JP2753187B2 - 支持パイプ接続構造 - Google Patents

支持パイプ接続構造

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JP2753187B2
JP2753187B2 JP10953693A JP10953693A JP2753187B2 JP 2753187 B2 JP2753187 B2 JP 2753187B2 JP 10953693 A JP10953693 A JP 10953693A JP 10953693 A JP10953693 A JP 10953693A JP 2753187 B2 JP2753187 B2 JP 2753187B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビハンガーの懸
吊部分等に好適に使用される支持パイプ接続構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、テレビハンガーを天井に支持さ
せるための懸吊手段として、天井部分に存在する建築構
造物に固着され下端部を天井板の下面側にまで垂下させ
た外支持パイプと、テレビ受像機を載置するテレビハン
ガーのハンガーフレームを懸吊支持する内支持パイプと
を具備してなるものが知られている。すなわち、このも
のは前記内支持パイプを外支持パイプの内周にテレスコ
ープ状に嵌入させ、所要の挿入位置において前記内支持
パイプと外支持パイプとをボルトにより緊締結合するよ
うにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単にこれだ
けのものでは、テレビハンガー全体の重量を支えなが
ら、内支持パイプに設けたねじ孔と外支持パイプに設け
たボルト挿通孔とを合致させ、その状態を維持しながら
前記ボルト挿通孔に挿入したボルトを前記ねじ孔に螺合
させる操作が不可欠となる。ところが、目視し難く微妙
に上下動するねじ孔にボルトを螺合させる操作は思いの
ほか難しく、テレビハンガーの重量を支えながらの作業
であることとも相まって苦痛を伴う難易度の高い作業と
なっている。
【0004】このような不具合を解消する方策として
は、外支持パイプと内支持パイプにそれぞれ貫通孔を設
けておき、その貫通孔にボルトを貫通させ、そのボルト
の貫通端にナットを螺着して両支持パイプを結合するこ
とも考えられる。ところが、このようなものはボルトの
先端にナットが定着された部分が外部に露出するため、
未完成な外観を呈さざるを得ず、何等かの隠蔽手段が必
要となる。
【0005】また、従来のものはいずれの場合も、テレ
ビハンガーやテレビ受像機の重量に起因して支持パイプ
に作用する軸方向の荷重が、前記ボルトの外周に作用す
ることになる。そのため、ボルトのねじ山が圧壊され易
いという問題もある。
【0006】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る支持パイプ接続構造は、テ
レスコープ状に組み合わされ軸心方向の荷重を受ける内
支持パイプと外支持パイプとを接続するためのものであ
って、内支持パイプに穿設された内貫通孔と、この内貫
通孔に対応させて外支持パイプに穿設された外貫通孔
と、相互に合致させた内貫通孔と外貫通孔とに挿入され
前記内貫通孔と外貫通孔とが食い違うことによって抜出
不能となる段付ピンと、内支持パイプに螺着され頭部で
内支持パイプの外支持パイプに対するスライドを段付ピ
ンが抜けない範囲に制限するボルトとを具備してなるこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】このような構成のものであれば、外支持パイプ
或いは内支持パイプを荷重に抗して付勢することによっ
て外貫通孔と内貫通孔とを合致させ、その瞬間にそれら
の貫通孔に段付ピンを挿入し、しかる後に、その付勢力
を除去すると、前記荷重によって外貫通孔と内貫通孔と
が食い違い、段付ピンが抜けなくなる。次いで、内支持
パイプにボルトを螺着すると、このボルトの頭部によっ
て内支持パイプの外支持パイプに対するスライドが制限
され、外貫通孔と内貫通孔とが合致し得なくなる。その
ため、この状態においては外力が加わっても、段付ピン
が抜け落ちることは不能となり、外支持パイプと内支持
パイプとが確実に接続されることになる。このようにし
て外支持パイプと内支持パイプとが接続された状態にお
いては、外支持パイプ及び内支持パイプに作用する軸心
方向の荷重がこの段付ピンの外周に作用し、この段付ピ
ンを介して相互伝達される。
【0009】しかして、このようなものであれば、段付
ピンを貫通孔に挿入しさえすれば、外支持パイプと内支
持パイプとの仮接続が完了するため、支持パイプから手
を放した状態でボルトをねじ孔に螺合させ締め付けるこ
とができる。そのため、内支持パイプあるいは外支持パ
イプを一定高さに持ち上げて支持しつつボルトのねじ孔
への螺合操作や締付操作を行う場合に比べてはるかに迅
速かつ安全に接続作業を進めることができる。しかも、
一旦接続した場合には、ボルトの頭部によって内支持パ
イプと外支持パイプとの相対摺動が制限され、段付ピン
が抜出し得なくなるため、地震等が発生しても安全性を
維持することができる。
【0010】そして、外支持パイプと内支持パイプとに
作用する軸心方向の荷重は、ねじ溝を有しない段付ピン
の外周に作用するため、ねじ溝が荷重により圧壊するよ
うな不具合が生じない。スライド防止用のボルトも頭部
で外支持パイプを係止するものであるため、そのねじ溝
が変形するようなことがない。しかも、このボルトは荷
重を全面的に受けるものではないため比較的小さなもの
でよく、例えば、ドライバ等で簡単に装着し得るような
ものにすることも可能である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0012】図1に示すように、テレビハンガー1のハ
ンガーフレーム11を内支持パイプ2と外支持パイプ3
とを介して天井部分に存在する建築構造物4に支持させ
ている。
【0013】テレビハンガー1は、ハンガーフレーム1
1と、このハンガーフレーム11に懸吊支持され底板部
12aで受像機Tを載設支持するアンダーガード12
と、このアンダーガード12に取着され天板部13aで
受像機Tの上動および前動を制限するアッパーガード1
3とを具備してなる。
【0014】内支持パイプ2は、下端をハンガーフレー
ム11の中央部に取着した円形パイプ状のもので、複数
の内貫通孔21が所定のピッチで穿設してある。また、
内貫通孔21よりも一定距離Lだけ上方の部位には、ね
じ孔22がそれぞれ設けてある。
【0015】外支持パイプ3は、上端に取付フランジ3
3を有する円形パイプ状のもので、その取付フランジ3
3を建築構造物4の下面に固設されたベース41にボル
ト34を用いて止着している。外支持パイプ3の下端部
は、天井板5を貫通させて部屋内にまで垂下させてあ
り、その天井板5よりも下方に位置する部位に、第1、
第2の外貫通孔31,32が上下に所定の間隔をあけて
穿設してある。
【0016】そして、前記内支持パイプ2を前記外支持
パイプ3の内周にテレスコープ状に嵌合させ、段付ピン
6とボルト7を用いて外支持パイプ3に接続している。
詳述すれば、段付ピン6は、小径部61の両端に大径部
62を形成してなる軸状のもので、その大径部62の外
径は外支持パイプ3の第1の外貫通孔31に挿入可能な
値に設定してあり、また、小径部61の軸方向長さは内
支持パイプ2の外径に略対応させてある。この第1の外
貫通孔31に対応する内支持パイプ2の内貫通孔21
は、該外貫通孔31よりも若干大径に設定してある。第
2の外貫通孔32は、前記ボルト7の頭部71よりも大
径なもので、この外貫通孔32と第1の外貫通孔31と
の軸間距離Mは、前記内貫通孔21と前記ねじ孔22と
の軸間距離Lよりも小さく設定してある。すなわち、第
1の外貫通孔31と内貫通孔21との軸心を一致させた
状態においては、前記ねじ孔22が第2の外貫通孔32
の上縁近傍に位置するように設定してある。
【0017】内支持パイプ2を外支持パイプ3に接続す
るには、まず、図2及び図3に示すように、内支持パイ
プ2を上方に付勢しつつ外支持パイプ3の内周に下側か
ら挿入し、図4及び図5に示すように、所望の内貫通孔
21を第1の外貫通孔31に合致させる。その状態で、
図6及び図7に示すように、段付ピン6を前記外貫通孔
31及び内貫通孔21に挿入し、しかる後に内支持パイ
プ2の上方への付勢を解除する。その結果、図8及び図
9に示すように、内支持パイプ2が重力により若干降下
し、内貫通孔21の内周が段付ピン6の小径部61に当
接して係止される。この状態においては、外貫通孔31
と内貫通孔21とが食い違い、段付ピン6を抜き出すこ
とが不可能になる。つまり、内支持パイプ2が内支持パ
イプ2に仮保持されることになる。この段階でねじ孔2
2が第2の外貫通孔32の中央付近に位置することにな
り、このねじ孔22にボルト7を螺着することが可能と
なる。しかして、ねじ孔22にボルト7を螺着した状態
においては、図10及び図11に示すように、このボル
ト7の頭部71が第2の外貫通孔内32に位置すること
になる。そのため、内支持パイプ2に上方への外力が作
用しても、この頭部71が第2の貫通孔32の内周に当
接してその内支持パイプ2の上動が阻止されることにな
り、段付ピン6を装脱し得る位置まで内支持パイプ2が
スライドできなくなる。
【0018】テレビハンガー1の高さ位置を変更する場
合には、以上説明した手順を逆に辿って段付ピン6を内
貫通孔21及び第1の外貫通孔31から一旦抜き取り、
内支持パイプ2を上下させて新たな内貫通孔21を第1
の外貫通孔31に合致させ、しかる後に、以上の結合操
作を再度行なって内支持パイプ2を外支持パイプ3に接
続すればよい。
【0019】このような構成のものであれば、段付ピン
6を貫通孔21、31に挿入しさえすれば、外支持パイ
プ3と内支持パイプ2との仮接続が完了するため、支持
パイプ2、3から手を放した状態でボルト7をねじ孔2
2に螺合させ締め付けることができる。そのため、テレ
ビハンガー及び内支持パイプを一定高さに持ち上げて支
持しつつボルトのねじ孔への螺合操作や締付操作を行う
場合に比べてはるかに迅速かつ安全に接続作業を進める
ことができる。しかも、一旦接続した場合には、ボルト
7の頭部71によって内支持パイプ2の外支持パイプ3
に対する上動が制限され、段付ピン6が抜出し得なくな
るため、地震等が発生しても安全性を維持することがで
きる。
【0020】そして、外支持パイプ3と内支持パイプ2
とに作用する軸心方向の荷重は、ねじ溝を有しない段付
ピン6の外周に作用するため、ねじ溝が荷重により圧壊
するような不具合が生じない。スライド防止用のボルト
7も頭部71で外支持パイプ3を係止するものであるた
め、そのねじ溝が変形するようなことがない。しかも、
このボルト7は荷重を全面的に受けるものではないため
比較的小さなものでよく、図示しないドライバで簡単に
装着することができる。そのため、荷重の作用する大き
なボルトやナットをレンチ等を用いて緊締する場合に比
べて、天井直下での作業をはるかに楽に行うことが可能
となる。
【0021】なお、以上の実施例では、テレビハンガー
を懸吊するための内支持パイプと外支持パイプの接続に
ついて説明したが、本発明は必ずしもこのようなものに
限定されるものではなく、軸心方向に荷重を受ける種々
の支持パイプの接続に適用が可能である。具体的には、
スピーカや照明器具を懸吊するための支持パイプ等を挙
げることができる。
【0022】また、段付ピンの形状も、以上説明したも
のに限定されないのは勿論であり、例えば、外支持パイ
プが比較的厚肉なものである場合は、図12に示すよう
に、大径部62と小径部61との境界に存在する段部端
面63に若干の傾斜をもたせて正規の位置に案内され易
くしてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成であるか
ら、接続作業を迅速かつ安全に進めることができ、しか
も接続状態においては外力が加わっても外れることのな
い支持パイプ接続構造を提供できるものである。また、
本発明によれば、軸心方向の荷重が、ねじ溝を有するボ
ルトにではなくねじ溝を有していないピンに作用するの
で、ねじ溝が荷重により圧壊するような不具合が生じる
こともない。したがって、高さ調整のために何度も接続
状態を解除する必要のある箇所等に好適に使用し得るも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】同実施例の要部を示す斜視図。
【図3】同実施例の要部を示す断面図。
【図4】同要部を示す斜視図。
【図5】同要部を示す断面図。
【図6】同要部を示す斜視図。
【図7】同要部を示す断面図。
【図8】同要部を示す斜視図。
【図9】同要部を示す断面図。
【図10】同要部を示す斜視図。
【図11】同要部を示す断面図。
【図12】他の実施例の要部を示す側面図。
【符号の説明】
2…内支持パイプ 21…内貫通孔 3…外支持パイプ 31…外貫通孔 6…段付ピン 7…ボルト 71…ボルトの頭部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−159387(JP,A) 実開 昭59−121973(JP,U) 実開 平2−120974(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 5/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレスコープ状に組み合わされ軸心方向の
    荷重を受ける内支持パイプと外支持パイプとを接続する
    ための接続構造であって、内支持パイプに穿設された内
    貫通孔と、この内貫通孔に対応させて外支持パイプに穿
    設された外貫通孔と、相互に合致させた内貫通孔と外貫
    通孔とに挿入され前記内貫通孔と外貫通孔とが食い違う
    ことによって抜出不能となる段付ピンと、内支持パイプ
    に螺着され頭部で内支持パイプの外支持パイプに対する
    スライドを段付ピンが抜けない範囲に制限するボルトと
    を具備してなることを特徴とする支持パイプ接続構造。
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