JP2749549B2 - ダブルインレット型パルス管冷凍機 - Google Patents
ダブルインレット型パルス管冷凍機Info
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- Thermal Sciences (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダブルインレット
型パルス管冷凍機に関する。
型パルス管冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】図3はオリフィス型と呼ばれるパルス管
冷凍機の構成図である。この図において、1は所定の周
波数で往復動するピストン1aを含む圧縮機、2は積層
メッシュプレートなどの蓄冷手段を内蔵する蓄冷器、3
はパルス管、5はパルス管3の高温端部3aにオリフィ
ス4を介して接続されたバッファタンクであり、オリフ
ィス4及びバッファタンク5は、流体変位の進行波成分
を増加させるための位相差調節機構(phase shifter)
を構成する。
冷凍機の構成図である。この図において、1は所定の周
波数で往復動するピストン1aを含む圧縮機、2は積層
メッシュプレートなどの蓄冷手段を内蔵する蓄冷器、3
はパルス管、5はパルス管3の高温端部3aにオリフィ
ス4を介して接続されたバッファタンクであり、オリフ
ィス4及びバッファタンク5は、流体変位の進行波成分
を増加させるための位相差調節機構(phase shifter)
を構成する。
【0003】ここで、次の用語を定義したうえで、オリ
フィス型パルス管冷凍機の原理を説明する。 <流体変位>流体変位とは、パルス管又は蓄冷器内の微
小体積の流体(例えばヘリウム;He)の変位をいう。
図4は流体変位の模式図である。図4では、簡単化のた
めに、蓄冷器の軸方向変位(1次元モデル)のみを示
し、例えば、パルス管部での微小体積は、厚さのきわめ
て薄い円盤形状をしていると想定する。なお、以下の説
明では、蓄冷器の熱容量は十分に大きく、流体との間の
熱の授受に伴う温度変化は無視でき、かつ、蓄冷器の温
度分布は一様であると考える。 <等温圧縮・等温膨張>蓄冷器内での流体の圧縮は等温
圧縮、膨張は等温膨張である。圧縮の際に発生する熱は
全て蓄冷器に吸収され、流体は、膨張の際に蓄冷器より
熱を吸収する。 <定在波・進行波>パルス管冷凍機内の流体変位のう
ち、圧力と同位相の成分を定在波と呼び、圧力に対して
90度位相の遅れている成分を進行波と呼ぶ。定在波は
圧縮膨張に関与する流体変位、進行波は圧縮膨張に関与
しない流体変位である。
フィス型パルス管冷凍機の原理を説明する。 <流体変位>流体変位とは、パルス管又は蓄冷器内の微
小体積の流体(例えばヘリウム;He)の変位をいう。
図4は流体変位の模式図である。図4では、簡単化のた
めに、蓄冷器の軸方向変位(1次元モデル)のみを示
し、例えば、パルス管部での微小体積は、厚さのきわめ
て薄い円盤形状をしていると想定する。なお、以下の説
明では、蓄冷器の熱容量は十分に大きく、流体との間の
熱の授受に伴う温度変化は無視でき、かつ、蓄冷器の温
度分布は一様であると考える。 <等温圧縮・等温膨張>蓄冷器内での流体の圧縮は等温
圧縮、膨張は等温膨張である。圧縮の際に発生する熱は
全て蓄冷器に吸収され、流体は、膨張の際に蓄冷器より
熱を吸収する。 <定在波・進行波>パルス管冷凍機内の流体変位のう
ち、圧力と同位相の成分を定在波と呼び、圧力に対して
90度位相の遅れている成分を進行波と呼ぶ。定在波は
圧縮膨張に関与する流体変位、進行波は圧縮膨張に関与
しない流体変位である。
【0004】図5はパルス管冷凍機の熱移動の原理説明
図であり、図中の吹き出し内に記載した二つのグラフ
は、蓄冷器内の微小体積の流体(図中では微小部分)の
サイクルを示し、詳しくは、右側のグラフは進行波がな
い場合の圧力と流体変位のサイクル軌跡を模式的に示
し、また、左側のグラフは進行波がある場合の定在波の
節(振幅ゼロの点)の位置における圧力と流体変位のサ
イクル軌跡を模式的に示している。なお、グラフの横軸
は流体変位、縦軸は圧力である。
図であり、図中の吹き出し内に記載した二つのグラフ
は、蓄冷器内の微小体積の流体(図中では微小部分)の
サイクルを示し、詳しくは、右側のグラフは進行波がな
い場合の圧力と流体変位のサイクル軌跡を模式的に示
し、また、左側のグラフは進行波がある場合の定在波の
節(振幅ゼロの点)の位置における圧力と流体変位のサ
イクル軌跡を模式的に示している。なお、グラフの横軸
は流体変位、縦軸は圧力である。
【0005】右側のグラフに示すように、圧縮・膨張時
における圧力−変位軌跡が直線状であれば、圧縮時に流
体が蓄冷器に預けた熱は膨張時に流体に奪われるため、
一周期平均でみると熱の変位方向の移動はないが、熱の
移動の一部が不可逆であれば、圧縮時に流体が壁に与え
た熱は、完全には流体に戻ってこない。流体は振動して
いるため、ある条件下では、熱が残ってしまう場所と熱
が奪い去られてしまう場所ができてしまう。右側のグラ
フでは、低圧部から高圧部へ熱が移動する。
における圧力−変位軌跡が直線状であれば、圧縮時に流
体が蓄冷器に預けた熱は膨張時に流体に奪われるため、
一周期平均でみると熱の変位方向の移動はないが、熱の
移動の一部が不可逆であれば、圧縮時に流体が壁に与え
た熱は、完全には流体に戻ってこない。流体は振動して
いるため、ある条件下では、熱が残ってしまう場所と熱
が奪い去られてしまう場所ができてしまう。右側のグラ
フでは、低圧部から高圧部へ熱が移動する。
【0006】ところで、流体の圧縮する場所と膨張する
場所が蓄冷器内で異なるならば、可逆・不可逆にかかわ
らず、熱は、膨張する場所から圧縮される場所へ移動す
ることになる(但し断熱を除く)。左側のグラフでは、
流体変位は余弦波、圧力振幅は正弦波で移動すると仮定
している。すなわち、この場合の流体変位は進行波のみ
になる。この場合を例にすると、流体変位の中心(変位
0)を境に左側では圧縮、右側では膨張が起こり、流体
を介して熱が右から左へ移動する。パルス管蓄冷機内の
各所でこの現象が起こることにより、熱が低温部(右
端)から高温部(左端)へ運ばれていく。これが現時点
で理解されているオリフィス型パルス管冷凍機の原理で
ある。
場所が蓄冷器内で異なるならば、可逆・不可逆にかかわ
らず、熱は、膨張する場所から圧縮される場所へ移動す
ることになる(但し断熱を除く)。左側のグラフでは、
流体変位は余弦波、圧力振幅は正弦波で移動すると仮定
している。すなわち、この場合の流体変位は進行波のみ
になる。この場合を例にすると、流体変位の中心(変位
0)を境に左側では圧縮、右側では膨張が起こり、流体
を介して熱が右から左へ移動する。パルス管蓄冷機内の
各所でこの現象が起こることにより、熱が低温部(右
端)から高温部(左端)へ運ばれていく。これが現時点
で理解されているオリフィス型パルス管冷凍機の原理で
ある。
【0007】ダブルインレット型のパルス管冷凍機は、
冷凍機の損失を抑えるため、オリフィス型の構成に、定
在波の節の位置を調節して流体変位の振幅を小さくする
ための手段を加えたものである。図6において、圧縮機
1の吐出口とパルス管3の高温端部3aとの間を連通す
る通路6及び該通路6の流量を調節するバルブ7は、そ
の手段である。
冷凍機の損失を抑えるため、オリフィス型の構成に、定
在波の節の位置を調節して流体変位の振幅を小さくする
ための手段を加えたものである。図6において、圧縮機
1の吐出口とパルス管3の高温端部3aとの間を連通す
る通路6及び該通路6の流量を調節するバルブ7は、そ
の手段である。
【0008】冷凍機の損失については、例えば、低温工
学会発行の低温工学 Vol.26No.1(199
1)p30〜p36に記載の「蓄冷器の熱音響理論」に
詳しい。蓄冷器中の総熱流束Qは、進行波成分による熱
流束Qprogと、定在波成分による熱流束Qstandと、流
体の往復運動による熱流束QDとの和(Q=Qprog+Q
stand+QD)であり、損失はQstandとQDであるが、進
行波型冷凍機の蓄冷器では、普通、Qstandによる損失
を無視できるから、蓄冷器損失はQDだけと考えて差し
支えない。QDは流体変位(定在波と進行波をベクトル
合成したものすなわち2乗和の平方)の2乗に比例する
熱侵入で、QDはシャトル損失とも呼ばれる。
学会発行の低温工学 Vol.26No.1(199
1)p30〜p36に記載の「蓄冷器の熱音響理論」に
詳しい。蓄冷器中の総熱流束Qは、進行波成分による熱
流束Qprogと、定在波成分による熱流束Qstandと、流
体の往復運動による熱流束QDとの和(Q=Qprog+Q
stand+QD)であり、損失はQstandとQDであるが、進
行波型冷凍機の蓄冷器では、普通、Qstandによる損失
を無視できるから、蓄冷器損失はQDだけと考えて差し
支えない。QDは流体変位(定在波と進行波をベクトル
合成したものすなわち2乗和の平方)の2乗に比例する
熱侵入で、QDはシャトル損失とも呼ばれる。
【0009】ダブルインレット型パルス管冷凍機では、
定在波の節の位置を調節して流体変位の振幅を小さくす
ることにより、上述のシャトル損失QDを低減する。す
なわち、ダブルインレット型では、パルス管3(及び蓄
冷器2)内部の流体が両側から圧縮・膨張させられるた
め、例えば、バルブ7の開度を大きくすると、定在波の
節の位置が低温端部3bの側に移動して流体変位の振幅
が小さくなる。したがって、通路6やバルブ7などを最
適設計することにより、冷凍機の損失(シャトル損失Q
D)を最小にできる。
定在波の節の位置を調節して流体変位の振幅を小さくす
ることにより、上述のシャトル損失QDを低減する。す
なわち、ダブルインレット型では、パルス管3(及び蓄
冷器2)内部の流体が両側から圧縮・膨張させられるた
め、例えば、バルブ7の開度を大きくすると、定在波の
節の位置が低温端部3bの側に移動して流体変位の振幅
が小さくなる。したがって、通路6やバルブ7などを最
適設計することにより、冷凍機の損失(シャトル損失Q
D)を最小にできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ダブルインレット型のパルス管冷凍機にあっては、蓄冷
器4、パルス管3及び通路6からなる閉回路が形成され
るため、この閉回路中に生じるきわめてゆっくりとした
速度の循環流(MeanFlow)を完全になくすことが困難
で、例えば、反時計回り(すなわち、蓄冷器2→通路6
→パルス管3→蓄冷器4)の循環流が生じた場合には、
圧縮機1の吐出口のガス(室温に温められたガス)が、
通路6を通ってパルス管3の低温端部3bへと直接に運
ばれる結果、低温端部3bの温度が安定しないという解
決すべき技術課題があった。
ダブルインレット型のパルス管冷凍機にあっては、蓄冷
器4、パルス管3及び通路6からなる閉回路が形成され
るため、この閉回路中に生じるきわめてゆっくりとした
速度の循環流(MeanFlow)を完全になくすことが困難
で、例えば、反時計回り(すなわち、蓄冷器2→通路6
→パルス管3→蓄冷器4)の循環流が生じた場合には、
圧縮機1の吐出口のガス(室温に温められたガス)が、
通路6を通ってパルス管3の低温端部3bへと直接に運
ばれる結果、低温端部3bの温度が安定しないという解
決すべき技術課題があった。
【0011】そこで、本発明は、循環流に方向性を持た
せることにより、冷凍温度の安定性向上を図ることを目
的とする。
せることにより、冷凍温度の安定性向上を図ることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、パルス管の高温端部と圧縮機の吐出口と
の間を連通する通路と、該通路の流量を調節する流量調
節手段とを備えたダブルインレット型パルス管冷凍機に
おいて、前記流量調節手段は、張り合わされた2枚の基
板からなり、一方の基板に形成した第1の穴と他方の基
板に形成した第2の穴とを相互に連通させるとともに、
前記第1の穴を、前記圧縮機の吐出口側に向かって徐々
に開放する形状とし、且つ、前記第2の穴を、前記パル
ス管の高温端部側にほぼ直角に近い段差を持って開放す
る形状としたことを特徴とする。
成するために、パルス管の高温端部と圧縮機の吐出口と
の間を連通する通路と、該通路の流量を調節する流量調
節手段とを備えたダブルインレット型パルス管冷凍機に
おいて、前記流量調節手段は、張り合わされた2枚の基
板からなり、一方の基板に形成した第1の穴と他方の基
板に形成した第2の穴とを相互に連通させるとともに、
前記第1の穴を、前記圧縮機の吐出口側に向かって徐々
に開放する形状とし、且つ、前記第2の穴を、前記パル
ス管の高温端部側にほぼ直角に近い段差を持って開放す
る形状としたことを特徴とする。
【0013】本発明では、通路を介して、パルス管の高
温端部から圧縮機の吐出口へと向かう流量(便宜的に一
の流量と言う)が、その逆向きの流量(便宜的に他の流
量と言う)より勝るため、定常的な循環流が一の流量方
向に積極的に生起される。したがって、温度変動の原因
となる他の流量方向の循環流の発生が回避される。
温端部から圧縮機の吐出口へと向かう流量(便宜的に一
の流量と言う)が、その逆向きの流量(便宜的に他の流
量と言う)より勝るため、定常的な循環流が一の流量方
向に積極的に生起される。したがって、温度変動の原因
となる他の流量方向の循環流の発生が回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1本発明に係るダブルインレット型
のパルス管冷凍機の一実施例を示す図である。図1にお
いて、10は圧縮機、11は蓄冷器、12はパルス管、
13はバルブ、14はバッファタンク、15は通路、1
6は流量調節手段である。
づいて説明する。図1本発明に係るダブルインレット型
のパルス管冷凍機の一実施例を示す図である。図1にお
いて、10は圧縮機、11は蓄冷器、12はパルス管、
13はバルブ、14はバッファタンク、15は通路、1
6は流量調節手段である。
【0015】圧縮機10は、所定の周波数で往復動する
ピストン10aと、このピストン10aの動きに伴って
高圧ガスを吐出入する吐出口10bとを有し、蓄冷器1
1は、多数の微細孔を形成した積層メッシュプレート1
1aを有すると共に、その両端を圧縮機10の吐出口1
0bとパルス管12の一端とにそれぞれ連通している。
パルス管12の蓄冷器11側の一端は低温端部12bと
して機能し、また、バルブ13を介してバッファタンク
13に接続される他端は、高温端部12aとして機能す
る。
ピストン10aと、このピストン10aの動きに伴って
高圧ガスを吐出入する吐出口10bとを有し、蓄冷器1
1は、多数の微細孔を形成した積層メッシュプレート1
1aを有すると共に、その両端を圧縮機10の吐出口1
0bとパルス管12の一端とにそれぞれ連通している。
パルス管12の蓄冷器11側の一端は低温端部12bと
して機能し、また、バルブ13を介してバッファタンク
13に接続される他端は、高温端部12aとして機能す
る。
【0016】通路15は、圧縮機10の吐出口10bと
パルス管12の高温端部12aとの間を連通するもの
で、その通路中に挿入された流量調節手段16は、通路
16を流れる高圧ガスの流量を調節する機能を有してい
る。より詳しくは、流量調節手段16は、圧縮機10の
吐出口10bからパルス管12の高温端部12aへと向
かう流量16aよりも、パルス管12の高温端部12a
から圧縮機10の吐出口10bへと向かう流量16bの
方を大きくするように調節する。
パルス管12の高温端部12aとの間を連通するもの
で、その通路中に挿入された流量調節手段16は、通路
16を流れる高圧ガスの流量を調節する機能を有してい
る。より詳しくは、流量調節手段16は、圧縮機10の
吐出口10bからパルス管12の高温端部12aへと向
かう流量16aよりも、パルス管12の高温端部12a
から圧縮機10の吐出口10bへと向かう流量16bの
方を大きくするように調節する。
【0017】このような構成において、パルス管12
(及び蓄冷器11)内部の流体は、圧縮機10からの圧
力振動によって圧縮・膨張させられるとともに、通路1
5及び流量調節手段16からの圧力振動によっても圧縮
・膨張させられる。すなわち、パルス管12(及び蓄冷
器11)内部の流体が両側から圧縮・膨張させられるた
め、例えば、通路15の流量を大きくすると、定在波の
節の位置が低温端部12bの側に移動し、冷凍機のロス
を抑えることができる。
(及び蓄冷器11)内部の流体は、圧縮機10からの圧
力振動によって圧縮・膨張させられるとともに、通路1
5及び流量調節手段16からの圧力振動によっても圧縮
・膨張させられる。すなわち、パルス管12(及び蓄冷
器11)内部の流体が両側から圧縮・膨張させられるた
め、例えば、通路15の流量を大きくすると、定在波の
節の位置が低温端部12bの側に移動し、冷凍機のロス
を抑えることができる。
【0018】さらに、本実施例では、通路15を左から
右へ流れる流量16aよりも、その逆に右から左に流れ
る流量16bの方が大きくなるように設定しているた
め、通路15、蓄冷器11及びパルス管12からなる閉
回路中に、時計回り方向(通路15→蓄冷器11→パル
ス管12→通路15)の循環流を流すことができ、温度
変動の原因となる反時計回り方向の循環流の発生を回避
して、冷凍温度の安定性を向上できるという、従来例に
ない有利な効果がもたらされる。
右へ流れる流量16aよりも、その逆に右から左に流れ
る流量16bの方が大きくなるように設定しているた
め、通路15、蓄冷器11及びパルス管12からなる閉
回路中に、時計回り方向(通路15→蓄冷器11→パル
ス管12→通路15)の循環流を流すことができ、温度
変動の原因となる反時計回り方向の循環流の発生を回避
して、冷凍温度の安定性を向上できるという、従来例に
ない有利な効果がもたらされる。
【0019】時計回り方向の循環流はできるだけ遅い速
度であることが望ましい。そのためには、通路15を流
れる二つの流量16a、16bの差を可能な限り小さく
する必要がある。図2はかかる要求を満たす流量調節手
段16の構造図である。図2において、流量調節手段1
6は、張り合わされた2枚の基板17、18で構成され
ており、一方の基板17には、通路15にテーパー状で
徐々に開放する小さな穴(以下「第1の穴」と言う)1
7aが形成され、また、他方の基板18には、通路15
にほぼ直角に近い段差を持って開放するやはり小さな穴
(以下「第2の穴」と言う)18aが形成されている。
度であることが望ましい。そのためには、通路15を流
れる二つの流量16a、16bの差を可能な限り小さく
する必要がある。図2はかかる要求を満たす流量調節手
段16の構造図である。図2において、流量調節手段1
6は、張り合わされた2枚の基板17、18で構成され
ており、一方の基板17には、通路15にテーパー状で
徐々に開放する小さな穴(以下「第1の穴」と言う)1
7aが形成され、また、他方の基板18には、通路15
にほぼ直角に近い段差を持って開放するやはり小さな穴
(以下「第2の穴」と言う)18aが形成されている。
【0020】第1の穴17a及び第2の穴18aから通
路15を見た場合には管路面積の拡大になり、逆に通路
から第1の穴17a及び第2の穴18aを見た場合には
管路面積の縮小になる。上記のとおり、第1の穴17a
はテーパー状に形成されているため、拡大/縮小の変化
が緩やかで、管路面積の変化による圧力損失ΔP17は少
ないが、第2の穴18aの拡大/縮小の変化はきわめて
急激であり、管路面積の変化による圧力損失ΔP18は比
較的に大きい。すなわち、ΔP17《 ΔP18 となって、
ΔP18が支配的になる。
路15を見た場合には管路面積の拡大になり、逆に通路
から第1の穴17a及び第2の穴18aを見た場合には
管路面積の縮小になる。上記のとおり、第1の穴17a
はテーパー状に形成されているため、拡大/縮小の変化
が緩やかで、管路面積の変化による圧力損失ΔP17は少
ないが、第2の穴18aの拡大/縮小の変化はきわめて
急激であり、管路面積の変化による圧力損失ΔP18は比
較的に大きい。すなわち、ΔP17《 ΔP18 となって、
ΔP18が支配的になる。
【0021】一般に、管路面積が急激に拡大する部分の
圧力損失ΔP(<)と急激に縮小する部分の圧力損失ΔP
(>)は、ΔP(<)<ΔP(>)の関係にあるから、図2の構
造の流量調節手段16に当てはめると、ΔP18(<)<Δ
P18(>)となる。したがって、流量調節手段16を介し
て左から右へ流れる流量16aと、右から左へ流れる流
量16bとの間に16a<16bの関係をもたせること
ができる。すなわち、図2の構造の流量調節手段16に
よれば、左から右への流量16aよりも、その逆の流量
16bの方が大きくなる。
圧力損失ΔP(<)と急激に縮小する部分の圧力損失ΔP
(>)は、ΔP(<)<ΔP(>)の関係にあるから、図2の構
造の流量調節手段16に当てはめると、ΔP18(<)<Δ
P18(>)となる。したがって、流量調節手段16を介し
て左から右へ流れる流量16aと、右から左へ流れる流
量16bとの間に16a<16bの関係をもたせること
ができる。すなわち、図2の構造の流量調節手段16に
よれば、左から右への流量16aよりも、その逆の流量
16bの方が大きくなる。
【0022】このような構造の流量調節手段16は、例
えば、以下のようにして製作することができる。まず、
単結晶の所定物質からなるウエハを用意する。特に限定
しないが、入手の容易性や結晶構造などの点でシリコン
(Si)の使用が好ましい。次に、そのウエハから2枚
の基板を切り出して張り合わせた後、張り合わせた基板
の両面に穴17a、18aを形成するためのマスクを取
り付け、基板全体をエッチング溶液(例えばKOH)に
浸し、穴17a、18aを形成する。
えば、以下のようにして製作することができる。まず、
単結晶の所定物質からなるウエハを用意する。特に限定
しないが、入手の容易性や結晶構造などの点でシリコン
(Si)の使用が好ましい。次に、そのウエハから2枚
の基板を切り出して張り合わせた後、張り合わせた基板
の両面に穴17a、18aを形成するためのマスクを取
り付け、基板全体をエッチング溶液(例えばKOH)に
浸し、穴17a、18aを形成する。
【0023】穴17a、18aの形状を図示のようにす
るには、基板17、18の表面(エッチングされる面)
にそれぞれ特定の結晶面………基板17の表面:(10
0)面、基板18の表面:(110)面………を出して
おけばよい。(100)面のシリコンウエハでは、5
4.7度の角度(基板17の表面と穴17aの側面との
なす角度)でエッチングが進み、また、(110)面の
シリコンウエハでは、ほぼ直角に近い角度(基板18の
表面と穴18aの側面とのなす角度)でエッチングが進
むからである。又は、基板18の表面は、(110)面
を所定角度(好ましくは45度)傾けた面であってもよ
い。
るには、基板17、18の表面(エッチングされる面)
にそれぞれ特定の結晶面………基板17の表面:(10
0)面、基板18の表面:(110)面………を出して
おけばよい。(100)面のシリコンウエハでは、5
4.7度の角度(基板17の表面と穴17aの側面との
なす角度)でエッチングが進み、また、(110)面の
シリコンウエハでは、ほぼ直角に近い角度(基板18の
表面と穴18aの側面とのなす角度)でエッチングが進
むからである。又は、基板18の表面は、(110)面
を所定角度(好ましくは45度)傾けた面であってもよ
い。
【0024】したがって、この製作例によれば、単結晶
基板を貼り合わせ、その両面にマスクを着けてエッチン
グ溶液に浸すというきわめて簡単な手順だけで、意図し
た形状の小さな穴17a、18aを有する流量調節手段
16を作ることができ、必要な微小流量差を得ることが
できる。なお、この製作例では2枚の単結晶基板を使用
したが、これに限らない。例えば、テーパー状の穴17
aを形成する基板に、SUSなどの金属を用いてもよ
い。金属の表面部分のエッチングが先に進むから、ほぼ
末広がりの類似形状が得られる。なお、金属と単結晶基
板の双方に適したエッチング溶液がない場合には、それ
ぞれに適した溶液を準備し、金属のエッチング作業と単
結晶基板のエッチング作業とを別々に行えばよい。
基板を貼り合わせ、その両面にマスクを着けてエッチン
グ溶液に浸すというきわめて簡単な手順だけで、意図し
た形状の小さな穴17a、18aを有する流量調節手段
16を作ることができ、必要な微小流量差を得ることが
できる。なお、この製作例では2枚の単結晶基板を使用
したが、これに限らない。例えば、テーパー状の穴17
aを形成する基板に、SUSなどの金属を用いてもよ
い。金属の表面部分のエッチングが先に進むから、ほぼ
末広がりの類似形状が得られる。なお、金属と単結晶基
板の双方に適したエッチング溶液がない場合には、それ
ぞれに適した溶液を準備し、金属のエッチング作業と単
結晶基板のエッチング作業とを別々に行えばよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ダブルインレット型パ
ルス管冷凍機において、パルス管の高温端部から圧縮機
の吐出口へと向かう循環流を積極的に生起させるような
構成としたので、温度変動の原因となる循環流の発生を
回避でき、冷凍温度の安定性向上を図ることができると
いう有利な効果が得られる。
ルス管冷凍機において、パルス管の高温端部から圧縮機
の吐出口へと向かう循環流を積極的に生起させるような
構成としたので、温度変動の原因となる循環流の発生を
回避でき、冷凍温度の安定性向上を図ることができると
いう有利な効果が得られる。
【図1】一実施例の概念構成図である。
【図2】一実施例の流量調節手段の構造図である。
【図3】オリフィス型パルス管冷凍機の概念構成図であ
る。
る。
【図4】流体変位の説明模式図である。
【図5】パルス管冷凍機の熱移動の説明原理図である。
【図6】ダブルインレット型パルス管冷凍機の概念構成
図である。
図である。
10:圧縮機 10b:吐出口 12:パルス管 12a:高温端部 15:通路 16:流量調節手段
Claims (1)
- 【請求項1】パルス管の高温端部と圧縮機の吐出口との
間を連通する通路と、該通路の流量を調節する流量調節
手段とを備えたダブルインレット型パルス管冷凍機にお
いて、前記流量調節手段は、張り合わされた2枚の基板
からなり、一方の基板に形成した第1の穴と他方の基板
に形成した第2の穴とを相互に連通させるとともに、前
記第1の穴を、前記圧縮機の吐出口側に向かって徐々に
開放する形状とし、且つ、前記第2の穴を、前記パルス
管の高温端部側にほぼ直角に近い段差を持って開放する
形状としたことを特徴とするダブルインレット型パルス
管冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8033329A JP2749549B2 (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | ダブルインレット型パルス管冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8033329A JP2749549B2 (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | ダブルインレット型パルス管冷凍機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229502A JPH09229502A (ja) | 1997-09-05 |
JP2749549B2 true JP2749549B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=12383526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8033329A Expired - Fee Related JP2749549B2 (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | ダブルインレット型パルス管冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2749549B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009063209A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Aisin Seiki Co Ltd | パルス管冷凍機およびその制御方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5199905B2 (ja) * | 2009-01-28 | 2013-05-15 | 中部電力株式会社 | 冷凍機 |
JP5931779B2 (ja) * | 2013-03-05 | 2016-06-08 | 住友重機械工業株式会社 | パルス管冷凍機 |
JP6284788B2 (ja) * | 2014-03-10 | 2018-02-28 | 住友重機械工業株式会社 | ディスプレーサ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04165269A (ja) * | 1990-10-30 | 1992-06-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 極低温冷凍装置 |
-
1996
- 1996-02-21 JP JP8033329A patent/JP2749549B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009063209A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Aisin Seiki Co Ltd | パルス管冷凍機およびその制御方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09229502A (ja) | 1997-09-05 |
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