JP2748579B2 - 多孔質ガラス及びその製造法 - Google Patents
多孔質ガラス及びその製造法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C1/00—Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
- C03C1/006—Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C11/00—Multi-cellular glass ; Porous or hollow glass or glass particles
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多孔質ガラス及びその製造法に関するもの
である。
である。
細孔が非常によく揃っている多孔質ガラスは、物質の
分離性能が良好である。そのため、ガス分離、逆浸透、
限外ろ過、血液浄化などの化学工業、医療用分離膜材
料、酵素及び触媒の担体、クロマトグラフィー用充てん
剤等として注目されている。しかし、従来の多孔質ガラ
スの骨格はSiO2が主成分なので、水溶液中で使用する場
合、少しずつ溶解して細孔径が拡大する。また、アルカ
リ性の溶液では短時間に溶解するなど耐久性に重大な欠
点があった。
分離性能が良好である。そのため、ガス分離、逆浸透、
限外ろ過、血液浄化などの化学工業、医療用分離膜材
料、酵素及び触媒の担体、クロマトグラフィー用充てん
剤等として注目されている。しかし、従来の多孔質ガラ
スの骨格はSiO2が主成分なので、水溶液中で使用する場
合、少しずつ溶解して細孔径が拡大する。また、アルカ
リ性の溶液では短時間に溶解するなど耐久性に重大な欠
点があった。
そこで、母体となるガラス組成に多量のアルカリ土類
金属酸化物を加えて耐アルカリ性に優れた多孔質ガラス
を製造する、SiO2−ZrO2系多孔質ガラス(特開昭62−20
2839号公報及び昭和61年窯業協会講演予稿集P.493〜49
4)が知られている。
金属酸化物を加えて耐アルカリ性に優れた多孔質ガラス
を製造する、SiO2−ZrO2系多孔質ガラス(特開昭62−20
2839号公報及び昭和61年窯業協会講演予稿集P.493〜49
4)が知られている。
しかしながら、この方法では、使用するジルコニア量
に対してガラス骨格中に入るジルコニアの量が少ないこ
とが知られている。
に対してガラス骨格中に入るジルコニアの量が少ないこ
とが知られている。
また、この方法で得られるSiO2−ZrO2系多孔質ガラス
は、ジルコニアがガラス骨格ではなく、ガラス骨格の細
孔にジルコニアゲルとしてかなりの量存在するため、ジ
ルコニアゲルを強酸によって溶出させる処理を経なけれ
ば、多孔質ガラスは得られない。
は、ジルコニアがガラス骨格ではなく、ガラス骨格の細
孔にジルコニアゲルとしてかなりの量存在するため、ジ
ルコニアゲルを強酸によって溶出させる処理を経なけれ
ば、多孔質ガラスは得られない。
又、SiO2−ZrO2系多孔質ガラスをゾル−ゲル法により
製造する方法が知られている(特開昭61−17443号公
報)。しかしながら、この方法では得られたガラスの細
孔径が最大でも40Åと小さい。
製造する方法が知られている(特開昭61−17443号公
報)。しかしながら、この方法では得られたガラスの細
孔径が最大でも40Åと小さい。
又、シリカゲルに無機塩を含浸し、焼成処理すること
により巨大孔構造を有するケイ酸を製造する方法が知ら
れている。(特開昭47−5817号公報)が、SiO2−ZrO2系
多孔質ガラスについては何ら開示していない。
により巨大孔構造を有するケイ酸を製造する方法が知ら
れている。(特開昭47−5817号公報)が、SiO2−ZrO2系
多孔質ガラスについては何ら開示していない。
又、耐アルカリ性に優れたセメント強化用ガラス繊維
(非多孔質)として、R2O−ZrO2−SiO2系ガラス(R:金
属元素)のセム フィル(Cem Fil)が知られている
(作花済夫編、「ガラスの事典」、朝倉書店)。
(非多孔質)として、R2O−ZrO2−SiO2系ガラス(R:金
属元素)のセム フィル(Cem Fil)が知られている
(作花済夫編、「ガラスの事典」、朝倉書店)。
本発明は、ガラス組成中に充分な量のジルコニアを含
有することにより、耐アルカリ性が良好であり、かつ10
0Å以上の細孔を有する多孔質ガラス及びその製造方法
の提供を目的とするものである。
有することにより、耐アルカリ性が良好であり、かつ10
0Å以上の細孔を有する多孔質ガラス及びその製造方法
の提供を目的とするものである。
本発明によれば、シリカ、ジルコニア及びアルカリ金
属酸化物から本質的になる多孔質ガラスであって、ジル
コニアの含有量が5重量%以上、アルカリ金属酸化物の
含有量が2重量%以上なる組成を有しており、且つ細孔
半径20〜10000Åの細孔の容積(A)が0.2ml/g以上であ
り、この細孔容積に対する細孔半径100〜10000Åの細孔
の容積(B)の比(B/A)が80%以上であるものが提供
される。
属酸化物から本質的になる多孔質ガラスであって、ジル
コニアの含有量が5重量%以上、アルカリ金属酸化物の
含有量が2重量%以上なる組成を有しており、且つ細孔
半径20〜10000Åの細孔の容積(A)が0.2ml/g以上であ
り、この細孔容積に対する細孔半径100〜10000Åの細孔
の容積(B)の比(B/A)が80%以上であるものが提供
される。
本発明についてさらに詳しく説明すれば、本発明に係
る多孔質ガラスは、細孔半径20〜10000Åの範囲に0.2ml
/g以上、通常は0.5ml/g以上の細孔容積を有している。
この細孔容積は製造方法により調節可能であり、用途に
応じて最適の細孔容積のものを提供することができる。
例えば細孔容積1.0ml/g以上のものの提供に容易であ
り、所望ならば2.0ml/g以上の細孔容積を有するものも
提供することができる。
る多孔質ガラスは、細孔半径20〜10000Åの範囲に0.2ml
/g以上、通常は0.5ml/g以上の細孔容積を有している。
この細孔容積は製造方法により調節可能であり、用途に
応じて最適の細孔容積のものを提供することができる。
例えば細孔容積1.0ml/g以上のものの提供に容易であ
り、所望ならば2.0ml/g以上の細孔容積を有するものも
提供することができる。
本発明に係る多孔質ガラスでは、半径100Åより小さ
い細孔の占める容積は少ない。半径20〜10000Åの細孔
の占める容積(A)の半径100〜10000Åの細孔の占める
容積(B)との比(B/A)は80%以上であり、通常は90
%以上である。また容積(A)に対する細孔半径100〜5
000Åの細孔の容積(C)の比(C/A)は通常60%以上で
あり、好ましくは65%以上である。すなわち本発明に係
る多孔質ガラスは、半径が100〜5000Åの細孔の占める
容積が著しく大きい。
い細孔の占める容積は少ない。半径20〜10000Åの細孔
の占める容積(A)の半径100〜10000Åの細孔の占める
容積(B)との比(B/A)は80%以上であり、通常は90
%以上である。また容積(A)に対する細孔半径100〜5
000Åの細孔の容積(C)の比(C/A)は通常60%以上で
あり、好ましくは65%以上である。すなわち本発明に係
る多孔質ガラスは、半径が100〜5000Åの細孔の占める
容積が著しく大きい。
本発明に係る多孔質ガラスの組成は、ジルコニアが5
重量%以上、アルカリ金属酸化物が2重量%以上であ
り、残余は本質的にシリカである。通常、ジルコニアの
含有量は5〜50重量%であり、アルカリ金属酸化物の含
有量は2〜20重量%である。なお、本発明の多孔質ガラ
スは上記のジルコニア、シリカ、アルカリ金属酸化物以
外の成分を全く排除するものではなく、場合によっては
上記以外の成分を10重量%以下の量で含有していてもよ
い。このような成分としては、アルミナ、チタニア、酸
化ホウ素、希土類酸化物等であげられる。本発明に係る
多孔質ガラスの好適な組成は、ジルコニアの含有量が10
〜30重量%、アルカリ金属酸化物の含有量が2〜15重量
%であり、残余は実質的にシリカよりなる。
重量%以上、アルカリ金属酸化物が2重量%以上であ
り、残余は本質的にシリカである。通常、ジルコニアの
含有量は5〜50重量%であり、アルカリ金属酸化物の含
有量は2〜20重量%である。なお、本発明の多孔質ガラ
スは上記のジルコニア、シリカ、アルカリ金属酸化物以
外の成分を全く排除するものではなく、場合によっては
上記以外の成分を10重量%以下の量で含有していてもよ
い。このような成分としては、アルミナ、チタニア、酸
化ホウ素、希土類酸化物等であげられる。本発明に係る
多孔質ガラスの好適な組成は、ジルコニアの含有量が10
〜30重量%、アルカリ金属酸化物の含有量が2〜15重量
%であり、残余は実質的にシリカよりなる。
本発明に係る多孔質ガラスは、製造により種々の形状
のものとすることができるが、後記の実施例からも明ら
かなように典型的にはほぼ球状の微粒子である。粒子の
大きさは通常、直径1〜300μであるが、5〜100μの直
径のものが代表的なものである。
のものとすることができるが、後記の実施例からも明ら
かなように典型的にはほぼ球状の微粒子である。粒子の
大きさは通常、直径1〜300μであるが、5〜100μの直
径のものが代表的なものである。
本発明に係るこのような均一粒径の微粒子状多孔質ガ
ラスは、クロマトグラフィー用充填剤として特に好適で
ある。微粒子状以外の形状の多孔質ガラス、例えば板状
の多孔質ガラスを所望の場合には、微粒子状の多孔質ガ
ラスを細孔に影響を与えないようにして板状に焼結する
か、又は多孔質ガラスの前駆体である多孔性ゲルとして
板状のものを用いればよい。
ラスは、クロマトグラフィー用充填剤として特に好適で
ある。微粒子状以外の形状の多孔質ガラス、例えば板状
の多孔質ガラスを所望の場合には、微粒子状の多孔質ガ
ラスを細孔に影響を与えないようにして板状に焼結する
か、又は多孔質ガラスの前駆体である多孔性ゲルとして
板状のものを用いればよい。
本発明に係る多孔質ガラスは、シリカ及びジルコニア
よりなる多孔性ゲルにアルカリ金属化合物の水溶液を混
合するか、又は多孔性のシリカゲルにアルカリ金属化合
物及びジルコニウム化合物の水溶液を混合し、次いでこ
れを500〜1000℃に加熱してガラス化することにより製
造することができる。多孔性ゲルとしては、焼成したも
のでも焼成前の水和物を単に乾燥したものでもかまわな
い。乾燥工程を経ないゲルを用いることもできるが、ア
ルカリ金属化合物及びジルコニウム化合物の水溶液をゲ
ルの内部に均一に浸透させて均一な混合物を製造する上
からは、少なくとも乾燥工程を得ていることが好まし
い。なお、多孔質ガラス中にシリカ、ジルコニア及びア
ルカリ金属酸化物以外の成分を含有させる場合には、多
孔性ゲル中に予じめ含有させておくのが好ましい。
よりなる多孔性ゲルにアルカリ金属化合物の水溶液を混
合するか、又は多孔性のシリカゲルにアルカリ金属化合
物及びジルコニウム化合物の水溶液を混合し、次いでこ
れを500〜1000℃に加熱してガラス化することにより製
造することができる。多孔性ゲルとしては、焼成したも
のでも焼成前の水和物を単に乾燥したものでもかまわな
い。乾燥工程を経ないゲルを用いることもできるが、ア
ルカリ金属化合物及びジルコニウム化合物の水溶液をゲ
ルの内部に均一に浸透させて均一な混合物を製造する上
からは、少なくとも乾燥工程を得ていることが好まし
い。なお、多孔質ガラス中にシリカ、ジルコニア及びア
ルカリ金属酸化物以外の成分を含有させる場合には、多
孔性ゲル中に予じめ含有させておくのが好ましい。
多孔性ゲルは公知の各種の方法で製造することができ
る。本発明者は無機酸化物多孔体の製造に関し、 (a)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を有機溶媒に溶
解して得られる溶液を水中に滴下して微粒状のゲル化物
を生成させ、次いでこのゲル化物を焼成する球状シリカ
多孔体の製造方法(昭和63年7月11日付特許出願)、 (b)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を含有する溶液
に、または、ケイ素アルコキシドの部分縮合物とジルコ
ニウム、チタニウムまたはアルミニウムの金属化合物と
を含有する溶液に、炭素質微粒子を添加し、得られた混
合物を水と接触させてゲル化物を生成させ、このゲル化
物を高温酸化雰囲気下に焼成する無機多孔体の製造方法
(昭和63年7月11日付特許出願)、 (c)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を含有する非水
溶液に、粒径が0.01〜10μmの微小シリカを添加し、こ
れをゲル化した後溶液から得られたゲル化物を分離する
球状シリカ多孔体及びその製造方法(昭和63年7月11日
付特許出願) 等の特許出願を行なっているが、本発明に使用するシリ
カ及びジルコニアからなる多孔性ゲルの製造方法として
は、上記発明方法、又は、これらの発明を修飾、変形し
た製造法を採用することができる。
る。本発明者は無機酸化物多孔体の製造に関し、 (a)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を有機溶媒に溶
解して得られる溶液を水中に滴下して微粒状のゲル化物
を生成させ、次いでこのゲル化物を焼成する球状シリカ
多孔体の製造方法(昭和63年7月11日付特許出願)、 (b)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を含有する溶液
に、または、ケイ素アルコキシドの部分縮合物とジルコ
ニウム、チタニウムまたはアルミニウムの金属化合物と
を含有する溶液に、炭素質微粒子を添加し、得られた混
合物を水と接触させてゲル化物を生成させ、このゲル化
物を高温酸化雰囲気下に焼成する無機多孔体の製造方法
(昭和63年7月11日付特許出願)、 (c)ケイ素アルコキシドの部分縮合物を含有する非水
溶液に、粒径が0.01〜10μmの微小シリカを添加し、こ
れをゲル化した後溶液から得られたゲル化物を分離する
球状シリカ多孔体及びその製造方法(昭和63年7月11日
付特許出願) 等の特許出願を行なっているが、本発明に使用するシリ
カ及びジルコニアからなる多孔性ゲルの製造方法として
は、上記発明方法、又は、これらの発明を修飾、変形し
た製造法を採用することができる。
例えばシリカ及びジルコニアからなる多孔性ゲルを用
いる場合には、まずアルキルシリケートの部分縮合物に
ジルコニウムアルコキシドを添加し、これを加熱して前
駆体を製造し、この前駆体を溶解した溶液を水に滴下
し、さらにアンモニアを加えて多孔性ゲルとする方法を
用いることができる。シリカ及びジルコニアからなる多
孔性ゲルの他の製造方法としては、オキシ塩化ジルコニ
ウム、塩化ジルコニウムのようなジルコニア源とケイ素
アルコキシド、四塩化ケイ素あるいはケイ酸ナトリウム
等のシリカ源とからシリカ−ジルコニア共沈ゲルを製造
する方法を挙げることができる(Dokl,Akad,Nauk Ukr S
SR,Ser.B,No.8,58−60(1984))。
いる場合には、まずアルキルシリケートの部分縮合物に
ジルコニウムアルコキシドを添加し、これを加熱して前
駆体を製造し、この前駆体を溶解した溶液を水に滴下
し、さらにアンモニアを加えて多孔性ゲルとする方法を
用いることができる。シリカ及びジルコニアからなる多
孔性ゲルの他の製造方法としては、オキシ塩化ジルコニ
ウム、塩化ジルコニウムのようなジルコニア源とケイ素
アルコキシド、四塩化ケイ素あるいはケイ酸ナトリウム
等のシリカ源とからシリカ−ジルコニア共沈ゲルを製造
する方法を挙げることができる(Dokl,Akad,Nauk Ukr S
SR,Ser.B,No.8,58−60(1984))。
又、多孔性シリカゲルを用いる場合には、 アルキルシリケートを原料とするゾル−ゲル法によっ
て得られるシリカゲル ケイ酸ナトリウム水溶液を酸と混合することにより得
られるシリカゲル コロイドシリカをゲル化することにより得られるシリ
カゲル又は 四塩化ケイ素若しくはテトラアルコキシシランを原料
とし気相から析出させたシリカゲル、あるいはこの手法
により得られたヒュームドシリカを水溶液中でゲル化し
て得られるシリカゲル等を用いることができる。
て得られるシリカゲル ケイ酸ナトリウム水溶液を酸と混合することにより得
られるシリカゲル コロイドシリカをゲル化することにより得られるシリ
カゲル又は 四塩化ケイ素若しくはテトラアルコキシシランを原料
とし気相から析出させたシリカゲル、あるいはこの手法
により得られたヒュームドシリカを水溶液中でゲル化し
て得られるシリカゲル等を用いることができる。
本発明に使用する上記シリカ及びジルコニアからなる
多孔性ゲル又は多孔性シリカゲルは、吸着水分を含んだ
状態の乾燥ゲルあるいはこれを焼成した焼成品として用
いるのが好ましい。乾燥ゲルが例えばゾル−ゲル法によ
り製造されたもので、ゲル中にアルコール等の有機溶媒
が含まれている場合あるいはアルコキシド由来のアルコ
キシド基が含有されている場合も、そのまま使用するこ
とが可能である。
多孔性ゲル又は多孔性シリカゲルは、吸着水分を含んだ
状態の乾燥ゲルあるいはこれを焼成した焼成品として用
いるのが好ましい。乾燥ゲルが例えばゾル−ゲル法によ
り製造されたもので、ゲル中にアルコール等の有機溶媒
が含まれている場合あるいはアルコキシド由来のアルコ
キシド基が含有されている場合も、そのまま使用するこ
とが可能である。
ゲルの形態としては、最終的に得られる多孔質ガラス
の形状に合せて板状、微小球状等、どのような形態も使
用可能である。
の形状に合せて板状、微小球状等、どのような形態も使
用可能である。
多孔性ゲルの細孔容積は0.5cc/g以上が好ましい。細
孔容器が0.5cc/gより小さい場合には、最終的に生成す
る多孔性ガラスの細孔容積が極端に小さくなることがあ
る。多孔性ゲルの細孔容積とは、多孔性ゲルを100℃で
乾燥したのち、空気中で2℃/minで700℃まで加熱し、
この温度で五時間保持したものについて、半径20〜7500
0Åの細孔の占める容積を指す。
孔容器が0.5cc/gより小さい場合には、最終的に生成す
る多孔性ガラスの細孔容積が極端に小さくなることがあ
る。多孔性ゲルの細孔容積とは、多孔性ゲルを100℃で
乾燥したのち、空気中で2℃/minで700℃まで加熱し、
この温度で五時間保持したものについて、半径20〜7500
0Åの細孔の占める容積を指す。
本発明で用いるシリカ及びジルコニアより成る多孔性
ゲルとしては、ゲルを酸化物として換算した場合、ジル
コニアの含有量が2〜70重量%、好適には5〜50重量%
の組成を有するものが用いられる。
ゲルとしては、ゲルを酸化物として換算した場合、ジル
コニアの含有量が2〜70重量%、好適には5〜50重量%
の組成を有するものが用いられる。
又、最終的に生成する多孔質ガラス中にアルミナや酸
化ホウ素等を含有させたい場合には、シリカ及びジルコ
ニアよりなる多孔性ゲルあるいは多孔性シリカゲルの製
造過程でアルミニウム化合物やホウ素化合物を添加し
て、多孔性ゲル中に酸化ホウ素やアルミナ等を均一に含
有させるのが好ましい。
化ホウ素等を含有させたい場合には、シリカ及びジルコ
ニアよりなる多孔性ゲルあるいは多孔性シリカゲルの製
造過程でアルミニウム化合物やホウ素化合物を添加し
て、多孔性ゲル中に酸化ホウ素やアルミナ等を均一に含
有させるのが好ましい。
本発明ではこれらの多孔性ゲルにアルカリ金属化合物
又はアルカリ金属化合物とジルコニウム化合物を添加
し、得られた混合物を加熱処理する。
又はアルカリ金属化合物とジルコニウム化合物を添加
し、得られた混合物を加熱処理する。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の無機
塩、水酸化物あるいは有機物を用いることができる。ア
ルカリ金属の無機塩としては、LiCl、NaCl、KCl等のハ
ロゲン化合物、Na2CO3、K2CO3等の炭酸塩、硝酸塩、あ
るいは硫酸塩等を用いることができる。また、アルカリ
金属の有機物としては、酢酸塩などのカルボン酸塩、あ
るいはアルコキシド等を用いることができる。
塩、水酸化物あるいは有機物を用いることができる。ア
ルカリ金属の無機塩としては、LiCl、NaCl、KCl等のハ
ロゲン化合物、Na2CO3、K2CO3等の炭酸塩、硝酸塩、あ
るいは硫酸塩等を用いることができる。また、アルカリ
金属の有機物としては、酢酸塩などのカルボン酸塩、あ
るいはアルコキシド等を用いることができる。
アルカリ金属化合物の使用量は、乾燥ゲル1gに対し
て、0.01〜10g、好適には0.05g〜5gである。これより使
用量が多くても以下の反応の進行は同じであり、またこ
の範囲より少ないああ場合には、効果が十分でなかった
り、ゲルの一部分のみしか多孔質ガラス化しない。
て、0.01〜10g、好適には0.05g〜5gである。これより使
用量が多くても以下の反応の進行は同じであり、またこ
の範囲より少ないああ場合には、効果が十分でなかった
り、ゲルの一部分のみしか多孔質ガラス化しない。
次に多孔性シリカゲルと反応させるジルコニウム化合
物としては、ジルコニウムの無機塩、水酸化物あるいは
有機物を用いることができる。ジルコニウムの無機塩と
しては、例えばZrOCl2、ZrO(NO3)2、(NH4)ZrO(CO3)2等
のオキシ塩、ZrCl4、ZrBr4のハロゲン化合物、硫酸ジル
コニウム、M4Zr(C2O4)4(M:アルカリ金属又はアンモニ
ウムイオン)あるいは酸化ジルコニウムゾル等のジルコ
ニアを挙げることができる。ジルコニウムの有機化合物
としては、ジルコニウムアルコキシド、アキシ酢酸ジル
コニウム等が用いられる。
物としては、ジルコニウムの無機塩、水酸化物あるいは
有機物を用いることができる。ジルコニウムの無機塩と
しては、例えばZrOCl2、ZrO(NO3)2、(NH4)ZrO(CO3)2等
のオキシ塩、ZrCl4、ZrBr4のハロゲン化合物、硫酸ジル
コニウム、M4Zr(C2O4)4(M:アルカリ金属又はアンモニ
ウムイオン)あるいは酸化ジルコニウムゾル等のジルコ
ニアを挙げることができる。ジルコニウムの有機化合物
としては、ジルコニウムアルコキシド、アキシ酢酸ジル
コニウム等が用いられる。
ジルコニウム化合物の使用量は、上記のシリカ及びジ
ルコニアよりなる多孔性ゲル中に含有されるジルコニア
の量と同等となる様にすればよい。
ルコニアよりなる多孔性ゲル中に含有されるジルコニア
の量と同等となる様にすればよい。
多孔性ゲルとアルカリ金属化合物およびジルコニウム
化合物との混合は、アルカリ金属化合物やジルコニウム
化合物を多孔性ゲル中に均一に分散させるため、これら
の化合物を水溶液としてゲルに含浸させる方法によるの
が好ましい。なお、アルカリ金属化合物とジルコニウム
化合物との双方を含浸させる場合には、両者の混合水溶
液を用いて含浸させてもよく、または順次に含浸させて
もよい。例えばまずジルコニウム化合物を含浸させて乾
燥し、次いでアルカリ金属化合物を含浸させる方法によ
ることができる。
化合物との混合は、アルカリ金属化合物やジルコニウム
化合物を多孔性ゲル中に均一に分散させるため、これら
の化合物を水溶液としてゲルに含浸させる方法によるの
が好ましい。なお、アルカリ金属化合物とジルコニウム
化合物との双方を含浸させる場合には、両者の混合水溶
液を用いて含浸させてもよく、または順次に含浸させて
もよい。例えばまずジルコニウム化合物を含浸させて乾
燥し、次いでアルカリ金属化合物を含浸させる方法によ
ることができる。
上述のようにして得られた原料ゲルとアルカリ金属化
合物もしくはジルコニウム化合物とアルカリ金属化合物
との混合物は、要すれば乾燥後、加熱処理される。
合物もしくはジルコニウム化合物とアルカリ金属化合物
との混合物は、要すれば乾燥後、加熱処理される。
加熱温度や時間は、原料ゲルとアルカリ金属化合物や
ジルコニウム化合物との量比や、アルカリ金属化合物や
ジルコニウム化合物の種類、あるいは所望とする生成物
等により変わるが、一般的には500℃以上1000℃以下の
加熱温度、1時間から24時間の加熱時間で実施される。
加熱温度が低い場合又は加熱時間が短い場合は、ガラス
微粒子の成長が不充分であり、逆に加熱温度が高すぎる
場合又は加熱時間が長い場合は、多孔性のほとんどない
ガラスとなってしまう。
ジルコニウム化合物との量比や、アルカリ金属化合物や
ジルコニウム化合物の種類、あるいは所望とする生成物
等により変わるが、一般的には500℃以上1000℃以下の
加熱温度、1時間から24時間の加熱時間で実施される。
加熱温度が低い場合又は加熱時間が短い場合は、ガラス
微粒子の成長が不充分であり、逆に加熱温度が高すぎる
場合又は加熱時間が長い場合は、多孔性のほとんどない
ガラスとなってしまう。
加熱雰囲気としては、空気存在下あるいは不活性ガス
雰囲気のいずれにおいても実施できる。
雰囲気のいずれにおいても実施できる。
この加熱処理の工程において、アルカリ金属化合物は
シリカ及びジルコニアより成るゲルと又、ジルコニウム
化合物とアルカリ金属化合物は多孔性シリカゲルと夫
々、反応して、シリカ、ジルコニア及びアルカリ金属化
合物から構成されるガラス微粒子が生成する。
シリカ及びジルコニアより成るゲルと又、ジルコニウム
化合物とアルカリ金属化合物は多孔性シリカゲルと夫
々、反応して、シリカ、ジルコニア及びアルカリ金属化
合物から構成されるガラス微粒子が生成する。
加熱処理後は、水洗して過剰に用いたアルカリ金属化
合物や反応により生成した水溶性化合物を除去する。水
洗は所望ならば酸やアルカリを含む水で行なってもよ
い。そして通常の方法により、100℃付近にて乾燥す
る。また、吸着水を生成物の多孔質ガラスより除去する
ことが必要な場合には、200℃以上で加熱あるいは、800
℃以下で焼成する。
合物や反応により生成した水溶性化合物を除去する。水
洗は所望ならば酸やアルカリを含む水で行なってもよ
い。そして通常の方法により、100℃付近にて乾燥す
る。また、吸着水を生成物の多孔質ガラスより除去する
ことが必要な場合には、200℃以上で加熱あるいは、800
℃以下で焼成する。
本発明の多孔質ガラスの形態を、走査型電子顕微鏡に
て観察すると、ガラス様微粒子がほぼ均一な径を有し、
かつそれらが互いに溶融したような感じでつながってい
ることが確認される。この形状は、従来の分相法で得ら
れる多孔質ガラスに類似しているが、従来の分相法で得
られる多孔質ガラスにおいてみられる、ガラス骨格間に
介在するゲルは認められない。
て観察すると、ガラス様微粒子がほぼ均一な径を有し、
かつそれらが互いに溶融したような感じでつながってい
ることが確認される。この形状は、従来の分相法で得ら
れる多孔質ガラスに類似しているが、従来の分相法で得
られる多孔質ガラスにおいてみられる、ガラス骨格間に
介在するゲルは認められない。
また、本発明の多孔質ガラスは本質的に無定形であ
る。すなわち本発明の多孔質ガラスを粉末X線測定法に
より測定しても、結晶の存在を示すようなピークは観察
されない(多孔性シリカゲルにジルコニウム化合物およ
びアルカリ金属化合物を含浸させて焼成した場合には、
焼成温度が低いとジルコニアのピークが観察されること
がある。しかしそのピークはブロードであり、かつピー
ク強度も弱い)。
る。すなわち本発明の多孔質ガラスを粉末X線測定法に
より測定しても、結晶の存在を示すようなピークは観察
されない(多孔性シリカゲルにジルコニウム化合物およ
びアルカリ金属化合物を含浸させて焼成した場合には、
焼成温度が低いとジルコニアのピークが観察されること
がある。しかしそのピークはブロードであり、かつピー
ク強度も弱い)。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例において、細孔分布及び量は水銀圧入法ポロシ
メーター(マイクロメトリックス製オートポア9200)で
測定した。細孔の測定範囲は半径20Å以上である。比表
面積は窒素吸着法によりBET法で算出した。測定に用い
た機種はカルロエルバ社製ソープトマチック1800であ
る。
メーター(マイクロメトリックス製オートポア9200)で
測定した。細孔の測定範囲は半径20Å以上である。比表
面積は窒素吸着法によりBET法で算出した。測定に用い
た機種はカルロエルバ社製ソープトマチック1800であ
る。
実施例1 〔原料ゲルの製造〕 テトラエチルオルトシリケート(東京化成製)250g
に、エタノール68.2g、水6.5g及び0.1N−HClエタノール
溶液9.35gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱し、
エトラエチルオルトシリケートの部分縮合物を調製した
(H2O/Si(OEt)4モル比0.3)。これに、ジルコニウムn
−ブトキシド31.9g、亜リン酸トリ−n−ブチルエステ
ル31.8gを加えて均一な溶液とした。オイルバスの温度1
20℃で役1時間加熱後、オイルバスを150℃にして更に
揮発性液体を留出させ、前駆体溶液276gを得た。
に、エタノール68.2g、水6.5g及び0.1N−HClエタノール
溶液9.35gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱し、
エトラエチルオルトシリケートの部分縮合物を調製した
(H2O/Si(OEt)4モル比0.3)。これに、ジルコニウムn
−ブトキシド31.9g、亜リン酸トリ−n−ブチルエステ
ル31.8gを加えて均一な溶液とした。オイルバスの温度1
20℃で役1時間加熱後、オイルバスを150℃にして更に
揮発性液体を留出させ、前駆体溶液276gを得た。
この前駆体溶液45mlにt−アミルアルコール22.5ml及
びシクロヘキサン7.5mlを加え均一な溶液とした。この
溶液を水433.9g、エタノール13.5g及びTween20(ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート)3.4gからなる
水溶液に滴下して液滴を形成させた後、撹拌を続けなが
ら28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアンモニ
ア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時間撹
拌を続けた後、一夜放置して生成物を沈澱させた。傾斜
により上澄液を除去後エタノールを加えて30分間撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、100℃の乾燥機中で5時間乾燥した。こ
の乾燥ゲルは、約10μm〜100μmの粒径を有する微小
球状体であった。このゲルを700℃で5時間焼成したも
のは、83重量%SiO2−17重量%ZrO2の組成でリンを殆ん
ど含有せず、5.71cc/gの全細孔容積を有し、半径約100
〜20000Åの範囲にブロードな細孔分布を示した。ま
た、半径20〜10000Åの細孔の容積は3.88ml/gであった
(乾燥ゲルは粒子の強度が小さい為、水銀圧入法による
乾燥ゲルそのものの測定が困難である。乾燥ゲルの嵩密
度は、焼成品よりも小さいので、焼成品よりも明らかに
多孔性と高いと推定される)。
びシクロヘキサン7.5mlを加え均一な溶液とした。この
溶液を水433.9g、エタノール13.5g及びTween20(ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート)3.4gからなる
水溶液に滴下して液滴を形成させた後、撹拌を続けなが
ら28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアンモニ
ア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時間撹
拌を続けた後、一夜放置して生成物を沈澱させた。傾斜
により上澄液を除去後エタノールを加えて30分間撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、100℃の乾燥機中で5時間乾燥した。こ
の乾燥ゲルは、約10μm〜100μmの粒径を有する微小
球状体であった。このゲルを700℃で5時間焼成したも
のは、83重量%SiO2−17重量%ZrO2の組成でリンを殆ん
ど含有せず、5.71cc/gの全細孔容積を有し、半径約100
〜20000Åの範囲にブロードな細孔分布を示した。ま
た、半径20〜10000Åの細孔の容積は3.88ml/gであった
(乾燥ゲルは粒子の強度が小さい為、水銀圧入法による
乾燥ゲルそのものの測定が困難である。乾燥ゲルの嵩密
度は、焼成品よりも小さいので、焼成品よりも明らかに
多孔性と高いと推定される)。
上記により製造した乾燥ゲル2.0gに塩化ナトリウムの
15重量%水溶液6.13gを加え、水溶液をゲルに吸着させ
た。これを110℃で5時間乾燥後、730℃まで2℃/分で
昇温し、この温度で5時間空気中で焼成した。常温にま
で放冷したのち、このサンプルを250mlの水の中に入れ
て3時間撹拌した。傾斜により上澄液を除去し、再び25
0mlの水を加え、90℃で3時間加熱後放置した。傾斜に
より上澄液を除き、1の水を加えてかきまぜた後、
過して生成物を回収し、110℃で5時間乾燥した(収量
1.13g)。得られた生成物の組成はSiO277.3重量%、ZrO
216.4重量%、Na2O6.3重量%と推定された。物性値を第
1表に、細孔分布曲線を第1図に示した。この生成物の
融点(Tm)は、970℃であった。
15重量%水溶液6.13gを加え、水溶液をゲルに吸着させ
た。これを110℃で5時間乾燥後、730℃まで2℃/分で
昇温し、この温度で5時間空気中で焼成した。常温にま
で放冷したのち、このサンプルを250mlの水の中に入れ
て3時間撹拌した。傾斜により上澄液を除去し、再び25
0mlの水を加え、90℃で3時間加熱後放置した。傾斜に
より上澄液を除き、1の水を加えてかきまぜた後、
過して生成物を回収し、110℃で5時間乾燥した(収量
1.13g)。得られた生成物の組成はSiO277.3重量%、ZrO
216.4重量%、Na2O6.3重量%と推定された。物性値を第
1表に、細孔分布曲線を第1図に示した。この生成物の
融点(Tm)は、970℃であった。
実施例2 塩化ナトリウムを吸着させたゲルの焼成温度を760℃
とした以外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造
した。この生成物の組成はSiO276.7重量%、ZrO216.3重
量%、Na2O7.0重量%と推定された。物性値を第1表
に、電子顕微鏡写真を第5図に示した。
とした以外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造
した。この生成物の組成はSiO276.7重量%、ZrO216.3重
量%、Na2O7.0重量%と推定された。物性値を第1表
に、電子顕微鏡写真を第5図に示した。
実施例3 塩化ナトリウムを吸着させたゲルの焼成温度を800℃
とした以外は、実施例1と同様にして多孔質ガラスを製
造した。生成物の物性値を第1表に、電子顕微鏡写真を
第6図に示した。この生成物の組成は、化学分析の結
果、SiO275.3重量%、ZrO216.0重量%、Na2O7.9重量
%。Cl0.1重量%であった。生成物の融点は924℃であっ
た。この生成物を粉末X線法により測定した所、結晶の
存在を示すピークは認められなかった。
とした以外は、実施例1と同様にして多孔質ガラスを製
造した。生成物の物性値を第1表に、電子顕微鏡写真を
第6図に示した。この生成物の組成は、化学分析の結
果、SiO275.3重量%、ZrO216.0重量%、Na2O7.9重量
%。Cl0.1重量%であった。生成物の融点は924℃であっ
た。この生成物を粉末X線法により測定した所、結晶の
存在を示すピークは認められなかった。
実施例4 乾燥ゲル1.0gに対して塩化ナトリウムの15重量%水溶
液1.93gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以外
は、実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物の物性値を第1表に、細孔分布曲線を第2図に示し
た。化学分析の結果、生成物はSiO275.9重量%、ZrO21
6.3重量%、Na2O8.8重量%。Cl0.1重量%の組成であっ
た。生成物の融点は、903℃であった。
液1.93gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以外
は、実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物の物性値を第1表に、細孔分布曲線を第2図に示し
た。化学分析の結果、生成物はSiO275.9重量%、ZrO21
6.3重量%、Na2O8.8重量%。Cl0.1重量%の組成であっ
た。生成物の融点は、903℃であった。
実施例5 実施例1記載の乾燥ゲルを700℃で5時間焼成した
後、焼成ゲル1gに対して15重量%塩化ナトリウム水溶液
1.93gを吸着させた。これを110℃で5時間乾燥したのち
800℃まで2℃/分で昇温し、この温度で5時間焼成し
た。以後は実施例1と同様にして多孔質ガラスの製造を
行った。生成物の組成は、SiO272.5重量%、ZrO215.0重
量%、Na2O8.9重量%であった。
後、焼成ゲル1gに対して15重量%塩化ナトリウム水溶液
1.93gを吸着させた。これを110℃で5時間乾燥したのち
800℃まで2℃/分で昇温し、この温度で5時間焼成し
た。以後は実施例1と同様にして多孔質ガラスの製造を
行った。生成物の組成は、SiO272.5重量%、ZrO215.0重
量%、Na2O8.9重量%であった。
実施例6 乾燥ゲル1.0gに対して塩化カリウムの15重量%水溶液
3.2gを吸着させ、且つゲルの焼成温度を800℃としたこ
と以外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造し
た。生成物の組成は、SiO271.4重量%、ZrO215.3重量
%、K2O13.4重量%と推定された。電子顕微鏡写真によ
れば、略均一なガラス粒子が結がっていることが観察さ
れた。
3.2gを吸着させ、且つゲルの焼成温度を800℃としたこ
と以外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造し
た。生成物の組成は、SiO271.4重量%、ZrO215.3重量
%、K2O13.4重量%と推定された。電子顕微鏡写真によ
れば、略均一なガラス粒子が結がっていることが観察さ
れた。
実施例7 テトラエチルシリケート(東京化成製)250gに、エタ
ノール68.15g、水6.5g及び0.1N−HClエタノール溶液9.3
5gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱し、エトラエ
チルオルトシリケートの部分縮合物を調製した(H2O/S
i(OEt)4モル比0.3)。これに、ジルコニウムn−ブトキ
シド36.5gを加えて均一な溶液とした後、120℃で約1時
間加熱後、150℃にして揮発性液体を留出させ、前駆体
溶液242.6gを得た。
ノール68.15g、水6.5g及び0.1N−HClエタノール溶液9.3
5gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱し、エトラエ
チルオルトシリケートの部分縮合物を調製した(H2O/S
i(OEt)4モル比0.3)。これに、ジルコニウムn−ブトキ
シド36.5gを加えて均一な溶液とした後、120℃で約1時
間加熱後、150℃にして揮発性液体を留出させ、前駆体
溶液242.6gを得た。
この前駆体45mlにt−アミルアルコール22.5ml及びシ
クロヘキサン7.5mlを加え均一な溶液とした。この溶液
を水433.9g、エタノール13.5g及びTween20 3.4gからな
る水溶液に滴下して液滴を形成された後、撹拌を続けな
がら28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアンモ
ニア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時間
撹拌を続けた後、一夜放置して生成物を沈殿させた。傾
斜により上澄液を除去後エタノールを加えて30分撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、110℃の乾燥機中で3時間乾燥した。
クロヘキサン7.5mlを加え均一な溶液とした。この溶液
を水433.9g、エタノール13.5g及びTween20 3.4gからな
る水溶液に滴下して液滴を形成された後、撹拌を続けな
がら28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアンモ
ニア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時間
撹拌を続けた後、一夜放置して生成物を沈殿させた。傾
斜により上澄液を除去後エタノールを加えて30分撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、110℃の乾燥機中で3時間乾燥した。
この乾燥ゲル1.0gに対して塩化ナトリウムの15重量%
水溶液1.93gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以
外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物はSiO271.3重量%、ZrO220.1重量%、Na2O8.6重量
%の組成より成るものと推定された。
水溶液1.93gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以
外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物はSiO271.3重量%、ZrO220.1重量%、Na2O8.6重量
%の組成より成るものと推定された。
実施例8 テトラエチルシリケート(東京化成製)250gに、エタ
ノール68.2g、水5.4g及び0.1N−塩酸のエタノール溶液1
2.0gよりなる溶液を加え60℃で30分間加熱し、エトラエ
チルオルトシリケートの部分縮合物を調製した(H2O/S
i(OEt)4モル比0.25)。これに、ジルコニウムn−ブト
キシド47.0g、エタノール10g及びイソプロパノール10g
を加え、120℃で約1時間加熱保持後150℃で加熱し揮発
性液体を留出した(収量257.5g)。この前駆体37.5ml
に、t−アミルアルコール28.2ml及びシクロヘキサン9.
4mlを加えた溶液にカーボンブラック(粒子径700Å、DB
P吸収量125ml/100g、比表面積20m2/g)5.0gを添加し、
混合した。これを水531g、エタノール60g及びTween20
9.0gからなる水溶液中に入れて液滴を形成した後、28%
アンモニア水45mlと水105mlから調製した水溶液を少し
ずつ加えてゲル化させた。一夜静置した後沈殿した微小
球を傾斜により分離、エタノールを加えて撹拌し再び静
置した。上澄液を傾斜により分離した後、エバポレータ
ーにより乾燥した。このサンプルを250℃でさらに乾燥
後、600℃まで1℃/分で昇温、この温度で3時間焼成
した。
ノール68.2g、水5.4g及び0.1N−塩酸のエタノール溶液1
2.0gよりなる溶液を加え60℃で30分間加熱し、エトラエ
チルオルトシリケートの部分縮合物を調製した(H2O/S
i(OEt)4モル比0.25)。これに、ジルコニウムn−ブト
キシド47.0g、エタノール10g及びイソプロパノール10g
を加え、120℃で約1時間加熱保持後150℃で加熱し揮発
性液体を留出した(収量257.5g)。この前駆体37.5ml
に、t−アミルアルコール28.2ml及びシクロヘキサン9.
4mlを加えた溶液にカーボンブラック(粒子径700Å、DB
P吸収量125ml/100g、比表面積20m2/g)5.0gを添加し、
混合した。これを水531g、エタノール60g及びTween20
9.0gからなる水溶液中に入れて液滴を形成した後、28%
アンモニア水45mlと水105mlから調製した水溶液を少し
ずつ加えてゲル化させた。一夜静置した後沈殿した微小
球を傾斜により分離、エタノールを加えて撹拌し再び静
置した。上澄液を傾斜により分離した後、エバポレータ
ーにより乾燥した。このサンプルを250℃でさらに乾燥
後、600℃まで1℃/分で昇温、この温度で3時間焼成
した。
上記乾燥ゲル1.0gに対して塩化ナトリウムの5重量%
水溶液5.80gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以
外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物はSiO270.7重量%、ZrO222.3重量%、Na2O7.0重量
%の組成よりなるものと推定された。
水溶液5.80gを吸着させ、且つ焼成温度を800℃とした以
外は実施例1と同様にして多孔質ガラスを製造した。生
成物はSiO270.7重量%、ZrO222.3重量%、Na2O7.0重量
%の組成よりなるものと推定された。
実施例1〜8で得られた生成物の細孔容積、細孔分
布、細孔分布のピーク位置および表面積等の物性値を第
1表に示す。
布、細孔分布のピーク位置および表面積等の物性値を第
1表に示す。
比較例1 テトラエチルオルトシリケート(東京化成製)500g
に、エタノール136.3g、水43.24g及び0.1N−HClエタノ
ール溶液18.7gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱
し、テトラエチルオルトシリケートの部分縮合物を調製
した(H2O/Si(OEt)4モル比1.0、HCl/Si(OEt)4モル比0.
001)。次に、アルゴン流通雰囲気下、オイルバスの温
度120℃で2時間加熱し、次いでオイルバスを150℃にし
て更に加熱して揮発性液体を留出させ部分縮合物を含む
溶液337.5gを得た。
に、エタノール136.3g、水43.24g及び0.1N−HClエタノ
ール溶液18.7gから成る溶液を加えて60℃で30分間加熱
し、テトラエチルオルトシリケートの部分縮合物を調製
した(H2O/Si(OEt)4モル比1.0、HCl/Si(OEt)4モル比0.
001)。次に、アルゴン流通雰囲気下、オイルバスの温
度120℃で2時間加熱し、次いでオイルバスを150℃にし
て更に加熱して揮発性液体を留出させ部分縮合物を含む
溶液337.5gを得た。
得られたケイ素アルコキシドの部分縮合物を含む溶液
45mlに、t−アミルアルコール22.5ml及びシクロヘキサ
ン7.5mlを加え、均一な溶液とした。これを水433.9g、
エタノール13.5g及びTween20 3.4gからなる水溶液中に
滴下して液滴を形成させた後、約400rpmで撹拌を続けな
がら、28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアン
モニア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時
間撹拌を続けた後一夜静置して生成物を沈殿させた。傾
斜により上澄液を除去後エタノールを加えて30分間撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、100℃の乾燥機中で8時間乾燥した。こ
の乾燥品を2℃/minで600℃まで昇温し、この温度で3
時間保持し空気流通下焼成した。生成物は、ほぼ100%S
iO2よりなる組成であった。
45mlに、t−アミルアルコール22.5ml及びシクロヘキサ
ン7.5mlを加え、均一な溶液とした。これを水433.9g、
エタノール13.5g及びTween20 3.4gからなる水溶液中に
滴下して液滴を形成させた後、約400rpmで撹拌を続けな
がら、28%アンモニア水36ml及び水22.5mlからなるアン
モニア溶液を少しずつ加えてゲル化させた。さらに5時
間撹拌を続けた後一夜静置して生成物を沈殿させた。傾
斜により上澄液を除去後エタノールを加えて30分間撹拌
し、再び傾斜を行い洗浄した。さらに過によって溶液
と分離した後、100℃の乾燥機中で8時間乾燥した。こ
の乾燥品を2℃/minで600℃まで昇温し、この温度で3
時間保持し空気流通下焼成した。生成物は、ほぼ100%S
iO2よりなる組成であった。
比較例2 テトラエチルオルトシリケート54.3gに、エタノール1
4.8g、水4.7g及び0.1N−HClのエタノール溶液2.02gから
なる溶液を加え、60℃、30分間加熱して、テトラエチル
オルトシリケートの部分縮合物を調製した。これに、ジ
ルコニウムn−ブトキシド99.0g、エタノール10g及びイ
ソプロパノール10gを加えて均一な溶液とした後、オイ
ルバスの温度120℃で1時間加熱後、バス温度を150℃と
して更に揮発性液体を留出させ、前駆体溶液を得た。こ
の前駆体溶液37.5mlにシクロヘキサン9.4mlを加え、30
分間撹拌した。
4.8g、水4.7g及び0.1N−HClのエタノール溶液2.02gから
なる溶液を加え、60℃、30分間加熱して、テトラエチル
オルトシリケートの部分縮合物を調製した。これに、ジ
ルコニウムn−ブトキシド99.0g、エタノール10g及びイ
ソプロパノール10gを加えて均一な溶液とした後、オイ
ルバスの温度120℃で1時間加熱後、バス温度を150℃と
して更に揮発性液体を留出させ、前駆体溶液を得た。こ
の前駆体溶液37.5mlにシクロヘキサン9.4mlを加え、30
分間撹拌した。
この混合物を、水531g、エタノール60g及びTween20
9.0gからなる水溶液に滴下して液滴を形成させた後、撹
拌を続けながら、28%アンモニア水45mlと水105mlのア
ンモニア水溶液を少しずつ加えてゲル化させた。一夜静
置した後、上澄液を傾斜により除去した。得られた沈殿
(微小球)にエタノールを加えて撹拌し再び静置した。
上澄液を傾斜により除去した後、エバポレーターにより
乾燥した。このサンプルを250℃でさらに乾燥後600℃ま
で1℃/分で昇温し、この温度で3時間焼成した。この
焼成品は、化学分析より28.6重量%SiO2、70.4重量%Zr
O2の組成であった。
9.0gからなる水溶液に滴下して液滴を形成させた後、撹
拌を続けながら、28%アンモニア水45mlと水105mlのア
ンモニア水溶液を少しずつ加えてゲル化させた。一夜静
置した後、上澄液を傾斜により除去した。得られた沈殿
(微小球)にエタノールを加えて撹拌し再び静置した。
上澄液を傾斜により除去した後、エバポレーターにより
乾燥した。このサンプルを250℃でさらに乾燥後600℃ま
で1℃/分で昇温し、この温度で3時間焼成した。この
焼成品は、化学分析より28.6重量%SiO2、70.4重量%Zr
O2の組成であった。
比較例3 機能材料1987年11月号P.27に記載のシラス多孔質ガラ
ス、基礎ガラスの組成を参考にして、分相法による多孔
質ガラスを製造した。
ス、基礎ガラスの組成を参考にして、分相法による多孔
質ガラスを製造した。
すなわち、SiO216.59g、Al2O33.16g、B2O35.42g、CaC
O310.19g、Na2CO32.83g、K2CO31.08g及びMgO0.063gを混
合後、白金ルツボ中に入れ、1440℃で溶融し母ガラスを
合成した。これを粉砕後、760℃で22時間加熱処理し
た。篩分して10〜35メッシュの粒度のものを取得した。
このもの2.0gを約2%HF中で表面をエッチング処理した
後、1N−NCl600ml中に入れて80℃に加熱した後、傾斜
し、1の水で3回洗浄した。次いで0.5N−NaOH中で10
分間放置した後、傾斜し、1の水で3回洗浄し乾燥し
た。このサンプルの全細孔容積は0.19ml/gで、8835Åに
細孔分布のピークが存在した。
O310.19g、Na2CO32.83g、K2CO31.08g及びMgO0.063gを混
合後、白金ルツボ中に入れ、1440℃で溶融し母ガラスを
合成した。これを粉砕後、760℃で22時間加熱処理し
た。篩分して10〜35メッシュの粒度のものを取得した。
このもの2.0gを約2%HF中で表面をエッチング処理した
後、1N−NCl600ml中に入れて80℃に加熱した後、傾斜
し、1の水で3回洗浄した。次いで0.5N−NaOH中で10
分間放置した後、傾斜し、1の水で3回洗浄し乾燥し
た。このサンプルの全細孔容積は0.19ml/gで、8835Åに
細孔分布のピークが存在した。
実施例9 実施例1〜4及び比較例1〜3の各サンプルについて
溶出シリカ量を定量することにより、耐アルカリ性を比
較した(第2表)。すなわち、サンプル約100mgを精秤
し、これを0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、室温
で24時間放置した。この上澄液をサンプリングし、溶出
シリカを定量した。使用したサンプルに対する溶出シリ
カの割合及びこれを表面積で割った、表面積当りの溶出
率を第2表に示した。第2表から本発明に係るサンプル
では、SiO2溶出率が非常に少なく耐アルカリ性が良好で
あることが明確である。ZrO2含有量が非常に多い比較例
2の結果と比較しても、SiO2溶出率が小さいのみなら
ず、表面積あたりの溶出率も小さいことがわかる。
溶出シリカ量を定量することにより、耐アルカリ性を比
較した(第2表)。すなわち、サンプル約100mgを精秤
し、これを0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、室温
で24時間放置した。この上澄液をサンプリングし、溶出
シリカを定量した。使用したサンプルに対する溶出シリ
カの割合及びこれを表面積で割った、表面積当りの溶出
率を第2表に示した。第2表から本発明に係るサンプル
では、SiO2溶出率が非常に少なく耐アルカリ性が良好で
あることが明確である。ZrO2含有量が非常に多い比較例
2の結果と比較しても、SiO2溶出率が小さいのみなら
ず、表面積あたりの溶出率も小さいことがわかる。
実施例10 比較例1において撹拌速度を400rpmから1000rpmに変
更した以外は比較例1と同様にして乾燥シリカゲルを製
造した。この乾燥ゲル1.0gに塩化ナトリウム5重量%水
溶液5.67gにオキシ塩化ジコニウム8水塩0.40gを添加し
た溶液を吸着させた。これを120℃で5時間乾燥後、730
℃まで2℃/分で昇温し、この温度で5時間空気中で焼
成した。このサンプルを200mlの水の中に入れて撹拌し
つつ2時間放置したのち傾斜により上澄液を除去した。
この操作を数回反復したのち、再び200mlの水を加え、9
0℃で2時間加熱したのち法令した。傾斜により上澄液
を除き、過して生成物を回収し、120℃で5時間乾燥
した(収量0.73g)。生成物の表面積は48m2/g、細孔半
径20〜10000Åの細孔容積は、2.09ml/g、100〜1000Åの
細孔ようせきは、1.45ml/gであった。細孔分布曲線を第
3図に、電子顕微鏡写真を第7図に示した。
更した以外は比較例1と同様にして乾燥シリカゲルを製
造した。この乾燥ゲル1.0gに塩化ナトリウム5重量%水
溶液5.67gにオキシ塩化ジコニウム8水塩0.40gを添加し
た溶液を吸着させた。これを120℃で5時間乾燥後、730
℃まで2℃/分で昇温し、この温度で5時間空気中で焼
成した。このサンプルを200mlの水の中に入れて撹拌し
つつ2時間放置したのち傾斜により上澄液を除去した。
この操作を数回反復したのち、再び200mlの水を加え、9
0℃で2時間加熱したのち法令した。傾斜により上澄液
を除き、過して生成物を回収し、120℃で5時間乾燥
した(収量0.73g)。生成物の表面積は48m2/g、細孔半
径20〜10000Åの細孔容積は、2.09ml/g、100〜1000Åの
細孔ようせきは、1.45ml/gであった。細孔分布曲線を第
3図に、電子顕微鏡写真を第7図に示した。
この生成物はSiO281.7重量%、ZrO213.0重量%、Na2O
3.7重量%り組成を有した。又、細孔分布は(B/A)=9
5.7%、(C/A)=85.4%であった。
3.7重量%り組成を有した。又、細孔分布は(B/A)=9
5.7%、(C/A)=85.4%であった。
実施例11 塩化ナトリウム及びオキシ塩化ジルコニウムを吸着さ
せたゲルの焼成温度を760℃とした以外は実施例10と同
様にして多孔質ガラスを製造した(収量0.69g)。生成
物の表面積は23m2/g、細孔半径20〜10000Åの細孔容積
は1.13ml/g、細孔半径100〜1000Åの細孔溶液は1.01ml/
gであった。細孔分布曲線を第4図に、電子顕微鏡写真
を第8図に示した。
せたゲルの焼成温度を760℃とした以外は実施例10と同
様にして多孔質ガラスを製造した(収量0.69g)。生成
物の表面積は23m2/g、細孔半径20〜10000Åの細孔容積
は1.13ml/g、細孔半径100〜1000Åの細孔溶液は1.01ml/
gであった。細孔分布曲線を第4図に、電子顕微鏡写真
を第8図に示した。
この生成物はSiO282.5重量%、ZrO212.2重量%、Na2O
4.4重量%の組成を有した。このサンプルの粉末x線パ
ターンを測定した所、非晶質のブロードなパターンであ
り、結晶の存在を示すピークは観測されなかった。
4.4重量%の組成を有した。このサンプルの粉末x線パ
ターンを測定した所、非晶質のブロードなパターンであ
り、結晶の存在を示すピークは観測されなかった。
又、細孔分布は(B/A)=96.3%、(C/A)=89.4%で
あった。
あった。
実施例12 実施例10及び11の各サンプルついて第2表と同様にし
て溶出シリカ量を定量することにより、耐アルカリ性を
比較した(第3表)。なお、第3表で原料シリカ(比較
例)とは、比較例1の乾燥ゲルを760℃で5時間焼成し
たものである。
て溶出シリカ量を定量することにより、耐アルカリ性を
比較した(第3表)。なお、第3表で原料シリカ(比較
例)とは、比較例1の乾燥ゲルを760℃で5時間焼成し
たものである。
第3表から本発明に係るサンプルでは、SiO2溶出率が
非常に小さく、耐アルカリ性が良好であることがわか
る。
非常に小さく、耐アルカリ性が良好であることがわか
る。
〔発明の効果〕 本発明に係わる多孔質ガラスは公知の多孔質ガラスよ
りも耐アルカリ性が非常に良好である。さらに、細孔径
100Å以上の大きな細孔を有する。また細孔容積も従来
の多孔質ガラスの場合は約1.0ml/g以下であるのに比べ
て、本発明の多孔質ガラスは約3.0cc/g以上のものも製
造することができる。また、本発明によれば従来の分相
法に比べて極めて容易に多孔質ガラスを製造することが
でき、塩の種類、濃度あるいは加熱処理温度や時間を適
宜選択することにより、分相法と同様に細孔径を制御す
ることが可能である。
りも耐アルカリ性が非常に良好である。さらに、細孔径
100Å以上の大きな細孔を有する。また細孔容積も従来
の多孔質ガラスの場合は約1.0ml/g以下であるのに比べ
て、本発明の多孔質ガラスは約3.0cc/g以上のものも製
造することができる。また、本発明によれば従来の分相
法に比べて極めて容易に多孔質ガラスを製造することが
でき、塩の種類、濃度あるいは加熱処理温度や時間を適
宜選択することにより、分相法と同様に細孔径を制御す
ることが可能である。
本発明に係る多孔質ガラスは、公知の多孔質ガラスの
用途のみならず、水溶液中特にpHが7よりも大きいアル
カリ領域で用いることが可能であり、さらに広い用途に
適用できる。たとえば、生体関連物質の吸着分離機能を
有する担体あるいは膜等種々の用途に用いることができ
る。
用途のみならず、水溶液中特にpHが7よりも大きいアル
カリ領域で用いることが可能であり、さらに広い用途に
適用できる。たとえば、生体関連物質の吸着分離機能を
有する担体あるいは膜等種々の用途に用いることができ
る。
第1図ないし第4図は、実施例の多孔質ガラスの細孔半
径に対する細孔分布及び積分細孔容積を示す図である。
第5図ないし第8図は、実施例の多孔質ガラスの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。第1図ないし第4図に
おいて1は細孔分布曲線、2は積分細孔容積曲線を示
す。
径に対する細孔分布及び積分細孔容積を示す図である。
第5図ないし第8図は、実施例の多孔質ガラスの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。第1図ないし第4図に
おいて1は細孔分布曲線、2は積分細孔容積曲線を示
す。
Claims (7)
- 【請求項1】シリカ、ジルコニア及びアルカリ金属酸化
物から本質的に成る多孔質ガラスであって、ジルコニア
の含有量が5重量%以上、アルカリ金属酸化物の含有量
が2重量%以上なる組成を有しており、且つ細孔半径20
〜10000Åの細孔の容積(A)が0.2ml/g以上であり、こ
の細孔容積に対する細孔半径100〜10000Åの細孔の容積
(B)の比(B/A)が80%以上であることを特徴とする
多孔質ガラス。 - 【請求項2】ジルコニアの含有量が10〜30重量%、アル
カリ金属酸化物の含有量が2〜15重量%であることを特
徴とする請求項(1)記載の多孔質ガラス。 - 【請求項3】細孔半径20〜10000Åの細孔の容積(A)
に対する細孔半径100〜5000Åの細孔の容積(C)の比
(C/A)が60%以上であることを特徴とする請求項
(1)又は(2)記載の多孔質ガラス。 - 【請求項4】外観形状がほぼ球状で、粒径1〜300μの
粒子から実質的になることを特徴とする請求項(1)な
いし(3)のいずれか1項に記載の多孔質ガラス。 - 【請求項5】シリカ及びジルコニア又はそれらの水和物
から本質的になる多孔性ゲルとアルカリ金属化合物とを
混合し、混合物を500〜1000℃に加熱したのち、生成物
から水溶性成分を溶出させて除去することを特徴とする
請求項(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の多孔
質ガラスの製造法。 - 【請求項6】シリカ又はその水和物から本質的になる多
孔性ゲルとジルコニウム化合物およびアルカリ金属化合
物とを混合し、混合物を500〜1000℃に加熱したのち、
生成物から水溶性成分を溶出させて除去することを特徴
とする請求項(1)ないし(4)のいずれか1項に記載
の多孔質ガラスの製造法。 - 【請求項7】多孔性ゲルと他の成分との混合を、他の成
分を水溶液として多孔性ゲルに含浸させることにより行
なうことを特徴とする請求項(5)又は(6)記載の多
孔質ガラスの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1204411A JP2748579B2 (ja) | 1988-08-17 | 1989-08-07 | 多孔質ガラス及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-204460 | 1988-08-17 | ||
JP20446088 | 1988-08-17 | ||
JP1204411A JP2748579B2 (ja) | 1988-08-17 | 1989-08-07 | 多孔質ガラス及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02141439A JPH02141439A (ja) | 1990-05-30 |
JP2748579B2 true JP2748579B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=26514455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1204411A Expired - Fee Related JP2748579B2 (ja) | 1988-08-17 | 1989-08-07 | 多孔質ガラス及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2748579B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8382181B2 (en) | 2010-04-26 | 2013-02-26 | Ferno-Washington, Inc. | Emergency vehicle patient transport systems |
-
1989
- 1989-08-07 JP JP1204411A patent/JP2748579B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02141439A (ja) | 1990-05-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |