL)センサ11はエンジン
1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲に取付け
られている。エンジン回転数センサ10はエンジン1の
クランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置
でパルス(以下「TDC信号パルス」という)を出力
し、気筒判別センサ11は特定の気筒の所定のクランク
角度位置で信号パルスを出力するものであり、これらの
各信号パルスはECU5に供給される。
【0019】三元触媒14はエンジン1の排気管13に
配置されており、排気ガス中のHC,CO,NOx等の
成分の浄化を行う。排気ガス濃度検出器としての酸素濃
度センサ12は排気管13の三元触媒14の上流側に装
着されており、排気ガス中の酸素濃度を検出してその検
出値に応じた信号を出力しECU5に供給する。酸素濃
度センサ12は、酸素濃度に比例した信号を出力するリ
ニア型のものである。
【0020】ECU5には更に、バッテリ電圧VBを検
出するバッテリ電圧センサ31、大気の湿度HAを検出
する湿度センサ32、エンジン1が搭載された車両の左
右の駆動輪の回転速度WFL,WFRを検出する駆動輪
速度センサ33,34及び左右の従動輪の回転速度WR
L,WRRを検出する従動輪速度センサ35,36が接
続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に
供給される。
【0021】次に、排気還流機構20について説明す
る。
【0022】この機構20の排気還流路21は、一端2
1aが排気管13の三元触媒14上流側に、他端21bが
吸気管2のスロットル弁3下流側に夫々連通している。
この排気還流路21の途中には排気還流量を制御する排
気還流弁22及び容積室21Cが介設されている。そし
て、この排気還流弁22はソレノイド22aを有する電
磁弁であり、ソレノイド22aはECU5に接続され、
その弁開度がECU5からの制御信号によってリニアに
変化させることができるように構成されている。排気還
流弁22には、その弁開度を検出するリフトセンサ23
が設けられており、その検出信号はECU5に供給され
る。
【0023】ECU5は上述の各種センサからのエンジ
ンパラメータ信号等に基づいてエンジン運転状態を判別
し、吸気管内絶対圧PBAとエンジン回転数NEとに応
じて設定される排気還流弁22の弁開度指令値LCMD
とリフトセンサ23によって検出された排気還流弁22
の実弁開度値LACTとの偏差を零にするようにソレノ
イド22aに制御信号を供給する。
【0024】ECU5は各種センサからの入力信号波形
を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ
信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入
力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム
及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射
弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成され
る。
【0025】CPU5bは上述の各種エンジンパラメー
タ信号に基づいて、酸素濃度センサ12による理論空燃
比へのフィードバック制御運転領域やオープンループ制
御運転領域等の種々のエンジン運転状態を判別するとと
もに、エンジン運転状態に応じ、燃料噴射弁6の燃料噴
射時間及び点火プラグ16の点火時期を演算するととも
に、後述するように点火電圧センサ17の出力に基づい
た失火判定を行う。
【0026】CPU5bは、更にエンジン運転状態に応
じた前記排気還流機構20の排気還流弁22の弁開度制
御及び駆動輪速度WFL,WFRと従動輪速度WRL,
WRRとに基づくトラクション制御を行う。このトラク
ション制御は、駆動輪の過剰スリップ状態を検出したと
きには、空燃比のリーン化及び燃料供給遮断(フュエル
カット)によってエンジンの出力トルクを低減するもの
である。
【0027】CPU5bは上述のようにして算出、決定
した結果に基づいて、燃料噴射弁6、点火プラグ16及
び排気還流弁22を駆動する信号を、出力回路5dを介
して出力する。
【0028】尚、本実施例においては、ECU5は信号
発生手段、失火判定手段、基準値設定手段及び禁止手段
を構成する。
【0029】図2は、図1の制御装置における失火判定
に係る部分の構成を示す図であり、電源電圧VBが供給
される電源端子T1は一次側コイル47と二次側コイル
48とから成る点火コイル(点火手段)49に接続され
ている。一次側コイル47と二次側コイル48とは互い
にその一端で接続され、一次側コイル47の他端はトラ
ンジスタ46のコレクタに接続され、トランジスタ46
のベースは駆動回路50を介してCPU5bに接続さ
れ、そのエミッタは接地されている。トランジスタ46
のベースには、CPU5bより点火指令信号Aが供給さ
れる。また、二次側コイル48の他端は、ディストリビ
ュータ15を介して点火プラグ16の中心電極16aに
接続されている。点火プラグ16の接地電極16bは接
地されている。
【0030】点火電圧センサ17は、入力回路41を介
してA/D変換器45に接続され、A/D変換器45の
出力はCPU5bに接続されている。A/D変換器45
により、入力回路41の出力電圧(点火電圧)Vがデジ
タル値に変換され、CPU5bに供給される。
【0031】図3は、入力回路41の具体的な構成を示
す回路図であり、同図において入力端子T2は、抵抗4
15を介して演算増幅器(以下「オペアンプ」という)
416の非反転入力に接続されている。また入力端子T
2は、コンデンサ411と抵抗412とダイオード41
4とを並列に接続した回路を介してアースに接続される
とともに、ダイオード413を介して電源ラインVBS
に接続されている。コンデンサ411は、例えば104
pF程度のものを使用し、前記点火電圧センサ17によ
って検出される電圧を数千分の1に分圧する働きをす
る。また抵抗412は例えば500KΩ程度のものを使
用する。ダイオード413及び414は、オペアンプ4
16の入力電圧がほぼ0〜VBSの範囲内に入るように
するために設けられている。オペアンプ416の反転入
力はその出力と接続されており、オペアンプ416はバ
ッファアンプ(インピーダンス変換回路)として動作す
る。オペアンプ416の出力が点火電圧VとしてA/D
変換器45に供給される。
【0032】図4は、点火指令信号発生時における点火
電圧Vの推移を示すタイムチャートであり、実線は燃料
混合気の正常燃焼時の点火電圧を示し、破線は燃料系の
原因による失火(以下「FI失火」という)時の点火電
圧を示す。
【0033】同図を参照して、まず、正常燃焼時の点火
電圧特性(実線で示す特性)について説明する。点火指
令信号A発生時刻t0の直後においては点火電圧は燃料
混合気(点火プラグの放電ギャップ間)の絶縁を破壊す
る値まで上昇する(曲線a)。例えば図3に示すように
点火電圧Vの値がFI失火判別用基準電圧(所定電圧)
Vmis1を越えたとき(V>Vmis1となったとき)燃料混
合気の絶縁は破壊され、絶縁破壊前の容量放電状態(数
百アンペア程度の電流による非常に短い時間の放電状
態)から放電電圧が略一定の誘導放電状態へと移行する
(曲線b)(数十ミリアンペア程度の電流により、数ミ
リ秒程度の放電期間)。誘導放電電圧は、時刻t0以降
の圧縮行程に伴う気筒内の圧力が上昇することにより上
昇する。これは、圧力が高くなると誘導放電に必要な電
圧も高くなるためである。誘導放電の最後の段階におい
ては点火コイルの誘導エネルギーの減少により誘導放電
を維持するための電圧よりも点火プラグ電極間の電圧が
低くなり、誘導放電は消失して容量放電状態へ移行す
る。容量放電状態においては点火プラグ電極間の電圧は
燃料混合気の絶縁を再度破壊するため上昇するが、点火
コイル1の残余のエネルギーが少なく電圧上昇はわずか
である(曲線c)。これは、燃焼が発生した場合は、プ
ラグギャップ間の電気抵抗が低いためであり、燃焼時の
燃料混合気がイオン化していることに起因する。
【0034】次に、燃料混合気が燃料供給系の異常等に
よりリーン状態やカット状態となりFI失火が発生した
とき(燃焼が発生しなかったとき)の点火電圧特性(点
線で示す特性)について説明する。点火指令信号A発生
時刻t0の直後においては点火電圧Vは点火プラグ電極
間の燃料混合気の絶縁を破壊する値まで上昇するが、こ
のときの絶縁破壊電圧の値は、燃料混合気に占める空気
の割合が正常時よりも多く含まれており、燃料混合気の
絶縁耐力が大きくなり、また、燃焼が発生していないた
め、燃料混合気がイオン化しておらず、プラグギャップ
間の電気抵抗が高くなることから、正常燃焼時の電圧値
よりも高くなる(曲線a’)。この後、正常燃焼時と同
様に誘導放電状態へ移行する(曲線b’)が、放電時の
抵抗も正常燃焼時よりも大きくなることにより正常燃焼
時よりも誘導放電電圧が高くなり早く上記誘導放電状態
から容量放電状態へ移行する(曲線c’)。この誘導放
電の最後の段階から容量放電への移行時に発生する容量
放電電圧の値は、燃料混合気の絶縁破壊電圧が正常燃焼
時よりも大きいことにより、又誘導放電が早く終わり
(放電持続時間が短くなる)残余エネルギーも多くなる
ため図3に示すように正常燃焼時に比べて非常に大きく
なる(曲線c’)。従って、この容量放電の直後では点
火コイルの残余のエネルギーが急激に減少するため点火
電圧が略零に急降下する(曲線c’)。
【0035】図5は、失火判定を行うプログラムのフロ
ーチャートであり、本プログラムはCPU5bで一定時
間毎に実行される。
【0036】まず、モニタ条件が成立しているか否かを
判別する(ステップS1)。ここで、モニタ条件は、エ
ンジンが失火判定を実行すべき運転状態にあるとき成立
する条件であり、後述する図6のプログラムによって判
断される。この条件が成立していない(ステップS1の
答が否定(No))ときには、直ちに本プログラムを終
了する。
【0037】ステップS1の答が肯定(Yes)、即ち
モニタ条件が成立しているときには、点火指令信号Aが
発生したか否かを示すIGフラグ(FlagIG)に
「1」が立っているか否かを判断する(ステップS
2)。「1」は点火指令信号Aが発生したことを示す。
このIGフラグは点火指令信号Aの発生とともに「1」
に設定され一定時間経過後に「0」に設定される。点火
指令信号Aの発生前においては「1」は立っていないの
で、ステップS2における判断は否定となり、ステップ
S3,S4,S5へ移行し、タイマ(点火指令信号A発
生後の時間を計測するタイマ)に所定時間Tmis1を設定
し、面積Sの値を零に初期化してメモリに記憶し、IG
フラグに「0」を立て、本プログラムを終了する。IG
フラグに「1」を立てる処理は図5のルーチンとは別の
ルーチン例えば点火時期演算処理ルーチンで行なう。
【0038】なお、所定時間Tmis1の値は、点火指令信
号Aの発生時点から正常燃焼時に誘導放電の最後の段階
での容量放電の発生時点までの時間より若干大きい時間
に設定され、エンジン運転状態(機関運転パラメータ
値)に応じてマップ又はテーブルから読み出される値で
ある。後に述べるVmis1,Smisについても同様であ
る。
【0039】次に、点火指令信号Aが発生してIGフラ
グに「1」が立つと、ステップS2からS6へ移行し
て、前記タイマで所定時間Tmis1が経過したか否かを判
断する(図4参照)。点火指令信号A発生直後において
は所定時間Tmis1は経過していないので、点火電圧Vの
値が所定電圧Vmis1の値を越えたか否かを判断する(ス
テップS7)(図4参照)。この所定電圧Vmis1は例え
ば正常燃焼時であれば点火指令信号Aの発生直後の容量
放電中及びその後誘導放電に続く容量放電中に点火電圧
Vが必ず越える値に設定される。V≦Vmis1であれば、
本プログラムを直ちに終了する。V>Vmis1であれば、
図4に示す点火電圧特性曲線においてV>Vmis1である
部分の面積を求め(ステップS8)、この面積の値を面
積Sの値が記憶されているメモリに加え、新たな面積S
の値とする。次に、この新たな面積Sの値が所定面積S
misの値を越えているか否かを判断し(ステップS
9)、越えていればFI失火と判定し(ステップS1
0)、越えていなければFI失火でないと判断して本プ
ログラムを終了する。上記処理をECU8のタイマで所
定時間Tmis1が経過するまで行なう(ステップS6)。
なお、上記所定面積Smisの値は、FI失火時に積算し
た面積Sの値よりも小さくなるように設定される。
【0040】上記面積Sの値の例を図4に示す。図4に
おいて、右下がり斜線で示す面積S 1は正常燃焼時にお
ける面積Sを示し、左下がり斜線で示す面積S2とS3
合計はFI失火時の面積Sを示す。FI失火時の面積S
は、正常燃焼時の面積Sよりも遥かに大きく、所定面積
Smisを確実に越える。
【0041】尚、図4においてS1とS2は点火指令信号
発生直後の容量放電時の面積であり、S3はその後の誘
導放電に続く容量放電時の面積であり、図5のプログラ
ム中、面積SはS2とS3との和である。
【0042】図6は、前記モニタ条件の判定を行うプロ
グラムのフローチャートである。
【0043】ステップS21〜S25では、検出したエ
ンジン運転パラメータ値が所定範囲内にあるか否かを判
別する。即ち、エンジン回転数NEが下限値NEL(例
えば500rpm)と上限値NEH(例えば6,500
rpm)の間にあるか否か(ステップS21)、吸気管
内絶対圧PBAが下限値PBAL(例えば260mmHg)
と上限値PBAH(例えば760mmHg)の間にあるか否か
(ステップS22)。エンジン水温TWが下限値TWL
(例えば40℃)と上限値TWH(例えば110℃)の
間にあるか否か(ステップS23)、吸気温TAが下限
値TAL(例えば0℃)と上限値TAH(例えば80
℃)の間にあるか否か(ステップS24)及びバッテリ
電圧VBが下限値VBL(例えば10V)より高いか否
か(ステップS25)を判別し、これらの判別結果のい
ずれかが否定(No)(のときには、モニタ条件不成立
と判定する(ステップS32)。エンジンが通常の運転
状態にあれば、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧P
BA、エンジン水温TW及び吸気温TAは、上記上下限
値の範囲内にあること、及びバッテリ電圧VBが低い場
合には点火電圧が低下し、正確な判定ができないことを
考慮したものである。
【0044】ステップS21〜25の答が全て肯定(Y
es)のときには、空燃比リーン制御実行中(例えばエ
ンジンの減速時にこのような制御が実行される)である
か否か(ステップS26)及びトラクション制御実行中
であるか否か(ステップS27)を判別する。これらの
判別の結果、いずれかの答が肯定(Yes)のときに
は、モニタ条件不成立と判別する(ステップS32)。
空燃比リーン制御中は、燃焼が不安定となること及びト
ラクション制御実行中は、空燃比リーン制御及び/又は
フュエルカットが行われることを考慮したものである。
【0045】ステップS26,S27の答がともに否定
(No)のときには、更にフュエルカット中か否かを判
別し(ステップS28)、その答が肯定(Yes)、即
ちフュエルカット中のときには、タイマTMAFCに所
定時間(例えば1秒)をセットしてスタートさせ(ステ
ップS29)、モニタ条件不成立と判定する(ステップ
S32)。ステップS28の答が否定(No)、即ちフ
ュエルカット中でないときには、前記タイマTMAFC
のカウント値が値0か否かを判別する(ステップS3
0)。この答が否定(No)、即ちフュエルカット終了
後所定時間経過前は、モニタ条件不成立と判定し(ステ
ップS32)、ステップS30の答が肯定(Yes)、
即ちフュエルカット終了後所定時間経過したときにはモ
ニタ条件成立と判定する(ステップS31)。
【0046】ステップS29,S30は、フュエルカッ
ト終了後直後も燃焼が不安定となることを考慮したもの
である。
【0047】図6のプログラムによれば、エンジン運転
パラメータ値(NE,PBA,TW,TA,VB)が所
定範囲ないとき、空燃比リーン制御若しくはトラクショ
ン制御実行中のとき、フュエルカット中又はフュエルカ
ット終了後所定時間内はモニタ条件不成立と判定され、
上記以外のときモニタ条件成立と判定される。
【0048】従って、図5のプログラムによる失火判定
は、燃焼が安定しているモニタ条件成立時のみ実行され
るので、より正確な判定を行うことができる。
【0049】図7は本発明の第2の実施例に係る失火判
定用の回路構成を示す図であり、入力回路41の出力
は、ピークホールド回路42及び比較器44の非反転入
力に接続されている。ピークホールド回路42の出力
は、比較レベル設定回路43を介して比較器44の反転
入力に接続されている。また、ピークホールド回路22
のリセット入力には、CPU5bが接続されており、C
PU5bから適切なタイミングでピークホールド値をリ
セットするリセット信号が供給される。比較器44の出
力は、CPU5bに入力される。また、二次側コイル4
8とディストリビュータ15との間にダイオード50が
介装されている。以上の点以外は、図2の回路と同一で
ある。
【0050】図8は、図7の入力回路41、ピークホー
ルド回路42及び比較レベル設定回路43の具体的な構
成を示す回路図であり、入力回路41は、図3と同一で
ある。
【0051】図8において入力回路41のオペアンプ4
16の出力は、比較器44の非反転入力及びオペアンプ
421の非反転入力に接続されている。オペアンプ42
1の出力はダイオード422を介してオペアンプ427
の非反転入力に接続され、オペアンプ421及び427
の反転入力はいずれもオペアンプ427の出力に接続さ
れている。従って、これらのオペアンプもバッファアン
プとして動作する。
【0052】オペアンプ427の非反転入力は抵抗42
3及びコンデンサ426を介して接地され、抵抗423
とコンデンサ426の接続点は、抵抗424を介してト
ランジスタ425のコレクタに接続されている。トラン
ジスタ425のエミッタは接地され、ベースにはリセッ
ト時高レベルとなるリセット信号がCPU5bより入力
される。
【0053】オペアンプ427の出力は、比較レベル設
定回路43を構成する抵抗431及び432を介して接
地され、抵抗431と432の接続点が比較器44の反
転入力に接続されている。
【0054】図8の回路によれば、検出された点火電圧
V(オペアンプ416の出力)のピーク値がピークホー
ルド回路42によって保持され、そのピークホールド値
が比較レベル設定回路43により、値1より小さい所定
数倍され、比較レベルVCOMPとして比較器44に供
給される。従って、端子T4にはV>VCOMPが成立
するとき高レベルとなるパルス信号(比較判定パルス)
が出力される。
【0055】以上のように構成される失火検出用回路の
動作を、図9に示すタイムチャートを用いて説明する。
なお、図9(b)〜(e)において実線は燃焼時の動作
を示し、破線はFI失火発生時の動作を示す。
【0056】また、同図(a)は点火指令信号である。
【0057】同図(b)は、検出した点火電圧V(B,
B′)及び比較レベルVCOMP(C,C′)の推移を
示しており、燃焼時の曲線Bは前述した図4と同様に変
化する。一方、失火発生時の曲線B′は放電終了直前に
容量放電電圧がピークとなった後の特性が、図4の場合
と異なる。これは、図7に示したように、2次側コイル
48とディストリビュータ15との間にダイオード50
を設けたことによる。以下、この点について詳述する。
【0058】点火コイル49で発生した電気エネルギ
は、ダイオード50及びディストリビュータ15を介し
て点火プラグ16に供給され、点火プラグ16の電極間
で放電される。このとき放電しきれなかった電荷は、ダ
イオード50と点火プラグ16との間の浮遊容量に蓄え
られるが、燃焼時はこの電荷が点火プラグ16の電極近
傍に存在するイオンによって中和されるため、容量放電
終了時の点火電圧V(図9(b)のB)は、ダイオード
50がない場合と同様に速やかに減少する。
【0059】これに対し失火時は、点火プラグ16の電
極近傍にほとんどイオンが存在しないため、ダイオード
50と点火プラグ16との間に蓄えられた電荷は、イオ
ンによって中和されず、またダイオード50によって点
火コイル49へ逆流することもできないためそのまま保
持され、気筒内圧力が低下して放電要求電圧がこの電荷
により印加されている電圧と等しくなった時に、点火プ
ラグ16の電極において放電される(図9(b)、時刻
t5)。従って、容量放電終了後も、比較的長時間(正
常燃焼時に比べて)にわたり、点火電圧Vは高電圧状態
が継続するのである。
【0060】図9(b)の曲線C,C′は、点火電圧V
のピークホールド値から得られる比較レベルVCOMP
の推移を示しており、時刻t2〜t3間でリセットされ
ている。従って、時刻t2以前は、前回点火された気筒
の比較レベルVCOMPを示している。また、図9
(c)は比較器44の出力を示しており、図9(b)及
び(c)から明らかなように、燃焼時においては時刻t
2〜t4間でV>VCOMPとなり、失火時においては
時刻t1〜t5間でV>VCOMPとなり、その間比較
器44の出力は高レベルとなる。
【0061】従って、比較器44から出力される比較判
定パルスのパルス幅を計測し、基準値と比較することに
よって、失火を判定することができる。図10は、比較
判定パルスに基づいて、失火判定を行うプログラムのフ
ローチャートであり、本プログラムはCPU5bにおい
て一定時間毎に実行される。
【0062】ステップS41では、前述したモニタ条件
が成立しているか否かを判別し、その答が否定(No)
のときには、直ちに本プログラムを終了する。ステップ
S41の答が肯定(Yes)のときには、IGフラグ
(FlagIG)が「1」であるか否かを判別し(ステ
ップS42)、その答が否定(No)、即ちIGフラグ
が「0」のときには、リセットタイマの計測値tRを値
0として(ステップS43)本プログラムを終了する。
ステップS42の答が肯定(Yes)、即ちIGフラグ
が「1」のときには、リセットタイマの計測値tRが所
定時間tRESETより小さいか否かを判別する(ステ
ップS44)。IGフラグが「0」から「1」となった
直後は、この答が肯定(Yes)となり、比較判定パル
ス、即ち比較器44の出力パルスが有るか否かを判別す
る(ステップS47)。この答が否定(No)であれば
直ちに本プログラムを終了し、肯定(Yes)であれ
ば、カウンタのカウント値CPを値1だけインクリメン
トし(ステップS48)、そのカウント値CPが基準値
CPREFより小さいか否かを判別する(ステップS4
9)。
【0063】ステップS49の答が肯定(Yes)、即
ちCP<CPREFのときには、正常燃焼と判定し、フ
ラグFMISを「0」とする(ステップS50)一方、
ステップS49の答が否定(No)、即ちCP≧CPR
EFのときには、FI失火と判定し、フラグFMISを
「1」とし(ステップS51)、本プログラムを終了す
る。
【0064】前記ステップS44の答が否定(No)、
即ちtR>tRESETとなったときには、カウンタの
カウント値CP及びIGフラグを値0にリセットし(ス
テップS45,S46)、前記ステップS50に進む。
【0065】図10のプログラムによれば、図9
(d),(e)に示すように、燃焼時には、カウント値
CPが基準値CPREFを越えないのに対し、失火時に
は、時刻t6に基準値CPREFを越えるので、失火が
検出される(FMISが0から1に変化する)。
【0066】図11は、上記基準値CPREFの設定を
行うプログラムのフローチャートであり、本プログラム
はTDC信号パルスの発生毎にこれと同期して実行され
る。
【0067】ステップS61では、前記モニタ条件が成
立しているか否かを判別し、その答が否定(No)のと
きには、直ちに本プログラムを終了する。ステップS6
1の答が肯定(Yes)のときには、CPREF0マッ
プを検索して、基準値CPREFの基本値CPREF0
を算出する(ステップS62)。CPREF0マップ
は、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて基本値CPREF0が設定マップであり、エンジン
回転数NEに対しては、図12(a)に示すようにNE
値が増加するほどCPREF0値は減少するように設定
されている。これは、NE値が増加するほど、点火指令
信号の発生間隔が短くなり、比較判定パルス幅が失火の
有無に拘らず減少する傾向がある点を考慮したものであ
る。また、吸気管内絶対圧PBAに対しては、同図
(b)に示すように、PBA値が所定値PBA0で最小
となるように設定されている。これは、吸気管内絶対圧
の変化による燃焼室内圧力及び点火要求電圧の変化を考
慮したものである。この値はエンジンの形式等(吸気特
性やカム特性など)によって変化するものであり、個々
のエンジンに対応して設定される。
【0068】続くステップS63では、ステップS62
で算出した基本値CPREF0の補正係数KMTOTA
Lを次式(1)により算出する。
【0069】KMTOTAL=KMTW×KMTA×K
MHA×KMAF×KMEGR…(1) ここでKMTWは、検出したエンジン水温TWに応じて
KMTWテーブルを検索することにより算出されるエン
ジン水温補正係数である。KMTWテーブルは、エンジ
ン温度が低いほど燃焼後の燃焼室内のイオン濃度が低下
し、比較判定パルス幅が増加する傾向にある点を考慮し
て図13(a)に示すように設定されている。
【0070】KMTAは、検出した吸気温TAに応じて
KMTAテーブルを検索することにより算出される吸気
温補正係数である。KMTAテーブルは、KMTWテー
ブルと同様に、吸気温TAが低いほど燃焼後の燃焼室内
のイオン濃度が低下する傾向にある点を考慮して、図1
3(b)に示すように設定されている。
【0071】KMHAは、検出した大気湿度HAに応じ
てKMHAテーブルを検索することにより算出される大
気湿度補正係数である。KMHAテーブルは、湿度が増
加するほど燃焼状態が悪化し、燃焼後の燃焼室内のイオ
ン濃度が低下する傾向がある点を考慮し、図13(c)
に示すように設定されている。
【0072】KMAFは、空燃比A/Fに応じてKMA
Fテーブルを検索することにより算出される空燃比補正
係数である。KMAFテーブルは、理論空燃比からずれ
るほど燃焼状態が悪化し、燃焼後の燃焼室内のイオン濃
度が低下する傾向がある点を考慮し、図14(a)に示
すように設定されている。
【0073】KMEGRは、排気還流率(EGR率)E
GRRに応じてKMEGRテーブルを検索することによ
り算出されるEGR補正係数である。KMEGRテーブ
ルは、EGR率EGRRが増加するほど燃焼状態が悪化
する傾向がある点を考慮し、図14(b)に示すように
設定されている。なおEGR率EGRRは、例えば排気
還流弁22の実弁開度LACTに応じて算出される。
【0074】図11にもどり、続くステップS64では
次式(2)により基準値CPREFを算出し、本プログ
ラムを終了する。
【0075】 CREF=CREF0×KMTOTAL …(2) 図11のプログラムによれば、エンジン回転数NE及び
吸気管内絶対圧PBAに応じて設定される基本値CPR
EF0を、エンジン水温TW、吸気温TA、大気湿度H
A、空燃比A/F及びEGR率EGRRに応じて補正す
ることにより、基準値CPREFが算出される。従っ
て、このようにして算出された基準値を図10のプログ
ラムで使用して失火判定を行うことにより、エンジン運
転状態の変化に拘らず、正確な失火判定が可能となる。
【0076】なお、図7のピークホールド回路22は、
平均化回路(積分回路)で代用してもよい。
【0077】また、第2の実施例において検出点火電圧
Vが比較レベルVCOMPを越える部分の面積((V−
VCOMP)の積分値)を用いて第1の実施例と同様に
失火検出を行ってもよい。また、第1の実施例と第2の
実施例とを組み合わせて、両者の検出結果が失火の場合
のみ失火発生と判定するようにしてもよい。
【0078】また、上記面積により失火を判定する場合
にも、失火判定用の基準値(第1の実施例におけるSmi
s)を、CPREF値と同様にエンジン運転状態に応じ
て設定することが望ましい。
【0079】また、第2の実施例における比較判定パル
ス幅の計測は、所定のゲート期間(例えば放電期間の後
半部分)内のみ行うようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の失火検出
装置によれば、点火電圧値が所定電圧値を越える期間及
び/又は点火電圧値が所定電圧値を越える部分の面積と
比較される失火判定用の基準値は、機関回転数及び機関
負荷に応じて設定される基本値を、吸気温、機関温度、
空燃比、排気還流率及び大気の湿度の少なく1つに応じ
て補正することにより算出されるので、機関回転数及び
機関負荷だけでなく、吸気温等の変化に拘らず正確な失
火判定を行うことができる。
【0081】また、請求項の失火検出装置によれば、
機関負荷、吸気温及びバッテリ電圧の少なくとも1つが
所定範囲外にある第1の条件、駆動輪スリップ制御、空
燃比リーン化制御及び燃料供給遮断制御のいずれかが実
行中である第2の条件及び燃料供給遮断制御終了後所定
時間内である第3の条件のうち少なくとも1つの条件が
成立する所定運転状態においては、失火判定が禁止され
るので、正確な失火判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る内燃機関及びその制御
装置の構成図である。
【図2】失火検出を行うための回路構成を示す図であ
る。
【図3】図2の回路の一部の具体的な構成を示す回路図
である。
【図4】点火電圧の推移を示すタイムチャートである。
【図5】失火判定を行うプログラムのフローチャートで
ある。
【図6】モニタ条件の判定を行うプログラムのフローチ
ャートである。
【図7】本発明の他の実施例に係る失火検出を行うため
の回路構成を示す図である。
【図8】図7の回路の一部の具体的な構成を示す回路図
である。
【図9】図7の回路の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図10】失火判定を行うプログラムのフローチャート
である。
【図11】基準値(CPREF)の算出を行うプログラ
ムのフローチャートである。
【図12】基準値の基本値(CPREF0)算出用のマ
ップの設定値を説明するための図である。
【図13】基本値(CPREF0)の補正係数算出用の
テーブルを示す図である。
【図14】基本値(CPREF0)の補正係数算出用の
テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 電子コントロールユニット(ECU) 15 ディストリビュータ 16 点火プラグ 17 点火電圧センサ 47 一次側コイル 48 二次側コイル 49 点火コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 茂樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 久木 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 丸山 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 近松 正孝 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 寺田 収宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 前田 健一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 柿元 一仁 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−118135(JP,A) 特開 昭50−5735(JP,A) 特開 昭64−77758(JP,A) 特表 平2−503814(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する信号
    発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、機関に備え
    られた点火プラグを放電させる為の高電圧を発生させる
    点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生される時の電
    圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信号発
    生後の点火電圧値が所定電圧値を越える期間及び前記点
    火電圧値が所定電圧値を越える部分の面積の少なくとも
    一方が基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する
    失火判定手段とを有する内燃機関の失火検出装置におい
    て、前記失火判定手段は、前記基準値を前記機関運転パ
    ラメータの値に応じて設定する基準値設定手段を備え
    前記基準値設定手段は、機関回転数及び機関負荷に応じ
    て基本値を設定するとともに、吸気温、機関温度、空燃
    比、排気還流率及び大気の湿度の少なく1つに応じて前
    記基本値を補正することにより、前記基準値を算出す
    ことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する信号
    発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、機関に備え
    られた点火プラグを放電させる為の高電圧を発生させる
    点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生される時の電
    圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信号発
    生後の点火電圧値が所定電圧値を越える期間及び前記点
    火電圧値が所定電圧値を越える部分の面積の少なくとも
    一方が基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する
    失火判定手段とを有する内燃機関の失火検出装置におい
    て、前記機関が所定運転状態にあるときには、前記失火
    判定手段による判定を禁止する禁止手段を設け、前記所
    定運転状態は、機関負荷、吸気温及びバッテリ電圧の少
    なくとも1つが所定範囲外にある第1の条件、駆動輪ス
    リップ制御、空燃比リーン化制御及び燃料供給遮断制御
    のいずれかが実行中である第2の条件及び燃料供給遮断
    制御終了後所定時間内である第3の条件のうち少なくと
    も1つの条件が成立する運転状態とすることを特徴とす
    る内燃機関の失火検出装置。
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