JP2752568B2 - 芳香族カーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族カーボネートの製造方法

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JP2752568B2
JP2752568B2 JP5202162A JP20216293A JP2752568B2 JP 2752568 B2 JP2752568 B2 JP 2752568B2 JP 5202162 A JP5202162 A JP 5202162A JP 20216293 A JP20216293 A JP 20216293A JP 2752568 B2 JP2752568 B2 JP 2752568B2
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    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/01Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from carbon monoxide and oxygen

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効量のカルボニル化
用パラジウム触媒の存在下で、芳香族有機ヒドロキシ化
合物(たとえばフェノール)、一酸化炭素および酸素を
反応させることによって炭酸ジフェニル(ジフェニルカ
ーボネート)のような芳香族有機カーボネートを製造す
る方法に係る。特に本発明は、テルピリジンのような有
機の共触媒をカルボニル化用パラジウム触媒と組み合わ
せて利用する芳香族有機ヒドロキシ化合物のカルボニル
化に係る。
【0002】
【従来の技術】反応中に生成する水を除去する乾燥剤と
してモレキュラーシーブを利用してジ有機カーボネート
を製造する方法がハルグレン(Hallgren)の米国特許第
4,361,519号および第4,410,464号に
示されている。また、接触カルボニル化により芳香族有
機カーボネートを製造する方法が日本特許第1−16
5,551号に示されている。熱可塑性材料製造業者か
らみると、芳香族有機カーボネートは、ホスゲンを使用
しないで溶融エステル交換によって芳香族ポリカーボネ
ートを製造する代替法が得られることから、特に重要で
ある。メチレンクロライドのような有機溶媒を用いて芳
香族有機カーボネートを製造する方法がチョーク(Chal
k) の米国特許第4,187,242号に示されてい
る。また、1989年6月26日のチャン(T.C. Chang)
の欧州特許出願第8911158.8号および欧州特許
出願公開第350,700号を参照すると、二価または
三価のマンガン塩またはコバルト(II)塩をヒドロキノ
ンおよびパラジウム触媒と組み合わせて使用してフェノ
ールのような芳香族有機ヒドロキシ化合物から芳香族有
機カーボネートへの変換を触媒している。ロマノ(Roman
o)らの米国特許第4,218,391号では銅塩を使用
して炭酸の有機エステルを製造している。このような触
媒を一定の流れ条件下で芳香族有機ヒドロキシ化合物
(たとえばフェノール)と共に用いようとすると、ほぼ
同じ条件下で脂肪族カーボネートを製造する際にメタノ
ールのような脂肪族ヒドロキシ化合物を用いる場合と比
較して、カーボネートの収率(%)とカーボネートの選
択率(%)に関して満足な結果が得られないことが判明
した。
【0003】欧州特許出願公開第350,700号およ
び同時係属中の米国特許出願第07/906,681号
では、二価または三価のマンガン塩またはコバルト(I
I)塩と有機共触媒(たとえば、ヒドロキノンまたはベ
ンゾキノン)とをパラジウム触媒と組み合わせて使用し
て、芳香族有機ヒドロキシ化合物のカルボニル化が達成
された。以上述べた共触媒系で、芳香族有機ヒドロキシ
化合物のカルボニル化の結果として芳香族有機カーボネ
ートの収率が改良されてはいるが、芳香族有機カーボネ
ートの生成速度を適当なものにするにはベンゾキノンの
ような有機共触媒をパラジウム1当量に対して10〜4
0当量の範囲で使用しなければならない。さらに、ベン
ゾキノン有機共触媒に基づく系は劣化し易く、着色物質
が生成したり周囲条件にさらした後に触媒の安定性が低
下することが多いということが判明している。その結
果、高温・高圧条件で芳香族有機カーボネートの製造に
用いたカルボニル化用パラジウム触媒を再利用し、その
後追加の芳香族有機ヒドロキシ化合物を周囲条件下で反
応器中に導入することはできなかった。
【0004】
【発明の概要】本発明の基礎となった発見は、有機共触
媒としてのベンゾキノンの代わりにテルピリジンやフェ
ナントロリンのような特定の複素環式アミンを使用して
無機共触媒と組み合わせてカルボニル化用パラジウム触
媒を製造すると、得られるカルボニル化用触媒は芳香族
有機カーボネートの製造に用いた後周囲条件下での安定
性が実質的に良くなっていることが判明したということ
である。さらに、これらの複素環式アミンをベンゾキノ
ンの代わりに有機共触媒として用いると活性が実質的に
高くなったカルボニル化用触媒が得られることも判明し
た。その結果、活性の高くなったカルボニル化用触媒を
使用でき、追加の芳香族有機ヒドロキシ化合物と共にカ
ルボニル化用パラジウム触媒を再循環して使用できるた
め、芳香族有機カーボネートの製造が大きく進歩したの
である。
【0005】
【発明の詳細な開示】本発明により、(a)金属状態ま
たは化学結合状態にある、触媒として活性なパラジウム
と、(b)塩、ジケトンとの錯体および一酸化炭素との
錯体より成る群の中から選択される二価のコバルト化合
物、マンガン化合物および銅化合物ならびに三価のコバ
ルト化合物、マンガン化合物および銅化合物より成る群
の中から選択される無機の共触媒と、(c)テルピリジ
ン類、フェナントロリン類、キノリン類およびイソキノ
リン類より成る群の中から選択される有機の共触媒と、
(d)第四級アンモニウムハライドまたは第四級ホスホ
ニウムハライドとの実質的にキノンを含有しない混合物
を含む有効量のカルボニル化用パラジウム触媒の存在
下、約60〜約150℃の温度で、芳香族有機ヒドロキ
シ化合物、一酸化炭素および酸素を反応させることから
なる、芳香族有機カーボネートの製造方法が提供され
る。
【0006】触媒として有用なパラジウム材料は元素形
態であることもできるし、あるいはパラジウム化合物と
して使用することもできる。すなわち、パラジウム黒ま
たは炭素上に担持された元素状パラジウム、ならびにパ
ラジウム化合物(たとえば、ハロゲン化物、硝酸塩、カ
ルボン酸塩、酸化物、または、一酸化炭素、アミン、ホ
スフィンもしくはオレフィンのような化合物を含む錯
体)を使用することができる。好ましいパラジウム化合
物は、C(2-6) 脂肪族酸とのカルボン酸塩を始めとする
有機酸のパラジウム(II)塩である。酢酸パラジウム
(II)が特に好ましい。パラジウム触媒と組み合わせ
て、テトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物または
テトラアルキルホスホニウムのハロゲン化物(たとえば
塩化物や臭化物、特に臭化物)を使用する。このアルキ
ルアンモニウムハライドのアルキル基は約1〜8個の炭
素原子を含有する第一級か第二級のアルキル基である。
臭化テトラ‐n‐ブチルアンモニウムが特に好ましい。
【0007】本発明の実施の際に遷移金属触媒の一部と
して有効であることが判明している芳香族有機アミン
は、2,2′:6′,2″‐テルピリジン、2,2′:
6′,2″‐4′‐チオメチルテルピリジン、および
2,2′:6′,2″‐4‐テルピリジン‐N‐オキシ
ドのようなテルピリジン化合物である。テルピリジン化
合物に加えて、1,10‐フェナントロリン、2,4,
7,8‐テトラメチル‐1,10‐フェナントロリン、
4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリンおよ
び3,4,7,8‐テトラメチル‐1,10‐フェナン
トロリンのようなフェナントロリンも使用することがで
きる。
【0008】芳香族有機カーボネート、たとえば炭酸ジ
フェニルを製造する際、例えば二価または三価のコバル
トまたはマンガンの化合物、たとえば、ハロゲン化物や
カルボン酸塩のような塩、またはアミン、ジケトンもし
くは一酸化炭素との錯体が無機共触媒として有効である
ことが判明した。酢酸コバルト(II)が特に好ましい。
最適な選択性を得るには、すなわち芳香族カーボネート
の生成を最適化すると共に芳香族サリチル酸塩の生成を
最小にするにはコバルト(II)触媒を使用するとよいこ
とが判明している。
【0009】パラジウム触媒の有効量は、たとえば、有
機ヒドロキシ化合物の800〜10,000モル、好ま
しくは2,000〜5,000モルに対して約1グラム
原子のパラジウムを提供するのに充分な量である。パラ
ジウム触媒の他の成分については、たとえば、パラジウ
ム1グラム原子当たり、芳香族有機アミンが約0.1〜
3モル、好ましくは約0.3〜1モル、コバルトまたは
マンガンまたは銅が約0.1〜5.0グラム原子、好ま
しくは約0.5〜1.5グラム原子、テトラアルキルア
ンモニウムハライドまたはテトラアルキルホスホニウム
ハライドが約5〜150モル、好ましくは約20〜50
モルである。
【0010】モレキュラーシーブのような固体の乾燥剤
を使用して収率を上げることができる。場合によって
は、1990年4月2日に出願された同時係属中の米国
特許出願第07/503,404号に教示されているよ
うに、二酸化炭素を乾燥剤として使用することもでき
る。当業者が本発明の好ましい態様をさらに実施し易く
するために図面を参照する。添付の図面は、ほぼ一定の
モル比と分圧に保たれた一酸化炭素と酸素の混合物を約
50〜1,000ml/分、好ましくは約300〜600
ml/分の流量で連続的に送出することができる芳香族有
機カーボネート製造用のガスフロー反応系を概略的に示
している。
【0011】詳細に説明すると、一酸化炭素ガス導入口
が10に、酸素導入口が11に示されている。12はマ
ニホルドベント、13は任意に設けられる二酸化炭素の
ようなガスの導入口である。反応混合物は、低圧タンク
20かまたは、作動中反応器より高い圧力で作動するこ
とができる高圧タンク21に供給することができる。2
2はタンク出口、23はタンク入口である。ガス供給圧
は減圧機30によって反応器の所望の圧力より約50ps
i 高い圧力に調節することができる。このガスはスクラ
バ31でさらに精製することができ、その後マスフロー
コントローラ32に供給してすでに記載した流量にする
ことができる。反応器供給ガスは、反応器40に導入す
る前に、適当な導管手段を有する油浴33で加熱するこ
とができる。反応器の圧力は背圧調節器41の操作によ
って制御することができる。反応器の流出ガスはさらに
分析するために42でサンプルを採取してもよいし、ま
たは50で大気中に排出してもよい。反応器の液体は4
3でサンプルを採取することができる。45は凝集器で
ある。追加のベント44によりさらに系の制御をするこ
とが可能になるが、通常ガスフロー反応中は閉じてお
く。
【0012】本発明のひとつの態様を実施する際には、
パラジウム触媒、共触媒パッケージおよび芳香族有機ヒ
ドロキシ化合物を反応器に仕込む。反応器を密閉する。
2800psi といったような適切な圧力が得られるま
で、一酸化炭素と酸素を前記所定の割合内で適当なタン
ク中に導入する。凝縮器の水の循環を開始し、油浴温度
を100℃まで上げることができる。この油浴と反応器
の間の導管はヒートテープを使用して適した温度(たと
えば100℃)に加熱することができる。マスフローバ
イパスを開くことができ、適当なアキュムレータバルブ
を開くことができ、減圧器を用いて圧力を調節すること
ができる。反応器の圧力は背圧調節器によってさらに調
節することができる。マスフローバイパスは閉じること
ができ、マスフローコントローラを用いて流れを調節す
ることができる。反応器の温度が、フェノールのような
固形分の存在を最小にするのに充分なくらい上昇したら
反応成分の攪拌を開始することができる。望ましい反応
器温度(たとえば100℃)に達したら試料を採取して
反応を追跡することができる。
【0013】反応が完了したら反応混合物の温度を下げ
ることができ、反応器の圧力を大気圧に下げて芳香族有
機カーボネートを回収することができる。
【0014】
【実施例の記載】当業者がより容易に本発明を実施する
ことができるように、限定ではなく、例示の意味で以下
の実施例を挙げる。断わらない限り部とあるのは重量部
である。 実施例1 300mlの316SSパル(Parr)オートクレーブ中に、
フェノールを56.44g(600ミリモル)、臭化テ
トラブチルアンモニウムを1.61g(5ミリモル)、
二酢酸パラジウムを27mg(0.12ミリモル)、二酢
酸コバルトを21.2mg(0.12ミリモル)、そして
2,2′:6,2″‐テルピリジン(以後「テルピリジ
ン」とする)を14.4mg(0.06ミリモル)入れ
た。反応器を密封し、圧力400psi の一酸化炭素で三
回フラッシュ洗浄した。次に、反応器に、酸素(110
psi )と一酸化炭素(590psi )を30℃で仕込ん
だ。この容器を100℃に加熱し、反応混合物を加熱お
よび冷却中を含めて反応中約500rpm で攪拌した。所
定の時間に試料を採取して、生成した炭酸ジフェニルの
量をGC分析で評価した。反応器から採った試料の炭酸
ジフェニルの収率は、0.0時の時点で0.38%、
0.5時で1.0%、1.0で1.99%、2.0時で
5.01%、5.0時で14.4%、7時で17.03
%であった。
【0015】他の有機共触媒(OCC)を使用すると共
にOCC/Pdのモル比を変え、さらに温度を100〜
115℃で変えて同じ手順を繰り返した。次の結果が得
られた。
【0016】
【表1】 表 1 有機共触媒 OCC/Pd DPC% (OCC) モル比 7時間 温 度 テルピリジン 0.5 12.4 100℃ テルピリジン 0.5 17.0 115℃ テルピリジン 1.0 8.4 115℃ ベンゾキノン 12.5 9.7 100℃ DDD−フェン* 1.5 12.3 100℃ 2,2′‐ビキノリン 1.0 15.6 100℃ * DDD−フェン=6,7‐ジヒドロ‐5,8‐ジメチルジベンゾ [b,1][1,10]フェナントロリン 上記の結果が示しているように、本発明のテルピリジン
共触媒では、パラジウムに対してかなり高いモル割合で
使用される従来技術のベンゾキノンと比べて、炭酸ジフ
ェニルの収率が大幅に改良される。
【0017】実施例2 添付の図面に示されており115℃の温度で作動するフ
ロー反応器中に、フェノールを59.4900g(63
2ミリモル)、臭化テトラブチルアンモニウムを4.0
840g(12.67ミリモル)、二酢酸コバルトを
0.0562g(0.3185ミリモル)、テルピリジ
ンを0.0348g(0.149ミリモル)、そして二
酢酸パラジウムを0.0674g(0.300ミリモ
ル、501ppm Pd)入れた。また、300℃で12時
間活性化しておいたモレキュラーシーブも24.89g
使用し、穴のあいたテフロン(Teflon)樹脂バスケット中
に入れ、反応混合物の液面より上で攪拌棒に装着した。
2800psi で一酸化炭素92.9%と酸素7.1%か
ら成るガス混合物をタンク内で調製し、続いて350ml
/分±0.10ml/分の流量で反応器中に導入した。反
応器の圧力を1600psi に調節した。
【0018】反応器の温度が115℃に達したら周期的
にGC分析用の試料を採取し、生成した炭酸ジフェニル
を定量した。0.0時の時点で炭酸ジフェニルの収量は
0.193g(0.28%)であった。0.50時の炭
酸ジフェニルの収量は1.86g(2.75%)、1.
00時のジフェニルの収量は4.86g(7.19%)
であった。3.5時間後炭酸ジフェニルの収量は26.
4g(38.94%)、5時間で炭酸ジフェニルの収量
は35.9g(53.07%)、6時間で炭酸ジフェニ
ルの収量は40.3g(59.50%)、7時間で炭酸
ジフェニルの収量は42.9g(63.34%)であっ
た。他の有機共触媒(OCC)をパラジウム1モルに対
して0〜20モルの範囲で使用した。さらに、パラジウ
ム触媒は134〜518ppm の範囲に渡って使用し、温
度は100℃と115℃の間で変えた。次の結果が得ら
れた。
【0019】
【表2】 表 2 有機共触媒 OCC/Pd [Pd] 温 度 DPC% DPC% (OCC) モル比 ppm 7時間 13時間 な し 0 134 100 8.4 −− ベンゾキノン 20 140 100 15.4 23.8 1,10‐フェナントロリン 1.4 145 100 13.9 22.0 TMフェン* 1.1 140 100 11.9 17.8 2,2′‐ビキノリン 0.96 143 100 12.9 24.1 1,10‐フェナントロリン 1.0 518 110 36.5 −− 2,2′:6′,2″‐ 0.5 501 115 63.3 −− テルピリジン * TMフェン=2,3,7,8‐テトラメチル‐1,10‐フェナントロ リン 以上の結果は、一定組成のガスフロー反応器条件下で、
本発明のテルピリジン有機共触媒およびその他の有機共
触媒により、使用するOCC/Pd比の点で炭酸ジフェ
ニルの優れた収率が得られることを示している。ベンゾ
キノンは有効な触媒であることが判明していたが、表2
に示した他の有機共触媒と比較してパラジウムに対する
モル比をずっと大きくする必要があった。加えて、ベン
ゾキノンは、上に示した他の有機共触媒と比べて反応の
条件下で分解し易いことが判明した。
【0020】上記の実施例は本発明の方法を実施する際
に利用することができる非常に多くの変形のうちのほん
の二、三のみに関するものであるが、本発明はこれらの
実施例に先行する詳細な説明で述べたようにずっと広範
囲のパラジウム触媒、有機共触媒および無機共触媒にも
関するものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】芳香族有機カーボネート製造用のガスフロー反
応系の概略図である。
【符号の説明】
10 一酸化炭素導入口 11 酸素導入口 40 反応器
フロントページの続き (72)発明者 ジョセフ・アンソニー・キング,ジュニ ア アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケ ネクタデイ、ブルーマン・アベニュー、 927番 (56)参考文献 特公 平6−57678(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行するカルボニル化反応の最終段階で
    の周囲条件への曝露に続く高温・高圧条件にて再循環カ
    ルボニル化触媒として向上した安定性を示すパラジウム
    触媒の存在下で、高温・高圧条件の反応器中で芳香族有
    機ヒドロキシ化合物から芳香族有機カーボネートを製造
    するための方法であって、安定性の向上した上記カルボ
    ニル化触媒によって、周囲条件下での反応器からの芳香
    族有機カーボネートの回収並びに付加的な芳香族有機カ
    ーボネートを生産するための周囲条件下での反応器への
    補充用芳香族有機ヒドロキシ化合物の再導入が可能とな
    り、かつ当該方法が下記段階(1)〜(3): (1)下記成分(a)〜(d): (a)金属状態又は化学結合状態にある、触媒として活
    性なパラジウムと、 (b)塩、ジケトンとの錯体及び一酸化炭素との錯体よ
    り成る群の中から選択される二価のコバルト化合物、マ
    ンガン化合物及び銅化合物、並びに三価のコバルト化合
    物、マンガン化合物及び銅化合物より成る群の中から選
    択される無機共触媒と、 (c)テルピリジン共触媒と、 (d)第四級アンモニウムハライド又は第四級ホスホニ
    ウムハライドとの実質的にキノンを含有しない混合物を
    含んでなる有効量のカルボニル化用パラジウム触媒、芳
    香族有機ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及び酸素を含ん
    でなる混合物を加圧下で60〜150℃の温度に加熱す
    る段階、 (2)上記段階(1)の混合物から雰囲気条件下で芳香
    族有機カーボネートを回収する段階、及び (3)段階(2)で得られる混合物に芳香族有機ヒドロ
    キシ化合物を周囲条件下で添加する段階を含んでなる方
    法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族有機カーボネートが炭酸ジフ
    ェニルである、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第四級アンモニウムハライドが臭化
    テトラ‐n‐ブチルアンモニウムである、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記反応を一酸化炭素及び酸素の一定の
    ガス流条件下又はバッチ条件下で実施する、請求項1記
    載の方法。
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