JP2005103881A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク吐出性能の劣化を防止する。
【解決手段】 インクジェットヘッドの製造方法においては、まず、電圧の印加によって剪断モード型の変位をする複数の溝部30,…を圧電性基板3に形成し、溝部30,…をカバープレート4で覆うことにより、圧電性基板3とカバープレート4との間にインク流路5,…を形成する。より詳細には、溝部30,…を形成する工程においては、まず圧電性基板3にフッ酸によってエッチング処理を施す。次に、圧電性基板3に切削加工によって切削溝101,…を形成する。そして、切削溝101,…の内部に金属電極33を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】 インクジェットヘッドの製造方法においては、まず、電圧の印加によって剪断モード型の変位をする複数の溝部30,…を圧電性基板3に形成し、溝部30,…をカバープレート4で覆うことにより、圧電性基板3とカバープレート4との間にインク流路5,…を形成する。より詳細には、溝部30,…を形成する工程においては、まず圧電性基板3にフッ酸によってエッチング処理を施す。次に、圧電性基板3に切削加工によって切削溝101,…を形成する。そして、切削溝101,…の内部に金属電極33を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェットプリンタに備えられるインクジェットヘッドの製造方法に関する。
紙などの記録媒体に対して画像を記録するインクジェットプリンタのインクジェットヘッドとして、剪断モード型のインクジェットヘッドがある(例えば、特許文献1,2参照)。このインクジェットヘッドは、PZT等のセラミックや有機材料によって形成された圧電性基板を有している。圧電性基板には、電圧の印加によって剪断モード型の変位をする溝部が形成されている。溝部は金属電極を有しており、カバープレートによって覆われることによりインク流路を形成している。
従来、圧電性基板に上記溝部を形成するには、圧電性基板に切削溝を形成した後、切削溝に金属電極をめっき形成する前に、切削溝の内部にフッ酸などによってエッチング処理を施しており、これによって切削溝の内部への金属電極の密着性を高めている。
特開平11−99644号公報
特開2003−182086号公報
しかしながら、切削溝の内部にエッチング処理を施すと、切削溝の側壁を構成するセラミックがダメージを受けてしまう結果、インクジェットヘッドのインク吐出性能が劣化する。
本発明の課題は、インク吐出性能の劣化を防止することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、
電圧の印加によって剪断モード型の変位をする複数の溝部を圧電性基板に形成し、
前記溝部をカバープレートで覆うことにより、前記圧電性基板と前記カバープレートとの間にインク流路を形成するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記溝部を形成する工程は、
前記圧電性基板に切削加工によって切削溝を形成する切削工程と、
前記切削溝の少なくとも上端部に金属電極をめっき形成する電極形成工程とを有することを特徴とする。
電圧の印加によって剪断モード型の変位をする複数の溝部を圧電性基板に形成し、
前記溝部をカバープレートで覆うことにより、前記圧電性基板と前記カバープレートとの間にインク流路を形成するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記溝部を形成する工程は、
前記圧電性基板に切削加工によって切削溝を形成する切削工程と、
前記切削溝の少なくとも上端部に金属電極をめっき形成する電極形成工程とを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、切削溝の内部にエッチング処理を施さずに金属電極をめっき形成することにより、従来と異なり、切削溝の側壁部がダメージを受けるのを防止することができる。従って、インク吐出性能の劣化を防止することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記圧電性基板にエッチング処理を施した後に、
前記圧電性基板に前記切削溝を形成することを特徴とする。
前記圧電性基板にエッチング処理を施した後に、
前記圧電性基板に前記切削溝を形成することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、切削溝を形成する前に圧電性基板にエッチング処理を施すことにより、圧電性基板の表面のうち、切削溝の外部にはエッチング処理を施した状態とすることができる。従って、切削溝の外部に金属電極をめっき形成する場合に、この金属電極と圧電性基板との密着性を高めることができる。
請求項1記載の発明によれば、従来と異なり、切削溝の側壁部がダメージを受けるのを防止することができる。従って、インク吐出性能の劣化を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果を得られるのは勿論のこと、切削溝の外部に金属電極をめっき形成する場合に、この金属電極と圧電性基板との密着性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
まず、本実施の形態におけるインクジェットヘッドについて説明する。なお、このインクジェットヘッドは、印刷装置として搭載することによってインクジェットプリンタに使用することが可能となっている。
まず、本実施の形態におけるインクジェットヘッドについて説明する。なお、このインクジェットヘッドは、印刷装置として搭載することによってインクジェットプリンタに使用することが可能となっている。
図1(a)は、剪断モード型のインクジェットヘッド1を示す図である。インクジェットヘッド1は、インクを吐出する穴201が形成されたノズルプレート2を備えている。ノズルプレート2は、金属や樹脂、具体的には、ステンレス、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等から形成されている。
ノズルプレート2には、基板下層301と基板上層302とを接合して形成された圧電性基板3が固着されている。
圧電性基板3は、所定の長さを有する複数の平行な溝部30,…と、平坦な面31とを有している。複数の溝部30,…は、図1(b)に示すように、ノズルプレート2の側が開口するとともに、その反対側が浅くなって面31に連続している。また、溝部30の内部には金属電極33がめっき形成され、面31に形成された金属電極34と連続している。
圧電性基板3は、所定の長さを有する複数の平行な溝部30,…と、平坦な面31とを有している。複数の溝部30,…は、図1(b)に示すように、ノズルプレート2の側が開口するとともに、その反対側が浅くなって面31に連続している。また、溝部30の内部には金属電極33がめっき形成され、面31に形成された金属電極34と連続している。
この圧電性基板3は、有機材料や非金属材料など、電界を加えることにより変形を生じる公知の圧電性材料から形成されている。
ここで、有機材料としては、ポリフッ化ビニリデン等の有機ポリマーや、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料等が挙げられる。
非金属材料としては、成形や焼成等の工程を経て形成されるものと、成形及び焼成を必要としないで形成されるものとがある。
このうち、成形や焼成等の工程を経て形成されるものとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックスが好ましいが、BaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO3等のセラミックスを用いてもよい。PZTとしては、PZT(PbZrO3−PbTiO3)と、第三成分添加PZTとがある。第三成分添加PZTとしてはPb(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3等がある。
また、成形及び焼成を必要としないで形成されるものとしては、例えばゾル−ゲル法や、積層基板コーティング法等で形成されるものがある。
以下、本実施の形態においては、圧電性基板3はPZT(PbZrO3−PbTiO3)のセラミックスから形成されていることとして説明する。
ここで、有機材料としては、ポリフッ化ビニリデン等の有機ポリマーや、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料等が挙げられる。
非金属材料としては、成形や焼成等の工程を経て形成されるものと、成形及び焼成を必要としないで形成されるものとがある。
このうち、成形や焼成等の工程を経て形成されるものとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックスが好ましいが、BaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO3等のセラミックスを用いてもよい。PZTとしては、PZT(PbZrO3−PbTiO3)と、第三成分添加PZTとがある。第三成分添加PZTとしてはPb(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3等がある。
また、成形及び焼成を必要としないで形成されるものとしては、例えばゾル−ゲル法や、積層基板コーティング法等で形成されるものがある。
以下、本実施の形態においては、圧電性基板3はPZT(PbZrO3−PbTiO3)のセラミックスから形成されていることとして説明する。
圧電性基板3の上面には、カバープレート4が配設されている。
カバープレート4は、溝部30,…の開放側の一部を閉塞することにより、溝部30,…との間にインク流路5,…を形成するようになっている。また、カバープレート4には、溝部30,…の開放側の他の一部を覆う切欠部40が形成されており、この切欠部40は圧電性基板3との間にインク溜め6を形成している。インク溜め6は、インク流路5と連通しており、インク供給管60からインクが供給されるようになっている。
カバープレート4は、溝部30,…の開放側の一部を閉塞することにより、溝部30,…との間にインク流路5,…を形成するようになっている。また、カバープレート4には、溝部30,…の開放側の他の一部を覆う切欠部40が形成されており、この切欠部40は圧電性基板3との間にインク溜め6を形成している。インク溜め6は、インク流路5と連通しており、インク供給管60からインクが供給されるようになっている。
なお、カバープレート4は、有機材料からなることとしても良いが、アルミナや窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなることとしても良い。
また、圧電性基板3の底面にはフレキシブルプリント回路(FPC)(図示せず)が設けられており、フレキシブルプリント回路は導線(図示せず)及び異方性導電フィルム(ACF)(図示せず)を介して金属電極34と電気的に接続されている。フレキシブルプリント回路は駆動制御基板(図示せず)に設けられており、金属電極33に電圧を印加するようになっている。
このインクジェットヘッド1がインクを吐出する際には、まず、金属電極33a,33b(図2(a)参照)に正の駆動電圧が印加され、かつ金属電極33c,33dが接地される。これにより、図2(b)に示すように、それぞれの側壁32に矢印の方向の駆動電界が発生する。駆動電界の方向は圧電性基板3の分極方向と直交しているため、各側壁32はインク流路5の内部方向に急激に剪断変形する。そして、この変形によってインク流路5の容積が減少してインク圧力が急速に増大し、圧力波が発生して穴201からインク滴が吐出される。一方、駆動電圧の印加が停止されると、各側壁32が変形前の位置(図2(a)参照)に徐々に戻るため、インク流路5の内部のインク圧力が徐々に低下する。そして、インク供給管60からインク流路5にインクが供給される。
次に、本発明に係るインクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、基板下層301と基板上層302とを上下に接合して圧電性基板3を構成する。このとき、基板下層301の分極方向と基板上層302の分極方向とが互いに反対に向くようにする。
まず、図3に示すように、基板下層301と基板上層302とを上下に接合して圧電性基板3を構成する。このとき、基板下層301の分極方向と基板上層302の分極方向とが互いに反対に向くようにする。
なお、基板下層301と基板上層302との接合の手段としては、エポキシ系接着剤などの接着剤を用いることができるが、接合可能であれば特にこれに限定されない。接着剤を用いて接合する場合には、その接着剤層の硬化後の厚みは、1〜50μmであることが好ましい。
次いで、適当な酸を用いて圧電性基板3をエッチング処理し、圧電性基板3の表面の酸化物被膜を溶解除去する。なお、エッチング処理に用いる酸としては、フッ酸やホウフッ酸、酸性フッ化アンモニウム等がある。このうち、例えばフッ酸を用いたエッチング処理は、0.5%のフッ酸溶液に圧電性基板3を30秒間浸漬することによって行うことができる。
次いで、硝酸や硫酸等に圧電性基板3を漬けることにより、圧電性基板3の表面の鉛を除去する。なお、この工程は、圧電性基板3の圧電性材料にPb(鉛)やV(バナジウム)等の触媒毒が含まれていない場合には不要である。
次いで、図4に示すように、圧電性基板3にフォトレジスト層100を形成する。
具体的には、まず、圧電性基板3の上面全面に、液体レジストを塗布するか、或いはドライフィルムを被覆する。次に、マスクをかけて露光現像し、これにより金属電極33と金属電極34とを形成しない部分にフォトレジスト層100のパターンを形成する。そして120℃のポストベークを90秒間行うことにより、フォトレジスト層100の耐薬品性能を向上させる。なお、図4では、圧電性基板3の露出部分に斜線を引いてある。
具体的には、まず、圧電性基板3の上面全面に、液体レジストを塗布するか、或いはドライフィルムを被覆する。次に、マスクをかけて露光現像し、これにより金属電極33と金属電極34とを形成しない部分にフォトレジスト層100のパターンを形成する。そして120℃のポストベークを90秒間行うことにより、フォトレジスト層100の耐薬品性能を向上させる。なお、図4では、圧電性基板3の露出部分に斜線を引いてある。
ここで、液体レジストとしては、例えばアルカリ可溶のノボラック樹脂や、有機溶媒可溶のポリレイ皮酸ビニル、環化ゴム−ビスアジド等のフォトレジスト、メッキ用レジスト等が挙げられる。液体レジストを圧電性基板3の上面に被覆形成するには、スピンコートすることが好ましく、この場合には液体レジストを一定の厚みに制度良く塗布することができる。なお、液体レジストを用いる場合には、塗布後にオーブンで90℃のプリベークを90秒間行うことにより、塗布液中の溶剤を十分に乾燥させる必要がある。液体レジストの乾燥後の膜厚は、5〜100μmであることが好ましい。
また、ドライフィルムとしては、例えばDupond社のFX−130等の一般に知られているドライフィルムタイプのフォトレジストを用いることができる。ドライフィルムを圧電性基板3の上面に被覆形成するには、専用のラミネーターを用いることができる。ドライフィルムの厚みは、10〜100μmであることが好ましい。
圧電性基板3の上面にフォトレジスト層100を形成したら、図5に示すように、圧電性基板3に所定ピッチで互いに平行な複数列の切削溝101を切削形成する(切削工程)。このとき、切削溝101の深さは基板上層302の厚さよりも大きくし、切削溝101が基板下層301と基板上層302とに亘って形成されるようにする。なお、切削溝101の寸法は、例えば深さ300μm、幅70μmとすることができる。また、切削には円盤状の砥石(ダイシングブレード)等の公知の切削機を用いることができる。
次いで、めっき前処理を行うことにより、圧電性基板3の全面にめっき触媒(図示せず)を付着させる。圧電性基板3の全面にめっき触媒を付与する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
まず、圧電性基板3を、60℃に加熱した0.1%のノニオン系界面活性剤に3分間浸漬して洗浄した後、表面に付着している汚れ、油分を取り除き(めっき毒除去)、次いで、濃度0.1%の塩化第一錫水溶液に浸漬して塩化第一錫を吸着させ(センシタイジング)、続いて濃度0.01%の塩化パラジューム水溶液に浸漬して塩化パラジュームを吸着させ(アクチベーティング)、先に吸着した塩化第一錫と塩化パラジュームの間で酸化還元反応(SnCl2+PbCl2→SnCl4+Pb(↓))を起こさせて、金属パラジュームを形成する。この金属パラジュームが無電解めっきの触媒となる。
まず、圧電性基板3を、60℃に加熱した0.1%のノニオン系界面活性剤に3分間浸漬して洗浄した後、表面に付着している汚れ、油分を取り除き(めっき毒除去)、次いで、濃度0.1%の塩化第一錫水溶液に浸漬して塩化第一錫を吸着させ(センシタイジング)、続いて濃度0.01%の塩化パラジューム水溶液に浸漬して塩化パラジュームを吸着させ(アクチベーティング)、先に吸着した塩化第一錫と塩化パラジュームの間で酸化還元反応(SnCl2+PbCl2→SnCl4+Pb(↓))を起こさせて、金属パラジュームを形成する。この金属パラジュームが無電解めっきの触媒となる。
次いで、めっき触媒が付与された圧電性基板3を無電解めっき処理する(電極形成工程)。このとき、フォトレジスト層100の表面にはめっきが析出し難いため、図6に示すように、フォトレジスト層100の表面を除く圧電性基板3の全面に無電解めっきが析出し、これによりめっき膜102が形成される。なお、このめっき膜102は、以下の工程によって金属電極33,34となるものである。
このように、エッチング処理を行ってから切削溝101を形成し、切削溝101の内部にめっき膜102を形成することにより、切削溝101の内部は、エッチング処理されない状態でめっき形成されることとなる。そのため、切削溝101の内部はダメージを受けることがなく、また、切削加工によって表面が荒れた状態でめっき形成されるため、めっき膜102と強固に密着することとなる。
また、圧電性基板3の表面のうち、切削溝101の外部はエッチング処理された状態となる。そのため、切削溝101の外部に形成されるめっき膜101、つまり、剥離し易い金属電極34を形成するべきめっき膜102は、圧電性基板3に密着した状態で形成されることとなる。
このように、エッチング処理を行ってから切削溝101を形成し、切削溝101の内部にめっき膜102を形成することにより、切削溝101の内部は、エッチング処理されない状態でめっき形成されることとなる。そのため、切削溝101の内部はダメージを受けることがなく、また、切削加工によって表面が荒れた状態でめっき形成されるため、めっき膜102と強固に密着することとなる。
また、圧電性基板3の表面のうち、切削溝101の外部はエッチング処理された状態となる。そのため、切削溝101の外部に形成されるめっき膜101、つまり、剥離し易い金属電極34を形成するべきめっき膜102は、圧電性基板3に密着した状態で形成されることとなる。
なお、めっき膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましい。
また、無電解めっきに用いられる金属としては、Ni(ニッケル)やCo(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等があり、NiやCuが好ましい。更にNiとCuとでは、Niの方が好ましい。
また、無電解めっきに用いられる金属としては、Ni(ニッケル)やCo(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等があり、NiやCuが好ましい。更にNiとCuとでは、Niの方が好ましい。
Niを用いた無電解めっきによる電極形成においては、Ni−PめっきとNi−Bめっきとの何れかを単独で使用しても良いし、Ni−PとNi−Bとを重層させても良い。Ni−PめっきはP含量が高くなると電気抵抗が増大するので、P含量は1〜数%程度がよい。Ni−BめっきのB含量は普通1%以下なので、Ni−PよりNi含量が多く、電気抵抗が低く、且つ外部配線との接続性が良いため、Ni−PよりNi−Bの方が好ましいが、Ni−Bは高価なのでNi−PとNi−Bを組み合わせることも好ましい。
また、無電解めっき処理により析出させためっき膜102上に、必要に応じて更に電解めっきを施してもよい。この電解めっきには、無電解めっきと異なる金属を用いることもできる。
次いで、アセトン等の有機溶剤を使用し、各側壁32の上面に残存するフォトレジスト層100を剥離する。更に、圧電性基板3の前側端面及び左右端面のめっき膜付着部分をダイシングブレード等によって切削除去する。これにより、図7に示すように、溝部30の内部には金属電極33が形成され、かつ、面31には金属電極34が形成された圧電性基板3が得られる。なお、めっき触媒のパターニング終了後であれば、フォトレジスト層100を剥離しても側壁32の上面等にはめっき膜が形成されないため、フォトレジスト層100の剥離は、アクチベーティングの後であれば、めっき膜10の形成前であっても良い。
次いで、溝部30を覆うように圧電性基板3の上面にカバープレート4を接着することにより、圧電性基板3とカバープレート4との間にインク流路5を形成する。また、圧電性基板3の前側端面にノズルプレート2を接着する。なお、これらの接着には、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。
そして、前記異方性導電フィルム(ACF)(図示せず)及び前記導線を介して圧電性基板3の金属電極34と前記フレキシブルプリント回路とを電気的に接続し、インクジェットヘッド1を製造する。
以上のインクジェットヘッドの製造方法によれば、従来と異なり、切削溝の側壁部がダメージを受けるのを防止することができるため、インク吐出性能の劣化を防止することができる。
また、剥離し易い金属電極34と、圧電性基板との密着性を高めることができる。
また、剥離し易い金属電極34と、圧電性基板との密着性を高めることができる。
なお、上記実施の形態においては、フォトレジスト層10を形成する前にエッチング処理を行うこととして説明したが、切削溝101を形成する前であれば、フォトレジスト層10を形成した後にエッチング処理を行うこととしても良い。
1 インクジェットヘッド
3 圧電性基板
4 カバープレート
5 インク流路
30 溝部
33,34 金属電極
101 切削溝
3 圧電性基板
4 カバープレート
5 インク流路
30 溝部
33,34 金属電極
101 切削溝
Claims (2)
- 電圧の印加によって剪断モード型の変位をする複数の溝部を圧電性基板に形成し、
前記溝部をカバープレートで覆うことにより、前記圧電性基板と前記カバープレートとの間にインク流路を形成するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記溝部を形成する工程は、
前記圧電性基板に切削加工によって切削溝を形成する切削工程と、
前記切削溝の少なくとも上端部に金属電極をめっき形成する電極形成工程とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記圧電性基板にエッチング処理を施した後に、
前記圧電性基板に前記切削溝を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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