JP2751592B2 - 系統連系発電設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、電力会社などの電力系統と系統連系され
る系統連系発電設備に関する。

「従来の技術」 第３図は従来の系統連系発電設備１の概略構成を示す
ブロック図である。この図に示すように、この発電設備
１は電力会社２の電力系統と連系している。

上記発電設備１は、同期発電機４と、この同期発電機
４を駆動する原動機５と、同期発電機４の端子電圧が一
定値になるように該発電機４の界磁巻線4aに供給する励
磁電流を制御する自動電圧調整器（以下AVR）６を有し
てなる制御系とから構成されており、上記AVR6は、電圧
設定器７の設定値と、変圧器８を介して供給される同期
発電機４の出力電圧値とに基づいて決定した励磁電流を
交流励磁機９の界磁巻線9aに供給し、これにより該励磁
機９の電機子巻線（図示略）に誘起される励磁電流Ｉ
を、ダイオード10を介して同期発電機４の界磁巻線4aに
供給することで、該発電機４の出力電圧を制御する。

「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述した従来の系統連系発電設備１におい
ては、電力会社２の遮断器11（第３図参照）が何等かの
原因で解放された場合に全負荷を負担することになるの
で、同期発電機４および原動機５に過大な負荷がかか
り、最悪の場合にはこれらを損傷させてしまうという恐
れがあった。

この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、系
統連系時に電力会社から出力される電力の供給が停止し
て、全負荷が加わっても設備各部が損傷することのない
系統連系発電設備を提供することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 請求項１に記載の発明は、同期発電機と、この同期発
電機の界磁電流を制御するための交流励磁機と、前記同
期発電機の出力電圧と出力電圧設定器による設定値に基
づいて前記交流励磁機の界磁電流を制御する自動電圧調
整器とを具備し、他の発電設備と系統連系を行う系統連
系発電設備において、系統連系時か単独運転時かを検出
する運転モード検出手段と、当該運転モード検出手段が
系統連系時であると検出した場合に前記自動電圧調整器
の出力の上限を設定する設定手段とを具備してなり、前
記設定手段は、前記自動電圧調整器へ設定電圧を供給す
る回路を有し、該回路には、前記運転モード検出手段が
系統連系時である旨を検出することによりONに切り換え
られる開閉器が設けられたことを特徴とする。

請求項２に記載の発明にあっては、請求項１に記載の
発明の前記設定手段に、この設定手段の設定値を任意に
解除できる設定値解除手段を具備することを特徴とす
る。

「作用」 上記構成によれば、系統連系時においては、自動電圧
調整器から出力される励磁電流が設定値（例えば定格の
110％）以上にならないように制限する。

したがって、電力会社の給電が停止して、過大な負荷
がかかっても同期発電機の出力電圧が降下して、出力は
極端に制限される。

一方、単独運転時においては、自動電圧調整器の出力
制限を解放する。

したがって、大容量の電動機の始動時等において、過
度的に大電流を供給することができる。

「実施例」 以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明
する。

第１図はこの発明の一実施例による系統連系発電設備
を示す概略構成図である。

この実施例においては、AVR12が従来のAVR6と異なっ
ていることと、界磁電流フィードバック回路13とが追加
されている以外は前述した第３図と共通する構成になっ
ている。したがって、第３図と共通する部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。以下、AVR12と、界
磁電流フィードバック回路13について説明する。

AVR12には、第２図に示すように偏差増幅器18とサイ
リスタ増幅器19との間に減算器20が設けられており、こ
の減算器20にサイリスタ増幅器19の出力電圧が界磁電流
フィードバック回路13を介して帰還されるようになって
いる。

界磁電流フィードバック回路13は、第１図に示すよう
に可変抵抗器14と、この可変抵抗14に直列接続された無
接点開閉器15とを有して構成されている。ここで、接続
関係を説明すると、可変抵抗器14の一端がAVRの出力電
圧を検出するためのPT（potential transformer）16の
出力端に接続され、他端と摺動端が共通接続されて無接
点開閉器15の一端に接続されている。無接点開閉器15の
他端が上述したように減算器20（第２図参照）に接続さ
れている。

無接点開閉器15は、電力会社と系統連系時には閉状態
となり、単独運転時には開状態になる。この開閉制御は
外部から供給される制御信号Sc（第２図参照）により行
なわれるようになっている。

このように構成された系統連系発電装置において、系
統連系時においては、制御信号Scが供給されて無接点開
閉器15が閉状態になり、AVR12の出力である励磁電流が
可変抵抗器14で設定された設定値以上にはならないよう
に制限される。したがって、例えば電力会社側の遮断器
11が解放されて負荷が全て加わってた場合には、同期発
電器４の出力が制限されるので、同期発電器４および原
動機５に過大な負担がかからない。一方、単独運転時に
おいては、制御信号Scの供給が停止されて無接点開閉器
15が開状態になり、上述した制限が解除される。したが
って、大容量の電動機の始動時等において過度的に大電
流を流すことができる。

「発明の効果」 以上説明したように、この発明による系統連系発電設
備によれば、電力会社等の給電側と系統連系時には、電
圧調整器の出力を設定以上に出さないように制限するよ
うにしたので、系統連係時に電極会社等の給電が停止し
て全負荷が加わっても、電圧調整器の出力である励磁電
流が設定値を超えることがない。したがって、同期発電
機および原動機などの設備各部を損傷させる恐れがな
い。一方、単独運転時には上述した制限を解放するよう
にしたので、過度的に大電流を流すことができる。した
がって、大容量の電動機の始動を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による系統連系発電設備を
示す概略構成図、第２図は同実施例のブロック図、第３
図は従来の系統連系発電設備を示す概略構成図である。 １……系統連系発電設備、 ２……電力会社、４……同期発電機、 ７……電圧設定器、９……励磁機、 11……遮断器、12……自動電圧調整装置、 13……界磁電流フィードバック回路、 15……無接点開閉器（設定値解除手段）、 20……減算器（13,20は設定手段）。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同期発電機と、この同期発電機の界磁電流
   を制御するための交流励磁機と、前記同期発電機の出力
   電圧と出力電圧設定器による設定値に基づいて前記交流
   励磁機の界磁電流を制御する自動電圧調整器とを具備
   し、他の発電設備と系統連系を行う系統連系発電設備に
   おいて、系統連系時か単独運転時かを検出する運転モー
   ド検出手段と、当該運転モード検出手段が系統連系時で
   あると検出した場合に前記自動電圧調整器の出力の上限
   を設定する設定手段と、 を具備してなり、 前記設定手段は、前記自動電圧調整器へ設定電圧を供給
   する回路を有し、該回路には、前記運転モード検出手段
   が系統連系時である旨を検出することによりONに切り換
   えられる開閉器が設けられたことを特徴とする系統連系
   発電設備。
2. 【請求項２】前記設定手段の設定値を任意に解除できる
   設定値解除手段を具備することを特徴とする請求項１記
   載の系統連系発電設備。