JP2752664B2 - サスペンションシステム - Google Patents

サスペンションシステム

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JP2752664B2
JP2752664B2 JP27909288A JP27909288A JP2752664B2 JP 2752664 B2 JP2752664 B2 JP 2752664B2 JP 27909288 A JP27909288 A JP 27909288A JP 27909288 A JP27909288 A JP 27909288A JP 2752664 B2 JP2752664 B2 JP 2752664B2
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hydraulic pressure
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史之 山岡
忍 柿崎
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等車両のサスペンションシステム、
特に路面からの入力に対して減衰力特性を最適に制御す
る技術に関する。
(従来の技術) 従来、減衰力可変のサスペンションシステムとして
は、例えば、特開昭61−85210号公報に記載されたもの
が知られている。
この従来のシステムは、シリンダ内の液圧を検知する
と共に減衰力を変化可能な圧電素子を有した減衰力可変
液圧緩衝器と、前記圧電素子を駆動制御するコントロー
ラとを備え、前記コントローラは、通常、乗り心地を確
保するために低減衰力特性となるよう圧電素子を駆動制
御し、また、圧電素子のセンサ機能によって車両のスカ
ット・ダイブ・ローラ等の所定の状態を示す信号が入力
されたら、これらの車両状態を抑制すべくタイマが作動
する所定時間(例えば約2秒)、高減衰力特性となって
操縦安定性が確保できるよう圧電素子を駆動制御するよ
うになっていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来システムにあっては、単
に、スカット・ダイブ・ロール時のみに高減衰力特性に
するようにしていたため、操縦安定性の確保としては十
分でない。即ち、通常は乗り心地を確保しつつも、必要
な場合には高減衰力特性として乗り心地と操縦安定性の
両立を図るという観点からは、高減衰力特性とするの
は、上記スカット等の時に限らず、路面からの振動入力
の少ない高速走行時等の他の場合にも高減衰力特性であ
るのが望ましいが、それが達成されない。
また、上述の様に高減衰力特性が必要であると検知さ
れた場合、単にタイマの作動により所定時間高減衰力特
性に制御するようにしていたため、実際の車両振動に対
応して減衰力特性制御が成されていたとは言い難い。即
ち、左ロールに対応した制御を行っている所定時間内
に、車両が逆に左ロールの状態となったり、ダイブに対
応した制御を行っている最中に、逆にスカット状態にな
った場合、かえって、乗り心地や操縦安定性が悪化す
る。
さらに、従来システムの減衰力可変液圧緩衝器は、1
個の圧電素子が併有するセンサ機能とアクチュエータ機
能のいずれか一方の機能を選択的に切り換えて働かせる
ようにしたものであって、アクチュエータ機能が働いて
減衰力可変機構を高減衰力特性に切り換えた場合にはセ
ンサ機能は働かないため、路面からの連続的に振動入力
があった場合に2つ目以降の入力に対しては、減衰力特
性制御が行なえず、上記と同様の問題が生じる。
このように、従来システムでは、車両の乗り心地およ
び操縦安定性の両立を低いレベルでしか達成できないも
のであった。
つまり、低減衰力特性とした場合、乗り心地が良い
が、操縦安定性に欠けるという問題がある。そこで、従
来システムは、通常は低減衰力特性として乗り心地を確
保し、特に、操縦安定性の確保が必要な状況となったと
きだけ高減衰力特性として、乗り心地と操縦安定性の確
保を行おうとしているが、この高減衰力特性とするため
の圧電素子の駆動制御が的確にはできなかった。
本発明は、上述のような問題点に着目して成されたも
ので、定常状態では高減衰力特性とし、必要に応じて低
減衰力特性として、車両の乗り心地と操縦安定性との両
立を高いレベルで実現することができるサスペンション
システムを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明のサスペンション
システムでは、ピストンのストローク時に第1の液室か
ら第2の液室へ流れる流体の流通抵抗を生じながら開弁
して減衰力を発生する可変ディスクバルブと、この可変
ディスクバルブの曲げ剛性を変化させて発生減衰力を変
化可能に設けられた圧電素子とを有した液圧緩衝器と、
前記液圧緩衝器内の前記液室の液圧を検出して、液圧に
応じた液圧信号を発生する液圧センサと、前記液圧信号
に基づく液圧の変化率を演算し、伸側・圧側のいずれか
の行程を開始した後、前記変化率が所定幅の低変化率範
囲内を経て該範囲を越えるまでの間は、減衰力特性を高
減衰力特性とし、前記変化率が前記低変化率範囲を越え
た時点から極値となるまでの間は、減衰力特性を低減衰
力特性とし、前記変化率が前記極値となった時点から前
記低変化率範囲内を経て該範囲を越えるまでの間は、減
衰力特性を高減衰力特性とする制御を行う減衰力制御手
段とを設けた。
(作用) 本発明のサスペンションシステムの作動について説明
する。
液圧緩衝器がストロークする第1・第2の液室の一方
の液室の液圧が上昇するとともに変化する。そして、こ
の液圧は、液圧緩衝器のストローク速度に相当するもの
で、液圧センサで検出され、液圧信号として減衰力制御
手段に入力される。
この減衰力制御手段では、まず、液圧緩衝器内の液圧
の変化率が演算される。つまり、この液圧の変化率はス
トロークの加速度に相当するもので、これにより走行状
態が検出されるもので、この変化率は、液圧緩衝器の液
圧、即ち、振動速度の変化率であり、液圧緩衝器内の液
圧の変化率が所定幅の低変化率範囲内に納まっている場
合というのは、例えば、比較的凹凸のない路面を高速で
走行するというような路面からの振動入力が少ない場合
や、ハンドルの切り返し等によりロールしたり、加減速
時においてスカットやダイブするような低速ではあるが
大きいストロークを生じさせる入力の場合等であって、
このような場合には、路面からのショックを吸収する機
能はあまり必要でなく、シッカリ感が得られるように操
縦安定性を重視して高減衰力特性とした方が望ましいと
いえる。従って、液圧緩衝器内の液圧の変化率が所定幅
の低変化率範囲内である場合、可変ディスクバルブの曲
げ剛性を高めて高減衰力特性となるように圧電素子が駆
動制御される。
また、変化率が前記低変化率範囲を越えた場合という
のは、ストロークの加速度が大きい場合であって、例え
ば、悪路を走行するように路面からの振動入力が大きい
場合等であって、このような場合には、路面ショックを
吸収するために低減衰力特性が望まれる。
しかし、単に低減衰力統制としただけでは、振動の収
束が遅くなり、かえって乗り心地が悪化する。この振動
収束のためには、液圧緩衝器のストローク方向が変った
ときに、このストロークを抑制することが望まれる。
従って、液圧緩衝器の液圧変化率が所定の低変化率範
囲を越えた場合には、この変化率の極値が判断される。
そして、低変化率範囲を越えて極値に至る範囲では、
可変ディスクバルブの曲げ剛性を低くして低減衰力特性
とすべく、圧電素子の駆動制御が成される。これによ
り、路面側のショックがバネ上側に伝えられず乗り心地
が改善される。
また、液圧の変化率が極値から再び低変化率範囲内を
経て低変化率範囲を越えるまでの間は、可変ディスクバ
ルブを高減衰力特性とすべく、圧電素子の駆動制御が成
される。これにより、ばね上、即ち車体振動が短時間で
収束される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成を説明する。
第2図は、本発明一実施例のサスペンションユニット
に用いられた液圧緩衝器を示す全体構成図であり、同図
において、1は減衰力可変型の液圧緩衝器であって、車
体の4輪の位置にそれぞれ設けられている。この液圧緩
衝器1は、密封された外筒2と、外筒2に内蔵されたシ
リンダ3と、シリンダ3の一端から挿入されたピストン
ロッド4とピストンロッド4の先端に設けられてシリン
ダ3の内壁を軸方向に摺動するピストン5と、シリンダ
3の下端に設けられたボトムバルブ6と、外筒2の内壁
およびシリンダ3によって形成されるリザーバ室7と、
ピストンロッド4を支持するロッドガイド8と、ロッド
ガイド8の上部に設けられたオイルシール9と、外筒2
の上部を閉止するストッパプレート10と、を含んで構成
されている。
前記外筒2は有底筒状を成し、シリンダ3、ロッドガ
イド8およびオイルシール9を収容し、上端を加締めて
形成されている。また、外筒2の下端部には、車両の車
軸等に取り付けるためのアイブッシュ11およびアイ12が
固着されている。
前記ピストン5はシリンダ3の内部を、液圧緩衝器1
の伸行程時に内部容積が減少される伸側液室14と、その
圧行程時に内部容積が減少される圧側液室15とに画成す
る。
前記シリンダ3は、上端開口部がロッドガイド8で閉
塞され、下端に連通孔16を有するボトムボディ17を備え
ており、ボトムボディ17にはボトムバルブ6が取り付け
られている。ボトムバルブ6は伸行程で開くチェックバ
ルブ18と、チェックバルブ18が開くとき作動液を流入さ
せるポート19と、圧行程で開く圧側ディスクバルブ(以
後圧側バルブという)20と、圧側バルブ20により開閉さ
れるオリフィス21と、チェックバルブ18の開度を規制す
るストッパプレート22を、ボトムボディ17にチェックバ
ルブ18等を固定するカシメピン23と、を含んで構成され
ている。伸行程において、リザーバ室7内の作動液は圧
側液室15内との差圧によりチェックバルブ18を開き、圧
側液室15に流入する。このとき、チェックバルブ18はス
トッパプレート22によってその開度が規制される。ま
た、圧行程では、圧側液室15内の作動液は圧側バルブ20
を開き、この開度に対応した減衰力が発生しながら、連
通孔16を通ってリザーバ室7に流入する。ピストン5の
外周部にはテフロン等の低摩擦材料で形成されたシール
部材24が設けられ、シール部材24はシリンダ3の内壁に
接して摺動する。また、ピストンロッド4にはリテーナ
25が固定され、リテーナ25は上部に設けられた弾性体の
リバウンドストッパ26とともに、ピストン5とロッドガ
イド8との衝突を緩和させる。
前記オイルシール9の内周部には、ピストンロッド4
に弾接し、内部の液密を維持するメインリップ27と、外
部からの泥水等を阻止するダストリップ28とが形成され
ている。
前記ストッパプレート10は、外筒2の上端に下部が嵌
合されている。ピストンロッド4の上端から引き出され
た配線30はコントロールユニット100に接続されてい
る。
第1図はピストン5周辺の断面を示しており、図中上
方が車体側であり、図中下方が車輪側である。図面にお
いて、ピストンロッド4の中央には、配線30を収容する
配線通路41が形成され、配線通路41は徐々に拡大して下
端のシール部41aで嵌合して密封し、その直上部のねじ
部41bにてピストン5と螺合している。
前記ピストン5はピストンロッド4に螺合する本体42
と、本体42の下端部に螺合するスリーブ43とを有し、ス
リーブ43の下端部にはアジャストナット44が螺合固定さ
れている。本体42には、中空部45と、この中空部45を伸
側液室14に連通させる連通孔46と、中空部45を圧側液室
15に連通させる連通孔47とが形成されている。
尚、スリーブ43には、前記中空部45を圧側液室15に連
通させる連通孔48が形成されている。また、ピストン5
における本体42およびスリーブ43の内部には円形断面の
収容孔49,50が形成されており、収容孔49,50は中空部45
と連通している。
前記中空部45の内部には、本体42の内周に形成された
肩部42aとスリーブ43の上端との間に挟持されてバルブ
ボディ51が固定収容され、このバルブボディ51は、前記
中空部45を、連通孔46を介して伸側液室14に連通した上
部液室52と、連通孔48を介して圧側液室15に連通した下
部液室53とに区画している。
また、バルブボディ51には、上部液室52および下部液
室53を別個に連通させて請求の範囲の可変ディスクバル
ブとしての伸側可変ディスクバルブ56(以下、伸側ディ
スクバルブ56とする)により開閉される伸側流路54、お
よび請求の範囲の可変ディスクバルブとしての圧側可変
ディスクバルブ57(以下、圧側ディスクバルブ57とす
る)により開閉される圧側流路55が設けられている。す
なわち、伸側行程時には、伸側液室14の作動液が、連通
孔46〜上部液室52〜伸側流路54を通り伸側ディスクバル
ブ56を開弁した後、連通孔48を経て圧側液室15へ流出す
る。一方、圧側行程時には、圧側液室15の作動液が、連
通孔47〜圧側流路55〜圧側ディスクバルブ57を開弁した
後、上部液室52〜連通孔46を経て伸側液室14側へ流出す
るよう構成されている。
なお、前記伸側および圧側ディスクバルブ56,57は複
数枚の薄板で形成されて所定の曲げ剛性を有しており、
伸側流路54および圧側流路55の開口面積を変化させ、開
口面積に応じた所定の減衰力を発生させるもので、ま
た、後述する構造に基づいて曲げ剛性が変化することで
液圧緩衝器1の減衰力特性が変化するよう構成されてい
る。
前記圧側ディスクバルブ57の内周上面には、収容孔49
内に上下にスライド可能に収容されたスライダ58の下端
が当接されている。そして、このスライダ58と、前記本
体42の上端部に螺合されたアジャストナット69に上端を
支持されているキャップ64との間に、第1の圧電素子80
が介装されている。ここで、この第1の圧電素子80は、
所定のセラミックス(以下、圧電材料という)の圧電効
果および逆圧電効果(電歪効果ともいう)を利用して、
一対の電極を有する薄い圧電材料を多数枚(例えば、10
0枚程度)積層して形成されたものであり、前記圧電効
果とは、圧電材料の電極に電圧を印加すると、印加電圧
の変化に応じて圧電材料が図中上下方向に伸縮する(以
下、変位という)現象をいい、一方、前記逆圧電現象と
は、圧電材料の上下方向に圧力若しくは変位力を加える
と、それにより圧電材料が変位したのちに応じた起電力
を発生する現象であり、この起電力の大きさから圧電材
料に加わっている圧力若しくは変位力の大きさを検出す
ることができる。
従って、第1の圧電素子80に電圧を印加して伸長させ
ると、この第1の圧電素子80が上端をキャップ64を介し
てアジャストナット69に支持されていることから前記ス
ライダ58が下方に押し下げられて圧側ディスクバルブ57
を押圧し、圧側ディスクバルブ57の曲げ剛性が高まる。
この場合、第1の圧電素子80の駆動力は前述したように
肩部42aとスリーブ43の間に固定されたバルブボディ51
に受け止められ、第2の圧電素子90へは伝達されない。
また、スライダ58から圧側ディスクバルブ57に付与する
初期荷重は、調整機構67によって調節可能に構成されて
いる。すなわち、前記アジャストナット69は本体42の上
端部にアジャストスクリュ68により螺合されているもの
で、アジャストナット69を回転させると軸方向に変位
し、これによって初期荷重が決定される。
また、スライダ58は、その下端外周の傾斜面が上部液
室52に面しており、この上部液室52の液圧を受けて上方
にスラドするもので、従って、第1の圧電素子80は、電
圧を印加されていない状態では、スライダ58の押圧力、
すなわち上部液室52(=伸側液室14)の液圧のみに応じ
て変位し、起電力を発生するもので、これを伸側信号Ss
と称することにする。
一方、伸側ディスクバルブ56の内周下面には、収容孔
50内に上下にスライド可能に収容されたバルブコア59の
外周肩部が当接されている。そして、このバルブコア59
と、スリーブ43の下端部に螺合されたアジャストナット
44に下端を支持されているキャップ65との間に、前記第
1の圧電素子80と同様の第2の圧電素子90が介装されて
いる。
従って、第2の圧電素子90に電圧を印加して伸長させ
ると、この第2の圧電素子90の下端がキャップ65を介し
てアジャストナット44に支持されていることからバルブ
コア59が上方に押し上げられて伸側ディスクバルブ56を
押圧し、伸側ディスクバルブ56の曲げ剛性が高まる。こ
の場合、第2の圧電素子90の駆動力は、前述したように
肩部42aとスリーブ43の間に固定されたバルブボディ51
に受け止められ第1の圧電素子80へは伝達されない。ま
た、バルブコア59から伸側ディスクバルブ56に付与する
初期荷重は、スリーブ43に螺合されているアジャストナ
ット44を回転させてキャップ65を上下させることにより
調節可能に構成されている。
前記アジャストナット44には孔66が形成され、前記キ
ャップ65は、この孔66を介して圧側液室15の液圧を受圧
して上方にスライドするもので、従って、第2の圧電素
子90は、電圧を印加されていない状態では、キャップ65
の押圧力、すなわち圧側液室15の液圧のみに応じて変位
し、起電力を発生するもので、これを圧側信号Spと称す
ることにする。
また、ピストン5の下端には伸側バルブ70および伸側
バルブ70を上方に付勢するスプリング71が設けられ、ス
プリング71の下端はアジャストナット72およびロックナ
ット73によってピストン5に固定されている。従って、
所定ピストン速度以上の伸行程において、前記伸側ディ
スクバルブ56に引き続いてこの伸側ディスクバルブ56の
前後の下部液室53と圧側液室15との間で伸側バルブ70に
より差圧が生じて減衰力が発生する。
また、第1の圧電素子80のコード81,82は第2の圧電
素子90のコード91,92と一緒に配線30を形成し、配線30
はコントロールユニット100に接続され、第1および第
2の圧電素子80,90からの信号はコントロールユニット1
00に入力される。
このコントロールユニット100の内部を説明するため
第3図に移る。同図において、コントロールユニット10
0はI/Oインタフェース101と、入力回路110と、演算回路
120と、駆動回路130と、駆動用電源回路140と、を備え
ている。そして、I/Oインタフェース101には液圧緩衝器
1内の各圧電素子80,90が配線30を介して接続されてお
り、それぞれコントロールユニット100と信号の授受を
行なっている。
この詳細を説明するため第4図に移る。同図におい
て、液圧緩衝器1は、内部に第1および第2の圧電素子
80,90を有し、第1および第2圧電素子80,90の一方のコ
ード81,91は接地され、他方のコード82,92はI/Oインタ
フェース101と接続されている。
このI/Oインタフェース101は、入力回路110および駆
動回路130とそれぞれ接続されていて、I/Oインタフェー
ス101には、第1または第2の圧電素子80,90からの伸側
信号Ssまた圧側信号Spの直流成分を遮断し、交流成分だ
けを入力回路110に送るためのコンデンサCと、第1ま
たは第2の圧電素子80,90に対する駆動回路130からの駆
動電圧の印加とその放電をそれぞれ行なうための回路を
構成する2個のダイオードD1,D2が備えられている。
入力回路110は、第1または第2の圧電素子80,90から
の伸側信号Ss圧側信号Spを演算回路120で受けられる信
号レベルに変換するための回路であって、圧側信号Sp又
は伸信号Ssの交流成分を増幅して演算回路120に出力す
るバッファ112を備えている。
演算回路120は、例えばマイクロコンピュータ等で構
成され、内部メモリに書き込まれたプログラムに従って
外部データを取り込み、これら取り込まれたデータおよ
び内部メモリに書き込まれているデータ等に基づいて、
減衰力の可変制御に必要な処理値を演算し、この演算結
果に基づいて圧側制御信号SAまたは伸側制御信号SBを駆
動回路130に出力する。具体的には、伸側行程では第1
の圧電素子80から伸側信号Ssが入力される一方、圧側行
程では第2の圧電素子90から圧側信号SPが入力され、演
算回路120では、これらの伸側信号Ssまたは圧側信号SP
の入力されている信号の変化率Kを求め、この変化率K
が、所要幅の低変化率範囲m(第6図参照)内を経てこ
の低変化率範囲mを越えるまで間(第6図の符号Sを付
けていない区間)は、両信号SP,SSを出力していない側
の圧電素子80または90の減衰力特性をハードとする圧側
制御信号SAまたは伸側制御信号SBを駆動回路130に出力
し、変化率Kが低変化率範囲mを越えた後、極値となる
までの間(第6図の符号Sの区間)は前記信号SP,SS
出力していない側の圧電素子80または90の電荷を放電さ
せて減衰力特性をソフトとする制御信号SA′,SB′を駆
動回路130に出力し、さらに、変化率Kが低変化率範囲
m外で極値となった時から再び低変化率範囲m内を経て
この低変化率範囲mを越えるまで間は、両信号SP,SS
出力していない側の圧電素子80または90の減衰力特性を
ハードとする圧側制御信号SAまたは伸側制御信号SBを駆
動回路130に出力する制御を行う。
駆動回路130は、演算回路120からの圧側制御信号SA
SA′または伸側制御信号SB,SB′を受けて第1または第
2の圧電素子80,90に対して駆動電圧を印加し、または
その印加電圧を放電させるための回路であり、バッファ
131に圧側または伸側制御信号SA,SBが入力されるとト
ランジスタTr1をONとし、駆動用電源回路140の駆動電圧
をI/Oインタフェース101のダイオードD1を介して第1ま
たは第2の圧電素子80,90に印加し、減衰力をソフトか
らハードに切り換える。また、駆動回路130はバッファ1
32に圧側または伸側制御信号SA′,SB′が入力されると
トランジスタTr2をONとし、第1または第2の圧電素子8
0,90の電荷をI/Oインタフェース101のダイオードD2を介
して放電し、減衰力をハードからソフトに戻す。
駆動用電源回路140は、例えばD/Aコンバータで形成さ
れ、第1および第2の圧電素子80,90を伸長可能な直流
の高電圧(以下、駆動電圧という)を出力する。
尚、第1および第2の圧電素子80,90の位置調整は次
のようにして行なわれる。即ち、第1または第2の圧電
素子80,90に所定の電圧を印加後放電させ、アジャスト
ナット44,69を回動し、伸側ディスクバルブ56または圧
側ディスクバルブ57を圧迫することによって生ずる圧電
素子80,90からの電圧がある一定値となるまで調整す
る。
次に、上述したコントロールユニット100で行なわれ
る液圧緩衝器1における減衰力特性制御の作動流れにつ
いて第5図のフローチャートおよび第6図のタイムチャ
ートに基づいて具体的に説明する。尚、第6図におい
て、(a)は制御された減衰力を表し、中心線Oから上
方が伸側、下方が圧側の減衰力を示している。また、同
図(b)は、(a)で表される減衰力を第1、第2の圧
電素子80,90にて検出して出力された伸側信号SS、圧側
信号SPに相当する電圧を示しており、この中で破線で示
されているものは、各信号SS,SPを出力していない側の
圧電素子に駆動電圧を印加しなかった場合に想定される
ソフト制御時の発生電圧である。また同図(c)は、
(b)の発生電圧(信号SS,SP)を時間微分したもの
で、各信号SS,SPが速度に相当するものであるから、そ
の時間微分は加速度(変化率)を表している。
ここで、液圧緩衝器1では、伸側・圧側の各行程に応
じて、両液室14,15のいずれかの液室のみが高圧になる
のに対して、前述のように第1・第2の圧電素子80,90
は、それぞれ一方の液室の液圧のみを検出する構成にな
っているので、動作の開始が伸側・圧側のいずれの行程
であっても行程開始に応じて検出を開始する。そこで、
第6図のタイムチャートでは液圧緩衝器1が圧側行程か
ら伸側行程に切り換わった瞬間の時点からの動作を示
し、以下この動作に沿って説明する。
液圧緩衝器1の行程方向が圧側から伸側に切り換わる
と、伸側液室14の液圧が上昇してスライダ58が上方に押
圧され、第1圧電素子80に起電力が生じて伸側信号SS
発生するもので、ステップ210でこの第1の圧電素子80
からの伸側信号SSの変化率Kを求める。なお、伸側信号
SSは、伸側液室14の液圧に相当し(これは振動の速度に
相当している)、前記変化率Kは、振動の加速度に相当
する。
次に、ステップ220では、前記変化率Kが零を中心と
する所定幅の低変化率範囲m内を経てこの低変化率範囲
mを越えたかどうか(第6図0に示す)を判断し、この
判断がNOであれば、ステップ250に進んで、両信号SP,S
Sを出力していない側の圧電素子80または90に駆動電圧
を印加して減衰力特性をハードに制御する一方、前記判
断がYESであれば、ステップ230に進んで両信号SP,SS
出力していない側の圧電素子80または90の電荷を放電さ
せて減衰力特性をソフトに制御する。ちなみに、この放
電は瞬間的になされる。
従って、このタイムチャートに示す例では、動作の開
始時点では第1の圧電素子80から得られる伸側信号SS
低変化率範囲m内を経て同範囲m外に変化してはいない
(始めから低変化率範囲m外である)ことから、まず、
ステップ220でNOと判断され、ステップ250の処理に基づ
いて、演算回路120から駆動回路130に向けて伸側制御信
号SBを出力して第2の圧電素子90に駆動電圧を印加して
伸側ディスクバルブ56の剛性を高め伸側の減衰力特性を
ハードに制御する。
次に、時間が経過して伸側信号SSの変化率Kが低変化
率範囲m内を経て低変化率範囲mを越えると(図中1番
目のOの時点)、ステップ220でYESと判定してステップ
230に進んで両信号SP,SSを出力していない側の圧電素
子80または90の印加電圧を放電させて、伸側の減衰力特
性をソフト(第6図のS区間)に制御する。この場合、
演算回路120から駆動回路130に向けて制御信号SA′,
SB′を出力して放電させる。
ステップ230に続くステップ240では、前記変化率Kが
極値(第6図Iに示す)かどうかが判断され、NOと判断
されれば、ステップ230に戻りソフト状態を維持し、YES
と判断されれば、ステップ250に進み駆動電圧を再び両
信号SP,SSを出力していない側の圧電素子80または90に
印加させてハードに切り換えることになる。
従って、第6図の例では、動作開始の時点のIから4
番目のIまでの範囲は液圧緩衝器1は伸側行程時である
とともに複合入力がなされているもので、動作開始の時
点から変化率Kが低変化率範囲mを越える時点(最初の
O)までは、圧側にストロークした状態から中立付近ま
での加振域であり、この間、ステップ210→ステップ220
→ステップ250の流れとなり、第2の圧電素子90を駆動
させて伸側の減衰力特性をハードにして制振させる。
その後、ストロークが中立を或る程度越えて伸びきり
状態となろうとする(変化率Kが極値となる)までの間
(最初のSの区間)は、制振域でありステップ220→ス
テップ230→ステップ240→ステップ230の流れとなっ
て、第2の圧電素子90を放電させて伸側の減衰力特性を
ソフトに制御して振動の吸収を行うが、この例の場合で
は、途中で再び伸側の入力が有り、変化率Kがプラス方
向に変化することにより、変化率Kに極値が生じ、ステ
ップ240→ステップ250に進んで第2の圧電素子90に駆動
電圧を印加させてハードに切り換え、さらに、この極値
となった時点(2番目のI)から前記低変化率範囲m内
を経てこの範囲mを越える(2番目のO)までの間は、
加振域であり、ステップ220→ステップ250の流れとなっ
て、ハードの状態が維持されて、新たな入力を制振す
る。このように、ハードに制御する場合には、極値を基
準にしているが、これは変化率Kが極値のときに速度は
変曲点にあることに対応しており、また、速度が変曲点
であることは、振動が加振域から制振域になることを意
味し、ここから減衰力をハードに制御することによっ
て、より効果的に振動を減衰させて、走行安定性を重視
するものである。
そして、変化率Kが低変化率範囲m内を経てこの範囲
mを越えると(図中左から2番目のO)、ステップ220
→ステップ230に進み、再び第2の圧電素子90の電荷を
放電させて伸側の減衰力特性をソフトな状態にして入力
を吸収し、その後、、この伸側の複合入力の変化率Kが
プラス側からマイナス方向に変化して極値が生じると、
ステップ240からステップ250に進んでハードに切り換え
る。そして、このハードの状態は、変化率Kが低変化率
範囲mを越えるまで(3番目のO間で)維持され、低変
化率範囲mを越えた後は、ステップ220→ステップ230→
ステップ240ステップ230の流れとなって、ソフトに制御
される。
次に、液圧緩衝器1が伸側の入力に対して最大に伸び
て、伸側行程から圧側行程に切り換わると、圧側液室15
の液圧が上昇するとともに、この液圧が孔66を介してキ
ャップ65に伝達されて第2の圧電素子90が押圧され、そ
れまで放電されて電荷65に伝達されて第2の圧電素子90
が押圧され、それまで放電されて電荷が0であった第2
の圧電素子90から圧側信号SPが出力される。この例の場
合、圧側行程に切り換わる寸前に第1の圧電素子80から
の伸側信号SPの変化率Kが極値となることからステップ
240でYESと判断されて、行程が切り換わった時点(この
時点は、伸側信号SSあるいは圧側信号SPがOとなること
で判別できる。即ち、第6図のタイムチャートに示すよ
うに伸側行程から圧側行程に切り換わった場合、その瞬
間に、伸側液室14の液圧が第1の圧電素子80に作用しな
くなり、替わって圧側液室15の液圧が第2の圧電素子90
に作用するもので、それまで出力されていた伸側信号SS
がOとなった後、圧側信号SPが発生する。)で、圧側信
号SPを出力していない第1の圧電素子80に駆動電圧を印
加して、圧側の減衰力特性をハードとし制振を行う。
その後、中立位置をある程度越えると、変化率Kが低
変化率範囲m内を経た後この低変化率範囲mを越えるた
め、ステップ220→230の流れとなって第1の圧電素子80
の電荷を放電させて、圧側の減衰力特性をソフトにして
振動の吸収を行う。この例では、この圧側行程(左から
4番目のI〜5番目のIまでの間)は、複合入力のない
場合を示しており、この場合、ソフトの状態のまま液圧
緩衝器1が圧側行程を終える。
次に、圧側行程から伸側行程に切り換わると、伸側液
室14の液圧が上昇し、その直前まで放電されて電荷が0
であった第1の圧電素子80から、伸側信号SSが出力さ
れ、この伸側信号SSの変化率Kに基づいて制御がなされ
る。尚、この伸側行程は、複合入力が無い場合を示して
おり、制御についてはその直前の圧側行程の場合と、駆
動電圧を印加する対象が第2の圧電素子90である点のみ
が相違し、その他は同様であるので説明を省略する。
次に、第6図のタイムチャートには示していないが、
液圧緩衝器1の行程方向の液室14または15内の液圧の変
化率Kが低変化率範囲m内に納まっている場合を説明す
ると、この場合は、例えば、比較的きれいな路面を高速
で走行する場合や、ハンドルの切り返し等によりロール
した場合や、加減速時においてスカットやダイプした場
合等のように、主として液圧緩衝器1の振動周波数が低
く路面からの振動入力が小さい場合であり、演算回路12
0では、ステップ210→220→250の流れとなって、各信号
SP,SSを出力していない側の圧電素子80,90に駆動電圧
を印加させて減衰力特性をハードに制御する。すなわ
ち、上述のように液圧緩衝器1の振動周波数が低く路面
からの振動入力が小さい場合には、路面のショックを吸
収する機能は必要でなく、逆に、操縦安定性の上で高減
衰力特性とした方が望ましいといえるから、上述のよう
に減衰力特性をハードに制御する。
以上説明したように、本実施例では、定常状態では、
減衰力特性がハードな状態とされてシッカリ感が得られ
る。
また、路面からの振動を吸収する必要がある場合、す
なわち振動周波数が高く振幅の大きな振動の入力時に
は、中立方向に向かうストローク(加振域)はハード特
性にして制振させる一方、中立から離れる方向のストロ
ーク(制振域)はソフト特性にして吸収するように制御
するため、良好な乗り心地を得ながら振動の収束を図る
ことができ、しかも、複合入力があった場合でも、的確
にこのような制振と吸収の両立を図ることができるもの
である。
以上説明してきたように本実施例のサスペンションシ
ステムにあっては、上述のように構成したため、以下に
列挙する特徴を有している。
第1の圧電素子80を伸側液室14の液圧を検出する液
圧センサとして機能させると共に、第2の圧電素子90を
圧側液室15の液圧を検出する液圧センサとして機能さ
せ、さらに、各圧電素子80,90の一方が液圧センサとし
て機能している間は、他方の圧電素子90,80のみ駆動を
制御して行程方向の減衰力特性を独立して制御するよう
に構成したため、減衰力特性変更用のアクチュエータと
液圧を検出するセンサとを別個に設けたものに比べ部品
点数が少なくなり、液圧緩衝器1のコンパクト化と製作
コストの低減化が可能となる。
加えて、上述のように伸側の液圧は第1の圧電素子80
で、圧側の液圧は第2の圧電素子90で検出するように構
成しているから、連続的な振動入力を連続的に検出する
ことができ、振動入力の変動に応じたきめ細かな減衰力
制御が行なえる。
さらに、上述のように、圧側および伸側の減衰力を独
立して増減制御することができ、車両の乗り心地および
操縦安定性が高いレベルで実現できる。
各信号SS,SPの変化率Kが低変化率範囲m内では、
ハードに制御するように構成したため、路面からの振動
入力が微小な高速走行時や、低周波数で振動するロー
ル、ダイブ、スカット等に対してはハードな減衰力特性
でシッカリ感を与えて、優れた操縦安定性が得られる。
前記変化率Kが低変化率範囲mを越えるような、急
激な入力や高周波数の振動に対しては、低変化率範囲m
内からこの範囲mを越える場合までの間の加振域ではハ
ードに制御を行い、前記範囲mを越えて極値に至るまで
の間の制振域ではソフトに制御するように構成したた
め、加振域はハードに制御して振動の収束を図りなが
ら、制振域ではソフトに制御して良好な乗り心地が得ら
れるもので、この制御は液圧緩衝器1に対して複合入力
がなされた場合にも的確になされ、乗り心地と操縦安定
性との両立が高いレベルで達成できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、
具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があ
っても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、第1および第2の圧電素子80,9
0で減衰力可変用アクチュエータ機能と液圧センサ機能
を働かせるようにした場合を示したが、これには限られ
ず、圧電素子とは別体に液圧センサを備えるようにして
もよい。
また、実施例では、伸・圧両行程で減衰力を可変とし
た例を示したが、例えば、伸行程でのみ減衰力を可変と
するというように、どちらか一方の行程でのみ減衰力を
可変にしてもよい。
また、ディスクバルブや圧電素子の構造や配置等も任
意であり、例えば、圧側ディスクバルブ57および第2の
圧電素子90をボトムボディ側に設けるようにしてもよ
い。
また、実施例では、低変化率範囲を零を中心とした所
定の幅の範囲としたが、中心を伸行程および圧行程のい
ずれか一方に、片寄らせてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように本発明のサスペンションシス
テムにあっては、伸側・圧側のいずれかの行程を開始し
た後、液圧の変化率が所定幅の低変化率範囲内を経て該
範囲を越えるまでの間は、高減衰力特性とし、前記変化
率が低変化率範囲を越えた時点から極値となるまでの間
は、低減衰力特性とし、前記変化率が極値となった時点
から低変化率範囲内を経て該範囲を越えるまでの間は、
高減衰力特性とする制御を行うよう構成したため、路面
からの振動入力が微小な高速道路等における高速の走行
時や、低周波数で振動するロール・ダイブ・スカット時
には高減衰力特性となってシックリ感を与えて優れた操
縦安定性が得られ、しかも、低変化率範囲を越えるよう
な高周波あるいは振幅の大きな急激な入力があるとき
(高減衰力のままではゴツゴツ感じるようなとき)に
は、加振域のみ高減衰特性として効果的に減衰して操縦
安定性が得られる一方、制振域では低減衰力特性として
良好な乗り心地を得ることができるもので、連続的な振
動入力に対して乗り心地と操縦安定性との両立を高いレ
ベルで達成させることができるという効果が得られる。
さらに、液圧緩衝器内の液圧はセンサにより常時検出
するようにしたため、路面からの連続的な振動入力を検
出して、この振動入力の変動に応じたきめ細かな減衰力
制御が行なえるようになって、これによっても車両の乗
り心地および操縦安定性が高いレベルで実現できるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例のサスペンションシステムの要部
の構成を示す断面図、第2図は本発明実施例システムの
全体構成を示す断面図、第3図は実施例システムのコン
トロールユニットの構成を示す構成説明図、第4図はコ
ントロールユニットの一部を示す回路図、第5図はコン
トロールユニットにおける作動流れを示すフローチャー
ト、第6図は実施例システムの作用説明図である。 1…液圧緩衝器 5…ピストン 14…伸側液室 15…圧側液室 56…伸側可変ディスクバルブ 57…圧側可変ディスクバルブ 80…第1の圧電素子 90…第2の圧電素子 100…コントロールユニット(減衰力制御手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンのストローク時に第1の液室から
    第2の液室へ流れる流体の流通抵抗を生じながら開弁し
    て減衰力を発生する可変ディスクバルブと、この可変デ
    ィスクバルブの曲げ剛性を変化させて発生減衰力を変化
    可能に設けられた圧電素子とを有した液圧緩衝器と、 前記液圧緩衝器の前記液室の液圧を検出して、液圧に応
    じた液圧信号を発生する液圧センサと、 前記液圧信号に基づく液圧の変化率を演算し、伸側・圧
    側のいずれかの行程を開始した後、前記変化率が所定幅
    の低変化率範囲内を経て該範囲を越えるまでの間は、減
    衰力特性を高減衰力特性とし、前記変化率が前記低変化
    率範囲を越えた時点から極値となるまでの間は、減衰力
    特性を低減衰力特性とし、前記変化率が前記極値となっ
    た時点から低変化率範囲内を経て該範囲を越えるまでの
    間は、減衰力特性を高減衰力特性とする制御を行う減衰
    力制御手段と、 を備えていることを特徴とするサスペンションシステ
    ム。
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