JP2005088089A - 三次元ネットワーク構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまでの細孔を同時に有し、均質かつ細孔容積の高い三次元ネットワーク構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入し、ゲル間隙の溶媒を除去することにより、有機高分子ゲルを鋳型又は反応場とした無機-有機構造を有する三次元ネットワーク構造体の前駆体を形成し、当該前駆体中の有機高分子ゲルを除去することを特徴とする、金属又は金属酸化物の三次元ネットワーク構造体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入し、ゲル間隙の溶媒を除去することにより、有機高分子ゲルを鋳型又は反応場とした無機-有機構造を有する三次元ネットワーク構造体の前駆体を形成し、当該前駆体中の有機高分子ゲルを除去することを特徴とする、金属又は金属酸化物の三次元ネットワーク構造体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまでの細孔を同時に有する三次元ネットワーク構造体の製造方法に関する。
吸着、分離などの種々の分野で応用されている無機質多孔体は、IUPACの分類によれば細孔径が2nm以下のマイクロポーラス材料、2〜50nmのメソポーラス材料及び50nm以上のマクロポーラス材料に分類される。この細孔径を任意にかつ精巧に制御できれば、選択的かつ特異的な吸着・触媒材料、ハイセパレーション材料などへの応用が期待される。
マイクロポーラス材料の製造方法としては、チタンテトライソプロポキシド又はテトラメトキシシランに、ミセルを形成する界面活性剤や有機高分子を溶解し、有機成分を細孔の鋳型とした無機-有機構造(ハイブリッド構造)を有する無機質多孔体の前駆体を形成した後、熱処理により無機質多孔体中の有機成分を取り除く方法が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法は、界面活性剤や有機高分子と有機金属とを相溶することにより、有機高分子をゲル化しながら有機金属を導入していくため、完全なゲル体、すなわち有機高分子ゲルの三次元網目状構造が得られる前に無機質多孔体の前駆体が構築されてしまう。その結果、熱処理後の無機質多孔体に不均一にナノメートルスケールの細孔が生じ、三次元網目状構造が形成されないうえに、数百nm〜マイクロメートルスケールの細孔を形成することは困難である。このような無機質多孔体の細孔容積は0.3cm3/g程度で、吸水効率も低い(例えば、特許文献1参照)。また、有機金属の導入と同時に有機高分子のゲル化反応を行うために、反応には有機溶媒を使用することが必須となる。更に、400℃以上の高温下で有機成分を除去すると、無機質多孔体に応力が発生する原因となり、クラック、剥離等の不具合の原因となる。
そこで、界面活性剤を鋳型として無機質多孔体の前駆体を形成し、比較的低温下で真空紫外光を照射することにより、無機質多孔体中の有機成分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法によっても、ナノメートルスケールの細孔しか形成されず、マイクロメートルスケールの大きな細孔を有する無機質多孔体を製造することは困難である。
従って、本発明は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまでの階層的細孔構造を有する均質かつ細孔容積の高い三次元ネットワーク構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、三次元ネットワーク構造体の製造方法について鋭意研究した結果、予めゲル化した有機高分子ゲルを鋳型として用い、当該有機高分子ゲル内に三次元ネットワーク構造を形成し得る無機材原料を導入し、無機材原料の導入後に必要に応じて安定化処理をすることにより、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまでの細孔を同時に有し、均質かつ細孔容積の高い三次元ネットワーク構造体が製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入し、ゲル間隙の溶媒を除去することにより、有機高分子ゲルを鋳型又は反応場とした無機-有機構造を有する三次元ネットワーク構造体の前駆体を形成し、当該前駆体中の有機高分子ゲルを除去することを特徴とする、金属又は金属酸化物の三次元ネットワーク構造体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入し、ゲル間隙の溶媒を除去することにより、有機高分子ゲルを鋳型又は反応場とした無機-有機構造を有する三次元ネットワーク構造体の前駆体を形成し、当該前駆体中の有機高分子ゲルを除去することを特徴とする、金属又は金属酸化物の三次元ネットワーク構造体の製造方法を提供する。
本発明はまた、金属又は金属酸化物からなる無機骨格そのものに細孔径がナノメートルスケールの細孔を、かつ骨格間に細孔径がサブマイクロメートルスケール〜マイクロメートルスケールの細孔を有する三次元網目状無機質多孔体を提供する。
本発明の製造方法により、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまでの細孔を同時に有する多種多様な外形、組成及び物性を有する三次元ネットワーク構造体を製造できる。このようにして得られる三次元ネットワーク構造体は、高活性触媒、吸着剤、分離材、光機能材料、熱交換体、エネルギー吸収材、耐熱材等に有効利用できる。
本願明細書において、「三次元ネットワーク構造体」とは、金属又は金属酸化物からなる無機骨格そのものに細孔径がナノメートルスケールの細孔を、かつ骨格間に細孔径がサブマイクロメーロルスケール〜マイクロメートルスケールの細孔を有する三次元網目状無機質多孔体をいう。
図1に本発明の三次元ネットワーク構造体の製造方法を模式的に示す。すなわち、本発明の製造方法は、三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入する工程、ゲル間隙の溶媒を除去する工程、及び三次元ネットワーク構造体の前駆体であるハイブリッド構造体中の有機高分子ゲルを除去する工程よりなる。
三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料は、後述する溶媒に溶解し、このものを有機高分子ゲルに含浸することにより、高分子ゲルに導入することができる。
図1の(a)では、ハイブリッド構造体において、三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料は、高分子ゲル間隙に分散状態にあるが、ゲルの除去操作と同時に、ゲル間隙を泳動し、微粒子化し、微粒子が組織化し、終には組織化した状態でネットワーク構造が形成される。一方、図1の(b)では、当該原料は有機高分子ゲル鎖上にコーティングもしくは吸着した状態にあり、ゲルの除去操作と同時に、高分子ゲルの三次元網目状構造が反転した三次元ネットワーク構造が形成される。本発明の製造方法では、高分子ゲルの三次元網目状構造を鋳型又は反応場とするため、得られる三次元ネットワーク構造体は有機高分子ゲルの外形形状とほぼ同一の形状を有する。
三次元網目状有機高分子ゲルとしては、イオン交換樹脂、イオン交換膜、イオン交換セルロース等のイオン交換体;酢酸セルロース膜、芳香族ポリアミド膜、芳香族スルホンのスルホン化膜等の多孔性有機膜;カチオン交換ゲル、アニオン交換ゲル等のイオン性ハイドロゲル;セルロース、セファロース、セファデックス等の多糖類の架橋ゲル;ポリビニルアルコール、芳香族ポリヒドロキシ化合物等をキレート配位子とするキレート樹脂;ウレタン結合含有ポリマー、ポリ尿素、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール等の有機ポリマーの架橋ゲルなどが挙げられる。これらの中で、後述の金属イオンを固定する官能基を有するカチオン性イオン交換樹脂又はカチオン交換ゲルが好ましい。本発明では、三次元網目状構造を有する有機高分子を使用することにより、ゲルの三次元網目状構造を鋳型又は反応場とすることができる。
「三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料」とは、有機高分子ゲルの除去によって当該構造を形成する金属又は金属酸化物の無機材原料を意味する。このような金属としては、Al、Fe、Zn、Sn、Ti、Zr、Ba、Si、Ni、Co、Ce、Ca、Cr、Pt、Pd、Au等が好ましい。金属酸化物としては、BeO、MgO、Al2O3、SiO2、TiO2、Fe2O3、Fe3O4、ZnO、ZrO2、SnO2、PdO、希土類酸化物(例えば、Y2O3、CeO2、Eu2O3、UO2)が好ましく、Al2O3、TiO2、SiO2、Fe2O3、Fe3O4、ZnO、ZrO2、PdO、CeO2がより好ましく、TiO2、Fe2O3、Fe3O4が特に好ましい。三次元ネットワーク構造体は、上記金属と上記金属酸化物との混合物、例えば、Fe、Fe2O3及びFe3O4により形成されていてもよい。
金属又は金属酸化物の原料としては、金属イオン、金属アルコキシド、金属有機錯体、金属の塩化物、金属の硫酸化物、金属の硝酸化物等が挙げられ、金属アルコキシド又は金属の硝酸化物が好ましい。
金属アルコキシドとしては、炭素数1〜6のアルコールとSi、Al、Ti、Zr、Fe等の金属とからなるアルコキシドが好ましく、このようなアルコキシドとしては、具体的には、チタンジクロライドジエトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンクロライドトリイソプロポキシド、チタンテトラn-ブトキシド、チタンテトライソブトキシド等のチタンアルコキシド類;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn-ブトキシド、アルミニウムトリsec-ブトキシド、アルミニウムトリtert-ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリn-ブトキシシラン等のアルコキシドシラン類が挙げられる。これらは、任意に混合して使用してもよい。これらの金属アルコキシドのうち、チタンアルコキシド類又アルコキシドシラン類が好ましく、チタンテトライソプロポキシドがより好ましい。
金属有機錯体としては、Fe、Co、Ni等のエチレンジアミン錯体、エチレンジアミンテトアセタト錯体などが挙げられる。金属の硝酸化物としては、硝酸鉄、例えばFe(NO3)3が好ましい。
本発明の製造方法では、具体的には、有機高分子ゲルとしてイオン交換体又はイオン性ハイドロゲルを選択し、無機材原料として金属のアルコキシド又は金属の硝酸化物を選択し、これらを組み合わせて使用する。金属アルコキシド又は金属の硝酸化物は、イオン交換又は含浸によって有機高分子ゲルに導入される。
また、有機高分子ゲルとしてセルロースゲル又は相分離構造ゲルを選択することもでき、この場合には含浸によって導入される。無機材原料が有機金属錯体や有機化合物である場合には、含浸によって導入される。
金属又は金属酸化物の原料の導入量は、例えば、有機高分子ゲルであるイオン交換体に対して、Q/QIEC(Q:原料の導入量、QIEC:ゲルのカチオン交換容量)が0.1〜1.0程度、好ましくは0.3〜0.9程度である。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリドン等が挙げられ、水が好ましい。溶媒は、有機高分子ゲルに原料を導入後に除去する。除去操作は、例えば、溶媒が揮発する温度に加熱することにより実施できる。
ハイブリッド構造体の形成後、必要に応じて安定化処理を行ってもよい。安定化処理を行うことによって、溶媒除去後の無機材のネットワーク構造の発達を促す。安定化処理は、原料の有機高分子ゲル内での形態に応じて、加熱による脱水和処理、加水分解処理、還元処理等から選択することができる。また、二以上の処理を組み合わせて行ってもよい。原料が有機高分子ゲル内で水和物を形成している場合には、100〜300℃で1〜24時間程度加熱して脱水和させることが好ましい。また、原料が有機金属錯体や有機化合物であってゲルの間隙に分散している場合には、加水分解などにより有機成分を取り除くことが好ましい。更に、原料が金属イオンであってゲル内でイオン形態をとっている場合には、ヒドラジン等で液相還元処理を行うことが好ましい。尚、加熱による脱水和の場合には、溶媒の除去と安定化処理が同時に行われる。
有機高分子ゲルは、上記のようにして得られたハイブリッド構造体をゲルの分解温度以上の温度で熱処理することにより除去することが好ましい。熱処理は、通常300〜1500℃、好ましくは500〜1000℃で実施する。還元ガス又は不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うと、炭化率の高いハイブリッド構造体では、炭素層で覆われた三次元ネットワーク構造体が、炭化率の低いハイブリッド構造体では、金属又は金属と金属酸化物が混合した三次元ネットワーク構造体が得られる。
本発明の製造方法によって得られる三次元ネットワーク構造体は、後記製造例に示すように、金属又は金属酸化物からなる無機骨格そのものに細孔径がナノメートルスケール(通常、1〜100nm)の細孔と、骨格間にサブマイクロメートスケール〜マイクロメートルスケール(通常、500nm〜10μm)の細孔とを同時に有する。そのため、細孔容積は、約2〜5cm3/gと高く、吸水効率や吸着効率に極めて優れる。また、均一な細孔の形成により、内部応力を緩和するため、クラックを生じない。細孔サイズや細孔容積は、有機高分子ゲルの三次元網目状構造、原料の導入量、安定化方法及び熱処理方法によって調節可能である。
本発明の製造方法によって得られる三次元ネットワーク構造体は、吸・脱着剤、分離担体、触媒担体、酵素担体、フィルター、マイクロリアクター、超軽量基剤、光起電力材料、光機能材料、熱交換体、エネルギー吸収材、耐熱材、人工骨、人工歯などに広く利用される。
以下、製造例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら製造例に何ら限定されるものではない。
製造例1
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換ゲル(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に鉄イオンを導入した(導入率 Q/QIEC = 0.6(Q:鉄イオンの導入量、QIEC:ゲルのカチオン交換容量)。次いで、ゲルを濾過した後、200℃で1時間加熱して溶媒を揮発させ、カチオン交換ゲルと鉄イオンとからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを700℃で1時間焼成し、酸化鉄微粒子からなる細孔径100nm以下の三次元ネットワーク構造体(1)を得た。図2に、構造体(1)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換ゲル(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に鉄イオンを導入した(導入率 Q/QIEC = 0.6(Q:鉄イオンの導入量、QIEC:ゲルのカチオン交換容量)。次いで、ゲルを濾過した後、200℃で1時間加熱して溶媒を揮発させ、カチオン交換ゲルと鉄イオンとからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを700℃で1時間焼成し、酸化鉄微粒子からなる細孔径100nm以下の三次元ネットワーク構造体(1)を得た。図2に、構造体(1)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
製造例2
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換樹脂(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に導入率 0.3で鉄イオンを導入した。次いで、1000℃で焼成する以外は製造例1と同様にして、酸化鉄微粒子からなる細孔径500nmの三次元ネットワーク構造体(2)を得た。図3に、構造体(2)のSEM写真を示す。
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換樹脂(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に導入率 0.3で鉄イオンを導入した。次いで、1000℃で焼成する以外は製造例1と同様にして、酸化鉄微粒子からなる細孔径500nmの三次元ネットワーク構造体(2)を得た。図3に、構造体(2)のSEM写真を示す。
製造例3
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換ゲル(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に導入率 0.3で鉄イオンを導入した。次いで、ゲルを濾過した後、ヒドラジン(50 mL)を加え、鉄イオンを還元し、カチオン交換ゲルと金属鉄とからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを700℃で1時間焼成し、酸化鉄微粒子からなる細孔径1μm未満の三次元ネットワーク構造体(3)を得た。図4に、構造体(3)のSEM写真を示す。また、多孔体(3)のX線回析(XRD)により、原料の硝酸鉄は完全に消失し、構造体(3)の構成成分は、α-Fe、Fe2O3及びFe3O4であることが確認された。図5に、構造体(3)の走査型電子顕微鏡(EDX)写真を示す。
硝酸鉄(III)の水溶液(100 mL)にカチオン性交換ゲル(30g)を投入し、室温で24時間攪拌してゲル中に導入率 0.3で鉄イオンを導入した。次いで、ゲルを濾過した後、ヒドラジン(50 mL)を加え、鉄イオンを還元し、カチオン交換ゲルと金属鉄とからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを700℃で1時間焼成し、酸化鉄微粒子からなる細孔径1μm未満の三次元ネットワーク構造体(3)を得た。図4に、構造体(3)のSEM写真を示す。また、多孔体(3)のX線回析(XRD)により、原料の硝酸鉄は完全に消失し、構造体(3)の構成成分は、α-Fe、Fe2O3及びFe3O4であることが確認された。図5に、構造体(3)の走査型電子顕微鏡(EDX)写真を示す。
製造例4
カチオン交換ゲル(30 g)にチタンイソプロポキシド(50mL)を添加して含浸させた。このものを濾過した後、50%プロパノール水溶液(500mL)に室温下6時間浸漬した後、酸素存在下、200℃で1時間加熱してプロパノール水溶液を揮発させ、カチオン交換ゲルとチタンの水酸化物とからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを500℃で1時間焼成し、酸化チタン微粒子からなる細孔径約数μm、壁厚約数nmの三次元ネットワーク構造体(4)を得た。図6に、構造体(4)のSEM写真を示す。また、(4)のXRDにより、構成成分はアナタース型二酸化チタンであることが確認された。
カチオン交換ゲル(30 g)にチタンイソプロポキシド(50mL)を添加して含浸させた。このものを濾過した後、50%プロパノール水溶液(500mL)に室温下6時間浸漬した後、酸素存在下、200℃で1時間加熱してプロパノール水溶液を揮発させ、カチオン交換ゲルとチタンの水酸化物とからなるハイブリッドゲルを得た。このハイブリッドゲルを500℃で1時間焼成し、酸化チタン微粒子からなる細孔径約数μm、壁厚約数nmの三次元ネットワーク構造体(4)を得た。図6に、構造体(4)のSEM写真を示す。また、(4)のXRDにより、構成成分はアナタース型二酸化チタンであることが確認された。
Claims (7)
- 三次元ネットワーク構造を形成し得る金属又は金属酸化物の原料を三次元網目状有機高分子ゲルに導入し、ゲル間隙の溶媒を除去することにより、有機高分子ゲルを鋳型又は反応場とした無機-有機構造を有する三次元ネットワーク構造体の前駆体を形成し、当該前駆体中の有機高分子ゲルを除去することを特徴とする、金属又は金属酸化物の三次元ネットワーク構造体の製造方法。
- 有機高分子ゲルが、カチオン交換ゲル又はカチオン性イオン交換樹脂である請求項1記載の製造方法。
- 金属又は金属酸化物の原料が、金属の硝酸化物又は金属アルコキシドである請求項1又は2記載の製造方法。
- 金属又は金属酸化物の原料の水溶液を用いる請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- ゲル間隙の溶媒を除去した後に、更に安定化処理をする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
- 金属又は金属酸化物からなる無機骨格そのものに細孔径がナノメートルスケールの細孔を、かつ骨格間に細孔径がサブマイクロメートルスケール〜マイクロメートルスケールの細孔を有する三次元網目状無機質多孔体。
- 細孔容積が2〜5cm3/gである請求項6記載の無機質多孔体。
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2003
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