JP2749475B2 - インクジェットプリンタヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタヘッドの製造方法

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JP2749475B2
JP2749475B2 JP4022843A JP2284392A JP2749475B2 JP 2749475 B2 JP2749475 B2 JP 2749475B2 JP 4022843 A JP4022843 A JP 4022843A JP 2284392 A JP2284392 A JP 2284392A JP 2749475 B2 JP2749475 B2 JP 2749475B2
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邦昭 落合
勤 佐藤
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Toshiba Emi Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オンデマンド型のイン
クジェットプリンタヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、特開昭63−252750号公報
に記載されたインクジェットプリンタヘッドを図11に
示す。すなわち、それぞれ圧電セラミックスにより形成
された複数対の上部壁51と下部壁52とを基板53と
天板54とで挾持することにより、複数の剪断モードア
クチュエータ(以下アクチュエータと称する)55,5
6,57,58,59…が形成されている。これらの上
部壁51と下部壁52とは矢印に示すように板厚方向で
あって互いに相反する方向に分極されている。これらの
アクチュエータ55,56,57,58,59…のそれ
ぞれと基板53と天板54とにより囲繞された空間が流
路66である。これらの流路66の内面は電極60,6
1,62,63,64…により覆われている。また、各
流路66の端部にはノズル65が形成されている。
【0003】ここで、隣接するアクチュエータ57,5
8の間に位置する流路66からインクを飛翔させる場合
を考える。電極62に電圧を印加し、この電極62の両
側の電極61,63を接地すると、アクチュエータ5
7,58には逆方向の電界が印加され、点線で示すよう
に、これらのアクチュエータ57,58のそれぞれの上
部壁51と下部壁52とが「く」の字形に逆方向に向か
って剪断変形する。この結果、アクチュエータ57,5
8の間の流路66の容積が圧縮され、高まる内圧により
インクがノズル65から飛翔される。
【0004】このような原理を用いるインクジェットプ
リンタヘッドを製造する方法として、前記公報では、二
枚のシート状の圧電セラミックスをその板厚方向に分極
し、基板53或いは天板54に貼り合わせ、レーザー光
又はカッターにより圧電セラミックスに複数の溝を切
り、周知の蒸着方法で金属膜を溝の内面に電極60,6
1,62,63,64…を蒸着することにより形成する
と記載されているが、具体的方法の記載はない。その
後、圧電セラミックスによる上部壁51の天板54とは
反対側の面及び下部壁52の基板53側とは反対側の面
に蒸着された金属膜を除去し、これらの上部壁51と下
部壁52との金属膜除去面を接合することにより周囲が
囲繞された流路66を形成すると記載されている。
【0005】ところが、一般的に周知の方法と言われる
金属蒸着では、蒸発源から発射される金属の発射方向に
対して垂直に対向する面への蒸着は容易であるが、金属
の発射方向に対して平行又は傾斜する面への蒸着は至難
であり、蒸着法による電極の形成方法には疑問がある。
【0006】次に、このような従来例(特開昭63−2
52750号公報に記載された発明)を改良するものと
して、特開平2−150355号公報に記載された発明
を図12に示す。すなわち、矢印によって示す板厚方向
に分極された二枚のピエゾ電気材料67には複数の溝6
8が側壁69により仕切られて形成され、これらの溝6
8の内面には電極70が形成されている。この状態で
は、二枚のピエゾ電気材料67の分極方向は逆向きであ
る。溝68を内方に位置させてピエゾ電気材料67を接
合することにより複数圧力室71が形成され、これらの
圧力室71の端部にはノズル72が形成されている。
【0007】したがって、中央に位置する圧力室71の
インクを飛翔させるためには、中央の圧力室71の電極
70に電圧を印加し、その両側に位置する圧力室71の
電極70を接地すると、中央の圧力室71の両側に位置
する側壁69は、点線で示すように、「く」の字形に逆
方向に向かって剪断変形する。この結果、中央の圧力室
71の容積が圧縮され、高まる内圧によりインクがノズ
ル72から飛翔される。
【0008】次に、この特開平2−150355号公報
に示された電極70の形成方法を図13に示す。溝68
の開放側における側壁69の側面の一部にのみ電極70
を形成する必要があるため、まず、側壁69の側面に対
してδなる角度をもって蒸着金属原子の平行ビーム73
を発射させて側壁69の一側に電極70を形成し、図1
3において、ピエゾ電気材料67を水平方向に180°
旋回させて固定し、二度にわたって平行ビームを発射さ
せることにより、側壁69の他側面に電極70をする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、金属
原子の蒸着では蒸発源から発射される発射方向に対して
垂直に対向する面への蒸着は容易であるが、発射方向に
平行又は傾斜する面への蒸着は至難である。一方、圧電
部材に溝加工を施すと、その溝の加工面は、図14に示
すように結晶粒75による凹凸のある面である。この結
晶粒75の大きさは数μmであるが、これより、蒸着金
属74の粒子の方がはるかに小さいので、被蒸着面に対
して傾斜して平行ビーム73を照射すると、結晶粒75
が突出する部分には蒸着金属74が蒸着されるが、結晶
粒75の影になる凹部には蒸着されない。このように、
蒸着金属74が斑状に付着するため蒸着金属74の結合
が弱くなる。これにより、蒸着金属74が剥離してイン
ク詰りの原因となる。また、電極70が均一に形成され
ないため、ピエゾ電気材料に電界を均一にかけることが
できず、必要以上の電圧をかけなければならない。さら
に、蒸着金属74が斑状に付着し、また剥離のおそれが
あるため、圧力室71の内部でピエゾ電気材料の素地が
露出しインクに触れて腐食する等の問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、それ
ぞれ板厚方向であって互いに相反する方向に分極された
二層の板状の圧電部材を基板の一面に積層状態で接着
し、最表層の圧電部材から少なくとも次層の圧電部材に
達する深さの溝を研削加工により形成するとともにこれ
らの溝の両側に支柱を形成し、前記溝の両内側面に無電
解メッキにより導電性物質を付着させて電極を形成する
とともに溝内に位置する前記電極と最表層の前記圧電部
材の表面に位置する配線パターンとを接続し、最表層の
前記圧電部材の表面に天板を接着して前記溝の開口面を
閉塞することによりインク供給部に接続される複数の圧
力室を形成し、これらの圧力室のそれぞれの一端にノズ
ルを配設するようにした。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において、溝
の底面と両側とを含め全面に電極を連続させて形成する
ようにした。
【0012】請求項3の発明は、請求項2において、無
電解メッキのための触媒核を含有した接着層により基板
と圧電部材とを接着し、溝の深さをその底面が前記接着
層に達する深さに設定した。
【0013】請求項4の発明は、請求項2において、非
導電性及び非電歪性であって無電解メッキのための触媒
核を含有した基板に二層の圧電部材を接着し、溝の深さ
をその底面が前記基板に達する深さに設定した。
【0014】請求項5の発明は、請求項2において、液
晶ポリマーにより形成された基板に二層の圧電部材を接
着し、溝の深さをその底面が前記基板に達する深さに設
定した。
【0015】
【0016】
【作用】請求項1の発明は、無電解メッキは金属蒸着と
異なり方向性の影響がないために、溝の内面の角度や凹
凸の存在に関係なく溝の内面に均一に無電解メッキを付
着させて電極を形成することができる。これにより、圧
電部材に均一に電界をかけることができ、また、電極の
剥離を防止することができる。これに伴い、インクの流
路中に電極の剥離片による目詰りを起こすことがなく、
さらに、圧力室の内面の圧電部材の露出部分がインクに
接して変質することを防止することができる。さらに、
無電解メッキによる電極形成方法は化学処理による方法
であるため、一度に大量の処理が可能となり、製造コス
トを低減させることができる。また、電極とこの電極を
駆動回路に接続する配線パターンとを同時に形成するこ
とにより、製造工程を少なくするとともに配線の手間を
省くことができ、これにより、電気接続の信頼性を向上
させることができる。
【0017】請求項2の発明は、溝の底面と両側とを含
め全面に電極を連続させて形成することにより、溝を形
成する圧電部材や基板がインクに触れることがなく、し
たがって、圧電部材や基板の変質を防止することができ
る。さらに、無電解メッキの面積が広くなるため、電極
の剥離をより有効に防止することができる。
【0018】請求項3の発明は、溝の深さが接着層に達
し、接着層は無電解メッキに必要な触媒核を含有するた
め、触媒核にメッキ金属を析出させて溝の底部にまで密
着性の良い電極を形成することができる。また、溝が接
着層に達する深さであるため、圧電部材の厚さ全てにわ
たって変形させることができ、圧力室の膨張及び収縮に
貢献させてエネルギー効率を向上させることができる。
【0019】請求項4の発明は、溝の深さが基板に達
し、基板は無電解メッキに必要な触媒核を含有するた
め、触媒核にメッキ金属を析出させて溝の底部にまで密
着性の良い電極を形成することができる。また、溝が基
板に達する深さであるため、圧電部材の厚さ全てにわた
って変形させることができ、圧力室の膨張及び収縮に貢
献させてエネルギー効率を向上させることができる。
【0020】請求項5の発明は、溝の深さが基板に達
し、基板の材料となる液晶ポリマーは無電解メッキのエ
ッチング処理で表面を粗化することができるため、液晶
ポリマーによる基板に形成された溝の底部にまで密着性
の良い電極を形成することができる。また、溝が基板に
達する深さであるため、圧電部材の厚さ全てにわたって
変形させることができ、圧力室の膨張及び収縮に貢献さ
せてエネルギー効率を向上させることができる。
【0021】
【0022】
【実施例】請求項1及び請求項2の発明の一実施例を図
1ないし図5に基づいて説明する。まず、図1(a)に
示すように、矢印方向に分極された二枚のシート状の圧
電部材1,2を貼り合わせ、図1(b)に示すように一
方の圧電部材2を平板状の基板3の表面に接着する。次
いで、図1(c)に示すように、互いに面接合された圧
電部材1,2に、最表層の圧電部材1の表面に開口する
複数の溝4をICウエハーの切断に用いられるダイシン
グソーのダイヤモンドホイール等により平行に研削す
る。これに伴いこれらの溝4の両側に支柱5が形成され
る。次に、図1(d)に示すように、溝4の底面と両側
とを含め全面に電極6を連続させて形成し、これらの電
極6にリード線(図示せず)を接続する。
【0023】ここで、図4を参照して電極6の形成方法
について説明する。図中、7は溝4の内面で、この内面
7には圧電部材1又は2の結晶粒8によって凹凸が存在
する。まず、この圧電部材1,2に付着する研削屑や塵
埃或いは油分等を洗浄し、さらに、メッキの密着性を高
めるためにエッチング液により内面7を粗化する。次
に、図4(a)に示すように、無電解メッキの最初の析
出に必要な例えばパラジウム等の触媒核9を内面7に付
与する。一般的には被メッキ物をキャタリスト液に浸漬
し、さらに、水洗後アクセレータ液に浸漬して触媒核9
を形成する。この前処理を経て、被メッキ物をメッキ液
に浸漬すると、図4(b)に示すように、触媒核9にメ
ッキ金属10が析出され、その析出が進行すると、図4
(c)に示すように、メッキ金属10が連続して電極6
が形成される。
【0024】次に、図1(e)に示すように、最表層の
前記圧電部材1の表面に天板11を接着して前記溝4の
開口面を閉塞することにより複数の圧力室12を形成
し、これらの圧力室12のそれぞれの一端に接続された
ノズル13を有するノズル板14を、前記基板3と前記
圧電部材1,2と前記天板11との端部に接着する。こ
の状態を図2の縦断側面図によって示す。なお、天板1
1には圧電部材1に接着される前に各溝4に連通する通
路15が形成されている。この通路15は、図3に示す
ように、インク供給パイプ16によりインク貯蔵部(図
示せず)に接続されている。このようにして形成された
インクジェットプリンタヘッドHは用紙17が巻回され
るプラテン18に対向配置される。
【0025】次に、図1(e)に基づいて、中央の圧力
室12Cのインクを吐出させる場合について述べる。こ
こでは、中央の圧力室を12C、その左右の圧力室を1
L,12Rによって示し、中央の電極を6C、その左右
の電極を6L,6Rによって示す。中央の圧力室12C
内側面に位置する電極6Cに負の電圧を印加し、その左
右の電極6L,6Rを接地すると、圧電部材1,2は互い
に分極方向が異なり、上側の圧電部材1の支柱5は天板
11に固定され、下側の圧電部材2の支柱5は基板3に
固定されているため、中央の圧力室6Cの両側に位置す
る支柱5は鎖線で示すように左右対称に「く」の字形に
外側方向に変形し、中央の圧力室12Cの容積が増大し
内圧が低下する。これによりインク供給部のインクが中
央の圧力室12Cに引き込まれる。続いて、電圧の印加
を止めると支柱5に蓄積された歪みエネルギーにより支
柱5が元の形状に戻ろうとするため、中央の圧力室12
Cの容積が縮小し内圧が高められる。これにより、中央
の圧力室12Cのインクがノズル13から吐出される。
【0026】以上のように、無電解メッキを施す前に溝
4の内面に触媒核9を付与すると、溝4の内面の角度や
凹凸の有無に関係なくメッキ金属10を付着させて均一
な分布で均一な厚さの電極6を形成することができる。
これにより、電極6に電圧を印加する際、圧電部材1,
2に効率良く電界をかけることができる。また、メッキ
金属10の分布が斑にならないので、メッキ金属の密着
性が良く、使用中に剥離することを防止することができ
る。したがって、メッキ金属10の剥離片がインクの流
路に詰ることもなく、さらに、圧電部材1,2はその素
地がインクに触れることがないため腐食等変質するよう
なことはない。
【0027】なお、図5に示すように、溝4の深さをそ
の底面が圧電部材2の内部に位置する深さに設定するこ
とにより、圧電部材2と基板1との接着面の面積を拡大
し、接着強度を高めることができる。
【0028】次いで、請求項3の発明の一実施例を図6
に基づいて説明する。前記実施例と同一部分は同一符号
を用い説明も省略する(以下同様)。本発明は、無電解
メッキのための触媒核を含有した接着層19により基板
3と圧電部材2とを接着し、溝4の深さをその底面が接
着層19に達する深さに設定したものである。触媒核
は、パラジウム、ロジウム、銀、金等が挙げられる。
【0029】したがって、溝4の深さが接着層19に達
し、接着層19は無電解メッキに必要な触媒核を含有す
るため、触媒核にメッキ金属を析出させて溝4の底部に
まで密着性の良い電極6を形成することができる。ま
た、溝4が接着層19に達する深さであるため、圧電部
材2の全ての変形を圧力室12の膨張及び拡張に貢献さ
せてエネルギー効率を向上させることができる。
【0030】さらに、請求項4の発明の一実施例を図7
に基づいて説明する。非導電性及び非電歪性であって無
電解メッキのための触媒核を含有した基板20に相反す
る方向に分極された圧電部材1,2を積層して接着し、
溝4の深さをその底面が基板20に達する深さに設定し
たものである。なお、基板20と圧電部材2とを接着す
る接着層19にも無電解メッキに必要な触媒核を含有す
る。
【0031】したがって、溝4の深さが接着層19及び
基板20に達し、接着層19と基板20とは無電解メッ
キに必要な触媒核を含有するため、触媒核にメッキ金属
を析出させて溝4の底部にまで密着性の良い電極6を形
成することができる。また、溝4が基板20に達する深
さであるため、圧電部材2の全ての変形を圧力室12の
膨張及び拡張に貢献させてエネルギー効率を向上させる
ことができる。
【0032】なお、図示しないが、請求項5の発明とし
て、図7における基板20に代えて、液晶ポリマーによ
り形成された基板を用いても、圧電部材2の厚さ全てに
わたって変形させることができ、圧力室12の膨張及び
収縮に貢献させてエネルギー効率を向上させることがで
きる。この場合、基板の材料となる液晶ポリマーは、他
のメッキ可能な合成樹脂とは異なり、代表的な圧電部材
である圧電セラミックスを侵さず、しかも、液晶ポリマ
ーの表面には、メッキの密着度を高めるための適度な粗
化状態を得るエッチング処理が可能であるため、液晶ポ
リマーによる基板に形成された溝の底部にも無電解メッ
キにより電極を形成することができる。
【0033】実験的には、エッチング処理に際し、処理
液の温度を50℃、処理液を30%及び40%の水酸化
カリュウム溶液とした場合に、30%の処理液では30
分、40%の処理液では20分で液晶ポリマーの表面を
粗化することができた。これにより、液晶ポリマーで形
成された溝の底部にも無電解メッキによる電極を密着さ
せて形成することができる。
【0034】さらに、請求項1で規定する溝4内に位置
する電極6と最表層の圧電部材1の表面に位置する配線
パターンとを接続する手段を図8ないし図10に基づい
て説明する。まず、図10(a)に示すように、基板3
に積層状態で接着された圧電部材1,2に溝4と支柱5
とを形成した後に、圧電部材1の表面にドライフィルム
と称せられる保護膜21を貼る。次に、図10(b)に
示すように、無電解メッキをする部分としない部分とを
区別するフォトマスク22を保護膜21の上に載せ、フ
ォトマスク22の上から露光した後現像する。これによ
り、図10(c)に示すように、露光されなかった部分
は現像時に消滅し、露光された部分はレジスト膜23が
形成される。このレジスト膜23によって保護された部
分は、無電解メッキ工程においてメッキ金属が付かず、
レジスト膜23に覆われない部分にのみメッキ金属が付
着する。
【0035】これにより、図8及び図9に示すように、
溝4の内面に位置する電極6と、圧電部材1の表面に位
置する配線パターン24とを同一工程で連続して形成す
ることができる。これにより、電極6へのリード線の接
続作業を省略することができる。また、圧電部材1には
駆動回路25が装着され、この駆動回路25の各端子に
前記配線パターン24が接続されている。図8は天板1
1とノズル板14とを外した状態を示す斜視図である。
【0036】なお、上記実施例は、無電解メッキの前処
理として、キャタリスト・アクセレーター法を用いた例
で説明したが、これに限られるものではない。また、基
板の材質として液晶ポリマーを使用した例を説明した
が、これも液晶ポリマーに限られるものではなく、例え
ば、PPS材を用いても好結果が得られるものである。
本実施例では、東ソー・サスティール株式会社製のPP
S材である商品名:サスティールMZ−40を基板とし
た場合、前処理はセンシタイザー・アクチベータ法を用
い、フッ化錫に添加剤を混ぜたエッチング液により25
℃で約30分エッチングを行い、ニッケル・ボロン系の
メッキ液を用いると、PZT及びPPSの表面に密着性
の良い電極を形成することができた。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明は、それぞれ板厚方向で
あって互いに相反する方向に分極された二層の板状の圧
電部材を基板の一面に積層状態で接着し、最表層の圧電
部材から少なくとも次層の圧電部材に達する深さの溝を
研削加工により形成するとともにこれらの溝の両側に支
柱を形成し、前記溝の両内側面に無電解メッキにより導
電性物質を付着させて電極を形成するとともに溝内に位
置する前記電極と最表層の前記圧電部材の表面に位置す
る配線パターンとを接続し、最表層の前記圧電部材の表
面に天板を接着して前記溝の開口面を閉塞することによ
りインク供給部に接続される複数の圧力室を形成し、こ
れらの圧力室のそれぞれの一端にノズルを配設するよう
にしたので、無電解メッキは金属蒸着と異なり方向性の
影響がないために、溝の内面の角度や凹凸の存在に関係
なく溝の内面に均一に無電解メッキを付着させて電極を
形成することができ、これにより、圧電部材に均一に電
界をかけることができ、また、電極の剥離を防止するこ
とができ、これに伴い、インクの流路中に電極の剥離片
による目詰りを起こすことがなく、さらに、圧力室の内
面の圧電部材の露出部分がインクに接して変質すること
を防止することができる。さらに、無電解メッキによる
電極形成方法は化学処理による方法であるため、一度に
大量の処理が可能となり、製造コストを低減させること
ができる。また、電極とこの電極を駆動回路に接続する
配線パターンとを同時に形成することにより、製造工程
を少なくするとともに配線の手間を省くことができ、こ
れにより、電気接続の信頼性を向上させることができる
等の効果を有する。
【0038】請求項2の発明は、請求項1において、溝
の底面と両側とを含め全面に電極を連続させて形成する
ようにしたので、溝を形成する圧電部材や基板がインク
に触れることがなく、したがって、圧電部材や基板の変
質を防止することができ、さらに、無電解メッキの面積
が広くなるため、電極の剥離をより有効に防止すること
ができる等の効果を有する。
【0039】請求項3の発明は、請求項2において、無
電解メッキのための触媒核を含有した接着層により基板
と圧電部材とを接着し、溝の深さをその底面が前記接着
層に達する深さに設定したので、触媒核にメッキ金属を
析出させて溝の底部にまで密着性の良い電極を形成する
ことができ、また、溝が接着層に達する深さであるた
め、圧電部材の厚さ全てにわたって変形させることがで
き、圧力室の膨張及び収縮に貢献させてエネルギー効率
を向上させることができる。
【0040】請求項4の発明は、請求項2において、非
導電性及び非電歪性であって無電解メッキのための触媒
核を含有した基板に二層の圧電部材を接着し、溝の深さ
をその底面が前記基板に達する深さに設定したので、触
媒核にメッキ金属を析出させて溝の底部にまで密着性の
良い電極を形成することができ、また、溝が基板に達す
る深さであるため、圧電部材の厚さ全てにわたって変形
させることができ、圧力室の膨張及び収縮に貢献させて
エネルギー効率を向上させることができる等の効果を有
する。
【0041】請求項5の発明は、請求項2において、液
晶ポリマーにより形成された基板に二層の圧電部材を接
着し、溝の深さをその底面が前記基板に達する深さに設
定したので、基板の材料となる液晶ポリマーは無電解メ
ッキのエッチング処理で表面を粗化することができるた
め、液晶ポリマーによる基板に形成された溝の底部にま
で密着性の良い電極を形成することができ、また、溝が
基板に達する深さであるため、圧電部材の厚さ全てにわ
たって変形させることができ、圧力室の膨張及び収縮に
貢献させてエネルギー効率を向上させることができる等
の効果を有する。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の発明の一実施例を示す
もので、インクジェットプリンタヘッドの製造工程を示
す縦断正面図である。
【図2】その一部の縦断側面図である。
【図3】その外観を示す斜視図である。
【図4】無電解メッキの付着状態を示す説明図である。
【図5】変形例を示す縦断正面図である。
【図6】請求項3の発明の一実施例を示す縦断正面図で
ある。
【図7】請求項4の発明の一実施例を示す縦断正面図で
ある。
【図8】請求項1で規定する溝内に位置する電極と最表
層の圧電部材の表面に位置する配線パターンとを接続す
る手段を示す斜視図である。
【図9】その一部の縦断側面図である。
【図10】その無電解メッキ前におけるマスキング方法
を示す斜視図である。
【図11】従来例を示す縦断正面図である。
【図12】他の従来例を示す縦断正面図である。
【図13】その電極形成方法を示す縦断正面図である。
【図14】その電極形成方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2 圧電部材 3 基板 4 溝 5 支柱 6 電極 9 触媒核 11 天板 12 圧力室 19 接着層 20 基板
フロントページの続き (72)発明者 原 賢次 静岡県御殿場市保土沢985 東芝EMI 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−252750(JP,A) 特開 平3−82377(JP,A) 特開 平2−306674(JP,A) 特開 昭62−277780(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ板厚方向であって互いに相反す
    る方向に分極された二層の板状の圧電部材を基板の一面
    に積層状態で接着し、最表層の圧電部材から少なくとも
    次層の圧電部材に達する深さの溝を研削加工により形成
    するとともにこれらの溝の両側に支柱を形成し、前記溝
    の両内側面に無電解メッキにより導電性物質を付着させ
    て電極を形成するとともに溝内に位置する前記電極と最
    表層の前記圧電部材の表面に位置する配線パターンとを
    接続し、最表層の前記圧電部材の表面に天板を接着して
    前記溝の開口面を閉塞することによりインク供給部に接
    続される複数の圧力室を形成し、これらの圧力室のそれ
    ぞれの一端にノズルを配設するようにしたことを特徴と
    するインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 溝の底面と両側とを含め全面に電極を連
    続させて形成するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 無電解メッキのための触媒核を含有した
    接着層により基板と圧電部材とを接着し、溝の深さをそ
    の底面が前記接着層に達する深さに設定したことを特徴
    とする請求項2記載のインクジェットプリンタヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 非導電性及び非電歪性であって無電解メ
    ッキのための触媒核を含有した基板に二層の圧電部材を
    接着し、溝の深さをその底面が前記基板に達する深さに
    設定したことを特徴とする請求項2記載のインクジェッ
    トプリンタヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 液晶ポリマーにより形成された基板に二
    層の圧電部材を接着し、溝の深さをその底面が前記基板
    に達する深さに設定したことを特徴とする請求項2記載
    のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
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