JP2744254B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2744254B2 JP63244582A JP24458288A JP2744254B2 JP 2744254 B2 JP2744254 B2 JP 2744254B2 JP 63244582 A JP63244582 A JP 63244582A JP 24458288 A JP24458288 A JP 24458288A JP 2744254 B2 JP2744254 B2 JP 2744254B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性樹脂組成物に関し、詳しくは電気・電
子材料(例えばプリント基板,コネクタ,コイルボビ
ン),自動車部品,家庭台所用品などの難燃性を要求さ
れる産業用又は家庭用資材の成形に好適な樹脂組成物に
関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、電気・電子分野,自動車分野の難燃性に対する
要求は厳しく、特に燃焼時の樹脂の溶融滴下は延焼の原
因となるため、安全性の上から溶融滴下防止が強く望ま
れている。
ところで、本発明者のグループは、特願昭63−4920号
明細書において、ラセミペンタッドで30%以上のシンジ
オタクティシティーを有するスチレン系重合体と難燃性
及び難燃助剤とからなる難燃性樹脂組成物を提案してい
る。この難燃性樹脂組成物によれば、ある程度難燃性
(自消性)に優れ、しかも耐熱性,機械的強度に優れた
成形品を得ることができるものの、難燃性のうちでも樹
脂の溶融滴下防止といった点からは改良の余地があっ
た。
本発明の目的は、上記従来の欠点を解消し、特に燃焼
時の樹脂の溶融滴下を抑え、また溶融滴下による延焼を
有効に防止することができ、しかも力学的物性にも優れ
た樹脂組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (A)ラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティ
シティーを有するスチレン系樹脂100重量部に対して (B)難燃剤3〜100重量部, (C)難燃助剤1〜30重量部及び (D)テトラフルオロエチレン重合体0.003〜10重量部 の割合で配合してなる難燃性樹脂組成物を提供すると共
に、これにさらに (E)熱可塑性樹脂5〜150重量部,ゴム状弾性体5〜1
00重量部及び無機充填材1〜300重量部のうち少なくと
も一種を配合してなる難燃性樹脂組成物を提供するもの
である。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の(A),
(B),(C)及び(D)成分あるいは(A),
(B),(C)(D)及び(E)成分を主成分とするも
のである。ここで(A)成分は、ラセミペンタッドで30
%以上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系
樹脂であるが、このラセミペンタッドで30%以上のシン
ジオタクティシティーとは、立体化学構造がラセミペン
タッドで30%以上のシンジオタクティシティー、即ち炭
素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフ
ェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する
立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは
同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定
量される。13C−NMR法により測定あれるタクティシティ
ーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2
個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッド,5個の場
合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に
言うラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティシ
ティーを有するスチレン系重合体とは、通常はダイアッ
ドで75%以上のシンジオタクティシティーを有するスチ
レン系重合体であり、この場合特にラセミペンタッドで
50%以上若しくはダイアッドで85%以上のシンジオタク
ティシティーを有するものが好ましい。なお、本発明の
ラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティシティ
ーを有するスチレン系重合体とは、ラセミペンタッドで
30%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチ
レン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化ス
チレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル
安息香酸エステル)およびこれらの混合物、あるいはこ
れらを主成分とする共重合体を指称する。なお、ここで
ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチ
レン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピル
スチレン),ポリ(ターシャリーブチルスチレン)など
があり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ
(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ
(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(アルコ
キシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン),
ポリ(エトキシスチレン)などがある。これらのうち特
に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン,
ポリ(p−メチルスチレン),ポリ(m−メチルスチレ
ン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン),ポリ
(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロスチレ
ン),ポリ(p−フルオロスチレン)、更にはスチレン
とp−メチルスチレンとの共重合体をあげることができ
る(特開昭62−187708号公報)。
また、本発明に用いるスチレン系樹脂は、分子量につ
いて特に制限はないが、重量平均分子量が10,000以上の
ものが好ましく、とりわけ50,000〜1,000,000のものが
最適である。ここで重量平均分子量が10,000未満である
と、耐溶剤性が不足する傾向がある。さらに、分子量分
布についてもその広狭は制約がなく、様々なものを充当
することが可能である。このラセミペンタッドで30%以
上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系重合
体は融点が160〜310℃であって、従来のアタクチック構
造のスチレン系重合体に比べて耐熱性が格段に優れてい
る。
このようなラセミペンタッドで30%以上のシンジオタ
クティシティーを有するスチレン系樹脂は、例えば不活
性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合
物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触
媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に
対応する単量体)を重合することにより製造することが
できる。
次に本発明においては(B)成分として難燃性剤を用
いる。
ここで難燃剤としては種々のものが挙げられるが、特
にハロゲン系難燃剤,リン系難燃剤が好ましい。ハロゲ
ン系難燃剤としては、例えばテトラブロモビスフェノー
ルA,テトラブロモ無水フタール酸,ヘキサブロモベンゼ
ン,トリブロモフェニルアリルエーテル,ペンタブロモ
トルエン,ペンタブロモフェノール,トリブロモフェニ
ル−2,3−ジブロモープロピルエーテル,トリス(2,3−
ジブロモプロピル)ホスフェート,トリス(2−クロロ
−3−ブロモプロピル)ホスフェート,オクタブロモジ
フェニルエーテル,デカブロモジフェニルエーテル,オ
クタブロモビフェニル,ペンタクロロペンタシクロデカ
ン,ヘキサブロモシクロドデカン,ヘキサクロロベンゼ
ン,ペンタクロロトルエン,ヘキサブロモビフェニル,
デカブロモビフェニル,デカブロモビフェニルオキシ
ド,テトラブロモブタン,デカブロモジフェニルエーテ
ル,ヘキサブロモジフェニルエーテル,エチレン−ビス
−(テトラブロモフタルイミド),テトラクロロビスフ
ェノールA,テトラブロモビスフェノールA,テトラクロロ
ビスフェノールAまたはテトラブロモビスフェノールA
のオリゴマー,臭素化ポリカーボネートオリゴマーなど
のハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー,ハロゲン化
エポキシ化合物,ポリクロロスチレン,ポリトリブロモ
スチレン等のハロゲン化ポリスチレン,ポリ(ジブロモ
フェニレンオキシド),ビス(トリブロモフェノキシ)
エタンなどが挙げられる。
一方、リン系難燃剤としては、例えばリン酸アンモニ
ウム,トリクレジルホスフェート,トリエチルホスフェ
ート,酸性リン酸エステル,トリフェニルホスフェンオ
キサイド等が挙げられる。
難燃剤としては、これらの中でも特にポリトリブロモ
スチレン,ポリ(ジブロモフェニレンオキシド),デカ
ブロモジフェニルエーテル,ビス(トリブロモフェノキ
シ)エタン,エチレン−ビス−(テトラブロモフタルイ
ミド),テトラブロモビスフェノールA,臭素化ポリカー
ボネートオリゴマーが好ましい。
上記(B)成分(難燃剤)は、前記(A)成分100重
量部に対して、3〜100重量部、好ましくは5〜90重量
部の割合で配合する。
ここで(B)成分の配合割合が3重量部未満では、得
られる樹脂組成物の難燃性が充分でない。
一方、100重量部を超えても難燃性はその割合に応じ
て向上せず、逆に他の機械的物性が損なわれるため好ま
しくない。
また、本発明においては、上述の(B)成分と共に、
(C)成分として難燃助剤を用いることが必要である。
(B)成分,(C)成分のいずれか一方のみを用いて
も目的とする効果を得ることはできない。
ここで難燃助剤としては、種々のものがあり、例えば
三酸化アンチモン,五酸化アンチモン,アンチモン酸ソ
ーダ,金属アンチモン,三酸化アンチモン,五塩化アン
チモン,三硫化アンチモン,五硫化アンチモン等のアン
チモン難燃助剤が挙げられる。また、これら以外にホウ
酸亜鉛,メタホウ酸バリウム,酸化ジルコニウム等を挙
げることができる。
これらの中でも(C)成分としては、特に三酸化アン
チモンが好ましい。
この(C)成分(難燃助剤)は、前記(A)成100重
量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部の
割合で配合する。
ここで(C)成分の配合割合が1重量部未満では、難
燃助剤としての効果が充分でない。
一方、30重量部を超えても難燃助剤としての効果はそ
の割合に応じて向上せず、逆に他の物性が損なわれるお
それがあるため好ましくない。
さらに本発明における(D)成分としてテトラフルオ
ロエチレン重合体を用いる。テトラフルオロエチレン重
合体として具体的には、テトラフルオロエチレン単独重
合体(ポリテトラフルオロエチレン)の他、テトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合
体、さらには共重合しうるエチレン性不飽和単量体を少
量含有するテトラフルオロエチレン共重合体などが挙げ
られる。このテトラフルオロエチレン重合体としては、
弗素含量65〜76重量%、好ましくは70〜76重量%のもの
が用いられる。
上記(D)成分は、前記(A)成分100重量部に対し
て0.003〜10重量部、好ましくは0.02〜2重量部、さら
に好ましくは0.1〜2重量部の割合で配合する。ここで
(D)成分の配合割合が0.003重量部未満では、燃焼時
の溶融滴下防止効果がない。一方10重量部を超えて配合
しても、燃焼時の溶融滴下防止効果はその割合に応じて
向上せず、逆に他の機械的物性が損なわれるおそれがあ
るため好ましくない。
本発明の難燃性樹脂組成物は、基本的には上記(A)
〜(D)成分よりなるものであるが、さらに場合により
(E)成分として熱可塑性樹脂,ゴム弾性体及び無機充
填材のうちの一種あるいは二種以上を配合してもよい。
ここで(E)成分として使用しうる熱可塑性樹脂とし
ては、組成物の用途等により様々なものが選定され、前
記(A)成分以外の熱可塑性樹脂であれば特に制限はな
い。
例えばアタクチック構造のポリスチレン,アイソタク
チック構造のポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂などのスチ
レン系重合体をはじめ、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル,ポリカーボネート,ポリフェニレン
オキサイド,ポリスルホン,ポリエーテルスルホンなど
のポリエーテル,ポリフェニレンスルフィド(PPS),
ポリアミド,ポリオキシメチレンなどの縮合系重合体、
ポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステル,ポリメチル
メタクリレートなどのアクリル系重合体、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリブデン,ポリ4−メチルペン
テン−1,エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレ
フィン、あるいはポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデ
ン,ポリ弗化ビニリデンなどの含ハロゲンビニル化合物
重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
これらの中でもポリカーボネート,ポリエステル,AB
S,ポリエーテルなどが好ましい。
本発明の(E)成分としては、上記熱可塑性樹脂を用
いる場合、この熱可塑性樹脂は、(A)成分100重量部
に対して5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部の割
合で配合される。ここで熱可塑性樹脂の配合割合が5重
量部未満であると、熱可塑性樹脂を配合する効果がみら
れず、一方、150重量部を超えるとこのもの自体の性質
との有意差がなく、熱的な性質の改善が期待できない。
また(E)成分として使用しうるゴム状弾性体は、様
々なものを充当することができるが、最も好適なもの
は、スチレン系化合物をその一成分として含むゴム状共
重合体である。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体
ゴム(SBR),スチレン−ブタジエンブロック共重合体
のブタジエン部分を一部あるいは完全に水素化したゴム
(SEBS),スチレン−イソプレンブロック共重合体ゴ
ム,スチレン−イソプレンブロック共重合体のイソプレ
ン部分を一部あるいは完全に水素化したゴム,あるいは
特願昭63−121700号明細書に記載したように、アルキル
アクリレート、アルキルメタクリレート及び共役ジエン
型二重結合を有する多官能性単量体からなる群から選ば
れた一種又は二種以上の単量体を重合させて得られる重
合体の存在下にビニル系単量体を重合させて得られる粒
状弾性体、例えば、アクリロニトリル−スチレングラフ
ト化ブタジエンゴム(ABS),アクリロニトリル−スチ
レングラフト化ブタジエン−ブチルアクリレート共重合
体ゴム(AABS),メチルメタクリレート−スチレングラ
フト化ブチルアクリレートゴム(MAS),スチレングラ
フト化ブタジエンゴム(SB),メチルメタクリレート−
スチレングラフト化ブタジエンゴム(MBS),メチルメ
タクリレート−スチレングラフト化ブタジエン−ブチル
アクリレート共重合体ゴム(MABS)があげられる。これ
らは、いずれもスチレン単位を有するため、主としてシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂に対する
分散性が良好であり、その結果、物性の改善効果が著し
い。
さらに、ゴム状弾性体の例としては、上記の他、天然
ゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリイソブチ
レン,ネオプレン,エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム,ポリスルフィドゴム,チオコールゴム,アクリルゴ
ム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,エピクロルヒドリ
ンゴムなどが挙げられる。
上記ゴム状弾性体は、前記(A)成分100重量部に対
して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の割合で
配合される。このゴム状弾性体を配合することにより力
学的物性、特に耐衝撃性などが一層改善される。この配
合割合が5重量部未満であると、耐衝撃強度、伸びの改
善が不足し、100重量部を超えると、剛性,耐熱性の改
善が不足する。
さらに(E)成分として使用しうる無機充填材として
は、繊維状のものであると、粒状,粉状のものであると
を問わない。繊維状無機充填材としてはガラス繊維,炭
素繊維,アルミナ繊維等が挙げられ、特にガラス繊維,
炭素繊維が好ましい。ここでガラス繊維の形状としては
クロス状,マット状,集束切断状,短繊維,フィラメン
ト状のものがあるが、好ましくは、集束切断状であり、
長さが0.05mm〜13mm,繊維径が5〜20μmのものであっ
て、特にシラン系処理を施したものが好ましい。また、
炭素繊維としてはポリアクリロニトリル(PAN)系のも
のが好ましく、さらに好ましくはチョップドファイバー
タイプであって、長さが3mm程度、直径が7〜15μmの
束ねたものが良い。
一方、粒状,粉状無機充填材としては、タルク,カー
ボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,シリカ,
マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭酸バリウ
ム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸バリウ
ム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミナ,カオリ
ン,炭化ケイ素,金属粉末等が挙げられる。特にタル
ク,炭酸カルシウム,マイカが好ましい。タルクの好ま
しい平均粒径は0.3〜20μm、さらに好ましくは0.6〜10
μmのものが良い。炭酸カルシウムの好ましい平均粒径
は0.1〜20μmである。また、マイカの好ましい平均粒
径は40〜250μm、さらに好ましくは50〜150μmであ
る。
上記無機充填材は、前記(A)成分100重量部に対し
て、1〜300重量部、好ましくは10〜250重量部の割合で
配合される。ここで、無機充填材の配合割合が1重量部
未満であると、充填材としての充分な配合効果が認めら
れない。一方、300重量部を超えると均一に分散でき
ず、得られる組成物が機械的強度に劣るものとなる虞れ
がある。
本発明の(E)成分としては、上記の熱可塑性樹,ゴ
ム状弾性及び無機充填材のうち少なくとも一種を用いる
ことができ、いずれか一種のみならず、二種以上を適宜
組合せて用いることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の(A)〜(D)
成分、及び必要に応じてさらに(E)成分からなるもの
であるが、本発明の目的を阻害しない限り、各種の添加
剤あるいはその他の合成樹脂を必要に応じて配合するこ
とができる。ここで前記添加剤としては、例えば亜リン
酸エステル系,リン酸エステル系の酸化防止剤,ベンゾ
トリアゾール系,ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、脂
肪族カルボン酸エステル系,パラフィン系の外部滑剤,
常用の核剤,離型剤,帯電防止剤,着色剤等が挙げられ
る。その他の合成樹脂としては、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂,ポリメチル
メタクリレート等の各樹脂を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は上記の(A),(D)成分及び
場合により(E)成分、さらに必要により各種の所望成
分を配合し、適宜温度、例えば270〜320℃で混練するこ
とにより得ることができる。この際の配合,混練は通常
の方法によればよい。具体的にはニーダー,ミキシング
ロール,押出機,バンバリーミキサー,ヘンシェルミキ
サーや混練ロールによる溶融混練法あるいは溶液ブレン
ド法等によればよい。
〔実施例〕 次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。
参考例1(シンジオタクチック構造を有するポリスチレ
ンの製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と触媒成分とし
てテトラエトキシチタン5ミリモル及びメチルアルミノ
キサンをアルミニウム原子として500ミリモル加え、55
℃においてこれにスチレン15を加え、4時間重合反応
を行なった。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥し、スチレン
系重合体(ポリスチレン)2.5kgを得た。次に、この重
合体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックルレー抽
出し、抽出残分97重量%を得た。このものの重量平均分
子量は400,000、数平均分子量は180,000であり、融点は
269℃であった。また、この重合体は、13C−NMRによる
分析(溶媒:1,2−ジクロロベンゼン)から、シンジオタ
クチック構造に基因する145.35ppmに吸収が認められ、
そのピーク面積から算出したラセミペンタッドでのシン
ジオタクティシティーは98%であった。
実施例1 上記参考例1で得られたシンジオタクチックポリスチ
レン100重量部に、酸化防止剤として(2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト(商品名PEP−36:アデカ・アーガス社製)
0.7重量部及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール(商品名スミライザーBHT:住友化学(株)製)0.
1重量部を加え、さらにポリトリブロモスチレン23重量
部及び三酸化アンチモン(Sb2O3)6重量部及びポリテ
トラフルオロエチレン0.3重量部を混合し、ドライブレ
ンドを行った後、二軸混練押出機によって混練し、錠剤
化した。
得られたペレットを用い、射出成形及び切削加工を行
って、1/32インチ厚みの燃焼性試験片を作成し、UL94規
格に基いて燃焼性試験を実施した。この燃焼性試験の結
果を耐衝撃強度及び曲げ強度の測定結果と共に第2表に
示す。
実施例2〜8および比較例1〜3 (A)〜(E)成分として第1表に示すものを、所定
割合で配合したこと以外は、実施例1と同様にして試験
片を作成し、同様の評価を行った。結果を第2表に示
す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の樹脂組成物は難燃性に優れてお
り、特に燃焼時の樹脂の溶融滴下を抑え、溶融滴下によ
る延焼を有効に防止することができる。
また、本発明の樹脂組成物は力学的物性にも優れたも
のである。
さらに、熱可塑性樹脂,ゴム状弾性体及び無機充填材
のうち少なくとも一種以上を配合した本発明の樹脂組成
物は、優れた難燃性を維持しつつ、力学的物性において
一段と改良されたものである。
したがって、本発明の樹脂組成物は、難燃性,力学的
物性に優れたエンジニアリングプラスチックとして、電
気・電子材料,自動車部品,家庭台所用品など、特に難
燃性を要求される用途に有効な利用が期待される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ラセミペンタッドで30%以上のシン
    ジオタクティシティーを有するスチレン系樹脂100重量
    部に対して (B)難燃剤3〜100重量部, (C)難燃助剤1〜30重量部及び (D)テトラフルオロエチレン重合体0.003〜10重量部 の割合で配合してなる難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ラセミペンタッドで30%以上のシン
    ジオタクティシティーを有するスチレン系樹脂100重量
    部に対して (B)難燃剤3〜100重量部, (C)難燃助剤1〜30重量部及び (D)テトラフルオロエチレン重合体0.003〜10重量部 (E)熱可塑性樹脂5〜150重量部,ゴム状弾性体5〜1
    00重量部及び無機充填材1〜300重量部のうち少なくと
    も一種 を配合してなる難燃性樹脂組成物。
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