JP2006161116A - 無電解めっきによる電極形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

無電解めっきによる電極形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無電解めっきにより形成された電極間に不要なめっき膜が析出せず、ショートの発生を防止することのできる電極形成方法を提供すること。
【解決手段】基板上にめっき用被覆部材2によりパターニングを行うパターニング工程と、該パターニングされためっき用被覆部材2を有する基板にめっき触媒6を付与する触媒付与工程と、該めっき触媒6が付与された基板に無電解めっきによりめっき処理することにより、めっき触媒6が付与された部位にめっき膜を形成する無電解めっき処理工程と、めっき膜形成後にめっき用被覆部材2を除去する除去工程とを有する電極形成方法で、触媒付与工程とめっき処理工程との間に、めっき用被覆部材2によりパターニングされた基板を、めっき用被覆部材2に対して相溶性を有する溶液を用いて、めっき用被覆部材2を除去することなく、該めっき用被覆部材2上のめっき触媒6を不活化させる不活化工程を有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は無電解めっきによる電極形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法に関し、詳しくは、無電解めっきにより形成された電極間に電極が橋渡しされてしまうことによりショートが起きてしまう現象、通称「ブリッジ」の発生を防止することのできる無電解めっきによる電極形成方法及びこれを用いたインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドには、PZT等からなる圧電性セラミックス基板の表面に電極を形成するものがある。従来、このようなインクジェットヘッドの電極形成方法としては、基板上面にめっき用レジスト層を形成した後、該めっき用レジスト層側からチャネル溝を形成し、その後、基板全面にめっき触媒を付与し、無電解めっき処理により該めっき触媒が付与された部位にめっき膜を形成した後、めっき用レジスト層を除去することで、所定パターンの電極を形成する方法(特許文献1、特許文献2)、チャネル溝を形成した基板表面にフォトレジストを被覆し、所定パターンにパターニングした後、基板全面にめっき触媒を付与し、無電解めっき処理により該めっき触媒が付与された部位にめっき膜を形成した後、フォトレジストを除去することで、所定パターンの電極を形成する方法(特許文献3)、チャネル溝を形成した基板表面にめっき膜を形成した後、フォトレジストを被覆し、パターニングして所定パターンにめっき膜を露出させた後、めっき膜が露出した部位のめっきを除去し、その後、フォトレジストを除去することにより所定パターンの電極を形成する方法(特許文献4)、レジスト層を被覆した基板にチャネル溝を形成した後、めっき触媒を付与し、その後、レジスト層を除去し、めっき触媒が残留する部位に無電解めっき処理によりめっき膜を形成することにより、所定パターンの電極を形成する方法(特許文献5)、チャネル溝を形成した基板表面にめっき触媒を付与した後、ドライフィルムを被覆し、所定パターンにパターニングした後、無電解めっき処理によりめっき触媒が露出した部位にめっき膜を形成し、その後、ドライフィルムを除去することにより、所定パターンの電極を形成する方法(特許文献6)が知られている。
特開2002−103629号公報 特開2002−172789号公報 特開2004−106380号公報 特開平10−244668号公報 特許第3506354号公報 特許第2744536号公報
特許文献1〜4に記載の技術では、めっき用レジスト層等のめっき用被覆部材が形成されている基板に対してめっき膜を形成している。一般に、めっき用被覆部材上にはめっき触媒が付着しにくいため、めっき用被覆部材で被覆されていない部位に比べてめっき膜は析出しにくいが、完全にめっき膜の析出が行われないわけではないため、めっき用被覆部材上にも不要なめっき膜が形成されてしまう。通常、これらの技術では、めっき後にめっき用被覆部材を溶解除去すれば、めっき用被覆部材上に形成された不要なめっき膜の下には、めっき用被覆部材が除去されることにより隙間が形成されるので、マイクロジェット洗浄等によって上から叩く洗浄を行うことにより、ある程度除去することができると考えられる。しかし、実際には、マイクロジェット洗浄等によっても除去しきれない程の大量のめっき膜が形成されてしまい、これら不要なめっき膜が隣接する電極間を橋渡しすることによって、ショートを発生させてしまう問題がある。
また、特許文献5に記載の技術では、めっき用被覆部材を除去した後、めっき触媒が付与された部位に電極が形成されるようになるので、上記特許文献1〜4に記載の技術に比べて不要なめっき膜の発生確率は低いものの、めっき触媒が付着していないめっき用被覆部材によって覆われていた部位にもめっき膜が析出することで、やはり電極間のショートを発生させる問題がある。特に、この場合、不要なめっき膜の下には、上記特許文献1〜4に記載のような隙間は存在しないので、マイクロジェット洗浄等によって除去することができない。このため、めっき後にショートを引き起こすような不要なめっき膜が1箇所でも発生すると重大な問題となる。
更に、特許文献6に記載の技術では、めっき触媒の付与後にめっき用被覆部材によりパターニングを行うので、めっき触媒を汚染し易く、めっき抜けが起こり易く、電極が断線してしまう場合がある。
そこで、本発明は、無電解めっきにより形成された電極間に不要なめっき膜が析出せず、ショートの発生を防止することのできる無電解めっきによる電極形成方法及びこれを用いたインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、基板上にめっき用被覆部材によりパターニングを行うパターニング工程と、該パターニングされためっき用被覆部材を有する基板にめっき触媒を付与する触媒付与工程と、該めっき触媒が付与された基板に無電解めっきによりめっき処理することにより、前記めっき触媒が付与された部位にめっき膜を形成する無電解めっき処理工程と、めっき膜形成後に前記めっき用被覆部材を除去する除去工程とを有する無電解めっきによる電極形成方法であって、前記触媒付与工程と前記めっき処理工程との間に、前記めっき用被覆部材によりパターニングされた基板を、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液を用いて、前記めっき用被覆部材を除去することなく、該めっき用被覆部材上のめっき触媒を不活化させる不活化工程を有することを特徴とする無電解めっきによる電極形成方法である。
請求項2記載の発明は、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液は、pHが12以上のアルカリ溶液であることを特徴とする請求項1記載の無電解めっきによる電極形成方法である。
請求項3記載の発明は、前記不活化工程は、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液によって前記めっき用被覆部材を溶融させることにより、溶融しためっき用被覆部材と共に前記めっき触媒を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の無電解めっきによる電極形成方法である。
請求項4記載の発明は、前記不活化工程は、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液によって前記めっき用被覆部材を溶融させることにより、該めっき用被覆部材内に前記めっき触媒を埋設することを特徴とする請求項1又は2記載の無電解めっきによる電極形成方法である。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の無電解めっきによる電極形成方法を用いて、インクジェットヘッドの圧電性基板上に電極をパターン形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
本発明によれば、無電解めっきにより形成された電極間に不要なめっき膜が析出せず、ショートの発生を防止することのできる無電解めっきによる電極形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1〜図9は、インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図である。
図1において、1はインクジェットヘッドの圧電性基板であり、電界を印加することにより圧電作用を示す圧電材料からなる。圧電性基板1として用いられる圧電材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr,Ti)O])、PLZT(チタン酸ジルコン酸鉛ランタン[(Pb,La)(Zr,Ti)O])等のセラミックスで、主にPbOx、ZrOx、TiOxの混合微結晶体に、ソフト化剤又はハード化剤として知られる微量の金属酸化物、例えばNb、Zn、Mg、Sn、Ni、La、Cr等の酸化物を含むものが好ましい。中でもPZTは、充填密度が大きく、圧電性定数が大きく、加工性が良いので、インクジェットヘッドの基板として好ましく使用できる。
ここでは、PZT粉末を成型焼結した薄板のPZT板1aと厚板のPZT板1bとのそれぞれを電極で挟み、シリコン油に漬けて、10〜35kv/cm程度の高電界を掛けて分極処理し、その分極方向が反対となるようにエポキシ系接着剤等の接着剤により接着することで積層体を構成している。
このようにPZT板1a、1bが積層された圧電性基板1のPZT板1aの上面に、めっき膜を形成したくない部位を被覆するためのめっき用被覆部材2を設ける。めっき用被覆部材2としては、圧電性基板1上に被覆形成可能で、後述する不活化処理時の溶液によって若干溶融するものであれば特に問わないが、一般にはレジストやドライフィルム等を用いることができる。
レジストとしては、例えばアルカリ可溶のノボラック樹脂、有機溶媒可溶のポリレイ皮酸ビニル、環化ゴム−ビスアジド等のフォトレジスト、めっき用レジスト等が挙げられる。レジストを圧電性基板1の上面に被覆形成するには、スピンコートすることによって一定の厚みに塗布することが好ましい。スピンコートによると、一定の膜厚に精度良く塗設することができる。その後オーブンで塗布液中の溶剤を十分に乾燥させる。
また、ドライフィルムとしては、例えばDu Pont社製「FX−130」等の一般に知られているドライフィルムタイプのフォトレジストを用いることができる。ドライフィルムを圧電性基板1の上面に被覆形成するには、専用のラミネーターを用いることができる。
めっき用被覆部材2の乾燥後の膜厚は、後述する不活化処理との関係で、0.1μm以上とすることが好ましい。
次いで、図2に示すように、めっき用被覆部材2の上面に、電極形成する部分としない部分、すなわちめっき膜を形成する部分としない部分とを区別するようにパターニングを行う。パターニングは、めっき膜を形成する部分としない部分とに対応するようにパターニングされたフォトマスク3を載せ、露光、現像することにより行うことができる。例えば、透明な石英板31にクロム蒸着により所定パターンのマスク部32を形成したフォトマスク3を用い、このフォトマスク3の上から紫外線照射により露光し、現像液に浸漬して現像する場合、図3に示すように、フォトマスク3のマスク部32によって覆われて露光されなかった部分は現像時に消滅して圧電性基板1の表面が露出し、露光された部分はめっき用被覆部材2が残存するようにする。この場合、現像時にめっき用被覆部材2が消滅した部分はそれぞれ電極形成部4となる。
次いで、図4に示すように、この圧電性基板1に対し、めっき用被覆部材2の形成面からダイシングブレード5等を用いて、例えば深さ300μm、幅70μmで、厚板のPZT板1bの中途部まで至る深さの溝を電極形成部4と同数研削することによって、複数の互いに平行なチャネル11を並設する。このとき、各チャネル11は、圧電性基板1表面の上記各電極形成部4とは反対端側から、それぞれ各電極形成部4にまで至る溝を研削することにより形成される。従って、各チャネル11は、電極形成部4に近づくにつれて溝が徐々に浅くなり、やがて消滅して電極形成部4に繋がる。
これにより、図5に示すように、各チャネル11内と上記各電極形成部4とを除く圧電性基板1の表面のみがめっき用被覆部材2で覆われた状態となり、各チャネル11の間には、削り残された圧電性基板1によって駆動壁12が形成される。
なお、本実施形態では、圧電性基板1に4本の電極形成部4を形成し、従って、4本のチャネル11を研削するものを示しているが、チャネル11の数は限定されない。
次に、圧電性基板1の全面にめっき前処理を行う。このめっき前処理は、後段のめっき触媒を付与する工程におけるめっき触媒核及び後段の無電解めっき処理工程におけるめっき膜の付着を良好にするために、酸性フッ化アンモニウム、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸等の0.5%水溶液に浸漬して圧電性基板1の粒子界面にエッチング処理を行う。
エッチング処理が終了した後、圧電性基板1の全面に、図6に示すようにめっき触媒6を付着させる。図6(a)は、圧電性基板1のチャネル11が設けられた部位の部分断面図、図6(b)は、圧電性基板1のチャネル11が設けられていない部位の部分断面図である。めっき触媒6は、後段の無電解めっきによるめっき膜の形成を促進させるために、無電解めっきの触媒である金属パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)等を生成させる。
圧電性基板1の全面にめっき触媒6を付与する方法としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、圧電性基板1を、60℃に加熱した0.1%ノニオン系界面活性剤に3分間浸漬して洗浄した後、表面に付着している汚れ、油分を取り除き(めっき毒除去)、次いで、濃度0.1%の塩化第一錫水溶液に浸漬して塩化第一錫を吸着させ(センシタイジング)、続いて濃度0.01%の塩化パラジウム水溶液に浸漬して塩化パラジウムを吸着させ(アクチベーティング)、先に吸着した塩化第一錫と塩化パラジウムの間で酸化還元反応(SnCl2+PdCl2→SnCl4+Pd↓)を起こさせて金属パラジウムを形成する。
このように圧電性基板1にめっき触媒6を付与すると、図6に示すように、めっき触媒6はめっき用被覆部材2の表面に対しても僅かながら付着する。
次いで、この圧電性基板1を、めっき用被覆部材2に対して相溶性を有する溶液を用いて、めっき用被覆部材2上のめっき触媒6を不活化させる。
不活化処理は、圧電性基板1を溶液中に浸漬する浸漬法、圧電性基板1の表面に対して溶液をスプレーするスプレー法、圧電性基板1を溶液中に浸漬して超音波による振動を付与する超音波法等を用いることができる。
この不活化処理において用いられる溶液は、めっき用被覆部材2と相溶性を有するものであれば種々用いることができるが、pHが12以上のアルカリ溶液を用いることが好ましい。pHが12未満であると、めっき用被覆部材2を溶融しにくくなり、めっき触媒6を不活化する効果に劣るようになる。
使用できるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の無機アルカリ水溶液、エチルアミン、プロピルアミン等の第一級アミン類、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等の第二級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等の第四級アンモニウム塩等の水溶液、及び、これにエタノールのようなアルコール類の水溶性有機溶媒に溶解した溶液が挙げられる。
この不活化処理では、めっき用被覆部材2と相溶性を有する溶液によってめっき用被覆部材2を完全に溶融して除去してしまわず、該溶液によってめっき用被覆部材2が若干溶融する程度に止めることが重要である。このような処理をめっき用被覆部材2によりパターニングされた圧電性基板1に対して行うことで、めっき用被覆部材2上に付与されためっき触媒6は不活化される。
このめっき用被覆部材2と相溶性を有する溶液によるめっき触媒6の不活化は、図7(a)に示す不活化処理前のめっき用被覆部材2上のめっき触媒6が、不活化処理後に、図7(b)に示すように、めっき用被覆部材2が該めっき用被覆部材2と相溶性を有する溶液によって若干溶融する過程で、溶融しためっき用被覆部材2と共に除去されたり、溶融しためっき用被覆部材2と混ざり合ってめっき用被覆部材2内に埋設されたりすることにより可能となる。
圧電性基板1をめっき用被覆部材2と相溶性を有する溶液によって処理する時間は、めっき用被覆部材2が完全に溶融除去されてしまわず、表面が若干溶融する程度の時間であり、30秒〜3分とすることが好ましい。浸漬時間やスプレーし続ける時間を適宜調整することによって行うことができる。
かかる不活化処理の後、電極形成部4に無電解めっき処理によりめっき膜を形成する。すなわち、圧電性基板1を無電解めっきのめっき液に浸漬し、圧電性基板1の表面にめっき膜を析出させる。
無電解めっきに用いられる金属としては、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等があるが、NiやCuが好ましく、特に好ましくはNiを含む金属を用いることである。少なくともNiを含む金属は、比較的耐食性が高いことと、はんだ付き性、ワイヤボンディング、ACF(異方性導電フィルム)接合といった電極接合性が良いこと、基材との膜付き性が良いこと等が理由に挙げられる。また、このようなNiを含むめっき膜上に更に金(Au)めっきを施す等の多層めっきも容易となる利点がある。
Niめっきの種類としては、ホウ素(B)を含有するNiBめっき、りん(P)を含有するNiPめっきが好ましく、特に電気的抵抗が低い点からNiBめっきが好ましい。NiBめっきとNiPめっきとを積層して用いてもよい。
めっき膜厚は、本発明において特に限定されるものではないが、一般に0.1〜10μm程度とすることができる。
かかる無電解めっき処理の後、圧電性基板1の表面のめっき用被覆部材2を除去すると、図8に示すように、圧電性基板1の表面が露出した各チャネル11の内面及び電極形成部4のみに無電解めっきによるめっき膜が析出し、これにより圧電性基板1には、各チャネル11の内面から表面に亘って電極7(斜線で示す)が形成される。なお、このとき、圧電性基板1の両側面、底面、前及び後端面にも析出した不要なめっきは研磨することにより除去すればよい。
無電解めっき処理によるめっき膜は、めっき触媒6の表面に形成されるが、めっき用被覆部材2の表面のめっき触媒6は、不活化処理によって不活化されているので、めっき用被覆部材2上には析出しない。これにより、無電解めっき処理後の電極7間のめっき用被覆部材2上には、図8に示すように、めっき膜が析出しない断絶部7aが形成される。従って、電極7間にショートを発生させるようなブリッジが形成されることはない。無電解めっき処理後は、めっき用被覆部材2を剥離又は溶解によって除去する。
その後、かかる圧電性基板1を用いてインクジェットヘッドを作成するには、図9に示すように、圧電性基板1の上面に、各チャネル11の後端部を残して該チャネル11の上方を覆うようにカバー基板8を接着剤を用いて接着し、該カバー基板8の前端面と圧電性基板1の前端面とに亘って、各チャネル11に対応するノズル孔91が開穿されたノズルプレート9を接着剤を用いて接着する。更にカバー基板8の上面に、各チャネル11内にインクを供給するインク供給室を構成するマニホールド10を接着剤を用いて接着する。各電極7には、駆動回路と電気的に接続される配線がパターン形成されたFPC(図示せず)等をACF等を用いて接合する。
カバー基板8の材料は特に限定されず、例えば有機材料からなっても良いが、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、非分極のPZT等を用いることができる。
また、ノズルプレート9の材料としては、金属や樹脂を用いることができる。例えば、ステンレス、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等が好ましく用いられる。特に好ましくはポリイミド樹脂であり、Du Pont社製「カプトン」や宇部興産社製「ユーピレックス」等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等に優れているために好ましい。
更に、マニホールド10には、接触するインクに対する耐性を有する材料を用いることが好ましく、具体的にはポリイミド、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高機能樹脂やセラミックスが好ましい。
以上の実施形態は、圧電性基板1の表面に、一端が徐々に浅くなってやがて消滅する形状のチャネル11を並設したインクジェットヘッドを例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、チャネル11が、インクの入口からインクが吐出される出口に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートな溝状に形成された、所謂ハーモニカタイプの圧電性基板1を有するインクジェットヘッド等であってもよく、インクジェットヘッドの具体的構造は何ら問わない。
また、以上の実施形態では、多数の電極7を有するインクジェットヘッドを製造する方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、めっき用被覆部材を用いて基板上に無電解めっきによる電極をパターン形成する場合に広く適用することができる。
更に、めっき用被覆部材によるパターニングは、以上説明した露光現像処理やダイシングブレード等を用いた機械的加工処理により行うものに限らず、レーザー等の高いエネルギー体を用いた加工処理によってめっき用被覆部材の一部を除去することにより行うこともできる。これらの1種のみを用いてもよいし、パターニングを行う部位に応じて2種以上を併用してもよい。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて例証するが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
(実施例1)
<パターニング>
PZTのセラミックス基板上に、東京応化工業社製のポジ型レジスト「P−HA900」を使用して、露光現像処理により、180dpiピッチのストライプ状のパターンを500本形成した。
<めっき前処理及びめっき触媒付与>
パターニング後の基板を、酸性フッ化アンモニウムの0.5%水溶液に浸漬し、PZTの粒子界面をエッチングした。この後、塩酸でpH=0に調整した20g/Lの塩化第一錫(SnCl)水溶液に1分間浸漬した後、取り出して蒸留水で水洗処理し、次に、塩酸でpH=3に調整した0.3g/Lの塩化パラジウム(PdCl)水溶液に1分間浸漬した後、取り出して蒸留水で水洗処理し、めっき触媒である金属パラジウム(Pd)を吸着させた。
<不活化処理>
TMAHの水溶液(pH=13.5)を使用し、めっき触媒付与後の基板を溶液中に1分間浸漬処理した後、取り出して水洗いした。取り出した基板上のレジストは、若干溶解しているが、除去されていなかった。
<無電解めっき処理>
不活化処理後の基板に、無電解NiBめっき処理により、NiBめっきのめっき膜を析出させた。無電解NiBめっき処理液として、奥野製薬社製トップケミアロイ66(トップケミアロイ66−M、トップケミアロイ66−1、トップケミアロイ66−2の3液から構成される)を使用した。
(実施例2)
実施例1で用いたレジストを、東京応化工業社製のネガ型レジスト「N−CA900」に代えた以外は実施例1と同一とした。
(実施例3)
実施例1で用いたアルカリ水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液(pH=13.5)に代えた以外は実施例1と同一とした。
(実施例4)
実施例1で用いたアルカリ水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液(pH=12.5)に代えた以外は実施例1と同一とした。
(比較例1)
実施例1で用いたアルカリ水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液(pH=11.5)に代えた以外は実施例1と同一とした。
(比較例2)
実施例1で用いたアルカリ水溶液を、TMAH水溶液(pH=11.5)に代えた以外は実施例1と同一とした。
(比較例3)
不活化処理を全く行わなかった以外は実施例1と同一とした。
評価
実施例1〜4及び比較例1〜3の各基板について、無電解めっき処理後のレジストを除去しない状態の基板表面を顕微鏡観察し、ブリッジ発生率(%)を求めた。ブリッジ発生率は、基板上の500本の電極パターン(レジストにより被覆されていない部位)のうちのブリッジしている本数の割合である。
表1から明らかなように、pHが12以上のアルカリ溶液で処理したものは、ブリッジの発生が全く見られなかった。
Figure 2006161116
インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 (a)(b)はめっき触媒が付着した様子を示す図 (a)は不活化処理前のめっき触媒の様子を示す図、(b)は不活化処理後のめっき触媒の様子を示す図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 インクジェットヘッドの製造方法の一例を説明する図 他のインクジェットヘッドの構造を示す斜視図
符号の説明
1:圧電性基板
1a、1b:PZT板
11:チャネル
12:駆動壁
2:めっき用被覆部材
3:フォトマスク
31:石英板
32:マスク部
4:電極形成部
5:ダイシングブレード
6:めっき触媒
7:電極
7a:断絶部
8:カバー基板
9:ノズルプレート
91:ノズル孔
10:マニホールド

Claims (5)

  1. 基板上にめっき用被覆部材によりパターニングを行うパターニング工程と、該パターニングされためっき用被覆部材を有する基板にめっき触媒を付与する触媒付与工程と、該めっき触媒が付与された基板に無電解めっきによりめっき処理することにより、前記めっき触媒が付与された部位にめっき膜を形成する無電解めっき処理工程と、めっき膜形成後に前記めっき用被覆部材を除去する除去工程とを有する無電解めっきによる電極形成方法であって、
    前記触媒付与工程と前記めっき処理工程との間に、前記めっき用被覆部材によりパターニングされた基板を、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液を用いて、前記めっき用被覆部材を除去することなく、該めっき用被覆部材上のめっき触媒を不活化させる不活化工程を有することを特徴とする無電解めっきによる電極形成方法。
  2. 前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液は、pHが12以上のアルカリ溶液であることを特徴とする請求項1記載の無電解めっきによる電極形成方法。
  3. 前記不活化工程は、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液によって前記めっき用被覆部材を溶融させることにより、溶融しためっき用被覆部材と共に前記めっき触媒を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の無電解めっきによる電極形成方法。
  4. 前記不活化工程は、前記めっき用被覆部材に対して相溶性を有する溶液によって前記めっき用被覆部材を溶融させることにより、該めっき用被覆部材内に前記めっき触媒を埋設することを特徴とする請求項1又は2記載の無電解めっきによる電極形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の無電解めっきによる電極形成方法を用いて、インクジェットヘッドの圧電性基板上に電極をパターン形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。

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