JP2746905B2 - 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

光半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JP2746905B2 JP63075625A JP7562588A JP2746905B2 JP 2746905 B2 JP2746905 B2 JP 2746905B2 JP 63075625 A JP63075625 A JP 63075625A JP 7562588 A JP7562588 A JP 7562588A JP 2746905 B2 JP2746905 B2 JP 2746905B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は酸無水物系硬化剤を用いた光半導体封止用
エポキシ樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
エポキシ樹脂の硬化剤として酸無水物系のものを用い
た組成物は、無色透明の硬化物を与え、光半導体封止用
の材料として特に賞用されている。
ところが、この種の硬化剤系では、硬化剤単独では反
応が遅いため、第三級アミンやイミダゾール類などの硬
化促進剤を併用しているのが普通である。最近では、封
止作業性を向上させるため速硬化の要求が強く、上記促
進剤の添加量も増えつつある。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来のエポキシ樹脂組成物の欠点として
は、速硬化の反面、組成物調製後使用に供するまでの間
の粘度増加が速く、ポツトライフが短くなることがあ
る。
この発明はこのような事情に鑑みなされたもので、速
硬化性に富み、かつポツトライフが適正で、しかも無色
透明性の硬化物を付与しうる光半導体封止用エポキシ樹
脂組成物の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の光半導体封止
用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂に酸無水物系硬
化剤および硬化促進剤を配合してなるエポキシ樹脂組成
物において、全エポキシ樹脂の20〜100重量%が、下記
の一般式(I)で表され、かつnが零となるものが全体
の90重量%以上を占めるビスフエノールF型エポキシ樹
脂によつて構成されているという構成をとる。
すなわち、この発明者らは、酸無水物系硬化剤を使用
するエポキシ樹脂組成物について、速硬化性を保持しな
がらそのポツトライフを長くするため一連の研究を重ね
た結果、エポキシ樹脂として前記一般式(I)で表さ
れ、かつ一般式(I)中のnが零となるものが全体の90
重量%(以下「%」と略す)以上を占めるビスフエノー
ルF型エポキシ樹脂を用いると、硬化促進剤の量を多く
して速硬化としても、混合液の粘度変化は相対的に少な
く、長いポツトライフが得られるようになることを見い
出した。
上記の理由については必ずしも明らかではないが、こ
の発明者らの推測によれば、前記のビスフエノールF型
エポキシ樹脂はその粘度自体が低く、また分子内に含ま
れる水酸基の量が非常に僅かとなつているため、これが
ポツトライフの向上に好結果を与えるものと思われる。
この発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上
記のビスフエノールF型エポキシ樹脂と酸無水物系硬化
剤と硬化促進剤とを用いて得られる。
上記ビスフエノールF型エポキシ樹脂は、前記一般式
(I)中のnが零となるものが全体の90%以上を占める
ものであり、換言すればnが1以上(通常1または2程
度)となるものが全体の10%に満たない割合に抑えられ
たものである。しかし、合成可能であり限り、nが零と
なるものだけで構成されているのがもつとも好ましい。
このようなビスフエノールF型エポキシ樹脂に関し、こ
の発明に適用できる市販品の代表例を挙げれば、日本チ
バガイギー社製の商品名XPY−306(一般式(I)中のn
が零となるものが全体の99%を占めるもの)などがあ
る。
この発明では、上記ビスフエノールF型エポキシ樹脂
以外にも、他のエポキシ樹脂を併用するこは可能であ
る。しかしながら、この場合、併用するエポキシ樹脂
は、全エポキシ樹脂の80%までに制限する必要がある。
すなわち、上記併用するエポキシ樹脂が80%を超える
と、ポツトライフを長くするという効果がなくなるから
である。特に、上記併用するエポキシ樹脂は、50%以下
に抑制することが好適である。
上記併用するエポキシ樹脂は、よく知られているもの
であり特に材質を限定しない。たとえば、ビスフエノー
ルA型エポキシ樹脂,フエノールノボラツク型エポキシ
樹脂,脂環式エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアネ
ートやヒダントインエポキシのような含複素環エポキシ
樹脂,水添加ビスフエノールA型エポキシ樹脂,脂肪族
系エポキシ樹脂,グリシジルエーテル型エポキシ樹脂な
どがあげられ、単独で用いてもよいし組み合わせて用い
てもよい。
この発明において上記エポキシ樹脂の硬化剤として用
いられる酸無水物としては、たとえばヘキサヒドロ無水
フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸など従来公知のものを広く使用
することができる。酸無水物の使用量は、一般にエポキ
シ樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して80〜110
部程度である。
この発明において用いられる硬化促進剤としては、た
とえば2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフエノー
ル、ベンジルジメチルアミンなどの第三級アミン類、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリオク
チルメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマ
イドなどの第四級アンモニウム塩などがある。これらの
硬化促進剤は単独でもしくは併せて用いられ、その使用
量は、硬化剤100部に対して、通常0.5〜2.0部の割合で
よい。
この発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、以
上の各成分のほか、必要に応じて染料,老化防止剤,離
型剤,変性剤などの従来公知の添加剤を含ませることが
でき、また前記ビスフエノールF型エポキシ樹脂以外の
エポキシ樹脂として、この発明の効果を妨げない程度の
割合で他のエポキシ基を含む反応希釈剤や脂環式エポキ
シ樹脂などを使用することも可能である。
この発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上
記の原料を用い混合撹拌等の手段によつて得ることがで
きるものであつて、通常は、溶液状をしており、注型な
どの常用手段で半導体素子上に樹脂封止することがで
き、通常120〜130℃の温度で硬化する。これにより、耐
湿性に優れかつ耐熱性や絶縁特性などの良好な無色透明
な樹脂封止部を形成でき、特に、光半導体封止用として
好適な性能を奏する。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の光半導体封止用エポキシ樹
脂組成物は、上記のような特定のビスフエノールF型エ
ポキシ樹脂を特定量含有しているため、硬化促進剤の量
を多くして速硬化にしてもポツトライフを長く保つこと
ができ使い勝手がよい。そして、透明性に富んだ硬化物
になるため、光半導体封止用に最適である。
つぎに実施例について比較例とあわせて説明する。
〔実施例1〕 ビスフエノールF型エポキシ樹脂(一般式(I)にお
いてn=0のものが99%)100部に、4−メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸90部および2−エチル−4−メチル
イミダゾール0.5部を加え、均一に混合してこの発明の
光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例1〕 ビスフエノールF型エポキシ樹脂に代えてビスフエノ
ールA型樹脂(油化シエルエポキシ社製,EP−827)を10
0部使用した。それ以外は、実施例1と同様にして光半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
上記実施例1および比較例1の各組成物のゲル化時間
(温度150℃)、粘度変化(測定温度25℃)を調べた。
その結果を実施例6の結果と併せて次の第1表に示し
た。
〔実施例2〕 2−エチル−4−メチルイミダゾールの使用部数を1.
0部とした以外は、実施例1と同様にして、光半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例2〕 2−エチル−4−メチルイミダゾールの使用部数を1.
0部とした以外は、比較例1と同様にして、光半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例3〕 硬化促進剤としてトリオクチルメチルアンモニウムク
ロライド2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、
光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例3〕 硬化促進剤としてトリオクチルメチルアンモニウムク
ロライド2部を用いた以外は、比較例1と同様にして、
光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例4〕 エポキシ樹脂成分原料として、ビスフエノールF型エ
ポキシ樹脂(XPY−306)を75部用いるとともにビスフエ
ノールA型エポキシ樹脂(EP−827)を25部用いた。そ
れ以外は、実施例2と同様にして、光半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物を得た。
〔実施例5〕 エポキシ樹脂成分原料として、エポキシ樹脂(XPY−3
06)を50部用いるとともにビスフエノールA型エポキシ
樹脂(EP−827)を50部用いた。それ以外は、実施例2
と同様にして、光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得
た。
上記の実施例2,3,4,5および比較例2,3の各組成物の特
性を前記と同様にして測定した。その結果はつぎの第2
表に示されるとおりであつた。
〔実施例6〕 ビスフエノールF型エポキシ樹脂として、n=0のも
のが90%を占めるものを用いた。それ以外は実施例1と
同様にして光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
この組成物の特性は先の第1表のとおりである。
以上の第1表および第2表の結果から明らかなよう
に、この発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、
比較例のものに比べて粘度変化が小さく、ポツトライフ
が長くなつていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 保守 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−141250(JP,A) 特開 昭58−102923(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂に酸無水物系硬化剤および硬
    化促進剤を配合してなるエポキシ樹脂組成物において、
    全エポキシ樹脂の20〜100重量%が、下記の一般式
    (I)で表され、かつnが零となるものが全体の90重量
    %以上を占めるビスフエノールF型エポキシ樹脂によつ
    て構成されていることを特徴とする光半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】全エポキシ樹脂の50〜100重量%が、上記
    ビスフエノールF型エポキシ樹脂によつて構成されてい
    る特許請求の範囲第(1)項記載の光半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。
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